広告デザイナー B224-01 ど んな職業か 広告会社やクリエイティブ・エージェンシーにおいて、テレビCMやポスター、新聞や雑誌、Webなど様々な媒体 の広告のデザインを行う。広告デザインの一部として、新商品や製品パッケージのデザインを行うこともある。 仕事の流れとしては、まず、広告主と打合せをし、意図や要望などを把握する。これをもとに大まかなスケッチを描 く。広告の文章であるコピー等とともにラフ案をまとめ、広告主に提案する。提案が承認されたら、イラストや写真を 外部に発注するなどして作成し、コピーと合わせて広告を完成させる。 広告の仕事はチームで担当することが多い。広告デザイナーはコピーライターやCMの企画や内容を考えるCMプラ ンナーなどで構成されるチームに配属され、チームリーダーである広告ディレクターやデザイナーのまとめ役であるア ートディレクターの指示に基づいて仕事を進める。 通常、広告デザイナーは数年の経験を経てアートディレクターに昇進するが、制作会社のデザイナーへの指示を行う ため、広告会社によっては入社直後の広告デザイナーが、アートディレクターという肩書きを名乗ることもある。 広告デザインの分野においては、グラフィックデザインと動画のデザインの境目がなくなりつつある。Webデザイ ンなどの領域に幅を広げるデザイナーも増えている。今後も広告デザイナーの仕事の領域は広がっていくと考えられる 。 就 くには 広告デザイナーに就くために必要な資格は特にない。新卒で広告 デザイナーとして就職するには、通常、就職後の職種があらかじめ 限定される職種別採用になる。 新卒者が日本の中堅以上の広告会社に広告デザイナーとして採用 されるには、実質的に4年制の美術系大学を卒業することが条件と なる。外資系広告会社の場合は中途採用が中心で、新卒者の採用は 少ない。 美術系専門学校を卒業した後、広告などの制作を行う会社に入り 、デザイン業務の経験を積んで広告会社にデザイナーとして転職す る例もある。 日本の広告会社は3,000社ほどあるが、上位160社程度で 売上のシェア約75%を占めている。大手の広告会社と中小の広告 会社では規模の面で大きな格差があり、広告会社の規模によって、 採用条件や就職難易度も大きく異なる。 採用に際しては、デザインができることに加えて、広告に関する 知識やコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力が備わっ ていることが求められる。ほとんどのデザイン作業はパソコンを使 って行われるので、パソコンでデザインをするスキルも必要とされ る。 広告デザイナーとしての経験を積み、アートディレクターや広告 ディレクターへ昇進する。コピーライティングを勉強しCMプラン ナーなどへ転身する例もある。また、独立して自分のデザイン事務 所を持つ人もいる。 労 働条件の特徴 広告会社やクリエイティブ・エージェンシーは、企業の数が多い都市圏に集中している。特に、テレビなどのマスメ ディアに広告を出すクライアント企業は本社機能が東京に集中しているため、広告デザインの仕事は東京が中心となる 。 日本の広告会社では、広告デザイナーは9割程度が正社員として就業している。一方、外資系の広告会社では有期の 契約社員となることも多い。 勤務時間はコアタイムが設定されているフレックス制が主流になっている。広告デザイナーの業務は忙しく、残業時 間は他の職種に比べても多いが、所属する会社によっては残業時間の上限を設けるところもある。 給与については基本的には月給制であり、会社独自の評価システムによる業績評価が賞与に反映される。一般職とは 異なる評価システムを採用している企業が多い。給与水準は、他業種と比較すると高い。 現在、広告会社に勤務する約6万人のうち3割前後が広告デザイナーやアートディレクターの職に就いていると推定 される。広告デザイナーの男女比はほぼ半々である。 参 考情報 関連団体 社団法人 日本広告業協会 http://www.jaaa.ne.jp 社団法人 日本グラフィックデザイナー協会 http://www.jagda.org
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