平成18年7月5日の突風について 高知県(香美市、高知市)現地調査報告書 (注)この資料は速報として取り急ぎまとめたものであり、後日内容の一部訂正や追加をすることが あります。 平成18年 7月19日 高 知 地 方 気 象 台 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 1 概要 7 月 5 日 04 時頃、高知市朝倉地区と鴨田地区で突風による被害が発生した。被害は住家 や非住家の一部損壊が主であった。朝倉地区の被害発生場所は水田や空地が広がり住家も 点在していたが、被害は軽微であった。朝倉地区から北東に約 300m離れた鴨田地区は住 宅密集地であり被害の多くが集中した。 また、7 月 5 日 04 時半頃、香美市土佐山田町大平地区でも突風による被害が発生した。 被害は、住家や農業用施設等に及んでおり、高台の森林総合センターでは、研究棟の屋根 に大きな被害を受け、敷地内に駐車していた普通乗用車が約 10m 離れた山の斜面まで飛ば された。 高知地方気象台では、それぞれの被害の現状把握と原因となった現象を特定することを 目的として、5 日 11 時過ぎから香美市、6 日 10 時過ぎから高知市で、それぞれ現地調査を 実施した。 調査の結果、香美市の突風は風の分布や被害の状況等から竜巻と判断し、高知市の突風 は竜巻の可能性は高いものの竜巻と特定することはできなかった。 2 気象の状況 梅雨前線は西日本から中国大陸にかけて延びて停滞しており、前線上の黄海で低気圧が 発生し 4 日 21 時には朝鮮半島に進み、5 日 09 時には山陰沿岸に進んだ。 高知県には、南から暖かく湿った空気が流れ込み、上空には西から乾燥した冷たい空気 が流れ込んだため、大気の状態が非常に不安定となった。このため、5 日明け方から急速 に積乱雲が発生・発達し、香美市繁藤では、04 時 30 分までの 1 時間に 7 月としては観測 史上第 1 位(1976 年のアメダス統計開始以降)となる 89 ㎜の猛烈な雨を観測した。レー ダー観測では、猛烈な雨を降らせた積乱雲は高知市付近から香美市に向かって進んでおり、 高知地方気象台では 03 時 58 分に 21.6m/s(東南東)の最大瞬間風速を観測し、03 時 59 分 ~04 時 20 分には気象台から西方向 5~10 ㎞で、04 時 40 分~04 時 50 分には気象台から北 東方向 10~20 ㎞でそれぞれ雷を観測した。非常に発達した積乱雲下の突風により、高知市 や香美市では被害が発生した。 1 平成 18 年 7 月 19 日 7 月 5 日 03 時(日本時間) 高知地方気象台 7 月 5 日 04 時(日本時間) 付図 1 地上天気図と気象衛星赤外画像 被害発生地域(香美市) 被害発生地域(高知市) 7 月 5 日 04 時 00 分(日本時間) 7 月 5 日 04 時 30 分(日本時間) 付図 2 レ-ダ-画像 2 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 10m/s 2m/s 1m/s 付図 3 被害発生地域周辺のアメダス地点における風向・風速時系列グラフ 被害発生地域 被害発生地域 付図 4 被害発生地域とアメダス地点の位置関係 「気象庁ホームページより」 3 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 10m/s 2m/s 1m/s 付図 5 アメダス地点における日最大風速(7 月 5 日) 4 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 3 現地調査結果 3.1 香美市土佐山田町大平地区被害発生状況 (1)被害発生地域地図 【香美市土佐山田町大平地区】 ● ● ● ● ● ● ● 森林総合センター 風向・風速計(森林総合セン ター設置) 5 日 04 時 26 分、 最大瞬間風速 43.3m/s(東の 風)を観測 ●:住家・非住家被害の発生した地点 :草や木が倒れたり、物が飛んだ方向 :トタン屋根(長さ 6m)が飛んだ距離 :ビニールハウス被害が発生した地域 5 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 (2)写真撮影場所 【香美市土佐山田町大平地区】 ●● ⑧⑧ ●● ●● ● ⑤ ⑤ ①① ⑥⑥ ● ③③④④ ● ● ②② 森林総合センター 森林総合センター ●● ⑦⑦ ● ● ●● 風向・風速計 風速計 ●:住家・非住家被害の発生した地点 :撮影方向 6 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 (3)被害状況写真 【香美市の被害写真】 写真① 波板を飛ばされた小屋 写真② 森林総合センターの研究棟 森林総合センターから南西方向の 最も被害の大きかった建物。長さ 6m 程の 斜面下の小屋の屋根が北東方向に トタン板が北東方向へ約 300m 飛ばされて 飛ばされていた。 いた。手前に見える風向・風速計は、運用 されておらず、文中に表現されている風 向・風速計とは異なる。 写真③ 飛ばされた車 写真④ 被災地域遠景 森林総合センターの敷地内に駐車して 森林総合センターから北東方向を見る。 いた普通自動車が北側の斜面まで飛ば 住家の屋根やビニールハウスへの被害が されていた。 確認できる。赤い丸印が被害を受けてい る所(屋根瓦が飛散したため白いシート で覆っている。また、ビニールハウスが 破損しているのが確認できる)。 7 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 写真⑤ 折れた樹木 写真⑥ 塀が倒壊した住家 他にも数カ所で、このような光景が見 石垣の上のブロック塀が住居の方向に倒 られた。 れ、屋根瓦の飛散や窓ガラスの破損が見ら れた(写真の赤枠は、ブロック塀の高さと 長さを表す) 。 写真⑦ 倒壊したビニールハウス 写真⑧ 車庫が損壊した住家 このような光景は、他でも多く見られ この住宅は、森林総合センターから北東 た。 方向へ約 800m 離れていた。屋根瓦の飛散 や庭の樹木が折れていた。この家の直ぐ 東側には、物部川が流れており、被害は、 この家まで確認できた。 8 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 3.2 香美市土佐山田町大平地区聞き取り調査結果 調査実施日:7月5日(水) 調 査 地 域:高知県香美市土佐山田町大平地区 調 査 職 員:高知地方気象台防災業務課 防災業務課長、調査官 高知地方気象台技術課 技術専門官 調 査 概 要: 香美市土佐山田町大平地区で発生した突風による被害は、幅約 200m、長さ約 800m に及 んでいた。本調査では、気象と災害との状況を把握するため、被害現場の撮影と災害時の 気象状況等についての聞き取り調査を実施した。 ① A さん(住家被害の大きかった 70 歳代の女性) 突風の時刻は寝ていたのでわからない。瞬間大きな音がした。 「ゴー」という感じで地 震か雷かと思った。起きてみるとガラス戸が割れ、屋根の瓦が飛んでおり、ブロック塀 が壊れていた。 ② B さん(倉庫の屋根が飛ばされた 50 歳代の男性) 時刻は 4 時半くらいであった。突風は一瞬であった。台風の時でもこんなにひどくな い。倉庫の屋根が飛ばされた。森林総合センターの方から風が吹き抜けている。森林総 合センターの屋根のトタンがここまで飛ばされている。 ③ C さん(60 歳代の男性) 家には被害がないが、ビニールハウスに被害がでた。突風の時刻はわからない。 ④ D さん(50 歳代の男性) 突風の時刻は、4 時過ぎだった。台風より強かった。強かったのは 1~2 分で、地震の ように家が揺れた。暗かったので外の様子はわからない。 ⑤ E さん(森林総合センター近くの家、40 歳代の男性) 時刻は 3 時半から 4 時の間。突風の「ゴー」という音がしばらく続いた。1 分も続か なかった。通り過ぎるとぴたっと止んだ。屋根の瓦やビニールハウスに被害が出た。上 から押したような風であった。竜巻か地震のようだった。 ⑥ F さん(50 歳代の男性) いつ頃かわからないが、 「ゴー、ドン」という感じであった。1 分くらいであった。川 の向こうに抜けた。表にあったものが裏に飛ばされていた。 ⑦ G さん(50 歳代の女性) 怖かった。人から聞いた話では、 「自転車がくるくる廻り、犬小屋が道路に飛んだ」と のことだった。送電線の電力線がショートし、四国電力が復旧作業をしている。 ⑧ H さん(森林総合センター職員) 後日電話での聞き取り調査によると、森林総合センターの建物は、警備会社に防犯等 の警備を委託しており、被害当日は 04 時 26 分に研究棟(森林総合センターで最も被害 の大きかった建物、被害写真②)の異常を知らせる警報が警備会社へ届いたとのことで あった。 9 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 3.3 高知市朝倉地区・鴨田地区被害発生状況 (1)被害発生地域地図 【高知市朝倉地区・鴨田地区】 高知地方気象台 鴨田地区 朝倉地区 : 被害が発生した地域を示す *高知地方気象台の観測施設(露場)は、高知地方気象台(地図上)から北東に約 2 ㎞ 離れた高知市比島町にあります。高知の観測値は、比島町で観測した値となります。 10 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 (2)家屋破損物の飛散方向分布図 【高知市朝倉地区・鴨田地区】 (3)写真撮影場所 【高知市朝倉地区・鴨田地区】 :物が飛んだ方向を示す ④ ⑤ ③ ② ① ⑥ :撮影方向 ○数字は被害写真番号 11 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 (4)被害状況写真 【高知市の被害写真】 写真① 屋根に被害を受けた住家 写真② 屋根が全て飛散したカーポート 南方向からの突風により瓦が飛ばされてい 赤丸で囲っている部分に被害が見られた。 る(青いビニールシート) 。 (鴨田地区) 飛散した瓦が北東側の住家を直撃し、窓ガ ラスが破損した。(鴨田地区) 写真③ 屋根の波板が飛散している車庫 写真④ 突風で移動したゴミ収集箱 このような光景が数多く見られた。 赤丸で囲っている鉄製ごみ収集箱(数百キ (鴨田地区) ロ)が北側(前方→方向へ)へ約 5m 移動し た。(鴨田地区) 12 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 写真⑤ ベランダが剥ぎ取られた住家 写真⑥ 一階屋根の上に鉄製ベランダがあったが、 スストア 突風にあおられ、右隣(東側)屋根にもた 店の南西側の屋根(シート部分)が突風に れかかる。また、屋根瓦も数多く飛散して よって被害を受けている。 おり、調査した中では、最も被害が大きか (朝倉地区) った。 は、ベランダの設置場所を表す。 →はベランダが動いた方向。 (鴨田地区) 13 屋根に被害を受けたコンビニエン 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 3.4 高知市朝倉地区・鴨田地区聞き取り調査結果 調査実施日:7 月 6 日(木) 調 査 地 域:高知県高知市朝倉地区、鴨田地区 調 査 職 員:高知地方気象台技術課 技術課長、気象情報官 高知地方気象台防災業務課 防災指導係長 調 査 概 要: 高知市朝倉地区で発生した突風による被害は、ごく狭い幅で長さ約 500mのほぼ直線状 に被害が点在しており、鴨田地区の被害は、幅約 40~50m、長さ約 300m に被害が集中して いた。本調査では、気象と災害との状況を把握するため、被害現場の写真撮影と災害時の 気象状況等についての聞き取り調査を実施した。 ① A さん(60 歳代男性) 屋根瓦が飛散し、その一部が北及び北東方向の住宅を直撃しガラスが破損した。こ れまで経験した中で最も強い風で、台風よりも強かった。 ② B さん 家が上に浮く感じだった。カーポートの屋根や二階物干し場の屋根が北方向へ飛ば された。 ③ C さん(50 歳代男性) 6 月 12 日の大分県西部地震より家屋が揺れた。二階屋根西側雨樋が東側へ飛散し、 南側駐車場屋根の波板も飛散した。 ④ D さん マンション北側駐車場(カーポート)北側部分が東方向へ飛散し、一部が電線に引 っ掛かる。 ⑤ E さん(50 歳代男性) 住宅東側の側溝上に設置してあるごみ収集用金網箱(鉄製、縦 1m、横 3m、奥行き 1m、重さ数百㎏(目測重量 300 ㎏程度) )が北方向へ約 5m 移動した(地面には箱を元 に戻した際の痕跡はあるが、突風による移動の痕跡なく、空中を移動か)。また、住宅 前庭(南向き)東側に設置の物置が西方向へ倒れていた。 ⑥ F さん(50 歳代女性) 住宅二階の屋根瓦が「踊っている」状態となり、南側一階部分の屋根上に設置して いた鉄製ベランダが東隣の屋根にもたれかかった(ベランダが隣の屋根にかかる前に、 自宅屋根で東から西へ、そして西から東へ動いたように感じた)。 ⑦ G さん(50 歳代女性) 屋根瓦が東西にそれぞれ 30~40m 飛散した。飛散した順は不明。 ⑧ H さん カーポートが一部破損し、東方向へ約 100m 飛散した。 ⑨ I さん(50 歳代女性) 住宅南東側の屋根瓦の一部が浮き上がり、北側塀の飾り瓦が 4 枚破損した。地震と も違う、なんとも言えない気持ち悪い揺れであった。家の前に看板があったが(ボル トで支柱に固定されていた形跡がある)東方向へ 30~40m 飛ばされていた。 その他に、風が回っているように感じたとの証言も寄せられた。 14 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 3.5 まとめ (1)香美市での調査の結果、次のことが判った。 7 月 5 日 04 時半頃、香美市土佐山田町大平地区で幅約 200m、長さ約 800m の範囲で住 家やビニールハウス等に被害を及ぼした突風は、現地調査の結果から竜巻であると判断 した。竜巻の規模は、樹木や建物、自動車等の被害状況からみて藤田スケールで F0~F1 と推定される。被害の多くは、南西から北東にかけて約 200m の幅でほぼ直線状に広がっ ており、回転性の風の形跡は明瞭ではないものの、収束性を示す風の分布が見られたこ と、及び多くの住民が「ゴー」という風の音を聞いていることなどから竜巻であるとの 結論に達した。 (2)高知市での調査の結果、次のことが判った。 7 月 5 日 04 時頃、高知市朝倉地区から鴨田地区にかけて発生した突風による被害は、 現地調査の結果、竜巻の可能性は高いものの竜巻であると特定することはできなかった。 朝倉地区では、西南西から東北東にかけてごく狭い幅で長さ約 500mにおいて、ほぼ 等間隔に 3 棟の建物の被害が発生していた。一方、鴨田地区では、幅約 40~50m、長さ 約 300m のほぼ直線状(西南西から東北東)に被害が発生していた。被害の多くは、鴨 田地区に集中しており、住家の損壊が主で、その殆どが屋根瓦の飛散や車庫の屋根のア クリル板等の飛散であった。しかし、中には屋根上に設置していた鉄製ベランダが隣家 の屋根にもたれかる被害や道路わきに置いていた重さ 300 ㎏はあると思われる鉄製の共 同ごみ収集箱が北方向へ約5m も移動するなど、瞬間的に非常に強い力が働いた形跡も 見受けられた。住民への聞き取り調査では、地震のような家屋の揺れ、「ゴー」という すさまじい風の音など、竜巻の可能性も否定できないが、情報が少なく竜巻に結びつけ るまでには至らなかった。 15 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 4 気象官署が執った措置 (1)注意報・警報の発表状況 注意報・警報発表状況 平成18年(2006年)7月 高知県(高知地方気象台発表) 種類 区域 警報 発表日時 注意報 解除日時 全域 雷 7月4日 14:53 (切替) 全域 大雨、雷、洪水 7月5日 01:05 (切替) 7月5日 03:41 (切替) 7月5日 04:29 (切替) 7月5日 05:18 (切替) 7月5日 08:20 (切替) 7月5日 10:20 (切替) 高知中央 大雨、雷、強風、波浪、洪水 高吾北・嶺北 東部 大雨、雷、強風、洪水 大雨、雷、強風、波浪、洪水 幡多 高幡 高知中央 大雨、洪水 大雨、洪水 雷、強風、波浪 大雨、雷、強風、波浪、洪水 雷、強風、波浪 高吾北・嶺北 大雨、洪水 東部 西部 大雨、洪水 高知中央 大雨、洪水 雷、強風 大雨、雷、強風、波浪、洪水 雷、強風、波浪 雷、強風、波浪 高吾北・嶺北 大雨、洪水 雷、強風 東部 大雨、洪水 西部 大雨、洪水 高知中央 高吾北・嶺北 雷、強風、波浪 雷、強風、波浪 大雨、雷、強風、波浪、洪水 大雨、雷、強風、洪水 東部 西部 高知中央 雷、強風、波浪 大雨、雷、強風、波浪、洪水 大雨、雷、強風、波浪、洪水 大雨、洪水 高吾北・嶺北 東部 大雨、雷、強風、洪水 大雨、雷、強風、波浪、洪水 西部 高知中央 高吾北・嶺北 大雨、雷、強風、波浪、洪水 雷、強風、波浪 雷、強風 7月5日 15:10 東部 雷、強風、波浪 西部 雷、強風、波浪 ・解除日時欄の「(切替)」は,次の行の注意報・警報への切り替えを示す。 7月5日 21:40 (2)情報発表状況 発表時刻 種 類 備 考 大雨に関する高知県気象情報 第1号 7/4 16:50 文章形式 大雨に関する高知県気象情報 第2号 7/5 04:10 図形式 大雨に関する高知県気象情報 第3号 7/5 04:32 図形式 大雨に関する高知県気象情報 第4号 7/5 05:35 図形式 大雨に関する高知県気象情報 第5号 7/5 05:55 文章形式 大雨に関する高知県気象情報 第6号 7/5 08:40 図形式 大雨に関する高知県気象情報 第7号 7/5 10:38 文章形式 大雨に関する高知県気象情報 第8号 7/5 15:16 文章形式 16 平成 18 年 7 月 19 日 5 参考資料 (1)被害状況 ①住家被害(7 月 6 日 10 時 40 分現在 区分 高知地方気象台 高知県調べ) 住家被害(棟) 全壊 市町村名 高知市 半壊 一部破損 1 57 香美市 合 5 計 1 62 *非住家被害については、取りまとめていない。 ② 農業被害(7 月 5 日 17 時 00 分現在 区分 農 作 被害規模 高知県調べ) 被害金額 (万円) 物 1.14ha 997 農業用施設 7.14ha 8058 8.28ha 9055 合 計 被害状況 倒伏 倒壊、破損 ③ 電力被害(7月 5 日 15 時 30 分現在 四国電力調べ) 原因:飛来物により電柱や送電線が損傷を受けたことによる停電 ・ 高知市 685 戸 ・ 香美市 4837 戸 17 被害地域 香美市土佐山田町 大平地区 香美市土佐山田町 大平地区 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 (2)用語の説明 ・藤田スケール(Fスケール) 竜巻やダウンバーストの規模を被害状況から推測するための基準。シカゴ大学の藤田哲 也が提案した。この基準によると、各スケールと被害状況の値央は下表のとおり。 藤田スケール 階級 風速(m/s) 被害状況 F0 17~32 (約15秒間の平均風速) 煙突やテレビのアンテナが壊れる。小枝が折れ、また根の浅い木が傾くことがある。非住 家が壊れるかもしれない。 F1 33~49 (約10秒間の平均風速) 屋根瓦が飛び、ガラス窓は割れる。またビニールハウスの被害甚大、根の弱い木は倒れ、 強い木の幹が折れたりする。走っている自動車が横風を受けると道から吹き落とされる。 F2 50~69 (約7秒間の平均風速) 住家の屋根がはぎ取られ、弱い非住家は倒壊する。大木が倒れたり、またねじ切られる。 自動車が道から吹き飛ばされ、また汽車が脱線することがある。 F3 70~92 (約5秒間の平均風速) 壁が押し倒され住家が倒壊する。非住家はバラバラになって飛散し、鉄骨造でもつぶれ る。汽車は転覆し、自動車が持ち上げられて飛ばされる。森林の大木でも大半折れるか倒 れるかし、また引き抜かれることもある。 F4 93~116 (約4秒間の平均風速) 住家がバラバラになってあたりに飛散し、弱い非住家は跡形なく吹き飛ばされてしまう。 鉄骨造でもペシャンコ。列車が吹き飛ばされ、自動車は何十mも空中飛行する。1t以上 もある物体が降ってきて、危険このうえない。 F5 117~142 (約3秒間の平均風速) 住家は跡形もなく吹き飛ばされるし、立木の皮は剥ぎ取れれてしまったりする。自動車・ 列車などが持ち上げられて飛行し、とんでもない所まで飛ばされる。数tもある物体がど こからともなく降ってくる。 参考文献:気象の辞典(東京堂出版)、気象ハンドブック(朝倉書店) 18 平成 18 年 7 月 19 日 高知地方気象台 謝意 本資料を作成するにあたっては、関係機関の方々、高知県森林総合センター、香美 市、高知市、香美市土佐山田町大平地区の住民の方々、高知市鴨田地区、朝倉地区の 住民の方々にご協力をいただきました。ここに謝意を表します。 本資料で使用した地図は、 「国土地理院発行 25000 分の 1 地形図」より複製しました。 (承認番号:平 17 総複第 650 号) 本報告書の問い合わせ先 高知地方気象台防災業務課 TEL 088-822-8882 19
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