アジアとヨーロッパの比較文化論 アジアとヨーロッパの比較文化論B 教授

アジアとヨーロッパの比較文化論B
アジアとヨーロッパの比較文化論B
教授 小川 明
1.授業のねらい・概要
前期(A)では日本人の精神構造を仏教と神道を分析することで考察し、合わせてイスラーム教とイス
ラーム文化について考えてきた。本講義では、最初に日本文化とヨーロッパ文化の比較論を紹介し、そ
れらを再検討することにより、日本文化について更なる考察を行う。ねらいは2つある。
1)ヨーロッパ文化については、キリスト教的精神主義、さらには近代合理主義の源泉と市民社会の構
築までを歴史的発展過程の中で考察する。
2)次に、日本人の精神構造を「武士道」概念に求めて、日本文化における“個と集団”について再検
討する。
2.授業の進め方
1)では、
“米とパン”
“木の文化と石の文化”等々、諸君が日頃耳にする比較論を、最近の比較論と交
えて紹介する。
2)後半は、日本的精神構造として、非常に誤解が流布している“武士道”の概念について再検討を行
う。
3.授業計画
1.比較文化の手法と現状
9.
「武士道」における“個と集団”
2.比較論「菊と刀」
10.
「武士道」における“忠義”
3.比較論「風土」
11.
《和して同ぜず》とは?
4.キリスト教とパン・ワイン
12.
「武士道」に見る“駆込慣行”
5.キリスト教と石の文化—教会堂建築
13.武士道」に見る組織論
6.木の文化とブルーノ・タウト
14.
“稟議”と日本的官僚組織
7.
『津田左右吉歴史論集』を読む
15.組織の崩壊と経営
8.
「武士道」と日本人の精神構造
4.成績評価の方法・基準
出席状況、レポートおよび期末定期試験の成績等を総合的に加味して判断する。
講義を三分の一以上欠席した学生には、期末試験の結果に関わらず、成績 A は与えない。
5.テキスト・参考文献
テキストは毎回の講義で、配布する
参考図書は講義の進行にともなって、講義中に指示する。
6.受講上の留意事項
受講には特に制限は設けない。
*出席は毎回取り、欠席の多い学生には期末試験の受験資格を拒否する場合が在るので注意。