ようこそ トゥレーヌへ!

ルワール渓谷を知ることは、
もちろん壮大な城の数々と素晴らしい庭園を訪れることで
す。
その多くはトゥレーヌ地方にあります。
アンボワーズ、
アゼ・ル・リドー、
シュノンソー、
ル・クロ・リュセ、
シノン、
ランジェ、
ヴィランドリーなど、そのどれもがフランスのルネッサン
スと共鳴して、歴代のフランス王やレオナルド・ダ・ヴィンチ、
カトリーヌ・ド・メディシス、そ
してジャンヌ・ダルクが立ち寄ったことを証言してくれます。
ルワール渓谷を訪れることは、すなわちフランスだけで
なくヨーロッパの歴史の中心地、つまり比類のない空
間の中心に飛び込むことなのです。ユネスコは世界の
素晴らしい景勝地の数々の中にルワール渓谷を世界
遺産に登録したことは間違いではありませんでした。今
日ルワール渓谷を駆け巡ることは何と幸せなことでしょ
う。家族と一緒に屋外を。
それは「ルワール・ア・ヴェロ
(
ルワールでサイクリング)
」のコースのおかげです。
この「祝福された」ルワール渓谷の中心にあるおもてな
しの地であるトゥレーヌ地方で、その名高い暮らしの美
学(art de vivre)
も体験してください。郷土料理の繊細
さ、都市や村の安らぎ、
ブドウ畑の和やかさはそれを象
徴するものです。
ようこそ トゥレーヌへ!
ルワールの古城、
フランスの中心
至る所でルワールの古城のすらりとしたシルエットは
景色の中で際立っています。100km以下の圏内でル
ワール渓谷の中心にあるトゥレーヌ地方にはルワー
ルの最も重要な城のいくつかが集中しています。
アン
ボワーズ、
アゼ・ル・リドー、
シュノンソー、
ヴィランドリ
ー、ル・クロ・リュセ、
シノンそしてロシュなど、私たちに
フランスの諸王、
レオナルド・ダ・ヴィンチ、動乱の中
世や贅を尽くしたルネッサンスについて雄弁に物語
る名前の数々です。
ルワール渓谷の2000年のユネスコ世界遺産への登
録は有名な諸城が重要な部分を占めるルワールの
景色の並外れた特徴を引き立てるものです。
しかし、間違ってはいけません。ルワールの古城はフ
ランスの歴史に残るものですが、その多くは見事に
21世紀に溶け込んでおり、
オーディオ・ビデオガイド
またはiPhoneやiPadの他のアプリケーションを使っ
たツアーを提供しています。
そして、
もちろん数多くの
言語でルワール渓谷は世界中の観光客をお迎えして
います。
ルワール渓谷の造園技術
ルワール渓谷の庭園の伝統が生まれたのはルネッサ
ンスの時期です。戦争の時代がようやく終わり、ルワ
ールの諸城が外に向けて広がっていき、紛れもない
緑のサロンへと延びていきました。世界で最も有名
な庭園の中でも名高いヴィランドリーの庭園を訪れ
た後は、
リヴォー城の創造性やアンボワーズ、
シュノ
ンソーの庭の優雅さ、
ラ・ブルデジエールの600種の
トマト、
あるいはロンサールの邸宅のバラを見てみて
下さい。緑といっぱいの澄んだ空気といえば、27万ヘ
クタールのルワール=アンジュー=トゥレーヌ地方自
然公園もあります。
それは狩猟のために歴代のフラン
ス王にとても重用されたアンボワーズ、
ランジェそし
てシノンの広大な森林なのです。
ユネスコ世界遺産のルワール川
ルワール川は他に類を見ない川です。美しく気まぐれ
で、その輪郭は絶えず変わり続けているように見えま
す。光と影の間で、島々と砂浜は私たちの感覚を駆使
し、毎日新たな美しさを見出しています。ユネスコ世
界遺産に登録されたフランスとヨーロッパ最後の野
生の川が生み出す景色を満喫するためにはいくつも
の方法があります。
- 水上を昔ながらの船あるいはカヌーでの遊覧
- ヨーロッパで最も美しいサイクリングコースのルワ
ール・ア・ヴェロ(Loire à vélo)を設けるために整備さ
れた河岸を自転車で
- 空を熱気球またはヘリコプターを使って
どれを選んだとしても、
あなたに強い印象を与えるの
は自由な空気です。渡り鳥もビーバーもそれに反論を
しないでしょう。彼らはルワール川の支流を溜まり場
に選んだのですから。美しくて聞き分けのないルワー
ル川は恵みの母に姿を変えることができます。ルワー
ル川とその支流の河岸では肥沃で多様な菜園、つま
りフランスの庭が栄えています
ルワール渓谷でのワインと美食のツアー
ルワールのワイン畑はフランスの中部から海まで広
がっています。
トゥレーヌ地方ではルワールのワイン
のメニューは赤ワイン(シノン、
ブルゴイユなど)から
白ワイン(ヴーヴレ、モンルイ=シュル=ルワールな
ど)
、微発泡性から甘口に至るまで約10の名称があり
ます。ルワールのワインの道沿いにある観光客向け
の酒蔵はルワールのワインを知る良い方法です。
トゥレーヌ地方はあらゆる種類の果物や野菜を栽培
し、サフラン、
トリュフ、
リエットや山羊のチーズを味
わえる
「フランスの庭」
でもあります。市場で足を止め
て見てください。品物の新鮮さと雰囲気は太鼓判を押
します。
もし食卓につくことをお好みでしたら、私たち
のコックは喜んでこれらの地元の食材をあなたのた
めに調理します。
トゥレーヌ地方の街々の美しい宝石
あなたが市場に立ち寄る時、
コーヒーブレイクの時あ
るいはガイドツアーの際であっても、
トゥレーヌ地方
の街々は両手を大きく広げてお迎えします。
まずは学
生の街トゥールです。歴史地区とプリュムロー広場(la
place « Plum’ »)に宝物を隠し持っています。
レストラ
ン、
カフェ、商店、都市公園、展覧会…トゥレーヌ地方
の首都は回り道をしてでも行く価値があります。
アン
ボワーズはその並外れたルネッサンスの遺産でトゥ
レーヌ地方の中で最もイタリア的な街です。
「芸術と
歴史の街」
であるシノンとロシュの歩行者専用の路地
を気ままに散歩して、城塞のふもとにある保存された
中世の街並を探検して下さい。
これらの街はまた正
真正銘の活気のあるトゥレーヌ地方の村々への入り
口でもあるのです。
芸術に祝福された街トゥール
芸術と歴史の街のトゥールは古代から現代に及ぶま
で、屋内外を問わず、その豊かで多彩な芸術のコレク
ションの数々で私たちを魅了し続けています。19世
紀のトゥール出身の建築家ヴィクトール・ラルーが設
計したSNCFのトゥール駅を出ると、会議または文化
の新しい場所であるジャン・ヌーベル設計のトゥール
国際会議センター(通称ヴィンチ)に迎えられます。工
業デザイナーのレジヌ・シャルべ・ペロが現代アート
作家であるダニエル・ビュランと協力して設計した路
面電車に乗って、現代アートを隠し持つ街トゥールを
探検してみてください。
もちろん、
ご自分の足を使って散歩するのも一つの手
です。木組みの家が並ぶ路地を散策すると中世にタ
イムスリップしたかのような錯覚を覚えるでしょう。か
つてのトゥールでのガロ・ローマ文化の中心で、今で
もその遺跡が見ることができる場所に位置するサン・
ガシアン大聖堂はその素晴らしいファサード
(正面)
に魅了されることでしょう。
ゴシック様式の傑作であ
るこの大聖堂のふもとにある美術館は必見です。か
つての大司教の邸宅の建物にはルーブル美術館に
次ぐ11〜12世紀の重要なイタリア絵画コレクション
があります。現代アートに特化したスペースも2016
年に開設しました。
また2017年3月にはオリビエ・ド
ゥブレ現代造形創造センター(Centre de Création
Contemporaine Olivier Debré)が開業されます。
アンボワーズでのイタリア風の週末
よくアンボワーズはルワール渓谷で最もイタリアらし
い街だと言われます。
そもそも、
アルプスを越えて夏
に滞在する観光客たちは、今日では喜んでイタリアか
ら入ってきたルネッサンスが5世紀前にアンボワーズ
に与えたものを確認しにやって来ます。
トゥーレーヌでの休暇に関して、
アンボワーズは爽快
で気楽な街です。
その上、そんな街と同じような気構
えで訪れることができるのです。つまりセグウェイで!
またルワールでサイクリング(Loire à vélo)のコース
の良い出発地点でもあります。
アンボワーズの街と類まれなその遺産
アンボワーズの商店街とルワールの河岸に沿って整
備された遊歩道は徒歩でその良さを味わうことがで
きます。遊歩道ではルワール川の素晴らしい眺めを
楽しめます。訪問地という面では王の城であったアン
ボワーズ城(シャルル8世、
アンヌ・ド・ブルターニュ、
そしてフランソワ1世が滞在したことが特徴)
とクロ・
リュセ(レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の邸宅で、
と
りわけ庭園には彼の数多くの発明の模型を展示)
と
2つの絵になる証拠をルネッサンスが残しています。
アンボワーズの街の南側には大きな公園の真ん中に
フォリー(主に18世紀に建てられた遊楽のための豪
華な別荘)
を見つけることができます。
それがシャン
トルー城で、当時ルイ15世統治下に宮廷から追いや
られていたシュワズール公爵によって依頼された建
築物です。
トゥレーヌ地方の名物料理
ルワール川に育まれたフランスの庭であるトゥレーヌ
地方には、塩気のあるものから甘いものまで、質の高
い名物料理に富んでいます。
まずはサント・モール・
ド・トゥレーヌという美味しいチーズを味わってみてく
ださい。薪の形をしたこの山羊のチーズはそのままで
もサラダやタルト、
ソースなどでご賞味頂けます。
トゥ
ールのリエットも欠かせません。19世紀の偉大なフ
ランス人作家のオノレ・ド・バルザックに言わせると、
この豚の加工食品は最も贅沢で望ましいご馳走だそ
うです。
もし鶏肉がお好みなら、
トゥレーヌ地方の家
禽に舌鼓を打つことでしょう。肉の繊細さはトゥール
及びフランスの最高のシェフたちに高く評価されてい
ます。ルワール産の魚を堪能することもできます。食
事を首尾よく終えるにはトゥールのヌガーはいかが
でしょうか。
ソフトキャンディーの一種であるプロヴァ
ンス地方のヌガーと違って、
トゥールのヌガーは砂糖
漬けの果物が詰まったタルトでできたお菓子です。
さ
あ、召し上がって下さい。
ルワール渓谷のホテル、キャン
プ、B&B、賃貸宿泊施設
旅に出る幸せは、
よいおもてなしを受けるだろうと分
かっている幸せでもあります。ルワール渓谷ではその
おもてなしの評判に違わず、
あなたが恋人同士、友達
または家族であれ、ルワールの古城を訪れた時には
もてなす喜びを大事にしています。最高のものをあな
たに届けたくて、ルワール渓谷はその喜びでいっぱ
いになっています。
トゥレーヌ地方では、
まさに無数の施設から宿泊先
を選ぶことができ、
あらゆる嗜好と予算に対応してお
り、立地は田舎またはアンボワーズ、
アゼ・ル・リドー、
シノン、
ロシュ、
トゥールなどの賑やかな中心街まで様
々で、種類もホテル、民宿、B&B(ベッド・アンド・ブレッ
クファースト)
、キャンプ、観光用マンション、
シャトー
ホテル(宿泊可能な古城)
、
キャンピングカーあるい
はツリーハウスがあります。選ぶのはあなたです。
ルワール古城地方で「穴居住宅
(troglo)」
を体験する
穴居住宅(troglodyte)はルワール渓谷の奇異な一
面です。
とても柔らかい石灰石でできた丘は数多くの
穴が穴居住宅と呼ばれる穴で虫食いになっていま
す。
これらの穴はルワールの古城建設の原材料を求
めて、人の手での石の採掘によって生まれたもので
す。現在、
これらの穴居住宅は独創的な宿泊施設に
形を変えています。豪華ホテルまたは快適なB&Bは
石の中のやわらかな一夜の魅力をあなたに提供しま
す。素晴らしい思い出になるでしょう。
トゥレーヌ地方でフランス語を学ぶ
トゥレーヌ地方にはフランス語講座を提案する6つ
の施設があり、数日間の授業を受けるため、DELF
(Diplôme d’Étude en Langue Française)やTCF
(Test de Connaissance du Français)の資格を取得
するため、
あるいは数カ月の留学をするために世界
中から来る何千もの学生たちを魅了する提案ができ
ます。講座を補完するものとして、
これらの学校は同
様に個別の宿泊施設あるいはホームステイのプラン
も提案しています。
成功の理由
ルワール渓谷の住人、特にトゥレーヌ地方の人たち
最後になりますが見逃してはならないのは、
トゥレー
は訛りのないフランス語を話すことで評判です。
アル
ヌ地方の生活芸術(Art de vivre)
という言葉は決し
フレッド・ド・ヴィニーは19世紀に
「彼らの話し方は遅
て実質を伴わないものではないということです。
お財
くもなく速くもなく、最も純粋なフランス語である。
フ
布の面でも、生活費(住居費、食費、外出など)はとて
ランス語の発祥地はそこに、つまり王政の発祥地の
も手頃です。環境面ではトゥールは学生の街で、人の
近くにある」
と書いています。20世紀半ば以来、
ラジオ
温かみを感じられるくらいの大きさで、数多くの祭り
とテレビは国土において発音の調整に一役買ったと
や文化、
スポーツの娯楽を提供しています。全てはあ
はいえ、一定の地方自治主義は残っています。留学の
なたが他の学生と早くつながりを持つ事が出来るこ
選択をする際に、
トゥレーヌ地方はこのように訛りの
とを目指して力を合わせています。
トゥールから数キ
なさという利点があります。
ロメートルのところにあるアンボワーズとロシュは、
も
う少し穏やかですが誰の目にも明らかな魅力を持つ
フランス語講座の質はもちろん並外れて好意的な口
雰囲気があり、かの有名なルワールの古城を眺める
コミの媒体となるものです。
フランスの中心に身を投
ために来る何千もの観光客がそれを否定することは
じ、年月を重ねて培われた質の高い教育法を持つ教
ありません。最後に、
トゥレーヌの地理的な位置は恵
師陣に囲まれ、学生たちは最初のレベルがどうであ
まれています。電車でパリから1時間、大西洋の海辺
れ素早くフランス語を身につけます。留学の期間は1
にはおよそ3時間のところにあります。
週間から1年まで様々で、年齢は11歳からなんと85
歳までと異なる学生のニーズに対応しています。
フランス語を学ぶための学校
1/ クレ(トゥール)
1985年に創設され、
トゥールの歴史地区にある学校のクレ
(Clé)
はとりわけ人数制限をしたグループ
(平均5人)
でのフランス語講座を提供しています。
www.cle.fr ; www.facebook.com/ecole.cle
2/ ユーロソントル(アンボワーズ)
ユーロソントル(Eurocentres)は世界中に29の語学学校を持っています。
アンボワーズは3つのフ
ランス語学校のうちの一つです。
www.eurocentres.com ; fr-fr.facebook.com/eurocentres.amboise
3/ アンスティチュ・ドゥ・トゥレーヌ
(トゥール)
1912年に設立した学校で、
トゥール大学の教育面での監督下にあります。国民教育省などによって
立ち上げられた外国語としてのフランス語指導の質を保証した
「カリテFLE(Qualité FLE)
」の肩書
きを2007年から保持し、大人と若者向けのフランス語コース
(留学と文化体験)があります。
www.institutdetouraine.fr ; www.facebook.com/institutdetouraine
4/ サン・ドニ・インターナショナルスクール(ロシュ)
シテ・ロワイヤル・ドゥ・ロシュの近くにあるサン・ドニ・インターナショナルスクールは1学年を通じて
夏期講習あるいは導入コース
(グループでの実施)の受講でのフランス語を学ぶ提案をしています。
www.saint-denis.net
5/ トゥール・ラング
午前はフランス語総合講座、午後は特定の目的に応じた講座があります。
それがトゥール・ラング
(Tours Langues)のプログラムです。
www.langues.com
6/ トゥール大学
外国人学生向けのフランス語講座大学センター(Le Centre Universitaire d’Enseignement du
Français pour Etudiants Etrangers)では特に学生がより容易に大学課程に入ることが出来るよう
にフランス語能力を伸ばすことができます。
トゥレーヌ地方へのアクセス
電車で
(SNCF)
1日16本の高速鉄道TGVがパリ
(モンパルナス駅 )
とトゥール(トゥール駅あるいはトゥール駅から1
駅5分のサン・ピエール・デ・コール駅)
を1時間でつなぎます。
ルワシー=シャルル・ド・ゴール空港からは、同様にTGVでサン・ピエール・デ・コール駅に1時間40
分で来ることができます。
最後にオルリー空港からはシャトルバスがマッシー・パレゾー駅(パリの南)
までつながっていま
す。1時間足らずでルワール古城の首都、
トゥールに到着します。
SNCF : www.voyages-sncf.com
Crédits photos : ©Stevens Frémont, ©Raphaël Hublot, ©David Darrault, ©Pascal Avenet, ©Léonard de Serres, ©Thierry Borredon/Bergamote Presse, ©Jean-Christophe Coutand-Méheut. Textes : Kenji Hamaguchi