ミドル教員の管理職志向に与える要因 -横浜市教員のキャリア形成分析から- (概要) MJE13704 長島 和広 【要旨】 教員は様々な教育課題に直面し、社会からの要求に応えるために教職生活を通じて学び続ける教師像を確立し、 自律したキャリア形成をすることが求められている。近年、教員の大量採用が続き、学校組織マネジメントを担う 人材の確保やこれまでの教育技術を経験の浅い教員に引き継ぐことが課題になっている。これからの学校を運営し、 教員の人材育成の重要な役割を担うのがミドル教員である。 本研究では、これからの学校経営の鍵を握るミドル教員のキャリア志向の 1 つとして、管理職をめざすキャリア 志向(管理職志向)に焦点をあて、これまでのキャリア形成で効果を与えている要因について、横浜市教育委員会 「10 年次教員に対するキャリア形成に関する意識調査」を計量分析し、その補足にヒアリング調査を行い、検証し た。 その結果、管理職をめざすキャリア志向に与える要因は、小学校と中学校では異なることがわかった。小学校で は初任校で悩みを相談できる職場環境や 8 年目に学年主任の経験等がプラスの影響があり、初任校・2 校目と連続 での小規模校勤務がマイナスの影響があること、中学校では異動によって教員間の人間関係を調整できる力が高ま る意識がプラスの影響があることなどが明らかになった。 これらの分析結果をふまえ、今後の人材育成がより効果的になるよう、管理職をめざすキャリア志向を高める支 援について、学校、教育委員会に対して提言を行った。 1.はじめに ミドル教員は、今後も学校組織運営においてキャリア形 1.1 研究の背景 成を重ね、その後のキャリア選択として、そのうちの何人 学校は様々な課題に直面している。課題解決に向けて、 かは、将来管理職として学校経営をし、人材育成をしてい 教員は教職生活全体を通じて、能力開発を行い「学び続け くことが求められる。しかしながら、横浜市教育委員会教 る教員像」を確立する必要があるとされている1。 職員育成課と東京大学中原研究室で行った共同研究「10 学校において人材育成を組織的に行うためには、管理職 年次教員に対するキャリア形成に関する意識調査」では、 の役割はきわめて重要である。しかし、管理職をめざす教 将来「校長、副校長になりたい」と回答した教員は全体の 員が近年減少しているため、学校経営にあたる次代のリー 7.4%にとどまった。 ダーを十分育成できない課題がある。 したがって、ミドル教員のキャリア形成や、どのような 1.2 問題意識と研究の目的 キャリア支援によって「管理職をめざすキャリア志向」を これらの課題解決にむけて重要な役割を担うのが、ベテ 高めることができるのかを明らかにすることは、横浜市に ランと経験の浅い教員の間に入る経験年数 10 年~15 年の とって重要となる。 ミドル層の教員(以後、ミドル教員とする)である。ミド 横浜市のミドル教員がこれまでのキャリア形成で、どの ル教員は、先輩として経験の浅い教員の育成にかかわると ような経験や意識が管理職をめざすキャリア志向を高め ともに、学校組織運営において中心となる存在である。 たのかを明らかにするために、 「10 年次教員に対するキャ しかし、教員の年齢構成が不均衡になっており、ミドル リア形成に関する意識調査」のデータを利用して計量分析 層の教員が少ない。現在、ベテラン教員の退職に伴う教員 を行う。あわせて意識調査に回答した研修受講者にヒアリ の大量採用が始まり、横浜市では、すでに教員の新規採用 ング調査を実施し、考察を行う。その上で今後の人材育成 数が増加して、採用後の「経験の浅い教員の実践的指導力 に向けた政策を提言する。 を育成することが喫緊の課題2」となっている。 1.3 先行研究 1.3.1 キャリアについての研究 1 2 中央教育審議会(2012)「教職生活の全体を通じた教員の 資質能力の総合的な向上方策について(答申) 」 、p. 3 横浜市教育委員会(2011)「横浜市教育振興基本計画」 、 p.41 本研究においては、「キャリア」を「個人が仕事で重ね た経験と将来の見通し」とし、時間軸をもった経験の積み 重ねと将来の経験の方向性ととらえる。 1 - 19 - また、「キャリア形成」を、個人が職業能力を身に付け ーダーとなることを示唆しているが、ミドル教員の管理職 ていくこと、言い換えると「関連した職務経験の連鎖を通 志向への影響を分析したものはみられなかった。 して職業能力を形成していくこと3」ととらえる。 2.横浜市教員のキャリア形成とミドル層の位置づけ さらに、本研究で用いる「キャリア志向」という用語に ついて、益田(2002)は、 「個人がキャリア上でたどろう 2.1 大量退職・大量採用の影響とミドル層 とする方向、漠然と抱いているゴールのイメージ4」、三輪 2.1.1 教員の年齢構成 (2011)は、 「自分の能力や価値観を自覚した上で、どの 公立学校では第 2 次ベビーブーム期に教員を大量採用 ような働き方をしようとするのか、キャリアの方向性や目 し、その後の少子化で採用者を減らした。そのため、図 的意識を示すもの5」としている。本研究では、キャリア 2-1 のように、全国の教員の年齢構成が 40 歳代後半から の方向性や目的意識ととらえる。なお、教員のキャリア志 50 歳代にかけて多く、30 歳代前半までが少ないと偏って 向について実施された調査の例として、ベネッセ教育総合 いる。現在、多数のベテラン教員が退職時期を迎えている。 研究所(2010)の調査結果をみると、 「できれば、将来管 大都市圏では、全国より早くこの現象が起こっている。 理職になりたい」という教員は小学校で 10%、中学校で 横浜市では、過去 10 年実施の教員採用試験では最終合格 15%程度いた。また、男性教員の割合が高いことが明ら 者数は 1,000 人前後で推移している。 現在の横浜市教員の年齢構成を図 2-1 でみると、20 歳 かとなった6。 代と 50 歳代後半にピークがある。33 歳までの年齢層の教 1.3.2 ミドル教員のキャリアとその位置づけ 員で全体の教員の 34.5%を占めている。特に小学校で若 (1)一般的な組織におけるミドル層の位置づけ 企業組織のミドルについて、松尾(2013)は、公式的 年層が増えている。 な権限を持った課長や部長を中間管理職の職位をもった このような現状から、横浜市職員のミドル層の年齢は、 30 歳代から 40 歳代前半にあたると考えられる。 ミドルマネジャーと定義した。そして、ミドル層の経験学 習の要因を分析し、部下を育成した経験が成長につながる と示唆している7。 (2)教員におけるミドル層の位置づけ 学校組織では、「子ども対教師」の教育機能が重視され てきた経緯があり、校長と教諭のなべぶた組織であった。 小島(2012)は、学校教育法改正で組織化が図られて いるが、「スクールミドルは、必ずしも職制である必要は ない」とし、 「30・40 歳代の中堅職員は、学校でのそれ以 前の年齢層の教員と、それ以降の年齢層の教員とは区別さ れ、何か彼らとは違った役割が期待され8」ている存在と 図 教員年齢構成比較(全国横浜市:全校種) した。 出典:文部科学省(2010) 学校教員基本調査(平成 22 年) 横浜市教育委員会研修資料より筆者作成 これまでの研究から、学校組織における教員のミドル層 は 30 歳~40 歳代で、主任職や校務分掌で重要な役割を務 2.1.2 教員の経験年数構成 める教員が想定される。ミドル層の教員が職務経験を重ね 横浜市の教員の勤続年数の状況については、勤続年数が ることで、学校経営についてキャリア形成をし、トップリ 10 年未満の教員の割合が高く、小学校では全体の 55%、 中学校では全体の 45%を超えている。 この状況をふまえ、 3 4 5 6 7 8 厚生労働省職業能力開発局(2002) 「キャリア形成を支 援する労働市場政策研究会報告書」 益田勉(2002) 「キャリア選択行動に対するキャリア志 向性の影響」 『経営行動科学』第 16 巻第 2 号、p.118 三輪卓己(2011) 『知識労働者のキャリア発達 キャリ ア志向・自律的学習・組織間異動』中央経済社、p.75 ベネッセ教育総合研究所(2010) 『第 5 回学習指導基本 調査(小学校・中学校版)報告書』Benesse、p.164 松尾睦(2013) 『成長する管理職 優れたマネジャーは いかに経験から学んでいるのか』東洋経済新報社、 pp.30-63 小島弘道(2012) 「スクールミドル論-スクールミドル はどう語られてきたか」 『学校づくりとスクールミドル』 学文社、p.41 横浜市におけるミドル層を勤続年数でさぐると 10 年~15 年未満の層がミドル層にあたると考えられる。 横浜市では採用から 11 年目の教員に法定研修の 10 年 次教員研修を実施している。年齢や経験年数を考慮し、こ の 10 年次教員研修の対象者がミドル教員にあたると考え られる。本研究の対象として、焦点をあてていく。 2.2 横浜市教員におけるミドル世代のキャリア選択 多くのミドル教員は、異動を経験し、一通り学校の業務 を理解している。そして、教員としてのキャリア形成とそ のキャリア志向によって、学校経営や学校外でのキャリア 形成など、いくつかのキャリア選択ができる。横浜市のミ 2 - 20 - 3.「10 年次教員に対するキャリア形成に関する意識 ドル教員のキャリア選択の主なものを例示する。 (1)主任 調査」からみる管理職志向 職、主幹教諭(2)副校長、指導主事(3)教員(4)研究 3.1 目的 員、内地留学等がある。 2.3 横浜市教育委員会の人材育成施策とミドル層 教員は、教壇に立ち、子どもたちとかかわる経験や職場 2.3.1 横浜市教員研修の目的 環境によって、それぞれのキャリア形成がされている。採 横浜市教育委員会では「自己の崇高な使命を深く自覚し、 用から 10 年を経て、これからの学校組織運営の中心とな その資質能力の向上に努める教職への支援を行い、尊敬さ ることを期待されているミドル教員のキャリア志向のひ れ信頼される教職員を育成9」することとしている。 とつとして「管理職志向」に着目し、これまでのキャリア 2.3.2 横浜市教員研修の構成 形成のどのような要因が影響を与えるのか明らかにする。 (1) 人材育成指標に基づく研修体制 3.2 分析手法 横浜市教育委員会では、平成 22 年に「教職員のキャリ 平成 24 年度に東京大学大学総合教育研究センター中原 アステージにおける人材育成指標」を策定した。「基礎能 研究室と横浜市教育委員会教職員育成課で行った共同研 力開発期」 、 「基礎能力活用期」 、 「教職経験力活用期」の経 究「10 年次教員に対するキャリア形成に関する意識調査」 験年数によるキャリアステージと「学校運営力開発・活用 (以下意識調査)のデータを利用して計量分析を行う。 期」 、 「組織・経営マネジメント力開発・活用期」の学校経 3.2.1 推定モデルの構築 ミドル教員の管理職志向として意識調査の項目「校長、 営のキャリアステージを示した。そこでは、それぞれに求 められる資質能力の項目を示し、人材育成指標を目標とし 副校長になりたい」を被説明変数とし、キャリア志向に効 て自律したキャリア形成ができるようにした。 果を与えると考えられる変数を説明変数とする推定モデ (2) 学校内での人材育成 ルを最小二乗法により推定し、効果の統計的な有意性によ 各市立学校では、校長が「中期学校経営方針」で、教員 り、その効果の有無を判断する。 の人材育成の取組目標を明記し、計画的に実施している。 説明変数を教員のキャリア志向に効果があると考えら ミドル教員は、10 年次教員研修の校内研修として、主 れる項目を意識調査質問紙から選んだ。それら項目の回答 幹教諭や 5 年次教員と協力して、経験の浅い教員の人材育 を SPSS により主成分分析を行い、 「困難経験」、 「学校環 成を実施することが必修となっている。この人材育成の取 境」 、 「職員同僚性」 、 「情熱・人間性」 、 「キャリア意識」の 組は、小中一貫教育推進ブロックでも実施し、ミドル教員 5 因子に分類した。そのうち因子負荷の高い項目をそれぞ の連携力向上を狙っている。 れダミー変数に変換し、説明変数とした。そして、「性別 (3) 法定研修 ダミー」 、 「学校地域ダミー」を加え、各年次の担任の有無、 横浜市では毎年 1,000 人近い新採用教員がいる。正規の 校務分掌等の職務についてステップワイズ法で加えた。 教員には法定研修を受講することが教育公務員特例法に この推定モデルで、全教員を対象として推定したのち、 よって義務づけられている。1 つは採用初年の初任者研修、 小学校、中学校別に推定し、校種による相違点をみる。 もう 1 つがミドル期の 10 年経験者研修である。 また、ミドル教員の管理職志向の被説明変数とした「校 2.3.3 ミドル層にかかわる研修- 年次教員研修 長、副校長になりたい」は、 「5 あてはまる」 、 「4 ややあ 「10 年次教員研修」は横浜市 10 年次教員研修実施要綱 てはまる」、「3 どちらともいえない」、「2 あまりあては に基づき、在職期間が 10 年に達した教諭等に対し、個々 まらない」 、 「1 あてはまらない」の 5 件選択肢からなる。 の能力、適性等に応じて、教諭等としての資質能力の向上 被説明変数に選択の順序の意味があるので、最小二乗法で を図ることを目的として実施している。 推定すると、序数であるにもかかわらず基数として扱うこ 横浜市では、10 年次教員研修を通して、ミドル教員が とに、問題があるので、順序選択モデルを用いて併せて推 個々の能力、適性等について内省できる場面やその知識や 定する。 技能を身に付ける機会を、集合研修や校長による評価によ 3.2.2 推定モデル 𝑌𝑌 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽1 𝑋𝑋1 + 𝛽𝛽2 𝑋𝑋2 + 𝛽𝛽3 𝑋𝑋3 + ⋯ + 𝛽𝛽12 𝑋𝑋12 + 𝜀𝜀 ってもうけている。そして、校内研修を自ら企画実施する ことを義務づけている。他者、他機関と調整する経験をす 3.3 変数 ることで、学校経営にかかわる人材育成を狙っている。 3.3.1 被説明変数と説明変数 前節の推定モデルにおいて用いる各変数の説明は次の 通りである。 (1)被説明変数 9 :校長、副校長になりたい 意識調査において、ミドル教員のキャリア志向のひ 横浜市教育委員会(2011) 、前掲書、p.38 3 - 21 - とつとして位置づけられている。5 件選択肢を 1 < 2 < プラス影響があると考えられる。しかし、この変数もばら 3 < 4 < 5 で順位付けをし、被説明変数とする。 つきが大きいとみられる。 3.4.2 小学校に勤務する教員 ’:管理職にならず、子どもに直接かかわる仕事をしてい 表 3-1 で対象を小学校教員としたのが model4-1 である。 たい 意識調査において、ミドル教員のキャリア志向のひ 小学校で 10 年次教員研修を受講するミドルの時期に管 とつとして位置づけられている。 「校長、副校長になり 理職志向が高い教員の特徴は、男性で、自分の仕事の評価 たい」と比較のために用いる。 を気にし、仕事への今後の見通しをもっている。キャリア (2)説明変数 初期の初任校が悩みを相談できる環境であり、子どもの学 ͳ:性別ダミー 校設備に対する破壊行為等が起こりやすい職場を経てい ʹ:学校地域ダミー る。そして、学年主任もしくは教務主任を務めた経験があ Ͷ:初任校、2 校目ともに小規模校に勤務しているダミー 響になっている。 ͵:学校設備に対するいたずらや破壊行為がよくおこる ることがわかった。西部地域で勤務していることや初任校、 ͷ:初任校:悩みを相談する職場環境ではないダミー 3.4.3 中学校に勤務する教員 ͺ:異動によって教員間の人間関係を調整する力がつく 域の中学校に務める男性で、異動によって教員間の人間関 2 校目ともに小規模校勤務は、管理職志向にマイナスの影 ダミー 表 3-1 で対象を中学校教員としたのが model7-1 である。 :重い責任の仕事を積極的に引き受けたいダミー :自分への仕事の評価が気になるダミー 中学校で管理職志向の高い教員の特徴は、現在、西部地 ダミー 係を調整できる力が高まると意識があることである。その ͻ:これからの教師生活について自分なりの見通しをも 他の要因については、関係があるとは言えない。 ͳͳ:10 年目生徒指導専任、児童支援専任ダミー 被説明変数: 校長、副校長になりたい 男性ダミー っているダミー 表 「校長、副校長になりたい」2/6 分析 ͳͲ:8 年目学年主任ダミー ͳʹ:10 年目教務主任ダミー 学校地域ダミー_東部 (説明変数の詳細と記述統計量は概要版では省略する。) 3.4 計量分析の結果と考察 学校地域ダミー_西部 3.4.1 教員全体を対象 学校設備に対するいたずらや破 壊行為がよくおこる 初任校、2校目ともに小規模校 管理職志向に与える効果を表 3-1 に示した。教員全体で の推定は model1-1 である。概要版では OLS による結果 のみ示す。 管理職志向が高い教員は、男性教員で東部地域に勤務し、 「責任の重い仕事を積極的に引き受けたい」 、 「自分の仕事 初任校:悩み相談する職場環境 でない 責任の重い仕事を積極的に引き 受けたい 自分の仕事の評価が気になる 異動によって教員間の人間関 係を調整できる力が高まる これからの教師生活について自 分なりの見通しをもっている 8年目学年主任ダミー の評価が気になる」と感じていることがプラスに有意とな っている。 また、「これからの教師生活について自分なりの見通し 10年目生徒指導専任、児童支 援専任ダミー 10年目教務主任ダミー をもっている」こととともに「異動によって教員間の人間 関係を調整できる力が高まる」と、キャリア形成や異動に 前向きな意識をもつことがプラスに有意となっている。 (定数) これまでのキャリア形成で、「8 年目学年主任」もしく サンプル数=N 調整済R2 㻲 㻖㼜㻌㻨㻚㻝㻘㻌㻖㻖㼜㻌㻨㻚㻜㻡㻘㻌㻖㻖㻖㼜㻌㻨㻚㻜㻝 は「10 年目教務主任」を務めることが管理職志向にプラ スに有意となっている。逆に「10 年目生徒指導専任、児 童支援専任」を務めることはマイナスの影響が有意である。 全体O LS 㼙㼛 㼐㼑 㼘㻝 㻙 㻝 係数(t) 㻚㻢㻜㻥 㻖㻖㻖 㻔㻡㻚㻣㻣㻞㻕 㻚㻞㻡㻥 㻖㻖 㻔㻝㻚㻥㻤㻞㻕 㻙㻚㻜㻥㻤 㻌 㻔㻙㻚㻣㻥㻞㻕 㻚㻝㻜㻟 㻌 㻔㻚㻥㻥㻢㻕 㻙㻚㻡㻝㻡 㻖 㻔㻙㻝㻚㻥㻟㻥㻕 㻙㻚㻞㻥㻟 㻖 㻔㻙㻝㻚㻢㻡㻣㻕 㻚㻟㻞㻟 㻖㻖 㻔㻞㻚㻡㻡㻠㻕 㻚㻞㻝㻤 㻖㻖 㻔㻞㻚㻜㻟㻞㻕 㻚㻞㻞㻝 㻖㻖 㻔㻞㻚㻝㻡㻝㻕 㻚㻞㻥㻥 㻖㻖㻖 㻔㻞㻚㻥㻠㻤㻕 㻚㻟㻢㻣 㻖㻖㻖 㻔㻞㻚㻥㻞㻟㻕 㻙㻚㻣㻜㻞 㻖㻖 㻔㻙㻞㻚㻡㻠㻣㻕 㻝㻚㻜㻝㻡 㻖㻖 㻔㻞㻚㻜㻠㻡㻕 㻝㻚㻜㻠㻤 㻖㻖㻖 㻔㻤㻚㻢㻥㻤㻕 㻟㻣㻥 㻚㻝㻥㻝 㻣㻚㻣㻤㻥 小学校O LS 㼙㼛 㼐㼑 㼘㻠 㻙 㻝 係数(t) 㻚㻡㻤㻟 㻖㻖㻖 㻔㻠㻚㻡㻢㻟㻕 㻚㻞㻟㻟 㻌 㻔㻝㻚㻡㻟㻜㻕 㻙㻚㻞㻢㻠 㻖 㻔㻙㻝㻚㻣㻞㻞㻕 㻚㻞㻝㻥 㻖 㻔㻝㻚㻣㻟㻝㻕 㻙㻚㻥㻤㻟 㻖㻖 㻔㻙㻞㻚㻟㻥㻟㻕 㻙㻚㻠㻢㻤 㻖㻖 㻔㻙㻞㻚㻝㻣㻞㻕 㻚㻞㻠㻣 㻌 㻔㻝㻚㻡㻢㻤㻕 㻚㻞㻢㻟 㻖㻖 㻔㻞㻚㻜㻟㻟㻕 㻚㻜㻜㻤 㻌 㻔㻚㻜㻢㻟㻕 㻚㻟㻞㻝 㻖㻖㻖 㻔㻞㻚㻢㻣㻜㻕 㻚㻠㻝㻡 㻖㻖㻖 㻔㻟㻚㻝㻝㻢㻕 㻙㻚㻟㻤㻝 㻌 㻔㻙㻚㻣㻢㻞㻕 㻝㻚㻜㻢㻞 㻖㻖 㻔㻞㻚㻜㻢㻝㻕 㻝㻚㻝㻡㻤 㻖㻖㻖 㻔㻤㻚㻟㻢㻜㻕 㻞㻢㻠 㻞㻜㻠 㻢㻚㻝㻥㻝 中学校O LS 㼙㼛 㼐㼑 㼘㻣 㻙 㻝 係数(t) 㻚㻢㻜㻞 㻖㻖㻖 㻔㻞㻚㻤㻣㻤㻕 㻚㻝㻤㻞 㻌 㻔㻚㻢㻠㻡㻕 㻚㻠㻟㻝 㻖 㻔㻝㻚㻤㻞㻝㻕 㻙㻚㻟㻝㻥 㻌 㻔㻙㻝㻚㻟㻡㻥㻕 㻚㻝㻠㻢 㻌 㻔㻚㻞㻣㻤㻕 㻚㻜㻤㻢 㻌 㻔㻚㻞㻡㻥㻕 㻚㻟㻢㻞 㻌 㻔㻝㻚㻠㻢㻠㻕 㻚㻟㻠㻣 㻌 㻔㻝㻚㻡㻥㻢㻕 㻚㻢㻟㻡 㻖㻖㻖 㻔㻟㻚㻜㻜㻥㻕 㻚㻞㻞㻤 㻌 㻔㻝㻚㻜㻡㻝㻕 㻙 㻙 㻙㻚㻡㻡㻝 㻌 㻔㻙㻝㻚㻡㻟㻥㻕 㻙 㻙 㻚㻥㻟㻠 㻖㻖㻖 㻔㻟㻚㻟㻝㻡㻕 㻥㻣 㻞㻠㻡 㻟㻚㻤㻞㻤 3.4.4 被説明変数「管理職にならず、子どもに直接かか わる仕事をしていたい」 勤務する学校規模については「初任校、2 校目ともに小 これまでの結果と対比するために、管理職をめざさない 規模校」であることは、管理職志向に与える影響としてマ キャリア志向として被説明変数を「管理職にならず子ども イナスの傾向あるが、ばらつきが大きいとみられる。また、 に直接かかわる仕事をしていたい」に代え、推定した。結 職場環境として「初任校が悩み相談する環境でない」こと 果を表 3-2 に示す。全体を model10、小学校を model11、 が管理職志向に与える影響としてマイナスの傾向にある 中学校を model12 とした。考察は次項でまとめる。 ことから、キャリア初期に悩み相談する環境があることは 4 - 22 - 表 管理職をめざさないキャリア志向 2/6 分析 㻻 㻸㻿 被説明変数:子どもに直接かか わる仕事をしていたい 男性ダミー 地域ダミー_東部 地域ダミー_西部 学校設備に対するいたずらや 破壊行為がよくおこる 初任校、2校目ともに小規模校 初任校:悩み相談する職場環 境でない 責任の重い仕事を積極的に引 き受けたい 自分の仕事の評価が気になる 異動によって教員間の人間関 係を調整できる力が高まる これからの教師生活について 自分なりの見通しをもっている 8年目学年主任ダミー 10年目生徒指導専任、児童支 援専任ダミー 10年目教務主任ダミー (定数) サンプル数=N 調整済R2 㻲 全体O LS 㼙㼛 㼐㼑 㼘㻝 㻜 係数(t) 㻙㻚㻝㻣㻡 㻌 㻔㻝㻚㻡㻤㻟㻕 㻙㻚㻝㻜㻠 㻌 㻔㻙㻚㻣㻢㻜㻕 㻚㻟㻠㻤 㻖㻖㻖 㻔㻞㻚㻢㻥㻠㻕 㻙㻚㻜㻤㻠 㻌 㻔㻙㻚㻣㻤㻡㻕 㻚㻞㻡㻡 㻌 㻔㻚㻥㻝㻤㻕 㻚㻞㻠㻝 㻌 㻔㻝㻚㻟㻜㻟㻕 㻙㻚㻜㻝㻝 㻌 㻔㻙㻚㻜㻤㻞㻕 㻙㻚㻜㻤㻠 㻌 㻔㻙㻚㻣㻠㻝㻕 㻙㻚㻜㻥㻠 㻌 㻔㻙㻚㻤㻤㻟㻕 㻙㻚㻜㻟㻠 㻌 㻔㻙㻚㻟㻝㻣㻕 㻙㻚㻞㻥㻞 㻖㻖 㻔㻙㻞㻚㻞㻝㻜㻕 㻚㻜㻞㻢 㻌 㻔㻚㻜㻥㻞㻕 㻚㻟㻝㻤 㻌 㻔㻚㻠㻠㻡㻕 㻠㻚㻝㻡㻜 㻖㻖㻖 㻔㻞㻥㻚㻝㻡㻠㻕 㻟㻠㻢 㻚㻜㻞㻟 㻝㻚㻢㻟㻝 小学校O LS 㼙㼛 㼐㼑 㼘㻝 㻝 係数(t) 㻙㻚㻝㻡㻠 㻌 㻔㻝㻚㻝㻥㻢㻕 㻙㻚㻜㻠㻢 㻌 㻔㻙㻚㻟㻜㻠㻕 㻚㻠㻠㻥 㻖㻖㻖 㻔㻞㻚㻥㻢㻢㻕 㻙㻚㻞㻞㻟 㻖 㻔㻙㻝㻚㻣㻣㻠㻕 㻚㻟㻡㻡 㻌 㻔㻚㻤㻣㻟㻕 㻚㻠㻣㻞 㻖㻖 㻔㻞㻚㻞㻞㻥㻕 㻙㻚㻜㻤㻜 㻌 㻔㻙㻚㻠㻥㻠㻕 㻙㻚㻜㻢㻠 㻌 㻔㻙㻚㻠㻥㻟㻕 㻚㻝㻡㻝 㻌 㻔㻝㻚㻞㻞㻣㻕 㻚㻜㻝㻢 㻌 㻔㻚㻝㻟㻢㻕 㻙㻚㻞㻠㻠 㻖 㻔㻙㻝㻚㻤㻝㻠㻕 㻙㻚㻝㻣㻠 㻌 㻔㻙㻚㻟㻠㻤㻕 㻚㻞㻢㻞 㻌 㻔㻚㻟㻡㻠㻕 㻠㻚㻜㻜㻢 㻖㻖㻖 㻔㻞㻠㻚㻡㻡㻣㻕 㻞㻠㻠 㻚㻜㻡㻣 㻞㻚㻝㻞㻝 してヒアリング調査を行った。対象者として、平成 24 年 中学校O LS 㼙㼛 㼐㼑 㼘㻝 㻞 係数(t) 㻙㻚㻜㻤㻜 㻌 㻔㻚㻟㻠㻣㻕 㻙㻚㻝㻥㻣 㻌 㻔㻙㻚㻢㻢㻜㻕 㻚㻞㻠㻠 㻌 㻔㻚㻥㻡㻡㻕 㻚㻠㻢㻠 㻖 㻔㻝㻚㻤㻡㻟㻕 㻚㻝㻤㻣 㻌 㻔㻚㻟㻝㻡㻕 㻙㻚㻠㻢㻟 㻌 㻔㻙㻝㻚㻞㻣㻢㻕 㻚㻟㻜㻢 㻌 㻔㻝㻚㻝㻞㻡㻕 㻚㻜㻥㻤 㻌 㻔㻚㻠㻜㻣㻕 㻙㻚㻣㻣㻞 㻖㻖㻖 㻔㻙㻟㻚㻡㻞㻤㻕 㻙㻚㻠㻠㻥 㻖 㻔㻙㻝㻚㻥㻣㻜㻕 㻙 㻙 㻙㻚㻞㻟㻡 㻌 㻔㻙㻚㻢㻠㻡㻕 㻙 㻙 㻠㻚㻟㻢㻠 㻖㻖㻖 㻔㻝㻡㻚㻝㻡㻥㻕 㻤㻣 㻚㻝㻝㻥 㻞㻚㻜㻡㻞 度 10 年次教員研修を受講し、意識調査に回答した小学校 教諭 5 名(男性 4 名、女性 1 名) 、中学校教諭 5 名(男性 3 名、女性 2 名)に協力いただいた。それぞれの教諭のキ ャリア形成にかかわった人、職場、経験を中心に管理職志 向に結びつく要因を探ることを目的とした。 3.5.2 結果と考察 ヒアリング調査で聞き取った内容からキャリア志向に ついて、次の 2 つのグループに分類した。 (1)管理職をめざす 7 名(小学校 5 名、中学校 2 名) 管理職志向のきっかけについて、次の 3 つがみられた。 ①校内で主任職や校務分掌の部長職といった役職を務 めた際に、校長、副校長の学校経営に対する考えや姿 に直接、接して影響を受けた。 ②校務分掌で部長等を務める中で、周りの教員から将 来、管理職になって学校経営することを勧められた。 ③年齢を意識して、キャリアパスとしての校長、副校 長になることを考えている。 (2)管理職をめざさない 3 名(中学校 3 名) 㻖㼜㻌㻨㻚㻝㻘㻌㻖㻖㼜㻌㻨㻚㻜㻡㻘㻌㻖㻖㻖㼜㻌㻨㻚㻜㻝 どの教員も、これからのキャリアについて、教員として 3.4.5 被説明変数「校長、副校長になりたい」と「管理職に ならず子どもに直接かかわる仕事をしていたい」の比較 子どもと接し続けていきたいと答えた。管理職になりたく 小学校ミドル教員の 2 つのキャリア志向を分ける要因 はない理由として、過去の管理職とのトラブルや管理職の 業務は大変という、管理職へのマイナスイメージを挙げた。 には、次の 3 つの項目が関係しているとみられる。 ・学校設備へのいたずらや破壊行為がよくおこる経験 3.6 計量分析およびヒアリング調査からみえたこと ・初任校が悩み相談する職場環境でない 3.6.1 小学校ミドル教員 計量分析での管理職志向への影響のうち、自分の仕事の ・8 年目に学年主任の経験 つまり小学校ミドル教員で管理職志向の高い人は、これ 評価を気にすることについて、管理職志向の高い人は、先 までに学校設備にいたずらや破壊行為をするような子ど 輩や同僚、管理職から学級経営や授業など日々の教育活動 もたちとかかわりながらも、初任校では悩み事を相談でき を評価されることで、自分の取り組みの改善を考え、新し る職員がいる環境で経験を積んできて、8 年目には学年主 いことを前向きに考えているようである。 任を務めた経験がある人であるとみられる。逆に管理職を また、子どもたちのいたずらや破壊行為がある環境での めざさないキャリア志向の高い人は、これまでに学校設備 経験について、相談できる人と出会い、支えてもらって乗 にいたずらや破壊行為をするような子どもとのかかわり り切ってきたと話しており、子どもとの困難な関係も一人 はなく、初任校では悩み事を相談できない環境で経験を積 で抱え込まず、先輩の支えを借り、自分の力で乗り切った み、学年主任の経験がない人であるとみられる。 ことが自信となったようである。 初任校、2 校目ともに小規模校に配属されることが小学 中学校ミドル教員の 2 つのキャリア志向を分ける要因 校ミドル教員の管理職志向にマイナスの影響があること には、次の項目が関係しているとみられる。 ・異動の際の教員間の人間関係を調整できる力への意識 について、小規模校でも業務は同じ量なので、一人でいく つまり、中学校ミドル教員で管理職志向の高い人は、異 つも業務を兼任し、理解できないまま進めていることが要 動することに対して、教員間の人間関係を調整できる力が 因と考えられるとされた。 高まり、自身のキャリアアップにつながると意識している 3.6.2 中学校ミドル教員 傾向がある。逆に管理職をめざさないキャリア志向の高い 計量分析での管理職志向への影響のうち、管理職志向が 人は、異動することに対してキャリアアップにつながらな 高い人は、異動をきっかけとして教員間の人間関係を調整 いと考えている傾向があるとみられる。 できる力を高めることができると、異動に対し、ポジティ 3.5 ヒアリング調査による補足 ブにとらえてキャリア形成をしているようである。ヒアリ ング調査で異動制度に言及するミドル教員もいた。 3.5.1 調査概要 推定モデルの計量分析の結果を考察するための補足と 5 - 23 - 4.政策提言 行うことを提言する。 4.1 小学校でのキャリア形成支援 ())$ 制度、7$ 制度に代わる主体的にキャリア形成がで 各校の管理職の人材育成の取り組みにおいては、次の 2 きる異動制度の導入 点を考慮した校内体制をつくることを提言する。 管理職志向が高い人は「異動によって教員間の人間関 係を調整する力が高まる」と意識していることから、FA ()初任者に悩みを相談できる環境をつくる キャリア初期において、悩みを相談できる環境が必要 制度、TA制度に代わるような、教員が主体的にキャリ であることが示唆されている。各校の管理職が校内人事 ア形成できる異動制度の導入を提言する。 において、研修担当主幹教諭等の適切な人物に初任者を ()臨時的任用職員、非常勤講師への支援の実施 支援する役割を担当させる必要がある。また、メンター 中学校教員には、正規採用になるまでに臨時的任用職 チームなどの相互自律的な校内組織をつくり、活動する 員や非常勤講師として、複数年の勤務経験をもつ者が少 時間を確保することを提言する。 くない。ヒアリング調査で、臨時的任用職員や非常勤講 ()学年主任等を計画的に経験させ、その評価をする 師の際に、適切な支援を受けないままキャリア形成をし 8 年目に学年主任、10 年目に教務主任を務めることが ているため、管理職をめざすといった自身の将来のキャ 管理職志向にプラスとなっている。管理職志向の高い人 リアについて考える余裕がないだけでなく、正規の教員 が学年主任等に選ばれやすいことも考えられるが、ヒア になることをあきらめていた時期があった者もいた。教 リング調査で、これらの職務経験から学校組織全体を考 員のキャリア形成を促すために、この期間をキャリア初 え行動することや、校長と直接、意見交換することが、 期ととらえ、キャリアパス理解の支援や、人間関係の構 学校経営に興味をもつことへつながっていることがわ 築を支援するプログラムを取り入れることを提言する。 かった。その際、校長や副校長、主幹教諭はミドル教員 の仕事に対して、その職務への取り組み状況や達成状況 5.まとめと課題 について客観的に評価することが必要とみられる。 5.1 まとめ 教育委員会事務局に対しては、次の 2 点を考慮した人材 この研究では、キャリアについて先行研究をまとめ、 育成の施策を行うことを提言する。 様々な教育課題への対応を期待される横浜市ミドル教員 ()小規模校への連続配置を避ける の位置づけとキャリア形成を概観した。そして、横浜市ミ 小学校ミドル教員の管理職志向に対して、 「初任校、2 ドル教員の「管理職をめざすキャリア志向(管理職志向) 」 校目ともに小規模校」勤務がマイナスの影響が示唆され に焦点をあて、キャリア初期からミドル期のキャリア形成 ている。小規模校で、複数の校務分掌の業務内容を理解 から、教員が管理職志向をもつ要因を明らかにした。 せぬまま担当することが要因ではないかと考えられる。 5.2 今後の課題 第 1 に、計量分析に用いた意識調査は、ミドル教員のキ ()教員生活を見通す機会をつくる ャリア形成を調査し、教職員の育成に求められる自己開 小学校ミドル教員の管理職志向に対して、「これから の教師生活について自分なりの見通しをもっている」こ 発・支援の在り方を考察する目的で行われたものであり、 とがプラスの影響があることが明らかになった。そこで、 キャリア志向を推定する変数が限られていた。今回の結果 初任者研修において、初任者に対して「教員のキャリア を踏まえ、新たな調査を実施したい。 第 2 にミドル教員といっても、採用における選考方式が パス」のガイダンスや、初任者が教員生活について考え 多様になっており、今後はこの点を調査項目に入れて分析 る時間を校内研修に入れることを提言する。 4.2 中学校でのキャリア形成支援 する必要がある。 第 3 に、今回は女性教員の管理職志向や管理職志向につ 中学校ミドル教員で管理職志向が高い人は「異動によっ て教員間の人間関係を調整できる力が高まる」と思う傾向 ながるキャリア形成については詳しく分析できていない。 がある。このことは、異動によって新しい環境に入って、 ミドル期にいたるまでに結婚等の家庭環境が加わること 職場の新たな人間関係を構築することに対して、前向きに で、キャリア志向への影響があると予想されるため、今後 とらえているものとみられる。 はこの点を調査項目に入れて分析する必要がある。 そこで、中学校ミドル教員が管理職志向を高めるために は、各学校において、管理職が本人の異動意思を最大限尊 重し、新たなキャリア形成を求めて異動を希望する教員が あれば、積極的に異動させることが必要であると考える。 教育委員会事務局に対して、中学校ミドル教員が管理職 志向を高めるために、次の点を考慮した人材育成の施策を 6 - 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