ウェブ解析ガバナンスのベストプラクティス

 ホワイ ト ペ ー パ ー
ウェブ解析ガバナンスの
ベストプラクティス
Search Engine Marketing:
Maximizing Profit with Web
ウェブ解析を成功に導くための組織構築方法
概略
貴社のウェブ解析の専任担当者はどなたかご存知ですか? 複数の専任担当者がいま
すか? それとも掛け持ちで担当されているのでしょうか? それ以前に、どなたが
ウェブサイトそのものを管理しているのかご存知ですか? 多くの企業ではウェブサ
イト全体を統括する専任担当者を置いていません。ましてや、ウェブ解析ともなる
と専任担当者を置くことはとても稀なことでしょう。
51%
サイトのユーザビリティ改善
ROI(投資回収率)の実証
44%
顧客満足度の理解と改善
44%
43%
ウェブ開発業務の優先順位決定
35%
予算の制約
サイトで収集された
データの解釈
28%
19%
サイトの戦略が不明確
17%
経営陣の責任者が不在
その他
3%
売上高5000万米ドル(約58億円)以上の企業のウェブ責任者の
割合(%)
図 1:大企業における主要課題
(出典:
JupiterResearch レ ポ ー ト『WeB Site Spending
and Governance』2005 年 5 月)
JupiterResearch などの業界アナリストによると、E ビジネスやウェブ解析の成功の鍵は、
専任の担当者を指名し、責務を明確化し、社内の主要な利害関係者全てを巻き込み、ウェ
ブ(で取得できる)データの重要性を組織全体で共有することにあるといいます。このよ
うな考え方を多くの企業が受け入れはじめている一方、(高度な管理戦略を持っていると
思われている)大企業の大半には十分に浸透していないのが現状です。むしろ、大企業は
社内の複数部門に渡って存在する E ビジネスの効果分析や最適化のニーズを管理し、調整
し、優先順位を一手に引き受ける個人あるいはグループの担当者をたてていないばかりに
効率悪化を招く結果に陥っているのです。
図 1 に見られるように、インターネットでビジネスを展開している企業は、いわゆるウェ
ブにまつわる問題(予算の制約、サイトユーザビリティ、“情報過多による分析不能”)だ
けではなく、よりプレッシャーの大きい問題(ROI の実証、優先順位の決定、方針の策定)
にも直面していることがわかります。特筆すべきは、「責任者の不在」や「サイトの戦略
が不明確」などの問題は、いずれもこのリストでは最下位に位置していますが、これらの
問題こそが E ビジネス成功の根幹をなしていることを理解しておく必要があります。事実、
我々が常日頃お客様と接するなかで、この根幹の問題を解決することが「ユーザビリティ
の改善」や「ROI の実証」といった目に付きやすい問題の解決の糸口となっていることを
目の当たりにしているのです。
ウェブサイト管理の一部ではありますが、ウェブ解析管理(ガバナンス)という概念は多
くの人にとってはまだ馴染みの薄いものでしょう。元来 IT 担当者の独占領域であった(い
まだその傾向は多々にありますが)ウェブサイトとウェブサイトから取得できる重要な
マーケティングデータが技術とは無縁の人々、すなわちマーケッター達の手に渡ったので
す。この IT 担当者達が、マーケティングチームを啓蒙し、彼らにウェブ解析の重要性を
開眼させたとはいえ、この著しい状況の変化は IT 担当者達にストレスや懸念、無力感を
引き起こさせる原因となることがあるのです。というのも「誰が責任者なのか?誰にレポー
ティングする必要があるのか?マーケティング部門は他部門のニーズに気付いているの
か?マーケティング部門はデータの重要性を理解しているのか」といった質問責めが、こ
のような状況では日常茶飯事となるからです。
不安や不透明さ、懸念といったものは、組織を成功に導く最良な方程式とはいえません。
それでは関係者すべてを同じ土俵に立たせるにはどうすればよいのでしょうか?誰がウェ
ブ解析の優先順位の決断をくだし、全社的にデータに基づいた意思決定のプロセスを浸透
させるのが適任なのでしょうか?
ウェブ解析委員会のススメ
普段、組織において数値化や説明責任の重要性を強く説いている CEO(最高経営責任者)
であれば、ウェブ解析ガバナンスの必要性も理解できるはずです。適切なウェブ解析ガバ
ナンスは、可能な限り部門毎に異なるレポートのニーズを理解し、優先順位をつけた上で
レポートを提供することを確実にします。必要条件に見合ったレポートをいつでもタイム
リーに提供できるよう、世界標準(グローバルスタンダード)も導入されます。
多くのお客様と直接お付き合いさせていただいている経験則から、Omniture ではお客様
に社内の各部門のビジネスリーダーで構成された委員会にウェブ解析に関する責任をゆだ
ねることをお勧めしています。委員会のメンバーは、CEO あるいは同等の役員レベルの
方から任命される必要があります。これにより、所有権や責任の所在についての方針が明
確になるだけでなく、予算やリソースの配置についても意思決定できる民主的な委員会を
作ることができます。ウェブ解析ガバナンス委員会に参加させる部門を決めるときは、で
きるだけ門戸を広げます。財務部門や人事部門などは特に参加の必要がないようにも思え
ますが、招待だけは行って、参加するかどうかを当事者に判断させます。実際、ウェブの
ROI 解析にこれらの部門がどれだけ貢献してくれるかを目の当たりにして驚かれることで
しょう。なんといっても、この委員会は社内全体をつなぐための委員会なので、排他的な
場にしてはなりません。委員会では、ウェブサイトの変更時や新しいキャンペーンの開始
時に各担当者が従うべき標準手順書を作成し、実行プロセスとレポート作成プロセスを体
系化します。
『ウェブ解析ガバナンス』ホワイトペーパー
この委員会にはリーダが必要です。ここでは、このリーダをエグゼクティブスポンサーと
呼ぶことにしましょう。この役割を担うのは IT に精通している人物が適任ですが、必ず
しも技術の専門家である必要も経営者である必要もありません。ウェブ解析の経験を持ち、
数字を扱うのが苦にならず、様々に異なるウェブ解析モデル(ASP などのオンデマンドソ
リューションやソフトウェアインストールを伴うソリューション)について理解している
必要があります。また、インターネット上あるいはサーバ間でのさまざまなデータ変換方
法に通じているほか、予算編成、交渉術、プロジェクト管理の経験もある程度必要です。
図 2 は JupiterResearch が概念化した理想的なウェブ解析担当者です。「雇用年数」など
を付け足せば、自社独自のエグゼクティブスポンサー像のできあがりです。
ビジネスマインドを持ち、マーケティング経験または
マーケティングに対する強い関心を有している。ボー
ナスは現実的な目標の達成率に応じて支払うべき。
技術に精通し、ある程度の HTML コーディング経験
/ ウェブ開発経験が必要。ビジネス部門と IT 部門の
ギャップを埋めるのが最も重要な仕事。
部門を超えたチームで実績を挙げた経歴。データの重
要性を伝えることが主要課題。
組織内での発言力を確保できる程度の地位。できれ
ば、マーケティング統括責任者または事業統括責任者
レベルへの直接報告が望ましい。
安くはない人件費。才能のある経験者の場合は、概ね
10 万米ドル(約 1,100 万円)以上かかるのが相場。
図 2:成功するウェブ解析リーダの特徴
(出典:JupiterResearch レポート『web Analytics Spending, Staffing and Vendor Selection』
2004 年 10 月)
エグゼクティブスポンサーが選任されたら、最初に取り掛かるべき仕事は、デスクワーク
ではなく、ウェブ解析ツールを使いこなしている担当者へのヒヤリングです。まずは、次
のような質問をしてみましょう。
その部署が必要とする人員数に対して、現在いる人員は何人か?
もっとも重要と考えているレポートはどれか?
どのような評価指標や測定方法を使用しているか?
現状は作成できていないが、あれば便利なレポートはどんなレポートか?
ウェブ解析ガバナンス委員会では、次のような課題について検討する必要があります。
すべてのレポートを基準に準拠させるか?
コード設定に関する基準を定めるか?
ネーミングに関する基準を定めるか?
Flash のトラッキングに関する基準を定めるか?
社内共通の、またはグローバルな変数はあるか?
注:上記以外の戦略的論点については、御社の Omniture 担当者がアドバイスいたしま
す。
これらのヒヤリングには、形式張らずに話を聞くのが最も効果的でしょう。実際、我々は
メールでのアンケートよりも、直接会って話すことをお勧めしています。エグゼクティブ
スポンサーが他部門のニーズを理解するために、彼らの個人的な時間を少々犠牲にしてで
も費やせば、より多くの賛同を得ることができるでしょう。また、対面インタビューを行
えば、ウェブ解析で何ができ、何ができないのか、あるいはなぜ特定のリクエストは実現
不可能なのかといったウェブ解析に関する理解をより深めてもらうことができるでしょ
う。
このような社内の現状調査が終了したら、エグゼクティブスポンサーはヒヤリングへの協
力者とウェブ解析ガバナンス委員会メンバーの両者に要約された情報を共有する必要があ
ります。
『ウェブ解析ガバナンス』ホワイトペーパー
コラム:SOX 法の遵守
ウェブ解析の利用者のアクセス権限もまた、ガバナンスにおいて重要なポイントです。こ
の分野にスポットを当てさせたのが Sarbanes-Oxley(SOX)法です。開発担当者が、彼
らの担当箇所の仕事をする際に、四半期の純利益と目標額を知ってしまうことは適切で
しょうか?おそらくそれは適切ではないでしょう。また、遠隔勤務している従業員のデー
タアクセス方法についても考慮する必要があります(ワイヤレスネットワークはファイア
ウォールを装備していない PC と同じようにリスクを増大させます)。退職した従業員の
アクセス権限を停止するプロセスも必要です。ウェブ経由でアクセス可能なオンデマンド
システムを導入している場合は、これらのことが特に重要となるのです。それぞれのレポー
トにどのユーザがアクセス権限を与えられるべきかをしっかり検討しておくことが、トラ
ブルを未然に防ぐ方法です。SiteCatalyst では、アクセス権限の設定も変更も簡単に行え
るので、ガバナンスにおいて重要なこの領域をおろそかにしないでください。
ガバナンス実施のベストプラクティス
委員会が設置され、エグゼクティブスポンサーが方針を定められれば、滑り出しは上々で
す。次に必要になるのが、グラウンドの地ならしです。マーケティング、広告、販売促進、
製品開発などの部門は、常に人員やウェブサイト上のスペースを奪い合う関係であり、ウェ
ブ解析のサポートについても同様といえます。時には、ある部門のニーズを満たそうとす
れば別の部門の犠牲が避けられないケースもあります。経営的な視点からすると、ある部
門は「コストセンター」
(IT、人事)で、残りは「プロフィットセンター」
(マーケティング、
販売促進)であると考えるのは自然なことですが、これらをリソースを割り当てる基準と
するのは正当ではありません。適切なリソースの割り当てには、行き過ぎを抑えて均衡を
とるプロセスが必要です。
マトリクスの記入
更新スケジュールとプロジェクトの
優先順位を把握できれば、レポート
作成基盤の構築期間まで組み込んだ
将来的な計画を立てることができま
す。
プロジェクトマトリクスを使用している企業は多くても、ウェブ解析に依存したマトリク
スがテンプレートに盛り込まれるのは稀なことです。プロジェクトマトリクスを知らなく
ても焦る必要はありません。名前から想像するほど難しいものではありません。ベストプ
ラクティスの観点からすると、パイプラインに上がっている全てのプロジェクトと、プロ
ジェクト毎にウェブ解析チームで定義されたトラッキング項目(訪問者数、CPA、収益、
転換率など)をリストアップすることから始めます。また、
プロジェクトの担当者、
プロジェ
クトの戦略的価値、承認日、稼動予定日、完成までの予定工数、予想収益またはコスト削
減額も記入します。すべてのプロジェクトを記入したら、
リストアップされた要因に基づき、
レポート作成の必要性も考慮しながら、委員会でそれぞれのプロジェクトの重要度を割り
当てて、優先順位を付ける作業を行います。
プロジェクトマトリクスを作成したグループがそのままウェブ解析ガバナンス委員会を引
き継ぐのが理想的です。そうでない場合でも、いつどのようにリソースを配分すべきかと
いった決断を下すために、委員会は各プロジェクトの詳細な情報が必要です。更新スケ
ジュールとプロジェクトの優先順位が把握できれば、ウェブ解析ガバナンス委員会はレポー
ト作成基盤の構築期間まで組み込んだ将来的な計画を立てることができます。これによっ
て、プロジェクト担当者は、新機能とそれに関連するレポート機能が正しく動作するか、
開発サイトで公開前にテストすることができます。このステップは見過ごされがちですが、
極めて重要なステップです。レポート機能を事前に考慮せずに新しい機能が公開されるケー
スも少なくありません。事が起こってからウェブ解析用のリソースを要求するような間違
いは、事前に回避することができます。ウェブ解析ガバナンス委員会に参加することで、
他の部門のリーダも、プロセスについての理解が深まるだけでなく、どのようなレポート
が入手可能かを知ることができます。これにより、企業はウェブ解析システムの威力をフ
ルに活用することができ、データに基づいた意思決定を推し進めて、さまざまな部門への
導入を促進できるのです。
『ウェブ解析ガバナンス』ホワイトペーパー
変革の文化を創る
「ああ、そんなに簡単にいくなら」と思われるかもしれませんね。すべての組織には、そ
の規模にかかわらず、その企業独特の政治が絡んできます。利害の対立や内紛と呼ばれ、
生産性阻害要因となっているものです。策略やごまかし、議事進行妨害はどうすれば断ち
切ることができるでしょうか?パズルの最初のピースはトップから、つまり CEO の出番
です。ご承知のように、経営者の熱意は大きな役割を果たします。経営者が組織への気遣
いを行わない環境では、ウェブ解析の成功が理解されにくいものになりがちです。実際、
Forrester Research の 2004 年 6 月のレポートによると、ウェブ解析の成功度を「高い」
と位置づけた企業は、インタビュー対象の 44%しかありませんでした。
影響力の行使
補足:ウェブ解析ガバナンスを最適化する
ための支援が必要でしたら、弊社
([email protected])までご連絡ください。
ウェブ解析業務に関して言えば、CEO が変革を促す方法はたくさんあります。例えば、ウェ
ブ解析ガバナンス委員会に、取締役、副社長、管理職などの重要な役職を任命することが
できます。これによって CEO は、企業の目標達成に資するウェブ解析を行うためにどの
ような変更や改善が必要なのかについて見通しを持つことができます。もちろん、小切手
を書くのが好きな CEO はいませんが、レポート機能強化のために予想外の請求書が舞い
込むような事態はさらに嫌われます。
エグゼクティブスポンサーは、適切なデータ解析結果を CEO に提供すべきですし、CEO
はその情報に頻繁に目を通すべきです。CEO が表立って情報を使用することで、ウェブ
解析データの価値や精度、重要性に対する信頼性が向上します。データを重要視している
組織であれば、Cognos、Brio、Business Objects などのビジネスインテリジェンス(BI)
ツールやオンライン分析処理(OLAP)ツールが頻繁に活用されていることでしょう。BI
ツールや OLAP ツールはウェブ解析データを取り込むことができます(SiteCatalyst であ
ればその逆も可能です)。そのため、BI プラットフォームの操作に慣れたスタッフに新し
いツールの操作方法を学ばせることなく、ウェブ解析データの可視性を高めることができ
ます。
CEO やエグゼクティブスポンサーが、社内のウェブ解析の浸透度合いに影響を与えるよ
い方法として、ウェブ解析を活用して意思決定した例と活用せずに意思決定した例を示す
方法があります。例を選ぶときは、昔の成功体験からくる根拠もなく、立証もできない勘
に頼ってしまうと、如何に会社の時間、コストを無駄にし、市場の競争優位性が損なわれ
てしまうかという例と、データに基づく意思決定は、如何に工数とコストが節約できるだ
けでなく、市場での勝ち組になれるかを示す例を選ぶのがいいでしょう。最後に、CEO は、
ウェブ解析へ工夫を凝らした取り組みに対してインセンティブを付けることをオススメし
ています。例えばビジネスを異なる視点で検証するような新しい貴重な手法を見つけ出し
た従業員に対して報酬を出すなどが一例です。
妥当性の確保
それでも拒否反応を示す人、つまりデータに基づいた成功例を突きつけられても、ウェ
ブ解析は自分には関係ないと考える人はいます。ウェブ解析を使用する代わりに、今ま
での(時間のかかる)方法でデータの収集、分析、伝達を行うことに固執する人たちです。
多くの企業では「業務変革推進」専門の人材がいない場合がほとんどですから、このよ
うにウェブ解析を受け入れない人々にどのように対処すればよいのでしょうか。
拒否反応を示す人々への対処方法は、すべて努力と妥当性次第です。ウェブ解析チームの
メンバーは、少々時間をとり、ウェブ解析ツールがいかに業務を簡素化でき、仕事を早く
片付けることができるかを彼らに説明しましょう。お気に入りのレポートをブックマーク
に登録する方法も教えてあげましょう。そして、彼らが担当するレポートの中で、ウェブ
解析ツールなしでは分からなかった貴重な知見を探してあげましょう。最後に、彼らの仕
事を楽にしてあげましょう。つまり、ウェブ解析プラットフォームの配信機能を利用して、
彼らが本当に必要とする情報を自動配信してあげるのです(例えば、SiteCatalyst では、
ダッシュボードやレポートの電子メール配信スケジュールを簡単に設定できます)。この
ような人たちにウェブ解析ツールを使ってもらうには多少長く時間がかかるかもしれませ
んが、それもすべて変革文化を創造するプロセスの一部です。いつの日か、彼らに感謝さ
れる日が来るでしょう。そのときには、もっと多くのデータを要求してくるに違いありま
せん。
『ウェブ解析ガバナンス』ホワイトペーパー
トレーニングなくして結果なし
ウェブ解析ガバナンスにはトレーニングが必要でしょうか?もちろん必要です。多くの企
業では、トレーニングは一度限りの活動で、特別コストとして計上されるケースとして捉
えられています。しかしながら、トレーニングは ROI を上昇させるための継続的なプロ
セス、すなわち投資として捉える必要があります。トレーニングコストを不要コストと考
える人もいますが、トレーニングを行えば製品についての理解や利用率が向上するため、
結果として ROI が上昇するはずです。ウェブ解析分野においては、Omniture などのベ
ンダは年に数回ソフトウェアのバージョンアップを行うため、この傾向が特に顕著です。
Omniture と同レベルのトレーニング(オンデマンドのトレーニングを含む)は、必ずし
もすべてのベンダで実施されているわけではありませんが、ウェブ解析ガバナンス委員会
は初心者向けのトレーニングのほか、補習用の継続トレーニングや上級者向けトレーニン
グを用意しておく必要があります。継続トレーニングは、受講生は少なくとも基礎を理解
しているので、時間をかける必要はありません。新機能リリース時にその使い方をトレー
ニングするのはもちろんですが、一番時間をかけるべきは、受講生の担当分野を具体的に
サポートできるよう戦略部分のフォーカスです。良いベンダは、トレーニングについて顧
客と語り合いたいと考えています。それは、ユーザがそのベンダの製品との関係を深める
ことを意味するからです。関係が深まるほど顧客の満足度の向上やビジネス継続に関係し
ますので、ウェブ解析ベンダには遠慮なくトレーニングについて問い合わせてください。
きっと喜んで説明してくれるはずです。
結論
ウェブ解析ガバナンスの概念は、多くの企業でまったくといってよいほど取り入れられて
いませんし、そのため非効率的かつ不十分な資産活用の状況に陥っています。サポートや
仕組みの欠如は、新しいプロジェクトが開始されても、その効果を測定できない度に、担
当者の不満を雪だるま式に増大させていきます。ウェブ解析ガバナンス委員会を設置し、
有能なエグゼクティブスポンサーを担当につけ、合理的な優先順位決定プロセスやトレー
ニングの導入、成功事例のデータの共有を行うことで、組織の生産性は大幅に向上します。
そして、ビジネスの市場での成功をサポートする手段として、ウェブ解析の重要性の認識
も高まるでしょう。
お問い合わせ
ウェブ解析ガバナンスまたは社内体制の有効な構築方法について詳しい情報をお求めの場
合は、弊社([email protected])までお電話ください。喜んでお手伝いさせていただ
きます。
次のステップ:
ウェブ解析ガバナンスプロジェクトの近道
部門横断的に幹部を集めたウェブ解析ガバナンス委員会を設置します。
委員会のリーダを選任または任命します。
関係者から、必要条件や、悩んでいる点、あればいいなと思う項目をヒヤリングします。
ヒヤリングのフィードバックを、委員会とすべてのインタビュー相手の間で共有しま
す。
フィードバックを利用して、ウェブ解析の実施方法とレポート方法について定めた標
準手順書を作成します。
新しいプロジェクトのプロジェクトマトリクスを作成し、ウェブ解析への依存度と各
プロジェクトの戦略的価値を記入します。
資産価値、稼動予定日、所要日数などに基づいて、パイプライン上の各プロジェクト
に重要度または優先順位を割り当てます。
ウェブ解析方法に工夫をこらした人に報酬を与えたり、データに基づいて意思決定し
た成功事例を社内で取り上げることで、ウェブ解析の社内浸透を促進します。
『ウェブ解析ガバナンス』ホワイトペーパー
S e a r c h
E n g i n e
M a r k e t i n g :
Maximizing Profit with Web Analytics
03.4360.5385
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