2008年4月発行 ( 742.10 KB )

ニュース&レポート
1
News & Report
2008年度事業計画
PREXは、設立18年を迎え、研修参加者累計は、1万1千人を越え、支援対象国は
112カ国となりました。訪日研修参加者を中心に、
アジア・太平洋地域の13カ国・地域では
PREX同窓会が設立され活動しています。
2007年度は、
受入研修28件、
海外研修9件、
同窓会フォローアップ研修2件、
交流事業
PREX
NOW
1件、
合計で40件の研修・交流事業を実施しました。
そのうち、
企画提案型事業は、
19件
でした。
本年度は、
下記の事業を予定しています。途上国と関西にとって、
なくてはならない存
在になることを目指して、
事業に取り組みます。関係各位のご支援、
ご協力を引き続いて
お願いいたします。
受入
173
No.
N
▼日程
▼研修名(● 今年度新たに実施の事業)
▼内容
2008.
5∼6
中小企業政策セミナー 中小企業振興
2008.
5∼6
中国中小企業振興 中小企業振興
2008.
5∼9
日系人研修(「貿易実務・貿易マーケティング」or「生産管理」) 経営管理
2008.
6
西安市水環境整備事業第四期 下水技術研修 環境
2008.
6∼7
カザフスタン・ウズベキスタン日本センター ビジネス実務研修
経営管理
2008.
7
インドネシア災害医療マネジメント 救急・大災害医療
2008.
7
マレーシア中間管理職指導力研修 経営管理
2008.
7
兵庫県・広東省草の根技術協力事業
環境
「資源循環社会における環境改善」
April
2008
財団法人 太平洋人材交流センター
Pacific Resource Exchange Center
contents
page 1 ●ニュース&レポート 1
2008年度事業計画
page 2 ●ニュース&レポート 2
帰国研修員が活躍するセネガル
page 3 ●研修関係者の声
フィリピン貿易研修センターの協力を得て、
現地研修を実施
2008.
8∼9
ベトナム日本センター ビジネス実務研修 経営管理
2008.
9
マレーシア人事・プロジェクトマネジメント初任研修 経営管理
2008.
9
中米地域 PPPによる産業振興 地域振興
2008.
9∼10
● 中小企業振興政策a 中小企業振興
2008.
9∼10
救急・大災害医療セミナーⅡ 救急・大災害医療
2008.
10
● 中東観光開発 観光振興
2008.
10
キルギス日本センター ビジネス実務研修 経営管理
2008.
11
マレーシア観光開発 観光振興
2008.
11
関西経済連合会アセアン経営研修 経営管理
2008.
11
ベトナム日本センター講師研修 経営管理
2008.
11∼12 南東欧特設・中小企業振興セミナー 中小企業振興
2008.
12
観光振興
メコン地域観光振興
(ラオスのみ)
2008.
12
カザフスタン・キルギス・ベトナム日本センター運営管理
経営管理
自信に満ち溢れる帰国研修員からアドバイス
2009.
1∼2
● 中小企業振興政策b 中小企業振興
●ニュース&レポート 4
2009.
1∼2
中央アジア経済団体強化 経営管理
page 4 ●ニュース&レポート 3
ホームビジットで日本の家庭を体験
page 5 ●協力企業特集
榛木金属工業㈱/豊岡鞄(兵庫県鞄工業組合)
㈱富士製作所/㈱さかい新事業創造センター(S-CUBE)
page 6 ●ニュース&レポート 5
思わぬところで、地震体験?!
海外
●PREXだより
2009.
2
● アジア災害ネットワーク 救急・大災害医療
2009.
2
ラオス日本センター ビジネス実務研修 経営管理
2009.
2∼3
中米対アジア貿易振興 貿易振興
2008.
5
中国海外研修
(知的財産権管理)
経営管理
2008.
7
インドネシア海外研修
(グリーントレード促進による
競争力強化)
…<遠隔研修>
事務局ニュース
交流
われわれの使命は、
常に開発途上国にとって
有益な存在であり続けることです。
経営管理
2008.
7
メキシコ海外研修 経営管理
2008.
7
ベトナム海外研修 経営管理
未定
● 同窓会フォローアップ事業
(中国・重慶)
経営管理
未定
● 同窓会フォローアップ事業
(タイ)
経営管理
未定
● 同窓会フォローアップ事業
(未定)
経営管理
2008.8∼9
アジア・ビジネススクール 経営管理
No.173 April 2008 PREX NOW 1
ニュース&レポート
2
News & Report
帰国研修員が活躍するセネガル
[「仏語圏アフリカ中小企業政策セミナー」フォローアップ事業]
PREXでは、2001年∼2005年に国際協
力機構(JICA)
からの受託で実施した「仏
語圏アフリカ中小企業政策セミナー」のフォ
ローアップ事業をJICAに提案・採択され、
実施した。2月1日から10日、西アフリカのセ
ネガルに、龍谷大学経済学部 大林教授、
同大学同学部 松岡教授、
PREX髙山の3
名で出張した。
同セミナーの帰国研修員は、仏語圏アフ
リカ9カ国に52名。そのうち、中小企業振興
分野において著しい成果を挙げているセネ
ガルを中心に、
フォローアップセミナーと公
開セミナーを実施した。
左)
JICA-Netを利用したフォローアップ
セミナーの様子。左のテレビ画面に
写っているのがセネガル。
右の画面の左半分がブルキナ・ファソ、
右半分がニジェール。
下)
セネガルでの公開セミナーの様子。
■ 2001年 セネガル、
ブルキナ・ファソ
事前調査に参加
PREXは、
「仏語圏アフリカ中小企業政
策セミナー」の立ち上げからフォローアッ
プまで、一貫して関わることができた。
セミ
国を接続した。参加者は、
セネガル9名(帰
両教授からは、今後の同国発展のため
ナー実施に先立ち、2001年夏には、JICA
国研修員7名中6名、関連機関3名)、ニ
には、金融システムに関するテレビ会議シ
の事前調査団の一員としてPREX職員が
ジェール5名(帰国研修員5名全員)、
ブル
ステムを利用した日本・仏語圏アフリカ間の
現地調査に参加、
セネガルおよびブルキナ・
キナ・ファソ6名(帰国研修員6名中2名、関
共同研究や、
起業家精神旺盛な若者を支
ファソに訪問し、現地の状況・ニーズを日本
係機関4名)
の計20名であった。松岡講師
援するためのインキュベーションの設立、
での研修カリキュラムに反映させた。
より、
「企業の新連携」について講義をい
52名の帰国研修員のネットワーク継続が
ただき、
参加者の関心が高かった。
有益であるとの提言が出された。
■ セネガルでのフォローアップセミナーと
公開セミナーの実施
を対象に、現地の関心の高い「中小企業
今回は出張国をセネガル一カ国に絞
の発展と金融」
をテーマとして実施した。
セ
り、
フォローアップセミナーおよび公開セミ
ネガルでは現在、信用保証基金設立の準
ナーを実施した。現地にはアフリカ政治・
備が進んでいるということで、関連行政機
経済専門家の大林教授(龍谷大学経済
関や民間企業、
NGO、
国際機関の幹部職
学部)、
中小企業振興専門家の松岡教授
員の参加を得て、講師との間で活発な意
( 龍 谷 大 学 経 済 学 部 )に出張いただい
─国際交流部 コースリーダー 髙山 真由子
公開セミナーについては、
セネガルのみ
「仏語圏アフリカ中小企業政策セミナー」
フォローアップ事業
◎実施期間 2008.2/1∼2/10
◎研修参加者 セネガル・ニジェール・ブルキナファソの
帰国研修員およびセネガルで中小企
業振興に携わる公的機関・民間企業・
国際機関・NGO等の幹部職員
◎委託元機関 独立行政法人 国際協力機構
(JICA)
大阪国際センター
見交換がなされた。
た。
セネガルの企業家の意識の高さは、出
フォローアップセミナーについては、
JICAの
張いただいた大林教授、松岡教授も非常
テレビ会議システム
(JICA-Net)
を利用し、
に驚かれ、
また同国発展の可能性を強く感
セネガル、
ニジェール、
ブルキナ・ファソの3カ
じさせるものであった。
お世話になった方々、企業・団体他
(講義、訪問順・敬称略)
龍谷大学経済学部 大林教授、同大学同学部 松岡
教授、JICAセネガル事務所、在セネガル日本大使館
TOPIC
セネガルの帰国研修員の活躍
∼中小企業局長となり中小企業振興に尽力∼
セネガルでは、
ちょうどフォローアップセミナー当日に中小企業基本法が国会で採択された。
これは、2001年度に日本での「仏語圏アフリカ中小企業政策セミナー」に参加した帰国研
修員が、帰国後、中小企業局長に抜擢され、中小企業振興に非常に尽力した成果である。今
後、中小企業基本法が定めた原則を支える具体的な政策指針を示すことが急務である。
また、
ニジェールについても、
「中小企業憲章」
が作られるなどの進捗が見られた。
セネガルの町の様子。豊富な野菜が町角で売られている。
2 PREX NOW No.173 April 2008
Voice from PREX´s Friends
研修関係者の声
フィリピン貿易研修センターの協力を得て、現地研修を実施
[フィリピン海外研修(サプライチェーンマネジメント)]
財団法人 海外技術者研修協会
(AOTS)
のスキームを利用し、フィリピンのマニラ市
で、中小企業の経営幹部等を対象にセミ
ナーを実施した。国際市場におけるフィリピン
企業の経営改善を目標に「サプライチェーン
マネージメント」をテーマとした。本研修のカ
ウンターパートである、
フィリピン貿易研修セ
ンターのイントン所長から寄稿いただいた。
アデライダ・
イントン 氏
フィリピン人コメンテーターが講義内容の理解を助けた。
竹本 講師は環境への影響も
合わせて講義された。
グループ討議では、参加者が自社の問題点を出し合った
フィリピン貿易研修センター
所長
■ タイムリーな
「サプライチェーン
マネジメント」研修
1月29日から31日の3日間の研修が終
わって、
参加者らはサプライチェーンマネー
フィリピンの製造業、輸出関連企業、
貿易産業省ら28名が参加した。
ジメントに関する最新の戦略や方法を学
ぶ機会を得られたことを感謝した。
この適
はPTTCコンサルタントのローズマリー・R・
場主導で顧客中心のサプライチェーンマ
切でタイムリーな内容に、
今回の実施団体
セバ女史がコメントした。
ネージメントを実行していくことを約束して
であるAOTSやPREX、
そして私達フィリピ
ン貿易研修センター(PTTC)
にも感謝の
言葉があがった。
■ フィリピンの製造業、輸出関連企業、
貿易産業省からの参加者
くれた。
■ 研修で作成したアクションプラン
実施に向けて
研修終了時には、
フィリピン企業が国際
フィリピン海外研修
「サプライチェーンマネージメント」
市場での業績改善ができるように、今後と
も研修を継続してほしいと研修員から要
今回の研修では、
製造業や輸出関連企
望が出た。研修員はこの研修で作成した
業、
貿易産業省から参加者が集まった。彼
アクションプランを再検討すると同時に、市
◎実施期間 2008.1/29∼31
◎研修参加者 28名
◎関係機関 AOTS、
フィリピン貿易研修センター
◎講 師 OVTA国際アドバイザー 竹本 秀人氏
◎内 容 サプライチェーンマネージメントの考え
方、IT活用、効果的なSCMのあり方等
らの共通した参加目的は、
コスト削減、顧
TOPIC
客満足、資産活用の改善につながる戦略
を応用することにあった。
3日間の研修は「包括的で、啓蒙され
る」内容で、講義、討議、
ワークショップ、
ケーススタディ、
グループ討議で構成され
たものだった。特に、顧客の要求を満たす
ために、企業間・部門間の情報共有の重
PREXフィリピン同窓会の面々
フィリピン滞在の機会をとらえて、
帰国研修員に連絡をした。
現在フィリピン同窓会に登録している研修参加者は総勢83名。
フィリピン帰国後、
それぞれの場
所で元気に活躍しているのだろうか。一堂に集めての同窓会はできなかったが、
多くのメンバーが懐か
しい顔を見せてくれた。新しくできたアジア最大と言われるショッピングモールで夕食を一緒にしたり、
仕事を終えて夜遅くホテルに来てくれたり、朝早くなら時
間が取れるからといって朝食につきあってくれたりと、時
間を見つけてくれた。
「転職する予定なんだ」
「昇進した
要性が紹介されたIT活用は一番評価の
高かったテーマだ。
今回の研修はOVTA国際アドバイザー
竹本秀人氏が講師であった。概論からは
じまって物流、全体最適化、IT活用と講義
して下さった。
インバウンドではNECフィリピ
PREXフィリピン同窓会会長の
ガンボアさんもお孫さんを連れて
駆けつけてくれた。
よ」
「新しい販路開拓の海外出張から帰ってきたところ
だよ」
と仕事の近況報告に加えて、
「日本の経済はどう
だね」
「 福田首相の政策は」
「フィリピンと日本のEPA締
結で何か商売のネタはないか」
と議論をふっかけられたり、
「子どもが結婚してね、
おじいさんになったよ」
と孫自慢ま
で話は及んだ。みんな生き生きといい顔している。
─国際交流部 担当課長 三浦 佳子
ンのリワイ・ベルナルド女史、
アウトバウンドで
No.173 April 2008 PREX NOW 3
ニュース&レポート
3
News & Report
自信に満ち溢れる帰国研修員からアドバイス
[アンデス共同体生産性向上コース]
2005年度から実施された
「アンデス共同
体生産性向上コース」は今年度で3年目を
迎えたが、
その成果として、帰国研修員が研
修で身につけた知識をもとに自国で生産性
向上活動に取り組む姿が度々報告されてい
た。そこで、帰国研修員の生産性向上活動
をさらにサポートするために遠隔テレビ会議
システムによるフォローアップセミナーおよ
び新旧研修員の意見交換会を行った。
性向上の取組みについて国別に報告して
などという声が聞こえた。
また、現地でのセ
もらい、
その後杉村コースリーダーからアド
ミナー開催を要望する声も上がった。今後
バイスを頂いた。今年度研修員からの「ア
も研修員同士の情報交換を活発化させ、
クションプラン
(帰国後の行動計画書)の
アンデス共同体のさらなるネットワーク強化
達成状況はいかがですか。
」
という問いに、
を目指したい。
「計画の90%を達成することができた。」
─国際交流部 部員 北村 圭
と答えたボリビアの一昨年度研修員。
その
アンデス共同体生産性向上コース
言葉に表れているように、
自国で自ら活動
◎実施期間 2008.1/28∼2/15
「自国で頑張っている研修員を応援した
を推進した研修員は自信に満ち溢れてい
い。」
という思いから企画された今回のフォ
るように感じた。
セミナーを終え今年度研
ローアップセミナー。大阪・ボリビア・ペルー・
修参加者からは、
「研修で構築されたネット
◎研修参加者 アンデス共同体3カ国
(ボリビア、
コロ
ンビア、
ペルー)
の、公的機関や主要
商工会議所等における中堅職員
◎委託元機関 独立行政法人 国際協力機構
(JICA)
コロンビアの4拠点をテレビ会議システムで
ワークの一員であることを感じることができ
つなぎ、帰国研修員に自国における生産
た。
」、
「このような取組みを続けて欲しい。
」
大阪国際センター
◎内 容 生産性向上における活動、
品質向上
における活動を理解する
お世話になった方々、企業・団体他
左)
大阪、
ボリビア、
ペルー、
コロンビアの4拠点を
テレビ会議システムで結び、
帰国研修員が研修の
成果を報告した。
右)
報告を聞く、今年度の
研修参加者ら
(大阪)
ニュース&レポート
(講義、訪問順・敬称略)
キシモト、
サミット・ラボ 杉村光二社長、関西生産性本
部、大阪国際大学 谷川寛講師、JICA専門家 富永
雅久氏、中農製作所、兵庫県鞄工業組合、榛木金
属工業、
ラテンアメリカ技術交流センター、国際機関
APO、
アスク、
ムンドラティーノ、
パトライト、松下電器パ
ナソニックセンター大阪、
タビオ
4
News & Report
ホームビジットで日本の家庭を体験
[中央アジア経済団体強化コース]
研修期間は約3週間、講義に訪問と予
定を詰めに詰めた多忙なプログラム内容と
なった。研修参加者は非常に熱心で講義や
訪問先では講師を質問攻めにしていた。そ
んな真面目な彼らの素顔と文化をホームビ
ジットで垣間見ることができた。
研修参加者による国紹介が簡単に行わ
ファンになり、
日本人の中にも中央アジアファ
れ、
カザフスタン研修参加者はカザフスタン
ンになる人が増えることを願っている。
の踊り、
キルギスは歌を、
ウズベキスタンは
コサックダンスを披露してくれた。中央アジ
中央アジア経済団体強化コース
アと日本の人々が交流する機会は頻繁に
◎実施期間 2008.1/29∼2/15
◎研修参加者 キルギス、
カザフスタン、
ウズベキスタン
あることではないため、
この1日は非常に貴
ホームビジットとは外国人の方を日本の
重な機会だったのではないだろうか。
また、
家庭に招待し、文化体験をしてもらうもの
楽しそうに交流する姿を見ると、
この機会
である。PREXでは、
研修毎に言語交流研
を設けることができて本当によかったと思
究所・ヒッポファミリークラブに実施を依頼
う。
この交流を通して、研修参加者が日本
し、
それを通じて交流活動を行うよう心が
けている。
大阪国際センター
◎内 容 中央アジアの経済活性化に向けて、
政府への政策提言、企業支援などの
経済団体の活動能力の強化に貢献
できる人材を育成する
(講義、訪問順・敬称略)
族がJICA会議室に集り、対面式を行っ
た。初対面にもかかわらず、最初に打ち解
けたのは子供たちであった。言葉が通じな
くても喜んで研修参加者に懐いており、
ま
4 PREX NOW No.173 April 2008
からの経済団体関係者、政府関係者
及び企業幹部、計10名
◎委託元機関 独立行政法人 国際協力機構
(JICA)
お世話になった方々、企業・団体他
ホームビジット当日は、研修参加者と家
た研修参加者も非常に嬉しそうであった。
─国際交流部 部員 奥村 玲美
ホームビジットの対面式で、受入家庭の方と。
福井県立大学 アンドレイ・ベロフ教授、大阪産業大学
大津定美教授、森永乳業神戸工場、松下電器歴史館、
中小企業庁、
日本商工会議所、
日本経済団体連合会、
日本自動車工業会、住友商事 大東健治氏、一橋大学
清水学講師、大阪商工会議所、富士製作所、関西経済
連合会、関西経済同友会、
さかい新事業創造センター、
深喜毛織、言語交流研究所・ヒッポファミリークラブ
Visited
Company
Profile
PREXでは、年間40件を超える研修を実施し、300近くの企業に訪問させて
協力企業
9
特集 いただいています。機関紙「PREX NOW」では、1年間にわたり研修で訪問
させていただいた関西の特色ある企業をご紹介します。
榛木金属工業㈱
豊岡鞄(兵庫県鞄工業組合)
http://www.hariki-net.co.jp/
http://www.toyooka-kaban.jp/
「アンデス共同体生産性向上コース」で訪問
「アンデス共同体生産性向上コース」で訪問
●
●
榛木金属工業会社は大正5年に創業された90年余りの伝
兵庫県豊岡市は、江戸時代の柳行李の製造を起源とす
統を持つ由緒ある企業であり、金属加工一筋で電源装置の
る、
日本でも有数の鞄の産地。
その地の兵庫県鞄工業組合さ
接続部品を中心として数多くの製品を開発・製造されてきた。
んでは、
「豊岡鞄」
という地域ブランドを登録商標とされ、高品
アンデス共同体生産性向上コースでお伺いした際には、
3S活
質の鞄を看板に差別化を図っておられる。
アンデスでは、
皮革
動(整理・整頓・清掃)
や工程管理表を中心とした生産革新へ
産業が盛んなことからこちらを訪問し、
組合活動の長所や、
地
の取組みを写真を交えてご紹介頂いたが、特に3S活動後の
域ブランドの成立背景等々につき講義を受け、帰国後の活動
見違えるほど綺麗になった工場の様子に研修参加者から感
の参考になったと思う。
また、
鞄製造工場の見学として、
マスミ
嘆の声があがった。創業100年を目指して精力的に頑張って
鞄嚢㈱さんを訪れた。
アンデス地域の鞄とは趣を異にしていた
おられる姿に研修参加者もたいへんな刺激を受けたようだ。
が、
高い技術力に感心することしきりであった。
3Sのノウハウを学ぼうと
研修参加者の顔は、
真剣そのもの。
豊岡鞄に魅せられる
アンデスからの
研修参加者達
㈱富士製作所
㈱さかい新事業創造センター(S-CUBE)
http://www.fujiseisakusho.com/
http://www.s-cube.biz/
「中央アジア経済団体強化コース」で訪問
「中央アジア経済団体強化コース」で訪問
●
●
富士製作所(本社:東大阪市)
は「品質第一」
「少量多品
さかい新事業創造センターは堺市、独立行政法人中小企
種生産」を特徴とした切削ナット製造のメーカーである。特に
業基盤整備機構、堺商工会議所の出資により、平成16年に
トップシェアを占める大型特殊精密ナットには定評があり、瀬
オープンしたビジネス・インキュベーションであり、
オープン以来
戸大橋や関西国際空港、
電子力発電所など大型プロジェクト
平均入居率は95%以上と高い。隣にある堺商工会議所など
に使用されている。
とともに総合的中小企業支援拠点を形成しており、大阪府立
今回の研修では工場内を大変丁寧に案内していただき、
大学とも協力関係にある。
工場の5 S 改善をされている社員の方の姿を拝見することが
今回初めてご訪問させていただいたが、大変丁寧にご対
できた。木村社長によると、
「社員が自発的に工場改善を行っ
応いただき、入居企業の活動に研修参加者は興味津々で
ている」
とのことであった。
あった。
研修終了後、
木村社長
(前列右)
と
下浦部長
(前列中央)
と共に
記念撮影。
講義に熱心に聞き入る
研修参加者たち。
質問が多く、
時間が足りなく
なるほどであった。
No.173 April 2008 PREX NOW 5
PREXだより
ニュース&レポート
5
News & Report
思わぬところで、地震体験?!
[マレーシア初任行政官研修]
マレーシアの中央省庁や地方省庁に属
事務局
する初任行政官19名が、人材育成とプロ
ニュース
ジェクトマネジメントの理解を深めるために
来日した。その中で、地方自治体の人材育
成の好例として、大阪市に人材育成手法に
ついて紹介していただいた。
り、研修員は講義の後、建物内にある「阿
期待される研修参加者にとって、
危機管理
倍野防災センター」
も見学させていただい
の重要性も再認識することができた一日で
た。
この防災センターの特色は体験型の
あった。
─国際交流部 担当部長 武居 毅
防災学習施設であること。先ずは火災発
生防止コーナーで地震直後の電気やガス
のスイッチ、
ブレーカーの点検について体
訪問したのは、大阪市阿倍野区にある
験。次に、煙が充満した煙中コーナーを通
大阪市職員人材開発センター。
この建物
過し、煙の中の歩き方を学習。最後の地震
「あべのフォルサ」は防災拠点となってお
体験コーナーでは、
阪神・淡路大震災級な
ど過去に発生した地震や今後予測される
南海地震の揺れを体験した。
その揺れは、
手すりなどをしっかり握っていないと飛ばさ
れそうになるほどであった。
人材育成を学ぶとともに、地震の揺れを
体験するだけでなく、地震直後の火事の
予防や、消火活動、二次災害発生予防に
ついても経験し、
今後管理職として活躍が
阿倍野防災センターを見学し、地震の揺れを体験した。
マレーシア人事経理初任行政官研修
◎実施期間 2007.12/4∼12/21
◎研修参加者 マレーシアの行政機関に勤務する
初任行政官19名
◎委託元機関 独立行政法人 国際協力機構
(JICA)
大阪国際センター
◎内 容 人材育成・プロジェクトマネジメントに
関する講義・訪問・演習・意見交換等
お世話になった方々、企業・団体他
(講義、訪問順・敬称略)
麗澤大学 ラウ・シン・イー教授、大阪国際大学 谷川
寛講師、前田卓也氏、杉本定夫氏、人事院、三井物
産、鈴木洋一氏、奈良県立大学 松田幸夫講師、
コノ
エ、大阪市職員人材開発センター、松下電器産業歴
史館、松下電器産業人材開発カンパニー、
アドベリー
生産協議会、永田農園、
とも栄、道の駅藤樹の里あど
がわ、高島市、高島市商工会
Information from PREX
PREXだより
事務局
ニュース
研修参加者62名がホームビジットを体験
シニア専門家活躍状況
2007年度は、訪日研修28件中11件の研修で、
日本家庭を体験す
るホームビジットを実施した。中央アジア、ベトナム、南東欧、
マレーシ
ア、
アンデスからの研修参加者62名が44の日本の家庭にお世話にな
PREXでは、企業・団体などで豊富な実務経験とノウハウをお持ちの
シニアの方にご登録いただき、講師・専門家として協力いただいている。
り、
日本の文化、生活を体験することができた。
ホームビジットの実施には、言語交流研究所・ヒッポファミリークラブ
にご協力いただいた。受入家庭の皆様ありがとうございました。
PREX井上会長シンポジウムでパネリスト
2月13日、
( 財)大阪市都市工学情報センター主催のシンポジウム
「アジア諸国との人的交流と国際都市大阪∼人と人との交流が大
阪のまちをつくる∼」
(於:大阪国際交流センター)
に、PREX井上義國
会長が、パネリストとして参加した。
シンポジウムでは、
アジアとの人材
交流や大阪からの情報発信のあり方などが討議された。井上会長は、
PREXが民間の人材育成支援団体として、研修を通じて関西とアジ
ア・太平洋との人材交流活発化に努めていることを紹介した。
PREXの
研修実績
2008年
3月末現在
編集・発行
PREXは、1990年4月
設立以降、開発途上国の
人材育成事業と、
その活動を通しての
国際的人材交流促進に
努めています。
2007年度は、5名のPREXシニア専門家に、研修のカリキュラム開
発、研修時の訪問先企業の選定・同行指導などに、新たに取り組んで
いただいた。
また、12名の専門家に、
「マーケティング」、
「 貿易実務」、
「財務管理」、
「 企業の事業戦略」、
「 品質管理」、
「 顧客満足」
などを
テーマに講義をいただいた。経験に基づく講義は、研修参加者から高
い評価を得た。
人の動き
■ 新任/大西 正機:国際交流部 担当部長
(4月1日付・サントリー株式会社より出向)
西阪 三友紀:国際交流部 部員
(4月1日付)
■ 退任/井上 順 :国際交流部 担当部長
(4月30日付・サントリー株式会社 出向期間満了)
●研修累計
(1990∼)
●2007年度実績
40
379コース
●受講者累計
(1990∼)
112カ国・地域 11,300名
【受入
(訪日)
研修 3,466名/
海外研修 7,834名】
995
コース 名
【受入研修 28件/海外研修 9件/交流事業 3件】
●2006年度実績
43
1,314
コース 名
【受入研修 30件/海外研修 8件/交流事業 5件】
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専務理事・事務局長 藤田 賢次
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6 PREX NOW No.173 April 2008
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