Ⅱ 震動台活用による構造物の耐震性向上研究 シンポジウム予稿集

文部科学省大都市大震災軽減化特別プロジェクト
Ⅱ 震動台活用による構造物の耐震性向上研究
シンポジウム予稿集
平成16年7月26日
防災科学技術研究所・研究交流棟
主催:文部科学省
共催: 独立行政法人 防災科学技術研究所
まえがき
文部科学省は「ライフサイエンス」、
「情報通信」、
「環境」、
「ナノテクノロジー・材料」、
「防災」の5分野について、あらかじめ課題等を設定し、実施する機関を選定して研究開
発を委託する事業を2002年度から開始しました。これらの委託事業は「新世紀重点研
究創世プラン∼リサーチ・レボリューション・2002(RR2002)∼」と呼ばれて
います。RR2002の「防災」分野の研究開発委託事業が「大都市大震災軽減化特別プ
ロジェクト」(通称:大大特)です。
大大特は、首都圏や京阪神などの大都市圏において、大地震が発生した際の人的・物的
被害を大幅に軽減するための科学的・技術基盤を確立することを目的としています。この
目的を達成するために、理学・工学・社会学など幅広い分野の研究者・技術者の総力を結
集し、下記課題に平成14年度から5ヵ年計画で取り組んでいます。
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
地震動(強い揺れ)の予測 「大都市圏地殻構造調査研究」
1.
大深度弾性波探査
2.
大規模ボーリング調査
3.
断層モデル等の構築
耐震性の飛躍的向上 「震動台活用による耐震性向上研究」
1.
実大三次元震動破壊実験施設(E−ディフェンス)の運用体制整備
2.
鉄筋コンクリート建物実験
3.
地盤・基礎実験
4.
木造建物実験
5.
高精度加振制御技術の開発
6.
三次元地震動データベースの整備
被災者救助等の災害対応戦略の最適化 「災害対応戦略研究」
1.
震災総合シミュレーションシステムの開発
2.
大都市特性を反映する先端的な災害シミュレーションの技術の開発
3.
巨大地震・津波による太平洋沿岸巨大連担都市圏の総合的対応シミュレーシ
ョンとその活用手法の開発
4.
Ⅳ
レスキューロボット等次世代防災基盤技術の開発
地震防災対策への反映
1.
事前対策に関する研究
2.
災害情報に関する研究
3.
復旧・復興に関する研究
本シンポジュウムは、
「大都市大震災軽減化特別プロジェクト、 Ⅱ
震動台活用による
構造物の耐震性向上研究」に関する平成15 年度の成果の公表と関連する情報や意見の交
換を目的としています。大大特・Ⅱのプロジェクトには、40機関、128名の研究者が
参画しておりますが、同じ分野の研究に取り組む方々との活発な討議・ご意見を、今後の
研究に反映していきたいと考えています。
i
プログラム
午前の部
10:00
10:10
司会:佐藤正義、井上貴仁
開会挨拶
文部部科学省研究開発局 地震・防災研究課
防災科学技術推進室長
中村
隆行
防災科学技術研究所・理事長
片山
恒雄
E ディフェンス利用について(運用体制、利用方法など)
(防災科学技術研究所:佐藤正義)
10:30
E ディフェンスの計測システムと性能試験について
(防災科学技術研究所:松森泰造)
10:50
三次元震動台シミュレーション技術の開発
(防災科学技術研究所:梶原浩一)
11:10
三次元地震動データベースの整備
(防災科学技術研究所:阿部健一)
11:30∼11:50
質疑・応答
11:50∼12:45
昼
食
午後第1部
司会:佐藤正義、井上貴仁
12:45∼13:25
基調講演1:「最近の地震被害と入力地震動について」
(東京大学地震研究所:工藤一嘉)
13:30∼14:10
基調講演2:「性能設計の導入とE−ディフェンスへの期待」
(東京工業大学教授:川島一彦)
14:10∼14:30
コーヒーブレーク
午後第2部
司会:佐藤栄児、井上貴仁
RC 建物実験、地盤基礎実験、木造建物実験の成果報告及びE−ディフェンスでの実大
震動実験について( 各実験:成果報告20分、実験計画15分、討議 15分)
14:30∼15:20
鉄筋コンクリート建物実験
RC 建物実験委員会(委員長:壁谷澤寿海・防災科研客員研究員、東大教授)
15:30∼16:20
地盤・基礎実験
地盤基礎実験委員会(委員長:時松孝次・防災科研客員研究員、東工大教授)
16:30∼17:20
木造建物実験
木造建物実験委員会(委員長:坂本功・防災科研客員研究員、東大教授)
17:20∼17:30
17:30∼18:30
まとめ、閉会のあいさつ
(防災科学技術研究所:早山理事)
懇親会(会費制:1000円)
ii
目
次
1. プロジェクト概要 ------------------------------------------------- 1
2. 研究概要報告 ----------------------------------------------------- 3
2.1
E ディフェンス利用について(運用体制、利用方法など) ----------------------- 3
2.2
E ディフェンスの計測システムと性能試験について ----------------------------- 7
2.3
三次元震動台シミュレーション技術の開発 ------------------------------------ 13
2.4
三次元地震動データベースの整備 -------------------------------------------- 19
3. 基調講演 -------------------------------------------------------- 23
3.1
「最近の地震被害と入力地震動について」 ------------------------------------ 23
3.2
「性能設計の導入とE−ディフェンスへの期待」 ------------------------------ 31
4. E-ディフェンスでの実大震動実験計画 ------------------------------ 37
4.1
鉄筋コンクリート建物実験 -------------------------------------------------- 37
4.2
地盤・基礎実験 ------------------------------------------------------------ 41
4.3
木造建物実験 -------------------------------------------------------------- 53
iii
1.プロジェクト概要
1.1 プロジェクトの目的
本プロジェクトは、防災科学技術研究所が現在、兵庫県三木市に建設中の「実大三次元
震動破壊実験施設(E−ディフェンス)」をはじめとする世界の震動台や震動実験専用シミ
ュレータを活用(既存データの活用を含む)して耐震に関する実験・研究を行い、構造物
の耐震性の飛躍的向上を図ることを目的としている。
E−ディフェンスは、実際に想定される地震により実物大構造物を破壊させ、その地震
時挙動を再現することが可能であり、その実験・研究成果は構造物の耐震性向上に役立て
るできることできる。
しかしながら、E−ディフェンスのような世界初の大規模震動実験施設を有効に利用す
るためには、施設の運営体制の整備、大規模実験研究を実施するにあたっての予備的研究、
どのような実験を行うかの計画、実験結果の成果の展開方法、試験体を積載した場合の震
動台応答性の事前確認、震動台に入力する地震動、等の課題がある。
本プロジェクトでは、防災科学技術研究所がこれまでの蓄積した技術的・研究的実績を
踏まえつつ、また広く国内の研究機関の協力を得て、研究課題解明のための実験・研究を
推進・実施して行く計画である。なお、耐震性向上が必要となる構造物は多種多様である
が、現存する研究シリーズ、予算規模、5年間という時間的制約等を考慮して、鉄筋コン
クリート建物、地盤・基礎および木造建物を重要課題として取り上げている。
1.2 期
間
本プロジェクトは平成14年9月から、平成19年3月末の約5年間にわたって行う。
平成16年度末には中間評価が行われ、プロジェクトの進捗と方向性がチェックされる。
1.3 プロジェクトの研究構成
本プロジェクトは、次に示す6研究課題・35テーマで構成されている。
(1) E−ディフェンス運用体制およびシステムの整備
1) E−ディフェンス運用体制および全体研究管理
2) ED-Net 対応システムの整備
(2) 鉄筋コンクリート建物実験
1) 鉄筋コンクリート建物の三次元動的破壊実験
2) 鉄筋コンクリート造連層耐震壁の動的挙動と静的挙動の比較に関する研究
3) 耐震壁立体フレーム構造の水平力分担に関する研究
4) 耐震壁浮き上がり挙動を再現する振動台実験に用いる動的試験デバイスの開発
とその特性試験
5) 歪速度効果を考慮した鉄筋コンクリート造柱部材の三次元解析モデルの開発
6) 実大鉄筋コンクリート建物の三次元動的解析のための鉄筋コンクリート材料に
関する要素試験
-1-
7) 実大鉄筋コンクリート建物の三次元動的解析システムの開発
8) 鉄筋コンクリート建物の三次元動的破壊実験に関わる予備解析システムの開発
9) E−ディフェンスによる実大鉄筋コンクリート建物の三次元震動破壊実験
(3) 地盤・基礎実験
1) 地盤−杭基礎−構造物の三次元非線形動的相互作用の実験
2) 強非線形地盤−杭基礎構造物の三次元数値解析に基づいた杭応力の特性
3) 地盤−杭基礎−構造物の三次元数値シミュレーションの研究
4) 杭頭半剛接合構法を採用した建物の地震時挙動に関する研究
5) 側方流動に対する基礎の破壊メカニズム解明の実験
6) 側方流動に対する基礎の三次元数値シミュレーションの研究(その1)
7) 側方流動に対する基礎の三次元数値シミュレーションの研究(その2)
8) 側方流動に対する基礎の耐震性向上に関する新技術、新工法の開発
9) 地盤の三次元挙動評価技術の開発(その1)
10) 地盤の三次元挙動評価技術の開発(その2)
11) E−ディフェンスによる実大土槽震動実験計画
12) E−ディフェンスでの地盤−構造物系実験のための施設整備
(4) 木造建物実験
1) 既存木造建物の地震応答観測(その1)
2) 既存木造建物の地震応答観測(その2)
3) 地震動による木造建築物の崩壊パターンおよび部材・接合部の応力変形特性に
関する調査分析
4) 木造建物中規模三次元振動台実験
5) 木造建物の耐震性に関する中規模振動台実験
6) 木造建物の中規模震動台実験
7) 木造建物の構造要素試験
8) 既存木造建物の強度調査
(5) 高精度加振制御技術の開発
1) 三次元震動台シミュレーションシステムの整備
(6) 三次元入力地震動データベースの整備
1) 統計的手法による大地震強震動波形の予測および三次元地震動データベース化
に関する研究
2) 三次元地震動データベースの構築に関する研究
3) 三次元強震動波形の推定に関する研究
-2-
E-ディフェンスの利用(運用体制・利用方法等)について
防災科学技術研究所
佐藤
正義
-3-
どんな運営がなされるべきか?
基本方針
実大三次元震動破壊実験施設
(E-ディフェンス)
の運営・利用に関する検討
内
防災科研の耐震工学の
研究センターとして運営
・防災科研の耐震工学研究者と
事務担当が現地常駐
運営の透明性を確保
・運営や実験に関する事項を委
員会にて審議(外部有識者の
意見を取入れる)
・情報の開示(ホームページ)
・国内・海外との共同研究
・国際的なネットワークの確立
「実大三次元震動実験施設の利用に関する研究」プロジェクト
プロジェクトディレクター 佐藤正義
容
国際的な共用耐震実験
施設として運用
1
2
E-ディフェンス運営体制
国際的なネットワークシステムの構築
E-Defense Network Systems(E-D Net)
防災科学技術研究所
E-ディフェンス
E-ディフェンス
運営協議会
(兵庫県三木市)
(兵庫県三木市)
利用委員会
E-Defenseの適切な運営推進
独立行政法人(理事長)
大学研究機関(所長)
関連学会(耐震委員長)
関連業界
E-Defense研究計画の審議・評価
独立行政法人、大学・民間研究機関、
関連学会
(第一線の学識経験者)
Network
国際共同研究の推進
NEES(USA)
欧州、中国、台湾
Remote Control
防災科研(つくば)
防災科研(つくば)
耐震工学研究センター(仮称)
耐震工学研究センター(仮称)
スーパーコンピュータ
スーパーコンピュータ
による数値シミュレーション
による数値シミュレーション
E-ディフェンス支援会社
(三木市)
3
4
震動台利用
スケジュール
震動台利用スケジュール
E-Defenseの利用形態
2004年度
2004年度
(1)耐震工学研究センタ
項目
利用形態
利用申込
内
容
2005年度
2005年度
2006年度
2006年度
2007年度
2007年度
H16.10(開所)
施設整備
E-ディフェンス稼働
(2)E(2)E-ディフェンス実験
・自体研究(費用:防災科研予算プロジェクト)
・共同研究(費用:防災科研と参加機関で分担)
国内、海外の研究機関
・受託研究(費用:委託機関が負担)
・動的応答の確認実験
・地盤・基礎実験
・木造建物実験
・RC建物実験
(4) 利用委員会
(5)外部利用募集(H18)
①防災科研ホームページで募集
②「E-ディフェンス利用委員会」の審議を経て、
利用可否と利用期間を決定
(6)外部利用(共同研究)
大大特実験と
共同研究を対象
(7)外部本格利用募集
(8)外部利用
5
6
1
鉄筋コンクリート建物実験
鉄筋コンクリート建物実験
地盤・基礎実験
( E-Defense使用
: 2005年度∼
2006年度
年度の
の2年間)
Defense使用:
2005年度∼2006
年間)
( E-Defense使用: 2005年度∼2006年度の2年間)
護岸の側方流動実験
【H17年度】
耐震壁RC建物の破壊実
験
6階建て 高さ18m
2×3スパン
= 10m×15m
総重量 約800 ㌧
Y
【H18年度】
実験テーマは 補強
X
耐震壁
平面図
(護岸とその背後の杭基礎)
建物基礎が地震で壊れて、建物が使えなくなる。
細長土槽
長さ : 18.0m
幅 : 4.0m
深さ: 4.5m
総重量 約820 ㌧
実現象の再現に基
づく、杭基礎の破
壊メカニズム解明
7
8
木造建物実験
E-Defense実験
研究の成果
Defense実験研究の成果
( E-Defense使用: 2005年度∼2006年度の2年間)
¾ 研究面:構造物の耐震性向上(社会への技術的な貢献)
・実大実験データの蓄積:中小規模から実大へ
・破壊メカニズムの解明:いつ、どのように
・新設計法の検証
・耐震補強:どの部分をどのように
・スケール効果:なぜ実大か?
「複数実大規模崩壊実験」を試み、 現存木造建物
の耐震強度把握と耐震補強の効果を検証する。
耐震補強住宅
現存住宅
¾震動台所有者としての責任(最初の2年間)
・普及のためのデモンストレーション
・震動台性能の確認(研究で使ってみる)
・PR(マスコミ等を通じての国民への啓蒙)
9
10
利用料の設定(案)
No
(1)
維持管理
費からの
基本利用
料
受託研究(1)
自体研究(1/2)
データ公開
Yes
(1/3)
共同研究A
防災科研
(1/2)
残りの機関
維持管理費等の必要経費に基づく利用料の項目
公共性の高
い機関&教
育機関(1/2)
(国・地方公
共団体、独立
行政法人、公
益法人・NP
O、大学等)
(1/(2*残機関数))
維持管理費による利用料
共同研究B
(1/機関数)
+
民間機関(1)
震動台占有日数×
震動台占有日数×1日当たりの維持費
維持管理費 1日当たりの維持費=年間維持費/
日=10
10ヶ月
ヶ月×
×20日
日当たりの維持費=年間維持費/稼働日数(200
稼働日数(200日=
20日)
減
免
さ
れ
た
基
本
利
用
料
例えば、1
750
0万円/
例えば、15億円(
億円(仮定)
仮定)/200日=
/200日=75
万円/日
震動台占有日数×
震動台占有日数×1日当たりの減価償却費
原価償却費 1日当たりの減価償却費=施設建設費用/20
年/200日
日当たりの減価償却費=施設建設費用/20年
/200日
例えば、400
億円((仮定)
1000万円
万円/
/日
例えば、400億円
仮定)/20年
/20年/200日=
/200日=1000
震動台運転 加震実験日の運転の電気・ガス・水道料+運転人件費
費
例えば、約30
万円/
/時間、50
万円/
/日(10
人?×
×5万円)
例えば、約30万円
時間、50万円
日(10人?
共同研究Aは防災主導のケース、
Bは他機関主導に防災がのるケース
( )内は機関負担比率
一般管理費 維持管理費+原価償却費+震動台運転費の?%
運転監視に要する人件費、光熱費の実費+一般管理費
11
12
2
E-ディフェンスの成果公開
利用料の収入とE-ディフェンスの目的
① 公開実験の実施(含
1/17、
、9/1でのイベント)
公開実験の実施(含1/17
9/1でのイベント)
¾ 利用料予測は最高でも年間2∼3億?、維持管理費は年間15億円?
¾ 「維持管理費を稼ぐこと」と「E-ディフェンスの存在意義」のバランス
¾ 努力は必要だが、お金を稼ぐことが目的ではない
② 防災科研ホームページにて各種の情報公開
(E、実験情報、実験映像))
(E-ディフェンスNEWS
ディフェンスNEWS、実験情報、実験映像
③ 実験研究報告書の発行(
実験研究報告書の発行(1回/年)
④ E-ディフェンスの実験研究シンポジュウム開催
ディフェンスの実験研究シンポジュウム開催
利用料金の使い道
(国内:1
回/年, 国際:1
回/2∼
国内:1回
国際:1回
/2∼4年)
利用料金を「E-ディフェンス運営経費」として算入すると、
年度毎の収入が異なるので安定経営ができない。
„ 積み立てて、維持管理費用にしてはどうか。
(例えば、作動油の交換費用、故障費用)
„
⑤ ブラインド解析用の実験
(数値解析のコンペ予測解析:
Prediction type A, C)
(数値解析のコンペ予測解析:Prediction
C)
⑥ 実験データの公開(実験
データベース)
実験データの公開(実験データベース)
13
14
実験データ公開に対する意見
実験データ公開のための検討事項
¾ 実験終了後からの期間(実験終了後1年?)
¾ 実験データ公開の範囲(全データ or 部分データ)
¾ 公開の対象者(一般ユーザー or 特定の人にライセンス授与)
¾ 実験データ以外の情報(設計図書、できるだけ英語?、等)
上記の項目は実験担当者が案を作成し該当年度の利用委員会に提出、
審議・承認を頂く
¾ 公開するための予算・人材 (責任者を確保)
¾ ユーザーの質問への対応
¾ 公開実験データに対する責任(とらない、実験条件の明示)
¾ 実験データベースの作成(E-Defense Network systemsにのせる)
‹ 【肯定要素】
肯定要素】実験データの有効活用
①より多くの人が実験データを使えるほうが良い成果が出る
②E-ディフェンスの地震工学分野への貢献のアピール
ディフェンスの地震工学分野への貢献のアピール
‹ 【否定的要素】
否定的要素】実験者の権利確保も重要
①大規模実験をやるとなると実験実施者の労力は相当なもの(予算獲得、
大規模実験をやるとなると実験実施者の労力は相当なもの(予算獲得、
実験申請、共同研究契約、実験計画・実施、データ整理、会計検査)
② 実験に対する創意・工夫・ノウハウを提供しない(実験データの価値が
半減)
③ 「自分で予算を確保して自分で実験を実施」をしようという人
「自分で予算を確保して自分で実験を実施」をしようという人がいなくなる
可能性がある。(他人が実験データを公開してくれるのを待つ方が良いと
可能性がある。(他人が実験データを公開して
考える)
★NEESのデータ公開の考え方を参考にする
★試験的に、既存の実験データを公開してみる
15
16
3
E-ディフェンスの計測システムと性能試験について
防災科学技術研究所
松森
-7-
泰造
実大三次元震動破壊実験施設
1.実大三次元震動破壊実験施設
実験計測システムの概要
実験計測システムの概要
実験映像システムの概要
平成16年7月
防災科学技術研究所
1
1-2 計測データおよびアンプの基本仕様
1-1 実験計測システム
目標:960chという多chの計測データを確実に集録
制御信号
64ch
制御信号
入力
パネル
計測データの基本仕様
制御信号
集録用
A/D変換器
実験計測システム
データ集録
用管理装
置
計測用
A/D内蔵
アンプ
(震動台
内部)
計測用
ジャンクション
ボックス
(震動台
側面)
試験体計測データ
データ解析
装置
実験デー
タサーバ
A/D分解能
最大サンプリング
速度
64ch
24bit
2kHz
一般サンプリング
864ch
24bit
2kHz
高速サンプリング
32ch
16bit
1MHz
960ch
-
-
計
データ集録
装置
ダウンロード
用PC
計測用A/D内蔵アンプの基本仕様
︵実験映像
システム︶
データ公開装置
(インターネット)
震動台上
カメラ
映像
集録装置
実験棟内
固定カメラ
チャンネル数
制御用データ
(震動台応答デ-タ)
震動台
計測用センサ
896ch
2
画像解析
装置
適用センサー
ひずみ型、電圧入力型、サーボ型、LVDT(64ch:一般サンプリング)
測定レンジ
ひずみ型:200, 500 ,1k, 2k, 5k, 10k, 100,000με(BV=10V時)
その他 :1∼10,000のゲイン
セルフチェック
入力より基準電圧を印加してアンプ内部のレベルチェックを行う
3
1-4 計測用ジャンクションボックス概要および配置図
1-3 計測用A/D内蔵アンプの設置方法および配線の概念図
試験体
4
計測制御室側
計測センサアナログケーブル 896本
震動台下面ケーブル
震動台下面ケーブル
引込マンホール:4箇所
引込マンホール×4
サイズ:700×700
サイズ:700×700
計測用ジャンクションボックス
64ch×13ヶ所
32ch×2ヶ所
震動台
計測用A/D内蔵アンプ
64ch×13ヶ所
32ch×2ヶ所
Z軸三次元継手
Y軸
震動台上面
震動台上面
アナログケーブル 896本
(固定配線)
レーザ変位計等用電源供給箱×1個
サイズ:350W×400H×100D
震動台側面上部に固定
64ch×13ヶ所
32ch×2ヶ所
幅:65cm(64ch仕様)
35cm(32ch仕様)
高さ:40cm
奥行:10cm
48芯光ケーブル2本 (2kHz用32芯)
(1MHz用34芯)
(震動台変位に追従できるよう十分な
たるみをもたせる)
実験時には計測ケーブルは
JB側面に逃がし、蓋を閉め
ることが可能。
計測制御棟の収録装置へ
5
X軸
X軸
計測用ジャンクションボックス(
64ch)×13個
サイズ:
650W×400H×100D
計測用ジャンクションボックス(
32ch)×2個
サイズ:
350W×400H×100D
1方向に配線を集中させるのではなく、多方
向ヘの配線する。
6
1
1-5 震動台内計測用A/D内蔵アンプ設置概念図および配置図
1-6 本システムで可能な加振の種類
計測制御室側
震動台内部の小部屋
(各階:140部屋に分割)
高さ:約1.8m
横幅:約1.5m
名 称
内 容
トランジェント加振
不連続正弦波加振
地震波・ランダム波等による加 周波数を段階的に変化させた
振
正弦波による加振
実験者が指定する ・入力波形時刻歴データ
基本的なパラメー ・サンプリング周波数
タ
・集録時間
(全体、加振前、加振後)
・振幅
・加振周波数
・波数
・計測データ数
計測用A/D内蔵アンプ
:64ch×13ヶ所
32ch×2ヶ所
:幅 :44cm
:高さ :60cm
:奥行:40cm
アンプを配置する小部屋
・アンプ故障時はCH毎に交換
・振動防止用の固定治具
・ケーブルは固定配線
・人が通れるスペースを確保
最下層に15台配置
7
1-8 計測データの流れ
1-7 実験計測システム
制御信号
制御信号
入力
パネル
64ch
実験計測システム
①
計測用
A/D内蔵
アンプ
(震動台
内部)
計測用
ジャンクション
ボックス
(震動台
側面)
① 計測用A/D内
蔵アンプ
集録中
制御信号
集録用
A/D変換器
③ データ集録用管理装置
② データ集録装置
間引きデータ
計測データ
③
データ集録
用管理装
置
震動台
計測用センサ
896ch
8
②
データ集
録装置
⑤
データ解
析装置
④
実験デー
タサーバ
間引き処理
生データ
データ処理機能
生データ 工学値データ
⑤ データ解析装置
⑥
ダウンロード
用PC
集録後
データ解析機能
④ 実験データサーバ
プリンタ
︵実験映像
システム︶
データ公開装置
(インターネット)
震動台上
カメラ
映像
集録装置
実験棟内
固定カメラ
波形モニター
⑥ ダウンロード用PC
波形デー
タを印刷
画像解析
装置
生データ
工学値
データ
処理
データ
解析
データ
9
一般メディア
(CD,DVD,MO,テープ)
10
1-9 実験計測手順
・センサ諸元設定
・集録条件設定
実験前
集録準備
実験中
データ集録
実験後
集録後処理
・計測チャンネル校正
計測開始
2.実大三次元震動破壊実験施設
実験映像システムの概要
・A/D変換 ・工学値に変換
・PCカードへの保存 ・波形モニター
計測終了
・波形印刷
・実験データサーバへの保存
データ処理
・応答スペクトル計算
・加振エネルギー計算
データ解析
・モードアニメーション
・ユーザプログラムによる解析
メディア出力
・ファイル編集 等
・計測データをCD,DVD,MO,テープへ出力
11
12
2
2-1 実験映像システム カメラ類
2-2 実験映像システム ディスプレイ類
実験棟内固定カメラ 9台
移動式カメラ 8台
ハイビジョンカメラ 2台
100インチプロジェクター 1台
42インチプラズマディスプレイ 5台(ハイビジョン用1台)
スピーカー 2台
親指カメラ 10台
13
14
2-3 実験映像システム 三次元変位計測システム
変位計測カメラ 全12台
精度検証実験
マーカー(ターゲット) 全100個
15
3
目的
実大三次元震動破壊実験施設
実大三次元震動破壊実験装置の装置性能の
検査及び把握を行うと共に、防災科研が今後
震動台運用で活用する基礎データを取得する。
総合性能試験計画
平成16年7月
防災科学技術研究所
1
今後の主な予定
試験の種類
2004
2
総合性能試験の分類
2005
2006
1)基本性能(例:最大変位、最大速度、最大加速度・・)
制御の能力ではなく、主に機械・油圧の仕様で決
まるE-ディフェンス全体の基本となる性能
総合性能試験
(テーブルのみ)
2)制御性能(例:閉ループ安定性、正弦波再現性・・)
主に制御の方法及びチューニング(制御パラメー
タの調整)で決まる性能
総合性能試験
(テーブル+
標準試験体)
3)参考性能(例:静的力不整合・・)
基本性能、制御性能には属さないが参考として確
認する性能
3
4
基本性能試験
評価項目
制御性能試験
評価内容
評価項目
評価内容
最大搭載重量
搭載可能な試験体の最大重量
静的変位入出力
最大変位
X、Y、Z 方向の最大変位
静的他軸干渉変位 静的変位時に発生する他軸変位
最大速度
X、Y、Z 方向の最大速度
閉ループ安定性
各自由度の閉ループ制御の安定性
最大加速度
X、Y、Z 方向の最大加速度
周波数特性
加速度入出力に関する周波数特性
回転加振性能
回転方向の最大角度
正弦波再現性
加速度波形歪
許容モーメント
試験体から受けるモーメント許容値
加振限界
加振限界性能図規定範囲(0∼15Hz)
静的変位の入出力誤差
スイープ正弦波再現性
加速度振幅の一定性
地震波再現性
加速度波形再現性
ランダム波再現性
加速度波形再現性
入力可能振動数 加振可能周波数範囲(0∼30Hz)
5
6
1
基本性能主要試験実施ポイント
参考性能試験
10
評価内容
最大加速度/搭載質量
最大加速度/搭載質量
s
1
cm
/
(G)
2.3G/
0ton
1.7G/ 600ton
1.5G/1200ton
70
/s
試験ポイント一覧
加速度
震動台各部の加速度のバラツキ
0c
m
加速度バラツキ
1
20
微小振幅時の加振軸加速度波形歪
m
微小振幅再現性
1.7G/
0ton
1.2G/ 600ton
0.9G/1200ton
100c
静的に発生する不必要な力
(G)
静的力不整合
加速度
評価項目
10
最大搭載重量試験
最大速度試験
0.1
50cm
0.1
15,20,25,30Hz,0.1G
最大加速度試験
15,20,25,30Hz,0.1G
許容モーメント試験
加振限界試験
入力可能振動数
試験
0.01
0.1
1
10
振動数
7
100
0.01
0.1
1
10
振動数
(Hz)
水平軸(X、Y)
100
(Hz)
8
垂直軸(Z)
総合性能試験 (標準試験体)工程
総合性能試験(テーブル+標準試験体)
概要
H16
目的
・限界加振時の制御性能確認
・震動台加振特性の把握
・関連施設の状況把握
・震動台及び計測システムの
操作習熟
H17
H18
試験体設計
試験体製作
制御性能試験
基本性能試験
弾性標準試験体:重量600tonf 鋼構造
寸法12m(6@2)×9m(4.5@2)×20m
関連施設計測
固有振動数:ラーメンモデル 2.2Hz
ブレースモデル 5.0Hz
(油柱共振周波数4Hz:600tonf搭載時)
9
10
信号の流れ図
(添付資料)(震動台ピット図、センサ配置図)
高圧油
戻り油
(震動台ピット)
加速度計
変位計
油圧供給装置
三次元継手
震動台
油圧供給装置制御盤
サーボ弁
実験状況表示設備
X軸加振機
5台
Z軸加振機
14台
指令信号
サーボ弁F/B信号
加速度F/B信号
指令信号
サーボ弁F/B信号
テーブルコントローラ
運転制御コンソール
震動台付加速度計
高圧油
戻り油
変位F/B信号
運転制御盤
Y軸加振機
5台
(計測制御棟)
平面配置(5箇所:
サーボバルブコントローラ
加振制御装置
(応用制御)
各X,Y,Z三軸)
11
12
2
三次元震動台シミュレーションシステムの整備
防災科学技術研究所
梶原
-13-
浩一
3.5 高精度加振制御技術の開発
3.5.1 三次元震動台シミュレーションシステムの整備
(1) 業務の内容
(a) 業務題目
三次元震動台シミュレーションシステムの整備
(b) 担当者
所
属
独立行政法人防災科学技術研究所
役
職
氏
名
メールアドレス
主任研究員
梶原浩一
[email protected]
研究員
佐藤栄児
[email protected]
(c) 業務の目的
E−ディフェンスによる震動実験を安全かつ高精度に行うために、震動台の応答挙動を
事前に精度良く把握するための三次元震動台シミュレーションシステムを開発する。シス
テムは、震動台モデル、加振系、応用制御系、基本制御系、試験体モデルにより構成され
るものとし、試験体による震動台応答の影響を推定できるものとする。また、科学技術振
興調整費による総合研究の研究成果を反映し、そこで検討された制御系と震動台ユーザー
が持ち込む制御系の装備が可能なシステムとする。
(d) 5ヵ年の年次実施計画
1)
平成14年度:
① シミュレーションステムの全体構想の取り纏めを行う。
② 震動台、加振機構系と油圧系、実装を予定する基本制御系のダイナミクスを定
式化する。
2)
平成15年度:
① 14 年度で取り纏めた個々の項目のプログラム化を行う。
② 振動台シミュレータ上に積載する試験体の基本的な履歴モデルのプログラム
開発を行う。
3)
平成16年度:
① 実験者が多様な条件下でシミュレーションが容易に行えるようにマン・マシン
インターフェースの整備を行う。
② 一連の解析、作図プログラムの製作を行う。
4)
平成17年度:
①
E−ディフェンス負荷試験体モデルの設計に取り掛かる。
②
E−ディフェンス加振・調整データより、震動台シミュレータのパラメー タ
調整を行う。
③
5)
シミュレーションデータの解析、作図プログラムの動作確認を行う。
平成18年度:
① 震動台シミュレータの評価・改良を行うため、試験体を積載した実験データと
シミュレーションの比較検討を行う。
② シミュレーションシステム全体のとりまとめと報告書の作成を行う。
なお、開発する震動台シミュレータは、先に行われた確証試験のシミュレーション等で
用いた実績ある手法に基づき構築するが、今後の研究の進歩によっては、更に高精度なシ
ステムへ移行する展開も考えられるので、ここで開発する震動台シミュレータの名称を特
に、「震動台基準シミュレータ」とする。
(e) 平成 15 年度業務目的
① 14 年度で取り纏めた個々の項目のプログラム化を行う。
② 振動台シミュレータ上に積載する試験体の基本的な履歴モデルのプログラム
開発を行う。
(2)平 成 15年 度 の 成 果
(a) 業務の要約
平成 15 年度は次の各項目を実施した。
1)
シミュレータの構成に基づく全体設計を行い、プログラム構成の詳細をまとめ、適
用するソフトウェア等を決定した。
2)
計算 シ ステ ム本 体 の機 能お よ び震 動台 モ デル との イ ンタ ーフ ェ イス につ い て設 計
を行い、ユーザーインターフェイスに必要な詳細機能を設計した。
3)
震動台モデルに関する詳細設計を実施し、それらについてのダイナミクスを定式化
した。試験体系の詳細を除く主要なサブシステムモジュールを構築した。
以下に、震動台基準シミュレーションで製作する「震動台シミュレータ」概要図及び計
算システムの構築画面を示す。
計算システム本体
震動台モデル
メインメニュー
電気信号
物理量
ユーザー管理ツール
管理ファイル
加振制御系
加振機構系
試験体系
加振データ作成
加振データファイル
パラメータ設定
震動台のモ
デル構成
加振制御系
シミュレーション
加振機構系
電気信号
物理量
パラメータファイル
試験体系
テーブル
速度
供給圧
油圧流送系モデル
応用制御系
目標値
戻り流量
流量
基本制御系
サーボ弁
加振力
加振機
三次元
継テーブル
手
加振力
テーブル
試験体
速度
特性把握
シミュレーション
応用制御系
目標値
流量
基本制御系
サーボ弁
加振力
加振機
加振力
三次元継手
テーブル
テーブル
変位
テーブル
ピストン速度
ピストン変位
伝達特性ファイル
差圧
差圧
変位
ピストン速度
ピストン変位
シリンダ圧
シリンダ圧
テーブル変位
テーブル加速度
加振
シミュレーション
結果表示
試験体
テーブル変位
テーブル加速度
Simulink
計算結果ファイル
終 了
震動台基準シミュレーション「震動台シミュレータ」概要図
(a)
加振データ作成−(ランダム波6自由度)波形生成完了画面
(b) パラメータ設定−ファイル読み込み完了画面
(c)
パラメータ設定画面−テーブル部
(d) パラメータ設定−試験体設定画面
(e) シミュレーション−初期画面(加振シミュレーション)
(f) 結果表示−結果表示グラフの例(テーブル台上中心応答)
(b) 結論ならびに今後の課題
1)
計算 シ ステ ム本 体 およ び震 動 台モ デル に 関わ り開 発 した ソフ ト ウェ アの 動 作確 認
を行い、各サブシステムの構築ソフトウェアを確定した。
2)
震動 台 基準 シミ ュ レー タの 全 体設 計な ら びに 各サ ブ シス テム の 詳細 機能 設 計を 行
い、以下の設計仕様書を作成した。
・ システムフロー(操作方法)に関する仕様書
・ 結果グラフの書式設計を含むGUI(操作画面)に関する仕様書
・ 印刷フォーム仕様書
・ 入出力パラメータ仕様書
3)
作成した設計仕様書に基づいて、主要サブシステム、震動台構成モデルの構築を実
施した。今後の課題として、非線形試験体の搭載が可能なテーブル+試験体のモデ
ル化とインターフェイスの構築を行う必要がある。また、サブシステムと震動台モ
デルの結合作業ならびに動作検証を行う必要がある。
(3) 平成 16年度業務計画案
15 年度に着手した、震動台、加振機構系と油圧送流系等のプログラム化と、振動台シミ
ュレータ上に積載する簡易化した試験体数学モデルのプログラム開発を進める。また、実
験者が多様な条件下でシミュレーションが容易に行えるように、マン・マシンインターフ
ェースの整備と一連の解析、作図プログラムの製作を行う。また、シミュレータを用いた
事前解析により、加振実験手法の将来的な応用展開についても検討を加える。なお、本シ
ミュレーションシステムの検証は、平成 16 年度中旬から 16 年度末に行う E-ディフェン
ス確証試験の実験データを用いて平成 17 年度に行う予定である。平成16年業務実施計
画(案)を以下に示す。
項 目
平成16年度
実施項目
実施計画(案)
予定期間
実施内容
画面・印刷用出力グラフ作
1.GUIの
作成
(1)計算システム本 成
体
データ出力プログラム
試験体履歴モデルの組込み
(2)震動台モデル
16年4月
∼ 16年10月
応用制御系の組込み
計算システムとの統合作業
(1)準備作業
2.動作
確認・
調整
サブプログラム単位で
(2)単体・結合テス の動作確認
ト及び調整
プログラム結合動作確
認及び調整
(3)評価
3.イン
ストー
ル作業
テスト用データ作成
(1)導入計画・作業
(2)動作確認
16年9月
∼ 16年12月
表記単位・データ
チェック
定式化の検討
GUI設計(震動台モデル)
GUI構築(震動台モデル)
17年2月
基本システム
完成
三次元地震動データベースの整備
防災科学技術研究所
阿部
-19-
健一
三次元地震動データベースの整備
文部科学省「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」
東 大 震 研
三次元地震動データベースの
整備
京大防災研
(独)防災科学技術研究所
統計的手法による大地震強震動波形の
予測及び三次元地震動データベース化に
関する研究(防災科研:阿部健一)
平成15年度報告
1.模擬地震動作成の現状の評価及び改善事
項の調査
2.振幅と位相の成分間差異に基づく地震動推
定のための統計的手法の構築
3.E-ディフェンスでのデータベースインターフェ
イスシステムの骨子の構築
2.振幅と位相の成分間差異に基づく地
震動推定のための統計的手法の構築
z 地震動データの収集
国内記録で観測期間が長く、K-NETを補完す
るリファレンスデータとなるもの
◎電力中央研究所強震観測網
◎KASSEM観測網
(H17成果)
Eデイフェンス3次元地震
動データベースシステム
三次元地震動データベース化
Eディフェンス対応/
ディフェンス対応/国内データ収集(電中研/KASSEM)
国内データ収集(電中研/KASSEM)
統計的手法による強震動波形予測
位相評価(Wavelet
解析)//3成分差異検討
位相評価(Wavelet解析)
三次元地震動データベースの構築
(プログラム開発・システム構築)
K-Net,KikNet,Kik-Netデー
Netデー
タ,震研・海外データ
特性値整理・
サイト構造調査
三次元強震動波形推定の研究
経験的グリーン関数法/
経験的グリーン関数法/統計的グリーン関数法/
統計的グリーン関数法/三
次元差分法/
次元差分法/ハイブリッド法
大阪・濃尾・関東各平野の強震動
波形推定
震動台施設へのデータベースシステム導入
防 災 科 研
平成16年度シンポジュウム
─ 震動台活用による構造物の耐震性向上 ─
標準波形推定法・
標準波提示/
標準波提示/加震
限界波形提示
今後の展開
DB地震動のグリーン関数化
DB地震動のグリーン関数化
指定サイトの地震動波形
1.模擬地震動作成の現状の評価及
び改善事項の調査
●
●
フーリェ位相スペクトルをωで微分した群遅延
時間
dφ(ω)
Tgr (ω) =
dω の検討。
サイト特性によるウェーブレト係数の検討
α
g
α j , k ,i =
o
j , k ,i
S (ω ) j , i P (ω ) j , i
離散ウェーブレトによるウェーブレト展開
f (t ) = Σ j Σk α j ,k ψ j ,k (t )
α
j ,k
=
∫
∞
−∞
ψ
アナライジングウェーブレット
j ,k
ψ (t )
ψ j , k (t ) = 2 ψ ( 2 t − k )
j/2
*
(t ) f (t ) dt
j
j
離散的な平行移動( k / 2 の形で時刻)
とスケール変換(jはスケール)
離散ウェーブレットの直交性
1.0
ψ (t )
0.5
0.0
-0.5
-1.0
-4
-2
0
2
4
Time(sec)
1.0
0.8
z 離散型ウェーブレット変換解析ツールの開発
∧
ψ (ω )
0.6
0.4
0.2
0.0
-10
-5
0
ω
5
10
1
Input wave
400
200
600
0
400
Amplitude
Amplitude
600
-200
-400
30
40
20
30
40
j=8: 1.04Hz<f<4.16Hz
0
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
-200
0.0
0
10
Inverse wave
Input wave
0
20
30
10
AMplitude
10
-200
-400
j=7: 0.52Hz<f<2.08Hz
0
40
20
Time(s)
30
40
j=7: 0.52Hz<f<2.08Hz
200
0
-200
1.0 2.0 3.0
Frequency(Hz)
0
10
20
30
40
10
E j = ∑k α j , k
∞
2
20
10
4
10
3
10
2
10
1
10
0
30
40
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
0
¦pusai(f)¦
0
AMplitude
0
-100
¦pusai(f)¦
j=9: 2.08Hz<f<8.33Hz
100
Amplitude
alfa_jk
20
Time(s)
0
Power spectrum
Wavelet spectrum
0
-1
10
0.1
2
3
4
5 6 7 89
1
2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
3
4
5 6 7 89
10
2
4
8
12
Frequency(Hz)
j=8: 1.04Hz<f<4.16Hz
200
0
-200
2
4
6
Frequency(Hz)
0
AMplitude
200
10
¦pusai(f)¦
alfa_jk
200
0
-200
-400
alfa_jk
0
Inverse wave
200
10
20
30
40
j=9: 2.08Hz<f<8.33Hz
100
50
0
-50
-100
0
10
20
30
40
Frequency(Hz)
3.E
3.E-ディフェンスでのデータベースイン
ターフェイスシステムの骨子の構築
三次元地震動データベース構築に関
する研究(東大震研:工藤一嘉)
z 加振限界性能線図からみた加振可能波数の
検討
z 地震動の速度と加速度の軌跡の検討
z 三軸同時加振を実施した場合の入力地震動
による消費油量の検討
z 加振限界性能線図(単一正弦波)と地震動特
性との比較検討
平成15年度報告
1.データ登載用プログラムの開発
2.データ検索の機能追加
3.強震記録が得られたサイト特性の把握
4.地震動特性値搭載のための調査
1.データ登載用プログラムの開発
2.データ検索の機能追加
z
サーバにアクセス
カテゴリ検索、詳細検索に加え地図検索機能追加
ファイルを選択し送信
地震発生時刻入力画面を送信
地震発生時刻を入力し送信
ファイル読み込み
地震IDの取得
ファイルを解析し、観測点コードを取得する
データベース検索
提供組織入力画面を送信
観測点機器設置場所IDの取得
入力された時刻に適する地震IDを取得
データベース検索
提供組織を入力し送信
観測点コードをもとに観測点機器設置場所ID
を取得する
データベース検索
提供ネットワーク入力画面を送信
提供ネットワークを入力し送信
ディレクトリ選択画面を送信
入力された組織に含まれるネットワークを検索
コマンドファイルの作成
入力された震源情報をもとにフォーマット変換
プログラムを実行するコマンドファイルを作成
サーバ内ディレクトリ検索
する
入力された組織・ネットワークのデータが格納されるディ
レクトリ内を検索し、ディレクトリの一覧を取得
コード変換
サーバ内ファイル検索
ファイル選択画面を送信
フォーマット変換
データベース
ディレクトリを選択し送信
入力されたディレクトリ内を検索し、ファイルの一覧を
取得
Shift-JIS、改行コードの変換
データベースに登録
(Windowsフォーマットに)
ファイルを選択し送信
地震研究所旧タイプの強震記録、COSMOSデータベースの強
震記録、気象庁強震記録を統一フォーマットに変換するプログ
ラムを作成し、データベースに搭載するためのソフトウエアの開
発を行った。
2
3.強震記録が得られたサイト特性の把握
Eディフェンスで使用頻度高いと予想される観測記
録のサイト特性調査(2002Denal,Alaska地震)
z
z
Legend
FA
USG
Highways
Fairbanks
FA02
Fault s
Mentasta
PS11
PS10
PS09
Fairbanks
Rupture zone
!(
!( !( 8022
2797
SM Sit es
2767
!(
Ps08
S
1.4
!(
02
Carlo
!(
Ps09
!(
Ps10
!(
PS1
PS0
9
PS1
0
Ps11
Mentasta Lake
ME
!(
1
2723 8034
!( 2784
Ps12
!(
NT
図5 強観測点・調査地点(USGS(2003)2)
Velocity (cm/sec)
に加筆)。
10
F A 0 2 -N S
1.2
Alaska
1
0
Mentasta
PS11
-10
PS10
PS09
-20
Fairbanks
-30
Depth (m)
!(
Phase Velocity (km/sec)
R109
0.8
0.6
0.4
-40
F A 0 2 -E W
0
-60
-70
0.2
-80
-90
0
5
-1 0
10
P S 0 9 -N S
10
30
-100
0
Frequency (Hz)
-1 0
10
Eディフェンスへの搭載
のための加速度記録
から速度・変位の評価
法の調査
-50
0
-1 0
10
4.地震動特性値搭
載のための調査
P S 0 9 -E W
0 0.4 0.8 1.2 1.6 2
PEER Strong Motion
Database10)における処
理の流れ
0
-1 0
100
50
0
-5 0
-1 0 0
100
50
0
-5 0
-1 0 0
10
S-wave velocity (km/sec)
P S 1 0 -N S
図 13
P S 1 0 -E W
調査 5 地点での位相速度と逆解析から推定された Vs 構造。
P S 1 1 -N S
0
-1 0
10
P S 1 1 -E W
0
-1 0
0
20
40
60
80
100
120
140
T im e (se c)
図6 強震記録(速度波形)
三次元強震動波形推定に関する研究
(京大防災研:入倉孝次郎)
平成15年度報告
1.三次元強震動推定手法の構築
2.濃尾平野における検証
3.大阪平野における補足
1.三次元強震動推定手法の構築
①経験的グリーン関数法
②統計的グリーン関数法
濃尾平野におけ
る検証
内陸活断層地震
(濃尾地震、三河地震)
プレート境界地震
③3次元差分法
④ハイブリッド法(②+③)
(東南海地震)
大阪平野におけ
る補足検討
プレート境界地震
(南海・東南海地震)
2.濃尾平野における検証
濃尾地震によるAI003(
津島))の想定地震動
濃尾地震によるAI003(津島
内陸活断層地震
(濃尾地震)
Mikumo and Ando
の断層モデル
(1976)
設定した非一様モデル
シミュレーションのための合成パラメータ
想定断層と対象サイト
3
プレート境界地震
(東南海地震)
3.大阪平野における補足(南海・東南海地震)
東南海地震によるAI003(
津島))の想定地震動
東南海地震によるAI003(津島
OSK005(大阪市:右図)
OSK007(羽曳野:左図)で
(羽曳野:左図)で
OSK005(大阪市:右図)OSK007
合成された南海・東南海地震波
大阪平野の基盤岩深度分布モデル
(左)と用いた調査点(右)
中央防災会議による南海・東南海地震
を4枚の矩形断層でモデル化したもの
3次元差分法による大
阪平野の最大速度分布
4
最近の地震被害と入力地震動について
東京大学地震研究所
助教授
-23-
工藤
一嘉
最近の地震被害と入力地震動について
―概要―
東京大学地震研究所
工藤一嘉
1.はじめに
1995 年兵庫県南部地震後に、防災科学技術研究所による K-NET(約 1030 地点),KiK-net(約 660
地点),気象庁震度観測網(600 地点)、地方自治体による震度観測網(約 2800 地点)などが設置整備され
たことは極めて画期的なことであり、最近の被害地震では多くの強震記録が得られている。しかもデ
ータがほぼ即時に入手できる K-NET,
KiK-net、あるいは気象庁、港湾空港技術研究所、建築研究所
のデータ公開により、震源逆解析や地震動と被害の関係などの研究に速やかに利用され、強震動研究
に極めて精緻な議論を可能にし、研究の発展に大きく寄与している。
最近の強震記録は概して大きな加速度値を呈している。例えば、宮城県北部地震の前震で鳴瀬町役
場の震度計が 3 成分合成で 2037.1 ガル(纐纈・他,2004;波形記録は余震群のため上書きされて失わ
れたため、詳細は分からないが、東西成分だけが 2000 ガルを超えており、何か特異な現象が起きて
いたのではないか)、をはじめとして同地震の鹿島台役場で 1631.9 ガル(これも特異な現象か;纐纈・
他、2004)、1997 年 3 月の鹿児島県北西部地震の 727.3 ガル(K-NET 出水)、5 月の地震で 902.1 ガル
(K-NET 宮之城)、2000 年鳥取県西部地震で 927.2 ガル(KiK-net 日野)、2001 年芸予地震で 831.9 ガ
ル(K-NET 湯来)、2003 年宮城沖地震で岩手県住田(KiK-net)の 1280 ガル(上下動のパルス)をは
じめ牡鹿、釜石(K-NET)などで重力加速度を超えており、2003 年十勝沖地震では広尾(K-NET)
で 973 ガルなどと軒並み重力加速度に近い、あるいは特異としてもそれを超える加速度が観測されて
いる。勿論高レベルの加速度が直接大きな被害へと結びつくものではないことは、1993 年釧路沖地
震(釧路気象台で 918.1 ガル)あるいは 1993 年北海道南西沖地震余震の臨時観測(乙部町での 1560
ガル)などで経験している事柄ではある。しかし、三次元振動台への入力としては十分考慮しておく
必要があるのではないか。
サブダクションゾーンで発生する巨大地震の強震記録はこれまでにも 1968 年十勝沖、1983 年日本
海中部地震、1993 年北海道南西沖、1994 年北海道東方沖地震などで得られているが、2003 年十勝沖
地震のように密に観測されたのは初めてのケースである。先に述べたように観測された強震記録を用
いて、速やかに逆解析が行われ、強震動の特徴についても多くの報告がなされている。三次元振動台
にとっては長周期地震動の変位が大きいため、その特性を十分把握しておく必要があるのではないか。
国内の密度の高い観測網が整備されたことにより、断層近傍での観測記録が徐々に蓄積されてきた。
一方、海外でも 1999 年 8 月のトルコ、9 月には台湾でそれぞれ Mw7.4、7.6 の大地震が発生している。
また 2002 年 11 月 3 日にはアラスカで内陸の地震としては最大級とも言える Mw7.9 の地震が発生し、
それぞれ断層近傍での強震記録が得られている。地表断層の近傍で観測された強震記録の積分から変
位を求めると、断層の食い違い現象を良く示す、Fling Step(激しい段差の意味)が再現できたとの
報告が相次いだ。最終変位(永久変位)が台湾地震での TCU068(石岡)で NS 成分が約 7m、EW 成分
5m強、UD 成分 4m 弱が報告されている(例えば、Boore,2001)。三次元振動台入力としては極めて
重要であり、またそのままの入力の実現は一部不可能な地震動もあろう。
振動台への入力としては今後発生が懸念される地震動についても考慮の対象となろう。現実性の高
い地震動をシミュレーションする必要があるが、かなり高いレベルにまで発展しており、例を紹介し
ながら現状と将来を展望したい。
以上の主に4項目の問題点について議論したい。
2.最近の日本の被害地震と高レベル加速度記録について
表 1.日本付近で発生した主な被害地震(平成 8 年∼15 年)
死者・行
発生年月日 M 震央地名(地震名)
住 家 住 家 最大 最 大 加 速
方不明 負傷者 全壊 半壊 震度 度(ガル)
1997・3・26 6.6 鹿児島県薩摩地方
0
37
4
34
5強
727
1997・5・13 6.4 鹿児島県薩摩地方
0
74
4
31
6弱
902
1997・6・25 6.6 山口県北部
0
2
1
2
5強
421
被害 6弱
715
道路
1998・9・3 6.2 岩手県内陸北部
0
9
0
破損 6弱
*
2000・7・1 6.5 新島・神津島近海
1
-
0
15
*
197
2000・7・15 6.3 新島・神津島近海
0
14
0
7
6弱
500
6弱
428
破損
2000・7・30 6.5 三宅島近海
0
1
0
1
0
182
435 3,101 6強 749***
2001・3・24 6.7 芸予地震
2
288
70
774
6弱
2003・5・26 7.1 宮城県沖
0
174
2
21
6弱 1280
2003・7・26 6.4 宮城県北部
0
677
1276 3809 6強 1632
2
849
116
鳥取県西部 平成 12 年(2000 年)
2000・10・6 7.3 鳥取県西部地震
安芸灘 平成 13 年(2001 年)
832
釧路沖 平成 15 年(2003 年)
2003・9・26 8.0 十勝沖地震
368
6弱
973
*
(気象庁資料 の人的被害のあった地震から作成,M>6.0, 震度 5 強以上,最大加速度を挿入)
*)
人的被害と物的被害は総務省消防庁による
**)
この 6 弱は震度計か?波形データ(新島)では 5 強
***)
は気象庁境港市、KiK-net,TTRH02 では震度7相当、PGA=927ガル
1995 年兵庫県南部地震以降のここ 10 年では多くの人的被害を伴う地震は発生していないが、何ら
かの人的被害のあった地震は約 45 あり(気象庁, http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/higai/
higai1996-2003.html)、そのうち M が 6.0 以上で、かつ震度が5強以上か観測された地震はおおよそ
下に示す通りである(最大加速度と最大震度の観測位置は必ずしも同じではない)。大きな加速度が
観測されても被害は必ずしも大きくないことは以前からも指摘されているが、最近の地震はほとんど
がその例とも言える。その理由の幾つかの可能性を指摘してみると、1)観測点が多くなったため、
断層近傍や地表での増幅が大きくなる場所での観測記録が得られるようになった、2)計測器の守備
範囲が高周波数に延びた、3)1999 年台湾地震で指摘された地震計台座の問題(Wen et al,2001)に
類したこと、などが考えられる。境有紀氏は震度と被害の相関の悪さも指摘している(例えば、境・
他、2002)。1997 年 5 月鹿児島県北西部地震の最大加速度を記録した宮之城の加速度とその積分波形、
加速度応答スペクトルを図 1 に示すが、0.5 秒以下の成分が支配的であり、この短周期成分が高レベ
ルの加速度に寄与している。
図 1.1997 年鹿児島県北西部の地震(5 月)による宮之城(K-NET)で地震動と加速度応答スペクト
ル。近傍で 3 月の地震で中破程度の被害を受けた校舎が 5 月の地震で大破した。
3.長周期の地震動
2003 年十勝沖地震は M8 の巨大地震であったため広域にわたって鉄道・道路や、液状化による
被害が発生したが、住宅等建物被害は比較的軽微であった(日本地震工学会・他、2003)。しかし、
苫小牧での石油タンク火災が発生し、その原因と考えられる石油タンクのスロッシングを誘発した周
期数秒-10 数秒の地震動が注目された。地震のスケーリング則から、M が大きい地震では長周期の地
震動が大きくなることは当然理解されていることではあるが、このような長周期地震動による顕著な
被害は、わが国では 1983 年日本海中部地震による秋田・新潟、1964 年新潟地震以来である。
しかし、この長周期の地震動は全ての場所で問題となるわけではない。先述べた最近の強震観測
網を用いて、消防研の畑山・座間(2003)は図2に示すように広域での長周期地震動強さの分布を求
めている。長周期の地震動が十勝平野、釧路平野、勇払平野、石狩平野など、大きな平野で顕著に高
いレベルになっていることが分かる。平野部での厚い堆積層の影響を受けたためであることは想像に
難くない。苫小牧では継続時間が極めて長い地震動が観測されている。
速度応答スペクトル(h=1%)の周期別コンター
図2.2003 年十勝沖地震による長周期地震動を対象とした速度応答スペクトル(h=1%)の周期別コン
ター(畑山・座間,2003 による)
4.Fling step について
この言葉が一般性を持つのかは定かではないが、断層近傍で観測された強震(加速度)記録を 2
回積分して変位を求めると、急傾斜の段差状となることを指しており、その終局的な変位が、断層変
位あるいは地殻変動から求められた変位と同等の値を示すことが知られている。これは近年の
Pre-event memory のあるデジタル強震計記録で分かることであり、1985 年メキシコ地震での震源域の
記録に適用された(Anderson et al., 1986)のが著名である。先駆的検討は Iwan et al. (1985)による
baseline correction にある。しかし、大きく注目されされたのは 1999 年台湾地震、1999 年トルコ地震
であろう。台湾地震に関する Boore (2001)の検討を図3に示す。
図3.台湾地震の強震記録から得られた Fling Step,Boore (2001)による。
この例(図 3)は特別な Baseline Correction を施さずに得られているが、特に変動(変位)が大きかった
TCU068(石岡)の記録には基線補正が必要であった(図 4)。これは計器の個々の特性によるもので、
震動台への入力としては一考を要する問題であろう。但し、Boore (2001)の検討では、基線補正の影
響は周期 20 秒以下の応答には影響しないので工学上大きな問題ではないかもしれない。
基線補正の有効性は計測器の精度ととも関わるが、わが国の観測例は乏しい。地表にメートルオー
ダーの変位が現れた近傍での強震記録がないためでもあるが、図 5 は 2000 年鳥取県西部地震で気象
庁米子市博労町での記録を 2 回積分して求めた変位を比較的短い時間で打ち切ったものであるが(基
線補正を十分には実施していないため)ステップ状の変位は NS 成分が 15cm 程度、EW 成分の後半
の上昇をノイズと見ればやはり 15m 程度、上下が 3cm 程度である。従って、水平変位は北東方向に
20cm 程度になる。鷺谷・他 (2002)による強震観測点の近傍での地殻変動結果は北北東に約 15cm 程
度であり、概略調和的である。強震計の精度と補正の技術が向上すればセンチメートルオーダーの変
位も検出できるかもしれない。
図 4.Boore (2001)による TCU068 記録の基線補正と永久変位
図 5.2000 年鳥取県西部地震の米子(JMA)での基線補正をほとんど行わずに求まる変位。誤差を十
分に考慮する必要があるが、地殻変動データと概略調和する。
5.強震動予測
振動台入力は過去に観測された地
震動の他に、将来発生する大地震動の
検討も重要であろう。地震動予測は現
実性が可能な限り高くする必要がある
が、震源そのもの想定は別として、震
源が想定された時に予測地震動の現実
性あるいは精度の目安は、過去の地震
動をどの程度再現できるかにかかって
いる。図 6,7 は 2003 年十勝沖地震で
の観測点位置と三次元差分法によるシ
ミュレーション波形と観測波形(速度)
を 比 較 し た も の で あ る ( Aoi, et al.
図 6.2003 年十勝沖地震の強震観測およびシミュレ
2004)。
ーションを実施した位置
図7.Aoi et al. (2004)による 2003 年十勝沖地震のシミュレーションと観測波形(速度)の比較。
図 7 の比較で理解されるように、シミュレーション結果は極めてよく観測を再現していることがわか
る。グループ C は厚い堆積層のある地区のシミュレーションで他のグループに比べて観測との調和
性が若干劣っているが、これは地下構造が十分把握されていないことによるものであり、シミュレー
ション技術の問題ではない。地下構造調査はこの意味において必要不可欠な資料である。なお、この
ような巨大地震の場合には 5 秒程度以下の地震動については、別途の推定手法を適用する必要がある。
適当な小地震記録がある場合には経験的グリーン関数法が有力であり、記録がないあるいは広域の予
測などには統計的グリーン関数法による推定が有力視されている。
謝辞
青井
真(防災科技研)氏、畑山
健(消防研)氏からそれぞれ図をご提供いただいた。K-NET,
KiK-net,気象庁強震波形データを利用させていただいた。これらの方々、機関に厚く御礼申し上げる。
参考文献
Aoi, S., R. Honda, N. Morikawa, H. Sekiguchi, Y. Hayakawa, and H. Fujiwara (2004). 3-D Finite Difference
Simulation for the 2003 Tokachi-oki Earthquake, Program and Abstract ‘Strong Ground Motion Prediction
and Earthquake Tectonics in Urban Areas, 121-124.
Anderson, J. G., P. Bodin, J. Brune, J. Prince, S. Singh, R. Quaas, M. Onate, and E.
Mena, (1986).
Strong
ground motion and source mechanism of the Mexico earthquake of Sept. 19, 1985, Science 233, 1043-1049.
Boore, D. (2001). Effect of Baseline Corrections on Displacements and Response Spectra for Several
Recordings of the 1999 Chi-Chi, Taiwan, Earthquake, Bulletin of the Seismological Society of America 91, no.
5 (2001): 1199-1211.
畑山 健・座間信作 (2003). 2003 年十勝沖地震の際の長周期地震動
http://www.fri.go.jp/bosai/tokachi_lpgm.html. (地震2に投稿中)
Iwan, W. D., M. A. Moser, and C-Y. Peng (1985). Some Observations on Strong-Motion Earthquake
Measurement Using a Digital Accelerograph, Bull. Seism. Soc. Am, 75, 1225-1246.
纐纈一起・引間和人・古村孝志・福島美光(2004).宮城県北部連続地震の震源過程と強震動、2003
年宮城県北部の地震による地震災害に関する総合的調査研究(代表源栄正人代表),49-56.
日本地震工学会・他
(2003).2003 年(平成 15 年)十勝沖地震被害調査報告会
概要集。
境有紀, 纐纈一起, 神野達夫, 建物被害率の予測を目的とした地震動の破壊力指標の提案, 日本建築
学会構造系論文集, 第 555 号, 85-91, 2002.
鷺谷
威・西村卓也・畑中雄樹・福山栄一・Ellsworth, W. L. (2002). 2000 年鳥取県西部地震に伴う地
殻変動と断層モデル,地震2,54,523-534.
Wen, Kuo-Liang ; Peng, Han-Yih ; Tsai, Yi-Ben ; Chen, Kuo-Chang (2001). Why 1G Was Recorded at
TCU129 Site During the 1999 Chi-Chi, Taiwan, Earthquake, Bulletin of the Seismological Society of
America 91, no. 5 (2001): 1255-1266
性能設計の導入と E-ディフェンスへの期待
東京工業大学
教授
川島
-31-
一彦
鉄筋コンクリート建物実験
RC 建物実験委員会
-37-
[目的]
実大三次元震動破壊実験施設を活用し、RC建物の耐震性向上を図る
[研究計画]
◇第Ⅰ期(平成14年度∼平成16年度)
・E−ディフェンスの有効活用に向けての準備研究
・既存の振動台を活用した震動実験
◇第Ⅱ期(平成17年度∼平成18年度)
・E−ディフェンスによる実大規模実験
大都市大震災軽減化プロジェクト
Ⅱ.「震動台活用による耐震性向上研究」
[委員会構成]
防災科学技術研究所
壁谷澤寿海(客員)(東京大学地震研究所)
松森泰造
加藤 敦
陳 少華
東京大学地震研究所
壁谷澤寿海
真田靖士
豊橋技術科学大学
倉本 洋
斉藤大樹
建築研究所 勅使川原正臣(名古屋大学) 福山 洋
京都大学
田中仁史
河野 進
大林組
勝俣英雄
白井和貴
鹿島建設
五十嵐克哉
鈴木紀雄
田上 淳
清水建設
長谷川俊昭
大成建設
長島一郎
RC建物実験に関する研究
RC建物実験委員会
委員長:壁谷澤寿海
(東京大学地震研究所)
委員長:壁谷澤寿海(東京大学地震研究所)
耐震壁フレーム構造の動的破壊メカニズムの解明
独立行政法人 防災科学技術研究所
[研究分担]
防災科学技術研究所
・既存1次元振動台による動的破壊メカニズムの解明
・3次元動的シミュレーション解析システムの開発
・E−ディフェンスによる実大建物の三次元震動破壊実験計画
東京大学地震研究所
・脆性破壊する構造物の解析手法の開発
豊橋技術科学大学
・連層耐震壁の動的挙動と静的挙動の比較に関する研究
建築研究所
・耐震壁立体フレーム構造の水平力分担に関する研究
京都大学
・耐震壁浮き上がり挙動を再現する振動台実験に用いる動的試験
デバイスの開発
鹿島建設
・歪速度効果を考慮した柱部材の3次元解析モデルの開発
清水建設
・三次元動的解析のためのコンクリート構成モデル
大林組
・既存3次元振動台による多方向入力振動台実験
2003.03実施
ロードセル
2.0 m
・3×2スパン6層
・1/3縮小モデル
・1方向加振
・1体
(E−ディフェンスで行う試験体と同じ形状)
鉄筋コンクリート造連層耐震壁の動的挙動と静的挙動の比較
に関する研究
豊橋技術科学大学 倉本 洋、秋田知芳、島崎伸彦
壁谷澤寿海 壁谷澤寿一 村瀬正樹 金鎭坤 松森泰造
本研究の目的 > 耐震壁の動的挙動に及ぼす静的影響因子の検討
Y3
800
Y2
2.0 m
履歴曲線
せん断力(kN)
Y1
X2
平面図
1400
350
累積入力エネルギー(変位計)
累積入力エネルギー(加速度計)
累積入力エネルギー(解析)
累積履歴消費エネルギー(解析)
1200
1000
250
-800
-0.04
Wall-AS
100
400
50
200
0
0
1
2
3
4
5
6 7
run
8
9
10 11
試験体B
試験体A
0.04
Wall-BS
0.06
試験体A
動的解析
600
200
0
-200
-400
実験
解析
-600
1
2
3
run
4
5
6
-800
-0.008 -0.006 -0.004 -0.002 0.000 0.002
部材角(rad)
累積入力エネルギー量の推移
試験体A
0.00
0.02
部材角(rad)
400
150
600
実験
解析
-0.02
800
200
800
0
-200
-600
累積入力エネルギー(変位計)
累積入力エネルギー(加速度計)
累積入力エネルギー(解析)
累積履歴消費エネルギー(解析)
300
200
-400
最上階の最大応答変位
せん断力(kN)
1.8 m
X1
静的解析
試験体A
600
400
W2
入力エネルギー(kN m)
4.0 m
検討事項:
・耐力と変形能の検証
・耐震壁の破壊性状
・柱と壁の水平力分担
・高次モードの影響
・損傷の分布
・反力の推定
・1×2スパン6層
・1/3縮小モデル
・1方向加振
・2体
(基礎完全固定)
(基礎浮き上り)
異なる地震動を受ける偏心RC壁フレーム構造の震動実験
東京大学地震研究所・防災科学技術研究所
W1
2004.09 実施予定
試験体B
《耐震壁の静的加力実験》
0.004
0.006
0.008
《解析的検討》
1
耐震壁立体フレーム構造の水平力分担に関する研究
独立行政法人建築研究所 福山、斉藤、加藤、楠
名古屋大学工学部
勅使川原
耐震壁浮き上がり挙動を再現する振動台実験
に用いる動的試験デバイスの開発
京都大学 田中仁史・河野進・渡邉有香子・坂下雅信
ベース シアー[k N]
30 0
0
保有水平耐力
計算値415kN
- 30 0
- 60 0
- 10 0
-5 0
0
50
100
ベー スシア ー[k N]
KOBE50
60 0
30 0
0
- 30 0
- 60 0
- 10 0
-5 0
0
50
100
ベー スシア ー[k N]
6 00
ELC E37
- 6 00
- 10 0
-50
0
50
10 0
•
上記解析結果を模擬できるようなバネ要素の剛性・配置
を数値解析モデルで求めた。
•
③
解析モデルで求めた剛性を有するゴムシムを十字型直動
転がり支承に挿入したデバイスを製作し,動的載荷試験
を実施し性能評価を行った。
頂部変形[mm ]
KOB E75
6 00
3 00
0
- 3 00
- 6 00
- 10 0
-50
0
50
10 0
頂部変 形[mm]
上部構造
③
側面粘性境界
基礎 梁
1.5 1.5
3
ベース シアー[kN]
40 0
0
保有水平耐力
計算値739kN
- 40 0
- 80 0
-2 50 - 15 0
80 0
-50
50
150
250
頂部変形[mm]
TAKA 250
40 0
0
- 40 0
- 80 0
-2 50 - 15 0
-50
50
150
250
ベース シアー[kN]
80 0
FKOB E50
ベース シアー[kN]
ベース シアー[kN]
1
1
入力波
実大相当速度(m/sec)
基礎回転
単点加力
東北大
0.25
El Centro
0.37
JMA Kobe
0.50
JMA kobe
0.75
基礎固定
単点加力
JMA Kobe
0.50
JMA Kobe*
0.75
JMA Kobe
0.75
鷹取
2.50
静的加力
9/27
9/29
9/30
10/9
10/10
10/10
②
0
- 3 00
基礎回転
加力履歴
8/29
9/19
9/20
9/22
9/23
想定建築物の地盤・基礎・上部構造をモデル化し、2次
元有限要素解析により上部構造の応答を求めた。
3 00
頂部変形[ mm]
試験体立面図
実験日
•
①
80 0
自由地盤
22
150kN±100kN (0.1Hz)
200kN±50kN (0.1Hz)
200kN±100kN (0.1Hz)
300kN±100kN (0.1Hz)
350kN±50kN (0.1Hz)
静的載荷
杭
40 0
0
y
400
4 1
2.5 2.3
- 80 0
-2 5 0 - 15 0
80 0
500
自由 地盤
周辺地盤
- 40 0
x
-50
50
150
5
250
10
頂部変形[mm ]
静的加力
5
3 3 2.5
21
2.4 2.3
工学 的基盤
2.5
2.3 2.4 2.3 2.5
14
底面 粘性境界
3 3 5
21
5
10
入力 地震波
①
40 0
0
上部構 造
- 80 0
-2 5 0 - 15 0
-50
50
150
水平ば ね要素
y
250
頂部変形[mm ]
x
300kN±100kN近似式
Pv = -688 + 136δv
R = 0.992
200
0
鉛直ば ね要素
②
基礎固定
300
100
基礎梁
- 40 0
頂部変形[mm]
*加力装置の不具合のため途中で中止
FKOB E75-2
鉛直荷重Pv[kN]
1000
1000
1000
1000
TOH25
60 0
頂部変形[ mm]
1000
10 00
1000
6000
1000
1000
1000
1000
1800
1000
6000
2000
ベース シアー[k N]
業務の要約
2000
0
1
2
3
4
5
6
鉛直変位δv[mm]
7
8
入力地 震動
実大鉄筋コンクリート建物の三次元動的解析のための
コンクリート構成モデル:ベンチマーク有限要素解析
清水建設技術研究所 長谷川俊昭
歪速度効果を考慮した鉄筋コンクリート造柱部材の3次元解析モデル
鹿島建設 鈴木、田上、永井、金子、高橋、丸田
目的:RC柱部材の破壊形式・変形能・エネルギー吸収能に及ぼすひずみ速度影響を把握
対象構成モデル
M/Qd
M/Qd S-1・D-1 S-2・D-2 S-4・D-4
=1.8 (曲げ型) (曲げ型) (曲げ型)
S-3・D-3
M/Qd
M/Qd
=1.2
„ 強度上昇
- 6.9~9.5%上昇(曲げ
型)- 11.3%上昇(せん断
型)
„ 破壊形式・変形能
- 顕著な差違なし
„ 履歴吸収エネルギー
- 動的載荷で大
実大鉄筋コンクリート建物の3次元動的解析システムの開発
独立行政法人防災科学技術研究所 陳少華
Y
6
5
2
1
1
2
4-D13
n+2
…
2
n
3n+5
2n
3n+6
2nsx+3
2nsx+nsy+2
2nsx+4
2nsx+nsy+3
X
N2= (1+S)/2
φ4@80
nsx+1
…
…
…
…
2n+6 n+1
N1=(1-S)/2
Local coordinates
n+4
…
2
1
…
1
2n+5
P
2nsx+nsy+1
3n+4
300
3
1
n+5
h
S=1
Natural coordinates
2nsx+2nsy
n2
2
…
n+6
…
2nsx+2
4n+4
2n+4
4
dc
b
Shear span 1150
Element
3
1150
250
300
650
Load(KN)
Element
2
300
Element
1
60
0
40
0
20
0
S7
P
0
0
-20
0
-40
0
-60
ベンチマーク有限要素解析結果の例
6
4
2
0
-2 0 2 4
6 8 10 12 14
3.0
1.5
σ yy fc
2.5
2.0
σ xx σ yy = 0 −1
実験: 実験:σ xx σ yy = −0.50 −1
実験:σ xx σ yy = −1.00 −1
解析:σ xx σ yy = 0 −1
解析:σ xx σ yy = −0.50 −1
解析:σ xx σ yy = −1.00 −1
1.0
1.5
0.5
1.0
0.5
0
0
2 4 6 8 10 12
ひび割れひずみ εcr
引張:非線形破壊力学
に基づく固定多方向
ひび割れモデル
0
-2.0 -1.5 -1.0 -0.5
ひずみ
0
0.5 1.0 1.5
2.0 2.5
ε yy ε c0 ,ε xx ε c0 ,ε zz ε c0
2軸圧縮−圧縮解析
解析手法検証用解析
2層鉄筋コンクリート耐震壁試験体
ベンチマーク有限要素解析手法の例
2軸解析
せん断解析
有限要素メッシュ
埋込み鉄筋要素
E-Defenseによる
鉄筋コンクリート建物実験計画
実験計画
Defenseによる鉄筋コンクリート建物
…
S=0
S=-1
Z,w
8
圧縮:Drucker-Prager
型弾塑性ひずみ硬化
軟化モデル
結論
X,u
10
等価塑性ひずみ κ(×10-3)
(せん断型)
Y,v
12
引張応力 σ(N/mm 2)
c(
κ)
軸力比
0.3±
0.3±0.2
相当粘着応力
軸力比
0.3
(N/mm2)
実験変数
軸力比
0.1
2003年度
① 実大実験における検討項目の整理。
② 実験パラメータの設定。
③ 試験体(上部構造)の基本設計。
④ 実験実施に関わる検討必要課題の整理。
2004年度
① 上部構造の詳細設計。
② 運搬計画、吊り治具。
③ 基礎廻りの設計(固定方法、応力計測)。
④ 倒壊防止工の設計。
④ 計測計画。
⑤ 仕上げ、非構造部材の計画。
0
-70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0
10 20 30 40
Displacement(mm)
50 60 70
2
実大実験における検討項目 その1
特に関連する設計法/解析手法 検討内容
1.
連層耐震壁の破壊
・耐震壁の曲げ降伏後のせん断破壊
・境界梁、直交梁の損傷
・耐震壁の曲げ、せん断強度式
・縮小実験と挙動(せん断力係数、損
傷・破壊状況など)が若干異なる
・部材のせん断強度式
・付着強度式
・ひび割れ幅評価式
2.
スケールエフェクト
3.
ダイナミックエフェクト
4.
柱、壁の軸崩壊
5.
多方向入力、繰り返し
入力
6.
剛性偏心、耐力偏心
・寸法効果の影響
・曲げ、せん断強度式
・フレーム解析
・ねじれ振動
・偏心率
・時刻歴応答解析
・ねじれ応答性状
・剛床仮定の検証
・例えば、同じ入力レベルに対し、現行
基準により設計した試験体は崩壊せず、・許容応力度
旧基準による試験体は崩壊する。
・耐震壁の曲げ、せん断強度式
・フレーム解析
・D値法
・仮想仕事法
☆☆☆
☆☆☆
☆☆
・多方向入力の影響
・載荷経路の影響
・繰り返し入力の影響
8.
設計レベル
部材
☆☆
・部材の曲げ、せん断強度式
・FEM解析
・エネルギー法
・基礎の固定条件により、破壊モード
が異なる(例えば、基礎固定では耐震
壁の曲げ降伏後のせん断破壊、基礎
浮き上がりでは直交基礎梁のせん断
破壊)
☆☆☆
・柱や壁の軸崩壊時の挙動 (部材
レベル)
架構/部材
・脆性柱や壁の軸崩壊後の、残存す
る柱の軸力の変化 (架構レベル)
・柱、壁のせん断破壊
7.
耐震壁の基礎固定条
件
架構/部材
・載荷速度が部材の強度、靱性能に
及ぼす影響
架構/部材
・静的な実験(例えば、擬似動的実
験)との損傷、破壊状況の比較
・静的実験では得られない損傷、破壊
挙動の再現
・時刻歴応答解析
・載荷速度の影響による材料特性の変
化(例えば、鉄筋の降伏強度の上昇)
・独立柱、壁付き柱の軸崩壊
・外力分布、反曲点
・高次モードの影響
・大変形∼破壊に至る挙動
重要度
部材
架構
・基礎の固定/浮き上がりによる影響
・外力分布、反曲点
架構/部材
・高次モードの影響
・大変形∼破壊に至る挙動
・異なる設計レベル(基準の新旧、材
料強度など)による試験体の、耐震 架構/部材
性能の違いを比較
☆☆
☆☆
☆
E-Defenseによる
鉄筋コンクリート建物実験
実験
Defenseによる鉄筋コンクリート建物
耐震壁フレーム構造の破壊実験
6 階建て 高さ 18 m
2×3スパン = 10 m×15 m
総重量 約 800 ㌧
各年度 2 体ずつ。
Y
X
平面図
耐震壁
2005年度
新旧設計指針の比較。
・1970年代を想定した建物
・最新の設計指針による建物
2006年度
テーマは 耐震補強 。
・強度・靱性向上型耐震補強
・間柱型制震ダンパー付加型
試験体の吊り上げ計画
((株)大林組 技術研究所 勝俣英雄氏
現象/破壊モード
特に関連する設計法
検討内容
9.
耐震壁の不連続
・上下方向、水平方向の剛性不連続
・特定層(ピロティー階など)への損傷集中
・ねじれ振動
・剛性率
・偏心率
・上下の剛性が不連続な場合の挙動
・剛床仮定の検証
10.
補修後の耐震性能
・耐震性能の回復
・耐震診断
・補強用の設計式
・補修後の部材、および架構の耐震性能の
検証
11.
変動軸力
・変動軸力による柱や壁の曲げ、せん断挙動の変化
・MSモデル
・FEM解析
・変動軸力の影響
12.
上下入力
・スラブ、梁の上下振動による柱の軸力変動
・時刻歴応答解析(フレーム解析) ・解析における質点の与え方(節点集中質点、
13.
梁のねじり破壊
・スラブ、小梁の影響による梁のねじり破壊
・ねじり耐力式
・FEM解析
・梁のねじり破壊時の挙動
14.
柱梁接合部の破壊
・梁の偏心取り付けによる柱梁接合部の破壊
・FEM解析
・柱梁接合部の破壊時の挙動
15.
柱、梁の付着破壊
・柱、梁の付着破壊
・付着強度式
・FEM解析
・柱、梁の付着破壊時の挙動
・寸法効果
16.
2次部材
・スラブ、小梁、階段、バルコニーの損傷
・耐震スリットが剛性、耐力に寄与
・許容応力度
・フレーム解析
・スラブ、小梁、階段、バルコニーの挙動
・耐震スリットの影響
17.
建物什器
・什器の揺れ、移動、転倒
−
・震度階や過去の災害事例と、実験におけ
る什器挙動の対応づけ
18.
降伏変形
・各部材の降伏
・性能設計
・降伏時剛性低下率
・各部材の降伏変形の評価
・層の降伏変形の評価
19.
損傷評価
・各部材の損傷
・性能設計
・ひび割れ幅評価式
・FEM解析
・柱、梁、耐震壁の、変形とひび割れ幅の
関係
20.
センシング
・各部の変位、加速度、鉄筋歪みの計測
・柱脚部の軸力、せん断力、モーメントの計測
・ひび割れ状況、ひび割れ幅の計測
・その他損傷状態の検知
全般
・実大建物の応答の把握
・部材の応力、変形、損傷の関係
・加振中のひび割れと、加振終了時の残留ひび
割れの関係
21.
免震
・応答加速度の低減
・ねじれ応答
・転倒モーメントの影響による損傷
・限界耐力計算
・時刻歴応答解析
・等価線形化法
・エネルギー法
・免震建物の実挙動
・ねじれ応答
・アスペクト比が大きい免震建物の挙動
・スラブ、梁の上下挙動
梁中央集中質点、分布質量)の検証
試験体の運搬計画
(大成建設(株)技術センター 長島一郎氏
協力)
①1次移動
試験体ジャッキアップ
移動路敷設+推進ジャッキ設置
④3次移動
現象/破壊モード
項目
②2次移動
ジャッキ仮受け
移動路方向変え
推進ジャッキ設置
3次元震動台
実験棟
③振動台上設置
④3次移動
実験棟外へ移動
試験体解体
解体ヤード
③
製作ヤード
②2次移動
項目
実大実験における検討項目 その2
架構レベル/
部材レベル
油圧源棟
①1次移動
実験準備棟
協力)
天井クレーン2基相吊り
8m
PC鋼棒と油圧ジャッキを用いて
16箇所の支点で揚重
15m
揚重フレーム
(案)
試験体基礎梁周囲に
荷重受け梁を設ける。
3
地盤・基礎実験
地盤基礎実験委員会
-41-
大都市大震災軽減化プロジェクト
Ⅱ.「震動台活用による耐震性向上研究」
地盤・基礎実験
〔〔 研
研 究
究 目
目 的
的 〕〕
地盤・基礎構造物の地震時挙動の解明と
地盤・基礎構造物の地震時挙動の解明と
その耐震性の飛躍的向上
その耐震性の飛躍的向上
‹地盤・構造物の液状化等、破壊現象の実大実験データ蓄積
・地震観測では得られない実現象の把握
・大地震の被害調査では破壊過程が不明
(時刻的変化のデータが皆無)
‹数値シミュレーション手法の確立
独立行政法人 防災科学技術研究所 客員研究員
東京工業大学 教授
•現状の設計手法の実証・改良
•新工法,新技術の提案・実証
時松 孝次
研究テーマ
研究テーマと工程
Ⅰ.地盤-杭基礎の耐震性向上
① 地盤-杭基礎の三次元非線形動的相互作用の実験
② 地盤-基礎構造物系の三次元数値シミュレーションの研究
③ 地盤-基礎構造物系の耐震性向上新技術、新工法の開発
Ⅱ.側方流動に対する基礎の耐震性向上
① 側方流動に対する基礎の破壊メカニズム解明の実験
14
③ 側方流動に対する基礎の耐震性向上に関する新技術、
地盤の三次元挙動評価技術の開発
Ⅳ.E-ディフェンスでの地盤−構造物系実験ための施設整備
E−ディフェンスでの
地盤−構造物系実験ための施設整備
E−ディフェンスによる
実大土槽震動実験計画
Ⅴ.E-ディフェンスによる実大土槽震動実験計画
E−ディフェンスによる震動実験実施
研究実施体制
地盤-杭基礎の三次元非線形動的相互作用の実験
独立行政法人 農業工学研究所
地盤基礎実験委員会
委員長:時松孝次
(東工大教授、
防災科研客員研究員)
地盤-基礎構造物系の耐震性向上新技術、新工法の開発
大成建設
Ⅱ.側方流動に対する基礎の耐震性向上
側方流動に対する基礎の破壊メカニズム解明の実験
独立行政法人 土木研究所
側方流動に対する基礎の三次元数値シミュレーションの研究
東北大学、基礎地盤コンサルタンツ
施設整備検討SWG
実大土槽実験計画SWG
Ⅳ. Ⅴ.E−ディフェンス
実験計画、施設整備
側方流動に対する基礎の耐震性向上に関する
新技術、新工法の開発
地盤工学会(東京大学、東京電機大学など)
Ⅲ.地盤の三次元挙動評価技術の開発
地盤の三次元挙動評価技術の開発
東京工業大学、防災科研
18
地盤−基礎−構造物系の
地盤−基礎−構造物系の
三次元非線形動的相互作用の実験
Ⅰ.地盤-杭基礎の耐震性向上
地盤-基礎構造物系の三次元数値シミュレーションの研究
鹿島建設、竹中工務店
17
地盤地盤-杭基礎の耐震性向上研究
側方流動に対する基礎の耐震性向上
研究
Ⅲ.地盤の三次元挙動評価技術の開発
16
E-ディフェンスを利用した研究
② 側方流動に対する基礎の三次元数値シミュレーションの研究
新工法の開発
15
E-ディフェンス利用に向けた
ディフェンス利用に向けた基礎研究
基礎研究
平成15年度の目的
●2層系の地盤に設置された杭モデルの入力震動の多方
向性(水平1方向震動、水平面内2方向の同時加震、鉛
直震動と水平2方向震動)が地盤の液状化に与える影響
を明らかにし、杭と地盤の相互作用を明らかにする。
●数値解析グループの結果と比較検証するための地盤と
杭の基本的な挙動データを提供する。
手法
●杭端部が比較的剛性の高い地盤に設置されている杭
モデルの多方向震動実験を実施し、地盤と杭の挙動を
観測する。
1
成果
杭の曲げモーメント分布(飽和地盤)
地盤内の過剰間隙水圧の変化(飽和地盤)
1方向(NS)
2方向 (NS&EW)
1方向(NS)
3方向(鉛直)
2方向 (NS&EW)
Case: HCNSW32c1
Case: HCNSW32c1
Case: HCXYW33c1
GL-20
0.0
2
0.2
1
0
Max: 1.95 kPa
Max: 2.63 kPa
GL-40
Exccess PWP (kPa)
N-S Comp
N-S Comp
N-S Comp
0.4
Max: 2.1 kPa
Depth (m)
Exccess PWP (kPa)
GL-20
3
6.0
GL-40
GL-40
0.6
0.8
4.5
1.0
3.0
1.2
1.5
1.4
Max: 3.95 kPa
0.0
Max: 3.81 kPa
Max: 4.78 kPa
-0.14
-0.07
0.00
0.07
0.14-0.14
-0.07
0.00
0.07
0.14-0.14
-0.07
0.00
0.07
0.14
-0.2
10.0
GL-80
GL-80
GL-80
E-W Comp
0.0
E-W Comp
E-W Comp
7.5
0.2
5.0
0.4
Depth (m)
Exccess PWP (kPa)
Case: HC3DW34c1
-0.2
GL-20
2.5
Max: 4.27 kPa
0.0
Max: 6.83 kPa
Max: 8.99 kPa
12
GL-100
Exccess PWP (kPa)
3方向(鉛直)
Case: HCXYW33c1
Case: HC3DW34c1
4
GL-100
GL-100
0.6
0.8
1.0
9
1.2
6
1.4
3
-0.18
Max: 4.83 kPa
0
0
10
20
30
40
50
Max: 7.75 kPa
60
70
80
90
100 0
10
20
30
40
Time (s)
50
60
70
80
90
100 0
10
20
30
40
Time (s)
50
60
0.00
0.09
0.18-0.18
80
90
1. 0-10 sec
Max
Min; 2. 10-20 sec
3方向(鉛直)
Acceleration North (gal)
Case: HCXYW33c1
200
Case: HC3DW34c1
N-S Comp
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
100
50
0
-50
-100
-150
-4
0
4
8 -8
-4
0
4
-250
250 200 150 100 50
8
-0.2
E-W Comp
0.0
E-W Comp
E-W Comp
0
-50 -100 -150 -200 -250
Acceleration South (gal)
0.2
15
0.6
12
0.8
N75E
●破壊に至る挙動を確認する
液状化地盤、2層地盤モデル
9
Velocity West (sm/s)
1.0
1.2
1.4
-3
0
3
6 -6
-3
Axial Force (kN)
1. 0-10 sec
Max
0
3
6 -6
-3
Axial Force (kN)
Min; 2. 10-20 sec
Max
0
3
6
Axial Force (kN)
Min; 1. 20-30 sec
Max
Min
6
Velocity East (sm/s)
Depth (m)
Velocity North (sm/s)
0.4
-6
0.18
地表面部20cmの根入れモデルでの地盤と杭
の相互作用の影響を把握する
-200
1.4
8 -8
0.09
●根入れの影響の把握
1.2
4
0.00
Min
強軸方向の入力地震波の影響を検討する
Acceleration East (gal)
N-S Comp
Acceleration West (gal)
150
0
-0.09
Bending Moment (kNm)
Max
●入力振動の多方向性の影響把握
250
-4
0.18-0.18
Tokachi Eq. 1968, Hachinohe record XY direction, 0 - 30 sec
2方向 (NS&EW)
N-S Comp
-8
0.09
Min; 1. 20-30 sec
平成16年度の展開
-0.2
Depth (m)
Max
●杭の曲げモーメントの分布は2次のモードが卓越
●曲げモーメント最大値は、1方向振動よりも2方向振動(XY方向)の方が大きい
(液状化継続時間が長くなっていることなどが影響)
●さらに、鉛直振動を加えた3方向振動の方が大きい。
杭の軸力分布(飽和地盤)
0.0
0.00
Bending Moment (kNm)
100
Time (s)
Case: HCNSW32c1
-0.09
Bending Moment (kNm)
70
●1方向入力より2方向入力の方が液状化継続時間が長い。
●鉛直震動を入力した場合には、動水圧の影響によって大きな水圧が発生。
●鉛直震動を入力した場合には、液状化継続時間はXY2方向振動に比べて若干短く
なり、間隙水圧の消散は早くなる。
1方向(NS)
-0.09
Max: 9.92 kPa
3
0
-3
-6
強軸方向は、速度オービットのピーク&ピーク
の最大を与える方向とした。
-9
-12
-15
15 12
●杭に発生する軸力分布については、入力震動の多方向性の影響は小さい。
9
6
3
0
-3
-6
-9 -12 -15
Velocity South (sm/s)
●最大値では鉛直振動の影響が見られる。
強非線形地盤強非線形地盤-杭基礎構造物の三次元
数値解析に基づいた杭応力の特性
鹿島建設技術研究所・(農工研・竹中) 八幡夏恵子 鈴木康嗣 宮田章 桜庭和子
目的 3次元振動台実験の杭基礎の解析的再現技術の高度化
15年度の概要
要素数;約8000
„地盤モデル(14年度の地盤モデルを
修正した)によるシミュレーション解析
UD
EW(y)
NS(x)
短周期モデル
やや長周期モデル
(解析では剛基礎)
„短周期モデルの1入力(NS)、 2入力
(NS,EW)のシミュレーション解析の
比較
■杭・液状化モデルの解析実施ケース
短周期モデル;
NS,NS_EW,NS_EW_UD入力の解析
長周期モデル:
NS, NS_EW入力の解析
„有効応力解析コード;Dynaflowによる
3次元FEM
地盤の加速度と水圧波形の実験・解析の比較
1入力
2
80 cm/sec
実験 0
-80
150
解析 0
-150
GL.-0.1m
1入力
0
12000
実験
2入力
2入力
2
80 cm/sec
実験 0
-80
150
解析 0
-150
0
解析
12000
1入力
0
12000 2入力
Pa
0
0
5
入力波
250
NS
0
-250
250
EW 0
-250
GL.-0.2m
GL.-0.4m
GL.-0.6m
GL.-1.2m
12000
2 5 0 入力波
10 (sec)15
NS 0
-250
2
4
6
8
10
1 2 (sec)
0
5
10
15 sec
2
杭のモーメント波形Mx(My)の実験・解析の比較
GL-0.2m
高さ m
1.2
1入力
時刻①
0.0
解析-30
0
1.2
Mx 2入力
25
0
-25
6 (sec)8
Mx 1入力
■ 本解析モデルは実験の地盤の応答特性を
再現可能であると考えられる。
■ 入力振幅の大きい時刻において解析の
杭のモーメントは実験結果と対応を示す。
■ 2入力と1入力の過剰間隙水圧上昇過程
0.0
-30
0
V1
G3
1入力
30
-20 -10
V1
G3
0.00098
0.000915
0.000849
0.000784
0.00006
0.000719
0.00005
0.00004
0.000653
0.00003
0.000588
0.00002
0.00001
0.000523
0.
0.000457
-0.00001
-0.00002
0.000392
0.000327
-0.00003
0.000261
-0.00004
-0.00005
X Displaying order= 30
Output Set:
Animate(0.00008):
X-Displacement
Contour: StrainZX
0.000131
Y
Output X
Set: Displaying order= 11
Deformed(0.00142):
X-Displacement
Contour:
X-Displacement
-0.00007
-0.00008
Y
0.000196
Z
-0.00006
Z
-0.00009
-0.0001
0.
V1
G3
0.0015
0.00143
0.00135
0.00128
0.0000653
0.0004
0.000373
2入力
0.000347
0.00032
0.0012
0.00113
今後の課題
地震力
地震力
モーメント分布
モーメント分布
半剛接
<静的な構造実験結果>
耐震設計法の構築(H16)
耐震設計法の構築(H16)
半剛接合(新構法)
0.00024
0.000213
0.00075
0.000187
0.000675
0.0006
0.00016
0.000525
0.000133
0.00045
0.000375
0.000107
0.0003
0.000225
Z
Y
0.00008
Z
Y
OutputXSet: Displaying order= 10
Deformed(0.00213):
Y-Displacement
Contour:
Y-Displacement
0.00015
0.000075
X Displaying order= 20
Output Set:
Deformed(0.00058):
X-Displacement
Contour: StrainZX
0.
0.0000533
0.0000267
0.
地盤-杭基礎-建屋模型の振動実験
(平成15年度 実施項目)
<試験体ケース>
試験体ケース>
杭頭接合条件
半剛接合
剛接合(従来構法)
0.000267
0.000825
剛接合
損傷
0.000293
0.00105
0.000975
0.0009
<地震時の曲げモーメント分布>
0 5 Nm
やや長い周期モデルの変位X
1入力
0.00008
0.00007
3000
Bending Moment (N・cm)
・文献調査(H14
)
・文献調査(H14)
・動的解析による検討(H14,H16)
・動的解析による検討(H14,H16)
・模型振動実験による検討
模型振動実験による検討
(H15,H16)
H15,H16)
0
0.0001
0.00009
2入力
杭頭半剛接合構法の地震時
の
杭頭半剛接合構法の地震時の
・杭・基礎梁の被害軽減効果
杭・基礎梁の被害軽減効果
・建屋応答に与える影響
建屋応答に与える影響
を検証する
検討項目
-30
30
V1
G4
大成建設(株)技術センター
„
解析
短周期モデルのxzひずみ
が異なるため、影響が杭応力に生じる。
影響の大きい区間では2入力の杭応力
は1入力の場合と相関関係が弱くなる。
■ 水圧上昇後では2入力と1入力の結果は
杭頭半剛接合構法を採用した建物
の地震時挙動に関する研究
目的
Mx
2入力
解析結果のコンター例
■ 解析の再現性の向上
■ 実験・解析に基づく多方向入力の特性
把握
■ 得られた結果の一般性の検討
„
解析
1入力
Nm
My
0.8
0.4
似ている。
1入力・2入力の相関の弱い区間
時刻③
-20 -10 0 5
30
モデル
短周期
長周期
短周期
長周期
建屋
固有周期 (s)
0.069
0.113
0.077
0.113
せん断土槽
建屋重錘 基礎梁
パイルキャップ
400 400
1200
せん断土槽
剛接合
1500N
1000N
半剛接合
500N
0
0
400
Nm
4
0
800
2
-30
<平面図(杭頭位置)>
重錘(4650N)
313
0
0
2入力
時刻②
(1入力と2入力 GL.-0.2m)
1200
1入力
7000 Pa
30
Mx
実験
2入力
実験・解析による成果
杭のモーメントの特性
My
実験
0.8
0.4
高さ m
■ ①(NS入力のピーク振幅時刻)では
25 Nm
Mxは1入力・2入力で大きい応答となる
0
■ ②(EW入力のピーク振幅時刻)では
-25 ①
実験・解析のMyは対応する
25
解析
■ ③のピークはNS・EWに見られ実験・
0
解析で対応する
-25
0 1 2 3 4 5 (1入力と2入力
6 7(S)8 GL.-0.2m) 2入力 My
GL-0.2m
GL-0.2m
Nm ① 2入力 Mx
Nm ②
③
25
25
③
実験
実験
0
0
-25
-25
③
25 ①
2入力
1入力(解析のみ)
解析
25
解析
0
0
-25
0 1 2 3 4 5 6 7(S)8 -25
0 1 2 3 4 5 6 7(S) 8
実験
時刻①,②,③のモーメント分布の比較
実験 Mx
2入力のMy
2入力
板バネ G.L.
基礎梁
1450
①1入力 Mx
5号硅砂
相対密度
約90%
杭-アルミニウムパイプ
φ=70mm,t=1.5mm,L=1.5m
数値:初期軸力
600
Θ(rad/10^6)
1200
<半剛接合部回転性能>
半剛接合部回転性能>
2700
<断面図>
<模型試験体の概要>
模型試験体の概要>
3
Moment
(N・cm)
7000
1.5
基礎変位
剛接合
半剛接合
350
八戸波
上下有
告示波
八戸波
八戸波
上下有
レベル1 レベル2
„
基礎の変形は若干増加する傾向にある
アスペクト比の大きい(大きな変動軸力が生じる)
建屋模型での杭頭半剛接合構法の効果の検討
シミュレーション解析の実施
(杭頭接合部のモデル化手法の検討)
耐震設計法の構築
604
313
板バネ
G.L.
5号硅砂
相対密度
約90%
杭-アルミニウムパイプ
φ=70mm,t=1.5mm,L=1.5m
目的
地盤の側方流動に関する実験を行い、加振
方向、杭頭固定条件が地盤および杭基礎の
応答に及ぼす影響について検討する。
杭-アルミニウムパイプ
φ=70mm,t=1.5mm,L=1.5m
„
概要
矢板式護岸の背後に杭基礎模型を有する砂
地盤模型を作成し、振動台実験を行った。
2700
<H16年度実験モデル>
実験条件(H14∼H15)
8
9
4
5
6
1
2
3
1000
ケース
1414-1
400
200
900
豊浦砂層
(支持層)
145
豊浦砂層
(液状化層)
500
1455
500
900
豊浦砂層
(液状化層)
フーチング
なし
流動方向
90cm、
90cm、35%
あり
(21.6kg)
21.6kg)
あり
(21.6kg)
21.6kg)
なし
あり
(21.6kg)
21.6kg)
流動直角方向
+鉛直方向
1414-3
1515-1
1515-2
1515-3
加振方向
70cm、
70cm、50%
1414-2
矢板
粗砂層
(いわき硅砂2号)
液状化層
の層厚、
相対密度
鉛直方向加振の影響
矢板頭部の水平変位量 (mm)
7
流動直角方向
鉛直加速度(gal)
杭間隔:2.5D
750
流動直角方向
流動直角方向
あり(170kg
) 流動方向
あり(170kg)
1750
„
„
„
„
レベル1 レベル2
G.L.
5号硅砂
相対密度
約90%
2700
<H15年度実験モデル>
1500
0
基礎梁
1450
1450
基礎梁
3500
„
重錘
重錘
板バネ
7000
Moment (N・cm) Moment (N・cm)
中杭
剛接合
半剛接合
側方流動に対する基礎の
破壊メカニズム解明の実験
H16年度の予定
„
7000 -7000 0
7000
杭・基礎梁の曲げモーメントは、杭頭を半剛接合とする
ことにより低減する傾向にある
ことにより低減する傾向にある
„ 軸力変動の影響により、一部の杭・基礎梁にせん断力
が集中する可能性がある
レベル1 レベル2
杭頭の接合条件が建屋の応答に与える影響は少ない
„
剛接合
半剛接合
安定した低減効果
4
„
„
„
引抜き側
押込み側
Moment (N・cm)
八戸波
告示波
1
0.5 T=1.84375s
-7000 0 7000 -7000 0
0
八戸波
上下有
八戸波
0
八戸波
上下有
100
告示波
200
3
Time (s)
八戸波
上下有
最大変位 (μm)
300
2
告示波
700
1
半剛接合
5
剛接合
T=1.84375s
-7000
せん断力集中
5
八戸波
Time(s)
400
半剛接合
4
八戸波
上下有
3
建屋加速度
告示波
最大加速度 (gal)
500
2
高さ (m)
1
八戸波
剛接合
-500
中杭杭頭 曲げモーメント
0
告示波
0
八戸波
Acc.
(Gal)
杭の曲げモーメントの比較
建屋 水平方向加速度
最大曲げモーメント(N・cm)
建屋・基礎の応答の比較
500
杭は3×
杭は3×3列のステンレスパイプ製。下端を治具に剛結。
入力波形は全ケースについて5Hz
、500galの正弦波。
入力波形は全ケースについて5Hz、
500galの正弦波。
600
Case2-2(水平+鉛直2方向加振)
400
②
Case2-1
(水平1方向加振)
①
200
③
0
0
2
4
400
200
0
-200
-400
0
2
4
④
6
6
時間 (秒)
8
10
8
10
水平方向に加振したケースと、水平方向+鉛直方向に加振したケースを比較。
鉛直方向の加振は地盤変形量の増加に寄与し、鉛直加速度の大きさに応じて
矢板の水平変位量が増加する。
4
フーチング重量の影響
重量:21.6kgf
Case1 1
1000
加速度 (gal)
フーチング „
入力
0
-1000
1
2
3
4
5
時間 (秒)
-1000
7
1
6
2
フーチング 入力
3
4
5
6
時間 (秒)
7
フーチング重量が大きいケースの方が、構造物の固有振動数と加振振動数が
近いため、フーチングの応答加速度が大きい。
重量:170kgf 曲げひずみ (µε)
フーチング
水平変位 (mm)
0
-10
0
„
„
0
10
„
今後の展開(16年度実験予定)
重量:170kgf
Case2 3
1000
2
4
6
時間 (秒)
8
10
重量:21.6kgf
200
0
-200
-400
-600
0
フーチング重量の違いによる影響
フーチング重量が大きい(320kgf)
杭基礎模型を対象に、
フーチング重量が大きい(320kgf)杭基礎模型を対象に、
流動直角方向の加振実験を行う。
„
杭3, G.L.-0.3m
2
4
6
時間 (秒)
8
10
地盤が液状化してフーチングの加速度応答が増加するのに伴い、フーチング
重量による相違が顕著になる。
フーチング重量が大きいケースの方が残留変位や残留ひずみが小さい。これ
は、杭の大きな変位振幅により杭周辺地盤の緩みが大きかったためである。
„
側方流動に対する基礎の三次元数値シミュレーションの研究
担当機関:東北大
学
研究の目的
„
„
加振方向の違いが地盤・杭基礎に及ぼす影響
フーチング重量が中程度(170kgf)
の杭基礎模型を対
フーチング重量が中程度(170kgf)の杭基礎模型を対
象に、流動直角方向の加振実験を行う。
三次元有効応力解析
„
液状化に起因した側方流動地盤中の基礎の
破壊を高精度に予測できる手法を確立するこ
とを目的とする.
具体的には,地盤具体的には,地盤-基礎の相互作用を扱う三
次元有効応力解析手法を用い,模型振動台
実験データとの詳細な比較を行うことで,
杭基礎の破壊実験
杭本数を減少させた杭基礎模型の破壊実験を行う。
側方流動に対する杭基礎の破壊メカニズムを調べる。
„
地盤・杭基礎系の動的土水連成解析
砂の繰返し弾塑性モデル
„
低拘束圧(10kPa
)下での砂の大ひずみ変形特性
低拘束圧(10kPa)下での砂の大ひずみ変形特性
再現(ひずみ漸増型ひずみ制御型非排水・排水
中空ねじり試験)
液状化地盤と構造物の挙動をより詳細に考察し,
„ 手法の問題点・改良点を明らかにする.
„
いわき硅砂(排水試験)
地盤の応答解析結果
豊浦砂(非排水試験)
杭の応答解析結果
杭周辺の偏差ひずみ
(地下水位以浅)
杭の残留曲げモーメントの比較
(Exp.:実験値,Sim.2:杭体積考慮,Sim.3:杭体積未考慮)
加振後の残留変形と過剰間隙水圧分布
杭周辺の偏差ひずみ
(地下水位以深)
5
基礎地盤コンサルタンツ
July 2004, Tsukuba
側方流動に対する基礎の三次元数値シミュレーションの研究
成果と今後の予定
成果
„
護岸平行方向加振・杭頭自由ケースを対象として,これま
で2ケースを実施.
„
„
„
„
„
Case 1515-3:フーチング質量
3:フーチング質量,, MF = 170 kg
Footing
杭断面の考慮によって,杭周辺のひずみ分布,断面力の
分布が異なる.
Coarse sand
40
Dr = 35%
90
Toyoura sand
35%
150
護岸平行方向加振・杭頭固定ケースのシミュレーション
E-ディフェンスでの実物大実験シミュレーションのための
基礎資料として,モデル化上の留意点などを異なる手法
間の共通事項としてまとめる.
Case 1414-1:フーチング質量
1:フーチング質量,, MF = 22 kg
3x3 piles
矢板の変形量は過小評価したが,杭の断面力の深度分布,平面
分布はまずまずの予測精度.
矢板周辺の大変形挙動への対応が課題.
今後の予定
„
検討対象とした実験ケース
Sheet pile
„
振動台実験 (土木研究所)
土木研究所)
90%
75
50
目的
側方流動実験のシミュレーションを
通じて、地盤流動の影響を受ける杭
基礎構造物の応答を予測するために
用いる三次元有効応力解析の精度や
有用性を検討する。
175
加振方向
- 20 cycles
- f = 5 Hz
- amax = 480 gal
アニメーション
解析方法
加速度時刻歴の比較
三次元有効応力解析
z
z
FEMコード
FEMコード::
構成則:
構成則:
フーチング
DianaDiana-J3
StressStress-Density モデル
2
3
Loose sand
STEP 1: モデルパラメータ設定
低拘束圧下:
低拘束圧下: 1010-20 kPa
地盤の応答
Horizontal displacements
16
17
18
13
20
Coarse
sand
Loose
sand
Dense
sand
H14-1
H14-1
Stress ratio: σx / σy
Acc. (gal)
STEP 2: 初期応力解析
実験:
解析:
5
6
9
10
11
加振前の応力を評価
STEP 3: 動的解析
Time (sec)
結論
フーチングの水平変位 (杭頭)
杭頭)
Case: 14-1
Case: 15-3
実測と解析で良い一致がみられた点は次のとおりである。
地盤の応答 (変位パターン,
z
変位パターン, 間隙水圧,
間隙水圧, 加速度)
加速度)
杭基礎の応答 (加速度と杭頭の最大変位 (フーチング),
z
杭の曲げモーメント))
フーチング),杭の曲げモーメント
1
2
3
Sheet
pile
Depth (m)
曲げモーメント (Case 1515-3: Piles 1, 2 and 3)
実測と解析で対応しなかった点は次のとおりである。
z
杭の最大応答が発生した後のドリフト現象
z
解析により得られた矢板変位は、実測の
1/3程度と小さい。
程度と小さい。
解析により得られた矢板変位は、実測の1/3
今後の課題
実験 (MF=170 kg)
解析 (MF=170 kg)
z
実験で実施されなかったフーチング質量が大きいケースの検討(M
実験で実施されなかったフーチング質量が大きいケースの検討(MF=320 kg; フーチ
ングの固有周期が入力動の周期と同じ)
ングの固有周期が入力動の周期と同じ)
z
三年間の研究を通じて得られた内容をまとめる
-適切なモデル化や計算条件の設定に関する知見を整理する。
- 大型振動台実験を支援するための有用な道具としての有効応力解析手法を確立すること
Bending moment, M (N(N-m)
6
① 変形抑制型対策(1G
中型振動台実験)
変形抑制型対策(1G中型振動台実験)
【側面図】
Hb1
=100
非液状化層(礫)
実験模式図
270
液状化層(硅砂)
相対密度50%
Hb2=400
【目的】 合理的で新しい流動対策技術の開発と効果の確認
【対象モデル】 護岸・岸壁背後地盤中の杭基礎
盛土や石油タンク等の直接基礎・杭基礎
230
杭模型
(アルミ製)
抑止杭
模型
1000
PC1=270 PC2=130
スペーサー
770
☆側方流動に対する基礎の耐震性向上に
関する新技術・新工法(地盤工学会)
【内容】 振動台実験による対策方法の検証と流動圧計測精
度の向上化
BC=
200
W1=600
700
PL1=400
800
PL2=800
W2=1200
2700
単位:mm
① 変形抑制型(抑止杭,連続壁)
流動抑止杭
(矩形配置)
流動抑止杭
(千鳥配置)
→ 振動台実験(遠心,中型1G,小型1Gの実施)
Liquefaction-induced
flow
② 地盤改良型(締固め砂杭,固化処理)
海
側
→振動台実験(遠心の実施,中型1G実施予定)
海
側
杭基礎
③ 流動圧計測技術の確立
抑止杭を千鳥と
矩形に設置
杭基礎
ケーソン護岸
ケーソン護岸
対策工平面模式図(抑止杭を用いた流動対策)
→ 大型模型実験(ボイリング)の実施
② 地盤改良型対策 ③ 流動圧計測精度の
(遠心模型実験) 向上化
① 変形抑制型対策(1G
中型振動台実験)
変形抑制型対策(1G中型振動台実験)
給水配管
300
未対策
抑止杭矩形配置
120
80
40
海側
0
-40
0
抑止杭千鳥配置
陸側
1
2
3
4 5 6
時間 (sec.)
7
8
9
10
LVDT5
LVDT3
LVDT1
LZ1
抑止杭矩形配置
250
LVDT4
LVDT2
A1 A21
A11
P2 P22
P12
P3
A3
A13
P4
A4
200
40
75
150
抑止杭千鳥配置
100
標点
水槽
10
LZ2
P13
ゴム
210
ケーソン護岸の重心に
おける水平変位 (mm)
160
200
杭基礎頭部の変位 (mm)
200
杭
液状化地盤
浸透流
改良体
非液状化地盤
50
-50
0
緩衝材
海側
未対策
0
陸側
1
2
3
4 5 6
時間 (sec.)
7
8
9
450
間隙水圧計
加速度計
10
シルト砂
実験模式図
実験模式図
・対策工を設置することで,ケーソン護岸の変位は急減しな
かったが,杭基礎の変位を低減できた。抑止杭は千鳥配
列にした方が,より大きな低減効果が得られた。
・ 杭近傍の地中変位量も約4割程度減少した。
盛土法肩直下の変位量 (mm)
50
0
-50
矢板壁
-100
改良体
-150
-200
-250
未対策
-300
-350
0
5
10
15
20
25
30
時刻 (s)
堤体法肩直下部の沈下量
☆ 今後の展開
LD1
改良体平面図
LV1
AC4
球形タンク
30
PP5
S3
60
AC3
80
S2
80
PP1
S4
90
60
改良体
業務担当:東京工業大学 時松孝次
S5
T4
PP4
EP2
AC2
60
T3
EP1 30
PP3
T2
PP2 AC1
T1
150
護岸
AC5
T5
60
110
液状化層
地盤の3次元挙動評価技術の開発
LV2
60
LV3
LD2
計測杭
S1
450
Pore pressure transducer
Earth pressure transducer
②地盤改良型や③排水強化型
対策実験の実施
Accelerometer
(Unit:mm)
①変形抑制型の遠心模型振動
実験の実施
・各種対策工法の有効性検証のためのシミュレーション解
析(有効応力,残留変形解析)の実施
目的
地盤-構造物系の3次元大変形挙動の設計用簡便法
の開発に向けて、大型振動台実験より地震時の地
盤-基礎-構造物の動的相互作用を明らかにする。
7
地盤-杭-構造物系の大型振動台実験
構造物慣性力と地盤変位の作用の組み合わせ
振動実験の実施および実験結果の検討
過去に実施した実験との比較
4.5m
F
DBL
6.0m
SBL
6.0m
SBS
SD1
SDS
SDL
Saturated sand
Tb < Tg
F
F
yG
M
MI
MD
M = MI + MD
5.0m
yG
yG
2
5.0m
D=31.85cm
t=0.60cm
5.0m
Saturated
sand
Tb > Tg
Yes, (0.7-0.8 s)
6.0m
D=16.52cm
t=0.37cm
SB1
Yes, (0.06-0.2 s)
DBS
4.5m
No
DB1
Dry
sand
Dry sand
Tb < Tg
Superstructure
Pile
4.5m
Soil
Dry sand
M
2
Tb: Natural period of superstructure
Tg: Natural period of ground
大型振動台実験における杭応力の算定
Dry sand
Tb < Tg
Tb > Tg
0
0
Depth (m)
DBS
1
まとめ
Saturated sand
Tb < Tg
DBL
0
SBL
1
杭応力を支配する慣性力と地盤変位は、構造物
の固有周期と地盤の固有周期、液状化の有無、
基礎剛性などの影響を受けて、その寄与度が異
なる。
SDL
1
2
2
3
4
-5 0
2
本研究で用いた杭応力評価手法は、上記のパラ
メータが杭応力に与える影響を適切に評価でき、
振動実験における傾向をよく再現できる。
3
4
3
Observed
4
5
Estimated
15-5 0
15 -20
0
20 -50
Bending Moment (kNm)
0
50
今後は、評価手法の妥当性をさらに検討すると
ともに、適応範囲を拡張する。
8
地盤実験の基本方針
E-ディフェンスの
地盤実験施設整備計画
①震動台占有期間を短くするため、地盤は震動台上で 製作・
解体を行わない。土槽(
解体を行わない。土槽(地盤)
地盤)は運搬する。
1回の実験の震動台占有期間は4
1回の実験の震動台占有期間は4週間以内にしたい。
②土槽実験は、2
②土槽実験は、2∼3回/年行う。
一回の地盤作成から解体までは、4
。
一回の地盤作成から解体までは、4ヶ月程度
ヶ月程度。
「実大三次元震動実験施設の利用に関する研究」プロジェクト
プロジェクトディレクター 佐藤正義
(地盤・基礎実験担当)
円形せん断土槽の設計方針
容量
内径8m
φ、 有効高さ6.5m
内径8mφ
有効高さ6.5m
土砂+水
運搬時 5500k
5500kN、 試験時 6500k
6500kN
許容重量
円形せん断土槽のみの重量で実験準
備棟内での許容揚重量1500
kN以内。
備棟内での許容揚重量1500k
土槽フレーム500
kN以内
土槽フレーム500k
最大水平変位
最大水平変位
高さの1/10
=650mm
高さの1/10=
650mm
③3次元震動台であるので、2次元または3次元の土槽実験を
想定して計画を進める。
想定して計画を進める。
④土槽実験だけに使用する設備は、最小限にする。
円形せん断土槽のイメージ
内径:8.0m
深さ:6.5m
土槽水平変形時の 1%以下
1%以下
摩擦抵抗力
円形せん断土槽底板の検討
設計用解析
設計用解析
モデルの各接点:
モデルの各接点:自重
土槽フレーム及び砂重量:
土槽フレーム及び砂重量:各接点に
支配面積分を載荷
支配面積分を載荷
底板の変形
底板の変形
吊り点に対する
中央部接点の相対
の相対
吊り点に対する中央部接点
変位:24.7
mm
変位:24.7mm
せん断土槽8000
φでの相対変位:
せん断土槽8000φ
での相対変位:
周囲に対して中央部の相対変形は
9.6mm程度であり約
1/833(0.12%
%)
9.6mm程度であり約1/833(0.12
各部材は建築基準法における長期
許容応力
(SN400材で
σ1.6tf/cm2)
許容応力(
SN400材でσ
1.6tf/cm2)
以内を
以内を確認
解析結果の応力
解析結果の応力
円形せん断土槽テーブルの検討
1
せん断土槽の
せん断土槽の各部構造
各部構造
土槽フレーム
円形せん断土槽
リング状の角型鋼管(150
×100)フレームとガイド
リング状の角型鋼管(150×
100)フレームとガイド
ブロック・変位ストッパーおよび側部ゴムシート・
底板より構成
角型鋼管フレー 全41段
41段
ム
各段有効高さは158
mm
各段有効高さは158mm
ガイドブロック
許容ストロークXY
方向±
±30mm、円周方向は固
許容ストロークXY方向
30mm、円周方向は固
定
フレームの変位
とも格段のフレーム変位±
±30mm以内
フレームの変位 XY方向
XY方向とも格段のフレーム変位
30mm以内
ストッパー
ゴムシート
側壁及び底部(土槽テーブル上面)間の止水性
を確保
底板
透水板(パールコーン)とスペーサーからなり、底
透水板(パールコーン)とスペーサーからなり、底
部より水の給排水が
可能
部より水の給排水が可能
真空飽和容器
最大気圧 真空飽和用容器に加わる最大大気圧は1083.8hPa
(地球上での観測最大値)
内空寸法 有効内径:9400mmφ
(せん断土槽外径≒8500mmφ+作業幅450mm×2)
有効高さ:7000mm
(せん断土槽高さ6500mm+余裕500mm)
各部の耐 運搬時に加わる荷重・強制変形に対して安全である
こと。(部材応力レベル1/1.5×降伏点応力)
力
建築基準法に定められた地震荷重・風荷重に対して
安全であること。(部材応力レベル降伏点応力)
上記気圧差に対して安全であること。(部材応力レベ
ル1/1.5×降伏点応力 円筒座屈安全率5、柱材の座
屈は長期座屈耐力以内)
土槽の真空飽和法
2
直方体剛体土槽の設計方針
直方体剛体土槽の設計方針
容量
底面18000mm×4000mm 槽内有効高さ5000mm
許容重量
直方体剛体土槽のみの重量で実験準備棟内での許容揚重量
1500kN以内
土量・水量
運搬時 5500kN 試験時 6500kN
最大気圧
真空飽和用上部蓋を用いて内部を真空とする場合に加わる
最大大気圧は 1083.8hPa(地球上での観測最大値)とする
各部耐力検討
用慣性力
運搬時に加わる荷重・強制変形に対して安全であること。
(部材応力レベル1/1.5×降伏点応力)
試験時土水圧は静止土圧係数0.5+地震時土圧0.3(上下方向一
定)程度+水圧程度を想定して検討すること。(部材応力レベル
1/1.5×降伏点応力)
真空飽和用上部蓋を用い内部を真空とした場合、上記気圧差に
対して安全であること。(部材応力レベル1/1.5×降伏点応力)
運搬時許容変
形・許容転倒
角
土槽テーブルたわみ 目標10mm以内。(全体たわみ1/1800以
内)
転倒角目標1°以内。
(土砂+水)
直方体剛体土槽のイメージ
長さ:8.0m
幅 :4.0m
深さ:4.5m
直方体剛体土槽の構造
‹
‹
‹
‹
‹
‹
鋼製土槽で内部に土砂を入れた状態で運搬可能
な構造。
鋼製土槽で内部に土砂を入れた状態で運搬可能な構造。
長辺側壁面には観察用の窓(
長辺側壁面には観察用の窓(アクリル等)
アクリル等)を備えた構造。
気密性を確保した上板と運搬時・揚重時ならびに真空飽和
用容器使用時の荷重に対して所定の剛性を持つ。
揚重用のフック取り付け金物ならびに実験準備棟から実験
棟までの運搬装置に必要な金物類を備えたもの。
真空飽和用上部蓋は、
真空飽和用上部蓋は、鋼製で上面からの大気圧を受け、
鋼製で上面からの大気圧を受け、土
槽の壁に鉛直力として伝えるとともに、土槽の壁が受ける大
気圧を上部で支える。
土槽上部は運搬時・試験時に壁が受ける土水圧を支えるた
め、上部に壁間の支持材を設けた構造とする。
剛体土槽と真空飽和用上部蓋部の接合部はゴム等の弾性
部材をはさみ、大気圧による圧縮力を有効に用いて気密性
を高めた構造とする。なお、接合部は大気圧差が加わらない
状態でも安全性を確保するためのボルト接合を行なう。
底板には
透水板(パールコーン)を設け、底
底部より水の供給
底板には透水板(パールコーン)を設け、
可能なもの。
土槽運搬装置の概略計画
<運搬装置の候補
>
<運搬装置の候補>
tの充填された土槽を運搬できる現実的な装置・手
‹ 800tの充填された土槽を運搬できる現実的な装置・手
800
法で考えられるものとして、
‹ エアキャスター
‹ エアローラー
(超重量特殊車輌)
‹ ユニットキャリアー
ユニットキャリアー(超重量特殊車輌)
‹ パワーリフト
は1台当り荷台3.2
3.2m
m
‹ などがあるが、ユニットキャリアー
などがあるが、ユニットキャリアーは1台当り荷台
×9.5mに対して
250t強とやや能力が不足する
強とやや能力が不足するが、
が、4
4台
9.5mに対して250t
組み合わせれば運搬可能。(他の組み合わせも可能)
<結論>
運搬の検討を進める
の検討を進める。
。
結論>ユニットキャリアーで
ユニットキャリアーで運搬
3
木造建物実験
木造建物実験委員会
-53-
目的
・木造建物の合理的な耐震設計・耐震補強法の基礎資料
・街並みの耐震対策と木造建物耐震補強の普及促進
大都市大震災軽減化特別プロジェクト
震動台活用による耐震性向上研究
木造建物実験
Ⅳ
事前対策と連携)
平成14年度
防災科研
−
平成18年度
客員研究員
坂本
功
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
1
2
画像変位計測
中規模振動台実験 (倒壊実験)試験体
Camera9 (11.4,14.6,1.28)
Camera1 (12.6,-5.65,1.02)
Camera8 (11.1,15.8,1.40)
Camera2 (11.1,-6.74,1.29)
左側面
・ ・・ ハ
「1979年公庫仕様準拠て5.4m×3.6m平面試験体の、x、y、xy、xyz方向の加振」
試験 体
・ ウ・ ハ
(大大特
E−ディフェンス実験の準備研究 平成14,15,16年度
1)既存木造建物の地震応答観測
(建研、京大)
2)既存木造建物の耐震調査
実施機関:
(森林総研)
コア:東大、京大、建研、
3)補強効果等の静的試験
森林総研、防災科研
(建研)
公募:日本システム設計
4)計算破壊シミュレーション
(日本システム設計)
5)中規模振動台準備実験
(東大・防災科研、 京大)
Camera7 (-5.53, 16.7, 6.36)
Camera6 (-6.93,13.7,1.30)
右側 面 Camera3
(-5.82,-5.63,1.02)
Camera4
(-6.78,-6.07,1.35)
カメラ配置
振動台入力変位ループ
ターゲット
Camera5
(-5.35,-10.9,5.99)
撮影速度 100 or 200フレーム/s
画素数
504 × 241
JR鷹取40°回転入力
X(R)方向で約80cm p-p
最大速度150cm/s
最大加速度約0.75G
基本試験体概要
X
目的:木造建物の倒壊モードに関するデータ取得
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
3
Y
Z
試験体波形(上2F 下1F)
精度
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
4
平成15年度(2003)中規模3次元振動台による倒壊実験
・中規模3次元振動台による木造建物の強度限界性能実験法の検討
平成14年(2002)度結果(接合部T金物等付き)
X方向
1回目
倒壊
XY方向
1回目
倒壊
Y方向
倒壊
させず
No1(2.0Hz)
No2(2.0Hz)
No4
No3
No1
XYZ方向
1回目
倒壊せず
No3(2.0Hz)
No6 木摺付・金物付き
xyz入力(初期振動数2.0Hz)
No4(1.7Hz)
No8 石膏ボード付き
x入力(2.2Hz)
No7
No1
試験体
荷重ー
変形
曲線
No6
1層測定変形
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
No7 金物なし
x入力(1.7Hz)
5
No8
No6 試験体1層荷重ー変形曲線
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
6
1
倒壊実験 まとめ
Acceleration(Gal)
中規模振動台実験 (伝統木造)
400
300
200
100
0
-100
-200
-300
-400
BCJ-L2(max:355.7Gal)
0
20
40
Time(sec)
60
振動台入力 日本建築センター波
実験風景
目的:伝統的な差鴨居を有す
る
木造軸組の復元力特性。
「土台に柱を長枘・込
栓
で止めた軸組」と「柱
差鴨居−柱接合部の破壊性状
を
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
10
復元力特性
中型3次元振動台実験伝統建物試験体
軸組1間試験体
910
170
170
桁120×240
910
170
桁 120×240
0
復元力(400Gal)
復元力の包絡曲線
-0.1
0
変形角(rad)
0.1
2940
土 台120×120
210
0.2
910
910
210
910
差鴨居+小壁2間試験体
3980
910
170
910
170
91 0
170
桁120×240
910
910
910
2940
2760
2940
2760
横架材120×270
柱120×120
-10
-0.2
-0.1
0
変形角(rad)
0.1
210
910
910
910
910
0.2
復元力(450Gal)
復元力の包絡曲線
土台12 0×120
210
210
91 0
4060
910
910
910
観測例
2003年11月12日
東海沖 M6.5
0
-5
1800
1800
柱120×120
土台120×120
復元力(800Gal)
復元力の包絡曲線
0.1
桁120× 240
横架材120×270
-5
0
変形角(rad)
5
170
土 塗小壁
0
-0.1
10
3980
910
910
-10
-0.2
210
2240
差鴨居2間試験体
5
910
地表
復元力(500Gal)
復元力の包絡曲線
土 台120×120
210
2240
10
0
復元力(kN)
-10
-0.2
木造建物の地震応答観測(1)
-5
柱120× 120
1800
柱120× 120
2760
2940
2760
横架材12 0×270
-5
復元力(kN)
910
8
5
2160
910
復元力(kN)
復元力(kN)
2160
170
礎石に載せた脚部」の
復元力特性
10
差鴨居1間試験体
5
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
7
210
-10
-0.2
4060
-0.1
0.2
0
変形角(rad)
0.1
0.2
10
10
5
復元力(kN)
復元力(kN)
5
0
宇都宮に於ける地震応答観測:木造2階建 第1、2種地盤上(6棟)
0
-5
復元力特性(600Gal)
復元力の包絡曲線
-5
-10
-0.2
-10
-0.2
復元力特性(600Gal)
復元力の包絡線
-0.1
0
変形角(rad)
0.1
-0.1
0
変形角(rad)
0.1
0.2
0.2
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
現在までの知見:木造建物と地盤の相互作用は大きくない
が地盤種別に影響を受ける
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
9
木造建物の地震応答観測(2)
10
既存木造建物の強度調査
調査対象範囲
E
N
2階
京町家の
地震観測
北
D
C
蔵
座敷庭
奥の間
店舗
店舗
通り庭
B
1階
7,840
3,920
3,920
4,900
3,920
5,880
980
9,304
A
7
1次固有振動数(Hz)
6
5
張間方向
4.5gal
2.0gal
新潟県与板町の町営住宅5棟(平屋建、築40年。A∼E棟と呼
称)
常時微動
4
3
劣化調査
振動調査
E棟劣化小(山側): 人力加振 ほぼ8Hz台
A棟劣化大
: 人力加振 ほぼ7Hz台
桁行方向
2
1
0
11月/2日
11月/16日
11月/30日
12月/14日
計 測 日
12月/28日
1月/11日
1/6地震
1月/25日
1/19地震
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
11
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
12
2
木造建物の構造要素試験
目的:粘性ダンパーと粘弾性ダ
ンパー付き壁と、既存の構造用
合板壁、の構造性能の比較、検
討
木造建物の構造要素試験(等価耐力)
構造用合板耐力壁
試験法
単位mm
heq=hf+hved
振れ止め
振れ止め
クレビス
加力用鋼棒
アクチュエーター
DG1
ロードセル
h=2745
仕口ダンパー耐力壁
1372.5
−
1372.5
+
DG1∼DG6:電気式変位計
−
−
75
910
910
2730
75
DG4 DG3
DG2
+
Fh=1.5/(1+10(hf+hved))
+
100
75
100
75
DG6 DG5
910
変形角:1/240∼1/15
速度:7.2∼114.9cm/s
波形:0.5∼2Hz
Qd :ダンパーを含む架構の任意変形角時の耐力(減衰の効果を含まない)
オイルダンパー耐力壁
試験体例
h f :架構のみの任意変形角時の減衰定数(内部粘性減衰+履歴減衰)
試験結果例
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
hved :ダンパー単体の任意変形角時の減衰定数
※
多節点
曲げ要素
※
*
圧縮筋かい
ラーメン効果
置換ブレース
モデル化
引張筋かい
※
軸力要素
筋かい
材端バネ
要素
多節点
曲げ要素
*
※
*
土壁等
置換ブレース
微小時間内で構造物の瞬間接線剛性が一
定であるとし、応答変位増分に対する次式
を ニューマークβで計算、増分累積型座
標変換マトリクス および材の分離・飛散の
考慮する
柱拘束材
*
※
※
材端バネ要素
x
※
*
3次元モデルによる
コンピューターシミュレーション
y
14
解析法)
軸力要素(トラス要素)によって構成される
立体フレームの大変形とP-Δ効果を考慮し
た時刻歴応答解析理論(和田等1990)を用い
計算破壊シミュレーション
目的:木造建物の耐震診断に使える
簡易な耐震性判断コンピューターシミレーションの作成
面材張り壁
土壁
木ずり
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
13
z
軸力要素
(柱軸部)
&&} +[C] ⋅{U&} +[K] ⋅{∆U} +{F} = −{Q}
[M] ⋅{U
n+1
n
n+1
n
n
n
n+1
*
※
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
視覚化・アニメーション画像の種類
画像の
種類手法
①ワイヤフレーム画
像
②ソリッド画像
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
15
(③を用いる)
倒壊実験(No3 XY加振)への適用
復元力
Ps 2 , δ s 2
③シェーディング
画像
骨格曲線
Ps1 , δ s1
−δ s 4
多節点曲げ要素
(横架材)
ラーメン効果
置換ブレース
軸力要素
特定点 Psp
−δ M −γ ⋅ δ max
δ max
K0
δ M = ζ ⋅ δ max 変形
δr
β ⋅δr
耐力係数
復元力
Ps 2 , δ s 2
a-①
ワイヤフレーム画像
リアルタイム表示
a-②
ソリッド画像リア
ルタイム表示
a-③
シェーディング画像リ
アルタイム表示
1.0
0.001
変形
B
3
364cm
728cm
E
6
4
多節点曲げ要素
(通し柱、4隅とも)
δr
δ s4
変形
ラーメン置換ブレース
復元力
7
Ps1 , δ s1
骨格曲線
b-③
シェーディング画像動
画ファイル生成
Kr
1
D
b-②
ソリッド画像動画フ
ァイル生成
α ⋅ Pt
2
A
X
b-①
ワイヤフレーム画像
動画ファイル生成
Pt
特定点 Ps1 , δ s1
Y
b.動画ファ
イルを出力
し、市販
ビューアに
より表示
Ps 3 , δ s 3
骨格曲線
β ⋅δr
端部バネ
要素
Z
δ s4
α ⋅ Pt
−δ max
圧縮筋かい
引張筋かい
引張・圧縮
筋かい
復元力
Ps 3 , δ s 3
Pt
K0
筋交い
a.メモリ上
で処理を行
いながらリ
アルタイム
でディスプ
レイに表示
16
解析モデル
Ps 2 , δ s 2
Ps 3 , δ s 3
×
δc
変形
K c / 81
Kc
K c / 27
Kc / 3
Kc / 9
材端バネ要素
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
17
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
18
3
倒壊実験との比較シミュレーション
E−ディフェンス移築実験の前試験
・解体住宅の一部振動台上移設による構造要素の限界性能の把握
0.00sec
3.20sec
4.03sec
5.70sec
住宅
(常時微動8Hz)
9.50sec
実験 11.30sec
解析 10.30sec
実験 11.57sec
解析 10.83sec
切取
実験 11.93sec
解析 11.20sec
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
19
National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (NIED)
20
4
E−ディフェンスに於ける
木造建物実験研究
(1)研究の背景
・阪神淡路大震災の直接死約5,400人
の8割は木造住宅の倒壊
(既存不適格住宅の耐震補強の推進)
(耐震診断法の改定、7月)
・文化財的な社寺等の
伝統的木造建築物の被害
5カ年計画
2005年−2009年
(耐震対策および伝統構法の再確認)
(1995.4.1 新潟 県文化財)
・木造建築技術の発展と森林資源の
有効活用ならびに性能規定化
(大型化多層化、高度技術の確認)
「既存木造建物の耐震性向上」
2) 新材による既存木造建物の再現実験(E−ディフェンス実験)
1) 移築木造建物の耐震補強法の実証実験(E−ディフェンス実験)
2) 新材による既存木造建物の再現実験(E−ディフェンス実験)
新材により既存木造建物
の実験を行い、経年変化
等に関するデータを取得
する。今後、基礎設置条
件の考慮の方法について
も検討。
3) 木造建物倒壊コンピュータシミュレーションの精度向上と検証
(耐震診断に使えるソフト開発)
4) 木造建築物地震応答観測
(実在木造建物の地震時振動特性把握)
Wood and RC
5m x 10m 15t
5m x 10m 15t
5m x 10m 15t
5m x 10m 15t
5m x 10m 15t
H=10m
5m x 10m 15t
5m x 10m 30t
1)神戸周辺木造建物、京町家を公募移築
耐震補強の有無の実験、耐震診断・補強法を検証
「伝統木造の耐震性能解明及び耐震対策技術の検討」
1) 文献調査および伝統建築物の振動計
測、地震観測
2) 構成要素の部材実験、予備振動台実験
Soil box 450t
20m x 15m x 1m
5m x 10m 30t
Fixed
Free
300t
Table 20m x 15m 1050t
「木造建設技術の高度化に伴う耐震技術の開発」
(NEES共同研究)
1) 木造建物の大型多層化に伴う耐震技術的検討、解析モデルの検討
2) 大型多層化に伴う木造要素試験
3) 全体構造実験(E−ディフェンス)
3) 多層木造建物の実験(E−ディフェンス)
たとえば、5層以上大型木造建物
社寺仏閣等
右の2つの図は実験検討
案の一つである。
たとえば 五重塔実験は
目的:過去の文献から推定さ
れる歴史地震の震源域、マグ
ニチュウド等から過去の歴史地
震の歴史的建造物への入力
地震動を推定、その地震動で
実験し、過去の文献の被害結
果と突き合わせ、地震動推定
法に役立てる。
期待される結果:歴史地震文
献調査から得られる被害推定、
推定地震動の精度向上
2×4
ハイブッリド木造建物
post and beam
木造
RC
木造
RC
1
たとえば 住宅滑り免震実験
目的:住宅滑り免震デバイスの安全性検討
住宅免震の検討:住宅免震は近地地震である長周期パルスの大変位・大速
度を考えた設計になっているか?
期待される結果:住宅滑り免震の安全なストッパー、ダンパーの開発。
Kocaeli Eq. YPT Station DISPALACEMENTS
Aug. 17 1999
YPT NS DISPLACEMENT in cm
200
150
100
EW 1.5m
50
0
-50
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
80
90
100
80
90
1 00
s e co n d
YPT EW DISPLACEMENT in cm
200
150
100
滑り免震ディバイス例
NS 1.8m
50
0
-50
0
10
20
30
40
50
60
70
se c o n d
YPT UD DISPLACEMENT in cm
20 0
15 0
10 0
50
UD 0.4m
0
-5 0
0
10
20
30
40
50
sec o n d
60
70
木造建物実験研究 (テーマ線表)
【サブテーマ1】既存木造の耐震性向上
1) 移築木造建物の耐震補強法の実証実験
2) 新材による既存木造建物の再現実験
3) 木造建物倒壊コンピュータシミュレー
ションの精度向上と検証
4) 木造建築物地震応答観測
【サブテーマ2】伝統木造の耐震性解明と検討
1) 文献調査および伝統建築物の振動計
測、地震観測
2) 構成要素の部材実験、予備振動台実験
3) 全体構造実験
4) 解析モデル作成、耐震対策技術の検討
【サブテーマ3】木造建設技術の高度化
1) 木造建物の大型多層化に伴う耐震技術
的検討、解析モデルの検討
2) 大型多層化に伴う木造要素試験
3) 多層木造建物の実験
日米共同
トルココジュエリ地震震源近傍記録で多層免震木造建物を実験
2