第2章 計画策定の基本的視点 5 1 観光を取り巻く情勢変化への対応 ■国の観光政策の動き ●平成 12 年 12 月、国の観光政策審議会の「21 世紀初頭における観光振興方策~観光振興 を国づくりの柱に~」答申 次の3つの基本的視点と、7 つの早急に検討・実現すべき具体的施策を答申しています。 3 つの基本視点 7 つの具体的施策 1.誰もが「気軽」に楽しめる観光の振興 2.住民と旅人とが互いに交流しあう観光の振興 3.自然・社会環境と共生する観光の振興 1.観光まちづくりの推進(個性ある「まち」の表情へ) 2.観光分野での IT の積極的活用 3.高齢者等が旅行しやすい環境づくり 4.外国人旅行者訪日促進のための戦略的な取り組み 5.観光産業の高度化・多様化 6.連続休暇の拡大と長期滞在型観光の普及 7.国民の意識喚起 ●平成 15 年7月、「観光行動計画」の策定 「住んでよし、訪れてよしの国づくり」を戦略行動計画とした「観光行動計画」を策 定し、次の5つを行動計画の柱としています。 5つの行動計画 展開施策 1.21世紀の進路「観 光 立 工業立国や貿易立国などへの一辺倒からの脱却 国」の浸透 「日本の魅力の維持、向上、創造」「『一地域一観光』国民 2.日 本 の 魅 力 ・地 域 の 魅 運動の展開」「地域の輝く個性を発揮する『一地域一観光』 力の確立 の推進」 3.日本ブランドの海外への 「日本ブランドのより効果的な発信のための戦略・体制」 発信 「観光先進国並みの日本ブランドの強力な発信」 「外国人の一人歩きも可能な親切・快適空間の形成」 「国内 4.観光立国に向けた環境 移動の利便性等の向上」「外国人のニーズに応える人と産 整備 業」 「出入国の円滑化」 「国際交通の充実」 「相互交流を円滑 化させるための国際連携」 5.観光立国にむけての戦 「観光立国に向けての効果的な施策の展開」 「 観光立国への 略の推進 総合的・戦略的展開を図るための体制の整備」 ●平成 19 年1月、「観光立国推進基本法」の施行 基本理念、計画策定、基本施策の概要は次のとおりです。 基本理念 計画策定 基本施策 地域の住民が誇りと愛着を持つことができる活力に満ちた 地域社会の実現 観光立国推進基本計画 国際競争力の高い魅力ある観光地の形成、観光産業の国際 競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成、国際 観光の振興、観光旅行の促進のための環境の整備 6 ■沖縄県の観光施策 ●平成 17 年3月、第2次沖縄県観光振興計画 平成 17 年度~19 年度を計画年度とし、基本理念と5つの基本方向と具体的施策を示 しています。基本理念及び基本方向は次のとおりです。 基本理念 基本方向 多様なニーズに対応した通年・滞在型の質の高い観光・リゾ ート地の形成 1.国際海洋性リゾート地の形成 2.国民の総合的な健康保養の場の形成と体験・滞在型観光 の推進 3.コンベンション・アイランドの形成 4.国内外の観光客受け入れ態勢の整備と誘客活動の強化 5.産業間の連携の強化 ■情勢変化への対応すべき視点 観光を取り巻く社会情勢は変化しつつあり、これに対応したビジョンの策定が望まれ ます。特に、本ビジョンにおいて情勢変化に対応すべき基本的な事項として、次の5つ を取りあげます。 1.魅力ある観光まちづくりの推進 2.うるまブランドの国内外への発信 3.健康保養と体験・滞在型観光の推進 4.観光産業の高度化・多様化 5.各実施主体の連携による戦略的な推進 7 2 観光によるまちづくりの推進 ■うるま市総合計画のまちづくり うるま市は、市の最上位計画にあたる「うるま市総合計画」を策定し、前期の基本計画 期間を平成 19 年度から平成 23 年度としています。 計画の基本理念、将来像、基本目標は次のとおりです。 基本理念 将来像 地域の力、環境の力、健康の力 これらが一体となって誇りと活 力を「育てる」まちづくり 人と歴史が奏でる 自然豊かなやすらぎと健康のまち 1.人と自然にやさしい基盤と環境を育てます。 2.郷土に誇りを持ち、明日のうるま市を支える人を育てます。 5つの基本目標 3.うるま市の魅力を生かした産業を育てます。 4.誰もが健康で、互いに助け合える地域を育てます。 5.市民とともに考え、築き上げるまちを育てます。 本計画における観光にかかる施策の大綱は、基本目標の「うるま市の魅力を生かした産 業を育てます。」のなかで、次のように設定しています。 歴史と自然を生かした「見る」「触れる」「感じる」観光の振興 ■観光まちづくりの視点 総合計画による観光まちづくりの方向は、歴史と自然を活かした魅力ある観光のまちの 創造といえます。また、観光の性格としては「見る」「触れる」「感じる」をキーワードと した体験型の観光の振興を目指しています。 よって、本ビジョンにおける観光まちづくりの視点として、次の3つを取りあげます。 1.魅力ある観光産業の創出 2.歴史と自然を活かした観光のまちづくりの推進 3.「見る・触れる・感じる」を主体とした体験型観光の推進 8
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