宮ヶ瀬湖から 風のたより 2013年秋号 NPO宮ヶ瀬湖ボートクラブ 発行人 鍋島久夫 目次: “指定”NPOになる見通しです! ● “指定”NPOになる見通しです! 1 ● 特別寄稿:2012年世界マスターズ 1 レガッタ参戦記 (池田照樹) ● 全日本マスターズ2013(石井勝美) 1 ● 2013漕艇場めぐり (三原邦夫) 2 ● エイト艇命名とオール購入ご報告 2 (事務局長、立花栄治) ● 会員紹介 ー 今井義明さん 3 ● 会員紹介 ― 村木啓治さん 3 ● 和菓子作りの魅力 6 (山口輝雄) ● ルーマニア、ドナウ遠漕 (事務局) 神奈川県は、全国の都道府県に先駆けて、平成 24年2月から県指定のNPO法人への寄附金に係 る個人県民税を控除する制度(県指定NPO法人 制度)の運用を始めました。当NPOも指定を受けるべく申請 し、7月22日、県審査会から指定相当の答申を受けました。 答申は県議会に諮られ、年度内に指定が受けられる運びで す。 指定されるメリットは上述のように税制上の優遇措置を受 けられることにありますが、別に“指定”NPOとして社会から の認知度や信用が高まることが期待されます。 ** 2012年世界マスターズレガッタ参戦記(後編) 池田 照樹 7 (新沼順子) ● ボート関連の映画 (三原邦夫) ● 2013年度の年会費納入状況 7 8 (会計担当理事、村上寛治) 全日本マスターズ2013 (石井勝美) (本稿筆者の石井さんは当クラブ会員ではない が、クラブが一葦会として宮ケ瀬湖で実施してい る「土 曜 漕 ぐ 会」の 常 連 な の で 寄 稿 し て 頂 い た。) (編集局) 昨年の3月~5月、 全日本マスターズレガッタ 2012に参加するエイトの練習が行われていて 宮ケ瀬湖の静かな湖面によく通る<コックス> 児玉さんの声が響いていました。 その傍らで 『あれだけ練習したら上達するだ ろうな!』と羨ましく思いつつクオドを漕いでい ました。 「今の自分では足手まといになるだけ」 と思う 一方で 、「来年は絶対に手を挙げよう」と 筋トレ やフォームの改善に努めました。 筋トレはそれなりに効果が分かるのですが、 フィニッシュ時のブレードの舞い上がり、ハンズ アウエイから上体のフォワードベンドの遅れ、 キャッチ直前の上体の突っ込み等、容易に改 善できませんでした。 三原さん,高山さんのローイングをよく観察し ました。平日の水曜練習で高山さんからブレー ドは自然にフェザーするから・・と実地指導を受 けた時 「目から鱗」でした。 「招き猫の手」 もそ うでした。 レート22くらいまでは何とかなりましたが 集中 力が途切れると以前の状態にもどってしまいま (次ページに続く) (春号からの連載記事です。前編の日本出発の様子からエイトと フォアのレースの模様は春号をご覧下さい。) 1) シングルスカル Fカテゴリー 準備 シングルスカルのレース出場者はとにかく多い。自分の年齢カテ ゴリーより若いカテゴリーにも出場出来るという全日本マスターズに はないルールのせいかもしれないが、半分くらいの人達は本当に ボートを楽しむためにシングルスカルを漕いでいると感じる。そのこ ともあり、速い人も遅い人もいる。僕が出場したFカテゴリー(60歳~ 64歳)は10組のレースがあったので約80人がエントリーしていたこ とになる。エイト種目はほとんど歯が立たないが、シングルスカルや ダブルスカルなど小艇は少し努力すれば中くらいにはいける。日本 の選手もスカル系をもっと楽しめばよいのにと思う。 借艇はエイトもそうだったが、ピカピカの新艇で軽く、ひと漕ぎでスー と進む。これもロンドンオリンピックで使ったやつだと言っていた。い つも相模湖の重い練習艇を使っているので少々面食らった。バラン スにも敏感で左右のキャッチとフィニッシュを適当にやっているとす ぐどちらかに傾く。気になったのはオールの長さである。全長が30 5.5cmと長かった。日本のマスターズ標準は全長285cm、イン ボート長85.5cmである。インボードはマスターズ標準とほぼ同じ で、手元のオーバーラップもこれまで練習してきたリギングと同じだ が、アウトボード長が20センチくらい長い。そのまま漕いでみたが、 大きな違和感がなかったので無調整で使った。艇が軽いため、オー ルの負荷をあまり感じなかったのかも知れない。自分の技量以外は 文句なし。 2) レース 土曜日の夕方、F8+のレースが終わり、皆さんはビール(無料) で乾杯しているのを横目で見ながらそそくさとF1Xのレースへ。 我々のグループでは僕が最後であった。ビール券はコックス預かり となった。 シングルスカルのレースは参加者が多いので混み合う。7艇から 8艇が3分間隔でスタートするのでどんどん行かない (P. 5 に続く) 宮ヶ瀬湖から Page 2 風のたより 全日本マスターズレガッタ2013 す。 そんな時 弓場さんから 全日本マ スターズレガッタ2013の参加者募集 のメールが配信され 「弓場さんは きっと戸惑うだろうな」 と思いつつ、 まだかなり不安はありましたがエイト に手を挙げました。 <コックス>児玉さんの下、練習 が始まる と案 の定 バランスは取れ ず、ハイレートにはついて行けず、 かなり落ち込みました。3~4回目の 練習から徐々に慣れ 少しずつ周囲 が見えるようになり 何とかなるかなと 思える様になりました。 しかしながら コンスタント・レート は私に合わせて28と決まり、せめて 30と思っていた私は諸兄に申し訳な (前ページから続き) く、いたたまれない思いがしました。 児玉さんの「最後までレートを落と とさず1本1本しっかり漕げば そこそ こ 行けるよ」 に望みを託しました。 愛知池は 1000mコースが目一杯 の こぢんまりとした池でした。 レースはカテゴリG(65~69歳)の 5艇レースで、スタートから約450m地 点では4番手でした。 その時 3番手の艇とは半艇身くら いのオーバーラップでした。「これは 行けるかも」 とレートを保ちつつ漕 いでいるうち、750mくらいの地点で3 番手に上がりました。 ゴールは1着 の艇に3秒56、2着の艇に1秒35差の 3着でした。 多くの人の関わりの中で 素人が 「全日本」 を冠したレー スに出場でき、 しかも 2 着に僅差の3着で無事終 え る こ と が で き ま し た。 引っ張って行って下さっ た諸兄に感謝するばかり です。 来年は 優勝するぞ!! ** 600m付近。優勝した団塊号と接戦の宮ケ瀬湖クルー 2013漕艇場めぐり ― 富山県 「桂湖」と「神通川(県漕艇場)」 (三原邦夫) 何回か桂湖を訪問したことがある高 山修さんが幹事役で、今年は2泊3日 で富山県に行った。岐阜県との県境に 近い山奥の桂湖。電源開発事業交付 金でたんまり資金が交付されたらしく、 高価なエンパッハ艇がぞろりと揃えて あった。湖自体は、我々宮ヶ瀬湖ボート クラブの本拠地である宮ヶ瀬湖と似た 雰囲気だ。帰ってから最初の土曜漕ぐ 会で、改めて「宮ヶ瀬湖はよいところだ ね」 と艇上の一同同意。ただし、桂湖 にはヤマメだか、イワナだか分からない が、大きい魚がボートの下をゆうゆうと 泳いでいたが、これは宮ヶ瀬湖では見 られない。 宿泊は合掌造り集落で名高い、とい うと岐阜県白川郷を思い浮かべる人が 多いかもしれないが、そうではなくて、 富山県南砺市の五箇山。そこの合掌造 り民家が民宿になっている。本文の題 こそ漕艇場めぐりだが、以下は漕艇場 めぐり一行が見聞したこの地方の郷土 芸能に触れる。民宿からほぼ道路の向 かい側に 「こきりこ館」 があった。ちょっ (P.4に続く) 事務局長よりご報告 エイト更新艇「宮ヶ瀬」と命名 本誌春号でお伝えしましたとおり、2月16日に戸 田からはるばる宮ヶ瀬湖に搬送されてきたエン パッハ製エイト艇は、駿台艇友会から無償譲渡さ れたものです。破損箇所がありましたが、相模湖 漕艇場職員谷口亮氏の専門的技術による完璧 な修理で美事に復元しました。他のエイト艇とくら べ長さも若干長く重量感溢れる艇です。日頃はク オドルプルでの漫漕中心の活動ですが、早速全 日本マスターズのエイト出場クルーを編成し、練 習艇として活用しました。まずまずの乗り心地で バランスもとりやすく満足しています。 さて名前をどうするかとアンケートで募集したと ころ、山紫水明の地に浮かぶ艇としてふさわしい 名 が 次 々 と 寄 せ ら れ ま し た。「明 水」、「あ や な み」、「早 戸 号」、「一 艇 一 心」、「か え で」、「つ つ じ」・・・。4月27日の臨時運営委員会で合議によ り、ずばり「宮ヶ瀬」と決定。5月8日に、艇本体に 命名ステッカーを貼りました。それだけでも新艇 のように輝いて見え、嬉しくなります。行事・大会 だけでなく平常漕ぐ会でも大いに活用しようとメン バーの意気が上がっています。 当クラブ所有のエイト艇4艇のうち、もう1艇「摩 利支天」(桑野造船製)も更新したいと考えていま すので、情報があればお寄せください。 オール購入 当クラブ所有のスカルオールは、これまで4組 だけでした。長良川で開催された世界選手権レ ガッタ出場のフランス・女子クルーが置いていっ たものを購入したものです。ブレードがフランス国 旗の三色旗であることから、フランスオールと呼ん で愛用しています。 日頃の活動がクオドルプル中心ですので、 オールを新たに購入したいと願っていたところ、 鶴見川漕艇場の岡井久雄氏から耳寄りな話が寄 せられました。明治安田生命ボート部がスカル オールとスイープオールを放出するというので、 スカルオール4セットとスイープオール各サイド一 本ずつを購入することにしました。6月5日に、岡 井さんに自家用車で宮ヶ瀬湖まで運び込んで戴 きました。コンセプトの新品同様のオールです。 そのうちミツバツツジをあらわす我がクラブカラー に塗り替えないといけません。大切に活用したい ものです。 ** 宮ヶ瀬湖から Page 3 風のたより 会員紹介 宮ケ瀬湖ボートクラブは多士済々。活動もボートばかりではない。会員同士がよりよく知り合えるよう、新会 員、現会員を問わず、自己紹介を兼ねた記事を書いて頂きました。今回は今井義明さんと村木啓治さんを紹 介します。お楽しみ下さい。 (編集局) 今井義明さん ― 「初めてのヒマラヤ」 はじめにボートの会報に山の記事 を書くことに場違いを感じましたが編 集者のお許しを頂き記しました 私が1953年(12歳)のころ、世間で はエベレスト登頂、マナスル遠征開 始、1956年マナスル登頂と空前の山 ブームで、叔父がマナスル遠征に関 係しており子供心に山に関する話が 聞こえて高校入学と同時に山岳部に 入部し、つらくも楽しい3年間をすごし ました。 2006年、47年ぶりに山仲間と連絡 がとれ、再度付き合い始めました。よ く言われる「同じ釜の飯をくった」同士 は47年間のブランクも無く打ちとけ、 以後年2、3回山行を重ねました。 そうこうする内、ネパールヒマラヤト レッキングの話が持ち上がり、実現し ました。 主 催 は ヒ マ ラ ヤ 観 光 開 発 ㈱ で、 コースはエベレスト山系のルクラから カラパタールを目指すエベレスト街 道と呼ばれるコースとポカラからアン ナプルナBCを目指すコースがある が、今回は感銘を受けた「処女峰ア ンナ プ ルナ ― 最 初 の8000 峰 登 頂」 (エルゾーグ著)のアンナプルナを実 際見にいくことにしました。アンナプ ルナBCは4130mで富士山より400m 高いだけで我々の体力には合ってい ます。 全期間は平成22年10月9日~10 月24日の16日間、そのうちトレッキン グは8日間。 メンバーは6人で、76歳から62歳の の高齢チームです 出発地ポカラの標高は820mで、 終点アンナプルナBCでは4130m。 標高差3200mになる。全工程小屋泊 まりで、下山はチャーターしたヘリに 搭乗して一気に下界に降ります。 出発まで何回か集まり細部の打ち 合わせをし、荷物を梱包しいよいよ出 発のときをむかえました。 10月10日、カトマンズでトレッキン グリーダー{アンチェリン氏}の出迎え を受け、マイクロバスで移動。宿泊は 湖に囲まれた島の中にあるホテル で、素晴らしい環境です。トレッキン グに備えてシャワー、食事の後、早め に就寝する。 翌朝、ホテルよりマイクロバスでナ ヤプルにむかう。道路は舗装もがた がたの所、スピードを出すのでスリル 満点で気が疲れる。現地で、同行し てくれるシェルパ、ポーター、コックさ ん総勢11名と合流。いよいよトレッキ ング開始。 8日間の荷物シュラフ他はポー ターが担いでくれ、我々は20ℓのザッ クに手荷物(カメラ水筒雨具等)を入 れ担ぎます。なんだか申し訳ない感 じだ。 道中は石畳の階段、坂道がほとん どで地元住民の生活道路なので、ロ バ優先で歩いて行きました。 12日、シャウリバザールよりガンド ルン(1940m)。相変わらず石畳の道 で飽きてきました。 13 日、ガ ン ド ル ン よ り キ ム ロ ン (1780m)。石畳の道ですが住民が良 くぞ長い道中敷き詰めたと歩きながら 感心しました。今日はアップダウンが きつく少々バテる。 14 日、キ ム ロ ン よ り チ ョ ム ロ ン (2170m)。出だし一気に220mの急登 はきついの一言。 トレッキング中の1日のスケジュー ルは、朝目覚めるとティーが出て、そ の後洗面用の水を用意され歯磨き 等々おこなう。朝食。荷造り。出発。 昼ロッジに到着 先回りしたコックさん 他が食事の用意(昼食・夜食共)。就 寝9時。朝食7:30。 私たちにすれば 大名旅行です。 15 日、チ ョ ム ロ ン よ り バ ン ブ ー (次ページに続く) 村木啓治さん 生まれは岡山の総社市で、昭和23 年10月15日が誕生日の当年64歳で す(いわゆる団塊の世代)。 親父の仕事の関係で東京/富山/ 金沢/仙台/大阪に移り住み、大阪で 大 学(大 阪 府立 大 学)を卒 業、富 士 ゼロックスに入社し、神奈川県足柄 上郡大井町(最寄駅は昔の東海道 線の本線であった御殿場線の上大 井駅)に定住しました。 ボートは大学時代に初めてこぎ始 め(身長があるという理由で入学式の 時、半強制的に勧誘されたのが始ま りです)たのですが、卒業後はOB会 出席以外はボートとは全く縁を切っ ていました。 定年(60歳)/再雇用(64歳)を経て 完全年金生活に入る段階で、何かや れることを見つけたい、体力的にいい ことをやりたい(ちなみに大学卒業時 には58kgであった体重が64歳の再 雇用終了時には85kgまで増加)しか も継続してできることということで知人 から勧められた畑仕事とボートを去年 の9月頃からやり始めました。 現在は週3回のボート練習(団塊 号(鶴見):1.5回、宮ケ瀬湖BC(宮ケ 瀬湖):1.5回)、週2回の畑仕事、週2 回の休養の計画で動いており、体調 的にも精神的にも充実した日々を 送っています(ちなみに体重は去年 の再雇用時の85kgから現在はほぼ 76kgとなり安定推移しています)。 まだ半年の参加経験なので年間を を通じての宮ケ瀬の自然(特に冬場) を知っているわけではないですが乗 艇練習以外でのメンバーの暖かさ、 昼食での話の面白さ、春から夏にか けての宮ケ瀬湖の景色、渇水期の船 の上げ下げ(船着き場まで持っていく 船の重たいこと)、沈体験での水に 入った時の気持ちよさなど宮ケ瀬湖 BCとしての楽しみを十分満喫してお ります。 今後メンバーと一緒にボートをこ ぐ、宮ケ瀬湖の秋冬の風景を満喫す る、その他いろいろな新しい体験を 持つことを楽しみにして長く続けてい きたいと思っていますので、よろしく お願いします。 ** 宮ヶ瀬湖から Page 4 風のたより 今井義明さん ― 「初めてのヒマラヤ」 (前ページから続き) (2310m)。 オーストリア、フランス、日本グルー プと会う。夜イギリス人家族(両親、大 学生、高校生の娘)がきていた。国際 色豊か。挨拶は「ナマステ」で通じる のでありがたい 16 日、バ ン ブ ー よ り デ ゥ ラ リ (3230m)。今日はいよいよ3000mを越 えるので元気が出る。 待望のマチャプチャレ(6993m)が 顔を出す。ポカラから遥かかなたに 見えていた山が目前にみえるので感 激です。マチャプチャレは7000mに は届きませんが世界の名峰だそうで す。未だ未踏峰。 17日、デウラリよりマチャプチャレ BC(3700 m )。前 日 迄 は モ デ ィ コ ラ (川)沿いを歩くので視界が悪く少々 いやになりしましたが、今日は森林限 界を超え見通しもよくヒマラヤトレッキ ングをしている感じがしてきました。 東 に は マ チ ャ プ チ ャ レ、正 面 は 6000m級の山を、西には終点アンナ プルナ南峰を望む。高度順化のため 3840mまで往復。明日に備える。 18日、マチャプチャレBCよりアンナ ナプルナ内院(4130m)。最終日 6:10 出発。足取りも軽く、台地上を緩やか に上りながら内院に9:20到着。振り返 るとマチャプチャレが正面に見え、正 面にはアンナプルナサウス(7219m)が 見えますが、主峰のアンナプルナは 雲がかかり全体を見ることはできませ んでした。しかし、昔読んだ「処女峰 アンナプルナ」を実際雲の間からも 眺めることができ嬉しくなりました。 19日、アンナプルナBCに滞在し、 200mほど急な草つき斜面を登り氷河 を目に前にして奥のほうから轟音が 響き、不気味な雰囲気でした。 20日、早朝ヘリコプターが轟音と 共に飛来し、我々一行は宿泊客が注 目する中ヘリに乗りこみました。5m 浮上した直後すぐ脇にある谷に飛び 込む曲芸飛行で、ジェットコースター の比ではない恐怖心を与えられたが 無事ポカラに到着しました。 当初からヘリでの下山は決まって いましたが、8日間かけた登った距離 をわずかの時間で降下してしまい、 なんとなく複雑な心境になりました。 今回16日間のトレッキング中、体 調を崩した人もいましたが、支援して いただいた人々のお陰で全員無事 に帰国できほっとしています。 ** 2013漕艇場めぐり ― 富山県 「桂湖」と「神通川(県漕艇場)」 (P.2から続き) とした演芸館だ。 「こきりこ」 とは郷土 芸能で使う七寸五分の二本の煤竹 で、これを打ち鳴らす。宿泊した晩、 この「こきりこ館」で全国高校総合文 化祭郷土芸能の部に出場する南砺 平高校郷土芸能部の壮行会が催さ れた。ちょうど夕食を食べ終わった 頃、宿の主人からこれを知らされ、一 同ぞろぞろと出かけた。もっとも知ら されたとき、何か民謡大会があるらし いとしか思わず、たいして期待もしな かったのだが、驚きの心得違い。南 砺平高校は郷土芸能に関しては「名 門」なのだ。後で知ったことだが、過 去、全国大会で何回となく優秀な成 績を収めている。今回、全校生徒80 数 名 の う ち、45 名 が 地 方(「お は や し」の意味)と踊り手になって出演し ている。その晩の演目は本番と同じ かどうかは定かではないが、20分間 にわたる男子、女子の高校生の熱演 だった。終わった後、生徒全員整列 し、来賓の挨拶のときにはきちんと来 賓の方に正対し、あくまでも折り目正 しい。顧問の先生から促されて生徒 全員がそれぞれに全国大会に向け た一口コメントを述べた。演技が素晴 らしい、衣装が素晴らしい、振る舞い が素晴らしい、とボートの一行感服し きり。 こうして今年の漕艇場めぐりは望 外の収穫があった。 高山幹事さんに感謝! ** 清水さんが数点の写真を南砺平高校 郷土芸能部に送ってあげたところ、絵葉 書によるお礼状が届きました! 下に掲 載させて頂きます。 (編集局) 漕艇場めぐり参加者で、写真愛 好家の清水賢介さんが壮行会 当日に撮影した写真 学校の絵葉書に印刷 されている写真 宮ヶ瀬湖から Page 5 風のたより 特別寄稿 2012年世界マスターズレガッタ参戦記(後編) と お い て 行 か れ る。僕 の バ ウ ナ ン バー(レーンプレート)は「K7」。レー ス番号Kの7レーンという意味である。 H,I,J,のバウナンバーの連中が自 分の前にいる。後ろにいたら、先に行 くように場所を譲ってあげる。これは レース前の回漕レーンでも同様であ る。練習レーンは2000mコースの50 0mまで、スタート位置(2000mコー スの1000m位置)の500m手前から 20m間隔くらいで一列になって出番 を待つ。早く行こうとすると「後ろに下 がれ」と言われる。日本のようにステッ キボートであればその間隔が広いの でなんとでもなるのだが、スタートデッ キとデッキの横の間隔はシングルス カルがやっと通れるくらい。子供達が 艇のスターンをつかむためのスタート デッキはエイトではさがり、シングルス カルではスタート位置に近づく。日本 ではロープで調整するが、ここではワ イヤーを巻き取ったり、緩めたりして 調整していた。シュースタートシステ ムのハコの中にトップボールを入れる のも難なくできた。 僕 の 相 手 は K 8(左)が G B R(6 1 歳)、右がK6(GER)63歳,K5(GE R)6 3 歳、他 に 3 人 の 7 艇 で の レ ー ス。K8を除いてみんな63歳である。 ユニフォームの格好は速そうに見え る。 レースもエイトを入れて3回目なの でわりと落ち着いていた。少々疲れ 気味と言った方がよいかも知れない。 「Boat Dankaigo Ikeda」とちゃんと呼 んでくれた。例の落ち着いた調子で 「アテンション」、青信号が点灯すると 同時に「ブー」。スタートでは左と右2 杯とほぼ同じ出だしだった。この頃は スタートが恐く、オールを水に取られ ないようにするのが精一杯。1本目、 2本目は強く引けなかった。走り出し たら少し安定してくるのでそれまでは ガ マ ン。そ れ で も ス ピ ー ドコ ー チ で レートをみると最初の5本が38,その 後 3 5,3 4 と 結 構 高 い。十 数 本 で 徐々にレンジを長くしながらコンスタ ン ト(S R 3 3)に 移 っ た。2 5 0 m を 過 ぎ、500mでも左右の4人は並んでい た。僕は特にどの辺をねらうという目 標もなかったので淡々と漕いでいた。 GPSでは時速14km台を推移してい たので練習より遅いくらい。レートは3 2くらいでいつでも上げられる程度の パワー。K8の爺さんはちらちらと良く こちら見る。左端なので左は見る必 要がないからだと思うが、そんなに気 (P.1 から続き) にしなくてもいいのにと思いながら、 こちらは引き離すチャンスをねらって いた。右側のレーンで大きく遅れてい る艇があり、ビリにはならないことがわ かった。右となりの2杯(ドイツ)は半 艇身ほど遅れている。トップは(後ろ の)視界から消えていた。スタンドの 前にさしかかった。750mくらいか。 日本人の大きな声援が聞こえた。80 0mあたりからK8の英国爺さんを追 い越す準備にかかった。34にレート ア ッ プ。レ ー ト は 上 が っ て き た が、 レーンの中央からどんどん右へ。とう とうオールの背中でブイをたたいてし まった。次に右(ストロークサイド)の オールがブイの下にもぐり抜けにくく なることが2本ほど有り、そのたびに 左側オールが舞い上がり減速。僕の distance/strokeがブイの間隔と同 期していたとは。K8はスーと出て、K 5、K6もせまってきた。あーあと思い ながら、気持ちをリセットして漕ぎなお したが、数本でゴール。ゴールしたら 電光掲示板で自動的にすぐ表示さ れ、 オリンピック選手気分。 着順 LN 1 3 2 国 500m 1000m オーストリア 01:56.52 03:58.35 2 ポーランド 02:00.21 04:10.52 3 8 イギリス 02:03.79 04:10.97 4 7 日本(池田) 02:04.72 04:14.74 5 6 ドイツ 02:04.81 04:15.54 6 5 ドイツ 02:05.59 04:18.04 7 4 ブラジル 02:27.36 04:53.74 K8にやられた。結局7杯中の4位 と真ん中。最後に色気を出さないで そのまま大きく漕いでおれば..と考 えないでもなかったが、初めての世 界マスターズ挑戦であり、またシング ルスカルを始めて2年半と言うことを 考えれば満足出来る結果であった。 少し自信もついた。 池田照樹 3) 世界マスターズにおける日本人 クルーの 実力 E,F,Gカテゴリーにおけるエイト 及び小艇の全レースの決勝タイムの ヒストグラム をとってみた。エイトやク オドルプルなどでは遅いところは日 本人クルーが占めている。 シングルスカルやダブルスカルな どの小艇は大きくばらついている。速 い人もおれば遅い人もいると言うこ と。僕の結果(F1X:4分14秒74)は 中央付近。僕がGカテゴリーまでこの タイムを維持すれば上位1/3くらい になる。しかしながら速い人はいつま でも速く、4分を切らないと優勝はで きない。無理かな。80歳くらいまで漕 げれば何とかなるかも知れない。 4) 食事と観光 海外ではなんと言ってもその地方 独特の料理や飲み物を楽しむこと。 ドイツではそれほど期待していな かったがソーセージはいろんな種類 があり、すべておいしかった。もちろ んおみやげにも買ってきた。魚系は オランダよりおいしい。特にレース場 近く、ランチタイムに出ていた屋台で 購入したイワシとサーモンのサンド イッチはアンチョビ風の味がして最高 だった。発酵させた味でやはり人気 があった。ドイツ人にも舌が肥えた人 もいるもんだと見直した。 バイキングスタイルの朝食 ホテルは朝食付なのでたらふく食 べられる。何種類ものソーセージがあ り、迷ってしまうほど。朝からカステラ みたいな甘いものをたくさん食べる人 が、僕は遠慮した。炭水化物、タンパ ク質、野菜をバランス良く食べるのも レース準備の一つ。 モンゴル料理 欧米で3,4日と過ごすと洋風の食 事に飽きてくる。アミノ酸バランスだと 思うが、日本人には味噌味、醤油味 などが長い間は体に入らないと (ちょっと大げさだが)支障を来す。僕 は海外旅行では必ずインスタントみ そ汁の素や醤油を持参する。今回も 持参していたが、できるだけ現地の 食事を楽しむつもりで、まだ使ってい なかった。そろそろ限界かと思ってい たところ。夕食場所を探して運河の近 くを散歩していたとき「モンゴル料理 店」が 目 に 付 き、僕 が し き り に 勧 め た。入り口に竹笹の飾りもあり風情を 感じさせた。それに醤油を焼くにおい でガマン出来なくなっていた。ちょっ 宮ヶ瀬湖から Page 6 風のたより 特別寄稿 2012年世界マスターズレガッタ参戦記(後編) と見学したところ、ジンギスカンスタイ ルの肉料理で、いろんな動物(ウサ ギ、牛、豚、鶏、カ ンガルー 等々、エ ビ、貝や魚も)の肉をピックアップし、 それを鉄板焼きで料理してご飯の上 に乗せてくれる。お客が食べている のを観察すると見るからにおいしそ う。入ったが、結果は散々。肉は硬い し、僕の注文が他の人が頼んだもの が入れ替わっていた。 すべてのレースが終わった土曜日 の夜は同行した奥さん達も入って打 ち上げ。少し奮発しておいしいワイン を飲みながらのイタリア料理はやはり おいしかった 。 観光-ケルン大聖堂 練習の合間に各地の観光に行っ (前ページ から続き) た。木曜日は午後からレースが始ま るため、午前中のみ練習。午後は列 車に乗ってケルン大聖堂に行った。 日本のお城や寺院も外国人が見ると 驚くのだろうけど、ケルン大聖堂はす ばらしかった。デュイスブルグからケ ルンに行くときの列車の切符は自動 販売機で購入した。これも旅の面白 さ だ。し か し な が ら(池 田 を 含 む)グ ループで買うと一人で買った人より高 くなるという現象に驚いた。なぜかわ からず、そのまま乗車。しかし、帰りに 指定席を購入したときは同額になっ た。どうも往きの切符購入では急行 運賃を入れないで購入したみたい だ。早い話く言えば、不正乗車?あ ちらでは改札がないため長くそのこと (池田照樹 ) が判らなかった。ドイツ語のわかる人 達が「俺にまかせろ」と言っていたの で、こちらは「ハイハイお願いします」 と金だけ渡したので罪には問われな いか? 今回のドイツ世界マスターズは レースだけでなく観光も食事も大い にエンジョイした。日頃の練習の苦労 もほとんど吹き飛んだ。次への目標も できた。 5) 次の目標 この 「風のたより」 秋号が発行され る時期にはWorld Masters 2013でイ タリアのヴァレーゼに行っている。ま た楽しんできます。 ** ヴァレーゼはミラノの北55キロにある人口8 万人の街。ヴァレーゼ湖と山々に囲まれた 風光明媚なこの地はミラノの貴族たちの避 暑地だったとか。 (編集局) 和菓子作りの魅力 10年前会社を定年退職。これから が自分の時間。何にでも挑戦してみ ようをモットウにいろんなことをやって みた。 ボートは世界マスターズに12回挑 戦、ゴ ル フ、ス キ ー、料 理、家 庭 菜 園、造園、ベートウベン第九合唱団、 海外(スペイン)長期滞在、と数えると きりがない。そしてそれぞれが半端で はない。我ながらいろいろと良くやっ たもんだ。 和菓子づくりもその一つ。今回はそ その和菓子作りについてお話しして みたい。 渋谷に本店のある「ベターホーム」 という料理教室に通いだして早や9年 になる。年2教程ずつ受講して、和、 洋、中、そ し て め ん 打 ち、パ ン 作 り コースを終え、5~6年もすると受ける コースが無くなってしまった。そこで 和菓子作りに挑戦することとなった。 洋菓子に比べ脂肪分がなくカロリーも 低く身体に良さそうでもある。和菓子 職人を目指しての悪戦苦闘が始まっ た。洋菓子を作る人は多いが和菓子 を作る人は少ない、みなさんその意 外性にビックリする。そのビックリする 顔を見て、私はだんだんと鼻が高く なったようだ。 私の親戚に100歳を迎えるおばあ ちゃんがいた。3年前の春、上大岡の ご自宅に100歳誕生日のお祝に参 (山口輝雄) 上することとなった。丁度料理教室で 「桜もち」を習ったばかり、慣れぬ手 つきで10個 ほど作り手土 産として持 参。お ば あ ち ゃ ん「早 速 いただいちゃ おう」と頬張った。そしておっしゃるに は「100年生きて来たけど、こんなに おいしい桜もちは初めて!!塩加減 が丁度良いし、やはり作りたてで香り が最高」 と。そして、そばにいたお嬢 さん…と言っても私と同年代…、いわ く「おばあちゃんは昔から桜もちが大 好きでシーズンには毎日のように買っ てきて食べてんの、だから桜もちにつ いてはうるさいの」 と。お世辞半分と しても嬉しくて嬉しくて、和菓子づくり にのめり込むことと相成った次第であ る。 この春、我が親しい艇友の一人が ガンで他界した。慶応病院に入院中 お見舞いに行く機会に恵まれ、ちょっ と小さめな作りたての「桜もち」を土産 に持参。 それを見るや否やニコっとして口の 中に頬張り実に上手そうに食べた。 そしていわく「桜もちが大好きなんで す。毎年早慶レガッタの帰り、長命寺 の桜もちを必ず買って帰って食べて いました。ところが今年はこのザマで 諦めていたところです。ここで食べら れるとは思ってもいませんでした」 涙 ぐ ん だ の で し ょ う、顔 をく し ゃ く しゃさせながらもぐもぐやっていまし た。 私も思わずもらい泣きでした。 その3~4日後に彼は帰らぬ人と なった。和菓子を作ってて本当に良 かったと思った。 まだまだ駆け出しで偉そうなことは 言えないのだけど、和菓子には日本 の四季がある、日本の文化がある、そ して日本の芸術がある。 米で作る 「いちご大福」 「桜もち」 「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」。豆で 作る「きみしぐれ」 「練りきり」。小麦粉 で作る「栗まんじゅう」 「どら焼き」。寒 天で作る「錦玉清流」。この辺りが私 のレパートリーで、特に薯蕷饅頭、桜 もちはそれぞれ500個以上は作って いる。勿論、失敗は数知れず。しかし 失敗して学ぶことも多い。 和菓子のおいしさは「あん」 に尽き るという人もいる。確かに手作りの「あ ん」は香りが良い。しかし素人で 「あ ん」 から作る和菓子づくりは手間暇が かかり過ぎ、作るのが億劫になってし まう。私はあちこちで買い比べ、極上 の「あん」を買い溜めしている。「あず き」 には活性酸素を取り除くポリフェ ノールの含有が赤ワイン以上であるこ (次ページに続く) 宮ヶ瀬湖から 風のたより ルーマニア、ドナウデルタ遠漕 数年来の知人ライナーからのメー ルは、いつも突然飛び込んでくる。彼 はドイツ人で、FISAローイングツアー にたびたび参加し、自身でもチャー チボートを所有し、毎年2週間ほどの ボートツアーを企画する。彼が企画 するツアーのメンバーの選出は主催 者である彼が一人で決め、詳細を参 加表明者に送る。 ここ数年、彼の夢は、古代ローマ人 人が征服した全長2、860キロのドナウ 河を全制覇すること。今年はその航 路の最後、ルーマニアドナウデルタ 地方とセルビアである。招待文は魅 力的。心誘われる風景写真がつけて あり、行くなら「今でしょ!」とばかりの 文面。 ライナーの鉄則は、自分はツアー オペレーターではないので、集合場 所までの道のりは各自で、ツアー中 の危険は、参加者全員で責任を分か ち合うこと。参加表明をしない限り、誰 が参加するのかは知らされないが、 個人主催であるので、ほとんどが知り 合いというツアーになる。未知の土 地、黒 海 に 面し た 世 界 自 然 遺 産 の 地。こんな機会は滅多にないかもしれ ないと、参加表明。 5月9日からの開催までに何通か のメールのやりとりがあり、5月6日に ブカレストに向かった。ブカレストから ドナウ河入口までの足は、あらかじめ ラ イ ナ ー が 手 配 し て く れ て い て、 チャーターバス待ち合わせ場所で、 友人たちとの再会のハグ、握手。今 回、オーストラリア、ノルウェイー、デ ンマーク、スペイン、フランス、ドイツ、 スイス、オーストリア、そして日本から 14名参加。 バスはどんどんと荒地に向かい、 運転手は何回か道を間違える。5時 間ほどのドライブ。着いたGalatiの船 着き場で、古代ローマ人の衣装に身 を包んだライナーの出迎え。月桂冠 をかぶり、長いステッキをたたきながら 近づいてくる彼は古代人そのもの。 荷物をタグボートに乗せ、旅の終 わりまでの宿となるフローティングホテ ル(船上ホテル)へと移動。ウェルカム ディナーは、ドナウの魚が数種、スー プ、そ し て、地 元 焼 酎 の パ リ ン カ、 ビール、ワイン。サプライズ好きのライ ナーからTシャツなどのプレゼント。 翌10日、いよいよ、ローイングの始 まりだ。青いドナウ・・ではなかった。と いうより、泥色の巨大な川幅、行き交 う貨物船はメガ級の大きさ。黒海から 続 く 河 な の で、交 通 量 が 非 常 に 多 い。左手にウクライナをのぞみ、ひた すら漕ぐ。 初日40キロ。昼に漕ぎ、夜に又揺 られながらの舟宿。ひたすら水との交 流が続く。漕艇2日目、黒海を漕ぐ。 黒海はイスタンブールまで続いてい るという。ライナーはこのまま、イスタン ブールへとジョークを飛ばす。 船 上 ホ テ ル は 2,3 日 ご と に 移 動 し、チャーチボートはそこから、無数 に散りばめられた湖、沼、運河へと毎 日、30キロから60キロ移動する。大 自然とはいえ、行けども、行けども生 い茂る葦の間をぬけていくと陸が恋し くなる。ドナウデルタの85パーセント が湿地帯といわれるだけあって、陸に あ が れ る の は、ほ ん の ち ょ っ と の 時 間。トイレのための接岸も足が定まら ないので、素通りすることが多く、今 和菓子作りの魅力 (前ページから続き) と。植物繊維が多いこと。そして、必 須アミノ酸、ビタミンB群、鉄分,カリウ ム等が豊富であることも勉強した。 最近はデパートに行くと必ず地下 の和菓子屋さんを探し、しばしショー ケースを眺め、その技に感心し季節 を感じ、そして2個だけ買って帰る。 昨日は銀座に出たついでに、銀座4 丁目にある和菓子の老舗「あけぼの」 に 立 ち 寄 り、「う ぐ い す も ち」を 2 個 買って帰った。これも勉強である。 和菓子づくりは腹を満たすためで は な い、心 を 満 た す た め に 作 る の だ…と何かに書いてあった。何んて 奥が深いんだろう。。。 ** Page 7 (新沼順子) 回5時間トイレ 休憩なし という ことも あった。女性群の悲鳴に「いったい、 どこへ船をつけたらよいと言うんだ!」 とライナーの容赦ない応答。30度を 超す暑さの中、「あと、1時間漕げば、 ペリカンの群れに遇えるよ!」「もう少 しで、睡蓮の群生だ!」「さあ、君たち をコウノトリが待っているよ!」とのえさ にも、誰もだんだん飛びつかなくな り、頭をよぎるのは、ホテルでのビー ル。誰もが無口になってくる。 船長に頼んで手にいれた、水域地 図はかなり昔のもので、入り組んだ運 河の道のりをつかむのは難しい。全9 日間で漕いだ距離410キロ。ひたす ら 漕 ぎ、ひ た す ら 飲 み、ひ た す ら 語 り。船 長 の 釣 っ て く る 魚 は、新 鮮 だ が、味は大味。買い出しが出来ない ので、徐々に野菜の量が減ってくる。 ライナーがドイツから大量に運んでき た、ワイン、ビールも底をつき、最終 日はすべて空という状態。夜には、満 天の星空。船の灯りとりに群がる蚊柱 が天まで届く勢い。 オリンピックボート競技で、ルーマ ニ ア は 数 々 の 活 躍 を し て い る が、 ボート練習をしている姿を目にするこ とはなく、黒海に面したさびれた港町 Sulinaでボートクラブの看板を見ただ けだった。 最終日、Tulcea近くで、ローイング 終 了。希 望 者 が タ グ ボ ー ト で Murighiolへ向かい観光。馬車にゆら れ、ローマ人の残した遺跡、教会を 見て回る。チャウセスクの独裁政権、 野犬とホームレス、ドラキュラ伝説、郊 外にはほとんど信号のない国ルーマ ニア。 今回ローマ人の征服ルートに思い を馳せることはなかったが、ライナー の限りない冒険心、情熱、実行力に 敬意と感謝をささげる。 ** ローイング関連映画 (三原邦夫) ローイング関連映画を紹介しようと 思うが、一口にローイング関連映画と いってもその範囲は微妙だ。ローイン グを正面から取り上げた映画や、ちょ こっとだけボートが現 れるも のや、ま た、よく注意していないとボートが写っ て い る の を 見 過 ご し て し ま う も の、な ど。 (次ページに続く) 宮ヶ瀬湖から Page 8 風のたより 2013年度の年会費納入状況と寄付金の御礼 会員の皆様には毎年の会費納入を誠にありがと うございます。 今年も、会員(正会員および賛助会員)総数92名 (8月中旬現在)の内、今までに73名の方から年会 費を納入して頂いております。 昨年度と比べて少々納入のペースが遅くなって おりますが、年内には皆様からの納入を期待してお ります。会費納入を失念されていると思われる方に は再度納付書を送らせて頂きますので、なにとぞよ ろしくお願い申し上げます。 また、今年度も昨年度に引続き年会費の納入と 同時に寄付金を募り、右記の方々から今までに合 計217,000円のご寄付を頂きました。 昨年度は最終的には250,000円のご寄付を頂き ましたが、年度途中の経過状況をお知らせした「風 のたより (2012年秋号)」 発行以降にご寄付を受け た方々につきましても今回御礼を兼ねてそのご氏 名を掲載申し上げます。 昨年度いただいた寄付金は駿台艇友会からのエ エイト中古艇の取得に充当し、また既存の老朽艇 およびオール等の維持整備に活用させて頂きまし た。 今年度も同じように活用させて頂くこととしており ますのでどうぞよろしくお願いします。 2012年9月~12月受領分 池田 孝至 今井 義明 高原 茂雄 田ノ本 一彦 2013年1月~8月受領分 飯塚 憲治 佐野 幸子 豊田 収二 今田 智彦 柴原 和紀 鍋島 久夫 大久保 敏治 清水 賢介 新沼 邦恒 大島 勇次郎 杉原 惠子 新沼 順子 大隅 多一郎 杉山 徳義 登里 貞治 小口 喜美夫 鈴木 信太郎 橋本 俊之輔 鎌倉 篤子 須永 定博 氷見 昌樹 河口 道晴 清田 眞一 三原 邦夫 河原崎 義雄 高山 修 宮川 重 岸田 洋子 北澤 ちぐさ 武安 正恒 立花 栄治 百瀬 道夫 工藤 館 次郎 山口 厚子 ドク・ホリデー、本名 John Henry Holliday。その素性は、アメリカ開拓 時 代 の ガ ン マ ン に し て、ギ ャ ン ブ ラー。1872年、ペンシルベニア歯科 大学で歯科医師資格取得し、歯学博 士の称号を持っていたため、“ドク”と 呼ばれた。西部に移住し、そこで手っ 取り早い収入源のギャンブルに目覚 め、口論から殺人を犯し・・と西部劇 ファンのロマンチックな夢を砕くような 経歴の持ち主。おっと、西部劇の話 ではなかった、ボート、ボート。 ビ ー ト ル ズ の コ メ デ ィ ー 映 画 “A Hard Day’s Night” (1964) だったと 思うが、背景場面の川面にシングル 忠 村上 寛治 栗原 啓子 田中 博三 山口 輝雄 最所 崇文 田ノ本 一彦 坪井 教一 弓場 常正 斎藤 攻 坂下 廉二郎 坂田 孝一 鶴野 省三 寺下 聡 佐藤 正雄 寺田 喜宣 ローイング関連映画 事務局長・立花栄治さんによると、 ヘンリー・フォンダ主演の「荒野の決 闘」にもボートが写っているとのこと。 西部劇にボートが?立花さん曰く、 「ドク・ホリデーが出てくる場面で、彼 の部屋に写真が飾ってあり、その写 真がエイトらしいのに気がついた。彼 が東部名門大学のボート選手だった ことをさりげなく示していた・・。」 鈴木 政憲 横山 忠雄 吉野 毅 (敬称略、あいうえお順) (前ページから続き) スカルが登場し、それが転覆する場 面があったことを記憶している。 最 近 の 映 画 で は“The Social Network” (2010) がある。今をときめ くフェイスブックの創設者ザッカー バーグが主人公の映画だ。何がボー ト関連かというと、フェイスブックのアイ デアは自分たちのものだとハーバー ド大学ボート部員の双子の兄弟が、 フェイスブックの成功後、訴訟を起こ したのだ。これは本当。この双子の兄 弟は2008年北 京オリンピック に舵なしペア で出場してい る。訴訟がどう な っ た か、話 が脇にそれる ので省略。 最新作は2012年の “Backwards”。 自身、ボート選手だった女性がプロ デュースした映画だ。オリンピックを目 指していた女性選手が夢破れて高校 女子クルーのコーチに就任。だらしな い女子高生のダブルスカルを全米選 手権で優勝させるというフィクション。 私は期待を持ってアメリカからDVD を取り寄せて見たが、映画は駄作だ。 その後、NYタイムズに映画評が掲載 された。曰く、「何もかも中途半端な映 画・・」 これには私もまったく同意。 さて、真面目に「ボート関連映画」 をリストアップしようとすると大変な作 業になってしまうことに気がついた。イ ンターネットの世界は便利なもので、 こんな情報はないかな?と思い、検 索するとある、ある。自分がコツコツと 作業するまでもない。ずるい話だが、 そのサイトを紹介することでローイン グ関連映画を紹介したことにしよう。 http://www.twrc.rowing.org.uk/ movies/filmguide.htm これはイギリスのトイッケナム(サッ カークラブで有名なところ)のローイン グクラブの誰かがまとめたものです。 驚いたことに日本の 「がんばってい きまっしょい」 までリストされている。 その英語題名は “Give It All” だ。 ** お問合せ 立花栄治(宮ヶ瀬湖ボートクラブ事務局長)宛 電話:0462-88-2151 e-mail: [email protected]
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