―― ニュージーランド手作り旅行記 ―― 《ニュージーランド事情》 面積は日本の3/4で人口は440万人、ちなみ愛知県の半分強である。家畜は人口の10倍といわれる酪農と畜産の国。人口の 10 倍以上家畜 が多いため、国際的にも異色の地球温暖化対策を進める動きが出ている。羊や牛のげっぷ・おならに含まれるメタンガスを抑制するというも ので、農家からは反発もある。メタンは二酸化炭素よりも 21 倍温室効果が大きい 。 ニュージーランドは、北島と南島の 2 つの主要な島と多くの小さな島々で構成される。北島と南島の間には、クック海峡がある。 北島(ノースアイランド)には、首都ウェリントンがあり、政府機関が集中している。また、同国最大の都市であるオークランドは、商業およ び経済の中心地となっている。オークランドの年間降水日は 100 日以上で、雨の多い街である。北島は、南島ほど険しい山脈はないが、火山 活動が活発である。北島の中での最高峰は、2,797m のルアペフ山である。 南島(サウスアイランド)は、最も陸地面積の大きな島で、中心都市はクライストチャーチ。島の中央には「南半球のアルプス山脈」と呼ばれ る南アルプス山脈がそびえる。最高峰は、3,754m のクック山(マオリ語ではアオラキ、「雲を貫く」という意味)で、その他に 3,000m 以上 の峯が 18 ある。他にもタスマン氷河、サザンアルプス、クック山、ミルフォード・サウンドのような豊かな自然も有名である。クイーンズ タウンは世界的に有名な観光・保養地である。温泉地も各地に点在する。 《旅行の形態》 スイス、カナダに続いて3回目の手作りトレッキング旅行です。 航空券、宿泊先、レンタカーの手配から旅行の日程表、トレッキングコースの選択等全て手作りで格安に実施する事をモットーに手作りし た旅です。宿泊はYHA、夕食はレストラン、朝食、昼食はショッピングセンターで共同購入します。また観光地巡りではなく大自然の中を トレッキングする目的です。レンタカー二台に8人が分乗し目的地までドライブを楽しみながら移動して、半日程度のコースを景観眺め、ま た写真を撮りながら、話も弾みゆっくり大自然を堪能しながら歩きました。 《参加メンバー》 男5・女3の総勢8名、平均年齢66歳。ニュージーランド3回目1名N2回目3名。男全員国際免許証を取得し交代で運転 した。 《道路事情と交通ルールやマナー》 二台のレンタカーで走ったので先ずは主な交通ルールを紹介します。 クイーンズタウンを起点に二箇所の景勝地を訪れ総走行距離1200㎞走って日本と違いや見聞したこと。 1)街中減速(標識①) 国道を最高速度100㎞で走って、町を通過する所は80㎞・50㎞区間で規制されている。道路の両側に標識が立つ。 2)ラウンドアバウト(標識②) ロータリーと形は似ているが、信号が無くても交差点の車をスムースに流す働きを持つ、基本は『自分の右側 にいる車が優先』 。先にラウンドアバウト内に入っている車優先なので、右から来る車をやり過ごして進入する。一時停止の必要ない。 3)ギブウエイ(標識③) 優先道路の手前にある。 『道を譲れ』のサインで、合流先の道路優先。路面に停止線が引かれているが一時停止は義務 付けられているわけでない、安全が確認できれば進入してよい。 4)車線優先標識(標識④) 山間部の追い越し車線以外は全て片側一車線の道路でした。橋は一車線が多く車線優先標識に従い黒が優先。対向 車が無ければそのまま通過できる。山道は下り車線が優先するよう標識が付けられていた。 5)カーブ標識(標識⑤) 自然の地形に沿って造られカーブは多いがカーブ標識の速度表示従えばブレーキを踏まなくてもシフトダウンでなん なく通過できた。山を削って道を造る発想も無いのか、それとも経済力無いのか、車が少なく充分流れるので合理的なのかもしてない。 特に数えたわけでないけれど1200㎞走って信号はクイーンズタウン市内に数基、でトンネルが1基しか覚えていない。橋も20基くらいで、 構築物がとにかく少なかったことが印象に残った。 ① 街中減 50 ㎞/H落とせ 《トレッキング》 ②ラウンドアバウト ③ギブウエイ ④一車線の橋(黒優先) ⑤カーブ標識 クイーンズタウンを起点に車でミルフォード・サウンドとマウントクック村へ 1200 ㎞を巡った。 1 月 27 日(金) 名古屋 リムジンバス⇒ 関西空港 ⇒9000 ㎞ 11 時間 オークランド 1 月 28 日(土) オークランド⇒1200 ㎞飛行機で 2 時間 クイーンズタウン→(290 ㎞車で 4 時間) ミルフォード・サウンド オークランドに早朝 5:30 到着、国内線に乗換てクイーンズタウンに 9:00。着荷物受取り、レンタカー手続きして 10:15 空港を出発する。途中のスパーで二日分の食料・アルコールを買出した。一車線の橋を渡れば町ともしばし のお別れ。ワカティブ湖畔でパンと果物で昼食をとるが全員腹が減っていたのか、ほぼ二食分をアット言う間に (レンタカーのフォード) たいらげた。先の食料大丈夫!食後最初の運転交代をしてR6を南下し途中R97へ近回りしてモスバーンへ (ニュージーランドにおける牧鹿業の発祥地)ここでトイレ休憩、小さな町外れからR94を西進してほぼ一 時間でテ・アナウへ。インホーメイションで情報収集してテ・アナウ湖沿いのミルフォード・ロード(R94)を北上 。今まで晴れていた空も山岳地帯に入るに従い年間降水量 6000 ㎜を上回る地帯なのか雨が降り出す。素掘りの ホーマー・トンネルを抜け 16 時前にミルフォード到着。明日の天気と相談しながら最終のクルーズに乗船する ことに決定し二時間のクルージングを楽しむ。ミルフォード・サウンド(入江)は氷河によって垂直に近い角度に 削り取られた周囲の山々が 1000m 以上海に落ち込んでいる壮大な眺めはニュージーランドを代表する景色である。 (スパーのレジ風景) 雲に煙った頂上部から海面に落込む滝の数々、雨で水量の多い滝壮大な景色を堪能した。アザラシ岬では年中 生息していると言う、岩の上に寝そべる数十頭のアザラシを見ることが出来た。乗客は他に数人で貸切り状態 であった。 1 月 29 日(日) マウントクック(2泊) 晴れ時々曇り マリアン湖めぐり 標高差 350m 往復4時間のトレッキング マリアン湖はシダと苔の生い茂るブナの原生林を歩き氷河地形の渓谷にある山上湖を訪ねる。 昨日は雨で景色どころではなかったがホーマートンネルのある標高 930m 朝景観はどちら側も 素晴らしい、信号待ち時間にしばし楽しむ。全長 1219m で 18 年間の工事経て 1953 年に凄い 絶壁をくり貫いて開通した。トンネル内はミルフォードに向かって 10%の勾配があった。 マリアン湖の登山口を見落とし時間のロスしたが、昨日クルージングを先行したので余裕を もって行動できた。現地トレッカーに全て抜かれたがマイペースを守り湖に到着。周辺の山々は 時々雲も切れにつかの間頂を見せてくれた。昼食後は探鳥会もしながらのんびり下山した。その 後名勝地を見て歩き、早い夕食をレストランで食べ宿泊地のロッジへ戻る。 (マリアン湖) (シダが生い茂る原生林) ミルフォド・サウンド(2泊) クイーンズタウン(1泊) 1 月 30 日(月) 晴れ キーサミットを散策後クイーンズタウンへ移動 今日はミルフォード・サウンドと別れの日、早朝のミルフォード・サウンドの景色をカメラと目に焼きつけキーサミットの登山口へ向かう。 標高差 400m往復3時間のトレッキング。よく整備された登山道をブナ森から歩き出し山腹のジグザクコースを登っていくと木立に雪のピー クが見え隠れする。森林限界を過ぎれば地塘が点在する高層湿原だ。日本庭園を想わせる風景の中をしばらく行くと頂上に着いた。360度 の展望が広がり、山のピークに笠雲が次々形を変え現れしばし見とれる。谷間の雲間に昨日訪れたマリアン湖も眺められた。花の季節は過ぎ たのが寂しい。昼前に登山口に下山したので昼食をとった後、ミルフォード・ロード(R94)沿線を観光しながら走る。又テ・アナウの町では 女性陣はお土産ショッピングを楽しみ 16 時に今日の宿泊地クイーンズタウンの町に着いた。天気も良いので最初に標高 812m のボブズ・ヒル にゴンドラで上り町の景観を堪能した。女性陣はここでもお土産ショッピング。18 時ホテルにチェックインしてからホテルお薦めのレストラ ンに散策がてら歩いて向かう。先ずは今日までの無事と後半の安全を祈願してビールで乾杯!個々に好みのメニューで満腹感を味わう。 (食虫植物モウセンゴケ) 1 月 31 日(月) (キーサミット日本庭園) 晴れ クイーンズタウン (キーサミット日本庭園) (高層湿原を歩く) →(280 ㎞ 4 時間)マウントクックへ移動 6 時に朝食、7 時出発して、郊外のスタンドでガソリンと食料を補給後、放牧地やブドウ畑縫って峠を 越えてR6を東進してクロムウエルへ、R8の合流点で進路を北に向けオマラマで二日分の食料を調達した。 道中最後の町ツイゼルで小休止、碧濃い水を湛える運河を渡るとR80に入りマウントクック村が終着点で ある。途中のプカキ湖畔の展望地は風も強く雲も掛かり早々退散。昼前にホテル到着しチェックインの後、 食堂でコーヒーを沸かし昼食をとる。ドライブの疲れも無く全員賛成で午後のトレッキング予定を実行する。 セバストポールピークとレッドターンズ 標高差 720m往復3時間 (クイーンズタウンの風景) ホテルの裏山で、フッカー川やタスマンバレーの展望と高層湿原、花の宝庫が売りだが!いずれも外れた。時折小雨がぱらつき展望悪く、花 の時期も過ぎおまけに、セバストポールピーク直下で猛烈な風が吹き荒れ、立っていることも出来ず早々退散した。100m も下れば嘘のように 風も凪でいる、山の恐さを体感した一時でした。ホテルに帰り無事の下山を祝いビールで乾杯する。荷物の整理やシャワーに入るなどした後、 散策しながら夕食のレストランとハミテージホテル見学出かける。旅も終盤となり疲れも出たのか全員早々にベットもぐり込むも夜中に風雨 の音に熟睡の邪魔をされる。 2 月 1 日(火) 晴れ フッカーバレー標高差 250m往復4時間とキア・ポイント標高差 100m往復1時間 心配された天候も時間と共に青空が広がり絶好のトレッキング日和になった。ホテルから 2 ㎞先の 駐車場へ車で移動して 8 時にフッカーバレートレッキングの出発。出発間際に綺麗に懸かった虹のアーチ 下で記念撮影をした。四角錐の石積みのアルパインメモリアルを過ぎると直ぐにフッカー川にかかる第一 吊り橋を渡る。雲が切れ青空も広がるミュラー氷河、セフトン山を見ながら行くと渓谷状となり、岸壁に へばりつくように付けられた道となり慎重に進み第二の吊り橋渡る。しばらく行くと湿原に飛び出し ニュージーランドを象徴する花、マウントクックリリーがたくさん見られる所だが、残念な事に花の 時期も終わり残骸しか見られなかった。代りに雲の切れた青空に聳えるマウントクックが眼前に姿を現し (眼下にマウントクック村) 高さと大きさに圧倒される。やがてフッカー氷河末端に広がる氷河によって作られた自然湖がぶつかる。氷河の末端から流れ出した氷の塊が 色んな形をした芸術作品を作り出し無数に浮ぶのを眺めながら昼食をとった。マウントクック、自然湖周辺の景観をたっぷり楽しみ下山した。 駐車場に戻った後最後の目的地キア・ポイント、標高差 100mの氷河の運んだ土砂が堆積したモーレーンの丘へ 30 分。角度が違ったマウント クックと、セプトン懸垂氷河の景観を楽しむ。やや疲労も見え隠れしている足取りであるにもかかわらず、ビールが待っているため足早に出 発点に帰還する。計画のトレッキング5コースを無事に完歩した満足感に浸りながらビールでトレッキング打上げの乾杯をした。 まだ明日はクイーンズタウンへの 300 ㎞のドライブが控えているので、夕食も早目にして荷物の整理もそこそこに爆睡した。 2 月 2 日(水) 晴れ マウントクック → クイーンズタウン ⇒ オークランド⇒ 関西空港 → 名古屋 薄暗いクック村を 6:30 出発、道中コーヒータイム、ショッピングしながら最後のドライブを安全運転でクイーンズタウンの空港へ無事到 着した。レンタカーの返却、搭乗手続きを済ませ身軽になるとやっと安堵する。女性陣は相変わらずショッピングを楽しんでいる。 旅の雑感 ・小動物(野うさぎ等)の交通事故死、多いところでは数百m毎に猛禽類が啄ばんでいるのがドライブ中よく見られた。 ・レンタカー二台のドライブは車が少なく、道に迷う事もなくゆったりと楽しく運転する事ができた。 ・晩夏に近く花の季節が終わり高山植物を多く見ることが出来なかったことは残念であった。 ・強い雨に二晩降られたが朝には上がり、行動中は天候に恵まれ展望もよくトレッキングを堪能できた。 ・日本の高速道路のサービスエリア、パーキングエリアはまったく見ることが無かった。・日本のツアー客に全然会わなかった。 (滝とカヤック) (海に落込む四連の滝) (ミルフォード・サウンドのクルージング) (年中生息するアザラシの群れ) (マウントクックと氷河湖) (出発前の朝虹の歓迎を受ける) (朝のミルホード・サウンド) (山岳地帯のハイウェイ) 「素晴らしい旅行記」をご紹介いただき ありがとうございました。 (マウントクック(ニュジーランド最高峰) ) HP担当
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