陸上競技の リーダーとして

陸上競技の
リーダーとして
Leading Athletics
会長・事務局長のための
実用ガイド
陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
内容
世界の陸上競技ファミリーへようこそ…………………………………………………………5
あなたの役割……………………………………………………………………………………... 6
陸上競技連盟とは何か?…………………………………………………………………………7
各国陸連/加盟団体……………………………………………………………………………….. 8
加盟団体の役割と義務……………………………………………………………………...…… 9
これらをどうやって達成するか?…………………………………………………………….. 13
国際陸上競技連盟(IAAF)……………………………………………………………………. 14
IAAF の目的……………………………………………………………………………………… 15
地域陸協…………………………………………………………………………………………... 16
IAAF 総会………………………………………………………………………………………… 17
IAAF カウンシル……………………………………………………………………………....... 18
IAAF 事務局……………………………………………………………………………………
19
通信………………………………………………………………………………………………... 20
ワールド・アスレチックス・シリーズ大会 ……………………………………………………. 21
その他の IAAF 競技会及び地域競技会…………………………………………………….......22
加盟団体及び IAAF 競技会…………………………………………………………………….. 23
エントリー……………………………………………………………………………………….. 28
会員としての義務を果たす…………………………………………………………………….. 31
年次報告………………………………………………………………………………………….. 32
会員としての義務を果たしている加盟団体………………………………………………….. 33
加盟団体への助成金…………………………………………………………………………….. 34
IAAF ワールドネットワーク……………………………………………………………………35
IAAF ウェブサイト………………………………………………………………………………36
IAAF エクストラネット…………………………………………………………………………37
IAAF ディレクトリー・カレンダー……………………………………………………………38
IAAF 世界ランキング……………………………………………………………………………39
RDC………………………………………………………………………………………………..40
HPTC………………………………………………………………………………………………41
ATC……………………………………………………………………………………………….. 42
競技者代理人…………………………………………………………………………………….. 43
IAAF 及びアンチ・ドーピング…………………………………………………………………44
結び…………………………………………………………………………………………………46
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
世界の陸上競技ファミリーへようこそ!
貴国の陸上競技連盟の会長/事務局長へのご就任おめでとうございます。世界の陸上競
技ファミリーへようこそ!この小冊子において、我々は任期中にあなたのお手伝いをするた
めに、役に立つ情報を提供したいと考えます。
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
あなたの役割
あなたは陸上競技の仕事をするためにその役職に就任されました。
あなたには、次のことが期待されています。
・貴陸連のリーダーシップを取る
・陸上競技のあらゆる面を管理する
・過去の成功を生かす
・現在及び将来の活動のために確実な財政基盤を確立する
あなたは陸上競技の価値を守る番人です。 あなたは陸上競技の利益のために、先例を
作り、これらの価値を増大させる責任があります。
あなたの使命は陸上競技のために仕事をすることです
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
陸上競技連盟とは何か?
各国の陸上競技連盟は、国レベルでの陸上競技の統轄団体です。言い換えれば、貴国の
陸上競技で発生する全てのことが、貴陸連の支配下で発生すべきであり、全てことが貴
陸連の承認なしに実施されるべきではありません。大きな権力と大きな責任がありま
す!
各国の陸連はその活動にあたり難問や困難に直面します。一生懸命行うこと、効率よく
行うこと、組織的に行うこと、十分なスキルとビジョンを持つことが陸上競技の成功に
は大変重要です。
陸連の運営をうまく行うのは、主に経験から学んだスキルです。我々の第一の目的は考
えられる最善の方法であなたがこの仕事を実行することを手伝うことです。 なぜでし
ょうか?
なぜなら、 我々は 211 の全ての IAAF 加盟団体において陸上競技が効率的
にうまく運営されることを願うからです。
権限と責任
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会長・事務局長のための実用ガイド
各国陸連/加盟団体
あなたは世界中に 210 もの仲間を持っています。他の全ての陸連にもあなたと同じよ
うな大望を持ち、同じような問題に直面する会長/事務局長がいるということを意味し
ています。これらの全ての陸連は IAAF の誇るメンバーです。 以降、彼らをしばしば
「加盟団体」として言及します。
加盟団体は繁盛している多国籍ビジネス−地位と多種多様なサポートが得られる特権
を持つフランチャイズ店のオーナーのようなものです。 加盟団体は、多くの義務、責
任及び責務の伴う重要な役割を果たしています。
加盟団体は特権を持つフランチャイズ店のオーナーです
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会長・事務局長のための実用ガイド
加盟団体の役割と義務
1. 管理
・
自国の陸上競技の全ての面で責任を持つこと。
・
陸上競技というスポーツを推進し、陸上競技の文化を発展させること。
・ 陸連と陸上競技を機能させるため、適正な管理組織とサービスを提供すること。
・
自国記録の公式リストを管理すること。
・ 資格停止となった選手に対し、所定の手続きを行い、妥当な場合は制裁を科す
こと。
・
陸連の規則違反を犯した個人に対し、所定の手続きを行い、制裁を科すこと。
陸上競技のすべてに対する責任を持つ
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会長・事務局長のための実用ガイド
2. 資源
・
陸連の機能のために必要な財的、人的、技術的資源を得て管理すること。
・
予算を立て、財務記録を維持すること。
・
経費を管理すること。
・
財務諸表の監査の手配をすること。
3. コミュニケーション
・ 競技者及び陸連の他のメンバーとの友好関係を維持し、彼らに適切な情報を提
供すること。
・ スポーツを主管する政府組織及び陸上競技と利害関係のある、あるいは陸連に
とって助けとなるその他の組織と友好関係を維持すること。
・ 陸上競技及び陸連の活動を確実に積極的に推進できるようにするために、メデ
ィアと友好関係を維持すること。
資源を得て管理する
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4. 競技会
・
自国選手権を含め、競技会のプログラムの発展を促進すること。
・
国際競技会に参加するチームを選抜し、組織すること。
・
陸上競技大会の全国カレンダーを管理すること。
・
他の組織による競技会に対し、公式な認可を与えること。
5. 施設と用器具
・ 競技場と用器具が自国及び国際規則によって要求された技術基準を満たしてい
ることを確認すること。
・
道路競走及び競歩競技に使用される道路コースの正確な計測を保証すること。
競技会を組織する
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会長・事務局長のための実用ガイド
6. 競技役員及びコーチ
・ 陸上競技のプログラムと活動を実行するために必要な陸上競技役員及びコーチ
の採用、トレーニング、公認、配置及び管理を監督すること。
7. 医事及び科学
・
競技者に対し、スポーツ医学サービスの提供を計画し、調整すること。
・
コーチ及び競技者に対し、科学的サービスの提供を計画し、調整すること。
・ IAAF 規則及び関連する国の規定に従い、ドーピングコントロールのプログラ
ムが実施されることを保証すること。
コーチをサポートし、医科学サービスを保証する
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これらをどうやって達成するか?
もちろん、魔法の公式はありませんが、熱意、献身、ビジョン、決意、勤勉さ及び意志
力を持ってやればできます。
経験から言えば、一年を通して、1 日に 24 時間、1 週間に 7 日仕事に専念している人
が最も成功するということを示しています。
熱意、献身、ビジョン、決意、勤勉さ及び意志力 = 成功
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国際陸上競技連盟(IAAF)
IAAF は陸上競技というスポーツの世界的統轄団体です。世界中でよく知られている
IAAF という略称は 2001 年のエドモントンでの第 43 回総会で、
International Association of
Athletics Federations に変更されるまでの 89 年間は、
International Amateur
Athletic Federation と表現されていました。211 の加盟団体を抱え、IAAF は世界で最
も大きく、最も評判のいい国際スポーツ組織の 1 つです。
世界的統轄団体
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会長・事務局長のための実用ガイド
IAAF の目的
陸上競技とは、競技場(屋内及び屋外)で行われる全ての陸上競技、クロスカントリー競
走、道路競走、山岳競走及び競歩のことを意味します。
IAAF の目的は、下記の通りです。
・スポーツとしての陸上競技を普及し、また教育的な対象としての陸上競技の価値
及び人生を肯定し、かつ人生を高める活動としての陸上競技の倫理的価値を高め
ること。
・年齢、性別または人種にかかわりなく、世界中のすべてのレベルにおいて陸上競
技に参加することを奨励すること。
・スポーツにおいてフェアプレーを推進し、特に、ドーピングに対する闘いで、陸
上競技と対外的にはより広いスポーツ界の両方において、指導的な役割を果たす
こと。スポーツにおけるドーピングの害を撲滅するために検出、阻止及び教育プ
ログラムを発展、維持すること。
IAAF の 14 の目的は IAAF 憲章に述べられています
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地域陸協
IAAF 加盟団体は 6 つの大陸地域に分けられます:即ち、アフリカ、アジア、ヨーロッ
パ、北・中央アメリカ、オセアニア及び南アメリカです。
各地域陸協は自らの憲章及び運営規則を持っています。これらはIAAFの憲章に合致
しています。
地域陸協は IAAF に不可欠なものであり、その重要性は増してきています。
各地域陸協からの選抜チームは 4 年に 1 回、IAAF ワールドカップでお互いに競い合い
ます。
地域陸協にはそれぞれのウェブサイトがあります
アフリカ
www.webcaa.com
アジア
www.asianathletics.org
ヨーロッパ
www.european-athletics.org
北・中央アメリカ
www.nacac.sportcentric.com
オセアニア
www.athletics-oceania.org
南アメリカ
www.consudatle.org.br
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IAAF 総会
総会は世界選手権に合わせて 2 年に 1 回開催されるIAAFの最高決定機関です。 各
加盟団体は総会には 3 名の代表を出すことができます。 全加盟団体はそれぞれ 1 票と
いう平等な投票権を持っています。
最高決定機関
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IAAF カウンシル
カウンシルは IAAF の活動を管理、監督する責任を持ち、2 年ごとに総会に報告を行い
ます。カウンシルメンバーは職務上のメンバーである事務総長を除き、総会で 4 年を任
期として選出されます。
憲章にあるカウンシルの権限と義務に目を通してください
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IAAF 事務局
総会及びカウンシルによって承認された方針/決定事項は、モナコにある IAAF 本部で
働く 17 カ国語をカバーする 15 カ国出身の現在 72 名の専門のスタッフによって実行に
移されます。IAAF 事務局は事務総長により管理されています。
決定を実行に移すプロ集団
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連絡
IAAF 事務局と加盟団体間の情報は、通常 IAAF エクストラネット上に掲載される“M
サーキュラー”によって提供されます(extranet.iaaf.org)。毎年、平均40通の”M サ
ーキュラー“が送付され、それには連続番号が付されています。
(例えば、M/01/05)
これらの“M サーキュラー”には、IAAF カウンシル会議の決定事項、重要な締切事項、
異なるワールド・アスレチックス・シリーズ大会の参加条件等の重要で役に立つ情報が含まれていま
す。
全ての“M サーキュラー”を注意深く目を通してください
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ワールド・アスレチックス・シリーズ大会
IAAF には、ワールド・アスレチックス・シリーズ(WAS)という最も高いレベルの一
連の競技会があります。この一連の競技会には下記の大会があります。
IAAF 世界選手権
−
(WCH)
−
(WIC)
−
(WJC)
−
(WYC)
−
(WXC)
−
(WRRC)
−
(WCU)
−
(WRW)
(奇数年)
IAAF 世界室内選手権
(偶数年)
IAAF 世界ジュニア選手権
(偶数年)
IAAF 世界ユース選手権
(奇数年)
IAAF 世界クロスカントリー選手権
(毎年)
IAAF 世界ロードランニング選手権
(毎年)
IAAF ワールドカップ
(オリンピックのない偶数年)
IAAF ワールドカップ競歩
(偶数年)
IAAF ワールド・アスレチックス・ファイナル
(毎年)
21
−
(WAF)
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その他の IAAF 競技会
公式の世界、大陸、地域選手権及び総合競技大会とは別に、他にも多数の IAAF の大会
があります。
・屋外の1日大会(ゴールデンリーグ、スーパーグランプリ、グランプリ大会)
・室内パーミット大会
・クロスカントリーパーミット大会
・混成競技チャレンジ
・競歩チャレンジ
・10kmから 100kmまでのロードレース
・山岳競走
国際競技会の情報は IAAF のウェブサイト、www.iaaf.org 及び毎年発行される IAAF
アウトドアハンドブックの中にある。
地域競技会
どの地域陸協もその地域内で開催される年間の競技カレンダーを作成しています。
地域競技会は、地域選手権大会、カップ及び1日大会を含みます。
地域競技会の情報は各地域陸協から通知される
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加盟団体及び IAAF 競技会
全ての加盟団体はワールド・アスレチックス・シリーズ(WAS)大会への参加を招待され
ます。IAAF 世界選手権では、通常、200カ国以上が参加しており、陸上競技を最も
世界的なスポーツにしています。
我々としては、あなたのリーダーシップによって、貴国の競技者が単に参加するだけで
はなく大会を盛り上げてほしいと願っています。
でも心配ありません。WAS 大会への参加は、そんなに費用がかかりませんし、費用が
かからない場合さえあります。さらに、財政的利益を得ることもあります。
貴加盟団体は、全ての WAS 大会に参加する権利を持っている
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IAAF 世界選手権への参加に際する加盟団体に対する財政的援助
世界選手権(例えば、2005 年ヘルシンキ世界選手権の場合)
参加する全競技者の旅行費用及び宿泊代は IAAF 又は組織委員会(通常頭文字をとって
LOC)によって負担されます。
準備助成金(Preparation Grant)も下記の通り加盟団体に支払われます。
参加する競技者が 1 人の場合、1,000 米ドル、2 人以上の場合、2,000 米ドル。
世界室内選手権
クォータ分の競技者(最低 1 国 1 人で、約 400 人)の旅行費用と宿泊代が IAAF 又は組織
委員会によって負担されます。
1,000 米ドルという準備助成金もクォータ内の参加する各競技者に対し、加盟団体に支
払われます。
お金、お金、お金!
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世界ジュニア選手権
クォータ分の競技者(最低 1 国 1 人で、約 400 人)の旅行費用と宿泊代が IAAF 又は組織
委員会によって負担されます。
1,500 米ドルという準備助成金もクォータ内の参加する各競技者に対し、加盟団体に支
払われます。
世界ユース選手権
クォータ分の競技者(最低 1 国 1 人で、約 400 人)の旅行費用と宿泊代が IAAF 又は組織
委員会によって負担されます。
世界クロスカントリー選手権、世界ロードランニング選手権及びワールドカップ競歩
クォータ分の競技者の旅行費用(50%)及び宿泊代が IAAF 又は組織委員会によって支
払われます。
追加情報は関連する“M サーキュラー”を参照してください
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知っておくとよいこと
いくつかの重要な用語に慣れてください。
クォータ
クォータとは、IAAF 又は組織委員会が大会の参加に関しての財政援助を提供する競技
者の数(時には役員も)のことを言いますが、IAAF カウンシルの決定に従い、大会ごと
に変わります。
旅行費用の援助
通常、IAAF の競技場での大会(世界選手権、世界室内選手権、世界ジュニア選手権及び
世界ユース選手権)については、旅行費用の全額又は一部が負担されます。(IAAF 本部
が航空券を発行したり、合意額の 100%を払い戻します。)
競技場以外での大会(世界クロスカントリー選手権、世界ロードランニング選手権及びワールドカップ競歩)
については、クォータ競技者の旅行費用の 50%が補填されます。(航空券は加盟団体が
購入し、金額について IAAF に承認を求める)
ます。
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承認された航空券代のみが払い戻され
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宿泊費用の援助
全てのワールド・アスレチックス・シリーズの大会については、2人部屋で予め定めた
宿泊数に対し、クォータ分まで、宿泊は無料で提供されます。複数の宿泊カテゴリーが
利用できる場合、援助はスタンダード又はベーシックのカテゴリーに対してのみ提供さ
れます。
準備助成金
これは、特定の選手権への加盟団体の競技者の参加に対し、IAAF が加盟団体に支払う
特殊な財政的援助のことであります。
IAAF はクォータの一部となっている個々の参加競技者に対し、世界室内選手権につい
ては、1,000 米ドルを、また、世界ジュニア選手権については 1,500 米ドルを支払う。
世界選手権については、準備助成金は、1人しか参加しない加盟団体については総計で
1,000 米ドル、2人以上参加する加盟団体については、2,000 米ドルに限定されます。
準備助成金は、当該大会で競技者が有効に競技した場合のみ支払われます。
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エントリー
IAAF 世界選手権に参加したい競技者がいる場合、下記のステップを経なければなりま
せん。
予備エントリー
加盟団体は予備エントリーフォーム(PEF)を記入し、組織委員会と IAAF に送付しなけ
ればなりません。予備エントリーフォームの提出締切は、4カ月前となる世界選手権を
除き、大会初日から2カ月前となります。
ファイナルエントリー
ファイナルエントリーは、IAAF オンライン大会エントリーシステムを使って提出され
なければなりません。 http://evententry.iaaf.org から IAAF エクストラネット経由で
アクセス可能です。各加盟団体は、IAAF エクストラネットと大会エントリーシステム
に機能するユーザーネームとパスワードを持っています。
ファイナルエントリーの提出締切日は、事務総長から“M サーキュラー”でいつも通
知されます。
ファイナルエントリーを
オンラインで送る
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
オンライン・エントリーシステム
http://evententry.iaaf.org
加盟団体がインターネットを通じて IAAF 大会へのファイナルエントリーを提出こと
を可能にするため、IAAF ワールド・アスレチックス・シリーズのオンライン・エント
リーシステムが開発されました。そのねらいは下記の主な目標を達成することです。
・書類の節約
・時間の節約
・間違いの回避
・お金の節約
IAAF エクストラネットのウェブサイト
http://evententry.iaaf.org
にある上記の説明に目を通してください
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
制裁
下記の場合、加盟団体に制裁が科せられるので、情報提供や締切遵守をきちんとやって
ください。
・IAAF 大会に参加すると宣言しておいて、参加しない場合。
・2 人以上のエントリーをしておいて、エントリー人数の25%以上又は以下の人数で
大会に参加する場合。 罰金は最初の 2 人を除き、競技者 1 人につき 1,000 米ドルと
なります。
予備エントリー及びファイナルエントリーの締切日を遵守しない加盟団体に対しては、
10 人の参加競技者(2 人は免除される)につき、1,000 米ドルの罰金が科せられる。
締切を守らないと代償が高くつきますよ
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会員として義務を果たす
これらは 2 つの重要な“マジックワード”であります。なぜでしょうか?
なぜなら、
前のページで概略述べた全ての特典はそれにかかっているからであります。もし、貴陸
連が所定の 1 年間“会員としての義務を果たす”ならば、特典を享受できますが、そう
でない場合はその特典を受けることができません。 所定の 1 年間、基本的な会員義務
を果たした加盟団体は、IAAF の善良なる会員とみなされます。
これらの義務とは:
・IAAF に受け入れられる憲章と競技会規則を維持すること。
・毎年 1 月 1 日までに 200 米ドルの年会費を IAAF に納めること。
・毎年 3 月 31 日までに、IAAF と当該地域陸協に年次報告を提出すること。
・通信手段として IAAF ワールドE−メールネットワークを使用すること。
・毎年少なくともひとつのワールド・アスレチックス・シリーズ大会又は大陸/地
域競技会に参加すること。
・毎年自国選手権を開催すること。
・貴陸連の本部として常設事務所を持つこと。
2 つのマジックワード
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
年次報告
IAAF 憲章の第 4 条第 9 項は、全ての加盟団体に対し、各年の最初の3カ月以内に下記
を含む年次報告を IAAF に提出することを義務付けています。
・加盟団体の所在地、電話番号、ファックス、Eメール等
・主要な役員リスト
・現行の憲章及び細則
・陸連の現登録団体(クラブ、競技者、コーチ、役員等)についての情報
・その年に行われた主要な選手権大会及び競技会のリスト(一般、ジュニア、男子、
女子等)
・前年末現在における国内記録
・加盟団体の国又は地域で、その前年に実施された IAAF が実施した以外の全ての
ドーピングの競技会検査及び競技外検査に関する報告書
IAAF エクストラネットから標準報告フォームをダウンロードし、記入後、毎年
3月31日までに地域陸協にコピーを入れ、IAAF に提出してください
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会長・事務局長のための実用ガイド
会員としての義務を果たしている加盟団体は
下記の権利が与えられます:
・受取る資格のある IAAF からの助成金及びその他の形での援助を受けること。
・IAAF 総会に投票権のある代表者を送ること。
・各種の IAAF プログラムに参加すること。
・地域陸協の総会及び他の同様な会議に代表して出席すること。
・IAAF 及び地域の競技会に参加するチームを選出すること。
・IAAF 及び地域陸協の選挙に立候補者を指名すること。
・憲章及び競技規則の変更を提案すること。
・コーチ、競技役員、
競歩審判員及びその他の専門家のポジションに対する IAAF
の教育活動に参加する候補生を指名すること。
・IAAF 普及プログラムに参加すること。
貴陸連が常に会員として”義務を果たしている”ことを確認してください
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陸上競技のリーダーとして
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加盟団体への助成金
IAAF は、その国の陸上競技に対する基本的な管理組織を確保し、陸上競技の普及促進
活動を遂行するために、加盟団体に対する年間の助成金制度を作りました。
これは加盟団体に対する特別な大変評判のいい IAAF からの援助形態です。ほぼ 20 年
にもわたって、我々は増え続ける加盟団体に資金を提供してきました。2005 年現在、
合計で 165 の加盟団体が、
(彼らが会員としての義務を果たすことを条件として)
15,000 米ドルの年間助成金を IAAF によって承認されたプロジェクトの資金に使うこ
とができる特典を受けています。
この助成金の資格を得るには、貴陸連は IAAF の
会員としての義務を果たしていなければなりません
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IAAF ワールドネットワーク
IAAF は、IAAF ファミリー内で E メール通信を可能とする世界中のネットワークを作
りました。個々の加盟団体は E メールアドレスが与えられています。自分のメールボ
ックス及び IAAF のパブリックフォルダーにアクセスするために、下記の詳細な説明に
従ってください。
1. インターネットに接続されたら、インターネットエクスプロー
ラーをダブルクリックしてください。
2. アドレス欄に、http://webmail.iaaf.org と打ち込んでください。
3. ユーザー名とパスワードを打ち込でください。
ユーザー名は:大文字で貴陸連の IAAF の 3 文字略号:
例えば、
日本は JPN; セネガルは SEN; アメリカは USA
パスワードは:小文字で貴陸連の IAAF の3文字略号:
例えば、日本は jpn;
セネガルは sen; ブラジルは bra
4. これで IAAF ワールドワイド E メールシステムにアクセスします。
IAAF から与えられたアドレスは個人のアドレスに移動可能
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会長・事務局長のための実用ガイド
IAAF ウェブサイト
www.iaaf.org
IAAF ウェブサイトは、競技者のプロフィールやインタビュー同様、最新のニュース、
大会予告、大会レポートを含み、陸上競技種目の全てにわたって、広範囲に世界中をカ
バーする陸上競技の情報を提供しています。 IAAF ウェブサイトは年間 365 日、毎日、
更新されています。IAAF ウェブサイトは、陸上競技ファミリーの全ての部門に陸上競
技の中で発生するあらゆるものについて、一ヵ所で全てが揃う情報を提供しています。
定期的に IAAF ウェブサイトにアクセスしてください
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会長・事務局長のための実用ガイド
IAAF エクストラネット
http://extranet.iaaf.org
IAAF エクストラネットは、加盟団体用に IAAF で開発された最も新しい通信手段です。
IAAF エクストラネットの目的は、ワールド・アスレチックス・ファミリー内のコミュ
ニケーションのスピードとセキュリティを向上することです。
IAAF エクストラネットへのアクセスはパスワードによってコントロールされています。
すべてのユーザーはログインページにユーザー名とパスワードを入れる必要がありま
す。
各加盟団体は IAAF エクストラネット上に特別なセクションを持っています。そこに、
貴陸連に関するあらゆる関係情報、重要情報を掲載することになっています。
IAAF エクストラネットを定期的にアクセスしてください
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
IAAF ディレクトリー・カレンダー
ディレクトリー・カレンダーは、IAAF カウンシルメンバー、IAAF 委員会/コミッショ
ン、地域陸協、加盟団体及びその他のスポーツ組織に対する連絡先を掲載した IAAF が
年 1 回発行する刊行物です。
ディレクトリー・カレンダーには、下記競技会の日付と場所も掲載されています。
・ワールド・アスレチックス・シリーズ大会
・主要な国際大会(総合競技会等)
・大陸競技会
・屋外大会
・室内パーミット大会
・クロスカントリーパーミット大会
IAAF の全ての刊行物のリストもディレクトリー・カレンダーの中にあります。
IAAF ディレクトリー・カレンダー − すぐ調べるのに便利な重要な刊行物です
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
IAAF 世界ランキング
IAAF 世界ランキングシステムは、全ての陸上競技の成績の 2 つの大きな要素、即ち、
大会における選手の記録と順位に基づいています。
IAAF 世界ランキングとして種目別ランキングと総合ランキングを設定します。種目別
ランキングは 40 種目の世界中の競技者を評価し、順位をつけるもので、総合ランキン
グは種目に関係なく競技者を比較し、順位をつけます。 言い換えれば、リンゴと西洋
ナシを比較するようなできそうもないことをやるのです。
このランキングを上げるためには、競技者は最もレベルの高い競技会で最もよい成績を
達成しなければなりません。 ランキングは毎週更新され IAAF ウェブサイト上で見る
ことができます。
多くの加盟団体やスポンサーはランキングにおける順位に基づき競技者への特典を決
めています。
122,565 人の競技者の 1,677,861 のリザルトが
2004 年の IAAF ランキングデータベースにありました
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
RDC
地域普及センター(Regional Development Centres, RDC)の主な役割は、加盟団体の
仕事を援助し、担当地域における普及のプログラムについて焦点となるポイントを提供
することです。
RDC の活動は下記を含みます:
・その地域の加盟団体との定期的なコミュニケーション
・コーチ及び競技役員向けのハイレベルな研修コース及びセミナー
・事務局スタッフ、大会オーガナイザー、スポーツ医学担当者、統計担当者等向け
のセミナーやワークショップ
・地域の技術ブレティンやその他の刊行物の発行
・トレーニングキャンプ
IAAF の RDC は、アデレード(オーストラリア)、カイロ(エジプト)、ダカール(セネ
ガル)、ナイロビ(ケニア)、モスクワ(ロシア)、サンフアン(プエルトリコ)、サン
タフェ(アルジェリア)
、北京(中国)
、ジャカルタ(インドネシア)にあります。
RDC はあなたのお手伝いをするために設立されました
40
陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
HPTC
IAAF ハイパフォーマンス・トレーニングセンター(HPTC)は、国際クラスの競技者や
コーチのトレーニングと普及のための非常にすぐれたセンターです。
センターは
IAAF のコントロールの下で管理監督されています。
HPTC は、ダカール(セネガル)、エルドレ (ケニア)、レデュイ(モーリシャス)、キング
ストン(ジャマイカ)
、オークランド(ニュージーランド)
、サンパウロ、プレジデンテ、
ポルト・アレグレ(ブラジル)及びクアラルンプール(マレーシア)
多くの選手がこの HPTC で費やした時間からベネフィットを受けており、結果として、
パフォーマンスを向上させています。 実際、HPTC で訓練を受けた何人もの選手が世
界選手権やオリンピックを含む国際競技会でメダルを獲得するまでになっています。
HPTC − 非常にすぐれたセンター
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陸上競技のリーダーとして
会長・事務局長のための実用ガイド
ATC
IAAF によるトレーニングセンターの設置認可システム(ATC)は、適切で特殊なトレ
ーニングセンターに対する需要が高まっていることに呼応して開発されました。
高品質の施設、サポートサービス及び適正なコーチ陣を含み IAAF の基準を満たしてい
るトレーニングセンターのみが設置の認可を受けます。
センターの分類は技術基準(陸上競技施設、宿泊、種目特性、コーチ等を含む)に基づい
ています。
このシステムは、加盟団体、競技者及びコーチが特別なニーズと要件を満たすのにセン
ターが適応しているかについて、正しい決定ができるように手助けをしています。
現在、13の ATC が運営されており、そのリストは増えており、近い将来に世界的な
ネットワークになるでしょう。
ATC についての詳細は IAAF ウェブサイトを見てください
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競技者代理人(AR)
競技者のエージェントとかマネージャーとして一般に知られている競技者代理人(AR)
は加盟団体の重要なパートナーとなります。
AR はエリート競技者に対し、彼らの競技プログラムやその他の専門事項を組織、管理
し、重要なサービスを提供します。
貴陸連が発行する文書による承認がなければ、どの AR も貴陸連の競技者の代理人とな
ることはできないということを知っておいてください。
加盟団体と競技者代理人に関する IAAF 規定に規定された最低限の条件を含む競技者
と AR の間に書面による契約書がない限り、どの競技者もあなたの同意なしに競技者代
理人を使うことを許可されないし、競技者代理人も承認されません。
もっと詳しい情報については、IAAF 競技会規則の第 7 条
を参照するか又は我々に照会ください
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IAAF 及びアンチ・ド−ピング
ドーピングは不正行為です。スポーツの基本概念は、競い合う人々にとって同じ土俵で
行うということです。ドーピングによって得られた勝利は空虚で、無意味なことであり、
むなしいばかりではなく、不正行為です。ドーピングは人間個人を破壊し、我がスポー
ツ陸上競技を破壊する力を持っています。
IAAF は、妥協することなく、ずっとドーピングと戦ってきており、すべての加盟団体
についてもそうすることを期待しています。このことは双方に利害関係のあることです。
ドーピングを根絶する唯一の方法はどんなに小さな行為も厳しく取り締まることです。
IAAF ドーピングコントロール・プログラムは下記を含みます。
・競技会検査
-
組織委員会を通じて IAAF 競技会で実施
・競技外検査(OOCT)-
サンプリング検査の権限を与えられた係官により練習
中に抜き打ちで実施されます。 国際的エリート競技者は、いつでもその検査の
ため、 自分がどこにいるかの居所を IAAF に連絡しなければなりません。これ
は、居場所(Whereabouts)情報と呼ばれています。
競技会規則にあるアンチ・ドーピングについてもっと詳しく目を通してください
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アンチ・ドーピングにおける加盟団体の義務と責任
IAAF アンチドーピング規則及び手続きガイドラインを遵守することは各加盟団体の義
務です。 本アンチ・ドーピング規則及び手続きガイドラインは、直接的に、又は参照
の形式をとることにより、各加盟団体の憲章又は規則に中に組み込まれていなければな
りません。
また、加盟団体は憲章/規則の中に下記を含めなければならないことが IAAF の会員資
格の条件となっています。
・加盟団体に対し、競技会検査及び競技外検査を実施する権限を付与する規程
・IAAF に対し、自国選手権でドーピングコントロールを実施する権限を付与する
規程
・IAAF に対し、抜き打ちの競技外検査を競技者に対し実施する権限を付与する規
程
・加盟団体、IAAF 及びアンチ・ドーピング規則のもとで検査を行う合法的な権限
を有するその他の機関によって実施されるどんな競技会検査及び競技外検査で
も受けることに競技者が同意することを会員資格又は陸連への登録条件及び加
盟団体によって認可又は主催される競技会への参加条件とする規程
自国の競技者に対する国レベルでの全ての検査及びその検査結果の管理が本アンチ・ド
ーピング規則及び手続きガイドラインに従っていることを保証することは加盟団体の
責任です。
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結び
これは、あなたが重要な地位について日々の仕事をする上で、必要であり、知っておい
たほうが役に立つと考えられるものを簡単に述べたものです。
もちろん、これは、まだほんの手始めにすぎません。 我々の活動はもっと複雑で、多
種多様で、小冊子に全てのことを詳細にカバーすることはほとんど不可能です。
特に意図することなくカバーされなかった分野について又はもっと詳細にアドバイス
を受けたい時はいつでも、遠慮なく当事務局に問合せください。
あなたの役割は陸上競技のために仕事をすることであり、我々の役割も同じです。
あなたは陸上競技の一部であり、だからこそあなたは我々にとって大変重要な存在です。
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IAAF
17, rue Princesse Florestine
BP359-MC98007 MONACO CEDEX
Tel. +377 93 10 88 88
Fax +377 93 15 95 15
http://www.iaaf.org
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