平成27年度入学式学長式辞 正門の桜も早くも満開となり、春の暖かさと優しさを感じる今日、ご来賓の皆様方のご臨席を 仰ぎ、また多数のご家族の皆様方のご参列をいただき、平成27年度入学式を挙行し、合計70 7名の新入生を本学に迎えることができましたことは、私どもにとって誠に喜ばしいことです。 ご多用のなかご臨席いただきましたご来賓の方々には厚く御礼申し上げます。 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。本学の教職員を代表して心より歓迎したいと 思います。またご家族の皆様のお喜びもひとしおかと拝察し、心よりお祝い申し上げます。会場 の都合で別室にてご参列いただくことになりましたご家族の方もおられるかと思いますが、何卒 お許しください。 平成27年(2015年)は、東北大震災から四年目を迎え、昨年8月20日、74名の尊い 命を奪った広島市の土石流災害の被災者の方々の苦しみと悲しみを引き継ぎ、被ばく70周年を 迎える年になり、改めて人の命、人間の尊厳を重く受けとめるべき年であります。比治山大学・ 比治山大学短期大学部の建学の精神は、 「悠久不滅の人間の生命の理想に向かって精進する」にあ ります。これは初代学長国信玉三先生が提唱された理念であり、過去と未来を考えて現在をより よく生きることを目指して日々精進することが大切であるという教えでもあります。まさに平成 27年(2015年)は、人の命、人間の生命を改めて深く考え、より良い社会の実現を目指し て修養するという建学の精神が生かされるべき年であると言えます。新入生の皆さんは、そうし た意味ある年に入学されたことを自覚され、真摯にそして誠実に充実した有意義な大学生活を送 っていただきたいと思います。 比治山大学・比治山大学短期大学部はいま大きく変わりつつあります。比治山は変わります。 これまで我が国の大学は、適当に出席し、単位さえとれば誰でも卒業できると揶揄されていまし た。外国からきた留学生が、授業中に多くの日本人学生が居眠りをしている光景に驚いていまし た。大学に何をしに来ているのか、と不思議がったものです。本学はそうした大学であってはい けないとこれまで学生中心の大学づくり、学生中心の授業などの大学改革に取り組んできました が、本学は幸いにも昨年文部科学省の競争的補助事業「大学教育再生加速プログラム」 (テーマ1・ アクティブ・ラーニングとテーマ2・学修成果の可視化の複合型)事業に採択されました。採択 率は国公私立大学全体で20%でしたので厳しい選定過程を経て採択されたものです。これによ り五年間で本学の教育の質が抜本的に変革され、世界に通用する質の高い教育の展開を求める大 学改革が加速されることになります。大学が変わることにより、学生の学びが変わり、本当に大 学で力をつけた卒業生として社会に巣立っていけるようになります。比治山を選んでよかったと 言っていただけるようになります。 比治山で学ぶことで、自立、想像(イマジネーション) 、共生、そして創造(クリエティビティ) という4つの中核的な資質・能力の獲得を目指します。そしてそれぞれの内実を担保する3つず つ、計12の基本的スキルの育成・獲得を目指します。これが全国のモデルとなるべき「4×3 の比治山型アクティブ・ラーニング」です。新入生の皆さんはこの後の学科オリエンテーション やガイダンスでこの比治山型アクティブ・ラーニングの詳細を聴いてみてください。皆さんはも 1 はや講義のお客さんではありません。皆さんは積極的な授業の参加者であり、授業を構成する主 要なプレイヤーです。比治山は皆さんの力が目に見えてついていくことを約束します。どんな力 がどこまで身についているかを確かめながら、学んでいただきます。 こうした学びを通じて皆さんの夢と志は必ず実現します。夢が漠然としている人は自分が社会 でどのような生き方をしたいのかを考えていただき、一日も早く、目標を定めていただきたいと 思います。 ユネスコの学びの意味の定義を借用すれば、学びには四つの意味と目的があるそうです。 学ぶとは、 「知るため」であり、 「なにかを為すため」であり、 「自らの人生を自分らしく生きるた め」であり、そして「共に生きるため」であると言っています。学ばなければ,無知となり、無 為無能となり、自己アイデンティティや自尊心さえも喪失することになります。結果紛争や争い が絶えない世界となります。皆さんも生涯にわたって学び意味を自覚し、有為有能な人となるべ く精進してください。 グローバル化の中で日本の企業等も変わりました。大学でどんなことを体験し、何をどう学ん だか、そしてそれが企業にとってどのように貢献できるのかを問うようになりました。勉強はも ちろんですが、図書館やラーニングコモンズなどを活用して積極的・主体的に学んでください。 クラブやサークル活動に熱意をもって取り組んでください。学内や地域でのボランティア活動や 海外での国際ボランティア活動に積極的に挑戦してください。インターンシップも重要です。海 外への英語・文化研修旅行や海外留学に積極的に参加してください。学内では留学生と交流して ください。1日24時間しかありません。2年間あるいは4年間をどのように過ごすかは皆さん の責任です。自分で自分を甘やかしたり、誤魔化したりするようなご都合主義の大学生活だけは 送らないでくさい。自分を信じて、自分を大切にして頑張ってください。 最後になりましたが、ご多用のなか、ご参列いただきましたご家族の皆様には本学の教育に格 別の理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、式辞とします。 平成27年(2015年)4月2日 比治山大学・比治山大学短期大学部 学長 二宮 皓 2
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