第4号 - 東京都立町田の丘学園

進路だより
都立町田の丘学園校長 村野 一臣
進路指導部 第4号 平成28年7月19日発行
梅雨空の蒸し暑い日が続いています。新しい学部や学年での 1 学期はいかがでしたか。
高等部では1学期のインターンシップ、現場実習が終わりました。地域の福祉施設、
各企業の皆様に支えられ、実り多き実習となりました。初めての実習で緊張した人、
昨年の経験を活かして目標を立て、クリアできた人など、それぞれの成果を残すことが
できたと思います。この経験を学校生活にいかして、2 学期に向けての目標を設定
できたらと思います。保護者の皆様にも様々なご協力をいただき、ありがとうございました。
さて、いよいよ夏休みです。夏休みは、自分の好きなことに挑戦できる良い機会です。
1 学期を振り返り、何かひとつチャレンジできる夏休みになるといいですね。暑さが気になるところです
が、水分補給や暑さ対策をしっかりして、実りある夏休みにしましょう。
~インターンシップ・現場実習を終えて~
生 徒 た ち の 声 !!
B 部門高等部 2 年
Aくん
僕は「株式会社コジマ相模原
店」に実習に行きました。仕事内
容は、品出しや店内の清掃などを
行いました。店長から「仕事が早
いね」と言われて、とてもうれし
かったです。3日間を通して、自
分から挨拶をするのが難しかっ
たです。また、声も小さかったの
で、次の現場実習では、大きな声
で自分から挨拶できるよう頑張
りたいです。
A部門
B部門高等部2年 Hさん
私はインターンシップで「株式会
社テンコーポ レーション 天 丼てん
や小田急マルシェ町田店」に行きま
した。開店前 の味噌汁の 具 材入れ
や、お客様が食べ終えた食器を洗う
などの仕事をしました。お昼過ぎに
なると食器を洗う量が増え、とても
大変でしたが やりがえの あ る仕事
でした。2 学期からは現場実習とい
う長い実習に なるのでイ ン ターン
シップの 3 日間で学んだことをい
かして、しっかりと挨拶ができるよ
うに頑張りたいです。
高等部2年
M さん
シャロームの家で5日間現場実習を行いました。実習では、
パッキン外しとカフェでのレジスター開けとトレイを拭く仕
事に挑戦しました。パッキン外しは、事前に準備した自助具
を使い、休憩時間を忘れるほど集中しました。カフェではお
客さんに笑顔で挨拶をすることができました。利用者さんに
は町田の丘の卒業生も多く、スタッフの方を含め皆さんに温
かく迎えられ、毎日楽しく通うことができました。実習を通
じ、“笑顔”が大切なコミュニケーション力だと改めて学んだ
5日間でした。この貴重な実習の経験を今後の学校生活での
学びにいかしていきたいと思います。
A部門
B 部門高等部 2 年 Nさん
私は 、「第 2 赤い屋 根 とうふ菜
園」でインターンシップをしました。
玉川学園前駅 の近くにあ る お店で 2
日間歩いて通勤しました。
初めはものすごく緊張しましたが、
町田の丘の先輩が何人もいて、作業服
の着替えなどをやさしく教えていた
だき、ほっとしました。
仕事は、お弁当の盛りつけや味噌汁
の準備、2 日目にはもやしをゆでまし
た。好きな仕事ばかりで、とても楽し
い 2 日間でした。
高等部2年
Sくん
初めての現場実習を花の郷で3日間行いました。目標
は「大好きな活動を見つける」「利用者さんと仲良くな
る」「挨拶や返事をしっかりする」でした。初日に花の郷
に着いた時はドキドキしましたが、花の郷での活動はと
ても心地よく、利用者さんも優しくしてくれたので、だ
んだんリラックスして過ごすことができるようになりま
した。活動は音楽で楽器演奏をしたり、草木染の作業を
したりしました。音楽でのハンモックは始めはびっくり
したけれど、揺れが気持ちよかったです。スイッチを使
って皆さんに御礼の挨拶もできて全ての目標をクリアで
きました!花の郷の皆さん、ありがとうございました。
~B部門(知的障害教育部門)高等部
作業学習~
B部門高等部では、卒業後の生活を視野に入れたキャリア教育の一環として作業学習を行っています。
生徒はそれぞれの適正に合った作業班に所属し、社会人として必要な態度や技能を身に付けることを目標
に週2日(午前)活動しています。
<2・3年生>
リサイクル班
◎主な活動は、校内で使用された封筒やコピー用紙の包装紙を回収・再利用して、
3種類のリサイクルバッグを作っています。完成したリサイクルバックは、まち
だ祭の作業班販売時の買い物袋として各作業班へ配布したり、卒業する3年生へ
の贈り物にしています。他にも運搬作業やシュレッダーも行っています。
紙工班
◎紙パックを原材料として、切ったり、ちぎったり、ミキサーにかけたり、漉いたりして製品 を作っています。
工程を細分化して、一人でできる仕事の種類を増やしながら、自分の作業に責任をもって取り組んでいます。
ステンシルで模様をつけたコースターや写真立てや箸袋を作り、まちだ祭で販売する予定です。
ハンドワーク班
◎1~2学期はまちだ祭販売に向けての製品作り(きんちゃく、ポーチなど)を行います。
ししゅう、ミシン、はたおりの3グループに分かれ、作業の時間や毎回設定する個人の目標を意識することや、
あいさつや返事、報告を徹底することを重点目標にして進めています。
農芸班
◎農芸班では、作物の栽培(種・苗植えや間引き、収穫等)や畑の整備(土おこし、
肥料やり、畝作り等)、土作り(落ち葉集め、腐葉土運び等)を中心に行っています。
一学期は夏野菜作り、二学期はまちだ祭の販売に向けて大根作り、三学期は卒業生へ
のプレゼントのための切り干し大根作りを行っています。
しいたけ班
◎しいたけ班では、しいたけの栽培を行っています。屋外での浸水・展開・収穫の一連の流れが基本となって
おり、その流れにより約10日間という短い期間でしいたけが発生します。屋外でのほだ木運びの他にも、
収穫したしいたけの袋詰め、乾燥しいたけ作り、植菌など、様々な作業があります。
サービス班
◎サービス班では、食品加工と接客サービスを中心に行っています。
食品加工では現在マドレーヌを中心に作っています。接客サービスでは、マドレーヌの販売と喫茶検定に向
けた学習を通して、接客マナーを学んでいます。
環境整備班
◎ビルメンテナンスの技法を基に自在ぼうきやモップ等を使って校内を清掃しています。正しい道具の使い方
だけでなく、作業する上でのマナーについても学習していて、来校された 方へのあいさつ等にも重点を置い
ています。また町田市立陸上競技場など校外での作業も取り入れ て外部の方に評価していただく機会も大切
にしています。
事務班
◎事務班では、教員やPTAの方から仕事を受注し、印刷や丁合、名刺作成など
の仕事を中心に行っています。社会で通用するビジネスマナーを身に付けられ
るよう、身だしなみや挨拶、言葉遣いに重点をおいて取り組んでいます。
<1年生>
学年の重点指導課題である「挨拶」に重点を置き、どの班も『職場で大切な7つの言葉』
を全員で発声してから、作業学習をスタートしています。
◎リサイクル班:紙のシュレッダー作業やリサイクルバック作り、メモ帳 製作に取り組んでいます。
◎農芸班:畑の整備や腐葉土運びなど農作業の基礎を学んでいます。
◎サービス班:2、3年生と連携しマドレーヌ作りのための材料の 計量、マドレーヌ作りに取り組ん
でいます。作業技術だけでなく身だしなみや言葉遣いも学んでいます。
~A部門(肢体不自由教育部門)高等部
作業学習~
A 部門高等部Ⅳグループの作業学習では、以下のねらいで、主に古紙のリサイクルに取り組んでいます。
(1)敬語やあいさつの大切さを理解し、マナーを意識した態度を身につける。
(2)作業を体験する中で、就労に必要な労働意欲や協力する姿勢を身につける。
(3)自分の作業に責任をもち、時間内にやり遂げる実行力を身につける。
古紙をリサイクルできるものとそうでないものに分別したり、スタンプを押したりしています。
3時間という長丁場ではありますが、生徒たちは皆、最後まで集中して丁寧に行う意識をもって、
取り組んでいます。今後は、受注作業や PC を使ったものなどにも取り組んでいき、いろいろな
作業を経験してもらいたいと思っています。
PTA進路部主催
株式会社
進路研修会
報告
キユーピーあい
代表取締役社長
庄司
浩
様
『誰もが働き続けたいと思う会社をめざして』
6月29日(木)
「株式会社キユーピーあい」における障がい者雇用の取組と現状について、具体的なお話し
聞くことができました。
キユーピーグループが掲げる社是“楽業偕悦”社訓“道義を重んずること”“創意工夫に努
めること”“親を大切にすること”を基に、そしてキユーピーあいのめざす姿として“社員一
人ひとりが、会社に雇われているのではなく、自分が会社を支えているという意識に”という
ビジョンで社員数、雇用率、そして売上高を着実に伸ばしています。契約社員からスタートし
ますが、勤務状況により、正社員に移行し、ほとんどの社員が正社員の雇用となっています。
また、社員一人一人の自立をめざすとともに、社訓にもあるように、家族に手紙を添えての餞
別や必要に応じた家庭訪問等、家庭を大切にする独特の取組も魅力です。もちろん、誰もが働
きやすい環境設定、そして社員研修も充実しています。現在の業務内容は以下のとおり多岐に
わたり、様々な障がいのある方が戦力として活躍されています。
名刺印刷、発送業務、ピッキング業務、画像処理、売店・喫茶業務、
経理、照合、労務総務、委託訓練、Web・デザイン、農業
“お客様の笑顔”へつなげるために、
どのような品質改良活動をしたかを
発表する「わくわく発表会」、事業責
等
“お客様の笑顔”へつなげるために、
どのような品質改良活動をしたかを
発表する「わくわく発表会」、事業責
任者会食、バーベキュー、社員旅行、
職業生活を送る上で
保護者に期待すること
※基礎生活面の自立のフォロー
規則正しい生活ができる(食事や睡眠など)
職場にふさわしい身だしなみが整えられる
挨拶や返事ができる
体調管理ができる
ティーボール大会等、社員のモチベ
ーション向上のためのイベントも充
実しています。また、新規事業とし
て仙川事業所、仲河原事業所、渋谷
※安心できる生活環境のフォロー
悩み事等が気軽に本音で話せる環境(親子・支援機関)
無理のないかつ充実した余暇の過ごし方
子どもの障がい(特性)についての理解
事業所の開設等の広がりを見せてい
ます。
最後に、職業生活を送る上で保護
者に期待することでまとめのお話と
※会社との連携
なりました。様々なエピソードをま
じえてお話しいただき、将来に期待
なぜ働くのか、などの働くことについての理解
私生活の環境の変化の情報共有(支援機関とも連携)
人事異動などの環境変化が発生する際のフォロー
仕事のスキルアップ(課題・目標への取組み)への理解応援
感を抱く講演となりました。
◎アンケートにて素敵な感想をたくさんいただきましたので、以下に感想の一部を掲載
いたしました。是非ご覧ください。
◎企業の実際の話が聞けて大変良かったです。戦力としてきちんと働けている事が嬉し
く思いました。先々が不安な毎日ですが、子どもの将来を少し明るく考えていけそう
です。ありがとうございました。
◎とても有意義なお話が伺えて嬉しく思いました。このような企業が増えてくれたら良
いですね。キユーピーという企業の素晴らしさを知ることができました。
◎わかりやすい説明、ステキな会社、やる気をわかりやすくもたせる上手なやり方等伝
わりました。初めに仰っていたように長くいたい、ずっと働き続けたい会社でした。
凄腕営業マン、経営者、柔らかい頭、温かい人柄、謙虚な方であることがわかります。
参加できて lucky でした。
ステキな人に出会うと Power が貰えてもっとがんばろう!と思います。
※PTA進路部では例年6月に企業関係の研修会、12月に福祉関係の研修会を行っています。
今回もとても内容の濃い、素敵な研修会となりました。次回の内容はまだ決まっていませんが、
12月19日(月)10:00~12:00で実施します。是非多数の方にご参加いただきた
いと思います。
町田の丘学園進路だよりでは、地域の施設や支援機関、保護者の皆様からの情報をお待ちしております。
掲載希望の情報がございましたら、進路指導部
<東京都立町田の丘学園>
森山
知也
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