平 成 1 0 年 度 預金保険機構年報 平 成1 1 年7 月 預金保険機構 目 次 Ⅰ.組織の概要 1.法人格、出資金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.運営委員会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3.責任解明委員会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 4.組織改正 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 5.各部の業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 Ⅱ.平成10 年度の業務概況 1. 概況 (1)平成 10 年度中の金融・経済動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 (2)主な制度改正の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 (3)預金保険法に基づく資金援助発動状況の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (4)金融機能再生法に基づく破綻処理等の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (5)早期健全化法に基づく資本増強の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (6)財産調査権と調査実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (7)責任追及の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 (8)資金調達の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 (9)大蔵省(金融審議会)及び金融再生委員会における「特別保険料」の議論 ・・・・・・・ 13 2.平成 10 年度の制度改正及び組織改正 (1)金融機能再生法及び早期健全化法の制定等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 (2)金融再生部の新設と主な業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 (3)住管機構と整理回収銀行の統合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 3.住管機構及び整理回収銀行の回収実績等 (1)債権回収実績等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 (2)不動産の管理・処分実績等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 4.財務状況 (1)一般勘定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 (2)特例業務勘定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 (3)金融再生勘定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 (4)金融機能早期健全化勘定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 (5)特定住宅金融専門会社債権債務処理勘定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 (6)金融危機管理勘定の廃止 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 第1表 平成 10 事業年度損益 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 第2表 貸借対照表及び損益計算書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 (一般勘定) (特例業務勘定) (金融再生勘定) (金融機能早期健全化勘定) (特定住宅金融専門会社債権債務処理勘定) (金融危機管理勘定) Ⅲ.制度改正に伴う新規業務 1.金融整理管財人に関する業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 2.承継銀行の設立等に関する業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 3.特別公的管理に関する業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 4.金融機関等からの資産買取りに関する業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 5.金融機関等の資本増強に関する業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 Ⅳ.資料編 1. 預金保険制度の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 2. 預金保険制度の拡充・整備経過 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52 3. 協定銀行・特定協定銀行(整理回収銀行)及び住専処理に関する 特例措置の拡充・整備経過 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54 4. 平成 10 年度中の主な出来事 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55 5. 責任追及体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 6. 告発状況一覧表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 7. 民事責任追及一覧表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 8. 資金援助の実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63 9. 資金援助スキーム図(平成 10 年度中)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68 10. 預金保険機構と住管機構・整理回収銀行の回収業務の関係(概要)・・・・・・・・・・・・・ 70 11. 住管機構と整理回収銀行の回収実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 12. 金融機能再生法による金融機関の破綻等処理スキーム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 72 13. 早期健全化法による金融機関等の資本増強スキーム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 75 14. 早期健全化法に基づく資本増強一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76 15. 預金保険機構における資金調達の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 16. 運営委員会の開催状況(平成 10 年度中)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79 17. 金融危機管理審査委員会の開催状況(平成 10 年度中) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82 18. 統計資料 第1表 年度別収支状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 83 第2表 被保険預金残高と責任準備金の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 第3表 預金保険対象金融機関数の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 85 第4表 業態別被保険預金残高の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86 19. 運営委員、役員等一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88 20. 預金保険機構組織図 (平成 11 年 3 月 31 日現在)及び(平成 11 年 4 月 1 日現在)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90 Ⅰ.組織の概要 1.法人格、出資金 預金保険機構(以下「機構」という。)は、預金保険制度の運営のため、預金保 険法に基づき昭和 46 年 7 月 1 日に設立された特別法人である。 機構の資本金は、54 億 5,500 万円であり、その出資者及び勘定別の内訳は、一 般勘定に政府及び日本銀行が各 1 億 5,000 万円、民間金融機関が 1 億 5,500 万円の 計 4 億 5,500 万円、特定住宅金融専門会社債権債務処理勘定(以下「住専勘定」と いう。)に政府が 50 億円となっている。 2.運営委員会 機構には、意思決定機関として運営委員会が設けられている。運営委員会は、運 営委員(8 名以内)及び機構の理事長、理事をもって構成されている(定足数:委 員長<理事長>又は委員長に事故がある場合の代理者のほか、委員及び理事のうち 6 名以上)。同委員会では、定款・業務方法書の変更、保険金及び仮払金の支払の 決定、預金等債権の買取りに係る概算払率等の決定、資金援助の決定、一般保険料 率の変更、予算・決算など、機構の運営に関する重要事項の議決を行っている。 運営委員は、金融に関して専門的な知識と経験を有する者の中から機構の理事長 が金融再生委員会及び大蔵大臣の認可を得て任命することとされており、現在、全 国銀行協会連合会会長(注)などが委員に任命されている(資料編 19.「運営委員、 役員等一覧」参照)。 (注)全国銀行協会連合会は、平成 11 年 4 月 20 日に、 「全国銀行協会」へ名称変更。 3.責任解明委員会 平成 10 年 2 月の預金保険法の改正により、機構の理事長は、整理回収業務に関 する協定に基づく業務を効率的に実施するために必要な体制整備を図る旨の規定が ― 1 ― 設けられ、従来以上に責任追及への法的要請が強められた。これを受けて、同年 2 月 3 日、破綻金融機関及び旧住宅金融専門会社等の経営者、債務者等の刑事、民事 上の責任の所在を明らかにし、刑事告発、損害賠償請求その他所要の措置を適確に 行うため、理事長を委員長、神谷尚男(元検事総長)、阿部三郎(元日弁連会長)、 藤田耕三(元広島高裁長官)及び國松孝次(前警察庁長官)の 4 氏を特別顧問とす る責任解明委員会を設置し、平成 10 年度中 10 回の責任解明委員会を開催し、重要 な責任追及案件を審議した。 4.組織改正 (1)広報体制の拡充 金融機関の破綻の増加、大型化に伴い、機構役員に対するマスコミからの取材申 し込みや運営委員会に係る記者会見等について適確に対処するため、平成 10 年 4 月 1 日、総務部に広報室を新設するとともに、預金保険制度等に対する預金者等国 民一般からの照会に対応するため、預金保険部法務課を総務部に移管し、法務室と した。 また、機構の業務運営に関する情報を預金者等国民一般に迅速かつ正確に提供す るため、ホームページを平成 11 年 3 月 4 日に開設した。 (2)金融再生部の新設等 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(以下「金融機能再生法」という。) 及び金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律(以下「早期健全化法」 という。)の制定に伴い、平成 10 年 10 月 23 日、承継銀行及び特別公的管理銀行の 管理並びに金融整理管財人に関する事務等を担当する金融再生部、大阪預金保険部 金融整理室を新設した。 なお、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律(以下「金融機能安定化 法」という。)が平成 10 年 10 月 23 日付で廃止されたことに伴い、金融危機管理審 査委員会及び同事務局を廃止した。 ― 2 ― (3)預金保険部の拡充 預金保険制度の改正等により機構の業務が多様化したほか、金融機関の破綻の増 加と大型化に適確に対処し、破綻処理を迅速に実施するため、平成 10 年 4 月 1 日、 東京の預金保険部に預金保険制度全般の企画・総合調整を担当する企画調査課及び 北海道拓殖銀行の破綻処理を担当する企画第三課をそれぞれ新設するとともに、業 務課をシステム課に改称した。また、同日付で、大阪に関西以西の金融機関の破綻 処理を担当する大阪預金保険部を新設した(大阪特別業務部と併せて大阪本部と総 称)。 (4)特別業務部の拡充 株式会社住宅金融債権管理機構(以下「住管機構」という。)の譲受債権にのみ 適用されていた機構の罰則付調査権(現況確認、質問、帳簿提示要求等)が株式会 社整理回収銀行(以下「整理回収銀行」という。)の譲受債権についても適用され ることになり、調査権限が強化されたことに伴い、東京・大阪とも平成 10 年 4 月 1 日に、主として整理回収銀行の譲受債権に対応する特別調査第三課を新設すると ともに、特別調査課を特別調査第一課に、特別整理課を特別調査第二課にそれぞれ 改称した(主として住管機構の譲受債権に対応した組織変更)。 5.各部の業務 (1)総務部 総務部は、機構の事務の総合調整、運営委員会の開催、広報、人事、組織定員、 予算及び決算等に関する事務並びに他の部の所掌に属さない事務を所掌している。 なお、総務部には、総務課、経理第一課、経理第二課、広報室、法務室の 3 課 2 室が置かれている(注)。 (注)平成 11 年 4 月 1 日には、特別業務部管理第一課を総務部に移管し、企画課に改称し た。 ― 3 ― (2)金融再生部 金融再生部は、金融整理管財人等の業務、承継銀行の設立及び経営管理等に関す る業務、特別公的管理に関する業務、金融機関等からの資産の買取り及び資本増強 等の業務を所掌している。 なお、金融再生部には、企画管理課、健全業務課、再生業務課、金融整理課の 4 課が置かれており、大阪にあっては、大阪預金保険部金融整理室が同事務を所掌し ている。 (3)預金保険部 預金保険部は、保険料の収納、保険金等の支払、資金援助、預金等債権の買取り 及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下「更生特例法」という。) に基づく預金者表の作成等の事務を所掌している。 なお、預金保険部には、企画調査課、企画第一課、企画第二課、企画第三課、資 金課(注)、システム課の 6 課が置かれている。 (注)平成 11 年 4 月 1 日には、資金課を資金企画課及び資金業務課に分課した。 (4)特別業務部 特別業務部は、住管機構及び整理回収銀行(以下「住管機構等」という。)に対 する指導及び助言、住管機構等の譲受債権等に係る債務者等の調査、住管機構等か らの委託に基づく取立て並びに買取資産の管理、回収及び処分等の事務を所掌して いる。 なお、特別業務部には、管理第一課、管理第二課、指導課、機動調査課、特別調 査第一課、特別調査第二課、特別調査第三課の 7 課が置かれており(注)、大阪にあ っては、大阪特別業務部及び大阪預金保険部管理室が同事務を所掌している。 (注) 平成 11 年 4 月 1 日には、管理第一課を総務部に移管し、管理第二課を管理課に改称 し、また、特別業務部札幌分室を新設した。 ― 4 ― (5)大阪預金保険部 大阪預金保険部は、大阪本部の総務及び経理に係る事務並びに大阪本部の事務の 総合調整のほか、住管機構等の基本的事項に係る指導及び助言等並びに買取資産の 管理・回収及び処分等の事務、金融整理管財人等の業務、保険金等の支払・資金援 助・預金等債権の買取り等の事務のうち、主として関西以西の地区に係るものを所 掌している。 なお、大阪預金保険部には、総務課、管理室、金融整理室、企画第一課、企画第 二課の 3 課 2 室が置かれている。 (6)大阪特別業務部 大阪特別業務部は、住管機構等に対する指導及び助言、住管機構等の譲受債権等 に係る債務者等の調査、住管機構等からの委託に基づく取立て並びに買取資産の管 理、回収及び処分等の事務のうち、主として関西以西の地区に係るもの(大阪預金 保険部管理室の所掌に属するものを除く。)を所掌している。 なお、大阪特別業務部には、指導課、特別調査第一課、特別調査第二課、特別調 査第三課の 4 課(注)が置かれている。 (注)平成 11 年 4 月 1 日には、機動調査課を新設した。 ― 5 ― Ⅱ.平成 10 年度の業務概況 1.概況 (1)平成 10 年度中の金融・経済動向 平成 10 年度の我が国経済動向をみると、金融機関の経営に対する信頼性低下、 雇用情勢悪化などが重なって、家計や企業のマインドが冷え込み、個人消費、設備 投資、住宅投資といった最終需要が大きく低迷するなど、極めて厳しい状況に直面 した。このため、政府は、平成 10 年 4 月に 16 兆円超規模の「総合経済対策」、11 月には 17 兆円超規模の「緊急経済対策」などの景気対策を実施し、これら各種政 策効果に下支えられて、年度末近くには景況は下げ止まりの様相を呈しはじめた。 また、金融資本市場では、株価の下落、長期金利の低下傾向が続く中、日本長期 信用銀行や日本債券信用銀行が破綻するなど、昨年度同様、内外市場において広範 な業務展開を行っている大規模な銀行を含む多数の金融機関の経営破綻が相次ぎ、 我が国の金融システムは、不安定な状況に陥った。政府は、このような金融システ ムに対する内外の信認を回復し、その安定を図るため、金融再生関連二法の制定等 により公的資金枠を整備・拡充するとともに、中小・中堅企業等の資金需要に適確 に応えられるよう、政府系金融機関の資金量の十分な確保や各信用保証制度の拡 充・強化を図り、信用収縮の防止に努めた。 このように、金融機能再生法・早期健全化法の成立等により、破綻処理及び不良 債権問題への対応のための制度面での整備は大きく進展した。今後は、金融機関が 不良債権のバランスシートからの切り離しや金融再編の流れも視野に入れた経営の 再構築等の面で市場の信認を確保することが最重要課題となっている。 (2)主な制度改正の概要 平成 11 年度の機構を取巻く環境をみると、金融機関の破綻が相次ぐ中、破綻処 理の原則を定めるとともに、金融機関等の不良債権の早期処理と資本増強により、 金融システムの再構築を図ることを目的として、平成 10 年 10 月、金融機能再生法、 早期健全化法の制定及び預金保険法等の改正が行われた。これにより、健全な金融 − 6 − 機関はより強く、存続不可能な金融機関には秩序ある撤退を促す仕組みが確保された。 これら法律の施行により、機構に ①金融整理管財人業務、②承継銀行の設立及 び経営管理等に関する業務、③特別公的管理銀行の株式取得・役員選任等の業務、 ④金融機関等からの資産買取りに関する業務、⑤金融機関等の自己資本増強に関す る業務、⑥住管機構と整理回収銀行との合併(日本版RTC)に関する業務等が加わ った。 機構としては、これらの業務に適切に対応するため、金融再生部及び大阪預金保 険部金融整理室を新設した。 また、これらの施策を円滑に推進するための財政上の措置として、従来の特例業 務勘定に設けられた 17 兆円(7 兆円の交付国債、10 兆円の政府保証枠)の公的資 金に加え、新たに設置された金融再生勘定に 18 兆円、金融機能早期健全化勘定 (以下「早期健全化勘定」という。)に 25 兆円の政府保証枠が設けられた。 この間、金融機能再生法に基づき、平成 10 年 10 月 23 日には日本長期信用銀行 に、同年 12 月 13 日には日本債券信用銀行に対して特別公的管理の開始の決定がな され、新たな破綻処理策が実施されたほか、平成 11 年 3 月には、早期健全化法に 基づき、主要 15 行に対し、総額約 7 兆 5,000 億円の資本増強策が実施された。 (3)預金保険法に基づく資金援助発動状況の概要 平成 10 年度中には、資金援助を 30 件(うちペイオフ・コストを超える特別資金 援助を 27 件、特定合併に係る資金援助を1件)実施した。 (4)金融機能再生法に基づく破綻処理等の概要 機構の金融機能再生法に基づく主な業務は、破綻した金融機関の金融整理管財人 による管理に係る業務、破綻した金融機関の業務承継(いわゆる公的ブリッジバン ク)に係る業務、破綻銀行又は破綻のおそれのある銀行の特別公的管理に係る業務 及び一般金融機関等からの資産の買取りに係る業務である(資料編12.「金融機 能再生法による金融機関の破綻等処理スキーム」参照)。 平成 10 年度においては、日本長期信用銀行及び日本債券信用銀行に対して、特 別公的管理の開始の決定が行われ、機構は、特別公的管理銀行である両行に対して、 − 7 − 機構が特別公的管理銀行の株式を取得することに伴う業務(旧株主に対する周知、 金融再生委員会に対する資産判定の求め等)、金融再生委員会の指名した役員の選 任を行うとともに、金融再生委員会(金融再生委員会設立前は内閣総理大臣。以下 同じ。)の承認を受けて、特別公的管理銀行の業務に必要な資金の貸付け等を実施 した。 平成 10 年度における両行の金融機能再生法による手続の流れ、貸付実績は次の とおりである。 1)金融機能再生法による手続の流れ ① 日本長期信用銀行 年月日 内 容 H10.10.23 内閣総理大臣による特別公的管理開始決定、株式取得決定(機構による株式取得) 10.28 内閣総理大臣による特別公的管理開始決定、株式取得決定の公告(公告時に機構 が株式取得) 10.29 機構が株式を取得した旨の旧株主等への周知(全国紙 5 紙に掲載) 11. 4 新役員の選任(金融再生委員会の指名に基づき、取締役 7 名、監査役 3 名を選任) 11. 8 内閣総理大臣に対する資産判定の求め(保有すべき資産として適当であるか否かの 判定) H11. 2.19 金融再生委員会による資産判定(資産総額約 24 兆 6,000 億円、適資産約 19 兆 4,000 億円、不適資産約 5 兆円、回収済資産約 2,000 億円) 3.30 株価算定委員会による取得株式の対価の決定(対価 0 円、公告時の純資産額約△2 兆 6,500 億円) 3.31 金融再生委員会による株価の対価の決定の公告 株式の対価の支払方法等について官報掲載(対価が 0 円であるため、定めない旨) − 8 − ② 日本債券信用銀行 年月日 内 容 H10.12.13 内閣総理大臣による特別公的管理開始決定、株式取得決定(機構による株式取得) 12.17 内閣総理大臣による特別公的管理開始決定、株式取得決定の公告(公告時に機構が 株式取得) 12.18 機構が株式を取得した旨の旧株主等への周知(全国紙 5 紙に掲載) 金融再生委員会に対する資産判定の求め(保有すべき資産として適当であるか否か の判定) 12.25 新役員の選任(金融再生委員会の指名に基づき、取締役 6 名、監査役 3 名を選任) H11. 5.24 金融再生委員会による資産判定(資産総額約 11 兆 4,000 億円、適資産約 6 兆 6,000 億円、不適資産約 4 兆円、回収済資産約 9,000 億円) 6.14 株価算定委員会による株式の取得対価の決定(対価 0 円、公告時の純資産額約△3 兆 500 億円) 6.15 金融再生委員会による株価の対価の決定の公告 株式の対価の支払方法等について官報掲載(対価が 0 円であるため、定めない旨) 2)特別公的管理銀行に対する資金の貸付け等 機構は、平成 10 年度において、日本長期信用銀行に対して 3 兆 7,000 億円(う ち 1 兆円返済)、日本債券信用銀行に対して 5,000 億円(うち 2,000 億円返済)、合 わせて 4 兆 2,000 億円(うち 1 兆 2,000 億円返済)の資金の貸付けを実施した。 (特別公的管理銀行に対する貸付実績) 日本長期信用銀行 (H10.10.23 開始決定) 年月日 貸付額 H10.10.23 11.4 1.30 12.25 12.29 H11. 2. 8 3.15 3.26 H11. 4.23 5. 6 30,000 4,000 3,000 5. 6 22,000 (同額借換) 返済額 (単位:億円) 日本債券信用銀行 (H10.12.13 開始決定) 貸付額 返済額 2,000 3,000 2,000 3,000 5,000 5,000 22,000 (期日返済) − 9 − 2,000 3,000 (5)早期健全化法に基づく資本増強の概要 機構は、早期健全化法に基づいて、協定銀行(整理回収銀行<平成 11 年 4 月 1 日の住管機構との合併以降は整理回収機構となった。以下同じ。>)に委託して金 融機関等の発行する株式等の引受け等に係る業務を行っている。この業務の主なも のとして、機構は、株式等の引受け等を協定銀行に委託するほか、協定銀行が株式 等の引受け等のために必要とする資金等業務の円滑な実施のために必要な資金の貸 付け、債務の保証、協定銀行の業務の実施により生じた損失の補てん、協定銀行に よる議決権その他の株主としての権利の行使についての承認、協定銀行による株式 等の処分についての承認等を行うこととされている。 平成 10 年度においては、早期健全化法施行(平成 10 年 10 月 23 日)後の平成 10 年 11 月 5 日に整理回収銀行と株式等の引受け等並びに取得株式等及び取得貸付 債権の処分等の業務の委託に関する協定を締結した。また、機構は、平成 11 年 3 月 4 日、主要銀行を中心とする 15 行から協定銀行との連名で総額 7 兆 4,592 億 5,000 万円の株式等の引受け等に係る申請を受け、同日、金融再生委員会に対し、 当該株式等の引受け等の承認申請を行った。同月 12 日、金融再生委員会により申 請額どおりの株式等の引受け等の承認が行われ、機構は、当該承認に基づき、同月 30 日に株式等の引受け等に必要な資金を協定銀行に貸し付け、協定銀行は、同日、 協定に基づき、総額 7 兆 4,592 億 5,000 万円の株式等の引受け等を実施した(資料 編 14.「早期健全化法に基づく資本増強一覧」参照)。 (6)財産調査権と調査実績 特別業務部は、住管機構及び整理回収銀行の有する不良債権の回収を支援するた め、債権回収に関する広範囲にわたる指導・助言を行っているが、その中にあって、 特別調査課は財産調査権を活用した隠匿財産の発見に向けて強力に取り組んで いる。 特別調査課は、東京・大阪の特別業務部内にそれぞれ 3 課を置き、国税・金融界 出身者を中心として、警察、検察(法務)、厚生、労働、税関など多様な組織出身 者によって組織された調査の専門集団である。 − 10 − 財産調査権は罰則付の調査権であり、調査の内容は、金融機関調査、債務者及び 関係箇所への立入調査、債務者及び関係者に対する質問調査が主たるものである。 この財産調査権を活用した綿密かつ深度ある調査により、債務者が隠匿した財産 を白日のもとに晒し、両機関の不良債権の回収業務を強力に支援している。 これまでの財産隠匿の事例としては、①破綻直前の金融機関から引き出した預金 をダミー会社名義を使ったり、口座を転々と変えるなどの手口で 1,200 億円余を隠 していたもの、②銀行口座から現金を引き出した後、関係者名義の銀行の貸金庫に 現金 10 億円を隠していたもの、③自宅のベランダの物陰に 2,000 万円の現金を隠 していたものなどがある。 一般的に回収が困難とされている不良債権(第Ⅳ分類)の回収が図られているの は特別調査課による財産調査に負うところが大きい。 (参考)平成 10 年度 特別業務部 財産調査実績 区 分 調査件数 左 の う ち 立入調査件数 確認(隠匿) 資 産 住 管 機 構 分 164 件 56 件 917 億円 整理回収銀行分 81 件 11 件 122 億円 245 件 57 件 1,039 億円 計 (注)発足(平成 8 年 6 月 26 日)以来の確認資産の累計は 3,049 億円である。 (7)責任追及の概要 刑事責任の追及については、機構グループとして、平成 10 年度中 57 件(被告発人 103 名)の告発をした。特別業務部設置以来の累計告発件数は、平成 11 年 3 月 25 日 の告発で 100 件(同 187 名)となった。 告発事案で多い罪名としては、競売妨害罪(30 件)、詐欺罪(21 件)、強制執行 妨害罪(19 件)である。これらの事案を犯罪の形態別にみると、競売妨害事案と しては、裁判所の執行官に対する虚偽申告などの偽計によるもの、詐欺事案として は、抵当物件を任意売却するに際して売却価格を実際より廉価であるように装って − 11 − 抵当権者に申告して抵当権を抹消させるいわゆる中抜き詐欺の形態によるもの、強 制執行妨害事案としては、賃貸料の隠匿や不動産を仮装譲渡するものが多い。特異 な事案としては、破産宣告が確定した債務者が資産を隠匿するなどした破産法違反 (詐欺破産罪)がある。 最近の犯罪の特徴としては、資産の隠匿や仮装譲渡のような知能犯的な事案が多 くなり、犯行方法は悪質、巧妙かつ潜在化している。 破綻金融機関の経営者責任の追及としては、平成 10 年度中、三福信組(平成 10 年 5 月)、北海道拓殖銀行(平成 11 年 3 月)の旧経営者を背任、特別背任で告発し た。その他、経営者ではないが貸し手責任として旧北海道拓殖銀行の元支店長(平 成 10 年 12 月)を特別背任で告発した。 民事責任の追及については、機構グループとして、旧住宅金融専門会社の経営者 及び破綻した金融機関の旧経営者等に対し、融資に際しての善管注意義務・忠実義 務違反を中心として、平成 10 年度中 16 件 235 億 2,000 万円の損害賠償請求訴訟を 提起し、累計で提訴件数 22 件、請求金額 423 億 2,000 万円となった。 特異なものとしては、平成 10 年 6 月、住管機構が住友銀行に対し、同行が旧地 銀生保住宅ローン等に対して融資先を紹介するに当たり、借り手に関する正確な情 報提供を行うべき融資媒介契約上の義務に反して虚偽の情報を提供し、又は重要な 情報を秘匿するなどして損害を与えたとして損害賠償請求訴訟(注)を提起中のとこ ろ、平成 11 年 2 月、同行が責任を認めて 30 億円を支払うことで和解した事案、平 成 10 年 12 月、整理回収銀行が旧北海道拓殖銀行の元頭取を含む役員等 13 名に対 し、融資に際しての善管注意義務違反で計 4 件、総額 108 億円の損害賠償請求訴訟 を提起した事案がある。 (注)機構も補助参加。 (8)資金調達の概要 機構の資金調達に関しては、一般勘定、特例業務勘定、金融再生勘定、金融機能 早期健全化勘定の各勘定毎に政令で定められた金額の範囲内で借入れ又は債券発行 による形態での資金調達が認められている(注)。なお、上記 4 勘定については、法 令上、政府保証の付与が可能であるものの、現状では一般勘定以外の勘定の資金調 達に、予算上の政府保証措置が講じられている。 − 12 − 現状の資金調達は、借入れのみであり、平成 11 年 3 月末時点の残高は、約 16 兆 円(前年同期比約 13 兆円の増加)に達している。また、借入先は、日本銀行と民 間(金融機関等)であるが、民間からの資金調達に最大限努力しているところであ り、平成 10 年 10 月の預金保険法改正・新法(金融機能再生法、早期健全化法)制 定による借入先の範囲の拡大(それまでの預金保険対象機関等に加え、外国銀行、 生命保険会社等まで対象を拡大)もあって、民間借入のシェアが高まっている(平 成 10 年 3 月末約 3 割→平成 11 年 3 月末約 6 割)。とくに、平成 11 年 3 月には、主 要行に対する資本増強原資として金融機能早期健全化勘定において、約 7.5 兆円の 所要額のうち 6.3 兆円もの資金を民間から金利入札形式で調達した。 (注)住専勘定についても、政府の出資額の範囲で資金の借入れ(借換えを含む。)をする ことが認められている。 (9)大蔵省(金融審議会)及び金融再生委員会における「特別保険料」の議論 平成 8 年 6 月の法改正により、預金保険加入金融機関は、平成 12 年度までの間、 特別資金援助の実施等特例業務を行うために設けられた特別勘定の原資として、特 別保険料を納付することが義務づけられている。特別保険料率は政令で定められる ことになっているが、預金保険法施行令附則第 2 条により、「遅くとも平成 10 年度 末までに、預金保険機構の預金保険法附則第 19 条第 1 項に規定する特例業務の実 施状況を踏まえて検討を行うものとする」とされている。 このため、大蔵省(金融審議会)及び金融再生委員会において特別保険料率につ いてそれぞれ検討が行われた。大蔵省においては、平成 11 年 3 月 19 日、大蔵大臣 の諮問機関である金融審議会総会において、以下の点を総合的に勘案し、「残る 2 年間の特別保険料の料率については、これ(現行の 0.036%)を据え置くことが適 当である」旨の考え方が示されたことを受け、特別保険料の料率が決定され、また、 金融再生委員会においても同日、同様の議決が行われた。 ・預金保険機構の特例業務勘定において、平成 8 年度から平成 12 年度までの 5 年 間の財源見込み額が約 1.0 兆円であるのに対して、現段階における実行済の金銭 贈与額は約 2.2 兆円であり、こうした特例業務の実施状況を踏まえると、特別保 険料の料率は引き下げ得るような状況にはないと考えられる。 − 13 − ・平成 9 年度において、預金保険対象金融機関全体の業務純益等に対する保険料の 負担割合は 6.46%であるが、多くの業態においては既に 8%を超えており、金融 機関の財務状況等を勘案すると、特別保険料の料率を引き上げることは困難な状 況にあると考えられる。 − 14 − 2.平成 10 年度の制度改正及び組織改正 (1)金融機能再生法及び早期健全化法の制定等 1)金融機能再生法の制定と金融機能安定化法の廃止 金融機関の破綻が相次いで発生し、我が国の金融の機能が大きく低下するととも に、我が国の金融システムに対する内外の信頼が失われつつある状況のなかで、我 が国の金融の機能の安定及びその再生を図り、もって信用秩序の維持と預金者等の 保護を確保することを目的とした金融機能再生法が、平成 10 年 10 月 16 日に公布、 同月 23 日に施行された。金融機能再生法では、金融機関の破綻の処理の原則、金 融機関の財務内容等の透明性の確保のための措置を定めるとともに、平成 13 年 3 月 31 日までの措置として、各種の緊急措置の制度が定められている。 金融機関の破綻処理の原則として、①破綻金融機関の財務内容その他の経営状況 の開示、②経営の健全性確保が困難な金融機関を存続させないこと、③破綻金融機 関の株主及び経営者等の責任の明確化、④預金者等の保護、⑤金融機関の金融仲介 機能の維持、⑥金融機関の破綻処理費用の最小化が定められている。 金融機能再生法では、金融機関に対する金融整理管財人による管理、破綻した金 融機関の業務承継(承継銀行)、銀行の特別公的管理の制度が新たに整備され、金 融再生委員会の決定等に基づき、金融機関の破綻処理が行われる。さらに、金融機 関等の不良債権処理を進めるために、機構が、特定協定銀行(整理回収機構)に委 託して金融機関等から資産の買取りを行うことができることとした。金融機能再生 法に基づき、機構に金融再生業務を行うための金融再生勘定(政府保証枠 18 兆円) が設置された。 なお、金融機能再生法の施行に伴い、金融機能安定化法が廃止され、同法による 金融機関等の優先株式等の引受け等に係る業務を行うための金融危機管理勘定(政 府保証枠 10 兆円、交付国債 3 兆円)は廃止され、同勘定の交付国債(3 兆円)は 政府に返還されるとともに、これを除く資産及び負債は、金融再生勘定に帰属する ことになった。 ― 15 ― 2)早期健全化法の制定 我が国の金融システムに対する内外の信頼を回復することが現下の喫緊の課題で あることにかんがみ、金融機関等の不良債権の処理を速やかに進めるとともに、金 融機関等の資本の増強に関する緊急措置の制度を設けること等により我が国の金融 機能の早期健全化を図り、金融システムの再構築と我が国の経済の活性化に資する ことを目的とした早期健全化法が、平成 10 年 10 月 22 日に公布、同月 23 日に施行 された。早期健全化法では、金融機能の早期健全化のための施策を講ずる原則が定 められるとともに、平成 13 年 3 月 31 日までの措置として金融機関等の資本の増強 に関する緊急措置が定められている。 金融機能の早期健全化のための施策を講ずる原則として、①我が国の金融機能に 著しい障害が生ずる事態の未然の防止、②金融機関等の経営の合理化並びに経営責 任及び株主責任の明確化を図ること、③金融機関等の再編を促進すること等により 金融システムの効率化を図ること、④我が国の金融機能の早期健全化を図る等早期 健全化法の目的を達成するための社会経済的費用の最小化、⑤早期是正措置との効 果的な連携の確保、⑥情報等の適切かつ十分な開示が定められている。 金融機関等の資本の増強に関する緊急措置として、金融機関等が発行する株式等 を機構が協定銀行に委託して引受け等を行う措置が定められている。 早期健全化法に基づき、機構に早期健全化業務を行うための金融機能早期健全化 勘定(政府保証枠 25 兆円)が設置された。 (2)金融再生部の新設と主な業務 金融機能再生法及び早期健全化法の施行に伴い、機構に新たな業務が加わるとと もに、金融機能安定化法が廃止され、金融機能安定化法による機構の業務が一部を 除き廃止されたことから、平成 10 年 10 月 23 日、金融危機管理審査委員会及び同 事務局を廃止し、機構において金融機能再生法及び早期健全化法による業務を行う ため、金融再生部を新設した。なお、金融再生部内には、特別公的管理、承継銀行 に関する業務を行う企画管理課、早期健全化法による業務を行う健全業務課及び再 生業務課、金融整理管財人に関する業務を行う金融整理課の 4 課を設けるとともに、 大阪預金保険部内に金融整理管財人に関する業務を行う金融整理室を新設した。 ― 16 ― (3)住管機構と整理回収銀行の統合 平成 10 年 10 月の預金保険法及び特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進 等に関する特別措置法(以下「住専法」という。)の改正により、公正・透明な手 法をもって不良債権の早期かつ効率的な回収に努め、投入される公的資金を最小化 することを目的として、住管機構と整理回収銀行を一体とした株式会社組織として、 整理回収機構を創設するという政策に対応するための規定が設けられた。これを受 けて、同年 12 月 25 日、住管機構と整理回収銀行との間で合併契約書が締結され、 平成 11 年 2 月 19 日、両社の株主総会における合併契約書の承認決議を経て、同年 4 月 1 日、住管機構と整理回収銀行が合併し、整理回収機構が発足した。 整理回収機構は、住宅金融専門会社(7 社)、破綻金融機関等から譲り受け又は 買い取った資産の管理、回収及び処分を行うことのほか、いわゆる金融機関等の自 己資本充実に係る業務、一般金融機関等からの資産買取り及び預金保険法その他の 法律により銀行が営むことのできる業務を行うことを目的としている。 また、整理回収機構創設に際しては、同社を当機構の 100%子会社とすることと されたことから(注1)、当機構は、預金保険法附則第 9 条の規定に基づき、日本銀 行及び 145 の金融機関から整理回収銀行株式 791,700 株の買取りを実施している(平 成 11 年 3 月 23 日売買契約書締結、同月 25 日資金決済)(注2)。 (注1)住管機構は、設立当初より当機構の 100%子会社。 (注2)整理回収銀行については、東京共同銀行からの改組当時(平成 8 年 9 月 2 日)の当 機構の出資比率は 75%(2,400 千株)で、残り 25%は日銀(400 千株、12.5%) 、150 金融機関(400 千株、12.5%)であった。その後、阪和銀行、北海道拓殖銀行、德陽 シティ銀行、京都共栄銀行、みどり銀行の破綻処理に際して、当機構が 8,300 株を取 得している。 ― 17 ― 3.住管機構及び整理回収銀行の回収実績等 (1)債権回収実績等 機構は、住専法及び預金保険法に基づく特例業務として、住管機構及び整理回収 銀行の業務の実施に必要な指導・助言を行っており、その内容は、財産調査権を活 用した隠匿財産の発見による回収業務の支援のほか、関係者の民事・刑事上の責任 追及等への指導・助言等を含む広範囲のものとなっている。 債権回収等に係る平成 10 年度の実績として、債権回収額は住管機構が 6,340 億円 (譲受時からの累計 15,501 億円)、整理回収銀行(阪和銀行債権の回収受託分を含 む。)が 2,618 億円(同 3,475 億円)。両者の告発件数は、住管機構が 38 件(同 77 件)、整理回収銀行が 19 件(同 23 件)(資料編 6.「告発状況一覧表」参照)。損 害賠償請求権の行使は、機構が 3 件・ 5 億円(同 3 件・ 5 億円)、住管機構が 2 件・ 50 億円(同 3 件・ 86 億円)、整理回収銀行が 11 件・ 180 億円(同 16 件・ 332 億円) (資料編 7.「民事責任追及状況一覧表」参照)。機構による隠匿財産の発見は、1,039 億円(同 3,049 億円)となっている。 (2)不動産の管理・処分実績等 不動産(自己所有不動産及び担保不動産)の管理及び処分の適正化・効率化は、 不良債権の早期処理上、極めて重要となっていることから、平成 8 年 10 月に機構、 住管機構及び整理回収銀行で三者不動産協議会を設け、不動産の効率的な管理手法、 適切な有効利用方策、価格動向及び証券化を含めた処分方法等について、研究・検 討を重ねてきた。 この間、機構においては、三者不動産協議会における研究・検討の一端として、 平成 9 年に競売制度の改善(迅速化、効率化等)について提言をとりまとめた上、 関係機関等に対して所要の検討を要請し、さらに平成 10 年には、具体的な法改正事 項に係る要望を行った。また、公正かつ透明なルールに従い処分の適正さを確保で きるような方法での処分を図るため、住管機構及び整理回収銀行の不動産のデータ ベース化や処分不動産の指定流通機構(レインズ)登録、インターネット・ホーム ページへの不動産売却情報の掲載等に係る指導・助言をはじめ、公用・公共用地と − 18 − しての売却の促進、住宅・都市整備公団や民間都市開発推進機構との連携の確保等 を両機関とともに図ってきたところである。 競売制度の改善に係る法改正要望事項については、平成 10 年 10 月に公布された 「競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律」による民事執行 法、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律、不動産登記法等の一部改 正及び「特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する法律」によって、 その多くが実現をみた。住管機構及び整理回収銀行においては、債務者の任意売却 を中心としつつ、このような制度改正が行われた競売も積極的に活用して担保不動 産売却の促進を図っている。 また、平成 10 年度からは所有不動産の本格的な売却が始まり、住管機構は 486 億 円(譲受時からの累計 579 億円)、整理回収銀行(阪和銀行所有不動産の管理等受 託分を含む。)は 98 億円(同 150 億円)を売却した。この売却に当たっては、機構 と整理回収銀行において、多数物件を一括して管理信託し、回収額の最大化を図り つつ売却を個別に行う管理処分方法をとることによって効率化を図る取組みも行っ た。 住管機構及び整理回収銀行が譲受時から平成 10 年度末までに売却した所有・担保 不動産のうち、公用・公共用地としての売却は、313 億円(うち、平成 10 年度に創 設された住宅・都市整備公団の土地有効利用事業及び民間都市開発推進機構向け 113 億円)となっている。 さらに、平成 10 年 7 月に政府・与党金融再生トータルプラン推進協議会がとりま とめた金融再生トータルプランにおいて、不良債権等の流通市場を整備する観点か ら、整理回収銀行や住管機構が保有する不良債権等の売却方法について検討するも のとされたことを受けて、機構及び両機関による連絡会議を設け、不良債権等の売 却に関する研究・検討を行っている。 − 19 − 4.財務状況 (1)一般勘定 本勘定は、ペイオフコスト以内の資金援助等を経理する勘定である。 平成 10 事業年度の収益総額(責任準備金戻入を除く)は、保険料収入 2,657 億円、 資産運用収入 2 億円など、2,659 億円となった。 一方、費用総額は、(一般)資金援助事業費(金銭贈与)560 億円、北海道拓殖銀 行等の大型破綻処理に係る特別資金援助に伴うペイオフコスト相当額の特例業務勘 定への繰入れ 1 兆 1,085 億円など、1 兆 1,683 億円となった。 この結果、差引剰余金は、費用超過(9,024 億円)となったが、年度末に前事業年 度までの責任準備金 1,444 億円の戻入(取崩し)を行った結果、当期損失金及び次 期繰越欠損金はともに 7,580 億円となった。 なお、年度末における日本銀行等からの借入金(政府保証なし)残高は、7,605 億 円(日本銀行 6,338 億円、民間金融機関等 1,267 億円)となった。 (2)特例業務勘定 本勘定は、ペイオフコストを超える特別資金援助等を経理する勘定である。 平成 10 事業年度の収益総額は、特別保険料収入 1,993 億円、旧阪和銀行からの買 取資産に係る利息収入などの資金援助事業収入 59 億円、特別資金援助に伴う一般勘 定からの受入れ 1 兆 1,085 億円、7 兆円の交付国債で造成された特例業務基金からの 受入れ(国債償還)1 兆 1,992 億円など、2 兆 5,183 億円となった。 一方、費用総額は、(特別)資金援助事業費 2 兆 6,772 億円、旧阪和銀行からの 買取資産に係る貸倒引当金繰入 220 億円など、2 兆 7,096 億円となった。 この結果、当期損失金は 1,913 億円、次期繰越欠損金は前事業年度からの繰越欠 損金(2,384 億円)と合わせて 4,297 億円となった。 なお、年度末における日本銀行等からの借入金(政府保証あり)残高は、2 兆 8,074 億円(日本銀行 1 兆 8,564 億円、民間金融機関等 9,510 億円)となった。 − 20 − (3)金融再生勘定 本勘定は、特別公的管理銀行や承継銀行に対する資金の貸付け、損失の補てんや 金融機関からの資産の買取り等を経理する勘定である。 金融機能再生法の施行により、特別公的管理銀行(日本長期信用銀行及び日本債 券信用銀行)の業務に必要な資金を貸し付けるとともに、当該貸付原資は、日本銀 行からの借入れにより賄った。また、同法の規定により、平成 10 年 10 月 23 日に金 融危機管理勘定に属する資産(協定銀行貸付金等)及び負債を金融再生勘定に帰属 させた。 これらに伴う、収益総額は、特別公的管理銀行貸付金利息収入 80.8 億円、協定銀 行貸付金利息収入 69.6 億円など、150.4 億円となった。 一方、費用総額は、日本銀行等からの借入金に係る支払利息 150.4 億円、一般管 理費 1.4 億円の 151.8 億円となった。 この結果、当期損失金は 1.4 億円、次期繰越欠損金は同勘定設置時に金融危機管 理勘定から承継した積立金(0.5 億円)を減額して 0.9 億円となった。 なお、年度末における日本銀行等からの借入金(政府保証あり)残高は 4 兆 8,198 億円(日本銀行 3 兆円、民間金融機関等 1 兆 8,198 億円)となった。 (4)金融機能早期健全化勘定 本勘定は、金融機関等の株式等の引受け等を行う協定銀行に対する資金の貸付け や損失補てん等を経理する勘定である。 早期健全化法の施行により、平成 11 年 3 月 30 日に、協定銀行に対し株式等の引 受け等(いわゆる資本増強 7 兆 4,592.5 億円)に充てるため、日本銀行等から 7 兆 4,625 億円の借入れを行い、このうち 7 兆 4,624 億円を同行に貸し付けた。 これに伴う、収益総額は、協定銀行貸付金利息収入など、0.7 億円となった。 一方、費用総額は、日本銀行等からの借入れに係る支払利息 0.7 億円、一般管理 費 0.5 億円など、1.1 億円となった。 この結果、当期損失金及び次期繰越欠損金はともに 0.5 億円となった。 なお、年度末における日本銀行等からの借入金(政府保証あり)残高は 7 兆 4,625 − 21 − 億円(日本銀行 1 兆 1,625 億円、民間金融機関等 6 兆 3,000 億円)となった。 (5)特定住宅金融専門会社債権債務処理勘定 本勘定は、住専会社から譲り受けた貸付債権等の財産の管理、回収及び処分等を 行う債権処理会社への助成金の交付、借入れに係る債務の保証、納付金の収納を経 理する勘定である。 住管機構において、平成 9 事業年度に発生した二次ロス 252 億円の 1/2 相当額 126 億円を同機構に対し、金融安定化拠出基金を原資とする運用収入により、業務推進 助成金として交付した。 また、同機構から二次ロスの 1/2 相当額を超える債権回収益 91 万円の納付を受け、 同額を国庫に納付した。 一方、一般管理費等 12 億円については、政府出資金(50 億円)の運用収入及び住 管機構からの特例業務負担金収入などで賄った。 この結果、当期利益金は 2 百万円となった。 次期積立金は、前事業年度からの積立金 1 百万円を含め、3 百万円となった。 なお、年度末における金融安定化拠出基金の残高は 1 兆 142 億円(うち運用益収 入見込 72 億円)となった。 (6)金融危機管理勘定の廃止 金融機能再生法の施行に伴い、金融機能安定化法が廃止され、同法による金融危 機管理勘定は平成 10 年 10 月 22 日に廃止された。 同勘定の廃止まで(平成 10 年 4 月 1 日から平成 10 年 10 月 22 日)の間における 収益総額は、協定銀行貸付金利息収入 74 億円、金融危機管理基金戻入 0.8 億円など、 74.9 億円となった。 一方、費用総額は、借入金の支払利息 74 億円、一般管理費 0.3 億円など 74.3 億 円となった。 この結果、当期利益金は 0.5 億円となった。 なお、金融機能再生法の規定により、同勘定に属する資産及び負債は金融再生勘 − 22 − 定に帰属させた。 − 23 − 第1表 平 成 10 事 業 年 度 損 益 (単位:百万円) 区 分 一 般 勘 定 特例業務勘定 計 除く勘定間損益 265,716 199,287 465,004 465,004 資金援助事業収入 − 5,936 5,936 5,936 協定銀行事業収入 − 3,973 3,973 3,973 221 5 226 226 一般勘定より受入 − 1,108,459 1,108,459 − 特例業務基金受入(国債償還) − 1,199,232 1,199,232 1,199,232 貸倒引当金戻入 − 549 549 549 0 900 900 900 265,938 2,518,342 2,784,279 1,675,820 56,000 2,677,201 2,733,201 2,733,201 一般管理費 2,000 1,554 3,554 3,554 他勘定繰入 1,108,459 − 1,108,459 − − 21,997 21,997 21,997 1,830 8,848 10,678 10,678 1,168,290 2,709,600 3,877,889 2,769,430 保険料収入 資産運用収入 事業外収益 収 益 計 資金援助事業費 貸倒引当金繰入 支払利息 費 用 計 差引剰余金(△欠損金) △ 902,352 9事業年度末責任準備金残高等 144,390 10事業年度末責任準備金残高等 △ 757,962 △ 191,258 △ 1,093,610 △ 1,093,610 △ 238,408 △ 94,018 △ 429,666 △ 1,187,628 (注)各計数は、単位未満四捨五入。 ― 24 ― 第2表 貸借対照表及び損益計算書 一般勘定 貸 借 対 照 表 (平成11年3月31日現在) 資 科 (流 動 資 産) 現金・預金 有価証券 前払費用 未収収益 未収金 産 の 部 金 目 額 2,950 45 1,690 1,213 0 3 441 (固 定 資 産) 資金援助事業資産 買取資産 有形固定資産 建物 工具・器具・備品 無形固定資産 投資その他の資産 敷金・保証金 負 債 科 (流 動 負 債) 短期借入金 未払金 未払費用 預り金 及 (単位:百万円) 本 の 部 金 額 び 資 目 760,889 760,500 73 284 32 10 10 (固 定 負 債) 退職給与引当金 (負 債 合 計) 180 145 99 (資 本 金) 政府出資金 46 日本銀行出資金 1 760,898 民間出資金 455 150 150 155 損 金) 当期損失金 △ 757,962 △ 757,962 115 (欠 △ 757,507 (資 本 合 計) 資 産 合 3,392 計 負 債 ・ 資 本 合 計 3,392 (注) 各計数は、単位未満四捨五入。 損 益 計 算 書 (自平成10年4月1日 至平成11年3月31日) 費 用 科 目 (経 常 費 用) 資金援助事業費 金銭贈与 支払利息 一般管理費 他勘定繰入 特例業務勘定へ繰入 の 部 金 額 1,168,290 56,000 1,830 2,000 収 益 科 (経 常 収 益) 保険料収入 保険料 資産運用収入 責任準備金戻入 事業外収益 の 目 410,328 265,716 221 144,390 0 1,108,459 757,962 (当期損失金) 合 計 (単位:百万円) 部 金 額 1,168,290 合 計 1,168,290 (注)1.当期損失金757,962百万円は、預金保険法施行規則(昭和46年大蔵省令第28号)第15条第4項の規定により、次期の繰越欠損金として 整理する。 2.各計数は、単位未満四捨五入。 ○重要な会計方針等 1.有価証券の評価基準及び評価方法 総平均法による原価法によっている。 2.固定資産の減価償却方法 法人税法の基準を採用し、定額法により行っている。なお、減価償却累計額は次のとおりである。 有形固定資産 23百万円 3.引当金の計上基準 退職給与引当金 役職員の退職金の支給に備えるため、期末要支給額を基準として計上している。 4.その他財務諸表作成のための重要な事項 (1) 消費税の会計処理方法 税込方式によっている。 (2) 収益・費用の計上基準 発生主義によっている。 5.重要な会計方針の変更 有価証券の評価方法については、従来、個別法によっていたが、本年度から総平均法によることとした。なお、当該変更による 財務諸表への影響はない。 ― 25 ― 特例業務勘定 貸 借 対 照 表 (平成11年3月31日現在) 資 科 (流 動 資 産) 現金・預金 預け金 有価証券 仮払金 前払費用 未収収益 未収金 貸倒引当金 産 の 部 金 目 額 8,050 2 1,408 1,270 826 2,818 1,018 709 △ 1 負 債 及 び 資 科 目 (流 動 負 債) 短期借入金 未払金 未払費用 預り金 前受収益 仮受金 その他の流動負債 (単位:百万円) 本 の 部 金 額 (固 定 負 債) 退職給与引当金 8,739,366 保証債務 161,171 協定銀行保証債務 181,735 その他保証債務 476 955 △ 21,995 (特別法上の引当金等) 特例業務基金 2,216,104 特例業務基金資産見返 127,394 2,088,710 (負 債 合 計) 139 85 55 (欠 損 金) 繰越損失金 1 当期損失金 6,361,950 5,800,768 (資 本 合 計) 114 561,000 69 (固 定 資 産) 資金援助事業資産 買取資産 求償権 その他保証債務見返 貸倒引当金 協定銀行事業資産 協定銀行株式 協定銀行貸付金 有形固定資産 建物 工具・器具・備品 無形固定資産 投資その他の資産 特例業務基金資産 敷金・保証金 協定銀行保証債務見返 その他の資産 資 産 合 8,747,416 計 負 債 ・ 資 本 合 計 2,814,348 2,807,400 768 3,025 0 2,629 526 1 561,966 11 561,955 561,000 955 5,800,768 5,800,768 9,177,082 △ 429,666 △ 238,408 △ 191,258 △ 429,666 8,747,416 (注) 各計数は、単位未満四捨五入。 損 益 計 算 書 (自平成10年4月1日 至平成11年3月31日) 費 用 科 目 (経 常 費 用) 資金援助事業費 金銭贈与 買取資産損 買取資産事務費 管理回収業務委託費 整理回収経費補償金 支払利息 一般管理費 貸倒引当金繰入 の 部 金 額 2,709,600 2,677,201 2,672,613 439 296 2,252 1,602 8,848 1,554 21,997 収 益 の 科 目 (経 常 収 益) 保険料収入 特別保険料 資金援助事業収入 買取資産収入 買取資産益 保証料収入 協定銀行事業収入 協定銀行貸付金利息収入 資産運用収入 一般勘定より受入 特例業務基金受入 貸倒引当金戻入 事業外収益 計 2,709,600 合 2,518,342 199,287 5,936 3,858 2,072 7 3,973 5 1,108,459 1,199,232 549 900 191,258 (当期損失金) 合 (単位:百万円) 部 金 額 計 2,709,600 (注)1.当期損失金191,258百万円は、預金保険法施行規則(昭和46年大蔵省令第28号)第15条第4項の規定により、次期の繰越欠損金として 整理する。 2.各計数は、単位未満四捨五入。 ― 26 ― ○重要な会計方針等 1.有価証券の評価基準及び評価方法 総平均法による原価法によっている。 2.固定資産の減価償却方法 法人税法の基準を採用し、定額法により行っている。なお、減価償却累計額は次のとおりである。 資金援助事業資産 59百万円 有形固定資産 23百万円 投資その他の資産 5百万円 3.引当金の計上基準 (1) 貸倒引当金 買取資産等のうち、貸出金等の貸倒れによる損失に備えるため、法人税法の基準により、当該事業年度末の貸出金等残高を個 別評価分とその他の一括評価分に区分し、個別評価分については回収不能見込額を計算し、その他の一括評価分については資産 買取時後における貸倒実績率4.9/1000を乗じて貸倒見込額を計算し、両者を合算した金額を計上している。 (2) 退職給与引当金 役職員の退職金の支給に備えるため、期末要支給額を基準として計上している。 (3) 特例業務基金 特例業務勘定の健全性を確保し、かつ、特例業務を円滑に実施するため、預金保険法(昭和46年法律第34号)附則第19条の4第 2項の規定により、政府から交付された国債の残高を計上している。 4.その他財務諸表作成のための重要な事項 (1) 消費税の会計処理方法 税込方式によっている。 (2) 収益・費用の計上基準 発生主義によっている。 5.重要な会計方針の変更 有価証券の評価方法については、従来、個別法によっていたが、本年度から総平均法によることとした。なお、当該変更による 財務諸表への影響はない。 ― 27 ― 金融再生勘定 貸 借 対 照 表 (平成11年3月31日現在) 資 科 (流 動 資 産) 現金・預金 有価証券 前払費用 未収収益 未収金 産 の 部 金 目 4,819,512 (固 定 資 産) 有形固定資産 工具・器具・備品 投資その他の資産 特別公的管理銀行貸付金 協定銀行貸付金 敷金・保証金 資 産 額 8,612 10 190 1,627 6,616 168 合 負 債 科 (流 動 負 債) 短期借入金 未払金 未払費用 前受収益 び 資 目 (単位:百万円) 本 の 部 金 額 4,828,214 4,819,800 170 6,616 1,627 1 1 (固 定 負 債) 退職給与引当金 (負 債 合 計) 11 4,819,502 3,000,000 (欠 損 金) 積立金 1,819,500 当期損失金 2 4,828,215 (資 本 合 計) △ 91 4,828,124 計 及 負 債 ・ 資 本 合 計 △ 91 53 △ 144 4,828,124 (注) 各計数は、単位未満四捨五入。 損 益 計 算 書 (自平成10年10月23日 至平成11年3月31日) 費 科 (経 常 費 用) 支払利息 一般管理費 用 の 目 (単位:百万円) 収 益 の 部 額 科 目 金 額 15,180 (経 常 収 益) 15,036 特別公的管理銀行貸付金利息収入 15,036 8,077 協定銀行貸付金利息収入 144 6,959 資産運用収入 0 部 金 144 (当期損失金) 合 計 15,180 合 計 15,180 (注)1.当期損失金144百万円は、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律施行規則(平成10年総理府令第65号)第25条第2項の規定 により、積立金を減額し、残額を次期の繰越欠損金として整理する。 2.各計数は、単位未満四捨五入。 ○重要な会計方針等 1.有価証券の評価基準及び評価方法 総平均法による原価法によっている。 2.固定資産の減価償却方法 法人税法の基準を採用し、定額法により行っている。なお、減価償却累計額は次のとおりである。 有形固定資産 0百万円 3.引当金の計上基準 退職給与引当金 役職員の退職金の支給に備えるため、期末要支給額を基準として計上している。 4.その他財務諸表作成のための重要な事項 (1) 消費税の会計処理方法 税込方式によっている。 (2) 収益・費用の計上基準 発生主義によっている。 (3) 金融危機管理勘定からの資産及び負債の帰属 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成10年法律第132号)附則第7条の規定により、平成10年10月23日に金融危 機管理勘定から帰属した資産及び負債額は、次のとおりである。 現金・預金 4百万円 短期借入金 1,819,600百万円 有価証券 140百万円 未払費用 4,470百万円 前払費用 819百万円 前受収益 819百万円 未収収益 4,470百万円 未収金 7百万円 有形固定資産 2百万円 投資その他の資産 1,819,500百万円 5.重要な会計方針の変更 有価証券の評価方法については、従来、個別法によっていたが、本年度から総平均法によることとした。なお、当該変更による 財務諸表への影響はない。 ― 28 ― 金融機能早期健全化勘定 貸 借 対 照 表 (平成11年3月31日現在) 資 科 (流 動 資 産) 現金・預金 有価証券 前払費用 未収収益 産 の 部 金 目 3,215 10 50 3,105 50 7,462,402 (固 定 資 産) 有形固定資産 工具・器具・備品 投資その他の資産 協定銀行貸付金 敷金・保証金 資 産 額 負 債 科 (流 動 負 債) 短期借入金 未払金 未払費用 前受収益 合 び 資 目 (単位:百万円) 本 の 部 金 額 7,465,664 7,462,500 8 50 3,105 (負 債 合 計) 7,465,664 2 (欠 損 金) 当期損失金 7,462,401 7,462,400 (資 本 合 計) 1 △ 46 △ 46 7,465,618 計 及 負 債 ・ 資 本 合 計 △ 46 7,465,618 (注) 各計数は、単位未満四捨五入。 損 益 計 算 書 (自平成10年10月23日 至平成11年3月31日) 費 科 (経 常 費 用) 支払利息 一般管理費 用 の 目 部 金 収 益 の 額 科 目 113 (経 常 収 益) 協定銀行貸付金利息収入 66 資産運用収入 46 (単位:百万円) 部 金 額 66 66 0 46 (当期損失金) 合 計 113 合 計 113 (注)1.当期損失金46百万円は、金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律施行規則(平成10年総理府令第67号)第7条第2項の 規定により、次期の繰越欠損金として整理する。 2.各計数は、単位未満四捨五入。 ○重要な会計方針等 1.有価証券の評価基準及び評価方法 総平均法による原価法によっている。 2.固定資産の減価償却方法 法人税法の基準を採用し、定額法により行っている。なお、減価償却累計額は次のとおりである。 有形固定資産 0百万円 3.その他財務諸表作成のための重要な事項 (1) 消費税の会計処理方法 税込方式によっている。 (2) 収益・費用の計上基準 発生主義によっている。 4.重要な会計方針の変更 有価証券の評価方法については、従来、個別法によっていたが、本年度から総平均法によることとした。なお、当該変更 による 財務諸表への影響はない。 ― 29 ― 特定住宅金融専門会社債権債務処理勘定 貸 借 対 照 表 (平成11年3月31日現在) 資 科 (流 動 資 産) 現金・預金 有価証券 仮払金 未収収益 産 の 部 金 目 負 債 額 科 5,138 (流 動 負 債) 未払金 5,024 前受収益 110 及 び 資 目 2 3 (固 定 負 債) (固 定 資 産) 有形固定資産 建物 工具・器具・備品 無形固定資産 投資その他の資産 金融安定化拠出基金資産 関係会社株式 敷金・保証金 保証債務見返 退職給与引当金 日本銀行返還条件付拠出金 資産見返負担金 保証債務 4,304,831 139 85 55 1 (特別法上の引当金等) 金融安定化拠出基金 4,304,690 民間拠出金見返 914,204 運用収入見返 200,000 109 (負 債 合 計) 3,190,377 資 産 合 損 益 3,290,637 11 100,000 249 3,190,377 1,014,204 1,014,204 1,007,000 7,204 4,304,966 本 金) 政府出資金 5,000 5,000 (剰 余 金) 積立金 当期利益金 3 1 2 4,309,969 計 125 22 103 (資 (資 本 合 計) (注) 各計数は、単位未満四捨五入。 (単位:百万円) 本 の 部 金 額 計 負 債 ・ 資 本 合 計 算 5,003 4,309,969 書 (自平成10年4月1日 至平成11年3月31日) (単位:百万円) 費 用 の 部 収 益 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 (経 常 費 用) 21,593 (経 常 収 益) 21,594 住宅金融債権管理機構助成事業費 金融安定化拠出基金戻入 12,579 業務推進助成金 住宅金融債権管理機構納付金収入 12,579 国庫納付金 譲受債権等回収益納付金収入 1 譲受債権等回収益納付金 資産運用収入 1 金融安定化拠出基金資産運用収入 一般管理費 1,157 7,855 金融安定化拠出基金繰入 特例業務負担金収入 7,855 1,106 事業外収益 33 (当期利益金) 資産見返負担金戻入 2 19 合 計 21,594 合 計 21,594 (注)1.当期利益金2百万円は、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法施行規則(平成8年大蔵省令第34号) 第5条第1項の規定により、次期の積立金として整理する。 2.各計数は、単位未満四捨五入。 ○重要な会計方針等 1.有価証券の評価基準及び評価方法 総平均法による原価法によっている。 2.固定資産の減価償却方法 法人税法の基準を採用し、定額法により行っている。なお、減価償却累計額は次のとおりである。 有形固定資産 23百万円 3.引当金の計上基準 (1) 退職給与引当金 役職員の退職金の支給に備えるため、期末要支給額を基準として計上している。 (2) 金融安定化拠出基金 債権処理会社への出資、円滑な業務の遂行のための助成金の交付等に充てるため、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の 促進等に特別措置法(平成8年法律第93号)第9条第1項の規定により、特定住宅金融専門会社に対する出資者又は貸付債権者で あった金融機関等が拠出関するする拠出金及び同条第2項の規定により、その運用によって生じた利子収入等を計上している。 4.その他財務諸表作成のための重要な事項 (1) 消費税の会計処理方法 税込方式によっている。 (2) 収益・費用の計上基準 発生主義によっている。 5.重要な会計方針の変更 有価証券の評価方法については、従来、個別法によっていたが、本年度から総平均法によることとした。なお、当該変更による 財務諸表への影響はない。 ― 30 ― 金融危機管理勘定 貸 借 対 照 表 (平成10年10月22日現在) 資 科 (流 動 資 産) 現金・預金 有価証券 前払費用 未収収益 未収金 産 の 部 金 目 5,440 4 140 819 4,470 7 産 負 債 科 (流 動 負 債) 短期借入金 未払費用 前受収益 及 び 資 目 1,824,889 1,819,600 4,470 819 1,824,889 (負 債 合 計) 1,819,502 (剰 余 金) (固 定 資 産) 有形固定資産 工具・器具・備品 投資その他の資産 協定銀行貸付金 資 額 (単位:百万円) 本 の 部 金 額 53 53 当期利益金 2 53 (資 本 合 計) 1,819,500 合 1,824,942 計 負 債 ・ 資 本 合 計 1,824,942 (注)1.金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成10年法律第132号)附則第7条の規定により、資産及び負債は金融再生勘定に 帰属する。 2.各計数は、単位未満四捨五入。 損 益 計 算 書 (自平成10年4月1日 至平成10年10月22日) 費 用 科 目 (経 常 費 用) 支払利息 一般管理費 金融危機管理基金繰入 部 金 額 7,434 7,404 30 0 収 益 科 目 (経 常 収 益) 協定銀行貸付金利息収入 資産運用収入 事業外収益 金融危機管理基金戻入 7,487 7,404 0 0 83 53 (当期利益金) 合 の (単位:百万円) の 部 金 額 計 7,487 合 計 7,487 (注) 各計数は、単位未満四捨五入。 ○重要な会計方針等 1.有価証券の評価基準及び評価方法 総平均法による原価法によっている。 2.固定資産の減価償却方法 法人税法の基準を採用し、定額法により行っている。なお、減価償却累計額は次のとおりである。 有形固定資産 0百万円 3.その他財務諸表作成のための重要な事項 (1) 消費税の会計処理方法 税込方式によっている。 (2) 収益・費用の計上基準 発生主義によっている。 4.重要な会計方針の変更 有価証券の評価方法については、従来、個別法によっていたが、本年度から総平均法によることとした。なお、当該変更による 財務諸表への影響はない。 ― 31 ― Ⅲ.制度改正に伴う新規業務 1.金融整理管財人に関する業務 金融機能再生法では、金融再生委員会は、一定の要件(注)に該当する破綻金融機 関に対して、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を行うことが できると定められている。 (注) 業務の運営が著しく不適切であり、又は営業譲渡等が行われず解散等が行われる場合に は、当該金融機関が業務を行っている地域等における資金の円滑な需給及び利用者の利便 に大きな支障が生ずるおそれがあると認められるとき。 金融再生委員会により管理を命ずる処分が行われた破綻金融機関(以下「被管理 金融機関」という。)に対しては、当該処分と同時に、金融再生委員会により、一 人又は数人の金融整理管財人が選任され、当該金融整理管財人により管理されるこ とになる。この金融整理管財人の選任と方法については、金融再生委員会は機構の 意見を聴かなければならないとされている。機構は、金融機能再生法において、金 融整理管財人又は金融整理管財人代理となることができるとされており、金融再生 委員会から機構が選任された場合、機構は金融整理管財人に関する業務を行うこと となる。 (1)金融整理管財人業務の概要 1)金融整理管財人の権限 金融機能再生法では、被管理金融機関の業務の執行並びに財産の管理及び処分を 行う権利は金融整理管財人に専属すると定められている。また、金融整理管財人に は、破綻に至った経緯の調査及び経営者の破綻責任の明確化を図ることが求められ ている。 ― 32 ― 2)金融整理管財人による管理 金融整理管財人は、就職後遅滞なく、被管理金融機関が管理を命ずる処分を受け るに至った経緯、業務及び財産の状況等を調査し、金融再生委員会に報告しなけれ ばならない。金融整理管財人は、被管理金融機関に対しては、金融再生委員会の命 令に基づき作成する業務及び財産の管理に関する計画に従い、被管理金融機関の業 務の暫定的な維持継続を図るとともに、業務の整理及び合理化等を行い、円滑な営 業譲渡を行えるよう努めることとなる。 3)金融整理管財人による管理の終了 金融整理管財人は、管理を命ずる処分があった日から 1 年以内に被管理金融機関 の営業譲渡その他の方法により、その管理を終える必要がある。ただし、金融再生 委員会の承認により、1 年の延長が可能とされている。 金融整理管財人は、被管理金融機関の業務の整理及び合理化に努め、営業譲渡等 を行うことによって、管理を終了することとなる(営業譲渡に当たっては、預金保 険法による破綻処理スキームが適用される。)。営業譲渡等の見込みがなく、機構が 子会社として設立・出資する承継銀行(いわゆる公的ブリッジバンク)の設立が必 要と認められる場合においては、金融再生委員会に対して、その設立等の決定を求 めることができる。承継銀行が設立されたときは、承継銀行に対する営業譲渡等に より管理が終了することとなる。 (2)金融整理管財人による管理の適用事例 金融機能再生法に基づく金融整理管財人による管理を命ずる処分は、平成 11 年 4 月 11 日、国民銀行に対して、初めて行われた。 国民銀行に対しては、金融再生委員会により、弁護士、公認会計士とともに機構 が金融実務精通者として金融整理管財人に選任された。この選任に当たっては、機 構は、金融機能再生法に基づき金融再生委員会の求めにより、金融整理管財人とし ては金融実務精通者、弁護士、公認会計士を選任することが適当である旨意見を述 べ、機構の意見どおり金融整理管財人が選任された。機構は、国民銀行に対して、 ― 33 ― 金融整理管財人代理 2 名及び実務スタッフ総勢約 30 名を派遣した。 2.承継銀行の設立等に関する業務 承継銀行(いわゆる公的ブリッジバンク)は、金融整理管財人による管理が行わ れている破綻金融機関(被管理金融機関)の業務を引き継ぎ、その業務を暫定的に 維持継続するために、平成 13 年 3 月 31 日までの間に限り機構が発起人となって子 会社(承継銀行)を設立し、破綻金融機関の業務を引き継がせ、暫定的に維持継続 させるとともに、合併、営業の全部譲渡、株式譲渡等によりその経営管理を終了し ようとする制度である。承継銀行制度は、一定の要件(注)に該当する破綻金融機関 に対し、金融再生委員会の決定により適用される。 (注)金融機関の営業譲渡等が行われることなく、解散等が行われる場合には、当該金融機関が 営業を行っている地域等における資金の円滑な需給、利用者の利便に大きな支障が生じるお それがあり、当該金融機関の業務承継のため承継銀行を活用する必要があると認めるとき。 機構は、金融再生委員会により承継銀行の設立等の決定が行われた場合、承継銀 行の設立・出資、被管理金融機関からの業務承継、承継銀行の経営管理、預金保険 法による資金援助、承継銀行の業務の円滑な実施のために必要とする資金の貸付け・ 債務保証、その業務の実施により生じた損失の補てん等及び営業の譲渡、株式の譲 渡等による経営の管理の終了等の業務を行う。 (1)承継銀行の設立・出資 機構は、金融再生委員会により承継銀行の設立等の決定が行われた場合、金融再 生委員会の承認を得て、発起人となって子会社として承継銀行を設立しなければな らない。機構の出資等は、金融再生委員会が定めた基準に基づいて行うこととなる。 この基準では、承継銀行設立のための出資の額を、銀行法上の最低資本金(20 億 円)又は自己資本比率(国際基準行は 8%、国内基準行は 4%)の水準を維持でき る額のいずれか多い額と定めている。 ― 34 ― (2)被管理金融機関からの業務承継 機構は、承継銀行の設立等の決定後、金融再生委員会に対し、被管理金融機関の 資産について、承継銀行が保有する資産として適当であるか否かの判定を行うよう 求めなければならない。機構は、承継銀行設立後、承継銀行と協定を締結し、業務 承継等を適確に実施させる。 承継銀行は、金融再生委員会により保有する資産として適当であると判定された 資産を引き継ぐこととなるが、この被管理金融機関から承継銀行への業務承継に当 たっては、預金保険法の資金援助が適用される。 (3)承継銀行の経営管理 機構は、承継銀行が①被管理金融機関から業務を引き継ぐための営業譲受け等を 行うこと、②保有する資産として適当であると判定された資産を引き継ぐこと、③ 業務に際しては、業務の健全かつ適切な運営を確保する観点に立って機構により作 成された指針に従うことを、適確に実施できるよう経営管理を行わなければならな い。 機構が作成する指針(資金の貸付けその他の業務についての指針)については、 業務の暫定的な維持継続を図るという承継銀行の目的を踏まえ、承継銀行が保有す る資産として適当か否かの判定のための基準との整合性に配慮しつつ、承継銀行の 業務の健全かつ適切な運営を確保する観点に立って作成するものとされており、機 構は、この指針を金融再生委員会の承認を得て公表しなければならない。 承継銀行は、機構が株主として選任した役員により、機構が定めた業務の指針に 基づいて業務運営される。 (4)追加出資、資金の貸付け・債務保証、損失の補てん等 1)追加出資 金融再生委員会の出資基準では、承継銀行の自己資本比率が 4%(国際基準行は 8%)の水準を下回った場合、機構は、当該水準に達し、かつ、これを維持するた ― 35 ― めに必要な額の追加出資をすることができることとされている。 2)資金の貸付け・債務保証、損失の補てん等 機構は、承継銀行と協定を締結することとなるが、その業務の円滑な実施のため に必要な資金の貸付け・債務の保証を行うことができるほか、協定の定めによる業 務の実施により生じた損失を補てんすることができる。損失補てんを行うことがで きる額については、金融機能再生法施行令により計算方法が定められており、①金 融機能再生法第 53 条による資産の買取りが行われた場合における譲渡損、②損益 計算上の当期損失のいずれか少ない金額に機構の持株率を乗じた額の範囲内で損失 の補てんを行うことができる。承継銀行に対する損失の補てんは、特別公的管理銀 行とは異なり、その業務により生じた損失全般が補てんされるのではなく、金融機 能再生法第 53 条による資産の買取りに係る譲渡損を上限としている。 (5)承継銀行の経営管理の終了 機構は、承継銀行の経営管理を、承継銀行が最初に業務を引き継いだ被管理金融 機関に対する管理を命ずる処分の日から 1 年以内に終了しなければならない。ただ し、金融再生委員会の承認を受けて、1 年ごとに 2 回まで期限を延長することがで きる。 経営管理の終了は、機構が、①当該承継銀行の合併(合併後の存続法人が機構の 子会社でないものに限る。)、②営業の全部の譲渡、③当該承継銀行の株式の譲渡そ の他の処分(機構の子会社でなくなるものに限る。)又は④当該承継銀行の解散の いずれかの措置を講ずることにより行われる。 なお、承継銀行の株式を全て処分せずに、経営管理を終了することも可能であり、 このような場合には、機構は、経営管理の終了後も当該株式の処分を行う。 3.特別公的管理に関する業務 特別公的管理は、一定の要件(注)に該当する破綻銀行又はそのおそれのある銀行 ― 36 ― に対して、機構にその株式の全てを取得させることにより、当該破綻銀行を一時的 に公的管理の下に置くとともに、平成 13 年 3 月 31 日までの間に営業の譲渡、株式 の譲渡等により管理を終了するもので、金融再生委員会の決定により行われる。 (注)破綻銀行等の営業譲渡等が行われることなく、解散等が行われる場合には、我が国の金融 機能又は地域経済活動等に極めて重大な障害が生ずることとなる事態(破綻のおそれのある 銀行にあっては、我が国の金融機能に極めて重大な障害が生じ、かつ、国際金融市場に重大 な影響を及ぼすこととなる事態)を生じさせるおそれがあり、これらを特別公的管理以外の 方法によっては回避することができないと認められるとき。 機構は、特別公的管理銀行に対して、機構が特別公的管理銀行の株式を取得する ことに伴う業務(旧株主に対する周知、金融再生委員会に対する資産判定の求め、 対価の支払等)、金融再生委員会の指名した役員の選任等を行うとともに、預金保 険法による資金援助の適用(特例資金援助)、特別公的管理銀行の業務に必要な資 金の貸付け、その業務の実施により生じた損失の補てん等を行う。 (1)特別公的管理銀行の株式の取得 機構は、金融再生委員会による特別公的管理開始決定と同時に行われる株式取得 の決定に関する公告時に、特別公的管理銀行の株式の全てを取得する。特別公的管 理銀行の従来の株主(旧株主)は、公告時において株主ではなくなる。機構は、株 式取得に伴い、旧株主等に対し株式取得の決定内容等について周知しなければなら ない。周知方法は、金融再生委員会規則において、日刊紙等に掲載する方法による ことと定められている。 旧株主は、株価算定委員会により決定される機構の取得株式の対価について、そ の支払を機構に請求できる。機構は、株価算定委員会による対価の決定後、支払方 法等について官報に掲載し、対価の支払を行うこととなる。 (2)役員の選任等 機構は、金融再生委員会の指名に基づき、特別公的管理銀行の役員(取締役及び 監査役)を選任し、金融再生委員会の承認を受けて役員を解任することができる。 ― 37 ― (3)特別公的管理銀行に対する援助措置 特別公的管理銀行は、金融再生委員会の承認を得た経営合理化計画、業務運営基 準等に基づいて、金融再生委員会の指名により機構が選任した役員により業務運営 が行われる。 機構は、信用秩序の維持と預金者等の保護を確保するため、特別公的管理銀行に 対する特例資金援助、特別公的管理銀行の業務に必要な資金の貸付け、その業務の 実施により生じた損失の補てん等を行うことができる。 1)特例資金援助 機構は、預金者等の保護のため、その必要の限度において、特別公的管理銀行の 申込みを受けて、預金保険法の規定を適用し、金銭贈与、資産の買取り等を行うこ とができる。この場合、特別公的管理銀行を救済金融機関とみなして預金保険法の 資金援助の規定が適用され、金融再生委員会により特別公的管理銀行の保有する資 産として適当でないと判定された資産について、買い取ることができる。 2)資金の貸付け、損失補てん 機構は、金融再生委員会の承認を受けて、特別公的管理銀行の業務に必要な資金 の貸付け、特別公的管理銀行の業務により生ずる損失の補てんを行うことができる。 (4)特別公的管理の終了 特別公的管理は、平成 13 年 3 月 31 日までに、金融再生委員会が機構又は特別公 的管理銀行に対し、営業の譲渡、株式の譲渡等の措置を行わせることにより終了する。 4.金融機関等からの資産買取りに関する業務 金融機能再生法において、我が国の金融の機能の安定及びその再生を図る方策 ― 38 ― の一つとして、金融機関等の資産の買取りに関する緊急措置の制度が設けられ、機 構は、一般金融機関を含むより幅広い金融機関等からの資産買取りができることと なった。 金融機能再生法に基づく資産買取りは、平成 13 年 3 月末までの間に限り、機構 が金融機関等からの申込みにより、金融再生委員会の承認を受け、資産の買取りを 行う制度であり、機構の委託を受けた整理回収機構が資産の買取り、回収を行う。 (1)対象金融機関 資産買取りの対象となる金融機関等は次の金融機関等であり、一般金融機関につ いても対象となっている。 ① 被管理金融機関 ② 協定承継銀行 ③ 特別公的管理銀行 ④ 上記以外の金融機関、信用金庫連合会、信用協同組合連合会、労働金庫 連合会、農林中央金庫、農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会 (2)買取対象資産 買取対象資産については、金融再生委員会の資産買取基準によって定められて おり、その概要は、以下のとおりである。 1)被管理金融機関、協定承継銀行、特別公的管理銀行の場合 ① 資産判定基準に照らして、保有する資産として適当でないと認められる資産 ② 被管理金融機関、協定承継銀行、特別公的管理銀行の管理の終了に必要と 認められる資産 2)一般の金融機関等の場合 ① 原則として、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先債務者に対する貸出金(当 ― 39 ― 該貸出金に付随する仮払金、未収利息等も対象) ② 以下の貸出金は、原則として買取り対象から除外 ・少額(1,000万円未満)の貸出金 ・公共的性格の強い法人(医療法人、社会福祉法人等)に対する貸出金 ・債権及び担保の存在等について係争中の貸出金 ・和議、会社更生等法的整理手続中の債務者に係る貸出金 ・非居住者向け貸出金及び海外に所在する不動産が担保となっている貸出金 (3)買取価格 資産の買取価格は、資産買取基準において、その資産が回収不能となる危険性、 当該資産の買取り及び回収のために必要な事務費その他費用等を勘案して適正な手 続を経て定めた額と定められている(注)。 (注) 公正・中立な手続きによる適正な買取価格の決定等に資する目的で、当機構内に、弁護 士、公認会計士、不動産鑑定士の外部の有識者3名で構成する「買取価格審査会」(委員長 藤村義徳弁護士)を平成 11 年 6 月 9 日に設置した。 5.金融機関等の資本増強に関する業務 早期健全化法は、金融機関等の資本増強に関する措置として、機構が協定銀行 (整理回収機構)に委託して金融機関等の発行する株式等の引受け等を行うことを 定めている。 (1)対象金融機関等 株式等の引受け等の対象となる金融機関等は、預金保険法第 2 条第 1 項に規定す る金融機関(銀行、長期信用銀行、信用金庫、信用協同組合、労働金庫。ただし、 同法の施行地外に本店を有するものを除く。)、信用金庫連合会、中小企業等協同組 合法第 9 条の 9 第 1 項第 1 号の事業を行う協同組合連合会、労働金庫連合会、農林 ― 40 ― 中央金庫、農業協同組合法第 10 条第 1 項第 2 号の事業を行う農業協同組合連合会、 水産協同組合法第 87 条第 1 項第 2 号の事業を行う漁業協同組合連合会、預金保険 法第 2 条第 5 項に規定する銀行持株会社等である。 (2)引受け対象株式等 引受け等の対象となる株式等は、普通株式、優先株式、優先出資、劣後特約付社 債、劣後特約付金銭消費貸借である。このうち普通株式については、著しい過少資 本又は特に著しい過少資本にある銀行(長期信用銀行を含む。)に限られる。 (3)資本増強の手続 早期健全化法による資本増強は、株式等の発行等を行おうとする金融機関等が、 協定銀行に対し、株式等の発行等に係る申込みを行うとともに、協定銀行と連名で、 機構に申請することにより開始され、金融再生委員会による承認を経て、機構が株 式等の引受け等を委託する協定銀行(整理回収機構)により株式等の引受け等が実 施される。また、当該金融機関等は、金融再生委員会に経営の健全化のための計画 を機構を通じて提出しなければならない。 機構は、当該申請を受けたときは、直ちに金融再生委員会の承認を求めなければ ならない。また、この機構による申請を受けて、金融再生委員会では、早期健全化 法に定められた引受け要件に照らして審査が行われる。 (4)協定銀行に対する資金の貸付け等 機構は、協定銀行に対し、株式等の引受け等を行うために必要な資金の貸付け又 は協定銀行によるその資金の借入れに係る債務保証を行うことができる。 協定銀行は、株式等の引受け等の業務に係る経理については、その他の経理と区 分し、特別の勘定を設けて整理し、毎事業年度、当該勘定に利益が生じた場合は機 構に納付しなければならない。また、当該勘定に損失が生じた場合には、機構は損 失の補てんを行うことができる。 ― 41 ― (5)引受後の業務 協定銀行は、取得した株式に係る議決権その他の株主の権利を行使しようとする ときは当該権利の行使の内容について機構の承認を受けることとされている。また、 協定銀行は、取得株式等である株式の発行に係る銀行が協定銀行の子会社となった ときは、機構の指導又は助言を受けて、経営の健全化のための計画を適確に履行で きるようその経営管理を行うこととされている。 取得した株式等については、協定銀行は、できる限り早期に譲渡その他の処分を 行うよう努めるとともに、当該処分を行おうとするときは、機構の承認を受けるこ ととされている。 協定銀行は当該銀行が協定銀行の子会社となったときには、当該銀行が子会社と なった日から 1 年以内に当該銀行が子会社でなくなるよう、その保有する株式の譲 渡その他の処分を行うこととされている。やむを得ない事情によりこの期限内に当 該処分を行うことができない場合は、機構は承認(機構はあらかじめ金融再生委員 会の承認を得る必要がある。)を受けて、1 年ごとに 2 回までを限りに、この期限 を延長することができる。 なお、金融再生委員会において、金融機関等から提出された「経営の健全化のた めの計画」のフォローアップが行われる。 ― 42 ― Ⅳ.資 料 編 Ⅳ.資 料 編 1.預金保険制度の概要 (1)預金保険関係 1)対象金融機関 本制度の対象となる金融機関は、日本国内に本店のある次の金融機関(注)である(対 象金融機関数については、資料編 18.統計資料 第 3 表「預金保険対象金融機関数 の推移」参照)。 なお、これらの金融機関が下記 2)の対象預金等を受け入れた時点で、機構、金融 機関と預金者等の間で自動的に保険関係が成立することとなる。 ① 銀行(都市銀行、地方銀行、第二地銀協地銀、信託銀行、長期信用銀行等)、 ② 信用金庫、③ 信用組合、④ 労働金庫 (注) ・政府関係金融機関、外国銀行の在日支店は本制度の対象外。 ・農業協同組合、漁業協同組合、水産加工業協同組合等は農水産業協同組合貯金保険制度 に加入。 2)対象預金等 本制度の対象となる預金等の範囲は、次のとおりである。 ① 預金、 ② 定期積金、 ③ 掛金、 ④ 元本補てん契約のある金銭信託(貸付 信託を含む。)。 ただし、次の①∼⑥の預金等は保険金支払の対象から除外される。 ① 外貨預金、 ② 譲渡性預金、 ③ 特別国際金融取引勘定において経理された 預金(オフショア預金)、 ④ 国、地方公共団体、公庫・公団その他特殊法人 からの預金等、 ⑤ 日本銀行、対象金融機関等からの預金等、⑥ 機構からの預 金等。 ― 44 ― 3)保険料 保険金支払やペイオフ・コスト内での資金援助等の業務(一般業務)の原資とな る一般保険料は、前営業年度の末日における預金等を基に算出し、毎営業年度、加 入金融機関がその年度開始後 3 か月以内に機構に納付することが義務づけられてい る。ただし、平成 8 年度からは分割納付制度が導入され、その年度に納付する保険 料の 2 分の 1 相当額を年度開始後 3 か月以内に、また、残りの 2 分の 1 相当額を年度 開始後 6 か月を経過した日から 3 か月以内に納付することができることと改められ た。 一般保険料率は、機構に設けられている運営委員会で議決のうえ、金融再生委員 会及び大蔵大臣の認可を受けて決定することとなっており、各金融機関とも一律(現 在 0.048%)である。 また、平成 8 年 6 月の法改正により、加入金融機関は、平成 12 年度までの間、特別 資金援助の実施等特例業務を行うために設けられた特別勘定(一般金融機関特別勘 定、信用協同組合特別勘定<平成 10 年 2 月以降、特例業務勘定に統合>)の原資と して、特別保険料を納付することが義務づけられている。特別保険料の納付時期、 算出方法は、一般保険料と同様であるが、特別保険料率は政令で定められる(現在 0.036%)ことになっている。 なお、特別保険料率は、平成 10 年度末において法令に定める見直しが行われた結 果、現行の 0.036%に据え置くこととなった。 (2)恒久的措置 1)保険金・仮払金の支払 (保険金の支払) 機構による保険金支払の原因となる保険事故には、次の 2 種類があり、保険金の支 払は、事故金融機関の預金者等からの請求に基づいて行われる。 第一種保険事故:金融機関の預金等の払戻しの停止 この場合には、機構は事故発生後 1 か月以内(必要に応じ、さら ― 45 ― に 1 か月の延長も可能)に、運営委員会の議決を経て保険金の支 払を行うかどうかを決定する。 第二種保険事故:金融機関の営業免許の取消し、破産の宣告又は解散の決議 この場合には、機構による決定を要することなく、保険金の支払が 行われる。 (保険金の額) 各預金者等に支払われる保険金の額は、その預金者等が事故金融機関に預入して いる被保険預金等残高の合計額(ただし、保険事故発生の日までに元加されていない 経過利息は含まれない。)で、政令により 1 預金者等当たり 1,000 万円を限度と定め られている(担保預金等については保険金の支払を保留できる。:平成 8 年 6 月改 正←従来:事故金融機関に対する債務相当額及び第三者のために担保に提供してい る預金等の額は被保険預金等残高から控除)。 (仮払金の支払) 仮払金は、保険事故が発生し、保険金の支払開始までにかなりの日数を要すると 見込まれるような場合、事故金融機関の預金者等の当座の生活資金等に充てるため、 預金者等の請求に基づいて支払われるものである。機構が仮払金の支払を行うため には、保険事故発生の日から 1 週間以内に、運営委員会の議決を経て仮払金を支払 う旨の決定をすることが必要とされている。 (仮払金の額) 仮払金は、各預金者等の普通預金残高(元本のみ)について、政令の定めにより 1 口座につき 20 万円を限度として支払われる。 なお、後に保険金が支払われることになったときには、この仮払金支払額はその 預金者等の保険金の額から控除されることになる。 ― 46 ― (保険金、仮払金支払の公告) 保険金あるいは仮払金を支払うことになった場合には、機構は、支払期間、支払 場所、支払方法、支払請求手続などを官報、日刊新聞紙に掲載するほか、事故金融 機関及び保険金支払業務を委託した金融機関等の店頭への掲示などを行い、預金者 等に周知を図ることが必要とされている。 2)預金等債権買取り 平成 8 年 6 月改正により新たに導入された制度である(平成 9 年 4 月 1 日以降発 生した保険事故に係る預金等債権について適用)。 預金等債権の買取りとは、保険事故の発生した金融機関の預金等(利息等を含み、 担保預金等に係る元本と利息は除く。)を、預金者等からの請求に基づいて、機構が 概算払額(破産手続において弁済を受けることができると見込まれる額等を考慮し て決定した率<概算払率>を保険事故発生日における預金等の額に乗じた金額)に 相当する金額で買い取る制度である。 なお、機構では、買い取った預金等債権の回収額(買取りに要した費用を控除)が 概算払額を超えるときは、その超える金額を預金者等に支払うこととされている(精 算払)。 (預金等債権の買取りの公告) 機構が預金等債権の買取りを行う場合には、買取期間、買取場所、概算払額の支 払方法等を公告し、預金者等に周知を図ることが必要とされている。 3)預金者代理 平成 8 年 6 月 21 日公布(平成 9 年 4 月 1 日施行)の更生特例法により、機構は、 基本的には会社更生法等に則りつつ、破綻した金融機関の更生・破産手続を円滑に 進めるため、膨大な数の預金者に代って、更生・破産債権の届出(預金者表を作成の うえ裁判所に提出)、更生計画案に関する議決権の行使などを行うこととなった。 ― 47 ― この場合、機構は、代理する預金者等に対して公平誠実義務及び善管注意義務を 負う。また、更生計画案に関して議決権を行使しようとするときは、同意しようとす る更生計画の内容をあらかじめ預金者等に通知、公告しなければならないこととな っている。 4)資金援助 資金援助は、金融機関が預金等の払戻しを停止し、又はそのおそれのある状態に 陥ったとき、合併等(合併、営業譲渡等又は株式の取得)を行う救済金融機関又は 救済銀行持株会社等がある場合に、その合併等を容易にするよう、救済金融機関又 は救済銀行持株会社等に対して機構が金銭の贈与、資金の貸付け又は預入れ、資産 の買取り(破綻金融機関からの買取りを含む。)、債務の保証又は引受けの方法に より援助を行うものである。 また、各業態で設けられているいわゆる相互援助制度の運営機関が、このような 合併等を援助するため救済金融機関又は救済銀行持株会社等に対して資金の貸付け 又は預入れを行う場合、機構は当該運営機関に対して、資金の貸付けもしくは資金 の預入れ又は債務の保証による資金援助を行うことができることとなっている。 (資金援助の手順) 金融再生委員会による合併等に関する適格性の認定(注)あるいは合併等のあっせん を受けた救済金融機関又は救済銀行持株会社等は、機構に対し資金援助の申込みを 行うことができる。申込みを受けた機構は、運営委員会の議決(その際、運営委員会 は機構の財務状況、資金援助見込額、ペイオフ・コストを考慮し、機構資産の効率 的利用に配慮することとされている。)を経て、資金援助の可否、資金援助の額及 び方法等を決定する。機構は、この決定をしたときは、救済金融機関又は救済銀行持 株会社等と資金援助に関する契約を締結し、資金援助を実施することとなる。 (注) 適格性の認定は、次の 3 条件をすべて満たす場合に限り、行うことができることとさ れている。 ① 当該合併等が預金者等の保護に資すること。 ② 機構による資金援助が当該合併等のために不可欠であること。 ― 48 ― ③ 当該合併等が行われずに破綻金融機関が解散等をした場合、当該破綻金融機関が業 務を行っている地域、あるいはその分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便 に大きな支障が生じるおそれがあること。 なお、金融再生委員会が適格性の認定等に係る合併又は営業譲渡等を緊急に行わな ければ、預金者等の保護に重大な悪影響を及ぼす等のおそれがあると認めて、緊急 性の認定を行った場合には、緊急性の認定に係る合併又は営業譲渡等の当事者である 金融機関(以下「緊急性の認定に係る金融機関」という。)は、金融再生委員会が 指定する期日までに合併又は営業譲渡等を実行しなければならない。 その場合、緊急性の認定に係る金融機関の株主総会等の承認手続等は、事後に行 われることとなる。 5)責任準備金と借入金及び債券発行 機構では、一般業務に係る経理を「一般勘定」として整理することとなっている。 この勘定の責任準備金は、保険金支払や資金援助等に充てられるものであるが、各 事業年度において収益が費用を上回った場合は、その差額を当該年度末に積み立て、 逆に下回った場合には、その差額を取り崩すこととされている。 また、この勘定においては、政令で定められた金額(平成 8 年 6 月以降 1 兆円、 平成 11 年 4 月以降 2 兆円)の範囲内で日本銀行から資金の借入れをすることができ るほか、日本銀行からの借入金を返済するために金融機関その他の者から資金の借 入れ(借換えを含む。)をし、又は預金保険機構債券(以下「債券」という。)の 発行(債券の借換えのための発行を含む。)をすることが認められている。 なお、政府は、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の日本銀行、金融 機関その他の者からの借入れ又は債券に係る債務の保証をすることができることと なっているが、現在政府保証は付されていない。 (3)特例的措置 1)特別資金援助および特定合併 平成 8 年 6 月の法改正により、平成 12 年度末までの時限的措置として、金融再生 ― 49 ― 委員会及び大蔵大臣が信用秩序維持のために資金援助の申込みに係る合併等を行う ことが必要と認定した場合には、機構は救済金融機関に対しペイオフ・コストを超 える資金援助(特別資金援助)を実施することができることとなった。 なお、平成 9 年 12 月の法改正により、特別資金援助を申込む場合の合併等につい て、合併、営業譲渡等又は株式取得に加えて、金融再生委員会及び大蔵大臣のあっ せんを前提とする特定合併(2 以上の破綻金融機関を全部の当事者とする合併をい う。)の場合も申込みができることとなったが、特定合併は平成 11 年 3 月末をもっ て廃止された。 2)預金等債権の買取りの特例 前述の預金等債権買取りに係る概算払については、平成 12 年度末までの時限的措 置として、金融再生委員会及び大蔵大臣が信用秩序の維持のために必要と認められ る概算払率(特別払戻率)を定めた時は、機構は特別払戻率による預金等債権の買 取り(特別買取り)を行うことができることになっている。 3)整理回収銀行(現在の整理回収機構)に対する特例措置 平成 8 年 6 月の法改正により、機構は、信用組合の破綻処理を円滑に進めるための 特例として、破綻した信用組合から譲り受けた事業等の整理回収業務を主たる目的 とする整理回収銀行(現在の整理回収機構、以下同じ)と協定を締結し、同行への 出資、借入れに係る債務保証、整理回収業務に係る損失補てん、指導・助言等を行 うことができることとなった。 また、機構は、整理回収銀行が破綻信用組合から承継・取得した貸付債権等のうち、 債務者の財産の実態を解明することが特に必要であると認められるもの等について、 債務者の財産調査を行うことができるほか、その回収に特に専門的な知識を必要とす るもの等については、整理回収銀行から委託を受けてその取立てを行うことができ る。 さらに、平成 10 年 2 月の法改正では、整理回収銀行における整理回収業務の目的 に、信用組合のみならず一般金融機関からの資産買取り、一般金融機関の受皿銀行 としての機能も付与されることとなった。加えて、整理回収銀行譲受債権等及び特 ― 50 ― 別資金援助に係る資産買取りにより機構が取得した資産について、機構職員に対し 罰則付財産調査権が付与された。 4)特例措置に伴う財政措置 機構では、特例業務に係る経理を「特例業務勘定」として整理することとなって いる。この勘定の責任準備金は、特別資金援助、預金等債権の特別買取り及び協定 銀行に対する損失の補てん等に充てられるものである。 また、この勘定においては、政令で定められた金額(平成 9 年 12 月以降 10 兆円) の範囲内で、日本銀行、金融機関その他の者からの資金の借入れ(借換えを含む。) をし、又は債券の発行(債券の借換えのための発行を含む。)をすることが認めら れている。 なお、政府は、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の日本銀行、金融 機関その他の者からの借入れ又は債券に係る債務の保証をすることができることと なっている。 さらに、特例業務勘定にその健全性を確保し、かつ、特例業務を円滑に実施する ために特例業務基金を設置し、この基金に充てるため政府から国債(7 兆円)の交付 を受けている。この特例業務基金は、特例業務を円滑に実施するため必要があると 認めるときは、業務の区分に応じて特例業務基金を使用することができるほか、業 務の終了の日において特例業務勘定に累積欠損金があるときに使用することができ ることとなっている。 なお、特例業務勘定は平成 13 年度末に廃止することとなっており、その際この勘 定に属する資産及び負債については、一般勘定に帰属させることとなっている。 ― 51 ― 2.預 金 保 険 制 度 の 昭和46年制度発足時 1.対象金融機関 2.資本金 [法律] その後の変更又は追加事項(昭61/7月) 銀行、相銀* 信金、信組 労金が加入 4.5億円 4.55億円 政府 1.5億円 労金が出資 日銀 1.5億円 (0.05億円) [認可] 民間 1.5億円 3.役員 理事長(日銀副総裁) 理事長、理事、監事 [(平10/10月)内閣総理大臣任命] 理事1名 監事1名 4.保険料率 一般 [認可] 0.006% <昭57年度> <昭61年度> 0.008% 0.012% 特別 [政令] 5.保険料納付期日 年度開始後3か月以内 [法律] 6.保険金支払限度額 <昭49/6月> [政令] 100万円 300万円 1,000万円 7.預金設定による支払 [法律] 8.仮払金支払制度 同限度額 [法律] 導入 [政令] 20万円 9.預金等債権買取り制度 [法律] 10.預金者代理制度** [法律] 11.資金援助制度 [法律] 導入 [法律] 救済金融機関からの 資産買取り 12.金融機関からの 資産買取り 13.借入金等(一般勘定) (1) 日銀借入限度額 [政令] (2) 日銀借入返済のための 金融機関等借入 500億円 [法律] 5,000億円 導入 * 相互銀行(相銀)はその後逐次普通銀行に転換(平成5年4月1日、相互銀行法廃止)。 ** 「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律」(更生特例法)。 ― 52 ― 拡 充 ・ 整 備 経 過 平成8/6月以降の変更又は追加事項 平成8年6月の法改正により導入された主な特例業務 ・ 協定銀行に対する出資、損失補てん、債務保証、指導・ 助言等 <平8/7月> 54.55億円 ・ 協定銀行が譲り受けた貸付債権等の債務者に対する財産 調査、債権取立て ・ 破綻信用協同組合資産の買取りの協定銀行への業務委託 [住専勘定]50億円(政府) ・ 特別資金援助 ・ 預金等債権の特別買取り (大蔵大臣任命) (内閣総理大臣任命・両議院同意) (平8/6月) 3名以内 (平8/6月) ・ 破綻信用協同組合に係る特例業務の実施のための日本銀 (平10/10月) 行又は金融機関等からの借入れに係る政府による債務保 4名以内 (平10/10月) 証 ・ 特別保険料の収納 平成9年12月の法改正の主要点等 <平8年度> 0.048% 導入 0.036% <特例> 年度開始後3か月以内、ただし1/2 は年度開始6か月後3か月以内で可 ・ 資金援助の申込みを行うことが出来る合併等に、新設合 併を追加 ・ 特定合併に係る資金援助(時限的措置) ・ 特例業務に係る日本銀行等からの借入限度額引上げ (1兆円から10兆円) 平成10年2月の法改正の主要点等 ・ 一般金融機関及び信用協同組合の各特別勘定の区分を廃 止し、特例業務勘定を設置 導入 ・ 機構の借入金又は債券に係る債務について政府保証枠10 兆円設定 ・ 整理回収銀行に一般金融機関受皿銀行としての機能拡充 ・ 預金保険機構債券の発行 ・ 罰則付財産調査権について、破綻金融機関の貸付債権の 導入(平9/4月) 回収業務にも拡大 ・ 特例業務基金の設置(交付国債7兆円を限度) 導入(平9/4月) 平成10年10月制定の金融再生関連法の主要点等 ・ 金融整理管財人業務を追加 ・ 承継銀行の設立及び経営管理等に関する業務を追加 ・ 特別公的管理に関する業務を追加 破綻金融機関からの 特別公的管理銀行等から 資産買取り(平8/6月) の資産買取り(平10/10月) ・ 金融機関等の自己資本増強に関する業務を追加 ・ 特別公的管理銀行や承継銀行、金融機関等、資産の買取 り対象範囲を拡充 1兆円 2兆円 (平8/6月) (平11/4月) 金融機関その他の者(平10/10月) ・ 特別公的管理銀行や承継銀行に対する資金の貸付け等を ・ 経理する金融再生勘定(18兆円)の設置 ・ 金融機関等の株式等の引受け等を行う協定銀行に対する 資金の貸付けや損失補てん等を経理する金融機能早期健 全化勘定(25兆円)の設置 ― 53 ― 3.協定銀行・特定協定銀行(整理回収銀行)及び住専処理に関する 特例措置の拡充・整備経過 (1)協定銀行・特定協定銀行(整理回収銀行)関係 平成8年6月預金保険法改正 ・協定銀行に対する出資 ・協定銀行に対する破綻信用組合の資産 買取りの委託 ・協定銀行に対する損失の補てん(資産 買取りの委託に係るものに限る) 平成10年2月預金保険法改正 変更なし 委託の範囲を「破綻金融機関」へ拡大 損失の補てんの範囲を「協定に基づく 合併・営業譲受けに係るもの」へ拡大 ・協定銀行に対する資金の貸付け ・協定銀行の資金の借入れに係る債務の 保証 ・協定銀行に対する指導・助言 ・協定銀行の譲受債権等に係る債務者の 財産調査、債権取立て 変更なし ・協定銀行から納付される金銭の収納 変更なし 債務者の財産調査については、罰則で 担保 ・住管機構に対する取立委託の承認 ・官庁・公共団体等に対する照会・協力 要請 変更なし 平成10年10月預金保険法改正 変更なし 変更なし 変更なし 変更なし 変更なし 変更なし 変更なし 変更なし 変更なし 変更なし ・協定銀行と住管機構の合併に必要な措 置 平成10年10月金融機能再生法成立 ・特定協定銀行に対する金融機関等の資 産の買取りの委託 ・特定協定銀行に対する損失の補てん ・特定協定銀行に対する資金の貸付け ・特定協定銀行の資金の借入れに係る債 務の保証 ・特定協定銀行から納付される金銭の収 納 ・特定協定銀行が譲り受けた貸付債権等 の債務者に対する財産調査(罰則で担 保)、債権取立て ・住管機構に対する取立委託の承認 ・官庁・公共団体等に対する照会・協力 要請 (2)住専処理関係(住専法関係) 平成8年6月住専法成立 ・住管機構に対する出資、助成金の交付、 債務保証、指導・助言 ・住管機構が譲り受けた貸付債権等の債 務者に対する財産調査 (罰則で担保) 、債権取立て ・官庁・公共団体等に対する照会・協力 要請 ・金融機関等からの借入れ(一般業務と は別枠で住専勘定への政府出資〈50億 円〉を限度) ・政府補助金、日本銀行及び民間金融機 関等からの拠出金の受入れ、住管機構 の回収に係る益金の国庫納付 ・政府による連絡協議会の設立 平成10年4月住専法改正 平成10年10月住専法改正 変更なし 変更なし 罰則付の調査範囲を「第三者担保提供 不動産」まで拡大 変更なし ・整理回収銀行に対する取立委託の承認 変更なし 変更なし 変更なし 変更なし 変更なし 住管機構の補助金及び回収益金の国庫 納付の方法改正(毎事業年度において 回収益と2次損失の 1/2を相殺後、余 剰金があれば国庫納付、不足があれば 政府補助金に基づく補助金を交付) 変更なし ― 54 ― 変更なし 変更なし ・住管機構と協定銀行の合併に必要な措 置 4.平成10年度中の主な出来事 債権回収業務等 破綻処理業務等 住管機構関係 ・10.4.10 ・10.4.13 〇住専法改正法施行回収 益と2次損失への補助 金との相殺等 〇さくら銀行による田辺 信用組合の事業譲受け に係る資金援助実施 ・10.4.22 ・10.4.24 (第99回運営委員会) ○第17回定例幹部協議会 〇朝銀近畿信用組合によ る朝銀大阪信用組合の 事業譲受けに係る資金 援助決定(5.11実施) ・10.4.27 ○第20回定例幹部協議会 ・10.5.27 ○第18回定例幹部協議会 ・10.5.29 ・10.6.16 (第100回運営委員会) ○第21回定例幹部協議会 ○平成9事業年度決算 〇住管機構への助成金交 付決定 ・10.6.23 ○第19回定例幹部協議会 ・10.6.29 〇紹介者責任追及により 住管機構が住友銀行 提訴 ・10.6.30 ○第22回定例幹部協議会 ・10.7.28 ○第23回定例幹部協議会 ・10.7.29 ・10.8.10 (101回運営委員会) 整理回収銀行関係 ○第20回定例幹部協議会 ○第一勧業信用組合によ る逓信信用組合の事業 譲受けに係る資金援助 決定(8.24実施) ・10.8.31 ○第24回定例幹部協議会 ・10.9.9 ○福徳銀行となにわ銀行 ○住管機構の対住友銀行 (第102回運営委員会) の特定合併に係る資金 訴訟への機構の補助参 援助決定(10.1実施) 加の決定 ○池袋信用組合による豊 信用組合の事業譲受け に 係 る 資 金 援 助 決 定 (9.28実施) ・10.9.25 ○第21回定例幹部協議会 ・10.9.29 ○第25回定例幹部協議会 ・10.10.6 〇幸福銀行ほか13行庫に (第103回運営委員会) よる京都共栄銀行の営 業譲受けに係る資金援 助決定(10.26実施) 〇住友銀行による西南信 用組合の事業譲受けに 係る資金援助決定 (10.19実施) ― 55 ― 金融再生業務及び金融機 能早期健全化業務等 債権回収業務等 破綻処理業務等 住管機構関係 整理回収銀行関係 金融再生業務及び金融機 能早期健全化業務等 〇大東京信用組合による 品川信用組合の事業譲 受けに係る資金援助決 定(11.9実施) ・10.10.23 ○預金保険法改正等に伴 ○住専法改正に伴う業務 (第104回運営委員会) う業務方法書変更 方法書変更 ○平成10事業年度予算及 び資金計画の変更 ・10.10.27 〇金融機能再生法、預金 保険法の一部を改正 する法律及び早期健 全化法等の施行 金融機能安定化法の廃 止 〇金融機能再生法の制定 等に伴う定款の変更 〇金融機能再生法の制定 に伴う業務方法書の 作成 〇金融危機管理審査委員 会及び同事務局の廃 止並びに金融再生部 の設置 〇日本長期信用銀行に対 する特別公的管理の 開始決定 ○第22回定例幹部協議会 ・10.10.28 ○第25回定例幹部協議会 ・10.10.29 〇北洋銀行及び中央信託 (第105回運営委員会) 銀行による北海道拓殖 銀行の営業譲受けに係 る資金援助決定(11.16 実施) ・10.11.5 〇早期健全化法の制定等 に伴う定款の変更及 び同法の制定に伴う 業務方法書の作成 ○協定銀行と債権処理会社との合併に関する協定 締結 ○協定銀行と株式等の引受け等並びに取得株式等 及び取得貸付債権の処分等の業務の委託に関す る協定締結 ○特定整理回収協定締結 ・10.11.9 〇仙台銀行ほか12行庫に (第106回運営委員会) よる德陽シティ銀行の 営業譲受けに係る資金 援助決定(11.24実施) 〇大阪庶民信用組合によ る中国信用組合の事業 譲受けに係る資金援助 決定(11.24実施) 〇富士信用組合による六 甲信用組合の事業譲受 けに係る資金援助決定 (11.24実施) ・10.11.11 ○三者不動産協議会(第11回) ― 56 ― 債権回収業務等 破綻処理業務等 住管機構関係 整理回収銀行関係 金融再生業務及び金融機 能早期健全化業務等 ・10.11.25 〇都民信用組合による豊 (第107回運営委員会) 栄信用組合の事業譲受 けに係る資金援助決定 (12.7実施) 〇永代信用組合による東 興信用組合の事業譲受 けに係る資金援助決定 (12.21実施) 〇成協信用組合による太 平信用組合の事業譲受 けに係る資金援助決定 (12.14実施) 〇一般勘定及び特例業務 勘定に係る平成10事業 年度予算及び資金計画 変更 〇金融システム改革法の 施行に伴う業務方法書 の変更 ・10.11.30 ○第23回定例幹部協議会 ・10.12.2 ○第27回定例幹部協議会 ・10.12.7 ○業務方法書の変更 (第108回運営委員会) ・10.12.13 〇日本債券信用銀行に対 する特別公的管理の開 始決定 ・10.12.18 〇北越銀行による長岡信 (第109回運営委員会) 用組合の事業譲受けに 係る資金援助決定 (11.1.11実施) 〇成協信用組合による大 和信用組合の事業譲受 けに係る資金援助決定 (11.1.11実施) 〇南都銀行による奈良県 信用組合の事業譲受け に係る資金援助決定 (11.1.18実施) 〇一般勘定、特例業務勘 定及び金融再生勘定に 係る平成10事業年度予 算及び資金計画の変更 ・10.12.25 ○住管機構と整理回収銀行との合併契約書及び機 構を含む三者の合併協定書締結 ・11.1.11 〇横浜商銀信用組合によ (第110回運営委員会) る静岡商銀信用組合の 事業譲受けに係る資金 援助決定(1.25実施) ― 57 ― 債権回収業務等 破綻処理業務等 住管機構関係 整理回収銀行関係 金融再生業務及び金融機 能早期健全化業務等 〇厚木信用組合による湘 南信用組合の事業譲受 けに係る資金援助決定 (2.8実施) ○成協信用組合による日 本貯蓄信用組合の事業 譲受けに係る資金援助 決定(2.8実施) ・11.1.26 ○第24回定例幹部協議会 ・11.1.27 ・11.2.1 ○第28回定例幹部協議会 〇あさひ銀行による西武 〇住友銀行と和解成立 信用組合の事業譲受け に係る資金援助決定 (2.15実施) 〇川崎信用金庫による神 奈川商工信用組合の事 業譲受けに係る資金援 助決定(2.22実施) 〇信用組合広島商銀によ る信用組合山口商銀信 用組合の事業譲受けに 係る資金援助決定 (2.22実施) 〇信用組合広島商銀によ る島根商銀信用組合の 事業譲受けに係る資金 援助決定(2.22実施) 〇平成10事業年度金融危 機管理勘定の決算 ・11.2.10 ○業務方法書の変更 (第112回運営委員会) ・11.2.23 〇成協信用組合による河 (第113回運営委員会) 内信用組合の事業譲受 けに係る資金援助決定 (3.8実施) 〇八千代銀行による相模 原信用組合の事業譲受 けに係る資金援助決定 (3.8実施) 〇一般勘定、特例業務勘 定及び金融再生勘定に 係る平成10事業年度予 算及び資金計画の変更 ・11.3.9 〇阪神銀行とみどり銀行 (第114回運営委員会) との合併に係る資金援 助 決 定 ( 3.23/4.1 実 施) 〇東京商銀信用組合によ る埼玉商銀信用組合の 事業譲受けに係る資金 援助決定(3.23実施) 〇整理回収銀行に対する 出資決定 ― 58 ― 債権回収業務等 破綻処理業務等 住管機構関係 整理回収銀行関係 金融再生業務及び金融機 能早期健全化業務等 〇信用組合宮城商銀によ る北海商銀信用組合の 事業譲受けに係る資金 援助決定(3.29実施) 〇滋賀県信用組合及び滋 賀銀行による高島信用 組合の事業譲受けに係 る資金援助決定(4.5 実施) 〇特例業務勘定、金融再 生勘定及び金融機能早 期健全化勘定に係る平 成10事業年度予算及び 資金計画の変更 ・11.3.15 ○第25回定例幹部協議会 ・11.3.25 〇定款及び業務方法書の 〇整理回収機構と「整理回収業務に関する協定」 (第115回運営委員会) 変更 の締結決定 〇大同信用組合による大 阪東和信用組合の事業 譲受けに係る資金援助 決定(4.19実施) 〇平成11事業年度予算 及び資金計画の決定 ・11.3.30 〇住管機構の平成11、12年度事業計画・資金計画 〇早期健全化法に基づく を承認 金融機関の資本増強 (都銀8行、長信銀1 行、信託銀行5行、地 ○第2次合併協定書締結 銀1行の計15行に対し 7 兆 4,592 億 5,000 万 円) (注) 平成11.4.1に住管機構と整理回収銀行が合併して、整理回収機構が発足し、機構は同日付で整理回収機構と整理 回収協定を締結している。 ― 59 ― 5.責任追及体制 預金保険機構 預金保険機構 責任解明委員会 特別顧問4名 (案件審議) 同 事 務 局 特別業務部 特別業務部 機動調査課 指 指導 助言 ㈱ 整 課 (住専法3・1・4) (預金保険法附則7・1・3) 理 回 収 機 (RCC) 関与者責任追及本部 導 構 特別 対 策 本 部 損 民害 事賠 訴償 訟請 求 刑 事 告 発 裁 判 所 (住専法12・9) (預金保険法附則8・1・10) 捜査機関 旧住専・ 破綻金融機関等 経 営 者 ・債 務 者 ― 60 ― 6.告発状況一覧表 (特別業務部設置から平成11年3月31日まで) (1) 告発件数 住 管 機 構 検挙済 69 (135) 19 (29) 88 (164) 告発中 8 (15) 4 (8) 12 (23) 77 (150) 23 (37) 100 (187) 合 (2) 計 告発事案の内訳 住管機構 整理回収銀行(RCB) 合 計 比 率 % 27 (49) 3 (7) 30 (56) 30.0 18 (44) 3 (5) 21 (49) 21.0 強制執行妨害 15 (36) 4 (5) 19 (41) 19.0 公正証書原本 不実記載等 4 (7) 0 0 4 (7) 4.0 脅 迫・強 要 3 (3) 0 0 3 (3) 3.0 詐欺破産※ 1 (1) 1 (1) 2 (2) 2.0 そ 他 9 (10) 4 (4) 13 (14) 13.0 計 77 (150) 15 (22) 92 (172) 92.0 競 売 妨 害 借 り 手 に 関 す る 事 案 合 計 整理回収銀行(RCB) 詐 欺 の 小 貸 関 背任・特別背任 しす 手る そ の 他 に事 小 計 案 合 0 0 4 (11) 0 0 4 (4) 0 0 8 (15) 77 計 (150) 23 ※∼破産法(第374条) 4 (11) 4.0 4 (4) 4.0 8 (15) 8.0 (37) 100 (187) 100.0 ( )内は被告発人数 その他 その他 競売妨害 競売妨害 詐欺破産 詐欺破産 脅迫・強要 脅迫・強要 背任・特別背任 背任・特別背任 公正証書原本 公正証書原本 不実記載等 不実記載等 詐欺 強制執行妨害 強制執行妨害 ― 61 ― 7.民事責任追及一覧表 請求名義 住 管 機 構 件数 請求額 不法行為及び 善管注意義務違反 善管注意義務違反 損 害 賠 償 請 求 経営者責任 1 36 億円 紹介者責任 2 50 億 1 千万円 (平 11.2.1 30 億円で和解 ) 3 86 億 1 千万円 小 計 整理回収銀行 ( R C B ) 件数 請求額 5 98 億 2 千万円 10 203 億 7 千万円 預金保険機構 件数 3 5 億 1 千万円 請求額 5 98 億2千万円 14 244 億 8 千万円 2 50 億 1 千万円 21 393 億 1 千万円 301 億 9 千万円 保証債務履行 1 30 億円 1 30 億円 詐害行為取消 (1) 1 千万円 (1) 1 千万円 16 332 億円 22 423 億 2 千万円 3 86 億 1 千万円 (30 億円で和解) 3 5 億 1 千万円 件数 15 合 計 3 請求額 合 計 5 億 1 千万円 (注) 詐害行為取消については、不法行為及び善管注意義務違反案件と同時に提訴しているため、件数を( ) 書とし合計件数には含めない。 ― 62 ― 8.資金援助の実績(平成11年6月16日現在) 平成7年度まで No. 1 実施日 運営委員会 議 決 日 平成 平成 4. 4. 1 3.10.28 救済金融機関 破綻金融機関 援助方式 金 額 (億円) 伊予銀行 東邦相互銀行 貸 付 (5年間) 80 2 4.10. 1 4. 6. 1 三和銀行 東洋信用金庫 金銭贈与 200 3 5.10. 1 5. 6.24 岩手銀行 釜石信用金庫 金銭贈与 260 4 5.11. 1 大阪府民信用組合 金銭贈与 (増額後) 190 (199) 5 7. 3.13 6.11.25 信用組合関西興銀 信用組合岐阜商銀 金銭贈与 25 6 7. 3.20 7. 2. 9 東京共同銀行 東京協和信用組合 安全信用組合 金銭贈与 400 7 7. 7.31 7. 5.19 神奈川県労働金庫 友愛信用組合 金銭贈与 28 8 8. 1.29 7.12.14 みどり銀行 兵庫銀行 金銭贈与 4,730 東京共同銀行 コスモ信用組合 金銭贈与 1,250 9件 貸 付 金銭贈与 80 7,092 破綻金融機関 援助方式 9 8. 3.25 5. 7.28 信用組合大阪弘容 (5.10.28) 8. 2.16 合 計 平成8年度 No. 実施日 10 8. 8.19 運営委員会 議 決 日 救済金融機関 8. 6.24 福井銀行 (9. 1.20) 金 額 (億円) 福井県第一 信用組合 金銭贈与 (減額後) 6 (5) 11 8. 9.17 8. 8. 7 わかしお銀行 太平洋銀行 金銭贈与 1,170 12 8.11. 5 8.10.28 淡陽信用組合 山陽信用組合 金銭贈与 資産買取 129 33 13 8.11. 5 8.10.28 淡陽信用組合 けんみん大和 信用組合 金銭贈与 資産買取 108 38 14 9. 1.20 9. 1. 9 東海銀行 大阪信用組合 金銭贈与 資産買取 1,697 829 15 9. 2.24 9. 2.14 整理回収銀行 木津信用組合 金銭贈与 10,340 金銭贈与 資産買取 13,449 900 合 計 6件 ― 63 ― 平成9年度 No. 実施日 16 9. 4.21 運営委員会 議 決 日 救済金融機関 9. 4.11 整理回収銀行 (10. 4.24) 破綻金融機関 援助方式 金 額 (億円) 三福信用組合 金銭贈与 (減額後) 262 (253) 17 9.11. 4 9.10.22 兵庫県信用組合 阪神労働信用組合 金銭贈与 資産買取 37 4 18 9.11.17 9.10.22 福岡銀行 北九州信用組合 金銭贈与 資産買取 40 38 神奈川県信用組合 金銭贈与 (減額後) 資産買取 192 (189) 232 20 10. 1.14 10. 1.26 紀伊預金管理銀行 (10. 3.30) 阪和銀行 金銭贈与 (減額後) 資産買取 債務引受 849 (834) 2,086 40 21 10. 1.26 土岐信用組合 金銭贈与 資産買取 43 11 22 10. 2. 9 東海信用組合 金銭贈与 (減額後) 資産買取 155 (150) 23 7件 金銭贈与 資産買取 債務引受 1,546 2,394 40 破綻金融機関 援助方式 9.10.22 横浜銀行 19 9.11.25 (10. 3.30) 10. 1.14 十六銀行 10. 1.14 大垣共立銀行 (10. 3.30) 合 計 平成10年度 運営委員会 議決日 No. 実施日 23 10. 4.13 24 10. 4.24 10. 5.11 朝銀近畿信用組合 (11. 4.16) 25 10. 8.10 10. 8.24 第一勧業信用組合 (11. 6.16) 逓信信用組合 26 10. 9.28 10. 9. 9 池袋信用組合 豊信用組合 27 10.10. 1 10. 9. 9 なみはや銀行 (新設銀行) 福徳銀行 なにわ銀行 救済金融機関 10. 3.30 さくら銀行 (10. 6.16) 金 額 (億円) 田辺信用組合 金銭贈与 (減額後) 資産買取 828 (817) 264 朝銀大阪信用組合 金銭贈与 (減額後) 資産買取 2,683 (2,626) 476 金銭贈与 (減額後) 資産買取 金銭贈与 資産買取 22 (21) 12 100 31 資産買取 3,018 ― 64 ― 金銭贈与 資産買取 金銭贈与 (減額後) 資産買取 金銭贈与 資産買取 金銭贈与 (減額後) 資産買取 金 額 (億円) 83 69 456 (438) 581 171 100 17,947 (17,560) 16,166 徳陽シティ銀行 金銭贈与 (減額後) 資産買取 1,238 (1,193) 1,695 中国信用組合 金銭贈与 (減額後) 資産買取 49 (48) 23 34 10.11. 9 10.11.24 富士信用組合 (11. 5.26) 六甲信用組合 金銭贈与 (減額後) 資産買取 76 (74) 79 35 10.12. 7 10.11.25 都民信用組合 豊栄信用組合 金銭贈与 資産買取 136 76 36 10.12.14 10.11.25 成協信用組合 太平信用組合 金銭贈与 資産買取 178 100 37 10.12.21 10.11.25 永代信用組合 東興信用組合 金銭贈与 資産買取 104 109 38 11. 1.11 10.12.18 北越銀行 長岡信用組合 金銭贈与 資産買取 18 29 39 11. 1.11 10.12.18 成協信用組合 大和信用組合 金銭贈与 資産買取 518 174 40 11. 1.18 10.12.18 南都銀行 奈良県信用組合 金銭贈与 資産買取 113 40 41 11. 1.25 11. 1.11 横浜商銀信用組合 静岡商銀信用組合 金銭贈与 資産買取 162 22 42 11. 2. 8 11. 1.11 厚木信用組合 湘南信用組合 金銭贈与 資産買取 133 86 43 11. 2. 8 11. 1.11 成協信用組合 日本貯蓄信用組合 金銭贈与 資産買取 230 90 44 11. 2.15 45 11. 2.22 金銭贈与 (減額後) 資産買取 金銭贈与 資産買取 50 (49) 49 128 99 No. 実施日 運営委員会 議決日 28 10.10.19 10.10. 6 29 10.10.26 30 10.11. 9 31 10.11.16 32 10.11. 9 仙台銀行 10.11.24 (11. 5.26) 33 10.11. 9 10.11.24 大阪庶民信用組合 (11. 5.26) 救済金融機関 破綻金融機関 住友銀行 西南信用組合 10.10. 6 幸福銀行 (11. 4.16) 京都共栄銀行 10.10. 6 大東京信用組合 10.10.29 北洋銀行 (11. 6.16) 中央信託銀行 11. 2. 1 あさひ銀行 (11. 6.16) 11. 2. 1 川崎信用金庫 品川信用組合 北海道拓殖銀行 西武信用組合 神奈川商工 信用組合 ― 65 ― 援助方式 金 額 (億円) No. 実施日 運営委員会 議決日 救済金融機関 破綻金融機関 援助方式 46 11. 2.22 11. 2. 1 信用組合広島商銀 信用組合山口商銀 金銭贈与 資産買取 203 112 47 11. 2.22 11. 2. 1 信用組合広島商銀 島根商銀信用組合 金銭贈与 資産買取 9 2 48 11. 3. 8 11. 2.23 成協信用組合 河内信用組合 金銭贈与 資産買取 915 289 49 11. 3. 8 11. 2.23 八千代銀行 相模原信用組合 金銭贈与 資産買取 276 249 50 11. 3.23 11. 3. 9 阪神銀行 みどり銀行 資産買取 2,659 51 11. 3.23 11. 3. 9 東京商銀信用組合 埼玉商銀信用組合 金銭贈与 資産買取 367 83 52 11. 3.29 11. 3. 9 信用組合宮城商銀 北海商銀信用組合 金銭贈与 資産買取 金銭贈与 資産買取 99 33 26,769 26,815 合 計 30件 平成11年度 No. 実施日 運営委員会 議決日 − 11. 4. 1 11. 3. 9 阪神銀行 みどり銀行 金銭贈与 7,901 53 11. 4. 5 11. 3. 9 滋賀県信用組合 高島信用組合 金銭贈与 資産買取 62 27 54 11. 4.19 11. 3.25 大同信用組合 大阪東和信用組合 金銭贈与 資産買取 123 37 55 11. 5. 6 11. 4.16 紀陽銀行 和歌山県 商工信用組合 金銭贈与 資産買取 1,768 425 56 11. 5.17 11. 4.16 大同信用組合 興和信用組合 金銭贈与 資産買取 353 122 57 11. 6.14 11. 5.26 大同信用組合 福寿信用組合 金銭贈与 資産買取 546 194 58 11. 6.28 11. 6.16 大阪庶民信用組合 豊和信用組合 金銭贈与 資産買取 162 111 金銭贈与 資産買取 10,915 917 救済金融機関 破綻金融機関 合 計 6件 援助方式 金 額 (億円) (注) 1.救済金融機関は資金援助申込金融機関 2.億円未満四捨五入しているため、累計金額、合計金額とも一致しないところがある 3.No12∼26、28、30∼36、38∼58は特別資金援助 4.平成11年度のみどり銀行は平成10年度に資産買取実行のため、金銭贈与額のみ計上 ― 66 ― 平成11年6月18日現在 (参考) 現在破綻が公表されている案件 破綻公表日 10年 5月13日 10年 5月15日 11年 3月18日 11年 4月16日 同 同 同 同 11年 4月21日 11年 4月23日 同 11年 4月28日 11年 5月14日 同 同 同 同 同 同 同 同 11年 5月21日 同 同 同 同 11年 6月 44日 計 破綻金融機関 信用組合大阪弘容 信用組合福岡商銀 紀北信用組合 共同信用組合 千歳信用組合 総武信用組合 大東信用組合 東京東和信用組合 不動信用金庫 神田信用金庫※ 玉野信用金庫※ 信用組合高知商銀 朝銀青森信用組合 朝銀宮城信用組合 朝銀福井信用組合 朝銀愛知信用組合 朝銀広島信用組合 朝銀山口信用組合 朝銀島根信用組合 朝銀福岡信用組合 朝銀長崎信用組合 朝銀東京信用組合 朝銀千葉信用組合 朝銀新潟信用組合 朝銀長野信用組合 平和信用組合 龍ヶ崎信用金庫※ 4信用金庫、23信用組合 救済金融機関 大阪庶民信用組合 未定 きのくに信用金庫 専和信用組合 都民信用組合 江東信用組合 (大阪府下信用金庫を予定) 興産信用金庫 おかやま信用金庫 信用組合広島商銀 (仮称)朝銀北東信用組合 (仮称)朝銀東海信用組合 (仮称)朝銀西信用組合 (仮称)朝銀関東信用組合 三栄信用組合 水戸信用金庫 無印は事業譲渡、※印は合併 被管理金融機関 譲受金融機関 処分決定日 11年 4月11日 11年 5月14日 11年 5月21日 同 11年 5月22日 被管理金融機関 国民銀行 三重県信用組合 足立綜合信用組合 日本信販信用組合 幸福銀行 未定 百五銀行 未定 未定 未定 11年 6月 4日 信用組合大阪商銀 未定 11年 6月12日 11年 6月18日 計 東京相和銀行 東京都教育信用組合 3銀行、5信用組合 未定 未定 特別公的管理銀行 開始決定日 10年10月23日 10年12月13日 計 特別公的管理銀行 日本長期信用銀行 日本債券信用銀行 2銀行 ― 67 ― 備 当初破綻公表 10年 6月10日 考 9.資金援助スキーム図(平成10 年度中) [パターン 1] ①援助方式 金銭贈与及び資産買取り ②実施件数 29 件 事業譲渡 資金援助 破綻金融機関 救済金融機関 預金保険機構 預金・正常債 (金銭の贈与) 権等・その他 の資産・負債 整理回収業務に対す る指導・助言等 資産買取り 買取委託 整理回収銀行 買取代金 貸付け ― 68 ― [パターン 2] ①援助方式 特定合併に係る資産買取り ②実施件数 1 件 破綻金融機関A 特定合併 新設合併銀行 破綻金融機関B 預金保険機構 整理回収銀行に対する 指導・助言等 不良資産買取り 買取委託 整理回収銀行 買取代金 貸付け ― 69 ― ― 70 ― 罰則付調査(住専法17条) 任意調査(住専法15条) 出資(住専法 3条1項1号) 緊急金融安 定化基金 住専勘定 資金拠出 (旧住専) 債 務 者 回収 住宅金融債権管理機構 利益納付 又は 損失補てん (住専法8条、12条) 国庫納付 又は国庫補助 (住専法13条、24条) 日本銀行 出資 資金拠出 預 金 保 険 民間金融機関 (預金保険法附則 8条) (住専法12条) 債権取立ての相互委託 構 債 務 者 回収 利益納付 又は 損失補てん (預金保険法 附則10条の2、 8条1項2の2号) 特例業務勘定 機 出資 ・金融機関等からの債権の 取立ての委託 (金融機能再生法59条) 2次ロスの 1/2補てん (住専法 出資(預金保 10条) 険法附則 9条) 金融安定化 基金 出資 国 出資 ・整理回収業務 ・特定整理回収業務 債 務 者 回収 整 理 回 収 銀 行 整理回収協定(預保法附則8条) 買取り委託 (預金保険法附則10条) (金融機能再生法72条) 整理回収費用支払(協定12条) 特別補てん金 (協定12条) 一般勘定 出資 早期健全化 勘定 (金融機能再生法 57条) 資金の貸付け 及び 債務の保証 (預金保険法附則 11条) (住専法11条) 罰則付調査(預金保険法附則14条の2、金融機能再生法58条) 任意調査 (預金保険法附則13条、金融機能再生法58条) 7条1項3号) (金融機能再生法53条) 指導・助言 (住専法3条1項4号) (預金保険法附則 利益納付又は損失補てん (金融機能再生法53条3項) 特定整理回収協定 (金融機能再生法54条) 買取り委託(金融機能再生法53条) 金融再生 勘定 10.預金保険機構と住管機構・整理回収銀行の回収業務の関係 (概要) 11.住管機構と整理回収銀行の回収実績 ○ 住管機構(平成8年7月26日設立) 貸出金譲受簿価 4兆6,558億円 ………(A) (単位:億円) 回収額 回収額累計 (B) 回収率 (B/A) 平成 8年度 2,756 2,756 5.9% 平成 9年度 6,405 9,161 19.7% 平成10年度 6,340 15,501 33.3% ○ 整理回収銀行(平成8年9月2日改組) (単位:億円) 貸出金譲受 簿価累計(A) 回収額累計 (B) 回収額 回収率 (B/A) 平成 8年度 3,841 ※343 343 8.9% 平成 9年度 5,966 514 857 14.4% 平成10年度 22,020 2,618 3,475 15.8% 譲受後1年以上 5,966 859 1,716 28.8% 譲受後1年未満 16,054 1,759 1,759 11.0% ※ 整理回収銀行の8年度実績は平成7年度・8年度合計。 ※ 拓銀の譲受債権から信託スキームは除く。 ※ 阪和銀行からの譲受債権(預金保険機構からの回収受託分)を含む。 ― 71 ― 12.金融機能再生法による金融機関の破綻等処理スキーム (1) 金融整理管財人に関する業務 金融整理管財人の役割 金 融 再 生 委 員 会 1.経営陣に代わっての業務運営 2.管理を命ずる処分に至った経緯等の調査 管理を命ずる処分 3.資産の劣化防止 (金融機能再生法8条) 4.受皿金融機関探し 5.円滑な営業譲渡 6.責任追及 経営陣 経 営 者 金融システムの維持 金融整理管財人 資金援助 受皿金融機関 正 常 資 産 譲渡 または 資 産 1年、最長2年以内 不 良 資 産 売却 ― 72 ― 承継銀行 (公的ブリッジバンク) 整理回収機構 (RCC) 受皿金融機関 (2)承継銀行の設立等に関する業務 承継銀行設立の決定 (公的ブリッジバンク) 金融再生委員会 被管理金融機関 被管理金融機関の資産判定 承継銀行が保有するこ とが適当であると判定さ れた資産 資産判定基準 承継銀行が保有 することが不適 当であると判定さ れた資産 営 業 譲 渡 資 金 援 助 整理回収機構 (RCC) 53条買取 出資・設立 経営管理 承継銀行 (公的ブリッジバンク) 解 散 株営合 式業併 譲譲 渡渡 等 ・被管理金融機関に対する 管理を命ずる処分の日か ら1年以内 ・1年ごと2回の延長可 受皿金融機関 ― 73 ― 預金保険機構 ・業務指針の作成公表 ・承継銀行と協定の締結 ・貸付け・債務保証 ・損失補てん (3)特別公的管理銀行に関する業務 特別公的管理の開始決定 金融再生委員会 銀 行 ・預金等の払戻し停止又はそのおそれ ・預金等の払戻しを停止するおそれが 生ずると認められる場合 株式 ・特別公的管理開始決定の公告時に機構が全株式を取得 ・株価算定委員会による株式の対価決定後機構が旧株主に支払 特別公的管理銀行 役員: 新役員 株主: 旧株主 金融再生委員会の指名に基づき選任 預金保険機構 経営合理化計画の作成 業務運営基準の作成 金融再生委員会による資産判定 特別公的管理 銀行が保有す ることが不適 当と判定され た資産 特別公的管理銀 行が保有すること が適当と判定され た資産 資産判定基準 預 金 保 険 機 構 ・資金の貸付け ・損失の補てん 特例資金援助 整理回収機構 (RCC) 53条買取 特別公的管理の終了 営業の譲渡 株式の譲渡等 ・平成13年3月末まで 受皿金融機関 ― 74 ― ― 75 ― 金 融 機 関 等 ⑦株式等 の引受け 等 (法10Ⅱ ①) ①株式等 の発行の 申込み (法4Ⅱ) ⑤株式等 の引受け 等の承認 (法6Ⅰ、 7Ⅰ、8Ⅰ) ⑥株式等 の引受け 等の委託 (法4Ⅰ) ④意見の 陳述等の 求め (法4Ⅵ) 【処分】 ③子会社 の経営管 理に係る 指導助言 (法10Ⅱ ④) ①株式等 の処分の 承認 (法10Ⅱ ⑦) ②株式等 の処分の 報告 (法10Ⅱ ⑧) ③株式等 の処分の 報告 (法4Ⅶ) ②株式に 係る議決 権等の行 使 (法10Ⅱ ③) ④子会社 の経営管 理 (法10Ⅱ ④) ④貸付け (法11Ⅰ) ①借入れ 又は債券 発行の認 可 (法16Ⅰ) ⑤損失の 補てん (法12) 【資金調達等】 ⑥利益 の納付 (法13) ③ 債 務法 保 17 証 ②借入れ・債券発行 (法16) そ の 他 の 者 金 融 機 関 日 本 銀 行 政 府 (注) ・本スキーム図は機構の業務の流れを中心に記述している。 ・金融再生委員会は、株式等の引受け等の申請に係る審査・承認及び健全化計画の履行状況フォローを行う。 ・機構は協定銀行への資金の貸付けのほか協定銀行の借入れに係る債務の保証を行うことができる。 ・括弧内は根拠規定であり、「法」は早期健全化法を指す。(ローマ数字は「条」、アラビア数字は「項」、マルで囲んだ数字は「号」) 処分 協 定 銀 行 (整 理 回 収 機 構) ①株式に 係る議決 権等の行 使の承認 (法10Ⅱ ③) 預 金 保 険 機 構 金 融 再 生 委 員 会 【引受け後】 ) ②株式等 の引受け 等の承認 申請 (法4Ⅱ) ③株式等 の引受け 等の承認 申請 (法4Ⅲ) 【引受け時】 13.早期健全化法による金融機関等の資本増強スキーム ( ― 76 ― 3,000 社債型 74,592 (注) Lは6か月円Libor 総合計額 合 計 61,592 300 1,500 2,000 転換型(2) 転換型 中央信託銀行 700 転換型 東洋信託銀行 2,502 1,000 転換型(1) 転換型 三井信託銀行 横浜銀行 転換型 住友信託銀行 2,000 1,750 転換型(2) 転換型 1,750 4,080 転換型(1) 転換型 1,000 転換型(2) 三菱信託銀行 日本興業銀行 大和銀行 3,000 転換型(1) 3,000 転換型(2) あさひ銀行 3,000 転換型(1) 東海銀行 2,500 転換型(2) 6,000 2,500 転換型 3,000 社債型 3,000 転換型(2) 転換型(1) 2,010 転換型(1) 8,000 2,000 転換型 2,000 金額 転換型(2) 類 転換型(1) 種 三和銀行 富士銀行 住友銀行 さくら銀行 第一勧業銀行 銀行名 1.89 1.13 0.90 1.15 1.25 0.76 0.81 0.43 1.40 1.06 1.48 1.15 0.97 0.93 0.53 0.40 0.55 2.10 0.95 0.35 1.37 2.38 0.70 0.41 承認レート 優 先 株 式 5年4ヶ月 2年4ヶ月 3ヶ月 3ヶ月 3ヶ月 2年 4年4ヶ月 4年3ヶ月 4年5ヶ月 3ヶ月 4年3ヶ月 3年3ヶ月 4年3ヶ月 3年3ヶ月 2年3ヶ月 5年6ヶ月 7年6ヶ月 − 6年4ヶ月 3年1ヶ月 3年6ヶ月 − 6年4ヶ月 5年4ヶ月 転換開始時期 類 期限付劣後ローン 永久劣後ローン − − 期限付劣後ローン 期限付劣後債 永久劣後債 永久劣後債 − 永久劣後ローン − 永久劣後債 永久劣後債 − − − 期限付劣後ローン 期限付劣後ローン 種 − 13,000 500 500 − − 1,500 1,000 1,000 2,500 1,000 − 1,000 2,000 − − − 1,000 1,000 金額 11年目以降 6年目以降 − − − 7年目以降 6年目以降 0.864 L+1.07 L+1.65 − − L+1.49 L+1.53 L+1.75 L+0.98 − L+1.04 − 6年目以降 6年目以降 − − 6年目以降 8年目以降 6年目以降 6年目以降 − 11年目以降 − − − − − − − − L+1.57 L+2.15 L+1.99 L+2.03 L+2.25 L+1.48 L+2.54 L+1.34 L+2.15 L+1.35 L+1.25 L+1.25 ステップアップ ステップアップ 開始年月 後のレート L+0.34 5年7ヶ月目以降 L+0.65 − − − L+0.75 L+0.75 承認レート 10年1ヶ月 永久 − − 10年 12年 永久 永久 − 永久 − 永久 永久 − − − 11年 10年 年 限 (億円、%) 1999. 3.12承認、 1999. 3.30実施 劣後債・ローン 14.早期健全化法に基づく資本増強一覧 ︱ 77︱ 保 証 根 拠 法 令 府 実質的財政措置額 − 17 兆円 預金保険法附則第 19 条の 4 第 2 項(同 19 条の 2) ①特別資金援助 ②預金等債権の特別買取り ③業務終了日における特例業務勘定 の累積欠損金の補てん 資 金 使 途 交付国債 7 兆円(特例業務基金を形成) 国会の議決を経た金額の範囲内 (11 年度当初 10 兆円) 預金保険法附則第 20 条第 2 項 根 拠 法 令 国会の議決を経た金額の範囲内 ( な し ) 預金保険法第 42 条の 2 措 置 内 容 平成 11 年度の 予算総則計上 上記以外の財政的 措置 政 資 金 使 途 ②債券発行 借換時:①借入れ 日本銀行、金融 機関その他の者 ②債券発行 ①特別資金援助 ②預金等債権の特別買取り ③協定銀行に対する損失補てん ④協定銀行に対する貸付け 等 借換時:①借入れ 金融機関 その他の者 ②債券発行 ①保険金の支払 ②資金援助 ③預金等債権の買取り 等 日本銀行、金融 機関その他の者 10 兆円(預金保険法施行令附則第 4 条) 当 初:①借入れ 当 初:①借入れ( 日本銀行 ) 2 兆円(預保法施行令第 2 条) 形 態 (調 達 先) 額 限 度 預金保険法附則第 20 条第 1 項 預金保険法第 42 条第 1 項及び第 3 項 特 例 業 務 勘 定 根 拠 法 令 借入れ・債券発行 一 般 勘 定 早期健全化法第 16 条第 1 項 金融機能早期健全化勘定 18 兆円 国会の議決を経た金額の範囲内 (11 年度当初 18 兆円) 金融機能再生法第 66 条 当 初:①借入れ 日本銀行、金融 機関その他の者 ②債券発行 借換時:①借入れ 日本銀行、金融 機関その他の者 ②債券発行 ①協定を締結した承継銀行(協定承 継銀行)に対する貸付け ②協定承継銀行に対する損失補てん ③特別公的管理銀行の取得株式の対 価支払 ④特別公的管理銀行に対する貸付け ⑤金融機関等からの資産買取り ⑥旧金融機能安定化法において行わ れた協定銀行に対する株式等の引 受け等に要する貸付け 等 25 兆円 国会の議決を経た金額の範囲内 (11 年度当初 25 兆円) 早期健全化法第 17 条 当 初:①借入れ 日本銀行、金融 機関その他の者 ②債券発行 借換時:①借入れ 日本銀行、金融 機関その他の者 ②債券発行 ①協定銀行に対する株式等の引受等 に要する貸付け ②協定銀行に対する損失補てん 等 18 兆円(金融機能再生法施行令第 13 条) 25 兆円(早期健全化法施行令第 5 条) 金融機能再生法第 65 条第 1 項 金 融 再 生 勘 定 15.預金保険機構における資金調達の概要 各年度末における借入残高 (単位:億円) 年 度 勘 定 名 一般勘定 平成8年度末 平成9年度末 − − 特例業務勘定 特定住宅金融専門 会社債権債務処理 勘定 − 金融再生勘定 − 金融機能早期健全 化勘定 − 合 計 (注)1. ( 平成10年度末 7,605 (6,338) 5,321 5,544 28,074 (5,321) (4,310) (18,564) − − 18,181 48,198 (13,461) (30,000) 74,625 − (11,625) 5,321 23,725 158,502 (5,321) (17,771) (66,527) )書きは、日本銀行からの借入金であり内数である。 2. 平成10年 2月18日に「一般金融機関特別勘定」と「信用協同組合 特別勘定」が統合し、「特例業務勘定」となった。 3. 平成10年10月23日に「金融機能再生緊急措置法」が施行されたこ とにより、「金融機能安定化緊急措置法」が廃止されることとなっ た。これに伴い、当該 「金融危機管理勘定」が廃止され、その資産 及び負債は「金融再生勘定」に帰属することとなった。 ― 78 ― 16.運営委員会の開催状況(平成10年度中) 第99回運営委員会 日 時 4月24日 第100回運営委員会 6月16日 第101回運営委員会 8月10日 第102回運営委員会 9月9日 第103回運営委員会 10月6日 第104回運営委員会 10月23日 第105回運営委員会 10月29日 第106回運営委員会 11月9日 議 題 ○朝銀近畿信用組合による朝銀大阪信用組合の事業譲受けに係る資金援 助決定 破綻機関:朝銀大阪信用組合 ・金銭贈与額:2,683億円 ・資産買取額: 476億円 ○三福信用組合から事業の全部を譲り受けた整理回収銀行に対する金銭 の贈与額の減額決定 ・金銭の贈与額の減額:9億円 ○平成9事業年度決算 ○田辺信用組合から事業の全部を譲り受けたさくら銀行に対する金銭の 贈与額の減額決定 ・金銭の贈与額の減額:11億円 ○金融監督庁設置に伴う業務方法書の変更 ○第一勧業信用組合による逓信信用組合の事業譲受けに係る資金援助 決定 破綻機関:逓信信用組合 ・金銭贈与額:22億円 ・資産買取額:12億円 ○福徳銀行となにわ銀行の特定合併に係る資金援助決定 ・資産買取額:3,018億円 ○池袋信用組合による豊信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:豊信用組合 ・金銭贈与額:100億円 ・資産買取額: 31億円 ○幸福銀行ほか3行庫による京都共栄銀行の営業譲受けに係る資金援助決 定 破綻機関:京都共栄銀行 ・金銭贈与額:456億円 ・資産買取額:581億円 ○住友銀行による西南信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:西南信用組合 ・金銭贈与額:83億円 ・資産買取額:69億円 ○大東京信用組合による品川信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:品川信用組合 ・金銭贈与額:171億円 ・資産買取額:100億円 ○金融機能再生法の制定等に伴う定款の変更 ○金融機能再生法の制定に伴う業務方法書の作成 ○預金保険法改正等に伴う業務方法書の変更 ○住専法改正に伴う業務方法書の変更 ○平成10事業年度予算及び資金計画の変更 ○北洋銀行及び中央信託銀行による北海道拓殖銀行の営業譲受けに係る 資金援助決定 破綻機関:北海道拓殖銀行 ・金銭贈与額:17,947億円 ・資産買取額:16,166億円 ○早期健全化法の制定等に伴う定款の変更及び同法の制定に伴う業務方 法書の作成 ○整理回収銀行と住管機構との合併に関する協定等の締結 ○仙台銀行ほか12行庫による德陽シティ銀行の営業譲受けに係る資金援 助決定 破綻機関:德陽シティ銀行 ・金銭贈与額:1,238億円 ・資産買取額:1,695億円 ― 79 ― 議 題 ○大阪庶民信用組合による中国信用組合の事業譲受けに係る資金援助決 定 破綻機関:中国信用組合 ・金銭贈与額:49億円 ・資産買取額:23億円 ○富士信用組合による六甲信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:六甲信用組合 ・金銭贈与額:76億円 ・資産買取額:79億円 第107回運営委員会 11月25日 ○都民信用組合による豊栄信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:豊栄信用組合 ・金銭贈与額:136億円 ・資産買取額: 77億円 ○永代信用組合による東興信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:東興信用組合 ・金銭贈与額:104億円 ・資産買取額:110億円 ○成協信用組合による太平信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:太平信用組合 ・金銭贈与額:178億円 ・資産買取額:101億円 ○一般勘定及び特例業務勘定に係る平成10事業年度予算及び資金計画の 変更 ○金融システム改革法施行に伴う定款及び業務方法書の変更 第108回運営委員会 12月7日 ○業務方法書の変更 第109回運営委員会 12月18日 ○北越銀行による長岡信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:長岡信用組合 ・金銭贈与額:18億円 ・資産買取額:29億円 ○成協信用組合による大和信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:大和信用組合 ・金銭贈与額:518億円 ・資産買取額:174億円 ○南都銀行による奈良県信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:奈良県信用組合 ・金銭贈与額:113億円 ・資産買取額: 40億円 ○一般勘定、特例業務勘定及び金融再生勘定に係る平成10事業年度予算 及び資金計画の変更 第110回運営委員会 平成11年1月11日 ○横浜商銀信用組合による静岡商銀信用組合の事業譲受けに係る資金援 助決定 破綻機関:静岡商銀信用組合 ・金銭贈与額:162億円 ・資産買取額: 22億円 ○厚木信用組合による湘南信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:湘南信用組合 ・金銭贈与額:133億円 ・資産買取額: 86億円 ○成協信用組合による日本貯蓄信用組合の事業譲受けに係る資金援助決 定 破綻機関:日本貯蓄信用組合 ・金銭贈与額:230億円 ・資産買取額: 90億円 第111回運営委員会 2月1日 ○あさひ銀行による西武信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:西武信用組合 ・金銭贈与額:50億円 ・資産買取額:49億円 第106回運営委員会 日 時 11月9日 ― 80 ― 日 時 議 題 第111回運営委員会 2月1日 第112回運営委員会 第113回運営委員会 2月10日 2月23日 第114回運営委員会 3月9日 第115回運営委員会 3月25日 ○川崎信用金庫による神奈川県商工信用組合の事業譲受けに係る資金援 助決定 破綻機関:神奈川県商工信用組合 ・金銭贈与額:128億円 ・資産買取額:100億円 ○信用組合広島商銀による信用組合山口商銀の事業譲受けに係る資金援 助決定 破綻機関:信用組合山口商銀 ・金銭贈与額:203億円 ・資産買取額:112億円 ○信用組合広島商銀による島根商銀信用組合の事業譲受けに係る資金援 助決定 破綻機関:島根商銀信用組合 ・金銭贈与額:910百万円 ・資産買取額:241百万円 ○平成10事業年度金融危機管理勘定の決算 ○業務方法書の変更 ○成協信用組合による河内信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:河内信用組合 ・金銭贈与額:915億円 ・資産買取額:289億円 ○八千代銀行による相模原信用組合の事業譲受けに係る資金援助決定 破綻機関:相模原信用組合 ・金銭贈与額:276億円 ・資産買取額:249億円 ○一般勘定、特例業務勘定及び金融再生勘定に係る平成10事業年度予算 及び資金計画の変更 ○阪神銀行とみどり銀行との合併に係る資金援助決定 ・金銭贈与額:7.910億円 ・資産買取額:2,659億円 ○東京商銀信用組合による埼玉商銀信用組合の事業譲受けに係る資金援 助決定 破綻機関:埼玉商銀信用組合 ・金銭贈与額:367億円 ・資産買取額: 83億円 ○信用組合宮城商銀による北海商銀信用組合の事業譲受けに係る資金援 助決定 破綻機関:北海商銀信用組合 ・金銭贈与額:99億円 ・資産買取額:33億円 ○滋賀県信用組合及び滋賀銀行による高島信用組合の事業譲受けに係る 資金援助決定 破綻機関:高島信用組合 ・金銭贈与額:62億円 ・資産買取額:28億円 ○整理回収銀行に対する出資 ○特例業務勘定、金融再生勘定及び早期健全化勘定に係る平成10事業年 度予算及び資金計画の変更 ○定款及び業務方法書の変更 ○整理回収機構と「整理回収業務に関する協定」を締結 ○大同信用組合による大阪東和信用組合の事業譲受けに係る資金援助決 定 破綻機関:大阪東和信用組合 ・金銭贈与額:123億円 ・資産買取額: 37億円 ○平成11事業年度予算及び資金計画の決定 ― 81 ― 17.金融危機管理審査委員会の開催状況(平成 10 年度中) 平成 10 年度中の金融危機管理審査委員会は、以下の通り計 2 回開催され、第 8 回審査委員会を最後に同委員会は廃止された。 機構は、平成 10 年 10 月 30 日に、金融危機管理審査委員会議事要旨を公表した。 日 時 議 題 第 7 回審査委員会 6 月 18 日 ・金融危機管理勘定における平成 9 事業年度決算 ・第 1 回∼第 6 回審査委員会議事録の承認 ・ 「経営の健全性の確保のための計画」の履行状況の報告 ・優先株式等の処分の基準を作成するに当たっての考え方等 第 8 回審査委員会 10 月 21 日 ・審査委員会議事録の公表時期の決定 ・第 7 回審査委員会議事録の承認 ・金融危機管理審査委員会議事要旨の作成、公表 ・取得優先株式等の処分についての基本的考え方等 ― 82 ― 18. 統計資料 年 度 別 収 支 状 況 第1表 (一般勘定及び特例業務勘定) 年 度 収 保険料 入 運用収入 その他共計 (単位:百万円) 支 出 差引剰余金 責任準備金等 (年度末) 昭和46年度 2,800 89 3,090 23 3,066 3,066 47 4,560 320 5,030 43 4,987 8,053 48 5,638 629 6,369 40 6,328 14,381 49 6,364 1,091 7,563 57 7,505 21,887 50 7,214 1,639 8,958 61 8,896 30,784 51 8,402 2,227 10,739 69 10,670 41,454 52 9,401 2,805 12,252 78 12,174 53,629 53 10,571 3,289 14,024 105 13,919 67,548 54 11,818 4,186 16,084 95 15,988 83,536 55 12,767 5,551 18,392 104 18,288 101,825 56 13,631 6,598 20,314 127 20,187 122,012 57 20,107 7,939 28,209 119 28,090 150,103 58 21,624 9,727 31,519 123 31,396 181,500 59 23,232 11,374 34,769 118 34,651 216,151 60 25,274 13,206 38,569 134 38,435 254,586 61 40,739 14,398 55,236 140 55,096 309,683 62 44,195 15,989 62,015 155 61,860 371,543 63 48,759 17,509 68,021 143 67,878 439,421 平成元年度 53,757 20,445 74,333 145 74,187 513,608 2 60,381 27,371 87,944 156 87,788 601,396 3 63,202 31,540 95,154 165 94,987 696,384 4 63,149 30,634 94,411 20,169 74,241 770,626 5 63,792 32,005 96,081 46,137 49,944 820,570 6 64,972 32,773 98,140 42,680 55,459 876,030 7 66,643 29,626 111,581 601,033 △ 489,452 386,578 8 461,993 70,711 532,744 1,314,429 △ 781,685 △ 395,107 9 462,956 413 464,318 163,229 301,089 △ 94,018 10 465,004 226 1,675,820 (注)1.平成8年度以降の計数は勘定間収支を除く 2.各計数は単位未満四捨五入 ― 83 ― 2,769,430 △ 1,093,610 △ 1,187,628 第2表 被保険預金残高と責任準備金の推移 (単位:億円、%) 年 度 末 昭和46年度 対 象 金 融 機 関 預 金 残 高 総 預 金 に 総 預 金 被保険預金 対する比率 責 金 任 準 額 備 金 等 被保険預金に 対する比率 811,947 722,530 89.0 30 0.004 47 1,028,333 908,635 88.4 80 0.009 48 1,163,127 1,041,867 89.6 143 0.014 49 1,298,390 1,166,315 89.8 218 0.019 50 1,506,295 1,361,978 90.4 307 0.023 51 1,694,104 1,536,362 90.7 414 0.027 52 1,898,729 1,720,021 90.6 536 0.031 53 2,134,168 1,929,421 90.4 675 0.035 54 2,355,713 2,098,222 89.1 835 0.040 55 2,551,411 2,271,848 89.0 1,018 0.045 56 2,853,013 2,513,458 88.1 1,220 0.049 57 3,051,152 2,703,014 88.6 1,501 0.056 58 3,314,905 2,904,025 87.6 1,815 0.062 59 3,623,851 3,159,278 87.2 2,161 0.068 60 4,077,602 3,391,086 83.2 2,545 0.075 61 4,538,455 3,667,093 80.8 3,096 0.084 62 5,159,521 4,047,485 78.4 3,715 0.092 63 5,946,267 4,463,968 75.1 4,394 0.098 平成元年度 6,852,420 5,015,977 73.2 5,136 0.102 2 7,034,589 5,266,860 74.9 6,013 0.114 3 6,949,005 5,262,427 75.7 6,963 0.132 4 6,950,136 5,316,070 76.5 7,706 0.145 5 7,049,752 5,414,448 76.8 8,205 0.152 6 7,103,498 5,557,112 78.2 8,760 0.158 7 7,176,043 5,506,005 76.7 3,865 0.070 8 7,134,798 5,512,708 77.3 △ 3,951 ― 9 7,057,720 5,563,935 78.8 △ 940 ― 10 7,032,599 5,727,299 81.4 △ 11,876 ― (注)1.総預金は、預金(定期積金、掛金、金銭信託、外貨預金等を含む)と譲渡性預金の合計額。 2.被保険預金は、総預金から預金保険対象外預金(44頁参照)を差引いた預金額。 3.平成10年度責任準備金等=繰越欠損金(一般勘定7,579+特例業務勘定4,297) ― 84 ― 第3表 年 度 預金保険対象金融機関数の推移 末 銀 行 都銀 地銀 地銀Ⅱ 信託銀 長信銀 信金 信組 労金 合計 その他共計 昭和46年度 14 61 71 7 3 156 483 524 ― 1,163 47 14 63 72 7 3 159 484 508 ― 1,151 48 13 63 72 7 3 158 484 498 ― 1,140 49 13 63 72 7 3 158 476 492 ― 1,126 50 13 63 72 7 3 158 471 489 ― 1,118 51 13 63 71 7 3 157 469 488 ― 1,114 52 13 63 71 7 3 157 468 490 ― 1,115 53 13 63 71 7 3 157 466 486 ― 1,109 54 13 63 71 7 3 157 462 484 ― 1,103 55 13 63 71 7 3 157 461 476 ― 1,094 56 13 63 71 7 3 157 456 474 ― 1,087 57 13 63 71 7 3 157 456 469 ― 1,082 58 13 63 71 7 3 157 456 469 ― 1,082 59 13 64 69 7 3 156 456 462 ― 1,074 60 13 64 69 11 3 160 456 449 ― 1,065 61 13 64 68 16 3 164 455 447 47 1,113 62 13 64 68 16 3 164 455 440 47 1,106 63 13 64 68 16 3 164 455 419 47 1,085 平成元年度 13 64 68 16 3 164 454 415 47 1,080 2 12 64 68 16 3 163 451 408 47 1,069 3 11 64 68 16 3 162 440 398 47 1,047 4 11 64 66 16 3 160 435 394 47 1,036 5 11 64 65 21 3 164 428 384 47 1,023 6 11 64 65 23 3 167 421 374 47 1,009 7 11 64 65 30 3 174 416 370 47 1,007 8 10 64 65 33 3 176 410 364 47 997 9 10 64 64 33 3 176 401 352 47 976 10 9 64 61 34 3 173 396 323 41 933 (注) 地銀Ⅱは、第二地方銀行協会加盟の地方銀行で、平成3年度までは相互銀行を含む。 昭和62年度までは相互銀行の計数。 ― 85 ― 第4表 業態別被保険 年 度 末 銀 都 銀 地 行 銀 地 銀 Ⅱ 信 託 銀 長 信 銀 昭和46年度 291,887 155,820 72,288 75,116 12,637 47 361,652 197,881 92,459 94,890 17,161 48 390,376 234,971 112,806 107,608 19,287 49 422,095 265,368 130,193 123,123 20,553 50 492,275 309,839 150,886 144,659 24,935 51 549,675 349,357 168,818 168,873 27,538 52 616,978 392,214 189,451 191,583 28,495 53 680,346 447,170 216,149 216,163 29,437 54 716,846 495,561 238,518 235,449 30,907 55 775,501 534,743 257,619 254,979 32,884 56 858,768 594,977 284,712 280,850 35,043 57 909,629 640,991 305,732 314,175 36,305 58 980,934 683,330 324,447 347,616 38,164 59 1,075,850 762,326 331,951 375,228 41,284 60 1,170,486 799,476 344,605 379,637 41,196 61 1,288,293 866,218 370,452 398,136 41,726 62 1,459,750 959,959 400,190 413,042 46,898 63 1,589,598 1,072,074 441,791 460,638 51,540 平成元年度 1,802,093 1,201,684 479,043 503,841 63,691 2 1,848,995 1,252,643 507,226 551,850 56,579 3 1,751,883 1,291,490 516,815 571,262 43,776 4 1,691,690 1,332,504 527,077 593,789 44,691 5 1,696,570 1,370,506 538,795 598,415 43,472 6 1,724,138 1,426,305 557,946 586,288 45,403 7 1,707,172 1,446,151 558,640 528,250 45,475 8 1,687,664 1,471,323 558,179 519,235 45,667 9 10 1,722,444 1,506,152 555,491 494,825 45,878 1,785,083 1,547,720 589,905 494,454 50,901 (注) 地銀Ⅱは、第二地方銀行協会加盟の地方銀行で、平成3年度までは相互 銀行を含む。 昭和62年度までは相互銀行の計数。 ― 86 ― 預金残高の推移 (単位:億円) 信 金 信 組 労 金 合 計 年 度 末 その他共計 607,750 91,606 23,172 − 722,530 昭和46年度 764,045 116,029 28,560 − 908,635 47 865,050 141,955 34,861 − 1,041,867 48 961,334 163,468 41,512 − 1,166,315 49 1,122,596 190,080 49,301 − 1,361,978 50 1,264,263 216,394 55,704 − 1,536,362 51 1,418,723 239,440 61,857 − 1,720,021 52 1,589,268 270,837 69,315 − 1,929,421 53 1,717,282 303,716 77,223 − 2,098,222 54 1,855,727 331,628 84,492 − 2,271,848 55 2,054,352 366,036 93,070 − 2,513,458 56 2,206,833 394,910 101,270 − 2,703,014 57 2,374,493 420,747 108,784 − 2,904,025 58 2,586,642 456,069 116,566 − 3,159,278 59 2,735,402 484,121 123,722 47,840 3,391,086 60 2,964,827 519,093 131,878 51,294 3,667,093 61 3,279,841 567,384 145,514 54,745 4,047,485 62 3,615,643 625,745 163,494 59,085 4,463,968 63 4,050,355 709,725 191,724 64,171 5,015,977 平成元年度 4,217,296 767,348 213,072 69,142 5,266,860 2 4,175,226 798,761 214,737 73,702 5,262,427 3 4,189,754 829,330 218,542 78,443 5,316,070 4 4,247,760 857,354 225,885 83,448 5,414,448 5 4,340,712 896,321 231,583 88,494 5,557,112 6 4,286,763 912,241 215,127 91,873 5,506,005 7 4,282,069 925,522 209,762 95,353 5,512,708 8 4,324,884 937,257 200,987 100,805 5,563,935 9 4,468,119 961,186 192,674 105,319 5,727,299 10 ― 87 ― 19.運営委員、役員等一覧 平成 11 年 5 月 31 日現在 ◎ 運営委員会委員 委員長(理 事 長 ) 松田 昇 委 員<五十音順> 網谷 敏(社団法人全国信用組合中央協会会長) 同 加藤 敬吉(社団法人全国信用金庫協会会長) 同 杉田 力之(全国銀行協会会長) 同 武井 正直(社団法人第二地方銀行協会会長) 同 禿河 徹映(社団法人全国労働金庫協会理事長) 同 平澤 貞昭(社団法人全国地方銀行協会会長) 同 横須賀俊六(社団法人信託協会会長) 理 事 花野 昭男 同 吉田 正弘 同 松田 京司 ◎ 役 員 理事長 松田 昇 理 事 花野 昭男 同 吉田 正弘 同 松田 京司 監 事 西村 正雄(日本興業銀行頭取) ◎ 機構幹部職員 総 務 部 長 大前 忠 金融再生部長 比護 正史 預金保険部長 住川 雅洋 特別業務部長 小貫 芳信 大阪預金保険部長 細田 久雄 大阪特別業務部長 佐山 雅彦 ― 88 ― (参考) ◎ 金融危機管理審査委員会委員(注) 委員長 佐々波楊子 (明海大学教授) 委 員 小堀 樹(日本弁護士連合会会長) 同 今井 敬(社団法人経済団体連合会会長) 同 宮澤 喜一(大蔵大臣) 同 日野 正晴(金融監督庁長官) 同 速水 優(日本銀行総裁) 同 松田 昇(預金保険機構理事長) ○ 専門委員 高尾 義一 村 和男 藤原 清明 (株式会社野村総合研究所研究理事) (日本弁護士連合会常務理事) (社団法人経済団体連合会経済本部経済政策グループ副長) ○ 金融危機管理審査委員会事務局 事務局長 松田 京司 (預金保険機構理事) (注) 金融危機管理審査委員会は、金融機能安定化法の廃止(平成 10 年 10 月 23 日)に伴って廃止。 ― 89 ― ― 90 ― 画 全 生 融 管 業 業 整 理 務 務 理 課 課 課 課 務 報 務 第 第 一 二 課 室 室 課 課 金 融 再 生 部 理 理 部 企 健 再 金 務 総 広 法 経 経 総 監事(非常勤) 責 任解 明委 員会 運 営 委 員 会 事 ス ム 課 課 課 課 課 課 査 一 二 三 調 第 第 第 金 テ 画 画 画 画 企 企 企 企 資 シ 預 金 保 険 部 理 理 理 理 特 別 調 査 第 二 課 特 別 業 務 部 事 長 管 管 指 機 特 別 理 理 動 調 第 第 導 調 査 第 一 二 査 一 課 課 課 課 課 事 預金保険機構 特 別 調 査 第 三 課 事 事 課 室 室 課 課 理 一 二 務 理 整 第 第 融 画 画 総 管 金 企 企 指 特 別 調 導 査 第 一 課 課 特 別 調 査 第 二 課 特 別 調 査 第 三 課 大坂特別業務部 大 阪 本 部 大阪預金保険部 理 (10年度定員 338人) 20.預金保険機構組織図(平成11年3月31日現在) ― 91 ― 画 全 生 融 管 業 業 整 理 務 務 理 課 課 課 課 務 報 画 務 第 第 一 二 課 室 課 室 課 課 金 融 再 生 部 理 理 部 企 健 再 金 務 総 広 企 法 経 経 総 監事(非常勤) 責任解明委員会 運 営 委 員 会 預 金 保 険 部 事 理 課 課 課 課 課 課 課 査 一 二 三 画 務 ム 調 第 第 第 企 業 テ 画 画 画 画 金 金 ス 企 企 企 企 資 資 シ 理 理 事 理 管 指 機 特 別 動 調 理 導 調 査 第 査 一 課 課 課 課 特 別 調 査 第 二 課 特 別 調 査 第 三 課 特 別 業 務 部 事 長 預金保険機構 室 分 幌 札 事 課 室 室 課 課 理 一 二 務 理 整 第 第 融 画 画 総 管 金 企 企 指 機 特 別 動 調 導 調 査 第 査 一 課 課 課 特 別 調 査 第 二 課 特 別 調 査 第 三 課 大坂特別業務部 大 阪 本 部 事 大阪預金保険部 理 (11年度定員 338人) 新設 預金保険機構組織図(平成11年4月1日現在)
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