一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 Ⅰ.概要 (1)元利金支払の方法 ¾ 発行代理人は銘柄情報の登録に際し、当該銘柄の元利金の支払方法について、 ¾ 特例社債等のうち実質記番号管理銘柄については、 「機構関与方式」または「機構非関与方式」のいずれかを選択する。なお、機 「機構非関与方式(実質記番号管理方式)」となる。 構関与方式の場合、発行代理人・支払代理人は、機構に対し「1 通貨あたりの なお、本業務処理要領に定める元利金支払業務につ 利子額」を通知しなければならない。 いては、「機構非関与方式(実質記番号管理方式)」 は「機構非関与方式」と同じ取扱とする。 ¾ 支払代理人は、期中に、元利金の支払方法を変更することができる。 ¾ 機構非関与方式が選択されている銘柄(以下、 「機 構非関与銘柄」という。 )について、機構加入者が 他の機構加入者への振替を希望する場合、支払代理 人は「機構関与方式」に切り替えなければならない。 この場合、 「機構関与方式採用フラグ」を「1」と設 定し、機構関与方式への銘柄情報変更を行う。 ¾ 機構関与方式から機構非関与方式への切替を希望 する場合、支払代理人は機構に対し書面にてその旨 を通知する。 ¾ 機構関与方式の場合、支払代理人から機構加入者に対する元利金の資金決済は 日銀ネットにて行い、償還金を支払った場合の抹消処理は DVP 決済とする。 但し、支払代理人と機構加入者の資金決済会社が同一の場合、及び償還金が円 貨以外の場合は、支払代理人は機構加入者と事前に調整した方法により資金決 済を行う。また、償還時の抹消処理は非 DVP 決済とする。 ¾ 機構非関与方式の場合、支払代理人は社債権者または口座管理機関と事前に調 整した方法により資金決済を行い、償還時の抹消処理は非 DVP 決済とする。 1 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 (2)関係者の役割 ①機構関与方式 ¾ 振替制度の階層構造を利用し、支払代理人は機構加入者に対し、直接口座管 ¾ 口座管理機関等が、機構の業務規程等に基づいて、 理機関である機構加入者はその加入者(間接口座管理機関を含む)に対し、 発行者のために提供する元利金支払に関する役務 間接口座管理機関はその加入者に対し、元利金を支払う。なお、発行者また に対し、発行者が負担する手数料については、別段 は支払代理人の元利金支払に係る債務の履行は、機構加入者への支払をもっ の定めがある場合を除き、以下のように取り扱う。 て完了する。 ①発行者は、発行時に手数料率を決定後、その情 ¾ このような取扱の前提として、加入者は直近上位機関に対し、口座開設の際 報を速やかに発行代理人を通じて機構に通知 に締結する契約により、元利金の支払請求及び代理受領を委任している(当 し、機構は機構加入者に当該手数料の情報を配 該直近上位機関に上位機関がある場合は、順次上位機関に委任している)必 信する。さらに機構加入者は直近下位機関に対 要がある。 し、当該情報を提供する。 ¾ 口座管理機関は、代理受領した元利金を、その加入者に配分しなければなら ない。 ②発行者から支払を受けた支払代理人は、機構が 備える振替口座簿において機構加入者の顧客口 及び信託口に記録された残高についての元利金 支払に関する手数料を、当該機構加入者に支払 う。発行者および支払代理人の当該手数料の支 払に係る債務の履行は、機構加入者への支払を もって完了する。 ③支払代理人から支払を受けた機構加入者は、自 らが備える振替口座簿においてその加入者(非 居住者を除く)の顧客口及び信託口に記録され た残高についての元利金支払に関する手数料 を、直近下位機関に支払う。 ④直近上位機関から支払を受けた間接口座管理機 2 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 関は、自らが備える振替口座簿においてその加 入者(非居住者を除く)の顧客口及び信託口に 記録された残高についての元利金支払に関する 手数料を、直近下位機関に支払う。 ②機構非関与方式 ¾ 支払代理人は、振替制度の階層構造を利用することなく、社債権者またはそ ¾ 例えば、以下のような場合に、機構非関与方式が選 の利用する口座管理機関に対し、直接元利金を支払う。 択できる。 イ)支払代理人が唯一の社債権者である場合 ロ)支払代理人が口座管理機関であり、当該銘柄 の全ての社債権者の残高を振替口座簿に記録 している場合 (3)利金の計算方法(機構関与方式の場合) ¾ 関係者が支払う利金額は以下のように算出する。 ¾ 関係者が受け取った金額と支払った金額に差異が ①発行者による支払代理人への支払 生じた場合も、精算は行わない。 当該銘柄の残存総額に「1 通貨あたりの利子額」を乗じる。 ②支払代理人による機構加入者への支払 機構加入者の区分口座毎の残高(課税分口座については、税区分毎の残高) に「1 通貨あたりの利子額」を乗じる。 ③口座管理機関による加入者への支払 加入者の口座毎の残高に「1 通貨あたりの利子額」を乗じる。 ¾ 端数が生じる場合は、円貨は円単位未満、外貨は補助通貨単位未満を切捨て処 ¾ 機構が取り扱う外貨は、ISO4217 に規定された 3 桁 理する。 の通貨コードが存在する外貨とする。なお機構は、 3 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 いずれの外貨も、補助通貨が 2 桁であることを前提 に端数処理を行う。 ¾ なお、銘柄の種類による具体的な計算式は、次の通りとする。 ①円貨建債、外貨建債、リバースデュアルカレンシー債の場合 ¾ 定時償還には、コールオプション(一部)の行使に イ)定時償還銘柄以外の銘柄 A.利子額=額面総額×1 通貨あたりの利子額 伴う償還が含まれる。以下同じ。 B.償還額=額面総額+(額面総額÷各社債の金額×各社債の金額あたりの 償還プレミアム) ロ)定時償還銘柄 A.利子額=額面総額×ファクター×1 通貨あたりの利子額 B.償還額=(額面総額×ファクター)+(額面総額÷各社債の金額×各社 債の金額あたりの償還プレミアム) C.定時償還額=額面総額÷各社債の金額×各社債の金額あたりの定時償還 額 ②デュアルカレンシー債の場合 イ)定時償還銘柄以外の銘柄 A.利子額=額面総額×1 通貨あたりの利子額 B.償還額=[額面金額÷各社債の金額×(各社債の金額÷為替レート)]+ ¾ まず、(各社債の金額÷為替レート)を計算し、補 (額面総額÷各社債の金額×各社債の金額あたりの償還プレミアム) 助通貨単位未満を切捨て処理する。 ¾ デュアルカレンシー債の場合、「各社債の金額あた りの償還プレミアム」は外貨建となる。 4 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 ロ)定時償還銘柄 A.利子額=額面総額×ファクター×1 通貨あたりの利子額 B.償還額=[(額面総額÷各社債の金額×ファクター)×(各社債の金額÷ ¾ まず、(各社債の金額÷為替レート)を計算し、補 為替レート) ]+(額面総額÷各社債の金額×各社債の金額あたりの償還 助通貨単位未満を切捨て処理する。 プレミアム) C.定時償還額=額面総額÷各社債の金額×(各社債の金額あたりの定時償 還額÷為替レート) Ⅱ.機構関与方式の元利金支払 (1)元利払期日の 5 営業日前の日から 2 営業日前の日まで ①元利払日程の通知 ¾ 機構は、満期償還期日、繰上償還期日、定時償還期日または利払期日(これ ¾ 本業務処理要領における用語定義は、以下の通り。 らを総称し、 「元利払期日」という。 )の 5 営業日前の日から 2 営業日前の日 満期償還期日:発行残高の全額が償還される日(実支払日) までの各日に、機構加入者、支払代理人、資金決済会社に「元利払日程通知 繰上償還期日:コールオプション(全額)またはプットオ ファイル」を配信し、「加入者別担保受入データ」の送信期間、「元利払対象 プションの行使に伴う繰上償還がなされる日(実支払日) 残高データ」の配信期間、元利払の対象となる銘柄毎の残存総額を通知する。 定時償還期日:定時償還がなされる日(実支払日) ¾ 支払代理人は、特定の元利払期日にかかわる銘柄情報の変更を、当該元利払 期日の 7 営業日前までに行う。 利払期日:利払がなされる日(実支払日) グロスアップ銘柄:発行者の所在地国で源泉徴収が行われ る外債であって、当該源泉徴収額相当額を発行者が上乗せ する銘柄 ¾ 「元利払日程通知ファイル」の内容は、機構加入者、 支払代理人、資金決済会社ともに同一である。 ¾ 各 4 日間のデータの内容は、この期間に買入消却が なされた場合、左記「残存総額」が更新される。 5 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 ¾ 左記「残存総額」には、差押分、社債権者集会用内 容証明交付分も含まれる。 ¾ 銘柄情報を登録した発行代理人・支払代理人は、グロスアップ銘柄について、 ¾ 通知は、銘柄情報登録後直ちに、及び発行者の所在 発行者の所在地国における源泉徴収税率から本邦内において支払われる利子 地国における源泉徴収税率の決定又は変更後直ち 額に対する本邦税率を以下の計算式により算出し、機構に書面により通知す に機構所定の「グロスアップ銘柄に係る通知書」(別 る。 添)により行うこととする。 ¾ 元利金請求額に当該本邦税率を適用するためには、 本邦税率(国税)= 15%(国税) 1 − (発行者の所在地国における源泉徴収税率) 適用する利払期日の 8 営業日前までに通知しなく てはならない。 ¾ 機構は、通知を受けた本邦税率及び発行者の所在地 本邦税率(地方税)= 5%(地方税) 1 − (発行者の所在地国における源泉徴収税率) 国における源泉徴収税率をホームページに掲載す る。 ¾ グロスアップ銘柄に係る本邦税額(国税、地方税) の算出には、通知を受けた本邦税率を用いる。 ¾ 本邦税率とは、本邦内において支払われる利子額に ついて本邦税額を算出するために用いられる計算 上の料率であり、本邦税法における税率を示すもの ではない。 ②「元利払対象残高データ」(予定)の配信 ¾ 機構は、元利払期日の 2 営業日前の日に「元利払対象残高データ」(予定) を、機構加入者、支払代理人に配信する。 ¾ 機構加入者に配信する場合は、担保差入分(下記(4)における「加入者別担 ¾ 左記「残高」 、 「残存総額」には、利払時は差押分が 保受入データ」の「予定」データ)を反映した機構加入者毎の元利払対象残 6 含まれず、満期償還時または全額繰上償還時は差押 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 高を、支払代理人に配信する場合は、銘柄毎の残存総額を通知する。 分、社債権者集会用内容証明交付分が含まれない。 (2)元利払期日の前営業日 ①機構加入者毎の元利金請求額の確定 ¾ 機構は、元利払期日の前営業日を振替停止日とした上で、元利払期日の 2 営 業日前の日の業務終了時点の残高を基に、機構加入者毎の元利金請求額を確 定する。 ②「元利払対象残高データ」(本番)の配信 ¾ 機構は、「元利払対象残高データ」(本番)を、機構加入者、支払代理人に配 信する。 ③口座管理機関・機構加入者による課税情報の申告 イ)申告の対象 ¾ 課税分口座(信託口(3)及び信託口(4)を除く。)に記録された、利払対象 銘柄の残高。 ロ)国税額、国税引後利金請求額の計算方法(円貨建債の場合) ¾ 外貨建債の場合についても、円貨建債と同様の取扱 A.国税額=利子額×所得税率(%)÷100(円単位未満切捨て) いとする(補助通貨単位未満切捨て) 。機構は、 「元 B.国税引後利金請求額=利子額-国税額 利金請求内容明細通知データ」を外貨建で作成の 上、支払代理人に送信する。国税納付に係る円貨換 算処理については、支払代理人により行われるもの とする。 ¾ グロスアップ銘柄の国税額の算出時に用いる所得 税率は、「グロスアップ銘柄に係る通知書」により 7 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 通知を受けた本邦税率(国税)を用いる (以下同 じ。) 。 ハ)分かちの計算方法(具体例は、別紙ご参照。) ¾ 同一区分口座かつ同一税区分において、分かち期間の異なるものが複数 ¾ 課税情報申告の手続きにおいて、口座管理機関は、 存在した場合は、分かち期間が同じもの毎に計算する。 原則として、利払を受ける加入者の保有期間に係る A.課税利子額=利子額×課税期間÷利子計算期間(円単位未満切捨て) 分かち計算を行うこととし、当該加入者の前保有者 B.国税額=課税利子額×所得税率(%)÷100(円単位未満切捨て) やそれ以前の保有者の保有期間については、分かち C.国税引後利金請求額=利子額-国税額 計算の対象としない。 ¾ 課税期間は、利子計算期間の初日から振替日の前日 までの日数とする。 ¾ 利子計算期間は、実日数ベースとする。 ニ)直接口座管理機関への課税情報の通知 ¾ 間接口座管理機関は、下記ホ)にて直接口座管理機関である機構加入者 が利払期日の前営業日の 10:00 までに「課税情報申告データ」を機構に 送信できるように、直近上位機関に課税情報を通知する。 ホ)機構加入者による「課税情報申告データ」の送信 ¾ 機構加入者は、利払期日の前営業日の 10:00 までに、税区分毎の内訳を ¾ 税区分の一覧表は、(別紙)ご参照。 ¾ 利払期日の前営業日の 10:00 までに「課税情報申 機構に送信する。 ¾ 機構は、 「課税情報申告データ」を受信後、即時に残高照合等の論理チェ ックを行い、処理結果を機構加入者に通知する。 告データ」が送信されなかった場合、機構は、税区 分を一律に「10(分離課税)」として利金請求額を 計算する。 ¾ 加入者は左記手続きとは別に、口座管理機関に非課 税申告書等の税務関係書類を提出する必要がある。 8 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 ④「元利金請求データ」の配信 ¾ 機構は、元利金請求額を計算後、元利払期日の前営業日の 13:00 に、機構 ¾ 利金請求額については、原則、源泉徴収不適用分等 加入者、支払代理人、資金決済会社に「元利金請求内容明細通知データ」 (銘 口座、信託口(3)及び信託口(4)に記録された残高に 柄、機構加入者、税区分毎)、及び「決済予定額通知データ」 (機構加入者(口 ついては機構で自動計算するが、課税分口座(信託 座区分毎ではなく、会社単位)と支払代理人の組合せ単位で、元利金請求額を 口(3)及び信託口(4)を除く。)に記録された残高に 集約)を配信する。 ついては、上記③ホ)にて機構加入者が送信する「課 税情報申告データ」に基づき計算する。 ¾ 支払代理人と代表受託銀行が同一でない場合、支払代理人は、代表受託銀行 に「元利金請求データ」の内容を通知する。 ⑤支払代理人による資金決済集約方法の確認 ¾ 支払代理人は、元利払期日の前営業日の 15:30 までに、「元利金請求内容承 ¾ 元利払期日の前営業日の 15:30 以降に、資金決済 認可否通知」を、機構に行う。 を「個別承認方式」にせざるを得ない何らかの事由、 ¾ 機構は、元利払期日の前営業日の 15:30 以降、機構加入者、支払代理人、 または資金決済を「集約方式」としたデータの中で 資金決済会社に、資金決済集約方法について、 「元利金請求内容確定通知」を 一部の金額が決済できなくなる何らかの事由が発 配信する。 生した場合、機構は「元利金請求データ」の再編集 ¾ 機構は、支払代理人が資金決済集約方法を変更した場合のみ、機構加入者、 支払代理人、資金決済会社に「元利金請求データ」(再計算結果)を配信する。 ¾ 支払代理人と代表受託銀行が同一でない場合、支払代理人は、代表受託銀行 に「元利金請求データ」 (再計算結果)の内容を通知する。 は行わない。この場合支払代理人は、「決済予定額 通知データ」に基づく資金決済を元利払期日に取り 消したうえで、支払可能な元利金については機構加 入者に別途支払う。満期償還時または全額繰上償還 時の場合、資金を受領した機構加入者は「資金振替 済通知(抹消)」を行わなければならない。 9 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 (3)元利払期日当日 ①元利金の支払 ¾ 支払代理人は「元利金請求データ」に基づき、機構加入者(直接口座管理機 関)への元利金支払を日銀ネットにて午前 9 時以降できるだけすみやかに行 うものとする。 ¾ 直接口座管理機関は、支払代理人から元利金を受領後すみやかに、加入者ま たは直近下位機関に元利金を交付する。 ¾ 全額繰上償還には、コールオプション(全額)の行 ②償還処理(満期償還時、全額繰上償還時) ¾ DVP 決済の場合、日本銀行は資金決済が完了後、 「当座勘定入金済通知(振替 社債等)」を機構に送信する。機構は当該通知を受け、抹消記録を行い、機構 加入者、支払代理人に「抹消済通知」を行う。 ¾ 非 DVP 決済の場合(資金支払先と資金受入先が同一会社の場合、及び償還金 が円貨以外の場合)、資金受入先機構加入者は、満期償還金または全額繰上償 還金を受領後、「資金振替済通知(抹消)」を行う。機構は当該通知を受け、 抹消記録を行い、機構加入者、支払代理人に「抹消済通知」を行う。 ③ファクターの更新(定時償還時) ¾ 機構は、代理人から銘柄情報通知を受けた(各社債の金額あたりの)定時償 還額に基づき、元利払期日の前営業日の夜間バッチでファクターを更新し、 元利払期日当日に、更新後のファクターが収録された「銘柄情報提供ファイ ル」を、機構加入者、代理人に配信する。 10 使に加え、プットオプションの行使に伴う繰上償還 も含まれる。 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 (4)加入者別担保受入データの取扱い ①前提条件 ¾ 担保権設定または質権設定された場合の取扱いは、原則として、担保権者また は質権者が元利金を受領し、振替制度外にて当該元利金を担保設定者または質 権設定者に支払うこととする。 ¾ 担保受入機構加入者は、機構が認める者で、担保受入自体を主目的として口座 開設、制度参加し、他の加入者から広く振替債の担保差入を受ける先に限定さ れる。 ②担保受入機構加入者による、「加入者別担保受入データ」の送信 ¾ 担保受入機構加入者は、取扱対象口座に記録されている元利払対象銘柄につい て、利払期日の 3 営業日前の日の 17:30 から 19:00 までに「予定」データを、 利払期日の 2 営業日前の日の 17:30 から 19:00 までに「本番」データを、機 構に送信し、担保差入機構加入者毎の受入数量等の差入額明細情報を通知す る。 ③「加入者別担保受入データ」の処理結果の通知等 ¾ 機構は、上記②にて「加入者別担保受入データ」を受信後、即時に残高照合等 の論理チェックを行い、処理結果を担保受入機構加入者に通知する。 ¾ また、「加入者別担保受入データ」の対象口座残高があるにもかかわらず未送 信の銘柄が存在する場合は、未送信銘柄データとして通知する。 ¾ 「予定」データは、上記(1)②における「元利払対象残高データ」 (予定)に反 映され、「本番」データは、上記(2)②における「元利払対象残高データ」(本 番)に反映される。 11 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 Ⅲ.機構非関与方式の元利金支払(機構関与方式との相違) ¾ 機構は、課税情報の取りまとめ等の処理を行わない。具体的には、次の通りとす る。 ①機構非関与銘柄は、上記Ⅱ.(1)①における「元利払日程通知ファイル」の対象 外とする。 ②機構非関与銘柄は、上記Ⅱ.(1)②及び(2)②における「元利払対象残高データ」 の対象外とする。 ③機構非関与銘柄は、上記Ⅱ.(2)③における課税情報申告の対象外とする。 ④機構非関与銘柄は、満期償還時または全額繰上償還時のみ、上記Ⅱ.(2)④にお ¾ 「元利金請求内容明細通知データ」の項目のうち、 ける「元利金請求内容明細通知データ」の対象とするが、「決済予定額通知デ 資金支払先・資金受入先、税区分、残高・利金・償 ータ」には反映されない。 還金に関する情報は設定されない。また、ここで設 定された「社債等リファレンス番号」を、下記償還 処理のキーとすることができる。なお、項目「個別 承認採用フラグ」には、機構非関与銘柄である旨を 表す「A」が設定される。 ¾ 償還処理(満期償還時、全額繰上償還時)については、次の通りとする。 ①機構加入者は、支払代理人から満期償還金または全額繰上償還金が交付された ことを確認した後、「資金振替済通知(抹消)」を行う。 ¾ 全額繰上償還には、コールオプション(全額)の行 使に加え、プットオプションの行使に伴う繰上償還 も含まれる。 ②機構は上記通知を受け、抹消記録を行い、機構加入者、支払代理人に「抹消済 通知」を行う。 ¾ ファクターの更新(定時償還時)については、機構関与方式と同様とする。 Ⅳ.還付請求、追加納付が発生した場合の取扱い ¾ 還付請求または追加納付を行う口座管理機関は、自らの直近上位機関に対してそ 12 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 の旨を依頼する。かかる依頼を受けた直近上位機関は、自らが機構加入者でない 場合には、直近上位機関に対し還付請求または追加納付を依頼しなければならな い。 ¾ 機構加入者は、支払代理人に対し、還付請求または追加納付を依頼する。その場 ¾ 機構は、「元利金請求データ」の再編集、及び日銀 合、 「元利金請求データ」の訂正内容を、 (全銀協で定める)所定の書面により支 ネットへの再連動処理は行わない。但し、機構加入 払代理人に訂正の依頼を行う。 者または支払代理人が希望する場合、機構は過去日 付の「元利金請求データ」の内容を、書面にて提供 する。 ¾ 機構加入者から支払代理人に対する還付請求及び 追加納付の依頼は、(全銀協で定める)所定の書式 により行う。 ¾ 支払代理人と代表受託銀行が同一でない場合、支払代理人は、代表受託銀行に上 記依頼について連絡を行う。 Ⅴ.特殊な場合の対応 (1)支払遅延 ¾ 発行者が支払代理人に対し元利払期日当日中に元利金を支払わず、翌営業日以 ¾ 機構は、「元利金請求データ」の再編集、及び日銀 降に当初予定額通りの支払が行われる場合、支払代理人は「元利金請求データ」 ネットへの再連動処理は行わない。 を利用して、機構加入者に対し元利金の支払処理を行う。支払を受けた口座管 ¾ 支払方法については、支払代理人と機構加入者の間 理機関はその加入者に配分する。 で調整する。 ¾ 破産等による期限の利益喪失事由や、社債権者集会の手続きを経た元利払計画 ¾ 当該銘柄の振替等は引き続き可能である。 の変更等(デフォルト等)が発生し、当初予定通りの元利払が行われない場合、 ¾ デフォルト等が解消し、当該銘柄の元利払が再開さ 支払代理人は機構に対しその旨を連絡する。機構は、当該連絡を受けた日以降 れる場合、支払代理人は元利払の方法について事前 は、当該銘柄に係る元利払処理を行わない。 に機構と調整する。なお、機構におけるシステム対 13 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 応の制約等から、必ずしも機構関与方式による元利 払の再開ができないこともある点、注意を要する。 (2)差押 ¾ 対象残高については、元利払処理の対象外とする。抹消処理も行えない。 ¾ 具体的には、「元利払対象残高データ」、「課税情報申告データ」、「元利金請求 データ」における対象金額には含まれない。但し、 「元利払日程通知ファイル」 における残存総額には含まれる。 ¾ 口座管理機関が差押命令等を受けた場合、機構の振替口座簿(顧客口)につい ても、上記の通りの対応とする。 ¾ 差押命令等を受けた口座管理機関は、差押の内容、関連する口座(顧客口)等 に関する情報を、書面により機構に通知する。当該口座管理機関が差押命令等 の解除に関する通知を受けた場合も、同様に機構に通知する。 ¾ 機構は、差押分(自己口、顧客口とも)に関する情報を、書面により支払代理 人に通知する。 (3)社債権者集会用内容証明の交付 ¾ 対象残高については、元利払処理の対象とする。但し、抹消処理を行えないた め、満期償還時または全額繰上償還時は、元利払処理の対象外とする。 ¾ 口座管理機関が社債権者集会用内容証明を交付した場合、機構の振替口座簿 (顧客口)についても、上記の通りの対応とする。 ¾ 社債権者集会用内容証明を交付した口座管理機関は、関連する口座(顧客口) 等に関する情報を、書面により機構に通知する。当該口座管理機関が社債権者 集会用内容証明を回収した場合も、同様に機構に通知する。 14 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 内容 備考 ¾ 機構は、社債権者集会用内容証明交付分(自己口、顧客口とも)に関する情報 を、書面により支払代理人に通知する。 15 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 (別紙)税区分の一覧表(シャドーした税区分は、課税情報申告の対象外。) 税区分コード 税区分 税率 備考 00 (元金のみ) - 10 分離課税 15%※ 20 総合課税 15%※ 30 非課税法人及び源泉徴収不適用 0% 源泉徴収不適用分等口座(信託口(3)及び信託口(4)を除く) 31 非課税信託財産(投資信託) 0% 信託口(3) 32 非課税信託財産(年金信託) 0% 信託口(4) 40 少額貯蓄非課税(マル優) 0% 50 少額公債非課税(特別マル優) 0% 60 財形貯蓄非課税 0% 70 非居住者 0% 71 非居住者 10% 72 非居住者 12% 73 非居住者 12.5% 74 非居住者 15% 75 非居住者 25% 90 非課税法人及び源泉徴収不適用 総合課税分 91 (分かち) 非課税分 92 マル優 分離課税分 93 (分かち) 非課税分 94 特別マル優 分離課税分 95 (分かち) 非課税分 15%※ 0% 15%※ 0% 15%※ 0% 必ずペアで使用。 必ずペアで使用。 必ずペアで使用。 ※ グロスアップ銘柄の場合には、発行代理人・支払代理人が機構に通知した本邦税率(国税)に基づき、国税額及び国税引き後利子額を計 算し、元利金請求データにセットする。 16 一般債の元利金支払に係る業務処理要領 (別紙)分かちの計算方法の具体例 機構加入者 A が銘柄 B(利率 1%、1 通貨あたりの利子額 0.005 円、利払 3・9 月 15 日)を課税分口座に 3 億円保有し、2006 年 9 月 15 日の 利払を迎えた。このうち、①1 億円は 2006 年 6 月 15 日から、②2 億円は 2006 年 8 月 1 日から、保有している。 課税利子額: ①1 億円×0.005 円×91 日÷184 日=247,282 円 ②2 億円×0.005 円×138 日÷184 日=750,000 円 国税額: ①247,282 円×0.15=37,092 円 ②750,000 円×0.15=112,500 円 国税引後利金請求額: ①1 億円×0.005 円-37,092 円=462,908 円 ②2 億円×0.005 円-112,500 円=887,500 円 「課税情報申告データ」の設定イメージは、下表の通りとなる。 機構加入者コード ISIN コード 税区分 数量 国税額合計 国税引後利金請求額 XXXXX05 JPXXXXXXXXXX 90 300000000 149592(注2) 847690(注3) XXXXX05 JPXXXXXXXXXX 91 0(注1) 0 502718(注4) (注1) 便宜的に、ゼロを設定する。 (注2) 37,092 円+112,500 円=149,592 円 (注3) (247,282 円-37,092 円)+(750,000 円-112,500 円)=847,690 円 (注4) (462,908 円+887,500 円)-847,690 円=502,718 円 17 別添 グロスアップ銘柄に係る通知書 (一般債振替制度用) 平成 株式会社 証券保管振替機構 御中 年 月 日 届出印 会社名 役職名 氏 名 当社が発行代理人・支払代理人として取り扱うグロスアップ銘柄について以下のとおり通知 します。 銘柄の正式名称 ISINコード JP 利払日 適用利払期日 平成 国 年 月 日以降の各利払期日 税: % 地方税: % 本邦税率 発行者の所在地国に おける源泉徴収税率 % (注1) グロスアップ銘柄の発行代理人は、銘柄情報登録後直ちに、この書類を機構に提出してください。銘柄情報登 録時に本邦税率及び発行者の所在地国における源泉徴収税率が未定の場合には、本邦税率欄及び発行者の所在 地国における源泉徴収税率欄に「未定」と記入してください。 (注2) グロスアップ銘柄の発行代理人・支払代理人は、本邦税率及び発行者の所在地国における源泉徴収税率が決定又 は変更された場合には、直ちに、この書類を機構に提出してください。元利金請求額に適用するためには、適 用利払期日の 8 営業日前までに提出する必要があります。提出が行われない場合には、前回の本邦税率を引き 継ぐ(「未定」の場合には、国税:15%、地方税:5%)ことになります。 (注3) 本邦税率は、小数点以下 13 位以内で記入してください。 (注4) 詳細については、機構が定める「一般債の発行に係る業務処理要領」及び「一般債の元利金支払に係る業務処 理要領」を参照してください。 以 上 書類の提出先 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町二丁目1番1号(第二証券会館) 社債等振替業務部 一般債(グロスアップ銘柄)担当 ・当機構は、本通知書に記載された個人情報を、 「社債等の振替に関する法律」に基づき主務大臣から認可された業務を円滑 に遂行するため、また、本通知書に基づく担当者と当機構との間の事務連絡を行うため、利用させていただきます。 ・当機構の取り扱う個人情報、当機構の個人情報保護方針など当機構の個人情報保護に関する事項は、当機構ホームページ (http://www.jasdec.com/)に掲載されておりますので、適宜ご参照ください。
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