平成27年度夏季手当(第1回)団体交渉 ① 日 時 平成27年5月21日(木)19時13分~19時23分 ② 場 所 東京区政会館20階201会議室 ③ 出席者 ( 当 局 ) 佐 藤 副 区 長 会 会 長 ( 江 東 )、 鈴 木 副 区 長 会 副 会 長 ( 目 黒 )、 安 井 副 区 長 会 副 会 長 ( 板 橋 )、 山 口 副 区 長 ( 千 代 田 )、 桑 村 副 区 長 ( 品 川 )、 松 沼 副 区 長 ( 杉 並 )、 久 野 副 区 長 ( 葛 飾 )、 志賀副管理者、澤田人事企画部長、鈴木調査課長、川原井勤労課長、 中野人事企画部副参事(労務・制度改革担当) (組合) 吉川委員長、宇賀神副委員長、安田副委員長、佐藤書記長、 野本企画調査担当部長、石川賃金対策担当部長、坂内組織担当部長、 嵯峨教育宣伝担当部長 ④ 発言要旨 〈特区連〉 本日は「2015年度夏季一時金等に関する要求書」を提出いたします。 (要求書手交・読み上げ) 以上ですが、要求内容について、いくつか申し上げます。 2014年度の賃金は、一時金については7年ぶり、給料表については15年ぶ りのプラス改定となりました。一方、消費税率の引上げや消費者物価指数の上昇に より、実質賃金は下がり続けております。この結果、全国最高の生計費を必要とす る特別区職員の生活は、厳しいものとなってきております。 そもそも特別区職員の一時金支給月数は、公民比較の対象とする企業規模を切り 下げた結果、不当に低く算出されてきております。特別区人事委員会が行った昨年 の民間給与実態調査でも、各特別区と同等規模である従業員千人以上企業の一時金 支 給 月 数 は 、 4 .4 6 月 分 と の 結 果 が 示 さ れ て い る と こ ろ で す 。 ま た 、特 別 区 人 事 委 員 会 に よ る 一 時 金 の 公 民 較 差 算 定 の 基 礎 が 、 「 公 」と「 民 」と で異なっております。民間の場合には、住宅手当や通勤手当なども含む「所定内賃 金」を算定基礎としているのに対して、特別区職員の場合には、給料月額、地域手 当、扶養手当の「三者ベース」で算定されております。この結果、特別区職員の一 時金の方が約6%も低く抑えられております。 こうした点からも、特区連の要求に応え、真に民間準拠の名に値する一時金支給 を求めるものです。 次に、本年度の賃金および特別区人事委員会勧告についてです。 総務省が設置した「地方公務員の給与制度の総合的見直しに関する検討会」は、 昨 年 1 2 月 2 2 日 に 報 告 書 を 公 表 し ま し た 。報 告 書 で は 、 「国家公務員の給与制度を 基 本 と す べ き 」、「 給 与 水 準 に つ い て は 、 地 域 の 民 間 給 与 を よ り 重 視 」、「 仮 に 民 間 給 与が高い地域であったとしても」 「地域における国家公務員の給与水準をその地域の 地方公務員の給与の水準決定の目安と考えるべき」と、2006年の「地方公務員 の給与のあり方に関する研究会報告書」で示した立場の踏襲を強調し、「今回の給 与制度の総合的見直しにおいても、引き続きこの原則に基づいて具体の検討がなさ れるべき」としております。 報 告 書 で は 、さ ら に 、 「 国 家 公 務 員 給 与 の 見 直 し が あ れ ば 、そ れ を 踏 ま え た 当 該 団 体 の 給 与 の 検 討 が 求 め ら れ る 」と 強 調 し 、 「各人事委員会において適切な勧告を行う こ と が 重 要 で あ る 」 と 、 地 方 自 治 や 各 人 事 委 員 会 に 対 し て 露 骨 な 「 指 導 」、「 介 入 」 を謳っております。 特 区 連 は 、 区 長 会 が 、 国 ・ 総 務 省 等 に よ る 「 指 導 」、「 介 入 」 に 屈 す る こ と な く 、 労使の自主的・主体的交渉により賃金決定を行うことを強く求めます。 また、区長会が特別区人事委員会に対して、比較対象企業規模や地域手当の取り 扱いを改善し、精確な公民較差に基づく勧告を行うことを要請するよう求めます。 最後に、雇用と年金の接続についてです。 特別区においては、2013年度からの公的年金支給開始年齢引上げに伴う雇用 と年金の接続について、当面の対応として、現行再任用制度を用いております。 現行再任用制度は、報酬比例部分の年金受給を前提としており、賃金水準から見 ても「雇用と年金の接続」に充分には対応しておりません。具体的には、フルタイ ム勤務の場合でも、人事院が民間準拠の水準として示した60歳前の70%を大き く割り込むばかりか、60%にすら達しておりません。 雇用と年金を確実に接続していくためには、雇用の保障と、その収入だけで生活 を支えうる賃金水準の確保が不可欠であります。 特区連は、定年延長等「雇用と年金の接続」の名に値する新たな制度構築を早急 に進めるよう強く要求いたします。 また、定年延長等の制度構築までの間は、現行再任用制度における賃金水準の大 幅な改善を要求いたします。 〈当局〉 ただいま、皆さんから「2015年度夏季一時金等に関する要求書」をいただき ました。皆さんからの要求については、直ちに各特別区長に報告するとともに、要 求の内容について、事務局に検討に入らせたいと思います。 さ て 、4 月 の 月 例 経 済 報 告 で は 、 「 景 気 は 、企 業 部 門 に 改 善 が み ら れ る な ど 、緩 や か な 回 復 基 調 が 続 い て い る 。」 と 述 べ 、 基 調 判 断 を 据 え 置 い て お り ま す 。 先行きについては、 「 雇 用・所 得 環 境 の 改 善 傾 向 が 続 く な か で 、原 油 価 格 下 落 の 影 響 や 各 種 政 策 の 効 果 も あ っ て 、緩 や か に 回 復 し て い く こ と が 期 待 さ れ る 。」と し つ つ も「海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要があ る 。」 と し 、 引 き 続 き 警 戒 感 を 示 し て お り ま す 。 今春闘の結果を見ますと、一部に明るい兆しが見られるなかで、夏季一時金も含 め、慎重な動きの業種・企業もあり、厳しい交渉が続いている状況です。 民間賃金におけるこのような状況の中で、特別区は、職員一人ひとりの意欲を高 め、能力を最大限に引き出すことにより、直面する諸課題を解決し、区民の区政に 対する期待に応えていかなければなりません。 私どもといたしましては、職員の能力・業績及び職責に基づく人事・給与制度の より一層の整備を図っていく必要があると考えております。 夏季一時金に関する皆さんからの要求につきましては、特別区を取り巻く厳しい 情勢をはじめ、国や他団体、民間企業の動向等を十分に考慮のうえ、慎重に検討し てまいりたいと考えております。 次に、地方公務員法の改正について申し上げます。 能力及び実績に基づく人事管理や職務給の原則の徹底などをねらいとする改正地 方公務員法の施行が来年に迫っております。 私どもといたしましては、法改正の趣旨を十分に踏まえ、適切に対応してまいり たいと考えております。 最後に、雇用と年金の接続について申し上げます。 私どもといたしましては、引き続き、民間における高齢期雇用のあり方や、国、 他団体等の動向を注視しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。 〈特区連〉 夏季一時金等に関する要求について、現時点における皆さん方の状況認識を伺い ました。次回の交渉では、特区連の要求を受けとめた回答を示していただけるよう 重ねて申し入れます。 また、皆さん方から、地方公務員法の改正について、法改正の趣旨を踏まえ適切 に対応していくとの考え方が示されました。 改正地公法では、人事評価制度の導入や退職管理の適正の確保とともに、職務給 原則を徹底するためとして、行政系職員に係る「等級別基準職務表」の条例化及び 等級別・職名ごとの職員数の公表等も規定されております。等級別基準職務表の条 例化及び等級等ごとの職員数の公表については、総務省が本年4月10日付けで自 治体及び人事委員会あての通知を発出しているところです。 特区連は、等級別基準職務表の条例化にあたり丁寧な労使協議が必要と考えてお ります。 〈当局〉 夏季一時金等に関する皆さんからの要求につきましては、検討の上、後日回答い たします。
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