国際協力機構(JICA) とNGOとの連携 -ボリビアの農業農村 開発を素材として独立行政法人国際協力機構 農村開発部管理チーム 伊藤圭介 自己紹介 1996年3月:北海道大学農業経済学科卒 1996年4月:JICA東京国際研修センター 1998年4月:JICA総務部安全管理課 1999年9月:JICAボリビア事務所 (農業・農村開発担当) • 2002年12月:海外長期研修(ボリビア) • 2004年6月:JICA農村開発部 • • • • 「ボリビアの農業・農村開発と NGOの役割」 1.ボリビア国農業・農村開発の ターニングポイント 2.農業技術開発・普及のトレンド 3.NGOの役割と能力 4.JICAのプロジェクト事例(DISAPA) 5.NGOとの連携に向けて 発表内容 イントロ:国際協力機構とは? 本日のテーマ:「ボリビアの農業・農村 開発とNGOの役割」 補足:国際協力機構と国内NGOとの連携 (草の根技術協力事業の紹介) イントロ:国際協力機構とは <国際協力機構の概要> • →別添1のパワーポイント参照 • その前に・・・ ボリビアとは??? 1 Bolivia PANDO BENI LA PAZ COCHABAMBA SANTA CRUZ ORURO CHUQUISACA POTOSI TARIJA ボリビア国の特徴 • 国土面積:109万km2 →高地高原、渓谷、湿潤熱帯、チャコ • 人口:9百万人 →多民族、先住民 • 一人当たりGNI:960US$ →不平等な所得分配 • 産業構造における農業比率:15.6% →モノカルチャー Bolivia I Altiplano II Valles PANDO III Trópico Húmedo IV Chaco BENI III LA PAZ I COCHABAMBA ORURO SANTA CRUZ II CHUQUISACA IV POTOSI TARIJA ターニングポイント:1952年〜 <ボリビア革命、農地改革> • 写真をご覧ください・・・。 • 農業開発:国家主導型開発の開始 →農牧技術開発に関する国家支援、汎米農業 サービス機構(SAI) • 農地改革+東部開発:封建的な土地所有制 度の見直し、国土の有効活用 →土地再配分、内国移住 持続可能な開発にとって大きな課題 2 ターニングポイント:1982年〜 <民主化、新経済政策(NPE)> 国家の能力は 向上したか? • 緊縮財政、行政改革 →SAFCO法(1990) →制度改革プログラム 開発アクターの 多様化 • 地方分権化の促進 →大衆参加(1994) →地方分権化(1995) 農村部住民の 意識変化 新たな問題 新たなニーズ • 国家農地改革法(1996) 農牧技術開発・普及のトレンド 1980年代〜 • 貧困削減のための農業開発、生産性の向上 • 構造調整による国家の役割減少、ガバナン スの低下、開発アクターの多様化 →1980年代 NGOの増加 →1990年代 県の役割増加(能力不足) →1997年 農牧研究公社(IBTA)の閉鎖 →2000年〜農牧技術支援システム(SIBTA) NGOの増殖 NGOの増殖 1 Proliferación de las ONGs (Evolución de las ONGs en Bolivia) Rango de Años Nacional Extranje ra Análisis desde el punto de vista de la característica general de las ONGs Total 1931 1 0 1 1941-1950 1 2 3 1951-1960 1 2 3 1961-1970 10 6 16 1971-1980 28 11 39 1981-1989 145 36 181 1990-1999 391 86 477 2000-Sep.2003 584 76 660 農牧技術開発・普及のトレンド 〜1980年代 • 農業セクターの軽視 • 東部重視、伝統的農業の軽視 • 国家・中央レベルでの研究 →1940年代初期〜 Plan Bohan、汎米農業 サービス機構を通じた技術開発 →1975年〜 農牧研究公社(IBTA)、熱帯農 業研究センター(CIAT)の設立 NGOの役割と能力 ーNGOを取り巻く環境の変化ー 〜1980年代:政治的、宗教的な組織 • 開発・貧困問題の政治化、人権保護 1980年代〜:ドラスティックな環境の変化 • 1982年 民主化→存在意義 • 1983年 旱魃→農民ニーズへの対応力 • 1985年 小さな政府→開発における役割増 • 1980年代 国際協力資金の増加→役割増 NGOの役割と能力 -事例• 農業農村開発におけるNGOの役割増加 (例) 地方自治体、社会投資基金、 CIATのIU(中間 ユーザ)モデル、 農牧技術支援システム(SIBTA) • 農業開発におけるNGOの経験、能力不足 (例)SIBTAへの参加状況、ラテンアメリカの他NGOと の比較 Mayor relación y coordinación con el Estado (Número de convenios con instancias nacionales, dptales y municipales según origen de las ONGs) Ámbito del Convenio ONG Extranjera ONG Nacionales Tot al 95 199 294 Ámbito Departamental 39 134 173 Ámbito Municipal 57 408 465 Ámbito Nacional NGOの能力開発 3 NGOの能力 El Salvado r Temas-/Países Nicara gua Ecuad or Perú Bolivia a Bolivi Regio nal 7.6 1. Metodologías para incrementar el impacto 6.0 7 9 8.8 8.5 2. Bú Búsqueda de fondos fondos 2. Búsqueda de 3. Investigación y 3. Investigació Investigación y sistematización sistematizació sistematización 4.6 5 8 9.6 6.0 7.1 6.5 6 7 8.4 10.0 6.8 4. Planificació Planificación, 4. Planificación, monitoreo y evaluación monitoreo y evaluació evaluación 5. Acceso y difusión de información 6.1 4 9 8.0 10.0 6.2 4.8 3 8 7.4 6.0 6.1 6. Capacitación Capacitació Capacitación y formació formación especializada formación 5.7 5 7 8.8 10.0 6.0 7. Identidad y rol de las ONGs 3.9 7 9.6 6.0 5.9 8. Diseño de proyectos 4.8 4 7 8.8 7.5 5.8 9. Acceso a medios de comunicación 3.3 1 7 6.6 4.0 5.0 10. Desarrollo de redes 3.7 2 5 7.8 5.0 5.0 NGOの役割と能力 NGOの役割と能力 -まとめまとめ• NGOは1980年代から農業技術の開発・普 及という農村社会のニーズに取り組み始め、 国家の能力不足を補完する重要な役割を担 うなど、農村社会でのプレゼンスは非常に大 きく、現在では農業農村開発、貧困削減に必 要不可欠なアクターである。 • 他方、その重要な役割にも拘らず、投資資金 を効果的且つ効率的に活用するための能力 が不足している。組織能力の強化が必要。 NGOの役割と能力 -まとめ• NGOも含めた多様な開発アクターの能力(現 在と将来性)を吟味し、鍵となるアクターの組 織能力を中長期的な視点で強化すること =制度的な支援に偏らないこと! =農業開発は中長期的な視点で! NGOの役割と能力 -NGO能力開発の現状• NGOの能力開発を妨げる3つの要因 →人的資本への組織的な投資 →労働力の流動性 →情報、知識の共有・蓄積(KM) • サンタクルス県内農業農村開発分野のNGO を対象として現地調査実施 NGOの役割と能力 -まとめ• NGOは人的資本への投資が低く、且つ労働 力の流動性が高いため、組織内の人材育成 が困難な状況にある。 • NGOの人材育成、組織強化は国際協力の 方針と密接に関連しており、ドナーが開発ア クターとしてのNGOをどう認識するかが鍵。 JICAのプロジェクト事例 • 小規模農家向け優良稲種子普及計 画(DISAPA)の事例 →別添2のパワーポイント参照 パートナーシップが鍵 4 補足:国際協力機構と 国内NGOとの連携 <草の根技術協力事業の紹介> →別添3のパワーポイント参照 ご清聴ありがとうございます。 5
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