一般廃棄物処理事業へのPFI導入

1.一般廃棄物処理事業へのPFI導入
(1) 一般廃棄物処理事業の現状とPFIへの期待
「民間資本等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(以下、「PFI
促進法」と略する)」が7月に成立、9月末日に施行され、日本版PFI推進に向けて
の具体的検討が進められている。
PFI促進法では、PFI手法の導入検討がなされるべき公共施設として「道路、鉄
道、港湾、空港、上下水道、公営住宅、社会福祉施設、情報通信施設、新エネルギー施
設、リサイクル施設」などがあげられ(PFI促進法第2条)、廃棄物処理施設もその
対象の一つとなっている。
廃棄物処理に関しては、「廃棄物処理及び清掃に関する法律(以下、「廃棄物処理法」
と略する)」改正等による施設立地・運営の規制強化、ダイオキシン排出量削減、最終
処分場の立地確保の困難さ、ゴミ排出量削減、リサイクル化など課題が山積みである。
とくに、平成14年度の新ダイオキシン基準適用は、一般廃棄物処理事業において対応
が迫られる大きな課題である。
こうした問題への対応策として、高温度による焼却、広域処理化・大型化による効率
性の追求、RDF化等によるリサイクル促進、高度技術化などがあげられるが、それら
の要件を充足し得る施設を設置する資金は膨大なものとなり、財政危機の状況下にある
地方自治体がこのコストを負担することは難しい。その上、廃棄物処理分野の技術はか
なり高度化し、技術上のコストという点の負担も大きいため、自治体側として、廃棄物
処理施設に民間活力を導入する積極的理由が見出されている。また、既存の廃棄物処理
施設の耐用年数も限界となり、建て替えを要する自治体も数多く存在していることから、
ますます民間活力導入への検討が急務となっている。さらに、処理施設の技術の高度化
は著しく、自治体側での管理責任能力は実質的に大きく制約されるところとなっている。
一方、民間側にとっても、新たな投資機会の増大という点で非常に注目すべき事業と見
ることができる。
このように、官民共にPFI推進への期待が高まっている一般廃棄物処理事業ではあ
るものの、具体的検討に際しては、日本版PFI推進そのものの問題のみならず、一般
廃棄物処理事業自体の問題、さらには一般廃棄物処理行政の抱える問題にも直面する。
そこで、PFIを「自治体の財政負担を減らすための手法」としての側面のみに注目す
るのではなく、PFIの根本理念である「公共性、政策性のある領域であっても民が担
える領域はないか」という問いかけをしつつ、適切な官民役割分担、事業性、代替性等
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を検討しながら事業を考案していく必要がある。
本稿では、一般廃棄物処理事業の基本骨格を示し、さらに推進にあたっての問題点を
整理する。
(2) PFIの基本的手法
①PFI概念の整理
まず、地方自治体が一般廃棄物処理事業を展開する場合、どのような運用形態が考え
られ、どの範囲までをPFIとして捉えるかについて整理する。
後述するように、一般廃棄物処理は市町村の固有事務であり、その最終的な責任は市
町村にあることが法律で規定され、市町村の策定した処理計画に基づいて行われるため、
「市町村の責任」の規定とPFI事業との両立の問題がある。また、既存業者との軋轢
や雇用問題、環境問題、忌避政策の性質などから、PFI導入は難しいと考えられてい
る。
一般廃棄物処理事業の運用形態として、事業方式と事業主体例を整理すると次の通り
となる。
(図表1)一般廃棄物処理事業の運用形態
事業方式
事業主体例
事業例、特色
広義
公設公営
広域連合
国庫補助等を受けられる。
公設民営
一部事務組合
国庫補助等を受けられる。
民設民営
(純PFI型)
民間事業者
国庫補助等が大きく制約される。
一般廃棄物処理事業の場合、法制度的制約、事業性、雇用問題、信頼性などの問題か
ら、純PFI型の導入は極めて難しいと考えられ、ここでは、公設民営までも含めた「広
義のPFI」として捉え、検討していくことにする。
②事業の基本的手法
一般廃棄物処理事業におけるPFIの基本的手法としては、通常、次のようなものが
想定できる。
まず、一般廃棄物処理施設の建設・運営を担うプロジェクト・カンパニー(いわゆる、
SPC)を、プラントメーカーや建設会社、その他さまざまな出資者により設立する。
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そして、そのプロジェクト・カンパニーが自治体と事業権契約を締結するのを基本形態
としている。プロジェクト・カンパニーは廃棄物処理法上の許可を取得し、金融機関か
ら資金調達を行い(一般的な資金調達手法はプロジェクト・ファイナンス)、場合によ
っては保険会社と保険契約を締結することになる。
通常、プロジェクト・カンパニーが行う事業は、廃棄物処理フローの「収集・運搬→
中間処理→最終処分」のうち、中間処理の部分とされている。場合によっては、収集・
運搬及び最終処分を含めた事業とすることもありうるが、PFI導入の目的である民間
ノウハウの発揮、効率性の追求、官民の適切な役割分担、という点を考慮すると、一般
的には、収集・運搬及び最終処分においてPFIの手法を導入するメリットはあまり大
きくないとされている。
③事業形態
PFI手法の事業形態としては、「独立採算型」「サービス購入型」「ジョイントベ
ンチャー型」の3種類が中心となっているが、一般廃棄物処理事業では「サービス購入
型」が基本となる。すなわち、自治体は自らの責任で一般ゴミを収集し、プロジェクト・
カンパニーにゴミ処理を委託する。そして、プロジェクト・カンパニーが提供する一定
基準に従った「ゴミ処理」というサービスに対して、事業権契約において定められた基
準・方式に従い、委託料を支払うという手法である。
委託料は基本的には、処理量に応じて支払われる部分(ユーセージ・ペイメント)と
一定の処理能力の維持管理に対して支払われる部分(アベイラビリティー・ペイメン
ト)によって構成される。場合によっては、売電事業に基づく売電収入、及び中間処理
で発生するスラグ・メタル等のリサイクル物の売却による収入も考えられる。
④処理技術
中間処理の施設については、ダイオキシン対策等との関係で、広域処理化、高温処理
化、施設の大型化が検討され、また、リサイクル等の推進の観点からは全連続方式(2
4時間運転)によるガス化溶融発電併用方式が新技術として注目されている。さらに、
RDF化技術の推進も予測されるところである。
発電事業と関連づけられる理由としては、発電効率の向上のために高温処理化、連続
運転へのインセンティブがもたらされることにより、ダイオキシン発生の抑制に資する
ことがあげられる。
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⑤PFI適用の検討
各自治体において、一般廃棄物処理事業におけるニーズの確認が必要となる。そして、
実際に手法を選択するときには、そもそも一般廃棄物処理事業において提供されるべき
サービスとは何かという事業目的の検討、サービス提供に最も適した手法の検討、さら
に手法ごとの事業効率性の検討を通じて、PFI手法の適用を確認しなくてはならない。
その上で、当該事業の実施方針(PFI促進法第6条)を策定し、公告する。
民間事業者の選定にあたっては、プロジェクトへの参加意思を有する民間事業者間に
よるプロジェクトコンペ方式によることになる。参加者全員にPFI事業計画の策定を
要求するのは、民においても、また評価を行う官にとっても過度の負担となるので、複
数段階を経て絞り込む方式が効率的である(事業参加者の事業遂行能力等の書面審査を
行う事前審査、当該事業計画の概要に関して提案を受け、そのサービス内容等の審査を
行う二次審査、当該事業の詳細な計画案の提出を受け、官民間の議論を通じてVFM、
PSC等の評価を行い、最終決定を行う最終審査、といったプロセスを踏まえ事業者を
選定する方式が考えられる)。事業者の選定を行い、選定理由等の公表がなされた後、
選定された民間事業者との間で事業権契約を締結することになる。
なお、一般廃棄物処理事業に関しては、廃棄物処理法の定めるプロセスの遵守も必要
である。そのため、一般廃棄物処理基本計画(廃棄物処理法第6条)において、一般廃
棄物処理施設に関するPFI導入についての方針を定めておく必要があるだろう。
(3) PFI事業推進上の問題点
庁舎や道路などのPFI事業を実際に推進する際には、さまざまな制度的問題点を克
服していかなければならない。中でも一般廃棄物処理事業においては、一般的なPFI
事業にあてはまる問題点の他にも、廃棄物処理事業の性格に基づき発生する問題がある。
その問題とは次のようなものである。
①法制度的制約
一般廃棄物処理に関しては、廃棄物処理法上の規定と両立するように事業を推
進していく必要がある。配慮すべき条文は以下の通りである。
・一般廃棄物処理計画の策定(廃棄物処理法第6条)
一般廃棄物処理計画を市町村が策定する義務がある。このとき、官側が定め
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る計画と実施されるPFI事業との兼ね合いをどのようにもたせていくかにつ
いて検討する必要がある。
・市町村の固有事務、最終責任(廃棄物処理法第6条の2)
一般廃棄物処理は市町村の固有事務であり、その最終的な責任は市町村にあ
ることが規定されている。PFI手法によるとしたとき、何をもって市町村は
責任を果たすことになるのか。PFIの趣旨や手法などを検討しつつ、「市町
村の責任」の規定とPFI事業を両立させるようにしなければならない。
・再委託の禁止(廃棄物処理法施行令第4条3号)
市町村が一般廃棄物の処分などを民に委託するとき、委託された事業者から
別の民間事業者への再委託はできないことになっている。つまり、受託者自ら
が実施しなくてはならない。この規定により、プロジェクト・カンパニーのア
ウトソーシングはできなくなり、自由度が減殺される。
②事業の安定性
一般廃棄物処理事業は、公設公営型の場合には、民間が事業主体になるよりも高いレ
ベルの助成制度が適用される。このため、従来手法の方が低コストで施設整備ができ、
PFI方式は結果的に高コストになってしまうため、自治体としては、そもそも民設民
営型のPFI方式導入に消極的判断を下す可能性が高い。官が主体となる時と民が主体
となる時では、助成制度や税金等に相違が生じるが、それを考慮しない評価が、効率性
の観点から果たして妥当な評価と言えるのか疑問が残る。
一般廃棄物処理事業でPFIを成立させるには、まず何よりも、民間事業者の参加を
促すような収益性を確保することが必要である。しかし、できる限り事業推進上のリス
クを民に移転していこうという行政側のねらいと同時に充足させるための事業性の設
定は容易でない。なお、厚生省により、SPCが調達する施設の建設費補助金に対して
25%分の国庫補助金が民設民営の場合でも提供される制度が創設されている。
一般に、プロジェクト・カンパニーの収入はゴミ処理委託料により賄われることにな
るが、仮に、ゴミ処理量に応じて委託料を支払う方式(一単位あたりゴミ処理料を設定
する方式)を採用すると、長期的視野に立ったとき、行政側から一定量のゴミを継続し
て提供することができるかが不確定要素となる。リサイクル推進等により、ゴミの減量
化(小規模自治体なら過疎化による人口減少に伴うゴミの減量化)が確実視されている
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中で、行政側は積極的にリサイクル等ゴミの減量化を推進する立場にある一方で、ゴミ
の量を最低限確保することが要求され、しかも事業性の点からは相当程度の量を事業者
に提供するのが望ましいという矛盾を抱えている。いずれにせよ、長期的にゴミ量を確
保することは難しく、かといって事業を短期に設定すると委託料の単価が高騰するため、
ある程度長期の契約とならざるを得ない。ゴミ減量により一定量の確保が困難となった
場合の対応については、あらかじめ検討しておかなければならない。
さらに、発電を行う場合には、熱効率性の向上のためゴミの量だけでなく、一定以上
のゴミの「質」も要求されることになる。つまり、高カロリーをもたらすゴミも含めた
一定の品質を有するゴミの提供が必要となる。高カロリーなゴミとは、プラスチック等
リサイクル化が推進されている場合が多く、品質の確保とリサイクル推進という矛盾に
も直面することになる。
③職員の雇用問題
一般廃棄物処理に関する責任は市町村に帰属している。基本的には多くの現業職員を
抱えている事業であるが、仮にPFI事業として推進されれば、事業の運営は民側によ
り行われるので、職員の扱いについての問題が発生する。
とりうる方式としては、1)従来事業に携わってきた現業公務員を解雇し、解雇した
職員をそのままプロジェクト・カンパニーが雇用する、2)現業公務員を解雇し、プロ
ジェクト・カンパニーが独自に人材を調達する、3)従来事業に携わっていた現業公務員
をプロジェクト・カンパニーに出向させる、という3つの手法が基本的に考えられる。
しかし、いずれの手法にも克服すべき問題点がある。まず、公務員の解雇と公務員制
度の問題である。すなわち、公務員は制度上身分保証がなされているので、解雇という
手法をとることが難しい。仮に、「解雇→再雇用」という手法が選択できても、職員の
雇用条件が低下するのは間違いなく、現業公務員の労働組合による反発も予想されるこ
とから、実際の推進にあたっては相当困難といえる。さらに、出向という手法をとると、
そもそもPFI導入にあたって期待されているコスト削減、効率性の追求という観点か
らして望ましい手法かどうかは疑問である。
以上を考慮すると、職員の問題を生じさせにくいケース、例えば新規に廃棄物処理施
設を増設する場合において、PFI手法を導入する方が推進しやすいといえる。そうで
なければ、公務員制度に対しどこまで立ち入るのかを改めて検討する必要がある。
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④信頼性の確保
一般廃棄物処理施設は、たとえ事業性等の問題を克服したとしても、いわゆる「忌避
施設」として、周辺住民との関わりの問題がある。
これは、技術的な安全性への懸念を払拭できればそれでよいというものではなく微妙
な問題であるため、事業主体に対する高い信頼度が重要となる。しかし、その信頼度を
勝ちとることができる事業主体を構成するのは非常に難しい。一般的には、事業を推進
する地域において高い信頼度を有している企業に限られる。その際、周辺住民とのトラ
ブル、企業自体への影響を懸念し、一般廃棄物処理事業に対する企業の参入、ないしは
金融機関の融資が消極的になることがある。
以上の点からすると、廃棄物処理行政の抱える問題が、一般廃棄物処理事業のPFI
においてもそのまま反映され、事業導入への障壁になっていると言える。周辺住民に対
する信用力をどのように形成し、周辺住民と向き合っていくか入念な検討が必要となる。
⑤事業主体の選定基準
一般廃棄物処理事業においては、仮にPFI方式で行う場合、行政側の民へのリスク
移転によるコスト削減、効率化、環境への負荷低減、リサイクル推進、といったさまざ
まな目的の達成が望まれるが、そのうちどの要素を重視していくのかという優先順位
(プライオリティー)及び各項目の関係を明確に設定しなければならない。なぜなら、
何を重視するかによって、事業主体の選定基準は変動しうるからである。
定性的項目に基づく優先順位の設定は、住民参加等民主的担保の下に決定されるのが
望ましい。そこで、自治体主導で、各項目につき何らかの形で定量的なサービス提供水
準を設定し、各項目ごとの提供水準の対価性も設定しつつ、定量的指標に基づき透明性
ある事業者選定が必要となる。しかし、環境価値やリサイクル等のサービス提供水準を、
対価性を踏まえつつ定量的に設定するのは非常に難しいところである。
また、事業目的、サービス提供水準と委託料とを整合性あるように設定しておく必要
がある。その際、事業目的達成へのインセンティブを与える形式をとる必要があるため、
さらに難しい作業となる。
一般廃棄物処理事業においては、環境への配慮や安全性が、場合によっては多少の経
済的効率性を減殺してでも要求される可能性も高く、経済的効率性と環境配慮との関わ
りは特に考慮すべき点となる。
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2.ケーススタディー ―君津地域広域廃棄物処理事業―
(1) 君津地域広域廃棄物処理事業の位置づけ
一般廃棄物処理事業へのPFI導入については、現時点では各自治体の検討段階にと
どまり、その推進例は存在していない。しかし、従来型の手法ではなく、民間の有する
ノウハウや資金を積極的に活用していこうという事例は存在する。その一つが、今回と
りあげる君津地域広域廃棄物処理事業(以下、「君津事業」と略する)である。
君津事業においては、一般廃棄物処理を目的に「第三セクター」を設立し、中間処理
事業を委託する方式をとっている。そして、資金調達方法としては、出資者等が事業者
の信用補完をしないという意味で、「プロジェクト・ファイナンス」を用いているのが
特徴である。
(図表2)PFIへの先駆的取り組み∼君津地域広域廃棄物処理事業について
(図表2)PFIへの先駆的取り組み∼君津地域広域廃棄物処理事業について
事業コンセプト
1. 民主導による廃棄物処理
① 民間の有する新技術・インフラ等を最
大限に活用して廃棄物処理の課題を
達成
② 効率的な事業運営を実現
2.事業の安定性・継続性を確保
事業構造上の特色
1. 事業主体:「民主導の三セク方式」
・ 民主導による効率的な事業運営と自治体
責務の遂行を両立
2. 処理対象物:域内一般廃棄物に限定
3. 事業範囲:中間処理に限定
事業をめぐる主要条件
1.成立条件(=自治体からの要請事項)
① 事業運営の透明性の確保(一般廃棄物
処理責務の担保)
② 域内・域外の産業廃棄物の持ち込み不
可(住民理解は困難)
③ 地元(域内)廃棄物処理業者の生活権
の保証
④ 自治体単独処理及び一部事務組合に
よる広域処理に比べコストメリット
を有すること
4. 処理受託期間の保証:自治体による債務
負担行為(施設稼動後 20 年間)の設定
・事業の安定性、継続性の確保
5. 資金調達:「プロジェクト・ファイナンス」
・安定した稼動実績がプロジェクト・ファイ
ナンス組成の前提
6. 官・民の役割分担、リスク対応等を織り
2.制約条件
① 処理対象物・事業範囲が限定(ローリ
ターン・ローリスク)
②制度的・社会的リスクのミニマム化
込んだ「基本協定書」を策定
・プロジェクト・ファイナンス組成に必要不
可欠
資料)㈱かずさクリーンシステム「君津地域広域廃棄物処理事業の概要」より
しかし、そもそも、君津事業の計画自体はPFI的発想が一般的に普及していない平
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成8年に始まったものであり、純粋なPFI形式をとることを意識した事業ではなく、
ましてやPFI促進法に依拠するものでもない。君津事業が一般廃棄物処理事業PFI
のモデルケースになるとは必ずしも言えないが、君津事業における具体的手法は、一般
廃棄物処理事業PFIを推進していくにあたって、注目すべき事例となるものである。
また、手法のみならず、一般廃棄物処理事業の有する性格等について再認識できるとい
う点においても、君津事業は重要な事例である。
第三セクターが建設して、管理することになるため、先の運営形態の図では、「民設
民営」ということになる。ただし、その第三セクターがどこまで民主導か、リスク分担
が十分になされているか、などは十分に分析しなければならない。
(2)事業推進の流れ
君津地域広域廃棄物処理事業における「君津地域」とは、千葉県南部にある木更津市、
君津市、富津市、袖ヶ浦市の4市のことを指す。もともとこの4市は生活圏・経済圏を
通じて緊密な関係にあることから、1つの広域圏として枠組みをなすこととなった。
一方、君津地域における一般廃棄物処理についても、先述した「一般廃棄物処理事業
の直面している問題」を同様に抱えている。富津市は既存の処理施設の耐用年数が20
年を経過し、建替えが急務となっている。また、他の3市においても数年のうちに施設
更新が必要となるため、現時点での検討が必要な状況にある。さらに、最終処分場につ
いては、木更津、君津の2市はそもそも最終処分場を有しておらず、専ら委託に頼って
いる。また、富津、袖ヶ浦の2市については最終処分場を有してはいるものの、1∼2
年のうちに埋立が終了してしまう状況にある。他にも、ダイオキシン問題等への対策と
しての高度処理化、効率化、広域化等が進められていることがあげられる。また、その
条件を満たすためには多額の資金調達を要するが、個々の地方自治体でそれを行うのは
財政危機の最中に困難であるなど多くの問題に直面している。こうした問題に対応する
ため、君津事業が推進されることになったわけである。
平成 8 年 2 月
広域処理の必要性・処理技術・民間活力の活用方策等の検討
平成 9 年 6 月
市長会/基本方針合意
∼事業化検討∼
平成 10 年 8 月
市長会/事業化合意
9 月
12 月
議会にて、出資金、補正予算化
新会社設立
そもそも君津事業は、民間活力を活用し、直接溶融方式による広域処理を研究してみ
てはどうかとの千葉県から4市及び新日本製鐵㈱に対する提案によってスタートした。
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君津地域のごみ処理事業化の一次的検討として、平成8年2月、千葉県の指導のもと
に、県及び4市の部課長、新日本製鐵㈱の担当者で構成される「県南部広域廃棄物処理
事業研究会」が発足した。当研究会の約一年に及ぶ調査・研究の結果、翌平成9年5月
27日には4市の助役会議で、同6月3日には4市市長会議で報告及び承認がなされた。
こうして、県南部広域廃棄物処理事業研究会は「君津地域広域廃棄物処理事業調整会
議」へと名称を変更し、具体的な事業化にむけ検討を始めることになった。翌平成10
年8月21日には、4市の市長会議で結果の報告がなされ、4市の市長の合意をとりつ
けることになった。それを受け、同年9月、各市の定例議会において、債務負担行為補
正、及び出資金補正が可決された。11月には出資者間による役割分担等を定めた基本
協定書が締結され、12月10日に第三セクター「かずさクリーンシステム(以下、新
会社と略する)」が設立されるに至った。
設立に際しては、設置場所となる桜井地区の住民による反対運動等が起こったが、現
在は、議会や大部分の住民の合意に至り、平成13年度の第一期事業の運営開始に向け
た環境アセスメント等の法的手続を進めている、という状況である。
(3)事業骨格
①事業主体
君津事業は、4市(木更津市、君津市、富津市、袖ヶ浦市)及び民間事業者3社(新
日本製鐵㈱、㈱エムコ、㈱市川環境エンジニアリング。以下、それぞれ「新日鉄」「エ
ムコ」「市川」と略する)の共同出資による第三セクター「㈱かずさクリーンシステ
ム」を事業主体としている。
②出資比率
この事業は、官民共同出資の形態をとり、かつ民間の出資比率を高率に設定してい
る(官と民の出資比率は官36に対し民は64である)。というのは、廃棄物処理法
上、一般廃棄物処理の最終責任は市町村にあり、市町村が事業の継続性・安定性を確
保する必要があること、さらに民間活力の最大限の活用、という要請を同時に充足す
るためである。仮に民間事業者のみで決定され、行政側の意向が全く反映されない事
態を防ぐために、定款の変更など特別決議事項については4市の同意を必要とし、株
式の3分の2以上を民間が保有しないように出資比率が設定されている。
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また、代表取締役社長をはじめ、役員についても多くは民間から選任されている。
よって、民間主導の第三セクターとなっているのが特徴である。
③事業範囲
事業会社の実施する事業範囲は、4市で発生する一般廃棄物及び4市が条例で受け入
れている産業廃棄物の中間処理を行うことである。すなわち、収集運搬事業及び最終処
分事業については行わない。
収集運搬については、運搬者等を調達・維持するのに多額のコストを要すること、収
集運搬にあたり現地を熟知していること、さらに既存事業者との兼ね合いを勘案し、従
来型の方式を続行するのが望ましいとして対象外とされている。また、最終処分につい
ては、各市の指示に従って処分場に運ぶことになる。
④ゴミ処理方式
新日鉄の直接溶融炉を導入することにしている。直接溶融炉は、ゴミのエネルギーと
コークスにより焼却と溶融を同時に行う方式であり、生ゴミからガラス・缶まで同時に
処理することできるものである。溶融物(スラグ・メタル)策についても法の基準値を
確実にクリアできること、既に大阪府茨木市など5市で稼動実績があること、などから、
直接溶融炉の導入となった。一般廃棄物処理における問題点の多くを克服することが可
能とされている。
⑤事業化時期
事業化の時期は二期に分けられている。第一期(平成11年度着工、平成13年度稼
動予定)では、1日当たり200トン規模の処理を可能とする施設が予定されている。
特に急務となっている富津市の一般ゴミを中心に処理する施設が予定されている。
第二期(平成16年度着工、平成18年度稼動予定)では、1日当たり300トン規
模の施設を増設、計500トン規模の処理施設とすることが予定されている。4市すべ
ての一般ゴミを処理できる規模である。
事業化の時期を二期に分ける方式をとったのは、4市の既設炉の寿命が必ずしも一致
していないため、建て替え時期を勘案したからである。
⑥連絡協議会の設立
君津事業の円滑な遂行のために、新会社、及びその出資者、そして千葉県から選出さ
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れたメンバーで構成される「株式会社かずさクリーンシステム運営連絡協議会」が設立
されている。重要事項の決定(定款の変更、多額の借入、事業計画の決定等)にあたっ
て、新会社から当協議会に伺いをたて、調整・協議を経た上で決定されることになって
いる。すなわち、当協議会で事実上決定されることから、新会社の取締役会以上に重要
な役割を果たしている。
⑦役割分担
新会社、及び出資者の役割分担等については、基本協定書(平成10年11月締結)
に示されている。以下のような分担がなされている。
A)新会社
各市と締結する中間廃棄物処理委託契約、及び新会社の運営方針・事業計画に基づき、
中間処理施設を用地に建設・保有し、各市から搬入された廃棄物を直接溶融方式により
中間処理する。
廃棄物中間処理施設の建設・操業に関連し、法令または各種契約違反によって提起さ
れた住民等の苦情及び損害賠償について、4市の指導・監督のもとに対応・解決にあた
る。これ以外の苦情等については一時的な対応窓口となる。さらに、各市が行うスラグ・
メタルの販売について販売先の斡旋等の協力を行う。
B)4市
廃棄物処理法及び同施行規則に基づいて各市が作成する一般廃棄物処理計画のもと
で、新会社への廃棄物の中間処理委託を含む君津事業の全体の総合調整、円滑な推進を
図る。
具体的には、事業期間(20年間)中は、新会社に継続的に中間処理事業を委託し、
その対価を支払う。一方、収集運搬、スラグ・メタルの有効利用、残渣の最終処分につ
いては自らが行う。
新会社の中間処理施設の着工前までに、近隣住民及び議会の合意形成に努め、これに
合わせて、新会社が対応・解決する以外の住民の苦情、損害賠償等の対応・解決を図る。
C)新日鉄
新会社が設立する以前の君津事業に必要な事項(環境アセスメント、プロジェクトフ
ァイナンス組成に係る企画・調査、新会社の設立手続等)を代行実施する。プロジェク
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トファイナンスの実施にあたり、金融機関の紹介や融資条件の折衝に関する支援等を行
う。また、中間処理施設建設の請負、用地の確保、施設の操業・整備に関する技術上の
支援を行う。
D)エムコ、市川
廃棄物処理に関する経営上の知識及び経験を提供し、新会社を支援する。
⑧事業の継続性
新会社の収入はごみ処理受託料のみとなっている。つまり、新会社の運営にかかるす
べてのコストは、ごみ処理受託料をもって賄われるというわけである(4市による均等
負担)。
ごみ処理受託料は、変動費の部分とそれ以外の部分に分けられる。前者は、廃棄物処
理量トン当たり単価に、毎月の実績廃棄物処理トン数を乗じて得られた額となる。後者
は、廃棄物処理量トン当たり単価に、当該会計年度当初に予定された一年間の計画処理
トン数を乗じて得られる額を12等分した額となる。
廃棄物処理量トン当たり単価は、その設定にあたっての原則が契約により規定、決定
され、委託料は毎年改定される。すなわち、ゴミ量の変動や規制強化によるコスト、不
すなわち、ゴミ量の変動や規制強化によるコスト、不
可抗力(天災等)によるコストは、すべて行政側がリスクを負う形となり、コスト増大
可抗力(天災等)によるコストは、すべて行政側がリスクを負う形となり、コスト増大
分は委託料に反映されることになっている。これにより、事業の継続性は確保される形
分は委託料に反映されることになっている。
である。
以上のような委託料の決定方法に基づき、君津事業の継続性は確保され、行政サービ
スの継続的提供という点では問題がないように思われる。しかし、上述のように、ゴミ
ゴミ
量の変動等さまざまなリスクは行政側が負担する形となっているため、場合によっては、
予想外の負担を行政側が負うことにもなる。また、君津事業では、事業の安定性・継続
予想外の負担を行政側が負うことにもなる。
性を保持するために、各市が金額を定めない20年間の債務負担行為を設定する手法を
とっていること、将来的なゴミ量の減少を予測した対応をしていること、などが特徴的
である。
一方で、新会社の努力によってコスト削減がなされたとき、その削減分がそのまま新
会社の利益になるかどうかは不明確である。例えば、新会社が大きな利益を生むように
なると、議会等からごみ処理受託料に対しての適正性に疑問が投げかけられ、結果的に
コスト削減分がそのまま受託料の減額となることもあり得る。そうなると、民間側のコ
「PHP 政策研究レポート」(Vol.2 No.32)1999 年 10 月 25 日発行
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スト削減に対するインセンティブは起こりにくくなってしまう。この点について、君津
事業には明確な取り決めは見られないため、今後問題が生じる可能性がある。
⑨事業の採算性
新会社の事業運営方針は、①第1期において建設する廃棄物中間処理施設の稼動開始
後20年間で金利を含む借入金を全額返済する、②施設の稼動開始年から事業採算性を維
持し、かつ累積損失を解消した後に剰余金が生じた場合は、株主への適正な配当を行う
こととする。具体的には、運営連絡協議会に諮った上、取締役会で決定する、③各会計
年度において円滑な資金繰りを確保する、というものである。
事業の前提及び事業の採算性は、以下の表の通りとなっている。
<事業の前提>
第1期
第2期
平成13∼17年度
平成18∼32年度
10億円
15億円増資
200t/日
300t/日
(100t/日×2炉) (150t/日×2炉)増設
52,888t/年
136,004t/年
期間
出資金
施設規模
平均処理量
人員
用地
合計
管理人員 5名
管理人員 2名増
作業人員 24名
作業人員 24名増
約2.25ha
約2.25ha追加購入
金利率:3.1% 償却方法:定額法
20年間
25億円
500t/日
(投資額282億円)
2,304,494t
(20年間総計)
7名
48名
約4.5ha
<事業の採算性>
第1期
平均受託単価
単年黒字
累積解消
累積MAX
借入残高MAX
借入金完済
第2期
36.4千円/t
35.3千円/t
(20年間平均35.4千円/t)
平成13年度(施設稼動1年目)
平成17年度(施設稼動5年目)
3.2億円 (平成12年度)
(累積無し)
115億円(平成13年度)
254億円(平成18年度)
―
平成32年度(第2期最終年)
*平均受託単価には、最終処分費は含まず。
*最終処分費は、第1期3.1千円/t、第2期1.2千円/t、 20年間平均1.4千円/tを想定。
資料)㈱かずさクリーンシステム「君津地域広域廃棄物処理事業の概要」より
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3.まとめ ∼一般廃棄物処理事業へのPFI導入の課題∼
君津事業の事例の検討により、一般廃棄物処理事業へのPFI導入にあたっては、さ
まざまな問題をクリアしていかなければないことが分かる。君津事業の特色と合わせて、
発生しうる問題点を総括すると以下の通りである。
第一に、一般廃棄物処理事業における収益性確保の問題である。具体的には、委託料
の適正価格の問題である。行政側の「コスト削減、リスク移転」という目的と、民側の
「採算性、収益性」という相反する目的をうまく両立させ得る価格を設定するのは容易
なことではない。ましてや、民側への過度なリスク移転は、民間参入を抑制させ、事業
リスクを増大させることになる。一方、収益性を必要以上に高く設定すると、サービス
購入の資金は税金であるため、議会や世論の反発が避けられない。
また、これとの関わりで、民側にコスト削減へのインセンティブをもたらす条件設定
が難しいことも認識しておく必要がある。コスト削減へのインセンティブを与えるため
には、削減による利益をそのまま民側の利益とするような設定が必要であり、そのこと
に対して議会や世論のコンセンサスを得るのは難しい。君津事業で実際に稼動が開始さ
れると、以上のような問題に直面する恐れがあるため、明確な取り決めが必要となる。
第二に、一般廃棄物処理事業において事業の自由度を高めるのは容易でないことであ
る。事業の目的が一般廃棄物の中間処理という公共性の高い事業であるため、そもそも
発電事業や産業廃棄物といった多角化も難しい。さらに、経済的効率性より安全性等が
強く要求されるため、仮に産業廃棄物を受け入れたとしても単価が高くなり、競争力に
疑問が残るといった事業の性格により、自由度が過度に制約されてしまう。君津事業に
おいても、新会社は相当自由度が制約されている。
第三に、忌避政策といわれる廃棄物処理政策のもつ問題そのものとの関わりである。
ごみ処理事業においては環境問題や周辺住民との関係で、特に安全性等に対して慎重な
配慮が要求される。君津事業においては、長い間、当地域と密接な関わりを有し、信頼
度の高い新日鉄が事業の中核的な存在となり、事業の円滑的推進において重要な役割を
担っている点が特徴的である。事業を推進する地域において、技術的・歴史的に非常に
信頼度の高い事業者による推進でない限り、事業を推進すること自体が困難であるとい
うことがあげられる。
以上の点から、一般廃棄物処理事業をPFIで推進するには、庁舎建設といった事業
よりも多くの問題点を克服していかなければならない。事業性を確保しつつ、同時に、
廃棄物処理政策の難しさをどうやって克服していくかの検討が今後の課題となる。
「PHP 政策研究レポート」(Vol.2 No.32)1999 年 10 月 25 日発行
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「PHP政策研究レポート」
発刊の趣旨:
日本が閉寒状況に陥った原因の一つに、政策情報に関する閉鎖性・画一性・偏在の問題がある。苦難
の時代であればなおのこと、行政は情報を積極的に公開して新たなアイディアを求め、民間は既存の
発想にとらわれない政策案を構想し、政治は幅広い選択肢の中から的確な判断のもとに取捨選択して
いかなければならない。こうした「百家争鳴」と高度な政治的判断の状況を演出・促進すべく、PH
P総合研究所は「PHP政策研究レポート」を発刊し、民間・独立の立場で恒常的な政策情報の発信
に努めていく。具体的には、当面の基本テーマを「日本再編計画(96 年 6 月発表:12 州 257 府と税
源体系の転換による地域主権、中央省庁 5 庁制ならびに民営化・規制撤廃による市場原理に立脚した
行財政とサプライサイド型経済政策、これらを通じた国費 30 兆円削減とその基金化による新福祉社
会の創造を提案)」に至る方策とし、官民協働・政策評価・説明責任などをキーワードに、これを追
求することとする。
1999 年既刊テーマ一覧:
20 号 1/22
1999年度日本経済の政策課題 −緊急経済対策のコウカと政策の信頼性回復−
21 号 1/22
地方財政の危機克服と地方政府の確立にむけて−道州制、税財政と資金調達、財投改革等−
22 号 2/25
地方交付税制度の資金繰りと第三セクター −地方財政の信頼性確保と財政投融資制度−
23 号 3/10
財政再建団体制度と土地開発公社 −潜在的債務の把握と財政錯覚の解消−
24 号 3/30
SPC制度と資産の流動化 −プロジェクト・ファイナンス的ノウハウの蓄積に向けて−
25 号
独立行政法人の制度設計 −企業会計原則の適用と評価制度の創設−
4/15
26 号 4/30
介護保険制度に取り組む地方自治体の課題 −療養型病床群への転換と高齢者住宅整備の拡充−
27 号 5/27
地方自治体におけるPFI事業の展開 −庁舎建設を例としたモデルプロジェクト抽出の手順−
28 号 6/16
プロジェクトファイナンスと信用力の確保 −PFIとプロジェクトファイナンス、担保設定とリスク管理−
29 号 7/ 7
公会計改革と財政情報の質的転換 −ライフサイクルコストの把握、政策決定能力の向上、減価償却の計上−
30 号 8/12
地方自治体の信用創造と政策法務 −「補完」から「創造」の政策法務へ、PFI事業展開を例に−
31 号 9/28
独立行政法人会計基準の地方自治体への応用 −事業部会計制度の導入、施策・事務事業評価との関連−
「PHP 政策研究レポート」(Vo.2 No.32) 1999 年 10 月 25 日発行
提言責任者 江口克彦
監修 宮脇 淳(北海道大学教授)
事務局 (局長)秋山憲雄
島 泰幸
佐々木 麗
PHP 総合研究所 公共経営研究センター 〒102-8331 千代田区三番町 3-10 TEL:03-3239-6222 FAX:03-3239-6273