(BTR) No.15 2011年3月

バ ン ドーテクニカル レポ ー ト
No.152011年 3月
目
巻 頭
次
言
「バ ン ドーテクニ カル レポー トJ第 15号 刊行 に当たつて …………………………………………………… 1
常務執行役員
松岡 宏
研 究論文
電子写真装置用 クリーニ ングブ レー ドの 開発 ……………………………………………………… … ………2
中見 正宏
イ ンクジェ ッ トメデ イア、 ラ ミネー トフィルムの不燃対応 …………………………………………………7
谷口 仁
薄膜 オ ーバー ラ ミネー トフィルムの 開発 ………………… … ………………………… ……… ……………
星野 真理子
15
技術 資料
BANDO MDEC。
大田
(MicrO Dust Electluc Clcaner:バ ン ドー 静 電 吸 着 ゴ ミ 除 去 装 置 )の 開 発 … … … … … … …23
雅史/村 川
由佳
特 許 。 実 用 新 案 登 録 一 覧 鯰oo9年 10月 ∼2010年 9月 )… ……
…
…………
……
27
新製品紹介
バ ンコラ ンSTs導 電仕様 (導 電仕様 のウレタ ン製歯付伝動 ベ ル ト)の 紹介 ……………………………… 39
薄膜 ポリオレフィンフイルムの紹介 ………………………………………………………………………… 42
TOP!CS(20102∼
201010)… …………………………………………………………………………… 45
BANDO TECHNICAL REPORT
No.15(March,2011)
CONTENTS
FOREWORD
On the 1 5thlssue ofthe Bando Technical Report
H抽 、h
MATSUOKA
Senior Executve Cricer
REPORTS
Development of Clean:ng Blade forthe Xerography
Masa■ in
NAKAMI
Firepromng ofinttet media and laminate llm
■■TANIGUCHI
Development of a thin ovenaminate l:m
15
m HOSHINO
TECHNICAL LEπ ER
Dust removaltechnology・ BANDO MDE(P(MicrO Dust ElectHc C!eanerl
Mas田
h OHrA/Yuka¨
23
PATENTS
NEW PRODUCTS
TOPICS(20102だ
201010)
45
巻 頭 言
「バン ドーテクニカルレポー ト」第15号 刊行に当たって
常務執行役 員
平素 は当社 の製品
松
宏
岡
サ ービスをご愛顧 い ただき誠 にあ りが とうござい ます。
さて、2010年 に中国 は 日本の GDPを 抜 き世 界第 2位 の国 になったことが、新聞紙 上で大 きく取 り上げ られ まし
た。 日本 にとつて、43年 ぶ りとの ことです。悲観的な意見があ りますが、大 きな市場が近隣国にあ ることは大 きな
ビジ ネスチ ャ ンスで もあ ります。一方、国内 を見 ます と、少子高齢化が世界 一のスピー ドで進 んでお り、2005年 を
ピー クに人口が減少 してお ります。 この状況下、2010年 に政府 の新成長戦略が策定 され ました。 この 第一 に挙 げ ら
れてい るのが 、
「 グリーン イノベー ションJに よる強 い経済 の実現 です。
企業 にとって、 これにかかわる技術 開発力 の強化 が最重要課題 で あ ります。当社 は、2004年 以 降、「環境 省 エ
ネ クリー ンJを 合言葉 に、 グリー ンイ ノベー ションを起 こすべ く、技ηf開 発 製品開発 に取 り糸
Πんで まい りまし
省エ ネに大 きく寄与 する製品 に対 し、社内基準 をもうけ、製品の効果 を環境 省 エ ネの観点 か ら
「エ コムー ビングJ製 品 と称 し、お客様 に広 く失1っ ていただ く方策 を採 っ
評価 し、社内認定 された製品については、
た。 また、環境
てお り、2010年 11月 よリス ター トい た しました。
今後 とも当社の技術力を「環境 省エ ネ クリーンJに 寄与する製品の開発 に集中す るとともに、お客様 に喜ば
れる「エコムービング」製品を連続 して倉」
出 してい く所存であ ります。
今回、世界に先駆けた新 しい方式のクリーン化装置「BANDO MDECJの 御紹介 を中心に、合計 4件 の論文及び
技術資料を御報告 させていただ きます。是非 ともご高覧いただき、ご意見 ご指導 をいただければ幸甚に存 じます。
Foreword
On the 15thlssue ofthe Bando Technical Report
Thank you vcry much for your continued support of our products and scrviccs
ln 2010 China ovc■ ook Japan in becoming thc cOuntry、 vith thc sccond largcst GDP in、 vorld,a position Japan
had hcld for 43 ycars Whilc somc may vicw this with pcssimism,thcrc arc grcat busincss oppoltunitics in the latte
markets of our ncighboring countrics
ヽ
Vith thc wOrld's fastcst birthratc dcclinc,Japan's population is falling from
its peak in 2005, and thc socicty is aging Undcr thc circumstanccs, thc Japancsc govcrnmcnt formulatcd nc、 v
gro、 vth
strategies in 2010 to rcalizc a stlong economy by implcmcnting`.Grccn innovations''
Strengthening cco― rclatcd tcchnological devclopmcnt capability is a high―
priority issuc in industry Sincc 2004,
Bando has uscd``Environmcntal,Enetty Conservation and Clcan''as kcywords in our grccn innovation product de―
velopment ln Novcmbcr 2011,、 ve started to usc an``Eco Moving''on Bando products dcvcloped、 vith substantial
contributions and cffcctivcncss for thc envilonmcnt and cncrgy conscrvation,as assessed by internal standards ln
this、 vay、 vc
can inform our customers of our cOmnlitlllcnt and clorts to rcducc cnvironmentalimpact N、
intcnd to
continuc to crcate these types of products of bcncflt to our customcrs Four tcchnical presentations arc in this rc―
port,including thc introduction of..BANDO MDEC'',as、 vc arc pionccring clean equipment devclopmcnt
Thank you for your patronagc,and、 ve、vould、 vclcomc your commcnts and opinions
ね啜な
Hiroshi Matsuoka
Scnior Exccutivc Offlccr
BANI10 TECHMCAL REPORT No15/2011
電子写真装置用 ク リーニ ングブ レー ドの開発
Development of Cieaning Blade forthe Xerography
中見 正宏
Masahiro NAKAMI
We have worked on electrophotography busincss fOr more than 30 years focusing on the cleaning bladeり
vhich re―
moves toner from the photoreceptor
During the period,mainstream ofthe electrographic machinc has changed fⅢ
Dm monOchlome to color,and faster
printing of better image must be realized using more compact machines Corresponding to the changes, cleaning
blades also must have appropHatc functions
High quality image requcsts smaller toners having spherical shape Vanous additivcs are added to toners to im‐
prove chaging characteHstics
As a restllt,the pelformance requested to cleaning blades is bccoming remttkably high
ヽ
Ve keep on developing val■ ous cleaning blades、 vith cxcellent performances
ln this report our new product(G―
Module blade)is introduced lt has excelent durability and vecy stable cleaning
perfo‖ :lance under vanous conditons
1
とブレー ドとの摺擦 によって生 じる摩耗 に対するプ
レー ドの耐摩耗性、②像担持体 とブレー ドが当接され
は じ め に
当社 は電子写真事業に参入 し30余 年になるが 、感光
体上 の トナー を除去するクリーニ ングブレー ド (以 下
ブレー ドとい う)を 中′
いとして、電子写真事業に取 り
組 み 、当業界の要素技術 の変革に合 わせて、要求 され
る機能部品 を開発 し供 給 して きたい。電子写真装 置
るニ ップ部 (像 担持体 とブレー ドの接触部 )に キヤリ
アや紙粉等 の異物 を巻 き込んで生 じるエ ッジのチ ッピ
ング、或 いは摺擦 時 の エ ラス トマーの疲労 で生 じる
チ ッピングに対す るブ レー ドの耐 カケ性、③長期間像
担持体 に押 し当てられて使用 されるブレー ドの変形 の
は、 この間モノクロ機か らカラー機 に主流が変 わ り、
高速化 高画質 小型化へ と目覚 しく技術開発が、続
いてい る。 ブレー ドが クリーニングする相手材 も多種
におよびその形状 も円筒のみ ならず、帯状部材等多様
な部材 に対 してクリーニ ング性能を維持する事が求め
しにくさを示す耐へたり性、①転写残 トナーを像担持
体から除去する能力を示すクリーニング性、⑤像担持
体 とブレー ドが摺擦する際に生じる異音への耐1生 、所
謂、耐ブレー ド鳴きの 5つ の項目である。
られるようになった。
高画質化 に伴 い トナーは、
小径
22ブ レー ド機能評価 か ら予測 する理想 のエラス トマー
球形化へ 更には、
真球形へ と変化 を続け、
帯電特性等 を
ゞ
改良する為 に、様 々な添加斉い 添加 されるようになっ
た。その結果、 ブレー ドに要求 されるクリーニング性
能 は格段 に高 くな り、当社 では要求に応えるべ く様 々
な形でのブ レー ドの提案 を行 つている。
本報 では、これ
まで無か った広範囲な使用環境下 で安定 した クリーニ
プ レー ドの機能評価 は、評価環境 の 条件 に よつて大
き く変 わ る。例 えば、同部材 であ って も高温 下 ではエ
ング性能 を発揮 し、
高耐久性 を誇 るブレー ド(商 品名
Moduleブ レー ド23)を 開発す ることを目的 とした。
:
G―
ラ ス トマ ー の 柔 軟 性 が 増 し、エ ツ ジの 変 形 量 や ス
テ イックス リップが大 き くなる為 ブ レー ド摩耗 は大 き
くなる傾 向 が ある。摩耗量 を少 な くす る為 には高温下
で も常 温 と変 らな い柔軟性 を保持 す る事 が必 要 と考 え
られ る。 一 方 、低温下 で は、 エ ラス トマーの柔軟性 が
消失 し、像担持 体 の摺動 にブ レー ドエ ッジが 追従 出来
な くな る為 、 ク リーニ ン グ不 良や ブ レー ドカケ を生 じ
やす くなる傾 向があ り、低温 下で もエ ラス トマ ーの柔
2当 社 の ブ レー ド提 案
21ブ レー ドの要求品質
ブレー ドに要求 される機能は、主 と して①像担持体
BANDO TECINICAL REPORT No.15/2011
軟性 を維持 す る事 が必 要 で あ る。従 って、高温 下 にお
い て もエ ラス トマーの柔軟性 が大 き くな りす ぎず 、低
温下 で も柔軟性 を発揮 出来 る温度依存性 の少 な い部材
が理想 で あ る。 当社 で は 、理 想 のエ ラス トマ ー を開発
す る設 計指標 の一つ と して動 的粘弾性 に着 目 し、 これ
まで に温 度 依存性 の 少 ない 部材 を開発 して い る 。図
24G― Moduleの 設計
1に 、従来 の単層 エ ラス トマー と新規 に開発 した温 度
依 存性 の 少 な い G― Moduに ブ レー ドの バ ックア ップ材
性 に優 れ るが耐摩耗性 が悪 く従来 は ブ レー ドと して使
用 出来 なか った部材 であ る。 しか し、C MOdulcブ レー
ドのバ ックア ップ材 は耐摩耗性等 の エ ッジ材 の機能 が
を周波 数 10Hzで 測 定 した動 的粘 弾性 試験 で 得 られ た
デ ー タを示 した。従 来 ブ レー ドよ りもブ レー ドの環境
温度域 での温度依存性 が小 さ くな ってい る。
G― Modulcブ
レー ドの バ ックア ップ材 は 、環境 依存
不要 であ る為 、優 れ た環境依存性 を活 か しブ レー ドヘ
た り特性 の機能向 上 に特 化 し、バ ックア ップ材 と して
設計 した材料 で あ る。 これ に よ り、へ た りに強 く、低
温 ヽ高 温域 まで エ ラス トマ ー の 物 性 変 化 の 少 な い ブ
レー ドを得 る事 が 出来 る。 一 方 、エ ッジ材 は 、従来 の
O C“一
ブレー ドに使用してきたエラス トマーに加えて、①環
境依存性が大きい②高コス トCプ レー ドヘたり等の問
題で、選択出来なかったエラストマーも、使用可能と
なった。とい うのも、G― Moduに ブレー ドは、①環境
依存性の悪さはバ ックアップ材で補完出来る。②耐摩
温度 (℃ )
図 l G‐ Moduleブ レー ドバ ックア ッ プ材 の tan δの
温度依存性
23G‐ Modu eブ レー ドの コンセプ ト
従来 の ブ レー ド開発 は、低温特性 と高温特性 の バ ラ
ンス を とったす り合 わせ 設計 (エ ラス トマー配 合 の 見
直 し 合 わせ こみ )が な されて い た。この 開発 方式 は、
開発期 間の 長期 化 や 少量 多品種 部材 の管理等 に コス ト
が かか り、低 コス ト化が求め られ る電子写真 分野 にお
い て好 ま しくない。 そ こで 、当社 では 、図 2に 示 す ブ
レー ド構造 を有す る G― Modulcブ レー ドを考案 した。
バックアップ
、
一
ヽヽ
ダ ヽ
ホ
耗性等 の機能的 に優 れるが コス ト的な問題 で検討 され
なか った部材が、使用量 の少ないエ ッジ材 に限定する
事 で 、コス トを抑制出来 る為設計可能 であ る。
① ブレー
ヘ
パ
ド た りは応力が集中する ックアップ材 の物性 に依
エ ッジ材設計 の制約 にならない。
すなわち、
存す る為、
エ ッジ材 の設計 は 3つ の制l約 がな くな り、非常 に多様
な設計が可能 となった。 また、 この機能分離構造 は、
要求機能 に満 たないブ レー ド機能毎 の設計変更が可能
である為、開発期間が大幅 に短縮すると考 えられる。
25ブ レー ドのモジュール化構想
現在、バ ックア ップ材 は、各社 クリーニ ング方式 の
当接圧 に適 したブ レー ドを提案出来 るよ うに低硬度品
ヽ高硬度品までの 3種 を候補材 としてラインナ ップ し
て い るシ。 一方、エ ッジ材 は、各 メーカーの あ らゆる
設計にアジヤス トする為に、①低温特性重視 タイプ②
高温特性重視 タイプ③中間(バ ランス)タ イプを持ち、
更にその各々に硬度の高低バ リエーションを持った6
種 の グ レー ドを検 討 して い る。 しか し、G‐ Modulcブ
レー ドの性 能評価 は未 だ実施 出来 てお らず 、本報 で耐
構成比
エッジ材 ッヽ
ックアップ材 =111
接触する領域 のみ をエッジ材で構 成
摩耗性 、耐 カケ性 につ い て G― Modulcブ レー ドの性 能
評価 を した。また、
弊社 で は この構造 を利 用 したブ レー
ドのモ ジュール化構 想が あ る。例 えば、エ ッジ部 は高
速
図 2 G‐ Moduleブ レー ドの構 造
中速
低速機 に関 わ らず 共通 と し、バ ックア ップ
部 は高速機 には高硬度品 、低速機 には低硬度 品 の エ ラ
ス トマ ー を選択 す る設計 を行 うこ とで あ る。 この 設計
G ModЫ cブ レー ドの 特 徴 は、 2種 の エ ラ ス トマ ー
か可 能 か否 か を検 証す る為 に、エ ッジ材 を固定 しバ ッ
か ら構成 され る構造 と 2種 の エ ラス トマ ー を個 々に必
要 な機能 に合わせ たエ ラス トマ ー設計 が 出来 る点 であ
クア ップ材 を変化 させ て耐 摩耗性 と耐 カケ性 の性 能評
価 を した。
る。c MOduに ブ レー ドは、エ ッジ材 に耐 摩 耗 1■ 耐
カケ性 にl■・れ る羽+│を 用 い 、バ ックア ップ材 に温度依
存性 が小 さ くへ た りに強 い材 料 を選択 して い る。 これ
3実
験
に よ り、 ブ レー ドは温 度依存性 が小 さ く、か つへ た り
に強 く、耐 摩 耗性 と耐 カ ケ性 に も優 れ る 高 機 能 な プ
レー ドになる。
31ブ
レー ドの 製作
レー ドは、厚 み 2mmの ウ レ タ ン シ ー
G― Modulcブ
トを作 成 し、所定 のサ イズ に加 工 後 ホ ル ダー に貼 り付
BANDOTECNCAL REPORT No15/2011
表1
エ ッジ部材およびバ ックアップ部材 のエラス トマー別特性 一覧
C― MOdulcブ
#00 #01
^
0
ウ ォー レス硬度
tan
20
10
δピー ク温 度 (℃ )
2
バ ックア ップ部材
#02 #10 #11 #12
GL
68
80
78
43
10
20
7
1
-7
0
表
エ ッジ部材
#00 #01
33
耐 カケ性 (異 物耐性
耐 カケ性 (低 温耐性
*1)
従来 品
η
43
45
47
-8
-13
-14
-13
6
レー ド
Rcfcrcncc
#12
従来 品
55
80
102
20
18
31
3
0
7
CM
)
*l)
68
#02 #10 #11
バ ックア ップ部材
摩耗量 (断 面積
GH
摩耗・ カケ試験結 果
G― MOdulcブ
エ ッジ部材
GM
Rcfcrcncc
つ0
反 発弾 性 (%)at 23℃
レー ド
5
0
2
ネル40mm範 5μ m以 上 の カケの
囲
発生件
48
6
数
けて製作 した。 モ ジュール評価 に用 い るエ ッジ材 及 び
バ ックア ップ材 は、表 1に 示す よ うなエ ラス トマ ー か
行 い 、擬似像担持体 が2,000回 転す る まで走行 した。
ら任意 の組 教 合 わせ が可 能 で あ るが 、代 表 と して硬度
但 し、擬似 像担持体 には異物 に見立 てた突起物 を埋 め
込 んだ もの を使 用 した。他 方 の 試験 は、低温耐性 に対
72度 品 (中 硬度 品 )と 同程度 の圧接 力 を保持 す るバ ッ
す る試験 で あ る。 エ ラ ス トマ ー は低温下 で柔軟性 を失
クア ップ材 (GM材 )を 用 い 、エ ッジ材 を変化 させ て
実 験 し、表 2に 示 す よ うに#02が 耐 カ ケ性 に 優 れ る
エ ッジ部材 で あ る こ とが わか った。
うと摺擦 時 にチ ッピングを生 じ易 くなる為低温環境 で
モ ジ ュール性 能評価 の摩耗試験 で は、エ ッジ を耐 摩
耗性 で最 も優 れ る部材
(#00)に
固定 し、バ ックア ッ
試験 を行 った。試験 は 、10℃ ×15%RHの 環境 で擬 似
像担持 体 が7,51111回 転 走 行 す る まで走 行 し、他 の 条 件
は耐摩耗性試験 と同条件 と した。何 れの試験 も走 行後
のエ ッジカケ を顕微鏡 で観察 し、 カケの発生個数 をカ
プ材 を変 えて実験 した。 そ して 、 モ ジュール性 能評価
の耐 カケ試験 で は、 エ ッジを耐 カケ性 に最 も優 れ る部
ウ ン トして評価 した。
材 (#0_2)に 固定 し、同様 にバ ツクア ップ材 を変 えて
34ブ
実験 した。
32ブ
レー ドのモ ジュ ール性 能評価
ブ レー ドのモ ジュ ール評価 で は、エ ッジ材 を表 1に
示 した #00材 に固定 し耐 摩耗性 試験 を行 い 、エ ッジ材
レー ドの耐摩耗性評価
ブ レー ドの 耐 摩 耗性 試験 は 、擬 似 像 担 持 体 (擬 似
OPC)と トナ ー種等 を可変可能 な 自製 の ブ レー ド摩耗
試験 機 を用 い た。試験 環境 は、23℃ ×53%RHの 環境
性 試験 は、異物耐1生 は通常環境 で行 い 、低温耐性 試験
は上 記 の低 温環 境 で 実験 を した。 この 実 験 で バ ッ ク
下で行い、ブレー ドが接触する擬似像担持体
どうか を検証 した。
(φ
30
を#02材 に固定 して、耐 カケ性 試験 を実施 した。 カケ
ア ップ材 を変 えた時 にエ ッジ材 の機能 を維持 で きるか
mm)の 線 速 を200mm/secと
し、擬似像担 持 体 が73
回転周回す る毎に擬似像担持体 を一旦停止 させ る間欠
条件 で、372,000回 転するまで走行 した。走行後 ブ レー
ドの摩耗状態 を顕微鏡で観察 し、その摩耗量 を計測 し
4結
果 と 考 察
て評価 した。
41耐 摩耗性 試験
33ブ レー ドの耐 カケ性評価
図 3に は 、耐摩耗性 試験 の結果 を示 した。 また、使
用 したエ ラス トマ ー につい て、表 2に 示 した。 図 4に
ブレー ドの耐 カケ性試験 は、2つ の試験方法で実施
した。1つ は、通常環境で行 う摺擦部 に異物 を巻 き込
みチ ッピング を誘発す る異 物耐性 に対す る試験 で あ
る。 この試験 は、 ブレー ド摩耗試験機 と同様 の条件 で
BANDO TECINICAL REPCIRT No l● ワ011
は試験 後 の ブ レー ドエ ッジ状 態 の一例 を示 した。表 2
の結 果か ら、 エ ラス トマ ーの基本物性 で耐摩耗性 に最
も関係深 い指標 は硬度 で あ つた。
擬 似 像 担 持 体 との 接 触 面 積 が 広 くな り、 エ ラ ス ト
^
喘熙世
■ E 謳旧︶
m m m ∞ ∞ ∞ Ю m o
《異物耐性評価》
毒00
101 #02 #10 #11
G一 Mo8deブ
図3
112
従来品
レード(エ ッジ材 )種
摩耗性能評価
図6
エ ツン iキ
。
6 “
00
”
0
0 ∞
∞
“ m
嘱掟熾
ごEE 燿旧︶
。
図4
走行後 の エ ッジ状 態
走行後 の エ ッジ状態
OL
GM
G― Moduに
図7
GH
従来品
ブレード(バ ックアップ材)種
摩耗性 能評価 (バ ックア ップ材変量 )
′ヽ
ックアップ:GM
エ ツン :■ 02
慰 期 獣ヽ R
^
回︶
轟 u獣 ヽR
)1
詢2
110
111
■12
C― Moddeブ レー ド(エ ッジ材 )種
図5
カケ性 能評価
マ ー にかか る負荷 を広 範 囲 に分散 出来 る低硬度 品 の ブ
レー ドが耐 摩耗性 に対 して優 れ る結 果 となった。更 に
低硬度 品 の 中で も、23℃ におけ る反発 弾性率 の低 い も
の ほ ど、優 れ た耐磨耗性 を示す 結果 となった。 エ ラス
トマ ー にかか る応 力 が 広範 囲 の ニ ップに分散 しエ ッジ
の振 動 が小 さ くな った為 、従来 にない摩耗特性 を発 現
G― Modu屹
図8
ブレード(バ ックアップ材)種
カケ性能評価 (バ ックア ップ材変量 )
ジ状態 の一例 を示す。異物耐性 に対 す る カケ試験 で、
最 も関係 深 い指標 は、反発弾性率 であ り、高反発材料
になるほ ど、 ブ レー ドカケの発生 数 が 少 な くな り、 ま
た カケ そ の ものの大 きさも小 さ くな った。 これ は巻 き
込 まれた異 物 を当接 部位 か ら弾 き飛 ばす 能力 の高 いエ
ラス トマーが異 物 の耐性 に優 れる事 を示 し、反発 弾性
したので あ る。
率 が異物耐性 の耐 カケ性試験 に有効 な指標 であ る と推
定 され る。 また、低温耐性 に対 して、耐 カケ性 は、 ガ
42耐 カケ性 試験
ラ ス転 移 温 度 (Tg)と 密 接 に 関係 が あ り、使 用 す る
エ ラ ス トマ ーの Tgが 低 い程 、 カケの発 生 は少 なか っ
図 5に 、耐 カケ性 試験 の結果 を示す。 また、図 6に
は異 物耐性試験 、及 び低温耐性 試験 後 の ブ レー ドエ ッ
た。 これ は、エ ラス トマ ーが使用環境 下限域 で柔軟1生
BANIIO TECHMCAL REPORT No15/2011
5結
を失 い擬像担持体 との摺擦振動 に対 して、弾性 を発揮
出来な くなった為 にカケを生 じたのである。
43モ ジュール性能試験
図 7、 8に 示す ように、エ ッジ材 を固定 し、バ ック
アップ材 の硬度 を変量 した耐摩耗性試験では、何れの
硬度 を使用 したブ レー ドで も耐摩耗性 に大差 がなかっ
た。今回の硬度差 から生 じる当接圧 は最大 で04N/cm
にも関 わらず同水準 の結果 となったのは、エ ッジ材 が
当接圧 に応 じて Nipを 調整 し、プ レー ドにかかる単位
面積当た りの負荷 を変えなかった為である。 また、異
物耐性 と低温耐性 の 2つ の耐 カケ性試験 で も大差がな
かった。異物耐性 について考察す ると、変量 した範囲
論
従来、 ブ レー ド設計 は OA機 器 メー カ ー の 設計 グ
ルー プとのす り合わせによつて、最適 なプ レー ドの合
わせ こみ を行 う設計が主流 であったが、 これからの設
計 はクリーニ ングシステムに適切な当接圧 の設計 を温
度依存性 の少 ないバ ックア ップ材 の 中 か ら選 択 し、
エ ッジ材 は要求機能 に適 した材 質 をクリーニ ング方式
の設計 に応 じて選択する。すなわち、最 も重視 したい
品質に対 してエ ッジ材 のみを選択設計す るモジュール
設計が可能 となる。 これにより、必要なす り合 わせ作
業 は最小 にな り、開発期間は大幅 に短縮する ことが 出
来 る。
の当接圧領域 ではステ ィックス リップに大 きな変化が
無 く、異物 を弾 き飛 ばす事が何れの硬度 で も維持出来
た為である。 また、低温耐性 について考察す ると、当
接圧は変化す るもののこの差 は影響せず、エ ッジ材 の
柔軟性が維持 されチ ッピングを生 じなか ったので あ
る。
参考文献
1)藤 原
(1996)
中見 正宏
入社
MMP事 業部
BANDO TECttCAL REPORT No.15/2011
迫
2)特 開2009-300551
3)意 匠第1392627号
4)特 開2008-230411
5)特 開2010-66333
Masallircl NAKAヽ ■
1998年
良則
康 浩 :日 本 ゴム 協 会誌,69,
研 究論文
インクジェットメデ ィア、ラミネー トフィルムの不燃対応
Fireproofing ofinkiet media and laminate fiim
谷口 仁
Jin TANIGUCHI
Advertising signboard is a main use of our products:inklet media and laminate■
lms ln order to inclease llle use
of the prOducts,thcy must bc applicable to val■ ous substrates and approved by flre preventlon autllorization As a
trend of protecting cnvironmcnt,thinner fllms ale also requircd V′
c have dcvclopcd thin ilms which conform to irc
prcvcntion audlorization and havc cxcc■ ent functions and propcltics such as imagc quality,design,durability,、
vork―
ability and dimension stability by improving botll ilm laycr and adhesivc laycr
1
は じ め に
とを目的 とするものには防火認定 と防炎認定 とがあ
る。
広告看板 の印刷方式 として、最近ではワイ ドフォー
マ ッ トのインクジェッ トプリンテ ィング方式が主流 に
な ってお り、 この印刷方式 の特性 を生か した新 しい広
告表現 も見 られるようになってい る。 また、従来か ら
ある壁面広告や屋外看板 だ けでな く、壁紙やフロアサ
イ ンなどにも利用 されるようになって きてい る。この
防火認定 は建築基準 法 で規定 され る。対 象 は壁 や天
井 な ど建 物構造 を形成 し、移動不可 能 な部材 で あ る。
壁 や天 丼 に固定 して使 用 され る建材 や壁 紙 な どの仕 上
げ材 が含 まれ る。一 方 、防炎認定 は消防法 で規定 され
る。対 象 は建物が完成 した後 に設 置 され る移動 可能 な
タの高性能化、イ ンクの変遷、イ ンクジェ ッ トメディ
アやラ ミネー トフィルムの改良があ り、 これ らは現在
物 品 で 、カー テ ン、カーペ ッ ト、タペ ス トリー、フラ ッ
グな どが 該 当す るい。広 告 看板 類 との 関連 で は、建築
物 の壁面 な どに固定 されて い る看板 は防 火認定 、床 に
固定 しない フ ロアサ イ ンやバ ナ ー広告 、 フラ ッグ広告
も進行中である。
な どは防炎認定 の 、それぞれ対 象 となる場 合 が あ る。
さて、画質、意匠、耐久性 などの性能面 の課題 とは
別 に、当然 のことであるが法規制へ の対応 とい う課題
こ こで は、防火 認 定 に 関 して 説 明 して い くこ とに す
ように幅広 く利用 されるようになるまでには、プリン
がある。広告看板 にかかわる重要な法規制 として、建
築基準法、消防法 に関連 す る防火 防炎 の 問題が あ
る。最近 の改正に よ り、建築基準法による防火措置が
一部 の広告看板にも適用 されるようになっているが、
すでに報道 されてい るよ うに、建築基準法関連では、
構造計算書 の偽装や性能評価試験 の不正受験 とい う、
企業倫理 を問われる問題が相次 いで発覚 してお り、改
めて、法律 の精神 をふ まえた対応が どうあ るべ きかが
問 われてい る。
当社 は「グランメッセ」 ブラン ドで、イ ンクジェ ッ
トメデ ィアとラミネー トフイルム を製造販売 してい る
が、今回、そのラインアップの一部 について防火認定
を取得 した。 ここでは、その際に得た知見 をもとに、
今後 のメディア、ラミネー トフィルムの動向 について
説明 したい。
2法
規 制 の概 要
21防 火 と防炎
資材へ の各種性能認定 の うち、火災の被害 を防 ぐこ
る。
防火認定 にはその性 能 に応 じて グ レー ドが あ り、建
築基 準 法 施 行 令 の108条 の 2、 1条 5号 、 1条 6号 に
規定 され てい る。対 象物 に通常 の火災 に よる加熱 が加
え られ た場 合 の 、対 象物 が燃焼 に耐 え うるべ き時 間、
な らび にその 間に生ず る破 壊 、変形 、有毒 ガス発 生 な
どに関す る要件 の満足度 に よ り、次 の通 り区別 されて
い る。
① 不燃材料 :加 熱開始後20分 間
② 準不燃材料 :加 熱開始後10分 間
③ 難燃材料 :加 熱開始後 5分 間
22広 告看板に要求 される防火措置の概要
広告看板 の防火措置 に関 しては、建築基準法第66
条"に 規定 されて い る。そ の条文 には、「防火地域 内
にある看板、広告塔、装飾塔、その他 これ らに類す る
工作物 で、建築物 の屋上 に設けるもの、または高 さ 3
mを 超 える ものは、その主 要 な部分 を不燃材料 で造
る、または不燃材料 で覆 わなければならない」とあ る。
す なわち、防火地域 とい う限定 された地域 で は あ る
BANDOTECШ
CALREPORTNo1572011
が、 この 区域 内 にある指定 の看板 は不燃材 料 で構 成す
る必 要 が あ る。防火地域 とは、都市計画法 に基 づ い て
市 街地 におけ る火災 の危 険 を防 ぐため に指定 され た地
域 の こ とで 、お もに市街 地 の 中心部 や幹線道路沿 いの
トメデ イアヘ の印刷方法、下地材 とその表面状態、施
工 方法 のすべ てが揃 う ことによって完結 す る。 した
がつて、認定取得 した際 の条件 を把握 し、その範疇 で
印刷 お よび施工 を行 わなければならない。
エ リアが指定 されて い る。防火地域 に指定 され る と、
建築物 の構造 に対す る制限 が 一般 の地域 に比 べ て厳 し
くな り、小規模 な建物 以外 は鉄 筋 コ ンクリー ト造 な ど
の 耐 火建 築 物 にす る こ とが 義 務 付 け られ る。お お む
ね、都市 内 の 中心市街地や官公 庁街 、災害 時 の避難場
所 や避難路周辺 な どが 防火地域 に指定 され る3“ 。
また、対 象 の広告看板 は、具体 的 には以下 の もので
あ る。
① 建物の屋上に取 り付けられた看板は、大きさによ
らず不燃材料を使用する。
② 建物の袖や壁面に取 り付けられた看板や自立 した
看板 は、地上か ら 3mを 超 える高 さに達す る場合
は不燃材料 を使用す る。
以上のように、法的要求 は現在 の ところ限定的であ
るが、火災 の危険 を防 ぐとい う法 の趣 旨を鑑なると、
不燃材料 を自主的に使用 してい きたい とい う港在的な
ニーズがあると思われる。今後、不燃材料 の認定 を受
けたイ ンクジェ ットメデ イアや ラミネー トフイルムが
入手 しやす くなると、不燃対応品の自主的な使用が広
がってい くのではないか と考 えられる。
なお、上記の法的要求 に基づいて不燃材料 を使用す
る場合 は、建築確認に際 して、使用 した不燃材料 の「大
臣認定証 の写 し」 の添付 を要求 されることが あ る。
23不 燃材料
不燃材料 は建築基準法第 2条 第 9号 に「建築材料 の
うち、不燃性能に関 して政令 で定 める技術的基準 に適
合す るもので、国土交通大臣が定めたもの、または国
土交通大臣の認定 を受けたものをい うJと 規定 されて
い る。 ここで、不燃性能 とは、
「通常 の火災時 にお け
る火熱 によ り燃焼 しないこ と、その他 の政令で定める
性能Jと 規定 されてお り、具体的には、建築基準法施
行令第108条 の 2に 、技術的基準 と して、通常の火 災
による火熱が加 えられた場合 に加熱開始 か ら20分 間に
おいて以下の要件 を満たす ことが求 められてい る。
① 燃焼しないものであること
② 防火上有害な変形、溶融、亀裂その他の損傷を生
じないものであること
③ 避難上有害な煙またはガスを発生しないものであ
ること
24認 定取得手続
不燃材料 としての防火認定 を取得す るための手続 き
は、平成 12年 5月 30日 付建設省告示第1400号 (平 成16
年 9月 29日 付国土交通省告示第1178号 により改正)に
定 められてい る、表 1に 示す 「国土交通大臣が定 めた
不燃材料」 を下地材 とし、その上に積層 したすべ ての
もの (通 常 は印刷 されたイ ンクジェッ トメデ ィアとラ
ミネー トフィルムとの積層体 であるが、下地材 の表面
処理や ラミネー トフイルムの表面 に更 に層 を設ける場
合 はそれ らをすべ て含 む)の 組み合 わせで試験体 を作
製 し、防火認定取得 のための性能試験 に合格 しなけれ
ヽ
│ゴ ならなヽ
。
不燃材料 の下地材が数種類ある場合 は、下記 の 区分
によ り指定 された下地材 を標準 の下地材いとして試験
体 を作製 し、性能試験 に合格す れば、その項 目に該当
するすべ ての下地材 で認定 を取得 した とみなされる。
① 金属板 を除 く数種類 の不燃材料 を基材 に使用す る
場合
試 験 体 標 準 基 材 :厚 さ12 5mmの 石 膏 ボ ー ド (不
燃材 料 )
② 金属板 (鋼 板等 を含 む)お よび石膏 ボー ド (不 燃
材料)を 除 く数種類の不燃材料 を基材 に使用す る
場合
試験体標準基材 :厚 さ101n以 下、比重08の 繊維混
入ケイ酸 カルシウム板 (不 燃材料)
③ 金属板 (鋼 板等を含む)を 基材に使用する場合
試 験 体 標 準 基 材 :厚 さ0
鉛 め っ き鋼板
27mm(原 板 厚 さ)の 亜
す なわ ち、不燃材料 で あ る こ とを うた ってい る イ ン
クジ ェ ッ トメデ ィアや ラ ミネー トフ ィルムで も、下地
材 の種類 に よつては不 t性 能 を発揮 で きない場合 があ
l●
る。 また、表 1に 記載 されて い ない下地材 (た とえば
ア ル ミ複 合板 )を 用 い る場 合 は、使用 す る下地 材 と積
層部 との組 み合 わせ の一 つ 一 つ で認定 を取得 す る必 要
があ る。
なお、金属板 以外 の カテ ゴ リー にお い て石膏 ボ ー ド
を含 む場合 と含 まない場 合 とが 区別 されて い るが 、 こ
れ は石膏 ボ ー ド自体 が加 熱 に よつて若干発熱 す るため
で ある。厚 さ12 5mmの 石膏 ボ ー ドで は約35N411/rの
インクジェットメデ ィアやラ ミネー トフイルムは単
独 では燃焼する し、変形や溶融が起 こる もので あ っ
総発熱量 があ る こ とが確 認 されて い る。 また、金属板
の 中で もアル ミニ ウム合金板 は グ レー ドに よつて加熱
て、不燃材料 ではない。 これ らは、適切 な下地材 を選
び、その上 に所定 の条件 で貼 り付 けて一体 となること
によって不燃材料 と認定 され る。す なわち、イ ン ク
ジェッ トメディアやラ ミネー トフィルムの不燃材料 と
しての認定 は、これらの資材 だけでな く、イ ンクジェッ
に対 す る性 質 が異 なるので、特 に融点や そ の物 理特性
に応 じて適用 す る グ レー ド (規 格 )を 選択 す る必 要 が
BANDO TECIINICAL REPORT NO.1512011
あ る。
表1
国土交通大臣が定 めた不燃性 の下地材
(平 成 16年 9月 29日 付国土交通省告示第 1178号 により抜粋)
①金属板
鉄鋼
ア ル ミニ ウム
金 属板
②金属板以外
コ ンク リー ト
れ んが
瓦
陶磁 器 質 タイル
繊 維強化 セ メ ン ト板
厚 さ 3ミ リメー トル以上の ガラス繊 維混 入 セ メ ン ト板
厚 さ 5ミ リメー トル以上 の繊維 混 入ケ イ酸 カル シウム板
ガラス
Iル タ,レ
しっ くい
石
厚 さが 12ミ リメー トル以上 のせ つこ うボ ー ド
(ボ ー ド用原紙 の厚 さが 6ミ リ メー トル以下 の もの に限 る)
ロ ックウー ル
グラス ウー ル
25不 燃材料の認定審査基準
この項 目の執筆 に当 たっては、 (財 )建 材試験 セ ン
ターの「防対火性能試験 評価業務方法書"」 お よび
「防火材料 の発熱性試験装置 (コ ー ンカ ロ リー メー
ター)● Jを 参考 にした。
不燃材料 の性能試験 には、 コー ンカロ リー メー ター
試験 による発熱性試験 とガス有害性試験 とがあ り、 こ
れ らの両方 についてあ らか じめ設定 された基準 に合致
すれば不燃材料 として認定 される。ただ し、ガス有害
性試験 については、試験体中の有機化合物 (以 下、有
機質 とい う)の 合計質量 (接 着剤 を使用す る場合 はそ
の接着剤 を含 む)力 認lXlg/m2以 下の ときには免除 され
る。
現在、性能試験 は国土交通省 か ら全 国で 4カ 所 の試
験評価機関に委託 されてお り、試験 体 の準備 など受審
にあたつての詳細 については各機関の担当者 と相談 し
なが ら進める こ とになる。
さて、イ ンクジェッ トメデ ィアやラミネー トフィル
が、消 費 される酸素の重量 を基準 にすると、物 質の種
類に よらずほぼ一定 の数値 (酸 素 l kg当 た り13 1MJ)
となることを利用 してい る。試験装置 は主に、試験体
を燃焼 させるための加熱部、燃焼生成ガス を捕集する
ための排気装置部、排気 中の酸素 ガス濃度や温度、流
量 を■1定 す る計燿1部 によつて構成 されてい る。
加熱試験 の合否 については、各試験体が次 の基準 を
満足する場合 に合格 となる。
① カロ
熱Frq始 後20分 間の総発熱量が、8
あること。
ただ し現在 は、合格基準限度 の 8 MJJ/m2に 近 い値
の ものについ ては、試験体 や測 定 のば らつ き、製
品 としての ロ ッ ト間のば らつ き、使用環境 のば ら
つ きな どを考慮 して、取 り扱 い方法 を国土交通省
にて検討 中である。 このため、認定書 の発行が厳
しくな っている。
② カロ
熱開始後20分 間、防火上有害な裏面 まで貫通す
る亀裂および穴がないこと
ムの認定取得に際 しては、発熱性試験 に合格す る構成
を見い だす ことが最 も重要である。発熱性試験は、平
金 ■煙
板状 に切 り出 した試験体 に一 定 の放射熱 を与 えなが
ら、電気 スパー クを点火源 として燃焼 させるもので、
試験体表面 に輻射熱 が照射 され、同時に電気 スパー ク
が作 rlJし てか ら20分 間の 、燃焼発熱速度 の時間変化 と
総発熱量 を測定す る。発熱性試験 は コー ンカロ リー
メー ター を用 いて行 われる。この方式 は、IS05660 Firc
test‐
Rcaction toflre/Partl:Hcatrcleasc(コ
MJ/m′ 以下で
姜置ヘ
`理
オリフ ィス
流量測,ヒ 器
レーザー人
器
●濃
'"ll定
ーンカロリー メー
ター)に 採用 されてお り、材料 の燃焼 を扱 う試験法 と
して国際的に認知 されてい る。
コー ンカロ リーメー ター試験 では、発熱速度や発熱
量 を「酸素消費法」 と呼 ばれる手法に よつて求めてい
る。 これは、燃焼 によって生 じる発熱量は、燃焼する
物質 の重量 を基 準 にす る と物 質 ご とに大 きく異 なる
図1
コーンカロリーメー ター試験装置の概要°
BANDO TECIIINI¨ REpORT No 1572011
ロ
熱開始後20分 間、最高発熱速度が、10秒 以上継
③カ
とコス トメ リ ッ トが あ るためであ る。
続 して200kW/m2を 超 えない こ と
ガス有害性 試験 は、加 熱試験 を行 い試験体 が燃焼 し
た際 に発生 す る ガスに よ り、 マ ウスが行動 を停止 す る
図 2に は、 イ ン ク ジ ェ ッ トメデ イア な らび に ラ ミ
ネー トフ イル ムの構成 と、 これ らを看板 に施 工 した場
合 の最終 的 な構 成 を示 した。
まで の時 間 を、加 熱 開始 か ら15分 を
・n■ 過す る まで確認
し、そ の ガスの有害性 を評価 す る試験 であ る。不完全
燃焼 に よ り発生す る一酸化 炭素 の影響 が 最 も大 きい と
されて い る。
32不 燃材料 認定 に対 す る考 え方
イ ンクジェ ッ トメデ イアや ラ ミネー トフ イルム を不
燃化 す るため には、 これ らの主成分 であ るポ リマ ー を
さて、不燃材料認定 を取得 す るため には、 これ まで
い か に選 択 す るかが 重 要 で あ り、そ の 判 断 基 準 と し
紹介 して きた発熱性試験 、 ガス有害性試験 に合格す る
よ うに、適 切 な下 地 材 を選 択 す る と と もに、 イ ン ク
て 、各 々の ポ リマ ーの燃焼性 をまず 検討 しなけれ ばな
ジ ェ ッ トメデ ィア とラ ミネー トフ ィルムの構 成 を設計
して い くこ ととなる。以下 で は、 その考 え方 につ い て
概 略 を紹 介す る。
らない。燃焼 とは可燃物 と酸 素 とが高温 で光 と熱 の発
生 を伴 つて化学的 に反応 す る こ とで あ り、各種 プラス
テ ック材料 の燃焼 には種 々の 因子 が 関与 す るため メカ
ニズ ムは複雑 で あ る。 しか しなが ら、通常 環境 で燃焼
が継続 す るか否 かの指標 と して、 まず は限界酸 素指数
(LODを 用 い る こ とが で きる。LOIは 、材 料 が 燃 焼
3不
を継続 す るの に必 要 な雰 囲気 中の酸素濃度 であ る。
つ
表 2に は、代 表 的 な ポ リマ ー のLOIを 示 した 。通
燃化 の技 術 的 ポ イ ン ト
31イ
ンクジェッ トメディア、ラミネー トフィルムの概要
一般的なイ ンクジェッ トメデ ィアには、 ポリ塩化 ビ
ニ ル (PvC)、 ポ リプ ロ ピレン (PP)、 ポ リエ ス テル
合成紙 などのプラスチ ックフ イルムや紙 が
されてお
り、必要に応 じて表面 にイ ンクを吸収
使用
保持す るインク受容層、背面 に粘着剤層が設けられて
い る。一方、 ラ ミネー トフイルム は、Pvc、 PP、 PET
(PET)、
などの透明プラスチ ックフイルムの背面 に粘着剤層 を
設けた ものである。そ して、使用 されるプリンタやイ
ンクの種類、あ るいは使用 される場所、用途 により、
常大 気 の酸 素濃度 は21%な ので 、LOIが 21以 下 の 場 合
は大気 中で燃焼 が継続 し、21を 超 える場 合 は燃焼 が継
続 しない。 したが って 、印刷性 や施工性 な ど、 イ ンク
ジェ ッ トメデ ィアや ラ ミネー トフ イルム と しての品 質
が 許す 限 り、LOIの 大 きな材 料 を用 い た ほ うが不燃材
料認定 には有利 であ る。
次 に、表 3に は、各種 ポ リマ ー燃 焼熱 を示 した。単
位 体積 当 た り発熱量 が大 きい ほ ど、燃焼試験 にお け る
発熱量 が大 き くなる と考 えて よいであ ろ う。 したが っ
て、可 能 な限 り単位 面 積 当 た り発 熱 量 の 小 さな ポ リ
イ ンクジェ ットメデ ィアとラ ミネー トフィルムとの さ
まざまな組み合わせが選定、使用 されてい る。
その なかで、現在屋外看板用途では、イ ンクジェッ
トメデ イアとラミネー トフイルムのほとんどが、施工
マ ー を用 い たほ うが不燃材料 認定 には有利 で あ る。
性、印吊1性 、耐候性 の考慮 されたPvCフ イルム層 とア
クリル系粘着剤層 との積層構造 を有す るものである。
また、 この用途 におけるプリンタの主流は、溶剤系顔
料 イ ンクタイプのインクジェ ットプリンターである。
とが適 当 であ る。 くわ えて、当然 の こ となが ら薄 くす
これは、PVCと
剤系 イ ンクとは親和性 があ り、 イ ン
ク受容層が不要 となるので、耐候性 の面 で有利な こと
表 2お よび表 3か ら、 イ ンクジェ ッ トメデ イアな ら
び に ラ ミネ ー トフ イル ムの 不燃 材 料 認 定 にあ た つて
は、主成分 となるポ リマ ー と して はPvcを 使用 す る こ
る こ とに よって総発熱量 を低 減 させ る こ とが で きるの
で 、他 の 品質 の許す限 り薄 くす るこ とが 好 ま しい とい
える。
なお、実際 の イ ンクジェ ッ トメデ ィアや ラ ミネー ト
,容
フ ィルムは単 一 のポ リマー で構 成 されて い るので は な
ラ ミネ ー トフ イル ム層
粘着剤層
プリ
フ ィルム層
卜層 (溶 剤系 )
ン
フ ィルム層 (透 明 )
イ ン クジ ェ ッ トメデ イア 層
粘着剤層
粘 着剤層
粘 着斉1層
セパ レー ター層
セパ レー ター層
看板下地材層
(a)イ ンク ジェ ッ トメデ ィア
(b)ラ ミネ ー トフィル ム
(c)看 板 としての構成
(白
色 、乳半 、透 明 )
図2
イ ンクジェッ トメデ ィア、ラミネー トフィルム、看板 の構成
BANDO TECHNICAL REPORT N015/2011
表
2
各種 ポ リマーの限界酸素指数 (LOD"
LOI (%)
ポ リマ ー
ポ リオキ ンチ レン
150
(POM)
ポ リメチ ル メ タクリレー ト
173
(PMMA)
ポ リプ ロ ピレン (PP)
174
ポ リエ チ レン (PE)
175
ア ク リロニ トリル
プ タジエ ン
スチ レン共重合体 (ABS)
ポ リカー ボ ネー ト (Pc)
20.0
26∼ 28
ポ リエ チ レ ンテ レフ タ レー ト (PET)
26 3
軟質 ポリ塩化 ビニ ル (軟 質PVC)
26.5
ポ リア ミ ド (PA)
ポ リ塩 化 ビニ ル (Pvc)
45∼ 49
ポ リ塩 化 ビニ リデ ン (PVDC)
60
ポ リテ トラフル オ ロエ チ レン (PTFE)
表
3
各種 ポ リマーの燃 焼熱 ついい
度
燃焼熱
単位体積 あた り
(g/cm3)
(cJ/g)
発熱量 (cJ/cm3)
ポ リエ チ レン (PE)
0 94
11000
12000
ポ リプ ロ ピ レン (PP)
0 90
10000
11000
ポ リア ミ ド (PA)
114
7400
650Kl
1 20
631Xl
5300
ポ リカー ボネ ー ト (Pc)
1 20
60∞
5000
ポ リエ チ レンテ レフ タレー ト (PET)
1 38
551Xl
40110
ポ リ塩 化 ビニ ル (Pvc)
1 40
430Э
310Э
ポ リオキ シメチ レン (PoM)
1 41
41Xlll
2900
ポ リテ トラ フル オ ロエ チ レン (PTFE)
2 17
1000
500
密
ポ リマ ーの種類
ポ リメチ ル メ タク リレー ト
(PMMA)
く、複数 のポ リマーが混合 された り、可塑剤な どの有
機化合物 や充填斉1や 顔料な どの無機化合物が添加 され
ている。 したがって、総発熱量低減 の手段 としては無
機質 の合有比率 を高 め、有機質の比率 を下げることも
有効 である。
さて、PVCフ イルムと粘着剤層 とで構成 されて い る
イ ンクジェッ トメデ イアならびにラ ミネー トフィルム
につい て、現在市場 で主流 になって い る ものの厚 さ
イ ンクジェ ッ
(フ ィルムと粘着剤層 との合計厚 さ)は 、
130μ
ミ
トメデ ィアはお よそ100∼
m、 ラ ネー トフィル
ムは お よそ80∼ 13レ mで あ る。 したが って、イ ン ク
ジェッ トメデ ィアにラミネー トフィルム を積層 した と
イ ンクジェッ トメデ イアおよびラ ミネー トフィルムは
いずれ もPVCフ イルムとア クリル系粘着剤 とで構成 さ
れてい る。各々、屋外実曝 3年 相当の屋外耐候性能を
有す る一般的 な屋外看板用途 の設計 と し、粘着剤層 の
厚 みはいずれ も2麟 mと したoま た、印刷 イ ンクの 目
付量 は10g/m2と した。図 3よ り、総発熱量 は 当然 の
ことな力`ら厚みが薄 いほど低 く、厚 くなるほど高 くな
ることが認 め られた。 また、不燃材料 として認定 を受
けるためには、下地材か らの発熱がない場合 には印吊1
したイ ンクジェッ トメデ イアとラミネー トフイルムと
きの総厚 さは、180∼ 260μ mと なる。
図 3に は、イ ン クジ ェ ッ トメデ ィア とラ ミネー ト
フイルムとの積層体 の総厚 さと、 コーンカロ リー試験
の積層体 の総発熱量 は、8.ONIJ/m2を 余裕 を もって下
回 ることが望 ましい (25項 参照)。 図 3よ り、総厚 さ
が最大の260μ mで も、十分 にこの条件 を満た してい る
ことが認 め られる。ただ し、ここでは最 も単純 な フイ
ルム と粘着剤 の組成 を用 いてお り、添加剤 の選択 など
における総発熱量 との関係 の一例 を示 した。 ここで、
配合設計 の工夫 によって、同 じ厚 さで も総発熱量 が よ
BANIDO TECHNICAL REpORT No 1572011
り低 くなる可能1生 があることを申 し添えてお く。
ぜ ひ薄膜 製 品 を使 い こなす技術 を修得 して い ただ きた
い と願 ってい る。
余談 なが ら、近 年話題 になって い る二 酸化 炭素排 出
10
●
E
ヽ
Σ
ヤ
量削減 とい う観点 か らも、石油 石炭 由来材料 の削減
と軽量化 が望 ま しい とい える。 この 点 か ら も薄 い (軽
8
い )イ ンクジェ ッ トメデ イア とラ ミネー トフ ィルム を
使 い こなす技術 が必 要 になる と考 えて い る。
6
嘲
態
灘
4
[二 :[二
1継
霧
:暑 督ド
4当 社 の 認 定取 得状 況
2
160
170
1m
19o
200
210
220
230
240
250
厚 み (μ m)
図3
41当 社の認定取得製品
イ ンクジェ ッ トメデ ィア とラ ミネ ー トフ ィルム
積層体 の総厚 さと コー ンカロ リー試験 にお ける
総発熱 量 との関係
ともあれ 、金属板 の よ うな発 熱 しない下地材 に対 し
ては、総 厚 さがお よそ260μ m以 下 となるイ ン クジ ェ ッ
トメデ ィア とラ ミネー トフ イルム との組 み 合 わせ で あ
れ ば、不燃材 44と して認 定 され る可 能性 が あ る。 しか
しなが ら、石 膏 ボ ー ドの よ うな発 熱す る基材 に対 して
は、下地材 か らの発熱量 を差 し引 か なければ な らない
ので 、 イ ン クジェ ッ トメデ ィア とラ ミネー トフ ィルム
「バ ン ドー グラ ンメッセ」
表 4な らびに表 5に は、
シリーズの うち、不燃材料 の認定 を受けたものの一覧
表 を示 した。下地材 としては、現在 の ところ下記 の 2
通 りについて取得 してい る。
① アルミニウム合金板を除く金属板 :認 定番号NM
-2498
② アルミニウム合金板 :認 定番号NM-2499
ただ し合 金版 は下 記 のJIS規 格 に適 合 す る もの に限
る。
※番号 1050、
1070、 1080、 1100、 1200、 3003、 3004、
との総 厚 さは、 よ り薄 くな る よ う設 定 す る必 要 が あ
る。
3104、 3105、 5005、 5052、 6063
これ らの基材 に対 しては、表 4お よび表 5に 示 した
イ ンクジ ェ ッ トメデ ィアな らび にラ ミネー トフ ィルム
現在 、 イ ンクジ ェ ッ トメデ ィアの用途 と しては広 告
は、 いず れのnIみ 合 わせ で も不燃材 料 とな る。 なお、
看板 が 中心 で あ るが 、用途 を広 げ てい くため には 、法
下地材 の調製 、適合 す るプ リ ンタお よび イ ンクの詳細
につ い て は販売元 で あ るバ ン ドーエ ラス トマ ー的 に問
規制 に適合 す る用途 、分野 を広 げ てい く必 要 が あ る。
そ のため には、適 用可能 な下地材 の種類 を増 や して い
くこ とが重 要 で あ る。 そ の際 、 イ ンクジェ ッ トメデ ィ
アな らび にラ ミネー トフ ィルムの薄膜化 は大 きな流 れ
になる と思 われ る。薄膜化す る と印刷 お よび施工 の作
業性 が低 下す る傾 向 にあ るので 、 メーカー であ る我 々
は、配合設計 に よ り薄膜化 をで きるだけ抑 えつつ 、発
熱量 を低 下 させ る技 術 開発 を進 めて い か なければ な ら
な いが、一 方 で、印刷業者様 、施工 業者様 にお い ては、
表4
い合 わせ願 い た い。
現 在 、当社 は上 記 以外 の下地材 に対 して も認定取得
す るべ く準 備 を進 めて い る。 当社 は イ ンクジ ェ ッ トメ
デ イアお よび ラ ミネー トフ イルム につい て、 フ イルム
の設計 、製造 か ら粘着剤 の塗工 、仕 上 げ まで全 て社 内
で実施 してお り、製 品 の使 われ方 を考慮 しつつ 、 イ ン
クジ ェ ッ トメデ ィア とラ ミネー トフ イルム、 さらにそ
れぞれの フ イルム層 と粘着剤層 との機 能分担 を最適化
不燃材料認定対象のバン ドー グランメッセ・ インクジェッ トメデ ィア
グ レー ドお よび タイプ名
特
長期耐候 グ レー ド
GM_GYC(グ ロス タイプ)
GM― MYC(マ ッ トタイプ)
総厚 さ :1307zm
中期耐候 グ レー ド
GM SPVG(グ ロス タイプ)
GM SPVM(マ ッ トタイプ
)
総厚 さ :10鉾 m
BANDO TECHNICAL REPORT No15/2011
長
印刷時お よび使用中の寸法安定性が優 れてい る
りやす い
コ シがあ り下地材 に貼
当社 ラ ミネー トフ ィル ム (cM oLC/CM
年相 当 の屋外耐候性 能 を有す る
併用 す る こ とで実 曝 5
OLM)と
イ ンク吸収力が高 く、多 くのプリンター、 イ ンクに適合す る
印刷時および使用中の寸法安定性 が優 れてい る
柔軟性があ り、二次曲面へ の施工性能を有 している
当社 ラ ミネー トフィルム との併用に よ り、実曝 3年 相当 の屋外耐候性能
を有す る
総厚 さが100μ mで あ り、薄膜化 された フイルムはC02削 減 にも貢献す る
表5
不燃材料認定対象 のバ ン ドー グランメ ッセ・ ラミネー トフ ィルム
グ レー ドお よび タイプ名
特
出力物 の色調 を忠実 に再現 す る
長期耐候 グ レー ド
GM OLC(グ ロス タイプ)
GM OLM(マ
長
使用 時 の寸法安 定性 が優 れて い る
高 い紫外線 カ ッ ト率 に よ り、 出力物 を色 あせ か ら保護す る
ッ トタイプ)
当社 イ ンクジェ ッ トメデ ィア (GM GYC/CM‐ MYC)と 併 用す る こ とで実
爆 5年 相 当 の屋外対抗性 能 を有 す る
総厚 さ :100μ m
出力物 の色調 を忠実 に再現 す る
中期耐候 グ レー ド
GM SOLC(グ ロス タイプ)
GM SOLM(マ ッ トタイプ
)
総厚 さ :80/7m
使 用 時 の寸 法安 定性 と、二 次 由面 へ の 施 工 に適 した柔軟 性 とを両立 して
いる
当社 イ ン クジェ ッ トメデ ィア との併 用 に よ り、実 曝 3年 相 当 の 屋 外 耐 候
性 能 を有す る
総厚 さが8077mで あ り、薄膜化 され た フ イル ムはco2削 減 に も貢献す る
出力物 の 色調 を忠実 に再現 す る と もに、 ラ ミネ ー ト直後 の シル バ リ ング
中期耐候 グ レー ド
GM SLC(グ ロス タイプ)
GM SLM(マ ッ トタイプ
総厚さ :8レ m
)
が 少 ない
使用 時 の寸法安 定性 が優 れて い る
当社 イ ン クジェ ッ トメデ ィア との併 用 に よ り、実 曝 3年 相 当 の 屋 外 耐 候
性 能 を有す る
総厚 さ力おOμ mで あ り、薄膜化 され た フ ィルムはco2削 減 に も貢献す る
中期 耐 候 グ レー ド超 艶 消 し
GM OLDM
総厚さ :11レ m
光 の反射 を抑 え、光源 の映 り込 みを防止する。
画像 の鮮明性 を損なわない。
し、 トー タルでバ ラ ンスの 良い製品を提案で きると自
負 してい る。新たな認定取得 に際 しては、 この ような
当社 の特長が生か されると考えている。
42不 燃材料認定に関するサー ビス
当社 では、上記 の当社製品を使用 してい ただい たお
客様 のご要求があれば、該当する不燃材料 の認定証 の
写 しを発行す るサ ー ビス を実 施す る予定 で ある。な
お、前記 したとお り、当社 の製品 だけで不燃材料 とな
るのではな く、下地材 とその表面 の調製方法、印刷 条
は業界全体 で コ ンプライア ンスの重要性 を認識 し、不
正 を追放 してい くこ とが重 要 で あ る。
は じめ に も書 い たが 、広告 看板 において不燃材 料 を
い
用 るこ とが法 的 に要求 されて い るのは 限定 的 で あ る
ものの 、 自主 的 に不燃材 料 を使用 した い と考 えて い る
お客様 は多 い と考 えて い る。 その ため には不燃材料 の
認定取得 の範 囲、組 み 合 わせ を広 げ て い き、か つ リー
ズ ナブ ル な価 格 で提供 す る こ とが我 々の責務 と認識 し
て い る。今後 もお 客様 の ご要望 に沿 った商 品 を開発 し
て い きた い と考 えて い る。
件、施工条件が揃 った うえで不燃材料 となるため、認
定内容 に沿 った条件 で印刷、施工 する ことをお約束 い
ただ くことになる。当社 だけでな く、お客様 を含 む関
係先 の コンプライアンスの観点か らも厳密 な運用を行
<参 考 文献 >
1)POP EYE,No 174(2008年 4月 発行 ),P12,い
うことになるが 、 ご理解 いただ きたい。
2)建 築基準法
総 合報 道
(平 成20年
5月 23日 改正 )
3)「SUUMO」 住 宅 用 語 大 辞 典 ,船 リク ー ト,http:″
WWW JJ navi com/cdit/guidc/yOugo/h/boukach“
5今
後 の 展 開
4)Yalloo!百 科事 典 室 崎益 輝
性能評価試験の不正受験 の問題発覚以降、国土交通
省 によって、認定取得済 みの不燃材料 のサ ンプリング
調査 が継続 して実施 されてい る。一方、新規 の受験 に
対 しては、不正受験防止 のために防火性能評価にお け
る試験体制 の厳格化 が進め られてい る。その一環 とし
て、試験機関 自身 による試験 体 の製作、構成材 料 の
チ ェ ックが始 まってい る。この ような状況 の なか、
我々
ki/
(2010年 2月 5日 確 認 )
l■1/1N学
館
http:〃 100
:日 本大 百 科 全 書
,
,
yahoo coJP/dctai1/%E9%98%B2%E7%81%
AB%E5%9C%BO%E5%9F%9F/(2010年 2月 5日
確認)
5)防 耐火性 能試験 評価 業務方法書 (平 成 17年 7月
11日 改正 ),p14,(財 )建 材試験 セ ンター
6)防 火材 料 の発 熱性試験装置 (コ ー ンカロ リー メー
BANDO TECHNICAL
Ш
PO「 T No.15/2011
ター),(財 )建 材試験 セ ンター
jtccm orjP/Jtccm_shen_hhsci_面 _2_
http:〃
―
k¨ mar。 _cta(2010年 2月 5日 確認)
中條 澄 :エ ンジエ アのための プラス チ ック教
本 ,p42,218,工 業調査会 (1997)
,
谷 口
8) 塩 ビフ ァク トブ ック21X15,p70,塩 ビエ 業
環境
協会 (2005)
「ユーピロ ン」「ノバ レックス」技術資料 (2003年
1月 改正),P58,三 菱 エ ンジニ ア リングプラス
チ ックス榊
仁
Jm TNGUCHI
1997年
入社
化 成 品事業部
BANDO TECHNICAL REPORTNo.16●
011
14
研 究論文
薄 膜 オ ーバ ー ラ ミネ ー トフ イル ムの 開発
Development of a thin overianlinate film
星野 真理子
Manko HOSHINO
Overlanunate fllllls are used to g市 e a flne view and to protectimage of p五nted matters They arc made of a trans
parent f1lm,an adhcs市 e layel and a rclcase flim layen Advertlsing signboard is thc maln usc of the products,which
lallunate varlous media pnllted by l電 e iJlet p五 nters The lanllnate ilm protccts images and prevents color change
or loss due to watet sunlight and temperatllrc vanatlon Our Plasic Product Division prOduces and sclls the ove「
lalmnate fllms with a brand nallle,``BANDO GLANMESSE''
In dis paper a new overlan■ nate lllm is introduced Tlle■ lm is desinged to prevcnt silvc五 ng and imprOve its su‐
face smoothncss,g市 ing a bcalltifullook to a signboard lt also has thin thickncss which lowenng the bulden on dlc
ellviromellt
1緒
フィルムの構造 を図 1に 、イ ンクジェッ トプリンター
で出力 した画像 の表面 にオーバー ラミネー トフイルム
言
オーバー ラミネー トフィルムは、印刷物 の意匠性付
与や画像 の保護を目的 として用 い られ、透 明な フイル
ムに粘着剤層、離型 フイルム層が積層 された複層 フ ィ
を積層 した看板 の施工事例 を図 2に 示す。
作画物へ のラミネー ト加工 は、 ラミネー ター機 が用
い られ、オーバー ラミネー トフイルムの離型 フイルム
ルムである。サイ ン デ ィスプレイ市場 では、大型の
イ ンクジ ェ ットプリンター によって出力 したものをサ
を剥 ぎ取 りなが ら、その粘着剤層面 と作画物 の表面 が
重 なるように 2本 の ロー ルの 間 を通 し、そ の圧 力 に
よつて貼 り合 わせる方法が一般的であ る。ラ ミネー ト
イ ン材 として多 く使用 してお り、その表面 には、水、
太陽光、温度変化に よる変色 や色 落ち等 か ら画像 を保
護す るためにオーバー ラミネー トフィルムが積層 され
てい る。 また、フィルム表面ヘエ ンボシ ング等 の加工
を施す ことによって凹凸感や艶 を自在 に調整で きる こ
とか ら、サイ ン材 に光沢感やマ ット感 などの意 匠性 も
付与 で きる特長 をもって い る。 オ ーバ ー ラ ミネ ー ト
図1
加工 直後 の段階 においては、粘着斉1層 と作画物 の層間
に混入 した微細 な空気 によって、本来 の画質が発現 で
きない シルバ リング現象 に対 して潜在的な問題 を抱 え
てお り、近年、ラ ミネー トした直後 で も画像本来 の色
を忠 実 に見 せることや、見た目を損 なわずに高級感 を
付与す る機能が特 に求め られてきてい る。 また、光沢
オーバーラミネー トフィルムの構造
BANI10 TECHNICAL REPORT No.1572011
図2
オーバーラミネー トフィルムの使用例
表1
1次
基本性 能
2次
シルバ リン グ
印刷物 との密着
性 を有する
印刷 画像 の 色 を
その まま見せ る
l■
当
重要度
従来品
社
A社
品
B社
品
C社
△
△
△
×
◎
△
〇
○
△
透明度が高 い
○
〇
△
△
○
耐 える
寸法安定性 を
有する
○
○
△
×
×
光 に耐 え る
耐候性 を有す る
◎
○
○
×
×
◎
754
504
現 象 をlr「 制
表面平 滑性 を
有する
美観 を有す る
湿度 に
CO=排 出量
(g/m!)
仕様 の ラ ミネー トフ ィルム にお い ては、蛍光灯 な どの
照 明 の形状 や光 りを鮮明 に反射 す る こ とで 、 さらに高
級感 を発現 で きる こ とか ら、表面 の 平滑性 に関 す る要
求 も高 くな って きて い る。
本報 では 、 オーバ ー ラ ミネー トフ ィルムの 開発 にあ
た って重 要 なポ イ ン トとな った、 ラ ミネー ト直後 にお
け る シルバ リン グ現 象 の改 良 、表面平滑性 の 向上 、及
び環境 負荷 の低減 をね らい として設計 して きた内容 を
品
Q0
環境負 iの 低減
機能の
◎
温度
印刷画像 を
保護する
当社従来品 と他社品 との比較
バー ラ ミネー トフ ィルム に必 要 な機能 を抜粋 し、当社
従 来 品 と他 社 品 の 機 能 を展 開 した結 果 を表 1に 示 し
た。 当社従来 品が他社 品 よ り優 れ てい る点 と しては、
フ ィルムの透 明度 、
寸法安定性 、
耐 候性 があげ られ る。
フ ィルムの透 明度が高 い こ とに よって、画像 の 色 、形
状 を鮮 明 に発現す る とともに、長期 間屋外 でlt用 した
場 合 にお い て も、 フ イルムの寸法形状 を保持 し、太陽
光 や雨水 に よる画像 の 劣化、変色 を抑 制す る機能 を有
して い る と認 め られ る。 一方 で 、 シルバ リ ング、表面
説 明す る。
平滑性 につ いては他社 と同等 か 、 も しくは劣 つて い る
現状 にあ り、 これ らの 重 要機 能 を改 良 す る必 要 が あ
2
目標 品 質 の 設 定
他社 品 と差 別化 した製品 を開発す るため には、 オー
バ ー ラ ミネー トフ ィルムの潜在 的 な問題 とされ続 けて
い る、 シルバ リ ングと表面平滑性 とい う項 目を重点的
に改 良す る必 要が あ る。これ らの重 要機能 を含 め 、オー
BANDO TECttCAL REPORT No 1572011
る。
他社 よ りもl■・れて い る点 を維持 しつつ 、劣 つて い る
点 を改 良す る こ とで、 さらに市場 にお ける優位性 が高
め るこ とをね らい と して設定 した 日標品 質 を表 2に 示
す。
近年 の使 用方法 の 変化 に よ り、特 に シルバ リ ング、
表
項
2
目標品質
当社現行品
評価方法
エ アの直径 (mm)
01以 下
0 52
顕微 鏡
1悪 → 10良
9以 上
6
目
視
8以 上
3
目
視
目
シル バ リ ン グ
印刷画像 を
そのまま見せる
オ ーバ ー ラ ミネ ー トフィル ムの 目標 品質
鮮 明 度
表面平滑性
1悪 → 10良
全光線透過率
(%)
90以 上
寸法安定性
流 れ方 向 (mm)
04以 下
04
/b
140以 下
12 7
色差計
/E
180以 下
160
色差計
印刷 画像 を
保護 す る
耐候性
色差
表3
濁度計
C02排 出量の比較
当社現行 品
PVcフ ィル ムリ
書 (μ m)
他 社 品A
他社 品B
80
Ю
粘着剤層 (″ m)
他社 品C
80
30
離型 フ イルム層 (μ m)
80
C02排 出量 (g/mう
754
504
38
130
538
1198
表面平滑性 は画質 の見栄 えに大 きな影響 を与 える。
前述 の通 り、シルバ リング現象 とは、 オーバー ラミ
ネー トフイルム を貼 り付けたときに、粘着斉1層 と印刷
物 との 間に微小なエ アが入 り込み ことで、印刷物が自
りもC02排 出量は少ない ものの、A社 、B社 より多 い。
環境面へ の配慮 について も他社 と差 をつ けるために、
今市場 の先頭 を走 っているA社 品のC02排 出量 の10%
ダウ ンを開発品の 目標値 と設定 した。 この 日標 を達成
濁する現象であ り、ラ ミネー ト時に混入するエ アの直
径 を抑 える こ とで 自濁現象 を解消 で きる。 日標水準
は、内眼 で 自濁現象が認め られず、さらに他社 よ りも
エ アの直径が小 さくなる水準 に設定 した。 また、表面
最適 な厚 みに薄膜化す ることが必須 であ る。 しか し、
薄膜化す る手段 は、 シルバ リングと表面平滑性 の改良
平滑性 においては、オーバー ラミネー トフィルムを印
刷物 に貼 り付 けた後 に、垂直方法か ら蛍光灯 を照射
し、その蛍光灯 の形状 と光 が鮮明に映るか どうかを目
視 にて10段 階で評価する方法 をとり、 シルバ リングと
同様 に他社 より鮮明に映 る水準 を目標 に設定 した。
寸法安定性 とは、 クロス カッ ト法 とい う評価方法 を
エ されてい るフイルム層が
用 い たものである。延伸カロ
熱 とインクの溶斉Jの 影響 により収縮 しようとする力が
働 くことを利用 した評価 である。切 り込 みを入れたラ
ミネー トフィルム を加温 し、その切 り込 みか ら生 じた
日開き量 を数値化 した ものが寸法安定性 の代用特性で
ある。寸法安定性が不足する場合は、切 り込 みか ら目
開きが生 じる。寸法安定性 が優 れてい る場合 は 目開 き
が生 じに くい。
従来品 と他社品 とのC02排 出量 の比較 につい て表 3
に示す。環境負荷 にお いては、co2排 出量 を指標 とし、
原材料 メー カー、当社 での製造工程 で使用す るエ ネル
ギー、使用後廃棄 される際に消 費 されるエ ネルギ ーか
らco2排 出量 を算出 した。当社 での従来 品 は、C社 よ
17
す るためには、重要機能 とC02排 出量低減が両立す る
と相反す る関係 にあると考 えられる。粘着剤層 の厚 み
が薄 くなる と印刷物 と粘着剤 の間のエ アが緩和 されに
くくなるため、 シルバ リングが発生 しやす くなるとと
もに、フイルム層が薄 くなる下地 の凹凸の影響 を表面
にまで及 ぼ しやす くなる。 しか し、市場 における優位
性 を高 めるためには環境負荷 を低減す ることは必須 で
ある ことか ら、薄膜化す る手段 をとった。
薄膜化 しつつ これ らの懸念事項 を回遊す るために
PVcフ ィルム層、粘着剤層、離型 フイルム層 の改良の
検討 を実施 したので次項以降で説明す る。
3
シル バ リングの改良 につ い て
当社従来品 もラ ミネー ト直後 ではシルバ リングがあ
るものの、時間の経過 とともに徐 々に粘着剤 と印帰1物
とがな じみ、空気 が抜けてい くことでその程度がおさ
まるため、それほど問題視 はされてい なか った。 しか
し、近年 ラミネー ト直後 における画像品質の要求水準
が高 くなって きてい る。サイ ン業界 にてスピー ドアッ
プが求 め られ、ラ ミネー ト後す ぐに看板 に施工 される
―
O TECHNICAL REPORT No15/2011
(a)シ ルバ リングが ある場合
(b)シ ルバ リングが ない場 合
図
3
シル バ リン グ
ことが多 くなって きてい るため、貼 り付け直後 か らシ
ルバ リ ングが起 こらない ことが 求 め られて い る。 ま
た、屋内での使用が1曽 えて きてお り、印刷物 に近づい
て じっ くり見 るケースが増 えてきているためであ る。
図 3は 印刷物 にオーバー ラ ミネー トフィルム をは り
つ けた状態 の写真 である。左 はシルバ リングしてい る
状態 で 、オーバー ラ ミフイルム と印昴1物 の 間 にエ アが
入 り込 み、自 く曇 って見えてい る。拡大写真か らも大
きなエ アの存在が認 め られ、そ の 直径 は1 0mm以 上
ある ことが確認 で きてい る。右 はシルバ リングしてい
ない状態 を示 してお り、拡大写真で もエ アはあま り目
立 ってい な い。 この こ とか らエ アの直径 は0 1mm以
下で あれば、 日視で確認する ことができない レベ ルと
なることが認め られた。従来品のシルバ リングの水準
は、一 日経過す る と、エ ア直径 力Ю lmm以 下 とな り
シルバ リングは 目立たな くな っていた。そ の こ とよ
支持 ロール
図
4
コール ドラ ミネ ー タ ー機
ニップロール
ラミネートフィルム
り、貼 り付 け直後 にエ ア直径 が0 1mm以 下 となるこ
とを目標 として改良を進 めた。
ラ ミネー ター機 は、図 4に 示す よ うな上下 の 2つ の
ロールの圧 力でラ ミネー トされる。上の ロール をニ ッ
プ ロール、下の ロール を支持 ロー ルと呼 ぶ。
エ アが混入す る原 因 としては、離型 フイルムの凹凸
形状が転写 された粘着剤層 とメディアの表面 の微細 な
凹凸形状 を、 2つ の ロールの圧力だけでは緩和す るこ
とがで きず結果 としてエ アが混入 しシルバ リングとな
る。 この よ うなラ ミネー ター機 は コー ル ドラ ミネー
ター機 とよばれる。
とくに冬場 などの雰囲気温度 が低 い環境下 において
加工 されるケースでは、 シルバ リングの状態がひどく
なる傾向にある。
BANDO TECHNICAL REPORT N01駒 唸011
図5
ホ ッ トラミネー ター機
市場 では、ニ ップ ロールに温度を加えることがで き
るラミネー ター機 が少量なが ら普及 してい る。 このよ
うなラ ミネー ター機 はホ ットラ ミネー ター機 と呼 ばれ
る。一般的には50℃ で加工 され、材料温度 は40℃ 程度
になる。 フ イルム を介 して粘着斉J層 が暖 め られ、粘着
剤 の流動性 が よ くなる。凹凸形状 に粘 着剤 力`
そ ってい
A:ア ク ,ル 来粘着対 ●,‐ 20万
B:ア クツル系粘な翔 lMw‐ ЮO乃
)
0
゛
こ ︶6
゛
,
ら、粘着剤層 の流動性 を よ くす るこ とで 、 コー ル ドラ
ミネー ター機 を用 い た場 合 で も凹凸形状 を緩和 しエ ア
゛
rEや贅 8
くこ とで 、 メデ ィアの凹凸 を緩和 し、エ アの混 入 をふ
せ ぐこ とが で きて い る と考 察 され る。 これ らの現 象 か
101
の混 入 をふせ ぐこ とがで きる と考 え られ る。
10●
図 6は 一般 的 なア ク リル系粘 着剤 の粘弾性 を示 して い
る。 0℃ を境 界 に して、分子 量20万 の もの と100万 の
。
1困
l『
図6
∞
時 に想定 され る粘着剤 の材 料温度40℃ にお い ては、そ
の流動性 に大 きな差 が認 め られ る。 これ よ り、分子量
切つ
0 ¨
8
︹
-80
もの とで挙動 に違 いが 見 られ始 め 、 ホ ッ トラ ミネー ト
2" 241 280
1●
ア ク リル 系粘着剤 の粘 弾性 の温 度依存性
は粘 着 剤 の流 動性 に大 き く関係 して い る こ とが わ か
り、 コー ル ドラ ミネー ター機 での加工 に適 した粘着剤
た。 これ よ り、粘着斉1の 分子量 は60万 で 設計 をす るこ
の分子 量 の検討 を行 った。
とに した。
従来 品 と同 じ離型 フ イル ム を用 い 、 イツシアネー ト
また、従来 品 と同 じ離型 フ イルム を用 い、分子量60
系硬 化剤 は10重 量部添加 、粘着剤層厚 み は25μ mの 仕
様 と した ときの、粘着剤 の分子量 とシルバ リングで発
生す るエ アの直径 と寸法安定性 の 日開 き量 の 関係 を図
万 の粘 着剤 を用 い 、粘 着剤 の厚 み を25μ mと した とき
の 、硬化剤 の添加量 とシルバ リングで発 生す るエ アの
7に 示す。分子量 が小 さい ほ ど、粘着剤 の流動性 が増
示す。
直径 と、寸法安定性 の 目開 き量 の 関係 につ い て 図 8に
す為 シルバ リ ングには有利 だが 、寸法安 定性 の指標 で
硬化斉1の 添加量 が 少 ない と粘着斉1に 凝集力 が ない た
あ る 目開 き量が大 き くな る傾 向 にあ る こ とが認 め られ
め 、流 動性 が よ くな るので シルバ リ ン グ は 良 好 にな
1
2
4
0
2
EE︶嘲 和歴 皿
︵
0
2
6
4
0
6
0
8
8
0
0
1
0
倉 ε 即回 卜H
1 0
0
0
30
90
70
分子量 (万 )
図 7 粘着剤分子量とシルバリング及び寸法安定性の関係
―
―
―
―
―
―
―
― ―
― ―
―
―
―
―
―
―
―
―
皿
2
25
歴
2
和
0
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︶酬
6 4
1
E
0 0
05
︵E
8
__日 標 値
01mm以 下
-1 1
0
EE︶即回 卜H
︵
0 0 0 0
2 1 8 6 4 2 0
1
―
3
硬化剤添加量(g/主 剤100g)
図8
硬化剤添加量 とシルバ リング、寸法安定性 の関係
BANDOTECttCALRttPORTNo 1572011
曖
l
◆
上質紙
m
¨
グラシン紙
“
︵E E ︶即 回 区 H
―
0
PP
“
◆
目標値01mm以 下
離型フィルム表面粗さRz(μ m)
図9
離型 フ ィルムの表 面粗 さとシルバ リン グの関係
る。 しか し、硬化斉」
が少ない と粘着剤 に凝集力 がない
ため寸法安定性 は悪 くなる傾向 にある。硬化剤 の添加
量が15重 量部 までは発生するエ アの直径 に違 いは な
いが、添加量がそれより増 えるとエ アの直径が大 きく
なる傾向にある ことが認 め られた。
これよ り硬化剤 の添加量 は寸法安定性 とシルバ リン
グの関係 か ら最適 な15重 量部 で 設計す る こ とに し
た。
しか し粘着剤だけか らのアプ ローチでは発生するエ
アの直径 を0 1mm以 下 にす るの は困難 であ つた。そ
こで粘着剤層 を平滑 にする為、離型 フイルムの検討 を
実施 した。表面Illさ の異なる離型 フイルムと、 シルバ
リングで発生す るエ アの直径 の関係 を図 9に 示 した。
横軸 には離型 フイルムの表面粗 さ、縦軸 には発生 した
エ アの直径 を示 している。表面粗 さの数値 の大 きい上
質紙 はシルバ リングの状態は悪 く、表面粗 さの小 さい
PETの 離型 フイルムではシルバ リングは起 きない とい
う結果にな った。 このことから、今回の開発品 は平滑
性 のあ るPETの 離型 フイルムを用 いて設計 を行 うこと
に した。 また、粘着剤 の厚 みについては、 コス トとシ
ルバ リングの関係 か ら20μ mで 設計す る ことに した。
4平 滑性 の 改良 につ い て
オーバー ラ ミネー トフイルムを印刷物 に貼 り付けた
とき、表面が フラッ トであることが望 ましい。 この特
性 について、従来 はそれほど問題視 されなか つたが、
最近 は重要視 されるようになってきた。 これは、写真
やポ ス ター等 にオーバー ラ ミネー トフ イルム を貼 る
ケースが増えてお り、広告物 に近づいて じつ くりと見
られることが多 くなって きてい るためである。すなわ
ち、ラ ミネー ト後のフイルム表面の平滑性 が、広告物
その ものの 品位 や 高級感 を大 きく左右す ることにな
る。 よって印昴1物 の平滑性 を維持 し、多少 の凹凸があ
る印刷物 の平滑性 を向上 させ るとい う機能が求 められ
てい る。
メデ イアの凹 凸 を緩和 す る性能 は、オ ーバ ー ラ ミ
ネー トフ イルムの柔 らか さと密接 に関係す る。 ラ ミ
ネー ト後 の状態 を模式的 に図10に 示す。
ラ ミネー ト後
ラ ミネー ト前
ルム層
フィ
ラミ
ネート
粘着斉1層
メディア層
粘着剤層
基材層
(al平 滑性 がない場合
フィ
ルムリ
ラミ
詈
ネート
粘着剤層
メディア層
粘着剤層
基材層
lbl平 滑性 がある場合
図10 ラミネー ト時 断面図
BANDO TECHNICAL REPORT No 1612011
係 を図11に 示 した。可塑剤添加量が 多 い と、 フ イルム
が 印刷物 の形状 に添 い やす くなるため、表面平滑性 が
悪 くな る。 一 方 で可塑剤添加量 が少 ない とフ ィルム に
柔 軟性 が な い ので 印昂1物 の 凹 凸 に添 い に くい た め 、
︵
口0一︱呻 こ 型喪 叶
オーバ ー ラ ミフ ィルムの硬 さの指標 として可塑剤 の
添加 量 と、 ラ ミネー ト後 の平滑性 (1悪 → 10良 )の 関
フ ィルム は平滑 な形状 をた もち、表面平 滑性 は良好 に
なる傾 向 にあ るが 、 フ ィルムの割 れや裂 けが お きやす
0
5
10
15
20
25
00
DOP添 加量 (PHR)
くなる。総合 的 に、可塑 剤添加量 は15PHRが 最 適 で あ
図 1l
る こ とが 認 め られた。
DOP添 加量 と平滑性 の関係
(厚
み60μ m)
また、厚 み を増 す ご とに、表面平滑性 の程度 は良 く
なる傾 向 にあ る。 しか し一 方 で 日標 とす るco排 出量
の 目標 を達 成す るため には厚 み を60μ m以 下 にす る必
要が あ つたので 、 フ イル ム層 は60μ mで 設 計 す る こ と
に した。
て ク リアす るこ とがで きた。
開発 品 と他社 品 との比 較 を表 5に 示す。 どの項 目 も
他社 品 と比 較 して優 れ てお り、総合 的 に優位差 の あ る
品質 の オ ーバ ー ラ ミネー トフ ィルム を開発す る こ とが
で きた。
現行 品 と開発 品 のc02排 出量 の比 較 を表 6に 示 す。薄
5結
膜 化 に よ り、従来 品 と比 較 して45%の C02排 出量 を削
減す る こ とが で きた。
果
3、 4項 で シルバ リ ング、表面平滑性 の改 良 を重 点 的
に行 った結 果 、開発 品 にお い て設 定 した 目標 品質 を全
表
項
4
開発 品 の達成水準
目標 品質
開発品
エ アの直径 (mm)
01以 下
0 08
1悪 -10良
9以 上
9
8以 上
9
04以 下
0 33
目
シル バ リ ング
表面平滑性
寸法安定性
1悪 -10良
鮮 明度
クロス カ ッ ト 流 れ方 向 (mm)
表
5
機能の
開発 品 と他社 品 との比 較
開発 品
重要度
従来 品
他社 品A
他社 品B
他社 品C
シ ルバ リ ン グ
◎
◎
△
△
△
×
表面平滑性
〇
◎
△
○
〇
△
寸法安定性
○
○
○
△
×
×
耐
候
◎
○
〇
〇
×
×
コ
ス
○
○
△
〇
△
○
754
504
性
ト
C02排 出量 (g/m2)
〇
表
目
538
6 C02排 出量 の比較
標
従来 品
開発 品
PVCフ イル ム層 (g/m2)
差
0
-32
159
離型 フ イルム層 (g/m2)
378
Z
-304
754
418
-336
合計 (g/m2)
′仕
粘着剤層 (g/m2)
BANDO TECHNICAL REPORT N01引
2011
6.結 論
シルバ リング、平滑性の改良により、品質 性能面
で他社 より大きく優位性のあるフイルムを開発するこ
とがで きた。各層 を薄膜化す ることによって、Co2排
出量 を従来比45%削 減す ることがで きた。環境へ の優
しさの点についても大 きなPRポ イ ン トとなった。
星野 真理子
Manko HOSHINO
2008年
入社
化成品事業部
BANDOTECHNICALREPCIRTNo.15鯰 011
技術資料
BANDO MDECO(MicrO Dust Elect面 c Cleaner:
バ ン ドー静電吸着 ゴ ミ除去装置 )の 開発
Dust removaltechnology,BANDO MDECR (Micro Dust E:ectric Cieaner)
大田 雅史
Masashi OHTA
村川
由佳
Yuka MURAKAヽ VA
Advance in electric deviccs dcmands clcan production condition Conscquently,rnorc cfllcient dust rcmover is re―
quircd at the prOduction sitc
ヽ
Ve have developed a ncw dustrcmovaltcchnology BANDO MDEC・ using clcaning rons with contloned polar―
ity and sulface electric chattc Thc rOns can removc dusts of l
μ m or smancr from any kinds of devicc surface
Dusts adsorbcd by thc rons are immediatcly dislocated and thc suraces of thc r。 1ls arc kept clean,、 vhich achieves
maintcnance― frcc continuous dust reinnoval BANDO MDEC R is effectivc for dusts having strong clcctrostatic adhe―
sivc foⅢ 3e
lt can bc used to rcmovc dusts from surfaccs of printcd circuit boards,rnounting boalds,displays,fllms,
etc
1 1ま
今 日の ハ イテ ク製品 の 進展 には 日覚 しい もの があ
り、高機能であ りなが ら小型化 薄型化 軽量化 され
た製品が次 々と生み出 されてい る。 ハ イテク製品の進
展 を支 える技術 を一 き,で 言 い表す ことは 困難 である
が、微細 パ ターンを形成する印刷技術 や露光技術、高
精度な積層技術やラ ミネー ト技術 の進展が大 きく寄 与
していると言える。
これらの技術 を利用する生産工程では、微細化 高
精細化 に伴 い、従来以上に ゴ ミの混入による品質不良
が発生 しやす くな って きているため、高度な クリーン
環境 が要求 されている。工程へ のゴ ミの持 ち込みを防
止する には、「空気J、 「人J、 「物」 の環境 をクリー ン
にする必要があ り、その方法 として、 クリーンルーム
の設置に よる「空気環境 の クリー ン化」や クリーンベ
ンチや クリーン服の使用1に よる「人的環境 の クリーン
化」 などが挙げられる。 しか し、最終的 には材料 自体
に付 着 した ゴ ミが工程 に持 ち込 まれるの を防止す る
「物的環境 のク リー ン化Jが 、製品の品質をよ りよ く
維持 するために不可欠な条件 とな り、 いかに効率 よ く
高 いlll度 で材料 自体 に付着 した ゴ ミを除去するかが重
要な課題 である。
2物
じ め に
的 環 境 の ク リー ン化
材 料 自体 に付着 した ゴ ミを除去す る方法 と して、湿
式 乾式 を含め さまざまな ゴ ミ除去装置 が1■ 案 されて
い る。乾 式 ゴ ミ除去装 置 の代 表的 な もの と して、製 品
材料 に粘右 ロー ラを接 Fllさ せ るこ とで 、 ゴ ミを剥 し取
る粘着 ロー ラ方式 や圧縮 エ アを製品材料 に吹 き付 け、
舞 い上が った ゴ ミをバ キ ュー ム ノズ ル に よ り回収 す る
エ アバ キ ューム方式 な どが製品化 されて い る。
しか し粘着 ロー ラ方式 は 、粘着力 に よ り除去 した ゴ
ミが ロー ラ上 に蓄積 し性 能 の 低下 が 引 き起 こ され てい
くため 、経 時 的 な性 能 の 変化 が選 け られず 、 ロー ラの
清掃 や粘 着紙 の更新 な ど、頻繁 に装置 の メンテナ ンス
が必 要 となる。 またエ アバ キ ューム方式 は、定期清掃
のみでの使 IHが 可能 で あ るが 、エ アに よ リゴ ミを舞 い
舞 い上 が っ
上 げて除去す るため、ゴ ミの 除去性 が低 く、
へ
た ゴ ミが 除去 されず に、そ の まま製品 再付着 す る と
い う l題 があ る。
F・
以上 の ように、既 存 の ゴ ミ除去 装 置 で は 、「物 的環
境 の ク リー ン化Jに 対 す る要求 には、 卜分応 え られて
い ないのが 現状 で あ る。
そ こで 、今回 われわれは これ までの ゴ ミ除去装置 と
装置 で
は全 く異 な った新方式 (従 来 の ゴ ミを剥 し
'Rる
ゴ
はな くゴ ミが吸 い付 く装置 )に よる ミ除去装置 :
BANDO MDECt(バ
ン ドー
エ ムデ ック 写真
1)の
開発 を行 った。
BANDO TECHNICAL REPORT No.1572011
の トナ ー の帯 電量 を適正 に制御す る こ とので きる現像
ロ ー ラ と い う部 材 の 製 造 を 長 年 手 掛 け て き た。
BANDO MDEC.は
、 この 現 像 ロー ラの 製 造 を通 して
得 られ た技術 を利用 してお り、具体 的 には図 2に 示す
よ うな基材 に付着 した ゴ ミを除去す るための ク リーニ
ング ロー ラを 2連 配置 した構造 を とって い る。 各 々の
ロー ラが 持 つ 表 面 の 極性 を、当 社 の 独 自技 術 で あ る
ロー ラ表面極1■ 制御技術 お よび トナ ー帯 電市1御 技η子を
用 い る こ とで 、そ れぞれ異 な った値 に設定 す る こ とが
で きる。例 えば図 3に 示す よ うに、1次 側 の ク リーニ
ングロー ラを帯電序列 と して プ ラス寄 りに、 2次 側 の
写真
l BANDO MDECJ(バ
3製
品
ン ドーエム デ ック)
概
なる。一方 、1次 ロー ラに吸 着 されない極性 の ゴ ミは 、
逆 に次 の 2次 ロー ラに対 しては高 い吸着性 を示す こ と
要
異 な った種類 の物 質 を接触 させ る と、各 々の物 質 が
持 つ仕事 関数 の違 い に よ り、片 方 はプラス 、 もう一方
はマ イナ ス に帯電 す る。 この現 象 は気体
ク リー ニ ン グ ロー ラ をマ イナ ス寄 りに設 定 す る こ と
で 、1次 ロー ラに対 しマ イナ ス寄 りの帯電性 を示す ゴ
ミは、1次 ロー ラに対 し高 い吸着力 を発揮 す る こ とと
液体
固体
なる。 結果 と して この よ うに 2連 配置 す るこ とで 、全
ての ゴ ミが どち らか の クリー エ ングロー ラに1吸 着 され
るこ ととな り、非常 に優 れた ゴ ミ除去性 を発揮 す る こ
とがで きる よ うになった。
また絶縁 導電性 を問わず異 な った種類 の物 質が接触
す る と発生す る現 象 で あ り、一般 的 に図 1に 示す よ う
2次 ユニ ット
な帯電序列 に従 い帯電す る極性 が 決定 され る。製品 に
付 着 して い る ゴ ミは、 さまざまな帯電極性 を持 ってお
り、その静電 気的 な吸着力 は重 力 の1000倍 以上 に もな
る。 この ゴ ミが持 つ吸着力 を粘着力 な ど他 の力 で 引 き
剥 がす ので は な く、 ゴ ミを除去す る際 の力 に利 用 した
のが BANDO
MDEC`
で あ る。以 下、 BANDO
MDEC`
の 主 な特 徴 に つ い て 17Nべ る 。
``
表面堪僣を調節
マイナスに
帯電しやすい
プラスに
帯電しやすい
ゴミ
1
テ フ ロン
ンリ コン
ヽ
塩 化 ビ ニル
ボ リ エテ レ ン
ポ リウ レタ ン
アク リ ル
ボ リ エステ ル PE T
ポ リプ ロピ レ ン
コム
.
金
一ラ ケ ル
銅
鉄
紙
ア ルミ ニウ ム
ア セテ ー ト
人 の皮 膚
麻
木綿
絹
鉛
ナ イ ロン
ウール
ガラス
人 毛 、毛 度
空気
図
なる)
呻
"署
図
2 BANDO MDECJの
構造
マイナスに
帯電じやすい
プラスに
帯電しやすい
帯電序列
2 次 ロー ラ
ロールす るこ とで高 い ゴ ミ除去性 を実現
‘ 次 ロー ラ
① クリーニングローラの表面極性 を自由にコン ト
一 フ ロン
ン
ヽ
,リ コン
ル
塩 化ビ 一
ポ リ エテ レン
ポ リ ウ レタ ン
アク リ ル
ポ リ エステ ル PE T
ポ リ ブ ロピ レン
ゴム
金
ニツケ ル
徴
銅
鉄
紙
アル ミ 一
ウム
アセ テ ー ト
人 の皮 膚
麻
沐綿
絹
鉛
ナ イ ロン
ウ ール
ガ ラス
人毛 毛皮
空気
4特
製品上 に付着 してい る ゴ ミは、 さまざまな帯電 ljl性
を持 つ ものが混在 してお り、一概 に どち らの極性 に帯
電 して付 着 して い るか を判断す る こ とは 困難 で あ る。
当社 で は 、微粒子 で あ る トナ ー (イ ンク)を 接触 帯
電 させ 、電 気的 な力 に よ り印刷紙 まで搬 送 し、画像 を
得 る電子 写真装置 (レ ーザ ー プ リン タ)に お い て 、 こ
BANI10 TECNCAL REPORT N015/2011
図
3
ク リーニ ン グ ロー ラ と帯 電序 列
この よ う にBANDO
MDEC.は 、 こ れ まで の 表 面 の
粘着力 を利用 して ゴ ミを除去す る粘着 ロー ラ方式や、
エ アによリゴ ミを巻 き上げ集塵するエ アプロー方式 と
は、 ゴ ミを除去する機構が大 きく異なる全 く新規 な優
5性
価
果、図 4に 示す よ うに基板 上 の ゴ ミが 除去 されて い る
ことが判 る。 同様 に他方式 (プ ラ シ設置 エ アバ キュ ー
きく、静電 気的 な ゴ ミの吸着力 は重力 よ りもはるか に
大 きな力 となる。例 えば lμ mの 微細 な ゴ ミが絶縁性
のシー トに静電吸着力 により付着 してい る場合、その
力 は重力 の1000倍 以上 となるため、粘着 ロー ラやエ ア
プロー などで このゴ ミを除去す ることは非常 に困難 と
MDEC=は
評
ク リームハ ンダ印刷 前 の ガ ラスエ ポキ シ基 板 に付着
す る ゴ ミを撮 影 し、搬 送 速 度 10m/minに てBANDO
MDEC● に よる ク リーニ ン グ試験 を実施 した。 そ の 結
れた ゴ ミ除去方式 を採用 してい る。
② l″ m以 下 の微細な ゴ ミまで除去が可能
特 に微細 な ゴ ミや繊維などは表面積/質 量 の比が大
な る 。 しか し、 BANDO
能
ム ク リー ナ ー)で 試験 を行 い 、その比 較 を実施 した。
結 果 、表 1の よ う に、BANDO MDEC'の ゴ ミ除 去 率
が97%、 プラ シ設置 エ アバ キ ューム ク リー ナ ー の ゴ ミ
除去 率 が75%と 、BANDO MDEC■ の ゴ ミ除 去 性 能 が
こ の ゴ ミが 持 つ 静
優 れて い るこ とが判 る。
また、図 5に は、 ゴ ミ回収部 の写真 を示 した。 回収
に
部 ゴ ミが 回収 されて集積 されて い るこ とが判 る。 さ
電吸 着 力 をそ の ま ま逆 に ゴ ミを 除去 す る 際 の 力 と して
利 用 して い るため 、そ の 力 は 非 常 に 強 く、他 の 方 式 で
らに回収 され た ゴ ミを観察 してみ る と、 プ ラス帯 電性
の高 い ガ ラス繊 維類 や マ イナ ス帯 電性 の高 い有機繊維
類 な どが それぞれ違 うユ ニ ッ トに分 離 され回収 されて
は 除去 が 困難 で あ った 微 細 な ゴ ミの 除去 が 可 能 と な っ
た。
③ 独 自の ゴ ミ回収機構 の設置 により、メ ンテナ ンス
フリーで長時間の使用 を実現
お り、1次 、 2次 それぞれ のユ ニ ッ トが持 つ特性 に分
かれて ゴ ミ除去性 能が機能 して い る ことが判 る。
ゴ ミの静電吸着力 を利用す る もう一つの利点 と し
て、 クリーニ ングロー ラにより除去 した ゴ ミを電界に
よ り搬送 で きる とい う点が挙 げ られ る。 1次 2次
各 々の クリーニ ングロー ラは、 ロー ラの極性 に対 して
クリーニング前
クリーニング後
プラス もしくはマ イナス どちらか一方に帯電 した ゴ ミ
のみ を吸 着す るので、吸着 した ゴ ミに適切 な電界 を与
えることで電界搬送が可能 となる。
当社では、先 に述べ た電 子写真装置 にお い て現像
ロー ラの他 に も、残 存 した トナ ー を精 度 よ く掻 き取
り、画質低下を防止するクリーニ ングブレー ドとい う
部材 の製造 も行な って きた。 このク リーニ ングブレー
ドと電界搬送 とを組 み合 わせることで 、 クリーニング
した ゴ ミを電界搬送 させ、クリーニングブ レー ドで掻
き取る ことで所定 の場所 に ゴ ミを回収で きる独 自の ゴ
ミ回収機構 を開発 した。その結果、従来の粘着 ロー ラ
方式 の装置で は頻繁 に行 なって い た粘着紙 の交換 や
ロー ラの溶剤洗浄 といったメンテナンス作業 を行 う必
(写 真 サ イズ
図
要がな く、 ゴ ミ除去性能を長期 にわたって維持する こ
とが可能 となった。
4 BANDO MDECPft用
68mrnX52mm)
前後 の ガラ スエ ポ キ シ基 板
0"mの 微粒 子 を散
よ る ク リー ニ ン グ を実 施 し
また、 ガ ラス板 上 に平均 粒径
布 し、BANDO
MDEC[に
た結 果 を図 6に 示 す。微 粒 子 も高 効 率 で 除 去 で き、
サ ブ ミク ロ ンオ ー ダー の 微 小 な ゴ
BANDO MDEC=が
ミの 除去 に対 して も有用 な手段 であ る こ とが 判 る。
¨
¨
表1 イ
じ社品 との ゴミ除去率 の比較
使用装置
クリーニ ング前 ゴ ミ数 残 ゴ ミ数
99
ブ ラ シ設置 エ ア バ キ ュー ム
ク リー ナ ー
10Э
ゴ ミ増加数
除去率
3
0
97%
17
8
759る
BANDO TECHNICAL REPORT Nol,2011
プラス帯電性 の高いゴミ
回収部 に集積 したゴミ
図5
ゴミ回収部および各ユニ ッ トに回収 された コ ミ
図6
6ま
と
マイナス帯電性の高いゴミ
微 粒子 の除去例
め
表 2
BANDOヽ4DECO
○
〇
○
○
△
○
粘着 ロー ラ方式
△
○
×
×
○
△
エ アバ キ ューム方式
△
△
○
○
○
×
湿式洗浄
◎
×
○
×
×
△
予定 である。
大田 雅史
Masashi OHTA
2008年
R&Dセ
入社
ンター
BANDO TECHNICAL REPORT Nol● 9011
薄 物 シ ー ト 類 に適 応
措 置 コスト
式
湿式
強 い力 を与 えることの出来ない製品や、水 溶媒 など
に弱 く湿式洗浄が使用 で きない製品 に対 して有効 であ
る。 さらには、粘着 テープ等 の消耗品が不要 である こ
とか ら、環境 にや さしい優 れた ゴ ミ除去装置 であ る。
本技術資料 は、 コンバーテ ック2011年 3月 号 に掲載
乾
消耗品
果的で あ ることか ら、プリ ン ト配線板 (生 基板 )、 実
装基板、デイスプレイやフィルムなどの製造工程 の品
質維持 に貢献 で きる。 また切 り出 した薄物 シー トなど
メ ン テ ナ ン ス の頻 度
に、高 いゴ ミ除去率 と高 いメンテナ ンス性 を兼ね備え
てい る。特 に、静電付着力 の強 いゴ ミに対 し、 よ り効
処理速度
微細なゴ ミ の除去性
ロー ラの表面極性 お よび帯電性 を制御す る技術 を用
いて開発 したBANDO MDEC。 は、従来 の方式 とは全 く
異なる ゴ ミ除去機構を採用 してお り、表 2に 示す よう
村川 由佳
Yuka MURAKAWA
2006年
入社
R&Dセ
ン ター
特 許 。実 用 新 案 登 録 一 覧
(200910∼ 20109)
(日
本特許 )
特許番号
願 HH 041947[Hl1/o2′
発 明者
19]
林
丈浩
開 2000240729[2000109′ 05]
登 4383570[2009/1002]
発 明の名称
要約
く名称 〉伝動ベ ル トの厚 さむら検査方法及さ駄 動 ベル ト並びに検査装置
く要約 〉 自動車 エ ンジ ンのベル ト式補機駆動装置に用 い られる vリ ブ ドベ ル ト
において 、ベ ル ト厚 さむらに起囚するベ ル ト走行音 を効率 よ く低減 し
ようとする際に、ベ ル ト厚 さむらを実際の状態 に即 して効 率 よ く検査
で きるようにする。
2軸 のプー リ間にベ ル トを巻 き掛ける とともに、一方 のプー リ上 にお
けるベ ル ト外周面にアイ ドラプー リを一 定 の荷重 で接触 させ、ベ ル ト
の定速走行に伴 うアイ ドラプー リのベ ル ト厚 さ方向 の変動 を
ナ
"1ア
ライザにより周波数分析 し、その分析結果に基づいてベル ト厚 さむ ら
を判定す る。そ して、ベ ル ト走行速度カウ2肺m/sで あ る ときの FFr
アナライザの20∼ 500Hzの 範囲におけ るアイ ドラブー リの変動 レベ ル
の ピー ク値 A〔 dB〕 が 、A-20× 10g10(B■ 10)≦ -48の 式 (Bは 、
アイ ドラプー リの lmmの 変動量当 りの電圧値 〔
V〕 )を 満たす もの を
合格 と判定するようにする。
子 浩 行 睦 章
葉 宏 公 雅
開 2000310295[2000/1lЮ 7]
登 4460673[2010Ю 2/19]
見 本 中 野 野
浅 藤 坂 大 荻
願 HH l19749[Hl1/04/● 7]
く名称 〉伝動 ベ ル ト
、
く要約 〉′
し
線 の接着処理 を改 良す ることによ り伝動 ベ ル トの耐久性 向上 を図
る。
両 lgl― 対 のエ ン ドレスの張力帯 に多数 のプロ ックが ベ ル ト長 さ方向に
所定 ピッチで 日つ所定間隔をあけて係止固定 されてな つている Vベ ル
トにおい て、各張力帯 は、保形 ゴム と、この保形 ゴム に張力帯 の幅方
向に所定 ピツチで且 つ所定間隔 をあけて並 んだ状態で埋設 され且 つ張
、
力帯 の長 さ方向にスパ イラル状 に巻かれた′
し
線 と、保形 ゴム上 面 を被
覆す る上 補強布 と、保形 ゴム 2下 面 を被覆する下補強 布 とに よ りな
、
る。そ して、上記 ′
し
線 の接着処理 に用 い られる RFLの ラテ ックス と
して水素化 ニ トリルゴム またはカルボキシル化水素化 ニ トリル ゴムの
ラテ ックスを用 い、RFL溶 液 の RF樹 脂 の重 量に対するラテ ックスの
重量 の比 を所定 の範囲 とし且 つ RFL溶 液 の 固形分 の濃度 を所定 の範
囲 とする。
登 4460676[2010/02/19]
義 二 考 浩
和 幸 美 丈
開 2000337448[2000/12/05]
遷 精
谷 渡 黒 林
願 HH■ 43607[HH70524]
く名称 〉伝動ベ ル ト及 びその製造方法
く要約 〉短繊維が混入された伝動 ベ ル トにお いて、異音 の発生 を防止す る と共
に、いず れの走行方向に対 して も一定 の耐側圧性及 び耐摩耗性 を保 つ
ようにする。Vリ ブ ドベル トの Vリ ブの側面から突出す るアラ ミド系
短繊維を、 カール状に形成する。アラ ミド系短繊維 の根元部 は、Vリ
ブの側面か ら起立 して いる。 アラ ミド系短繊維 の先端部 は、中間部 の
湾 曲方向 と異 なる方向 に湾 出 して い る。アラ ミ ド系短繊維 の 突 出部
は、多方向にわた って分散す るよ うに、湾曲方向が互 い に異 なってい
る。
BANII10 TECHNICAL REPORT No 1512011
特許番号
登 4460681[201070ν 19]
行 昭 弥
隆 英 淳
開 200132893[200170° 106]
野 原 口
草 川 谷
願 Hl1 204582[Hll′ 07/19]
発 明 の 名称
発 明者
要約
く名称 〉歯付 ベ ル ト伝動 システム
く要約 〉ベ ル ト伝動時 に歯付 ベ ル トにかかる負荷が変動す るときのベ ル ト歯 と
プー リ溝 との相対的な滑 りを防止す るとともにベ ル ト歯 の歯元部 へ の
応力 の集中を防止す る。 ベ ル ト歯が プー リ溝 と噛 み合 っている状態で
ベ ル ト歯両側 の動力伝達部が プー リ溝 のそれぞれ対応する溝側壁部 と
の接触部分 を常 に有 し且 つベル ト歯が プー リ溝 と噛 み 合 い且 つ歯付 ベ
ル ト及 びプー リが静止 した状態で動力伝達部 と溝側壁部 との接触端か
ら歯元部 の方向 に隙間 (バ ックラッシュ)を 有す るようにする。
浩 良
勝
開 2001108021[2001/0420]
本 原
藤 藤
願 Hll‐ 288369[Hll′ 10/08]
く名称 〉伝動 ベル ト及 びその製造方法
く要約 〉圧 縮 ゴム層 と接着 ゴム層 とが加硫接着 されて い る と共 に、上 記接着 ゴ
ム層内にポリエ ステル繊維又 はポリア ミド繊維か らなる心線が接 着 さ
登 4424705[2009/1ν 18]
れて理 設 されてなる動的接着性 にす ぐれる伝動 ベ ル トとその製造方 法
を提供す ることを目的 とする。本発明 によれば、圧縮 ゴム層 と接着 ゴ
ム層 とが加硫接着 されてい ると共に、上記接 着 ゴム層内にポ リエ ステ
ル繊維又はポ リア ミド繊維か らなる心線が接着 されて埋設 されて い る
伝動 ベ ル トにお いて、上記接着 ゴム層 と圧縮 ゴム層がエ チ レンー α―
オレフィ ンージエ ンゴム配合物 の加硫物か らな り、上記心線が クロロ
スルホ ン化ポリエ チ レン又 はアルキル化 クロロスルホ ン化 ポ リエ テ レ
ンを有効成分 とするオーバーコー ト剤 にて接着処理 されて、上記接着
ゴム層内に接着 されて埋設 されてなる伝動 ベ ル トが提供 される。
願 HH 304536[Hl1/10/26]
開 2001122413[2001/05′ 08]
佐 々木公三
く名称 〉湾曲走行 ベ ル トコンベ ア
敷名 徳昭
く要約 〉拘束具 に対す る無端 ベル ト外周部 の装着作業 を押 し当て具合 の調整等
の必要性な しに行 うことがで き、ベ ル ト装着作業 に要す る手数 と時間
登 4Z45076[2010/01722]
を大幅 に低減 で きる湾曲走行 ベ ル トコンベ アを提供する。往路 と復路
の間を循環湾曲走行する無端 ベ ル トの外周側 の 内方へ の移行 を、該 ベ
ル トの往路 と復路 の外周部 に沿 って並列設置 された多数 の拘束具 によ
り阻止する湾曲走行 ベ ル トコンベ アにお いて、拘束具が、上記 ベ ル ト
の外周部 の表面側 に押 し当てられる上 ガ イ ドベ ア リングと、同ベ ル ト
の外周部 の裏面11に 押 し当てられる下 ガイ ドベ ア リングを備 え、これ
ら上 下 ガイ ドベ アリングを付勢部材に より付勢 した状態でベ ル ト外周
部 の表裏両面 の所定部位 に押 し当て、 この押 し当て状態 にお い て、上
下 ガイ ドベ アリング間で上 記ベ ル トの外周部 を喰 い込み拘束する構成
になってい ることを特徴 とする。
願 Hl1 327847[Hll′ 11/18]
藤中
正俊
開 2001139116[20017705′ 22]
登 4414525[2009′ 1127]
く名称 〉ベ ル ト搬送物 の挙動予涸1方 法、及 び挙動予測装置
く要約 〉コンペ アベ ル トにより搬送 される搬送物の挙動 を予測 し、そ の予測結
果 に基づい て、ベ ル トコンベ ア装置 の レイアウ トや使用条件、及び コ
ンベ アベ ル トの仕様等 を事前 に最適 に設 定 で きるようにする。 コンベ
アベ ル ト及 び供給 ベ ル トを仮想 の壁面部材 によって模ltFす る 3次 元 の
解析 モデルを用意す る。供給 ベ ル ト上に球状粒子 (搬 送物 )を 生成配
置す る搬送物 生成手段 と、壁面部材 を移動 させ て、供給 ベ ル ト及 び コ
ンベ アベ ル トの移動状態 を記述す るベ ル ト移動状態記述手段 とを設け
る。前記球状粒子 の初期分布状態や供給 ベ ル ト及 び コンベ アベ ル トの
移動状態等 に基づいて、搬送物挙動記述手段 により、供給 ベ ル トか ら
コンベ アベ ル ト上に落下 し、その後、 コンベ アベ ル トによ り搬送 され
て、排出 シュー トか ら排出 される球状粒子 の挙動 を、個別要素法 によ
り逐次記述す る。
BANDO TECHNICAL REPORT NO.15/2011
特許番号
登 4497491[2010´
史 也
正 卓
開 2001167647[2001Ю 6′ 22]
居 村
武 外
原
頁Hl1 347293[Hll′ 1・ 7707]
発 明 の 名称
発 明者
要約
く名称 〉銀 コロイ ド水溶液、銀 コロイ ド水溶液 の製造方法、導電性被膜及び導
電性被膜 の製造方法
く要約 〉銀含量 を上げて も分散安定性 が良 く、塗布 により導電性被膜 を形成 し
た際 に導電性 に優 れる銀 コロ イ ド水溶液 を提供す る。銀粒子 を含 む固
D″ 23]
形分 の濃度が 1∼ 20wi%の 銀 コロ イ ド水溶液 であ って、上記固形分 の
熱重量分析 による500℃ までの加熱減量が 1ヽ 25wt%で ある ことを特
徴 とする銀 コロ イ ド水溶液。
[
]
登 4395200[200%10′ 23]
博 雄 也
公 一
和
開
井 中 川
藤 田 居
願 Hl1 523728[H10/10726]
く名称 〉皮膚貼付薬 シー ト及 びそのための基材 シー トの製造方法
く要約 〉本発明 は、 ポ リ塩化 ビニルーポ リウ レタン複合体100重 量部 に スチ レ
ンーエ チ レンーブチ レンースチ レン共重合体 2∼ 10重 量部 を配合 した
樹脂組成物 か らなる複合 フイルムの片面 に、接 着剤層 を介 してポ リア
ルキ レンテレフタレー トフィルム を接着 して基材 シー トとな し、 この
基材 シー トのポ リアルキ レンテ レフタレー トフィルムの表面 に飽和 ポ
リエステ ル樹脂か らなるプライマー層 を形成 し、更に、この プライマー
の上に薬剤 を含有す るスチ レンージエ ンースチ レンプロ ック共重合体
か らなる粘着剤層 を積層 してなる皮膚貼付薬 シー トを提供す る。 ま
た、上記基材 シー トの製造方法を提供する。
願 2000110350[2000/04/12]
永谷 修 ―
開 2001295868[2001/10/26]
く名称 〉 1方 向 クラッチ
く要約 〉保持器 に保持 されていて、内外輪が ロ ック方向 に相対 回転 した ときに
登 4431249[2009′ 1225]
該内外輪間に食 い込む一方、内外輪が空転方向に相対 回転 した ときに
食込 み方向 とは逆の方向 に揺動する複数 の 中間部材 をばね部材 により
食込 み方向に押圧するように した一 方向 クラ ッチにお い て、 ばね部材
として コイルばねを用 い る際 に、各 コイルばねの作動方向寸法 を大 き
くしな くて も、全体 としてのばね定数 を高 くする ことがで きるように
する。各ばね部材 を、内外輪 の軸心方向に並 ぶ ように並 ,1に 配置 され
ていて、一端側 におい て保持器に保持 されてい る一方、他端側が中間
部材に弾接する 1対 の コイルばねを有 してなるもの とする。 また、両
コイルばねの一端側同士 は、連結部 により互いに連結 されて い る。 こ
れらコイルばね及 び連結部 は、1本 の線材 か らなってい る。
開 2001336581[2001/12/07]
く名称 〉伝動ベ ル ト用布、そ の突合 わせ ジヨイン ト方法及 び突合 わせ ジ ヨイ ン
ト装置並 びに伝動 ベ ル ト
登 4_24710[2009/12′ 18]
く要約 〉未加硫 ゴム付 きの ゴム引 き布の端部同士 をオーバーロ ックミシンによ
願 2000159878[200005′ 30]
田鳥 義隆
り突合わせ縫合 してジ ョイン トし、Vリ ブ ドベル トの背面布 となる円
筒縫合布 を形成する場合に、そのジョイン ト部 の縫合部分 の突合 わせ
状態を安定 して保持で きるようにする。 ゴム引 き布の端部 同士 の突合
わせ縫 合 の後、その縫合部分を突合わせ状態 に開いて ゴムの加硫温度
未満 の温度に加熱 しなが ら加圧 して、突合わせ部分 を ゴムが縫 い糸に
融着 した状態で接合 し、縫合部分の突合わせ状態 を保持す る。
BANDO TIICHNICAL REPORT No 1512011
特 許番 号
浩 彦
康 貴
崎
迫 岡
願 2000“ 7Blレ 000/06/0』
発 明者
発 明の名称
要約
開 2001-51525[2001702′ 23]
く名称 〉電子写真装置用導電性弾性部材、電子写真装置用 ロー ラ及び、電 子写
真装置用 ベル ト
登 4382257[2009/10702]
く要約 〉製造時に人体に対する悪影響が少 な く、成形性 に優 れ、化学的に安定
で、低硬度な電子写真装置用導電性弾性部材 を提供する。ポ リオール
とジフェニルメタンジイツシアネー トとを用 い たポリウレタンエ ラス
トマーか らなる電子写 真装置用導電性弾性部材 であ って、上記 ポ リ
オールは、平均官能基数が 2よ り大 きく3以 下であ り、上記 ジフェニ
ルメ タンジイツシアネー トは、構造異性体 の混合物 である電子写真装
置用導電性弾性部材。
願 2000195686[2000/0029]
奥野 茂樹
〈名称 〉高負荷伝動用 Vベ ル ト
く要約 〉心線及び保形 ゴム層か らなる張力帯 と、該張力帯 に噛合 して係止す る
ことによリベ ル ト長 さ方向に並んだ複数 のブロックとか ら構成 された
開 200213594[2002/01/18]
登 4594497[2010709/24]
高負荷伝動用 Vベ ル トにお いて、張力帯 の弾性率 を確保 しなが らへ た
りを抑 え、それによって心線の疲労 を防止 して耐久性 を高 め、発 熱や
騒音 も抑える。保形 ゴム層 を、ベ ル ト長 さ方向の貯蔵弾性率 が、温度
100℃ 、静荷重0 29MPa、
動歪 1%、 周波数 10Hz、 引 っ張 リモ ー ドの
条件で、60MPa以 上85MPa以 下 となるよ うにし、かつ 、圧縮率10%、
温度 120℃ の条件で、24時 間後 の圧縮永久歪 を60%以 下にする。
願 2000231008[2000707′ 31]
柳
京太郎
開 200239277[2002/02706]
く名称 〉両面歯付ベ ル ト及 びそれを用 いたベ ル ト伝動装置
く要約 〉はす歯を有する歯付 ベ ル トの量産性 を向上 させ つつ、歯付 ベ ル トを用
い るベ ル ト伝動装置 でのベ ル トの片寄 りを防止する。背面及び底面 に
登 4469068[2010/03/05]
それぞれベ ル ト厚 さ方向か ら見て互 い に逆 向 きに斜めに延 びる多数 の
歯部が突設 された両面歯付 ベ ル トと、このベ ル ト底面 の歯部 9に 噛合
する多数 のプーリ歯部 を有する歯付プー リか らなる駆動及 び従動 プー
リと、ベ ル トの うちの張 り側 スパ ンの背面 に接触 して、ベ ル トの背面
歯部 に噛合す る多数 のプー リ歯 部 を有す る歯付 プー リか らなる背面
プー リとを設け、駆動 プー リと背面プー リとを同期 して回転 させる。
ベ ル トの底面歯部 と駆動及 び従動 プー リの歯部 との噛合 い に伴 いベル
トが片寄 りしよう とするとき、背面 プー リによ リベ ル トに駆動及 び従
動 プー リによる片寄 り力 と逆方向 の片寄 り力 を発生 させて両片寄 り力
を互 い に相殺 させる。
昭 一
喜
英 隆 政
開 200298195[2002704/05]
登 4550985[2010107′ 16]
原 戸 合
川 城 落
願 2000-290898[2000/09′ 25]
〈名称 〉歯付 きベ ル ト及 び歯付 きベ ル ト伝動装置並 びに事務用機器
く要約 〉プ リンタや複写機 の事務用機器等に用 い られる歯付 ベ ル ト伝動装置 の
歯付 ベ ル トの速度むらを可及的に低減 し、事務用機器 の印字精度や画
像品質の向上等 を図る。ベ ル ト歯部 を、歯幅方向中心線 に対 し対称 に
配置 された円弧面か らなる歯元部 と、歯元部 に連続 して歯 幅方向中心
線 に対 し対称 に設け られた凸形状円弧面 か らなる歯側面部 と、両歯側
面部同士を連続 して且 つ歯幅方向中心線 上 に中心点 をもつ 1つ の 円弧
面か らなる歯先部 とで構成 し、この歯先部 がベ ル ト歯部 の先端近傍 に
位置するように して、ベ ル ト歯部が略三角形状 となるようにする。
BANDO TECHNICAL REPORT No.1572011
特 許番号
発明の名称
発 明者
湧川
開 2002108092[2002Ю 4/10]
迫
登 4472146[2010/03/12]
泉
一
浩 央
祐 康
願 2000302505[2000/10/02]
要約
く名称 〉導電性 ロー ラ
く要約 〉導電性 ロー ラ作製時 に、1∝ ∼10100の 導電性領域 にお いて、導電性
ロー ラに一定範囲内の電気抵抗 を持たせる制御 を容易 に行 い、耐電圧
性 に優 れた電子写真装置用 の導電性 ロー ラを提供す る。導電性付与材
として表面官能基 の少 ない カーボ ンブラ ックを用 い て、JIS K興 001990に よる分散度評価で カーボ ンブラックの粒子径が 5∼ 3),mと な
るようにポ リオール中に分散 させ、ポリイ ツシア ネー トと反応硬化 さ
せてポ リウレタンとし、導電性 ロー ラの導電弾性層 を形成する。
資 介
晴 洋
開 2002139923[200ν05/17]
見 井
水 松
願 2000335855[2000/H/02]
く名称 〉電子写真装置用導電性部材
〈要約 〉部材へ の電圧印加 の時間経過 に対す る電流値 の変化 を小 さ くし、部材
の表面電位が安定、かつ トナ ーの離型性 に優 れた部材表面 を有する電
登 4500427[2010/04/23]
子写真装置用導電性部材 の提供。導電性部材の弾性部材層 は導電性微
粒子 と、導電性付与物質少な くとも 1種 と、1価 の金属塩 とを含有す
る。弾性部材層上 に、抵抗調整層 と最外層 とを含む少な くとも 2層 か
ら成る表面層 を設け、最外層が導電性微粒子 を含 まず、かつ最外層 の
体積固有抵抗 を抵抗調整層 の体積固有抵抗層 よ り大 きくし、最外層
は、 フツ素樹脂 を含 む重 合体 で構成す る。
願 2000357585[200011″ 4]
高橋 伸治
く名称 〉ゴムの表面改質方法及び これを用 い てなる ゴム ワイパーブ レー ド
く要約 〉ゴム表面 の摩擦係数 を低減 させることがで きる ゴムの表面改質方法及
開 2002161154[2002′ 06/04]
登 4497495[201004/23]
びこれを用 い てなる ゴム ヮイパー ブ レー ドを提供す る。予 め活性化処
理 を施 した加硫 ゴム を、イツシアネー ト処理液に含浸 し、次 いで 、前
記加硫 ゴムの表面 を硬化 させる ゴムの表面改質方法。
浩 之
雅
開 2002173245[200ν 06′ 21]
橋 尾
〓一村
願 2000375419[2000712′ 11]
登 4433122[2010/01/08]
く名称 〉ベ ル ト駆動装置及び画像形成装置
く要約 〉イエロー、マゼ ンタ、 シアン及 びブラ ックの 各色 の感光 ドラム 5に そ
れぞれ対応する転写 ロー ラと、駆動 ロー ラ及 び蛇行制御 ロー ラとの 間
に転写搬送 ベ ル トをなす平 ベ ル トを巻 き掛 け、ベ ル トの レイア ウ ト
を、ベ ル トが 4つ の転写 ロー ラに接触す るフルカラーモー ドと、プラッ
クの感光 ドラムに対応する転写 ロー ラのみ に接触す るモ ノク ロモ ー ド
との各 レイアウ ト間で切 り換 える画像形成装置 にお い て、ベ ル トレイ
アウ トの変化 により蛇行制御 ロー ラヘ のベ ル ト巻付 き角度が変化 して
も、その ロー ラの可
・
の変位方向を適正 に保 って動 きをスムーズ に
し、 レイアウ トの変化 に伴 うベ ル ト走行位置 の変化 を小 さ くする。ベ
lJ端
ル トレイアウ トの切換 えにより蛇行制御 ロー ラヘ のベ ル ト巻付 き角度
が変化 したときに、その切換え に応 じて蛇行帯1御 ロー ラの可動端側 の
軸受部34を ロー ラの略軸心回 りに揺動 させて ロー ラ可動端 の変位方向
を変化 させる。
願 2000375429[2000/12/11]
開 2002182483[2000/06/26]
登 4555458[2010/07′ 23]
三橋
浩
〈名称 〉ベ ル ト駆動装置及びそれを備えた電子写真装置
く要約 〉複数 の画像形成部 に対 し記録用紙 を搬送す るように走 行駆動 される転
写搬送ベル トを制御 ロー ラの可動端側 に片寄 らせる一方、その可動端
上でベ ル ト側縁部が乗 り上が って 回転駆動 される断面テ ーパ状 の検知
リングの トル クにより可動端 をベ ル ト走行方向前側 に移動 させ ること
でベ ル ト蛇行 を制御す るように した電子写真方式の カラー プ リンタに
お いて、検知 リングにベル ト側縁部が常 に乗 り上がって い るにも拘 わ
らず、該 ベ ル ト側縁部 のベル ト長 さ方向の伸 びを抑 えられるようにす
る。検知 リングの制御 ロー ラ側の端部径 φlを 、制御 ロー ラの外径 φ
O未 満
(φ
lく φO)と する。
BANDO TECHNICAL REPORT No15/2011
特許番号
発 明 の 名称
発明者
1]
松葉
翼
開 21X12-251053[2∞ 2/09/06]
見方
康範
願 211C11-003220[2001/01■
要約
く名称 〉帯電 ロー ラ
く要約 〉表面 に トナ ーや紙粉の付 着 が少な く、感光体表面 か らは離 れ易 く、中
間層か らは剥離 が生 じ難 い帯電 ロー ラの提供。表面 の汚れ付着性が改
登 4514176[¨ 10/05/21]
良 され、鮮明な複写画像 を与 える帯電 ロー ラの提供。導電性弾性層、
次 に表面層 の形成用塗工 液 の溶剤 に可 溶又 は膨・l可 能 で ある樹脂組成
物か らなる中間層、さらに溶斉1可 溶性 フ ツ素系樹脂 をベース とし、少
l・
な くとも導電付与剤 とフッ素系表面改質剤 を含有す る膜厚30麟 m以 上
での マ イクロ硬度力溜D∼ 95度 の樹脂組成物 か らな り、かつ01ヽ 10rlm
厚 の表面層 が回転軸上 に同心 に積層形成 されてなる感光体 に接触 して
使用 される帯電する ロー ラ。
044241[21X11/02700]
開 21X12‐ 241813[2∞
史 也
正 卓
2Cll1 1‐
居 村
武 外
願
2/081● 8]
登 45262∞ [2010706/H]
く名称 〉金属 コロ イ ド液 の製造方法
く要約 〉PHの 変化 や、電解質の存在や、雰囲気温度 の 変化 によって も安定 し
た分散性 を示 し、特 に温度 の変化率が大 きい場合や温度サ イクル を持
つ場合で も高 い分散安定性 を示 し、かつ 、有機物が で きるだけ少な く、
導電性等 の金属微細粒子 の特性 を生かせ る金 属 コロ イ ド液 の製造方法
を提供す る。 タンニ ン酸 を含 む溶液 と、イオ ン化列が水素 より貴 な金
属の無機酸塩 を含む溶液 とを混合 して金属 コロ イ ド液 を製造す る方法
で あ って 、混合時にお いて、前記 タンニ ン酸 を含む溶液及び前記 イオ
ン化列が水素 よ り貴 な金属 の無機酸塩 を含む溶液の B型 粘度計 によ り
計測 した粘度が、 ともに300mPa s以 下 で あ り、かつ 、前記 タンエ ン
酸 を含 む溶液 と、前記 イオ ン化列が水素 より貴 な金属 の無機酸塩 を含
む溶液 との容積比が、1/1∼ 500/1(タ ンニ ン酸 を含む溶液/イ オ ン
化列が水素 より貴な金属 の無機酸塩 を含 む溶液)で ある金属 コロ イ ド
液 の製造方法。
開 200364145[2003/03/05]
浩 一一
康 雄
本
迫 山
願 2001256644[2001/08/27]
登 4447190[2010/01′ 29]
く名称 〉電子写真装置用半導電性弾性部材
く要約 〉加工性 にfI・ れ、耐久性、電気抵抗安定性 に も優れる電子写真装置用半
導電性弾性部材 を提供する。
解決手段】主 としてポリウレタンからなる電子写真装置用半導電性
【
弾性部材であって、前記ポリウレタンは、ポ リオール、平均官能基数
が21-3の イツシアネー ト、及び、下記一般式 (1)で 表 される低
分子化合物を反応させてな り、前記ポリオールと前記低分子化合物 と
の配合比
(重 量比)力 溜ン20∼
95/5で あ り、前記ポリオールの数平均
分子量は、llXXlヽ 21XXlで ある電子写真装置用半導電性弾性部材。
登 4469130[2010/03/05]
慶 一一厚
俊
開 21XM 197898[2004/07/15]
藤 室 田
伊 鹿 染
願 21X12‐ 369842[211112′ 12/● 0]
く名称 〉テンショナ
く要約 〉自動車用エ ンジンに固定 される固定部材 が片持 ち状 に保持する軸部に
回動可能に支持 された回動部材 をテ ンシ ョンプー リが伝動 ベ ル トを押
圧する回動方向に捻 リコイルばねにて常時付勢す るように したオー ト
テンショナにおいて、軸部 の根元部分 に発生する軸方向の 引張応力 を
低減 して小径化による軸部 の破損 を回避で きるように し、 もって、軸
部 の小径化 を伴 う小形化が図れるようにす る。固定部材 の軸部 に411方
向 に延びるボル ト挿通孔 とボ ル ト螺合部 とを設け、ボ ル ト挿通孔 にlt
通 した圧縮ボ ル トのボル ト軸部 を、ボ ル ト座面に着座 したボ ル ト頭部
との 間で軸部 の根元部分 を軸方向 に圧縮するようにボ ル ト螺合部 に螺
合 させる。
BANDO TECHNICAL REPORTN。
.1炒 011
特 許番号
発 明 の 名称
発 明者
尻池
開 20114324794[2004/11′ 18]
橋
之 之
寛 博
願 2003122010[2003/04/25]
登 /448288[2010701″ 9]
要約
く名称 〉摩擦伝動 ベ ル ト
く要約 〉低発音性及 び耐摩耗性 の優 れる摩擦伝動 ベ ル トを提供す る。
摩擦伝動 ベ ル トは、ベ ル ト本体 がプー リに接触するように巻 き掛 け ら
れて動力 を伝達する。ベ ル ト本体 の少な くともプー リ接触部分 は、エ
チ レンー α―オレフィンエ ラス トマー に粉状乃至粒状 のポ リオ レフイ
ン樹脂 を含有 させた ゴム組成物 で形成 されてい る。
之 之
博 寛
池
橘 尻
願 2003122028[2003/04/25]
開 20114324796[200″ 11/18]
登 4414673[2009/11′ 27]
く名称 〉摩擦伝動 ベ ル ト
く要約 〉短繊維が用 い られてい ない にも関 わらず低発音性 が優 れる摩擦伝動 ベ
ル トを提供する。摩擦伝動 ベ ル トは、ベ ル ト本体が プー リに接触する
ように巻 き掛 けられて動力 を伝達す る。ベ ル ト本体 の少 な くともプー
リ接触部分は、エチ レンー α― オ レフインエ ラス トマー を ゴム成分 と
し、JIS K62rD3に 準 じて タイプ Aデ ュロメー タで計測 され る ゴム硬度
が80以 上95未 満 であ り且 つ短繊維 を含有 しないゴム組成物 で形成 され
ている。
登 4424723[2009′
12′ 18]
願 20C14o42537[2004/02′
19]
開 2∞ 5-233061[2005/09/02]
31418[2∞ 9/1225]
登
木子
夫 也 男 也
和 公 俊 卓
開 200532458[2005/02/03]
藤 藤 居 村
西 後 新 外
願 2003192891[2003/07/07]
裕雄
金弦
稔
永谷
修一
“
く名称 〉導電性被膜複合体
く要約 〉耐熱性 に乏 しい基材上にも形成可能 で 、基材 との密着性 に冨 み、安 定
な高い導電性 を示す導電性被膜複合体 を提供する。基材上 に水溶性樹
脂 もしくは親水性樹脂か らなる中間層 を設け、上記 中間層表面 に金属
コロイ ド液 を塗布す ることによって、導電性被膜複合体 を形成する。
く名称 〉ベル ト駆動式 エ ンジン始動装置
く要約 〉寒冷地等 で長時間駐車 したあとで も電動 モ ー タによ リベ ル ト駆動 にて
エ ンジ ンを確実 に始動 で きるように した エ ンジ ン始動装置 を提供す
る。オルタネー タ兼用 モータのプー リ、クラ ンクプ ー リお よびエ ア コ
ンデ ィシ ョナ用 コンプレッサのプー リを無端の リブ付 き補機 ベ ル トに
よ リー連 に接続 し、プー リとプー リ間にオー トテ ンショナを、またプー
リとクラ ンクプー リとの間 にアイ ドルプー リを介設 して補機 ベル トに
張力 を付与 し、さらにオ ル タネー タ兼用 モー タのプ ー リとクラ ン ク
プー リとの間で、補機 ベル トの 内面が上 向 きのベ ル ト部分 をベ ル トカ
バーで覆 っている。
願 2004061181[2004/03′ 04]
開 2005‐ 249092[2005/09′ 15]
登 4414789[2009′
ll″ 7]
官 田 博文
く名称 〉伝動ベ ル ト用 プー リ及びベ ル ト伝動装置
、
く要約 〉伝動 ベ ル トの蛇行 を防止す る。 プー リ本体 を軸部材 にて回転中′
亡
軸周
りに回転 自在 に支持 し、プー リ本体及び軸部材 を伝動 ベ ル トの走行方
向の手前側 に傾 倒角 αで傾倒 した枢軸周 りに揺動 自在 に支持 して、伝
動 ベ ル トの片寄 りを生 じた ときに、プー リ本体 を少な くとも軸荷重 の
方向 にお いて高低差 を生ずるように傾斜 させ、伝動 ベ ル トを元 に戻す
力 を発生 させる。切替手段 によつてベ ル ト走行方向の切 り替わ りに対
応 して枢軸 の傾倒方向を切 り替 える。
BANDO TECttCAL REPCIRT No15/2011
特許番号
文 志
博 真
日 村
官 吉
原
頁2004189424[2004/06′ 28]
開 20069986[2006/01712]
登 4423636[2009′
発 明 の 名称
発明者
要約
く名称 〉ベ ル ト伝動装置
く要約 〉伝動 ベ ル トの蛇行 を防止 しつつ 、クラ ッチ 、変速機構等 を含 むベ ル ト
伝動装置 を実現する。 自動調心 プー リは、プー リ本体 がプー リ軸周 り
に回転 自在 にかつ 、 プー リ本体の回転方向前側 に傾 倒角 αで傾倒 した
12′ 18]
枢軸周 りに揺動 自在に支持 されて構成 され、軸荷重が枢軸 の位置 に対
してずれた ときに、 プー リ本体が少な くとも軸荷重 の方向 にお い て高
低差 を生ずるように傾斜 し、軸荷重が枢軸の位 置 となるよ うに伝動 ベ
ル トを戻す力が発生する。従動11プ ー リは複数のプー リが 回転軸方向
に往復動可能に構成 され、その往復動に よつてベ ル トが巻 き帯卜
けられ
るプー リを切 り換える。
文 志
博 真
開 2006 9987[2006/01′
田 村
宮 吉
願 20114-189436[2004/0028]
12]
く名称 〉伝動 ベル ト用プー リ及 びベ ル ト伝動装置
く要約 〉伝動ベ ル トの蛇行 を防止す ると共 に、ベ ル トの走行位置 を切 り換 え可
能にする。 プー リ本体 をプー リ軸周 りに回転 自在にかつ 、プー リ本体
の 回転方向前側 に傾 倒角 αで傾倒 した枢軸周 りに揺動 自在 に支 持す
登 4414822[2Cll19/1127]
る。軸荷重が枢軸 の位置 に対 してずれた ときに、プー リ本 体 を少 な く
とも軸荷重 の方向にお いて高低差 を生ずるよ うに傾斜 させ、軸荷重が
枢軸 の位置 となるように伝動 ベ ル トを戻す力 を発生 させ る。移動機構
によって、枢軸 を構成する ピンをプー リ軸方向 に往復動 させ、それに
よって伝動 ベ ル トに作用する力 によって、伝動 ベ ル トの走行位置を移
動 させる。
願 20114■ 95457[2004Ю 7/01]
村尾
雅之
〈名称 〉オー トテ ンショナ装 置
く要約 〉磁気粘性流体 MRFの 粘性抵抗 によって減衰力 を得 るよ うに したオ ー
開 200617216[2006/01719]
登 4469232[2010/03705]
トテ ンシ ョナにお い て、磁 気粘性流体 MRFに 磁力 を付与 して ダンピ
ング抵抗 を増大 させるときにベ ル トの緩 み側 における最小張力 の 減少
を抑制 して、初期のベ ル ト張力をあ ま り高 く設定す ることな く、張力
がゼ ロになって しまうことによる不具合 の発生 を防止する。オー トテ
ンショナの ダンバ は、磁気粘性流体 MRFの 粘性抵抗 によ リア ーム の
振動 を制動す るもの とし、 この ダンパ に励磁 によ り磁気粘性流体 MRF
に磁力 を付与す る電磁石34を 設ける。 エ ンジンの 回転変動が所定以上
に大 きな高回転変動状態で (ス テ ップ S2で YES)、 且 つ テ ンシ ョン
プー リが ベ ル トによって押圧 される反押圧方向 (A方 向)へ 移動する
とき
(ス
テ ップ s4で YES)、 ダ ンパの 電磁石の励磁 によ り磁気粘性
流体 MRFに 磁力を付与 し、磁気粘性流体 MRFの 粘性抵抗 を増大 させ
て、減衰力 (ダ ンピング抵抗 )を 増大 させる
男 一
俊 祐
開 200636933[20067702/09]
居 川
新 湧
願 2004219221[2004/0727]
登 4557620[201070730]
(ス
テ ップ s5)。
く名称 〉複合基材及びそれを用 い たプリン ト配線基板の製造方法
く要約 〉水系 の導電性 インクとの密着性 を確保 し、かつ 、基材表面 の疎水性 の
低下 に伴 う諸問題 の発生 を有効 に回避するプリ ン ト配線基板用の複合
基材 と、そ の代表的な利用技術 とを提供す る。本発明 にかかるプ リン
ト配線基板用 の複合基材 は、上記乾燥後 の段階における表面の親水性
が 、配線 の印吊1段 階における表面の親水性 よ りも低下す るよ うに、表
面処理 されてい る。 このため、印吊1時 には水 系 の導電性 インクとの密
着性 が 良好にな り、水系 の導電性 イ ンクの プ リン ト配線基板用の複合
基材 へ の転写性が増加するとともに、基材表面の疎水性 の低下 に伴 う
諸問題 の発生 を有効 に回避する。そ れゆえ、本発明にかかるプリ ン ト
配線基板用 の複合基材 を備 えたプリン ト配線用基板 または電気機器部
品では、配線 の断線等 の電気的 トラブルを生 じに くくなる。
BANDO TECHNICAL REPORT No.15/2011
特 許 番号
発 明者
願 2004310650[2004710/26]
渋谷 知哉
開 2006125426[200605/18]
発 明 の 名称
要約
〈名称 〉伝動ベ ル ト用帆布、 これを用 い た伝動 ベ ル ト、及 び伝動 ベ ル ト用帆布
の製造方法
く要約 〉伝動 ベ ル ト用帆布 の継 ぎ合 わせ部 に関 し、背面 プー リ上で異音や振動
を生ず るこ とな く、また一 定走行後 に も帆布の剥離 を生ず るこ とな
登 4528090[2010Ю αll]
く、同時に帆布 の継 ぎ合 わせ部 にお いてジ ヨイン ト強度が高 く、かつ
継 ぎ合わせ部 で クラックを生 じに くい構造 を有す る帆布 を提供す る。
綿繊維 と熱可塑性合成繊維 との混紡糸 によ り形成 された伝動 ベ ル ト用
帆布 で あ って、複数枚 の 帆布 を長尺 となるように継 ぎ合わ されてな
り、該継 ぎ合 わせ部 において、相隣 る両 帆布 は互 いの熱可塑性合成繊
維が溶着 し、かつ互 いの綿繊維が糸 の形状 を保 ちつつ係 わ り合 ってい
ることを特徴 とする伝動 ベ ル ト用帆布 を使用す る。
願 2004277493[2004709′ 24]
清友 達志
く名称 〉含油樹脂組成物及 び含油樹脂軸受
く要約 〉凝集 した塊状物 とならない潤滑油 潤滑油担体 の混合物 を製造 し、合
成樹脂粉末や補強充填材 との混合工 程 にお い て、分散不良が発 生せ
開 200689625[2006/04/06]
登 4473691[2010/03′ 12]
ず、安定 した品質の含油軸受 を提供す る。潤滑油、潤滑油担体、補強
充填材及 び 自己潤滑性樹脂 を含む含油樹脂組成物 にお いて、 この潤滑
油担体 と して スチ レン/ブ タジエ ン重量比が25/75∼ 35/65、 NIFR(C)
`
[200℃ 、 5聴 ]力 lg/10mlll以 下、25重 量 %ト ルエ ン溶液粘度カツ001111
cPs以 上 の、スチ レン ブ タジエ ン ラジア ルテ レプ ロ ック共重合体
o含 有 し、この潤滑油担体 1容 量
を全含油樹脂組成物 中に10∼ 15容 積 °
に対 し、潤滑油15-2容 量 を含有す る含油樹脂組成物。
喜 仁
裕
開 2006103112[2006カ ン″20]
藤 口
佐 谷
願 2004-291712[2004/10/04]
おいて作画性が良 く、印刷後 のカッテ イング加工やカス トリ作業性 に
54458[201Cの 2ハ 21
登
く名称 〉インクジェットプリン ト用 マーキングシー ト及 びその製造方法
く要約 〉溶剤系顔料 インクを搭載するイ ンクジェ ッ トプリンター による印刷 に
“
優れ るインクジェ ットプリン ト用 マー キングシー トを提供す る。 プ ロ
テ ク トフィルム層、 フイルム層、 ホ ッ トメル ト接着剤層及 びセパ レー
ター層 をこの順に積層 したイ ンクジェッ トプリン ト用 マー キ ングシー
トであって、上記 フイルム層 は、シリカ及 びポリウレタ ン樹脂 を含有
し、厚みが10ヽ ゅ mの もので あ り、上記 シリカは、平均粒子径が 1
“
ヽ15μ mで あ り、上記 フイルム層中のポ リウレタ ン樹脂 の樹脂 固形分
1∞ 質量部 に対 して 1ヽ 100質 量部含有 され、上記ホ ッ トメル ト層 は、
熱軟化温度が60∼ 120℃ の範囲 で あるボ リエス テ ル系 ポ リウレタ ン樹
脂又 はポ リエステル系樹脂 か らな り、厚み力20∼ 10睦 mの ものである
イ ンクジェッ トプリン ト用 マーキングシー ト。
願 2004304080[2004/10′
19]
開 2006116721[20067705′ 11]
登 45H902[2010/05′ 14]
自木
勇人
く名称 〉成形装置および成形方法
〈要約 〉デ イスクゲ ー ト式 の成形装置におい て、茂形型内でデ イス クゲ ー ト部
分 をカッ トで きるようにし、 もって、例 えば、強化繊維が配合 されて
なる樹脂材料 を用 いて歯車 や軸 受 などの成形品を成形する場合に、後
加 工でのゲー トカッ トに起因する製造 コス トの上 昇 を招 くことな く、
精度 の高 い成形品を成形 で きるようにする。ラ ンナに向か って進退移
動可能 なラ ンナ ロ ックピン上 に、ゲ ー トカ ッ トス リー プを該 ラ ンナ
ロ ックピンに対 し相対移動可能に套嵌 し、 このゲー トカッ トス リープ
を前進移動 させて成形型内におけるキャ ビテ イとランナ との 間のデ イ
スクゲー トを遮 断す るようにする。
BANDO TECHNICA1/MPORT No.1572011
特許番号
発 明者
願 2004378856[2004/12′ 28]
梅田
栄
開 2006183800[2006/07/13]
発明の名称
要約
く名称 〉乾式複合ベ ル ト
く要約 〉凹凸部 の摩耗 を抑制 し、かつ凸部 の強度 を確保 して、張力帯の発 熱抑
制効果 を維持 で きる乾式複合ベ ル トを提供する。無端状の張 力帯 と、
登 4573646[2010/08′ 27]
張力帯に長手方向に等 ビッチ間隔で係止 された多数 のプ ロ ックとか ら
な り、プ ロ ックの一主面 の上下方向中央部 に凸部が設け られ、他主面
の上下方向中央部に隣合 うプロックの 凸部 と嵌合す る凹部が設けられ
る。凸部お よび凹部 が樹脂層 のみに形成 されてお り、凸部 を横長 な長
円柱状 とするとともに、凹部を凸部が嵌合で きる横長な長円形状の穴
とした。ベ ル ト屈 曲時 に凹部が 凸部 の直線部 に線接触す るため 、凸部
の摩耗が低減 される。
願 2005019511[2005/01″
7]
村尾
雅之
く名称 〉揺動型減衰装置お よびそれを備 えたベ ル トテンショナ装置
く要約 〉ケーシングの内部空間 に揺動 ビス トンを配置 して該内部空間を揺 動方
開 2006‐ 207671[2006/08′ 10]
登 4403085[2009A1/06]
向 に分割 された 2つ の流体室に区画する一 方、そ れ ら両流体室間を互
い に連通す る連通路 を形成 し、これら流 体室 お よび連通路 に磁 気粘性
流体 を充填 し、連通路内の磁気粘性流体 に磁 界 を印加 して剪断応力 を
変化 させる ことで、揺動 ビス トンの相対揺動 に対す る減衰力 を変化 さ
せるように した揺動型減衰装置にお い て、部品点数 お よびシール箇所
を減 らして、製造 コス トの低減化お よび信頼性 ならびに耐久性の向上
に寄与で きるようにする。揺動 ビス トン とケー シングとの 間の 隙間 の
全ての領域の うち、少な くとも一 部 の 隙間領域 によ り連通路 を構成
し、その揺動 ピス トンとの間に、連通路内 の磁気粘性流体 に磁界 を印
加する磁気回路 を形成するようにす る。
士心 文
真 博
開 2006-242132[2006/09′
村 田
士口 宮
願 2005061388[2005703/04]
14]
登 4414913[2009ハ V27]
く名称 〉エ ンジンの始動装置及びそれに用 い る一方向 クラッチ
く要約 〉クランク軸 をベ ル トなどの無端伝動部材 を介 して駆 動す るように した
エ ンジン始動装置 を、簡単 で安価 な構成 としなが ら、耐久性 の問題 を
招 くことな くエ ンジン運転中の駆動 ロス を低減する。ガイ ドホイール
にケースを軸′
き回 りに回転可能に組 み付け、そ のケース に支持 された
ユー ドルロー ラが揺動可能に支持する揺動 プ レー トの摩擦面 とガイ ド
ホイールの摩擦面 との 間に平ベ ル トを巻 き掛け、ケースの 回転 に伴 う
慣性力により揺動 プレー トを回動 させて、これにより平 ベ ル トの一 方
のスバ ンを押圧 し、初張力を付与するように したベ ル ト式 の一方向ク
ラッチにおいて、その平 ベ ル トの ゴム層 に鉄粉 を混入 し、磁石 により
ガイ ドホイールの摩擦面 か ら離れるように半径方向外方 に付勢す る。
一方向 クラッチのケース をクランクプー リと一体 に構成 して、そ れを
クラ ンク軸上 に配設する。
願 2∞ 5081613[2005/0322]
林
丈浩
開 2006266301[2006′ 10/05]
登 4424747[211119/12/18]
く名称 〉ベ ル ト伝動装置
く要約 〉駆動源 に駆動連結 された駆動プー リと、所 定 以上の負荷 が加 わつた と
きに トル ク伝達 を停止す るように設け られた継 ぎ手を介 して作動機 が
連結 された従動 プー リとの間 に伝動 ベ ル トを巻 き掛け、該伝動 ベ ル ト
を介 して駆動 プー リお よび従動 プー リ間における トル ク伝達 を行 うよ
うにしたベ ル ト伝動装置 において、従動 プー リに対す る摩擦係数 やベ
ル ト張力を不必要に高 くしな くて も、作動機が故障 した ときの継 ぎ手
の トル ク伝達停止作動 を確実化 で きるようにする。伝動 ベ ル トお よび
従動 プー リ間に継 ぎ手の所定値 以上の負荷 に見合 うス リップが生 じた
ときに、該伝動 ベ ル トおよび従動 プー リ間の摩擦係数が上記 ス リップ
の生 じてい ない ときよりも高 くなるように設ける。
BANDOIIECHNICAL REPORT Nol,2011
特許番号
発 明 の 名称
発明者
志 文
真 博
村 田
士自 宮
願 2005121177[2005/04/19]
開 2∞ 6-298547[2006/11/02]
要約
く名称 〉回転機器、
それを用 いたベル ト駆動装置及 び可携性部材 の巻 き取 り装置
ベ
く要約 〉 ル トやテー プ等、長尺 の可撓性部材 の蛇行、片寄 り走行を防止する。
テー プを巻 き掛けて走行 させる ロー ラ本体 を、軸部材 により回転 自在
登 4461052[2010702/19]
に支持す るとともに、それらを円環状保持部材 の内周側 に直径方向 に
延びるように配置 し、この保持部材により軸部材 の両端部 をそれぞれ
保持す る。保持部材 はベ アリングを介 して支持板部材 に回動 自在 に組
み付け、そのベ アリングの 回転中心軸 (枢 軸 )は 、 ロー ラ本体 の 回転
中心軸に沿 って見 て、軸荷重の方向 に対 し該 ロー ラ本体 の 回転方向前
側 に所定角度 α傾倒 させ る。上記回転中心軸 に沿 って見て、 この 回転
中心軸 と枢軸 との交点 を含むようにベ アリングが位置する。
願 2005143023[2005/05′ 16]
開 2∞ 6316980〔 2006/11/● 4]
登 4515959[2010/05′ 21]
高橋
長
く名称 〉伝動用平 ベル ト
く要約 〉ベ ル ト表面 の クラックの発生 を抑 えて、カバーゴム層 の寿命 を延ばす
ように し、 ひいては、ベ ル ト全体 の寿命を向上 させ るように した伝rlj
用平 ベル トを提供する。本発明は、第 一のカバーゴム層 と、該第 一の
カバーゴム層 の反対面に形成 された第二のカバー ゴム層 とを備 えてな
り、駆動 プー リ及び従動プー リの 間 に掛 け回 されて使用 される伝動用
平 ベ ル トであって、前記第一のカバーゴム層及び前記第二のカバーゴ
ム層 は、配合割合の異なる同一種類 の ゴム材料か ら構成 され、接す る
駆動 プー リ及 び従動 プー リの数が少 ない第 一の カバーゴム層 の伸長率
が 、接す る駆動 プー リ及 び従動 プー リの数が 多い 第二の カバーゴム層
の伸長率 よりも高 く構成 されてなる よ うに した。
5/06′
16]
基 聡
智
森
田 奈
古 加
願 2005176797[2∞
開 21XX 34906712CX16712′ 28]
登 4573709[2010/0827]
く名称 〉パ ッシブダンパー
く要約 〉小振動か ら大振動 まで広範囲の振動に対 して減衰 を発揮す るパ ッシブ
ダンパー を提供する。外筒部材 と中実 の軸部材 とを、振 動減衰材及 び
筒状 の 中間部材 を介 して一体に結合 して ダンパー となる。外筒部材、
軸部材及 び中間部材 は相対変位可能 である。外筒部材 は、小振 動 のエ
ネルギを吸収する第 1の 振動減衰材 を介 して中間部材 に接 着 により結
合 され、 この 中間部材は、中 ∼大振動 のエ ネルギを吸収する第 2の 振
動減衰材 を介 して軸部材に接着により結合 されて いる。中間部材 と外
筒部材 との間には切 り替え機構が設 けられて い る。切 り替 え機構は、
外筒部材 か ら突出する 1対 の被係止凸部 と、中間部材 に設け られ被係
止凸部 の 間に位置する係合凸部 とで構成 される。
願 2∞ 5-333290[2∞ 54"17]
松田
尚
開 2∞ 7139062[21X17/06/07]
関口
勇次
く名称 〉伝動ベ ル ト
く要約 〉省 エ ネを図る ことがで きる伝動 ベル トを提供す る。伝動 ベ ル トは、エ
チ レンー α―オレフィンエ ラス トマー組成物で形成 されたエ ン ドレス
登 4497545[2010/04/23]
のベ ル ト本体 と、ベ ル ト本体 にベル ト幅方向 に一定 ピッチの螺旋 を形
、
成するように埋設 された′
し
線 と、を備える。伝動 ベ ル トは、ベ ル ト幅
4 8mm当 た りのベ ル ト曲げ剛性 力Ю 064N cm2以 下で、且 つ 、ベ ル ト
以上である。
本体 のウォー レス ゴム硬度力瘤Э
隆 之
信 秀
開 2007‐ 解6399[2∞ 7/09/27]
登 4395483[211119710/23]
司 藤
赤 加
願 2006-067768[2∞ 6/0343]
く名称 〉新規 な 1, 3, 5-ト リス (ジ アリールア ミノ)ベ ンゼ ン類 とその利用
く要約 〉比較的低 い温度 で 、従 って、熱分解 が 殆 どな しに、又 は実質的 にな し
にて、蒸着 にて アモ ル フ アス 膜 を形 成 す る こ とが で きる新 規 な
1, 3, 5-ト リス (ジ アリールア ミノ)ベ ンゼ ン類 を提供す る。更
に、 このよ うな 1,
3, 5-ト
リス (ジ アリールア ミノ)ベ ンゼ ン類
か らなる正孔注入 及 び/又 は輸送剤 を用 い てなる有機 エ レク トロル ミ
ネッセ ンス素子 を提供する。
BANDO■ ■CINICAL REPORT No.15/2011
特 許番号
発 明 の 名称
発 明者
増山
開 200839897[2008/02″ 1]
谷
登 4594909[2010/09724]
三日
千 太 史
剛 新 育
願 2006210825[2006708102]
要約
く名称 〉粗面 を有するブ レー ド及 びその製造方法、製造装置
く要約 〉摩擦llg擦 及 び先端面 にlE面 を形成 した現像 ブレー ドを提供する。
外周 に成形溝及 び内部 に加熱装置 を備えた成形 ドラム を用 いて、合成
樹脂 を成形用原 料 とす るブ レー ドの素材 を連続成形す る方法 にお い
て、該成形溝 の底面及 び側面に粗面化部分 を形成 した成形 ドラム を用
い ることにより、摩擦摺擦面 と先端面 に粗面部 を有するブ レー ド素材
を製造する方法。
登 4499130[2010/04/23]
浩 行 資 治
貴 晴 定
開 200833248[2008′ Oν 14]
田 瀬 見 村
二一永 水 中
願 2007102797[2007/04/10]
く名称 〉液体現像電子写真装置用 ロー ラー
く要約 〉キャ リアによる体積変化 の抑制 された液体現像電子写真装置用 ロー
ラー を提供す ることにある。液体現像電子写真装置 に用 い られ、軸体
の外周 に基材層が周設 され、該基材層 の表面 に液体現像剤 と接触す る
表面層 が形成 されて い る液体現像電子写真装置用 ロー ラーであって、
パー フロロアルキルブ ロ ックと他 プ ロ ックとを有す るプ ロ ック共重合
体 の一部が反応性官能基に より置換 された構造 を有 してい るフッ素系
樹脂 とベース樹脂 とが反応 されてなる樹脂組成物 により前 記表面層 が
形成 されていることを特徴 とする液体現像電子写真装置用 ロー ラー を
提供す る。
2′
14]
登 /448529[2010/01′ 28]
資 浩 行 治
晴 貴 定
開 200833249[2008Ю
見 田 瀬 村
水 三 水 中
願 2007■ H685[2007704/00]
く名称 〉液体現像電子写真装置用 ロー ラー
く要約 〉キャリアによる体積変化 の抑制 された液体現像電子写真装置用 ロー
ラー を提供する ことにある。軸体 の外周 に弾性体層 が周設 されて いる
電子写真装置用 ロー ラーで あ って、前記弾性体層 は、ポ リエ
ステルポリオール と二官能 イツシアネー トとを反応 させたポ リウレタ
液体現
12・
ンが用 い られて形成 されて いることを特徴 とす る液体現像電子写真装
置用 ロー ラー を提供する。
願 2007200757[2007/08/01]
開 200935373[2009/0″
藤中
正俊
く名称 〉ステールコー ドコンベ ヤベ ル ト
く要約 〉本発 F/1は 、走行抵抗 の うち高 い割合 を占めるキャリア ロー ラの乗 り越
え抵抗 を抑 えることで走行抵抗 を低減 し、省 エ ネ化 を図ることがで き
19]
登 43947H[2009/10/23]
るスチ ール コー ドコンベ ヤベル トを提供す る。ベル ト強力 Kn(N/mm)
とスチ ール コー ドの公 称 コー ド径 か ら求め られる断面積 A(mr)と
を、9o≦ Kn/A≦ 150の 関係 を満たす ように し、下面 カバ ーゴム は損
失係数 )08以 下 の低損失係数 ゴム を用 いて形成 し、下面 カバーゴム に
補強布 を埋設する。
願 20105C14970[21X19′ 10/07]
開
[
松川
浩和
]
登 4565056[2010/08/06]
く名称 〉コルゲー トサ イ ドコ ンベ ヤベ ル ト
く要約 〉共振 を抑制 し、ベ ル トや横桟 の振動 を抑 えることがで きる コルゲ ー ト
サ イ ドコンベ ヤベ ル トを提供する。 コルゲ ー トサイ ドコンベ ヤベ ル ト
は、上方から見 て波形 の断面形状 を有する耳桟 が、ベースベ ル トの搬
送面側 にお いてベ ル ト幅方向 の 両側部 に、所定の クリアラ ンス を と
り、ベ ル ト長 さ方向に沿 って連続 して設 けられている。そ して、両側
の耳桟 のあい だには複数 の板状 の横桟 が設け られてお り、 これ ら横 桟
の設置間隔 は不均 一 な ピッチで構成 されてい る。
BANDO TECHNICAL REPORT No15/2011
新製品紹介
バ ンコランSTS導 電仕様 (導 電仕様 の ウ レタン製歯付伝動ベル ト)の 紹介
(担 当
:伝 動事業部 技術部
歯付伝動 ベ ル ト設計 グループ)
1
開発 の背景・ね らい
ウレタン製歯付伝動 ベ ル ト「バ ンコ ラ ンSTsJの 主 要な需要先 で あるOA機 器 (プ リ ンター、ス キャナ ー等 )等 の
粘密機械 は、昨今、印昴1等 の機能の高速化が進んで い るため、機械 を構成 して い る部品間の摺動 による静電気 の発
生が機械へ の不具合を引 き起 こ させやす くしてお ります。 こ ういった 中、機械 の構成部品 の 1つ である伝動 ベル ト
に も静電気による帯電 の抑制 とい うニ ーズが高 まって きてお ります。当社では、ベ ル トの構成材料 であるポ リウレ
タンに特殊な配合を施す ことで、従来 の ウレタン製歯付伝動 ベ ル ト「バ ンコ ラ ンSTSJに 比べ て、静電 気 による帯
電 を大幅 に抑 えることを可 能に した導電仕様 のウレタン製歯付伝動 ベ ル ト「バ ンコラ ンSTS導 電仕様』 を新 たに開
発 しました。
2特
長
① 特殊配合のポリウレタンを採用することにより、ベルト自体の電気抵抗を大幅に下げ、静電気による帯電を抑え
ます。
(導 電仕様 の電気抵抗
②
③
①
⑤
107、 10ド MΩ
/従 来仕様 の電気抵抗 10m∼
102MΩ )
耐摩耗性に優れたポリウレタンを採用しているため、ゴム落ちが少なくクリーンな設計ができます。
グラス芯線の採用により、環境変化に対して優れた寸法安定性を発揮 します。
REACH規 制
・ の懸念物質となっている可塑剤 (DOP)を 使用していません。
精密機械のニーズとして多い、速度変動が小さい小 ビッチ ハス歯 タイプの製作が可能です。
来EUが 2007年 6月 に施行した新化学物質規制
3バ
ンコラ ンSTS導 電仕様 の 製品 ラインナ ップ
ベ ル トタイプ
ベ ル トビッチ
mm
ベ ル ト表示
│
―
│
│
SF25
│
│
P=1016
丁
562 SF25-4.O UG
丁可
歯数 タイプ ベ ル ト呼 び幅 志線記号
│
│
-3.0 UG
SF36
丁 丁 丁
歯数 タイプ ベ ル ト呼 び幅 芯線記号
BANDO TECヨ ●aCAL REPORT Nol● ,011
ウレタン製歯付伝動ベル ト「バンコランSTS導 電仕様」
4性 能試験結 果
4-1 帯電量測定
(導 電性 )
測定方法
図 -1の ような レイア ウ ト装 置 にて、ベ ル トを10分 間走 行 させ た後 、ベ ル ト走行 を停 止 し、ベ ル ト背 面 お よび
従動 プー リ表面 の静 電気 を電位 測定 器 (非 接 触 )に て測 定 す る。 また、走行 停止 後 、電位 が ゼ ロ に なる まで の
時 間 (放 電完 了時 間)を
Ill載
」
す る。
測 定器
静電電位 測定 器
電位測 定部位
ベル ト :
プー リ
:
ベ ル ト背面
従動 プー リ表面
馬区動 プー リ(POM)従 動 プー リ(POM)
281日
SF25
821日 SF25
ベ ル トサ イズ
567SF25-4 0
駆動 プー リ
28歯 SF25
POM材
従動 プー リ
82歯 SF25
POM材
駆動軸 回転数
2500min l
ベ ル ト張力
14N
走行 時 間
10min
表 -1:測 定条件
図 -1:帯 電量測 定概要
測 定結 果
放電完 了までの時間
帯 電 量 颯1定 結 果
回 ベル ト
ロプーリ
[
≧ 酬肥=
従来仕様
導 電仕様
BANDO TECHNICAL REPORT No15/2011
8 己 距 士 e ︶悩 卜駅 肥 軽
[
10000
9200
従 来仕様
導 電仕様
4-2
ベ ル ト速度変動率測定
測定方法
図 -2の ような レイアウ ト装置 にて、 レーザ ー ドップ ラー によ リベ ル ト背面 にレーザ ー を照射 し、ベ ル トの速
度変動 を測定す る。 レーザ ー ドップラーの速度 ム ラ出力 (W/F出 力 )を FF「 アナライザ ー に入力 し、周波数分
析 を行 う。
測 定器
レーザ ー ドップ ラー (非 接 触速度変動 測定 器 )
FF「 アナ ラ イザ ー
レーザードツプラー
(非 接触速度変動 測定器 )
レーザ ー照射位 置
駆動 プ ー リ入 り側近傍 スバ ン部 の走行 ベ ル ト背面
駆動側
歯付プーリ
従動側
平プーリ
図-2:測 定条件概要
ベ ル トタイプ
ガヽビッチタイプ
イヽビ ッチ
ハ ス歯 タイプ
駆 動 プー リ
プー リ
回転数rpm
数
歯
s2M
2 01Xl
S1 5M
1 500
28
SF25
1 016
40
460
SF36
0706
40
600
SF25ハ ス歯 10°
1032
40
455
SF36ハ ス歯 10°
0716
40
600
459
′t
従来 タイプ
歯 ビッチmm
(ハ ス歯 は軸直 角 )
表 -2:評 価条件一覧
測 定結果
120
ベル トタイプ別 速度変動率
0
0
0
0 0 0 0
4
2
8
6
0
︵
S ︶掛 晨 楓 悩 照
100
9颯
。
K ′ヽ o ∞ L ∽
9輌
。
K ′ ヽ O NL ∽
0 0L の
︸∽
ЮNL∽
53
Σ N∽
000
ベルトタイプ
BANDO TECHNICAL REPORT No.15/2011
新製品紹介
薄膜 ポ リオ レフ ィンフイルムの紹介
(担 当
:化 成品事業部 技術部
製造技術 グル ー プ)
当社 は、 カレンダー成形法 によるポ リ塩化 ビニ ルフイルム (商 品名 「ビニバ ンJ)、 ならびにポ リオレフィンフ イ
ルム (商 品名 「テクリアJ)の 製造販売 を行ってお ります。当社 のフイルムは、化粧 シー トの印刷 ベースや、 ス テ ッ
カー、電気絶縁 テー プ、表面保護 フイルム、救急絆創膏 などの基材 として、幅広 く使用 されてい ます。 と くに、ポ
リオ レフ ィンフイルム は、それ 自体 はいわゆるポ リ袋 や包装用テー プの基材 として一般的 ですが、通常 は押 出成形
法 によって製造 されてお り、製法の違 い もあい まって、当社品 は他にはないユニー クな特長 を備 えてい ます。
1
開発 の背景・ ね らい
様 々な業界 で環境 にやさしい製品へ の要求 が高 まってい る中、プラスチ ックフイルム市場 におい て も、たとえば
合板用化粧 フイルム分野 では、廃棄 を考慮 した製品設計 の広が りに よ り、従来 のポ リ塩 化 ビニ ルフイルムか らポ リ
オレフィンフイルムヘ の転換 が進み ました。 さらに近年 は、地球温暖化対策や資源保護 の観点 か ら、製 品 のライフ
サイクルでの二酸化炭素排出量 の抑制が 要求 されるよ うにな り、カーボ ンフッ トプリ ン ト制度が提唱、導入 され始
めてい ます。
プ ラ スチ ックフイルム にお い て 、 ラ イ フサ イ ク ルで の
二 酸化 炭 素排 出量 を減少 させ る には、厚 さを必 要 最 小 限
まで下 げ るのが効 果 的 です 。 た とえば建 築 内装 用 化 粧 フ
イルムで は、意 匠 を付 与 す るため の 印刷 の 美 しさを左 右
す る表面 の滑 らか さ、下地が 透 け て意 匠 を損 な う こ とを
防 ぐため の 隠蔽性 、長 期 使 用 に耐 え る耐 久性 、基 材 の 形
状 に追 従 す る た め の 適 度 な柔 軟 性 な どが 必 要 に な りま
す。 この よ うな高度 な品 質 要 求 に対 応 す る ため に は、従
来 の 製 造 技 術 で は、 フ イ ル ム の 厚 さは70μ mが 限 界 で し
た。当社 で は この 限界 に挑 戦 し、 カ レ ン ダー 成形 の 製 造
図
2特
1
技 術 を磨 き上 げ る とと もに材 料 設計 を根 本 的 に見 直 す こ
とに よって、厚 さ55/1mの 建築 内装用 化粧 フイル ム を開発
薄膜 ポ リオ レフ ィンフイル ム
しま した。
長
① 通常 は薄膜化 によって損 なわれる隠蔽性 を、従来品
と同等以上に保 つ ことが可能です。
② 薄膜化 は、 フイルムの表面性 と耐候性 とを損 な う傾
向があ りますが、表面性 につい ては、精細 なグラ ビ
ア印刷 におい て画質 を損 なわない滑 らか さ、局部欠
点 の最少化 を実現 しました。 また、サ ンシ ャイ ンウ
エ ザオ メー ター にて2000時 間以上 の耐候性 (有 害 な
クラックと変色が発生 しない)を 有 してい ます。
ポ
リオ レフィンは非極性素材 であ り、本来 は印刷 イ
③
ンクとのな じみが 良 くない ため、通常 は コロナ処理
などの表面処理 を施 して使用 しますが 、当社 フイル
ム は コロナ処理効果 の経時 での減衰 が 少 な く、印刷
BANDO TECHNICAL REPORT NO.1572011
図2
建築内装用化粧 フイルムの事例
印刷済 フイルム と施工例 (ド ア面材 )
適性 が安定 してい ます。
上記特長 によ り、た とえば厚 さ55μ mの 建築内装用化粧 フイルムにお い ては、従来品
(厚
さ7鉾 m)と 比較 して、
単位面積当た りの材料使用量 を20%以 上削減す ることがで きま した。 また、使用原材料 の調整 か ら製品製造、廃棄
処分 までを含めた製品ライフサ イクルにおける二酸化炭素排出量 を約 15∼ 25%程 度削減 してい ます (削 減率 はフイ
ルムの色調によって異なる)。 その一方 で、隠蔽性、 カラーバ リエー シヨン、耐候性、印刷適性 など基本性能 にお い
ては従来品 と同等以上 の ものを確保 してい ます。
3
あとがき
当社 のポ リオ レフ イ ンフイルムは、建築内装分野だけでな く、 ステ ッカー、救急絆創膏、結束 表示 テ ー プなど
の基材 に利用 されてい ます。表 1に その事例 と特長 とを示 しました。当社 の製造方法 の特長 として、基 本的 なポ リ
エチ レン、 ポ リプ ロピレン、熱可塑性 オ レフ ィンエ ラス トマー (TPO)の 組 教合 わせ によつて様 々な物性 の フイル
ム を調製で きる こと、添加剤 の配合設計 によって用途 に応 じた様 々な機能付与が可能 で ある こと、比較的小 ロ ッ ト
か らの生産が可能 である ことがあげられます。
当社 では現在 も継続 してフイルム製品の製造技術向上 に取 り組 んでお り、今後 も時代 のニーズ に合 つた高品位、
高機能 なフイルム製品を提供 して まい ります。
表
品
種
建材化粧材用 フ イル ム
1
テ ク リアの代表 的品種 の特長
お もな樹脂種
ポ リエ チ レン
ポ リプ ロ ピ レン
ス テ ッカ ー 用 フ イル ム
ポ リプ ロ ピ レ ン
救急絆創膏用 フイルム
TPO
結束 表示 テープ用 フイルム ポ リエ チ レン/TPo
特
長
印刷 イ ンク密着性、本質面 との接着性、外観、
隠蔽性、色調 と艶の安定性
UVイ ンク密着性、す法安定性、打抜 き加工性、
色調、隠蔽性、外観、粘着加工適性
柔軟性 (S― S曲 線 )、 応 力緩和、UVイ ン ク密
着性、耐薬品性、粘着加工適性
貼付面へ の追従性、手切れ性、色調、隠蔽性、
粘着加工適性、
BANDO TECNCALREPORT No.15/2t111
BANDO TECHNICAL REPORT No.1512011
TOplCS(20102∼
201010)
0♂
︲
0
2
2月
●神戸 工 場 を足 利 工場 へ 統合
3月
● マ ー ケ テ ィ ン グ部 を
新設
●「バ ン ドー テ クニ カル
レポー トNo 14」 を発行
4月
●本店所 在 地 を変更
●海外事業部 を新設
6月
●2010国 際食品工業展「F00MA JAPAN
2010Jに 出展 (東 京 ビ ッグサ イ ト
)
7月
●「環境報告書2010」 を発行
、
li:i`)
(P46を ご参‖
(1く ださい
)
8月
● モス クワ駐在員事務所 を開設●46を ご参11
ください
)
「第14回 機械要素技術展」 に出展
●
(東 京 ビッグサイ ト
●食品搬送用樹 脂 コ ンベ ヤ ベ ル ト「 ミス
ター ク ック ザ ブル ーJを 新 た に ライ
ンナ ップ。46を ご参 ください
lξ
)
)
10月
●「第13回 関西機械要素技術展Jに 出展
(イ ンテ ックス大阪
J
)
BANDO TECコ いΠCAL REPORT NO.15/2011
TOplCS(20102∼
201010)
2010.71「 環境報告書2010」 を発行
2009年 度 の環境保全活動 へ の取 り組み実績 をまとめ
た「環境報告書2010Jを 発行 しま した。今回 で 第10
回日 となる同報告書 は、環境基本方針、環境負荷低
減へ の取 り組みなどを紹 介 してお ります。
当社ホームベーンにてご覧いただけます。
ップページ (hIP″ www bandO cojp)よ り 際 境l■ 全への収机みJ
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20108 1R曇
寸
)`)」 鮮
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リ
炉勇
僣
│:井 ン
プ
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ッ
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昨 今 の 食品 の 製造 工 程 は、衛生 管理 が 一段 と強 化 さ
れて きてお り、食 品搬 送 にお い て も、食 品 へ の 異 物
混 入防止 な どの ニ ー ズが 高 まって きてお ります。 当
社 で は、 こ う した ニ ー ズ に応 え るべ く、未 包装 食 品
に進んで ください
)
搬 送 用 と して、抗 菌 ll」 カ ビ 耳 ほつ れ 防止 を標 準
装 備 して い る 「バ ン ドー サ ン ラ イ ンベ ル トFシ リー
ズJに 、表 面 カバ ー 色 に ラ イ トブ ルー色 をll用 した
「 ミス ター ク ック ザ ブ ルー」 を新 た に ラ イ ンナ ッ
環境報告書
2010
▼
プに加 え ま した。 ライ トブ ルー色 は、食品 な どの 搬
送物 に、万 一 ベ ル ト表 面 カバ ー材 の 一部 が 混 入 して
しま って も、食品 と区別 しやす く、 また,由 汚 れ な ど
も日立 ちやす い とい う特 長 が あ ります。 当 ベ ル トの
BAゆ 0
特長 を活 か し、和 洋菓 子 、パ ン、食 肉、魚 介類 な ど
の未 包装 食品搬 送 や チ ヨコ レー ト、生 地等 の 粘 着 、
付若性 の強 い物 の搬送 向 け に拡販 を日指 します。
2010.81モ ス クワ駐在員事務所 を開設
2010年 度 よ リス ター トさせ た 中期経 営計 画「DM-2」 にお いて 、
ベ ル ト事 業 に重 点 的 に経営 資 源 を投 入 し、 中長 期 的 に成 長 が期
待 で きる海外市 場 で の事 業拡 大 を基 本戦 略 の 1つ にあ げ て お り
ます。
この 基本 戦略 の推 進 の一 環 と して、今後大 きな成 長 が 見込 まれ
る ロ シアお よびcls地 域 をカバ ーすべ く、 モ ス クワ駐 在 員事 務所
を開設 い た しま した。 同駐 在 員事務 所 で は、同地域 にお け る 自
動 車 用 お よび産業機械 用伝動 ベ ル トな どの 将 来 的 な販売 物 流
拠 点 の 設 置 を見据 え 、市場 調査
顧客情 報 の収 集 な どの マ ー ケ
テ イング活動 を実施 して まい ります。
BANDO TECHRIICAL REPORT No lフ 2011
国内事業所
国内関係会社
本社事業所
神戸市中央区港島南町4丁 目6番 6号
■販売・加エサービス関係会社
〒6500047
北海道バン ドー株式会社 │1班 市豊平区月冬中央通2丁 日2番 22号
〒062つ 020
TEL(011)8512116 FAN(011)85“ 992
TELIJ70304 2923 FAX070304 2983
バンドー福島販売株式会社 福島県いわき市平学愛谷町1!日 6番 地13 〒,7(■ 026
TEL1021022お 96 FAX0216)213767
東京支店
東京都港区芝4丁 目1番 23号 (三 日NNビ ル)〒 10&0014
東日本バン ドー株式会社 東京都1央 区築地2丁 日3番 4け (策 地第一長岡ビル)〒 1010015
TEL095484 911l DⅨ 10054840112
バ ンエ 業用品株式会社 東京都中央区東日本橋2T日 27番 1号
名古屋支店
ング)〒 4500002
名古屋市Ⅲ村区名駅3丁 目25番 3号 (大 橋ビルディ
TEL(03)3511811l FAX(0)35110118
〒10■ 000`
TEL(03)3861'41l FAX(03)386“ 792
浩 洋 産 業 株 式 会 社 東京都台東区柳橋2'日 19番6号 (秀 和柳橋ビル)〒 1110“ 2
TEL(03)3863“ 1l FAN(Ol'386・ 1603
TEL●505823251 FAkω 5o58“ 681
北陸 バ ン ドー株式会社 官山県官山市│〕 屋町3丁 目2番 19号
南海工場
大阪Fl泉 南li男 里5丁 目20番 1号
ムタヮー)〒 53m011
西日本バン ドー株式会社 大阪市淀川区西中島6丁 日1番 1号 (新 大阪プライ
TEL(06)180● 3058 FAX(06)180“
・ 05
ーグルーブファ
ーII戸 )〒 65畑 :3
バンドーエラスト
マー株式会社 神戸市兵庫区 洒3丁 目3番 17■ (バ ンド
ク
ト
リ
"1和 50 n収 ⑩78165お 670
TELω m)652“
九州 バ ン ドー株式会社 福岡市東区多のコ丁口4番 2号 〒81m034
〒5900526
TEL(070482771l Dttl170482 1173
和歌山工場
和歌山県紀の川市桃山11最 上1242番 地5 〒64¨ 111
TEL(0786)660999 FAX(0736)6● 2152
TELl1709423232 nⅨ 10709423389
TEL⑩ 9"6222875F感 00"622880
福丼ベル トエ業株式会社 福井県福丼市下江守町23字 山′
tl薔 地7 〒91&8037
TEL(0776)3● 3100 =囁(0776)3“ ∞8
バ ン ドー精機株式会社 神戸市兵庫区FII和 通?丁 日2番 16■ 〒65“ 883
TEL(0'8)6510512 ,S(078)682“
ーグループフ
ー神戸)〒 65m“ 3
ビーIル オート
テック株式会社 神戸市兵 明和遵 1日 3番 17号 (バ ンド
ァク
ト
リ
l
TEL(078)68226n
i滋(078)682611
"区
バンドー ショルツ株式会社 j・
〒3261832
6号
お1
■製造関係会社
加古川工場
兵庫県加古川1'平 岡町土山字コモ池の内648 〒67m198
足利工場
栃木県足利市荒金
〒
TCL(O16)4512525 FAN(076)4513118 "∞
県加古川市平岡町■lr十 コモ池の
618番 jL
TEL(078'9133933 FAX(078)91■ 640 ∼
TEL10280724121 "1188番
FAX1028072■ 426
〒6730104
“
■その他サービス関係会社
バンドートレーディング株式会社 II戸 市中央区港島市嗅 丁目6袢 6号
TII L(078)3042251
〒65∝ 0017
Fぶ (0,8)3012251
ーグループ,7ク ト
バ ン ドー興産株式会社 神戸市兵庫口l和 通3丁 目3番 lF号 いンド
リ神戸,〒
TII L(078)651 5353 FAN(08)6515,74
“":“
西 兵 庫 開 発 株 式 会 社 兵 只大栗市千種町鷹巣21番 地2 〒6713212
(千 草カン トリークラブ)TEL(0790),“ 333 FAX(0"0)7(湾 310
“
海外関係会社
北米地域
●ando USA nc
Bando Manuiactu‖ ng(Do■ 99uan)Co.Ltd
(Co"o aleo ce)
1149 WestBryn Mawi ta“ a‖ nos60143 u S A
TEし
1600r36600 FAX,6307736912
(Bo″ lo9 Green P ant〉
2‐ 20
PbneerDlve 3owi● g Green Kentuo● 42102 U S A
TEL 1 270 8424110 FAX 1 270 842 6139
欧州地域
Bando 3e■ Manufaclunng(¨ ′
key)│● 。
hsan O・ de Ca0 1000 Sokak Geb2e OЮ an 2o SanwiBo ges,
Oo■ 9Guan
Ci,CuangDon9 PrO nce CHINA
Bando SIx Ltd
Sule No53 151F ower6 Ch na Hon9 Kong civ
30 Canton Roadヽ imshatsui kow o。 ■ HONG KONG
Sanwu Bando■ c
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