魔法みたいな認知症ケア「ユマニチュード」とは

魔法みたいな認知症ケア「ユマニチュード」とは
ユマニチュード(HUMANITUDE)とは、フランス生まれの新しい認知症ケアの手法です。
特別な治療もなく、わずか 1 分程度で驚くほどの効果をもたらすと、注目を集めています。
うつ状態や暴力的になったりする人も、ユマニチュードを通すと穏やかになることから
「魔法のよう」と紹介されることも多いようです。
もちろんユマニチュードの中身は魔法ではなく、
具体的な技術に裏付けられた、誰にでも習得できる介護の方法です。
この方法は、認知症の人に魔法をかけたように効果があると言われており、
見る・話しかける・触れる・立つ という 4 つの方法が基本となっています。
見る
ユマニチュードでも特に大事とされている「見る」
。認知症になると人よりも視野が狭くなるため、まずは本人の
視界に入って存在を認識してもらうことが大切です。
同じ目線の高さで、20cm ほどの近距離で、親しみをこめた視線を送ります。上からや横から視線を注ぐのではな
くまっすぐに見つめ合うことで、お互いの存在を確認することができます。目の高さを同じにすることで、見下
ろされているような威圧感を与えず、対等な関係であることを感じてもらいます。
話しかける
ユマニチュードではたとえ反応が返ってこない方に対しても、積極的に話かけ常にポジティブな言葉を加えます。
ケアをするときも「今からお口の中を綺麗にしますね」
「お口を開きます、さっぱりしますよー」「綺麗になりま
したね、気持ちいいですね」といった具合に、優しく前向きな言葉を使って実況するように、ゆっくりと声がけ
をします。そうすることで、単なる“作業”ではなく、心の通った“ケア”になります。
介助をするために体に触れる場合も、いきなり触れるのではなく、触る部分を先に言葉で伝えて安心感を与えて
あげます。例えば、洗髪を行う場合に「とてもきれいな髪ですね。これから、髪に温かいお湯をかけますね。気
持ちがいいですよ」などと話しかけます。できる限り目と目を合わせながら行うようにするといいようです。
触れる
人間関係を親密にさせる上でボディタッチは非常に効果的と言われていますが、
ユマニチュードでも、触れることを推奨しています。
ケアをする時本人の背中や手を優しく包み込むように手のひらを使って触れることで、
安心感を与えます。この時、忙しく無言で触れてしまうと逆効果で、本人に不信感を
与えかねません。やさしく背中をさすったり、歩くときにそっと手を添えてあげる等、
認知症の人が安心できるように工夫します。
立つ
ユマニチュード考案者が、
「自分の足で立つことで人の尊厳を自覚する」と語っている通り、
ユマニチュードでは最低1日 20 分は立つことを目指しています。
立つことで、認知症の人が寝たきりにならないように筋力の維持向上や骨粗鬆症の防止など、
身体機能を保つ効果があるのと、寝たりしている時よりも視界が広くなって、
頭に入る情報量を増やすことができます。歯磨きや体を拭くような時でも、座ったままでは
なくできるだけ立ってもらいます。他の人と同じ空間にいることを認識することで「自分は
人間なのだ」という実感にもつながります。
裏面へ続きます☺
以上、4 つの手法を組み合わせて行うことがユマニチュードの基本柱です。
認知症の人が病気で入院した場合、生活環境が変わり入院の理由が理解できないために
混乱することが多く、抵抗して暴れたり治療を拒否することも少なくありません。
そのため、病院はやむを得ず認知症の人を拘束したり、鎮静剤を使ったりすることもあるようです。
しかし、そのような方法では体を動かせなくなり全身の機能が低下して、
状態が悪くなるという矛盾を招くことになります。
これでは、認知症の人だけでなくケアをする職員も心が折れてしまいそうです。
認知症の人を「病人」ではなく、あくまで「人間」として接することで、
認知症の人と介護者に信頼関係が芽生え、周辺行動が改善する効果があるといいます。
人格を大切にしてケアするユマニチュードを行うことにより、
認知症の人と良好なコミュニケーションを取れ、認知症の人も職員も負担が軽くなったそうです。
また実際にユマニチュードを試した家族からは、
言葉を荒げていた親が「ありがとう」と言うようになったなどと、驚きの声が上がっています。
「人は見つめてもらい、誰かと触れあい、言葉を交わすことで存在する」というユマニチュード。
認知症の人々だけではなく、子供さんから大人まで、
全年齢のコミュニケーションでヒントになる部分も多いのではないでしょうか。
詳しい対応方法については、今後あけぼのヘルパー研修で実践していく予定です。
今後のヘルパー勉強会について
今後については、講師を招いてコミュニケーション技術や腰痛予防などの研修を予定しております。
詳しい内容と日程等が決まり次第、みなさんにあらためてお知らせいたします。
また、こんな研修をやってほしい!などのリクエストがありましたら、どしどしご相談下さい。
3月の勉強会については、
別紙をご覧ください☺
気になるお店
紹介コーナー
【 びんてじ 】
浅草橋の駅前 銀杏神社の裏にある、
おでんとお酒のお店です。
東京では珍しい、静岡おでんや黒はんぺんなど、
望月サ責の田舎の味が楽しめるお店です。