厚生労働省「最近の医療費の動向 平成20年11月号

厚生労働省「最近の医療費の動向
平成20年11月号」について
定例記者会見
2009年4月8日
社団法人 日本医師会
種類別医療費
2008年4~11月の医療費の前年同期比は+1.8%であった。歯科は+2.8%。調剤は
+5.4%であったが、医科は+1.1%にとどまり、特に医科入院外は±0.0%であった。
医療費の前年同期比-2008年4~10月(休日数等の補正後)-
(%)
5.1
6.0
4.0
2.0
1.7
2.5
1.9
0.9
0.0
-0.1
-2.0
総数
医科計
内訳
医科入院+
医科食事等
医科入院外
歯科+
歯科食事等
調剤
医療費の前年同期比-2008年4~11月(休日数等の補正後)-
(%)
6.0
4.0
2.0
0.0
-2.0
5.4
1.8
1.1
医科計
総数
2.8
2.1
0.0
医科入院+
医科食事等
医科入院外
歯科+
歯科食事等
調剤
内訳
社団法人 日本医師会(定例記者会見 2009年4月8日)
1
種類別医療費(毎月の変化)
前年同月比は、月を追うに連れて拡大している。2008年11月には歯科は+5.0%であり、
8月につづいて5%台であった。調剤は+7.3%であり、今年度最高の伸びであった。
医療費の前年同月比-2008年(休日数等の補正後)-
4月
(%)
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
8.0
7.3
6.5
6.0
5.5
6.0
5.0
5.4 5.4
5.1
4.4
3.8
4.0
3.2
3.0 2.8
1.5
2.0
0.4 0.6
1.0
0.6
2.1
1.8
1.5
0.6
0.8
1.0
0.0
医科
歯科
社団法人 日本医師会(定例記者会見 2009年4月8日)
調剤
2
調剤医療費の増加要因
調剤医療費は、「処方せん枚数(数量)×処方せん1枚当たり医療費(単価)」で決ま
る。2008年4~11月の前年同期比は、処方せん枚数は▲0.1%、処方せん1枚当たり
医療費は+2.3%であった。また過去の診療報酬改定がなかった年では、処方せん1枚
当たり医療費は6%台の伸びであった。
処方せん枚数と処方せん1枚当たり医療費
処方せん枚数(Q)
8.0%
6.7%
処方せん1枚当たり医療費(P)
6.1%
6.1%
4.4%
2.3%
4.0%
3.1%
0.0%
2.7%
3.8%
2.6%
2.3%
-0.1%
-0.7%
-4.0%
2003
2004
2005
2006
2007
2008
4~11月
(年度)
*出所:厚生労働省「最近の医療費の動向」。2008年4~11月は、2007年4~11月との比較。
社団法人 日本医師会(定例記者会見 2009年4月8日)
3
処方せん1枚当たり医療費(単価)の上昇要因
処方せん1枚当たり医療費のうち、技術料が26%、薬剤料が73%である。
2008年度(4~9月分)の単価は7,467円で、前年比+145円であった。うち、薬剤料+
94円、技術料+50円である。薬価はマイナス改定であったが、単価上昇の6割以上が、
薬剤料単価アップによるものであった。
診療報酬改定のなかった2007年度の単価は前年比+399円上昇し、うち技術料+
22円、薬剤料+376円であり、単価上昇のほとんどが薬剤料単価アップによるもので
あった。
処方せん1枚当たりの調剤医療費(電算処理分)
(円)
8,000
7,043
10
6,923
11
5,128
5,011
7,322
12
7,467
12
5,387
5,481
6,000
4,000
特定保険医療材料料
薬剤料
技術料
2,000
1,905
1,901
1,924
1,974
2005
2006
2007
2008
0
(年度)
*出所:厚生労働省「最近の調剤医療費(電算処理分)の動向」 2005年度は10~3月分、2008年度は4~9月分
社団法人 日本医師会(定例記者会見 2009年4月8日)
4
病院・診療所別医療費
2008年4~11月の医療費総額の前年同期比は、病院+1.4%、診療所+0.3%であっ
た。1施設当たりでは、病院+2.3%、診療所+0.2%であった。
(%)
医科医療費の前年同期比-2008年4~10月(休日数等の補正後)-
3.0
2.0
2.2
1.3
1.0
0.1
0.0
0.0
病院
医療費総額
診療所
病院
1施設当たり医療費
診療所
医科医療費の前年同期比-2008年4~11月(休日数等の補正後)-
(%)
3.0
2.0
2.3
1.4
1.0
0.3
0.2
0.0
病院
診療所
医療費総額
病院
診療所
1施設当たり医療費
社団法人 日本医師会(定例記者会見 2009年4月8日)
5
病院の医療機関種類別医療費
大学病院の前年同期比は4~10月は+3.9%であったが、4~11月には+4.4%に
なった。1施設当たりでも大学病院は4~10月+3.3%、4~11月+3.6%と拡大しており、
大学病院に医療費が集中していることがうかがえる。
(%)
10.0
0.0
-10.0
-20.0
医科病院 医療機関種類別 医療費の前年同期比
-2008年4~10月(休日数等の補正後)-
3.9
3.3
2.8
2.2
-0.6
大学病院
公的病院
-2.3
法人病院
-15.6
個人病院
大学病院
医療費総額
公的病院
法人病院
個人病院
1施設当たり医療費
医科病院 医療機関種類別 医療費の前年同期比
-2008年4~11月(休日数等の補正後)-
(%)
10.0
0.0
-10.0
-20.0
2.2
4.4
3.6
2.9
2.1
2.3
-0.5
大学病院
-1.8
公的病院
法人病院
医療費総額
-15.0
個人病院
大学病院
公的病院
法人病院
個人病院
1施設当たり医療費
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6
病院 医療機関種類別 1日当たり医療費(毎月の変化)
大学病院は、もともと1日当たり医療費が高いが、2008年度はさらに右肩上がりで推
移している。これに比べて法人病院では、8月以降頭打ちである。
医科病院 医療機関種類別 1日当たり医療費の前年同月比
-2008年-
(%)
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
9.0
10.0
5.2
5.0
2.9
2.9
0.0
-5.0
大学病院
公的病院
法人病院
社団法人 日本医師会(定例記者会見 2009年4月8日)
個人病院
7
診療所(入院外)医療費
2008年4~10月の前年同期比は、その他を除いて内科がもっとも低かった。2008年4
~11月も同様の傾向であった。外来管理加算の影響も少なくないと推察される。
医科診療所 入院外1施設当たり医療費の前年同期比
-2008年4~10月(休日等補正前)-
(%)
4.0
1.2
0.4
1.4
0.2
1.3
1.1
1.4
2.4
0.0
-0.3
-0.7
-4.0
総数
内科
小児科
診療科別
外科
整形外科 皮膚科 産婦人科
眼科
耳鼻
咽喉科
その他
医科診療所 入院外1施設当たり医療費の前年同期比
-2008年4~11月(休日等補正前)-
(%)
4.0
0.9
0.7
1.0
0.8
0.8
2.2
0.0
-4.0
-0.1
内科
総数
-0.3
-0.8
小児科
外科
-1.3
整形外科 皮膚科 産婦人科
眼科
耳鼻
咽喉科
その他
1施設当たり医療費の伸び率
※注)2008年4~11月は、前年同期に比べて土曜日が2日多く、外来日数が少ない。したがって、その分、医療費の
前年同期比は減少するが、内科の伸びが際立って低い点は特筆される。
社団法人 日本医師会(定例記者会見 2009年4月8日)
8
医科入院外受診延べ日数
2008年11月は前年に比べて、日曜日が1日、土曜日が2日多く、平日が少ない。その
ため前年同月との比較はしづらいが、高齢者(70歳以上)の受診日数が70歳未満より
も減少した点が懸念される。
医科入院外受診延べ日数の伸び率
70歳未満
(%)
70歳以上
5.0
1.5
0.9
1.2
0.9
0.0
-0.7
-1.9
-1.4
-2.2
-5.0
-1.5
-3.1
-6.2
-7.1
-10.0
2004
2005
2006
2007
(年度)
社団法人 日本医師会(定例記者会見 2009年4月8日)
10月
11月
2008年
9
1人当たり医療費の伸び
休日等の補正を行なっていないベースであるが、2008年4~11月の高齢者(70歳以
上)の医療費は、前年同期比で▲0.3%であり、70歳未満よりも低かった。
1人当たり医療費の伸び(休日等補正前)
(%)
3.0
2.0
1.3
0.9
1.0
1.6
1.5
0.0
-1.0
2.1
2.0
70歳未満
-0.9
0.2
70歳以上
-0.3
-2.0
-1.5
-3.0
2004
(改定年)
2005
2006
(改定年)
2007
2008
4~11月
(改定年)
社団法人 日本医師会(定例記者会見 2009年4月8日)
10