第11回 - ヤンゴン日本人学校

永遠に在れ!
ヤンゴン日本人学校!
元派遣教員(2010 年~2013 年)
神奈川県
井上 史一
子どもの頃,地図を見るのが大好きでした。小学校高学年の頃だったでしょうか,学校で配ら
れた本格的な地図帳は私の一番の愛読書?となり,すぐにボロボロになってしまいました。今か
ら想うと,私とヤンゴンとの初めての出会いは,その地図帳だったかもしれません。低地を表す
緑色の部分に,血管のように枝分かれする水色の線。そのすぐ近くに大都市を表す二重丸とラン
グーンの文字。「ラングーン」。その不思議な響きは,なぜか私に,ジャングルで七色に光るカメ
レオンを連想させました。当時は想像もしませんでしたが,そのラングーンに日本人が暮らし,
すでに日本人学校も在ったのですね! そして 30 年後,この私が 3 年間もそこに暮らし,働くこ
とになるなんて!
ヤンゴンで暮らした 3 年間,ヤンゴン日本人学校で働いた 3 年間は,私の人生において掛け替
えのない大切なものとなりました。天真爛漫でスポンジのように何でも吸収していく子どもたち,
日本では考えられないほど近い保護者との関係や同僚との家族ぐるみのおつきあい,献身的に働
いて学校を支えてくれたミャンマー人スタッフ,いつもそばで世話を焼いてくれたハウススタッ
フの面々,
・・・一生の宝物です。反面,停電と闘った日々,ナゾのムシに刺されて大きく腫れあ
がった手足,そして,帰国間際に負った全治 6 ヶ月の重傷(笑),
・・・これらも忘れられない良
い思い出です。時が経てば思い出は浄化されるといいますが,帰国して 8 ヶ月しか経っていない
のにもうこの有様。今後が少し心配です。
先日,ある団体から,在外教育施設への派遣を目指す教員に向けて講演して欲しいという依頼
が舞い込み,その準備のために,コンピュータに雑然と放り込んであったヤンゴン関係のデータ
をチェック。懐かしい画像や動画についつい見入ってしまい,準備は遅々として進みませんでし
た。中でも,繰り返し何度も見てしまったのが,チルドレンズ・フェスティバルでのステージパ
フォーマンスの動画です。当時はさほど感じなかったのですが,学校を離れて改めて見てみると,
そのクオリティーの高さに驚かされます。特に,高学年のパフォーマンスは,子どもたちがほぼ
自力で創りあげたもの。あれだけのものを創り,みんなで練習し,短期間で完成させるヤンゴン
日本人学校の児童・生徒って,やっぱり凄かったんですね。
創立 50 周年,おめでとうございます。児童・生
徒の思い,保護者の思い,職員の思い,そして学
校を守ってきたすべての人の思いが,50 年分詰ま
ったヤンゴン日本人学校。いろいろな風を受けな
がらも,ビクともしなかった 50 年。これからも,
いろいろな方々に支えられながら,ヤンゴンの地
でインターナショナルな日本人子女を育ててくだ
さい。関係者の 1 人として,いつまでも応援させ
ていただきます。
永遠に在れ! ヤンゴン日本人学校!
今年の運動会では無事でした!!