首はパキッと鳴らさず - ファミリーカイロプラクティック三鷹院

WHO ガイドライン準拠 国際基準カイロプラクティック
ファミリーカイロプラクティック三鷹院通信
発行元:有限会社PIONERO
HP:http://mitaka-chiro.com
文責:佃 隆
BLOG:http://blog.mitaka-chiro.com
2009年5月6日発行Vol.15
E-mail: [email protected]
フリーダイヤル 365日10時~21時
0800-888-4270
首はパキッと鳴らさず、ゆっくりストレッチ!
電車の中や、学校の授業中、職
カイロプラクティックでは神経が干渉されている状
場などで首や腰をパキッと鳴らして
態をサブラクセーション(Subluxation)と呼びます。関
いる方、よく見かけますよね。
節が動かなくなっている箇所を手で矯正し、全ての
Q.首、腰などを鳴らすのは
関節を本来の動きに戻し、神経の流れを正常にする
はたしてよいことなのでしょうか?
ことで自然治癒力を高めます。
佃:答えは・・・×。
*注 Sub は「少ない」、lux は「光・力」、ation は「状
身体を動かした時にたまたま音が鳴ってしまう場
合は仕方ありません。でも、自分で(意識的に)鳴ら
態」という意味です。
そもそも、首がパキッと鳴
したり、鳴らなくても首を速く動かしたりするのはその
るのは、首を速く動かした
時はよくても、長期的にみると大変危険です。カイロ
時に液の中のガス(気体成
プラクティック院で相談、検査を受けられるのをお勧
分:二酸化炭素説が有力)
めいたします。
が急激な内圧の変化に伴
「え~、だって首を鳴らさないとなんだか気持ち悪
い、音が鳴ると考えられて
いよ~」「1日1回ぐらいならいいんじゃない」というあ
います。音が鳴ることで骨
なた、1日1回でも、1年間で365回です。首を鳴ら
が擦れているわけではあり
す癖を毎日繰り返していくと、長期的には自分自身
ません。関節はそれぞれ関
でさまざまな症状を引き起こす原因となります。主な
節包(正式には関節腔【くう】)というもので包まれて
症状は、肩こり、首の周りがだるい、重い、頭痛、手
おり、その中には滑液という液体が入っています。文
のシビレ、麻痺、視力の低下、聴力の低下、鼻、喉の
字通り、滑る液が存在することにより関節がスムー
諸症状です。低気圧が近づくと頭痛が出やすいなど
ズに動くようになっています。この関節内圧を下げる
です。
ことにより、瞬間的に液体が気化(Cavitation/空洞現
これは、首の7つの骨の内、特定の関節ばかりに
象~cave:洞窟)します。その時に発せられるのが、
負荷がかかり、関節の可動範囲が広がります。する
パキッ、ポキッという音です。要は液体が気体になる
と、筋肉の大切な働きの1つ、首を「支える」ことがで
時の音なのです。これは1965年にイギリスの
きなくなり、首が落ち着かずどこに首を置いていいか
Patrick D. Wall と Ronald Melzack により、ゲートコント
いかわからないという深刻な状態にもなります。する
ロールという麻酔効果が起こり痛みを多少緩和させ
と、7つの骨の内、一部の関節の可動範囲が極端に
るという研究論文発表されております。
狭くなり、やがて動かなくなります。
理科の実験で見たことありませんか?試
すると、首の骨の中を通る神経を干
験管の液体に対し圧力を下げることでポン
渉し、神経の流れが正常な状態で
ッという音をたてて気体に変化させるのを。
はなくなり、諸症状の原因となりま
あれが関節の内部で起こっているのです。
す。
その後、関節内の気体は徐 々 に 液 体 に
戻ります。その証拠に20分後にはまた、関節はボキ
ボキ音が鳴るようになります。
音が鳴ったからといって関節を正しい位置に矯正
していることにはなりません。わたくしがカイロプラク
ティック施術をする際にも音が鳴る場合と音が鳴らな
右に傾けます
左に傾けます
カイロプラクティック施術の場合は関節機能学に基
右斜め上に
左斜め上に
いて、動くべき方向に矯正を加えているため、カイロ
指で指している筋肉をストレッチしています
い場合があります。施術前後に検査をすると骨格の
矯正はなされており、その効果には違いはありませ
ん。つまり、音の有る無しと、矯正が正しく行われて
いるかいないかとの因果関係は無いのです。また、
プラクティックの施術を受けることで関節を痛めるこ
とはありませんのでご安心ください。
ただし、自分で骨を鳴らし
たり、速く首を動かしている
場合は、矯正の方向性を考
えずに行っているため、音が
下に
上に
●ストレッチポイント
鳴った、又は速く動かした箇
・ゆっくりと頭を動かす
所付近の筋肉や靭帯はミク
・周りの筋肉がじわ~っと伸びているのを感じる
ロのレベルで炎症を起こします。吉田勧持医学・物
・深呼吸しながら行う
理博士によると、「気泡が発生、消滅する際に極めて
・笑顔(^0^)
強力な衝撃波が発生し、この衝撃波が、関節内部の
・ストレッチしている筋肉を意識
軟骨などにあたることで、その表面を極めて細かく侵
・手で頭を押さえない
食、破壊している可能性がある」と言うことです。もっ
首を毎日鳴らしていたり、首を速く動かしたりする
というと自分で首を鳴らしたり、速く動かすと、首の筋
のが癖になっている方はつい鳴らしてしまうこともあ
肉や靭帯に損傷を起こしたります。簡単にいうと自ら
るかと思いますが、少しずつでも回数を減らしていけ
身体に捻挫を作っているということなのです。
るよう、努力しましょう。ご家族や友人にも通信を読
傷ついた軟骨や靭帯(じんたい)を修復するため、
んでいただき、「首を鳴らしていたよ、今の動き速か
関節では軟骨組織の増殖が起きます。その結果、関
ったよ!」と注意してもらえるように頼んでおくのもい
節部分が太くなってしまのです。指を鳴らすと指が太
い手です。というのは、ご本人にとっては習慣となっ
くなるというのは本当なのです。
ているので、首を速く動かしていることに気づいてい
ですので、音の鳴る、鳴らない、痛みの出る、出な
ない場合も多いです。首の音が鳴らしてないから大
いに関わらず、首を早く動かしたり、音を鳴らすのは
丈夫ではなくて、速く動かしていないかチェックしてい
お勧めしません。首が気持ち悪い感じになってきた
ただきたいと思います。
ら、下記のストレッチをお試しください。
● ストレッチ方法
頭の重みだけで、頭を前に、後ろに、右に、左に、
斜めに傾けます。
それぞれ5秒ぐらい保ちます。
頭を傾けて首の周りの筋肉をストレッチするだけ
脳と身体をつないでいる首を大切にしてあげてくだ
さい。ご自身の癖、生活習慣で知らないうちにサブラ
クセーションをつくってしまっては、もったいないで
す。今日から首を鳴らしたり、速く動かしたりしないよ
うにご家族で注意してみてくださいね。
長文読んでいただき、ありがとうございます。
で、首周りもスッキリ。音を鳴らしたり、首を速く動か
●お願い みなさまからのご感想、施術の体験談な
す癖ともサヨナラしましょう。
どいただけたらとても嬉しいです。