レポート作成の方法および諸注意

レポート作成の方法および諸注意
目
次
1. 一般的注意
1
2. 内容の吟味
1
3. 文字と文章表現
1
と
4. レポートの記載項目と綴じ方
2
5. 図の書き方
3
6. 表の書き方
4
7. 図・表が横長の場合
4
8. レポートの書き方に関するその他の注意
4
9.
5
参考文献の書き方
10. ワープロによるレポート作成の書式
5
11. 実験に対する心構え・安全に関する注意
6
12. 欠席届の提出
6
国士舘大学工学部機械情報工学科
Department. of Mechanical Engineering
& Applied Information Technology
Faculty of Engineering
Kokushikan University
要
旨
機械情報工学科の統一したレポートの書き方は,原則として,「日本機械学会論文執筆要項」に従うものとする.以下前
記要項に準じて,レポート作成の方法と機械実習工場内の安全上の注意および「欠席届」に関して説明する.
1.
一般的注意
(1)A4判の機械情報工学科指定のレポ―ト用紙を用いる.
(2)各項目の番号は,「番号+節タイトル」(例えば,3.1 実験手順)の書式を用いる(本資料の体裁を参考にする).
(3)レポートには必ずページを記入する.(概要,目次及び図・表のみのページにはページ数を記入しない)
(4)レポ−トは黒のペンまたはボールペンなどを用いて書く.図・表および本文ともに黒以外の色を使わないこと.ただ
し,図のみは鉛筆を用いてもよい(できるだけ濃い芯を使うこと).
(5)提出レポ−トは,のりづけまたはホッチキスで左側を少なくとも2カ所で確実に綴じる.クリップは使用しないこと.
すいこう
(6)レポ−トは他人に内容を説明するためのものであるから,文章は十分に推敲して,簡潔で明瞭なものとする.長す
ぎる文章は避け,せいぜい1文章60文字程度にする.書いた文章は,必ず読み直して,主語・述語の関係等が正
しいかどうか吟味する.また誤字,脱字をも吟味する.
(7)文字,数字は読み易いように,また間違って解釈されないように,丁寧にはっきり書く.
2.
内容の吟味
技術者は,文書による情報伝達を要求される機会がきわめて多い.従って,レポ−トは正確かつ豊かな内容を持つもの
でなければならない.特に,一人よがりの文章あるいは主観的で曖昧な文章を書かないこと. 内容は,自分なりの文章で
分かりやすく記述する.
一般的に実験のレポートは,各自の学習結果を相手に伝達するための手段であり,その経過と結果を同時に記すこと.
また, 単に表や図を羅列するだけでなく,十分な説明文を加えて情報の正確な伝達に心がけること.
3.
文字と文章表現
文字及び文章表現は以下に従う.
(a) 漢字は当用漢字を用いる.
(b) 代名詞,接続詞,感動詞,助詞,助動詞,補助詞,副詞は原則としてかな書きとする.また,あて字は使用しない.
また,「また,しかし・・・」など,文学的表現の「又あるいは然しなど」を使用しないこと.
(c) 数量を表す場合にはアラビア数字を用いる.ただし,漢字と結合して熟語を表すものは漢数字を用いる.
(d) 単位記号は原則としてSI単位に従う.(ref. SI:International System of Units の略)
(e) その他の記号として,英文字やギリシア文字を使う(場合が多い).
(よく使われるギリシア文字;αβγδεζηθκλμνξπρστυφχωなど)
(f) 文章中の単位にはカッコを付ける必要はないが,他の英文字などと混同しないように書くこと.SI単位と工学単位を
併記するときは片方の単位に{ }を付ける.ただし,式の展開の結論には必ず単位とその単位に[ ]を付けること.
文章例1:長さ 90mm,幅 20mm,高さ 50mm なる長方形断面の片持ちはりがある.断面二次モーメント I および断面
係数 Z を求めよ.
高さを h ,幅を b すれば,断面二次モーメントおよび断面係数は次式で与えられる.
=
すなわち,
bh3
,
12
=
bh2
6
b =20 mm = 2×10-2 m, h =50 mm = 5×10-2 m とすると,
-2
-6
= 2×10 ×125×10
12
-7
=2.08×10 [ m4 ] ,
となる.
単位併記の例
=
2×10-2×25×10-4
6
-6
=8.33×10 [ m3 ]
結果には単位 と [ ] を 付け る 例
文章例2:リリーフ弁を用いて一定の圧力(ゲージ圧) 35 MPa { 357kgf/cm2 }を保持している.リリーフ弁で大気圧まで
減圧される油の温度上昇を求めよ.ただし,油の比熱は 1.88 ×103 J/( kg ・ K) { 0.449 kcal/( kg ・℃)},密
度は 860kg/m3 であり,・・・・・・・・・・・・・・.
単位併記の例
(g) 句読点は「,」,「.」を使用する.
-レポートの作成方法 1/6 -
と
4.
レポートの記載項目と綴じる順序
特に指示がない限り以下の項目でレポートを構成する.(実験テーマごとに,指定されたものがあれば追加する)
表紙:
与えられた用紙に必要な事項を記入してレポート本体の最初につける.
概要
この項目を読めば提出するレポート全体がおおむね把握できるように書く.
すなわち,レポートの記述内容,得られた結果等を記述する.
目次
以下の実験目的∼参考文献についてその項目名と開始ページを記入する.
例:
項
目
ページ
1.実験目的
1
2.実験装置
2
3.実験方法
3
※概要・目次
にはページ番
号を付けない
参考文献
(全項目の内容については下段参照)
n
1 .実 験 目 的
何のために,何を求めるために実験を行うのかを記述する.
2 .実 験 装 置
3 .実 験 方 法
実験装置全体図概略,測定系統図及び使用機器の仕様等を表にまとめる.
(図はスケッチ以外フリーハンド不可)
実験の手順を記述する.
4 .実 験 結 果
実験結果,測定結果などを記述する.必要があれば図・表を用いる.
5 .実 験 整 理
実験結果あるいは測定結果を整理する方法(式など)を記述し,
必ず示すこと.
6 .考 察
実 験 よ り 得 ら れ た 結 果 に つ い て 考 察 す る .例 え ば 他 の 文 献 と 比 較 し て ,理 論
的あるいは技術的な検討結果を記述する. 考察は感想文ではない,
7 .ま と め
レポート全体で何を書いたのかをまとめる.
参考文献
計算例を
参考文献を示す順序は,
番 号 )著 者 名 ; 文 献 名 , 巻 号 ( 発 行 年 ) , ペ ー ジ , 発 行 所 .
の 順 で 必 要 な 項 目 を 書 く . (詳 細 は 第 9 章 を 参 照 す る こ と )
例:
1)機 械 ・ 他 2 名 ; 機 械 工 学 基 礎 実 験 ,10-6( 2001) ,56,国 士 舘 出 版 .
2)花 子 ; 自 動 車 技 術 論 文 集 ,10-8( 2001) ,100.
注意1:参考文献には項目番号を付けない
と
●レポートの綴じる順序
1.実験目的
概
表
要
紙
綴 じる 位置
2.実験装置
目
次
3.実験方法
・・・・・・・・・・
7.まとめ
参考文献
1 ペー ジ
配布する
ページを入れない
n ペー ジ
ページ を入れ る
1 ページ目に 1 ∼ 3 項目を必ず書 く 意味ではない
-レポートの作成方法 2/6 -
5.
図の書き方(図1を参照)
60
50
枠を付ける
プロットの中を横切らない
40
○
○
30
○
特性 線
○
○
○
○
○
20
○
記 号の説明を加える
文字と単位の
方 向 に 注意
目盛りをつける
10
○ 測定 値
0.1
0
0.2
0.3
0.4 0.5 0.6
切り込み量
座標軸名称
図1
0.7
0.8
0.9
図番・図題を書く
mm
切削量 と切り込み量の関係
1) 図番,図題を例のように図の下部中央に必ず記入する.
{例;図1*****
あるいは
Fig.1*****,(****は図題,Fig.は Figure の略)}
2) 目盛りと座標値は例のように記入する.特に縦座標の数値,文字及び単位の向きに注意する.
目盛りの座標値は代表値を使う.1
2
3
・・・・・,10
20
30
・・・・・,0.1
0.2
0.3・・・・・・・など
数値が小さいときの指数表現はまとめて表示する.併せて同じことを何度も書かない.
0
1
2
4
3
5
6
ひずみ ε
8
×10-3
7
まとめた指数表現
3) 実測値(実験値)はプロットを用いて表示し,その特性線を引く場合はプロットの中を横切らないこと.また,理論値
を表現するときは実線あるいは破線などで連続に引く.
4) プロットの記号は○,▽,□,◇など,必要に応じて使用してよい.
5) 縦と横の縮尺は1/1である必要はないが,適宜な縮尺を用いて描く.スケッチ以外はフリ−ハンドで描かないこと.
(必要のない縦長の図,横長の図は避ける.ただし第7章のときはこの限りではない)
6) 図中の単位には(
)を付けない.
-レポートの作成方法 3/6 -
6.
表の書き方(表1を参照)
表1
例;
測 定回 数
項目
表番・表題
荷重と伸びの測定値及び応力とひずみの計算結果
荷重 W N
伸び
λm
応力
σMPa
ひずみε×10-3 真応力
MPa
二重線
項目欄
デ− タ が な い意味
未測定
(a) 表番,表題を表1のように表の上部に必ず記入する.
{例;表1******
あるいは
Table1
横線の説明
******;(***は表題)}
(b) 表の最上部は二重線で書くこと.枠を書かないこと.
(c) 空欄をつくらないように努める.もしあったときには,横棒を表中に書き,欄外にその理由を書く.
(d) 表がページをまたぐ場合には,二つの表に分ける.例えば,表2 **** がページをまたぐ場合は,「表2
**(その1)」と「表2 ****(その2)」に分ける(****は表題)」
表2
******(その1)
表2
**
********(その2)
(e) 表中の数値に直接単位を付けない.
(f) 単位は表中の項目欄で表現する.その単位に(
)は付けない
(g) 表中項目欄の単位がすべて同一の場合は,表の右上欄外にまとめて表示する{例;単位
一括して表示する}.
表○
全
7.
********
長
直
径
mm or 単位 N
などと
単位 mm
平行部長さ
図・表が横長の場合
図・表が横長で紙幅が必要な場合には,原稿用紙あるいは方眼紙を時計回りに90度回転させ横長に書いてよい.
と
その時の図・表の上部が綴じ代側に来るようにして綴じる.
8.
レポート作成に関するその他の諸注意
(a) 図・表は必ず定規を用いて書く(製図する).スケッチ以外はフリ−ハンドで書かないこと.
(b) 特性線が曲線の場合は,ユニカーブか雲形定規を使用して描く.
(c) コピーした表,文章等をレポートの一部とすることは認めない.
(d) 指数はまとめて表現すること。記号で表現してもよい.代表的な記号と読み方の例をを以下に挙げておく.
{例;103= k(キロ),106= M(メガ),109= G(ギガ),10-3= m(ミリ),10-6=μ(マイクロ),10-9= n (ナノ)など}
-レポートの作成方法 4/6 -
9.
参考文献の書き方および注意
参考文献がある場合には,本文中にその文献番号を挿入して,対応する文献名をレポートの最後に必ず列挙する.
{文章例;・・・・・・・・・・・・・を文献1)と比較すると・・・・・・・・・・・となる.}
文献が複数ある場合は,
{文章例:・・・・・・・・・・・・を文献1),2)と比較すると・・・・・・・・・・・となる.}
と表現すればよい.参考文献を示す順序は,
番号)著者名;文献名,巻号(発行年),ページ,発行所
例:
の順序で書く.
1)太郎・他2名;機械工学基礎実験,10-6(2001),56,国士舘出版.
2)花子;自動車技術論文集,10-8(2001),100.
10巻6号の意味
10巻8号の意味
の順で必要な項目を書く.
注意 :インターネット上のホームペ−ジアドレスは参考文献としては認めない.
10.
ワープロによるレポート作成の書式
本実験のレポ−トはワ−プロ作成を認めます.その基本は指定レポート用紙の『原則一マスに一文字』とする.ただし,
英数文字(半角文字の場合,2文字入る)はこの限りでなくてもよい.
マージン(余白)・行数・文字数・ページ・フォントなどの設定は下記の通りとする.
1)一太郎は「書式・文書スタイル」で設定, MS-WORD は「ファイル・ページ設定・文字数と行数の指定・余白」で設定.
2)1ペ−ジの行数・文字数・マージン・文字フォントの設定
・マージンは上端 38mm,下端 22mm,左端 17mm,右端 15mmを設定する.
・行数は30行・一行文字数は30文字に設定する.
・本文文字フォントは原則11∼12pt.の明朝体とする.
・ページを設定する.
3)指定以外の用紙(例えば,白紙)に印刷する場合でも,上記の設定で印刷すること.
4)図・表のワープロ作成は科目担当者の指示に従うこと.
-レポートの作成方法 5/6 -
11.
実験に対する心構え・安全に関する注意
機械実習工場内では,実験・実習を通じて探求する態度とともに,安全に対する注意も必要である.また種々の工作機
械が設置されているので,それらに意味なく触れると事故に繋がる恐れがあるので十分注意すること.
以下に一般的な安全対策上の注意事項を列挙しておくので,絶対に守ること.以下の安全対策上の諸注意事項は社
会に出てからも通用するため心得ておくこと.
(1)
動作中の機械に触らない
運転の目的以外では,動作中の(工作)機械に触ってはならない.動作中の(工作)機械にもたれかかったりしない.ま
た,どんなにゆっくり回っていても,回転中の被切削材あるいは工具に触ってはならない.衣類等が回転に巻き込まれると
大変に危険である.
(2)
知らない機械,スイッチには触らない
意味が分からないままスイッチ等を操作すると思わぬ方向に機械が動いて怪我をする.機械の使い方が分
からない時は必ず納得のいくまで指導を受けてから作業する.例えば,研削盤の砥石と工作物が突然にぶつ
かれば,高速回転の砥石が破損飛散して人命にかかわる事故になりかねない.
(3)
機械の運転は一人で行う
二人以上で同時に機械を運転すると,大変に危険である.例えば,工作機械で一人が工作物を取り付けている時に他
の人が不用意にスイッチを押せば,事故は免れない.機械の運転に関しては,他人の作業を手伝うことは必ずしも親切と
はならない.
(4)
巻き込まれやすい服装は避ける.手袋は用いない
工作機械の工具・工作物は大変に大きなパワ―で回転しており,万が一巻き込まれると,指や腕を切断するような大怪
我になる.従って,工作機械の近くでふざけたりせず,また工作機械に巻き込まれない服装にも心がける必要がある.ヒラヒ
ラした部分のある服装は危険である.手袋も巻き込まれやすいので,溶接作業専用手袋以外は使用しない.靴は,安全
靴あるいはそれに準ずるものを着用する.
(5)
工具類は工作機械の上に置かない
例えば,旋盤の上に工具を置くと,ちょっとしたことで工具がチャックに巻き込まれて,飛散するために,大変に危険であ
る.
(6) その他
(a)工作機械では,工具と工作物をしっかり固定しないと,飛散して危険である.
(b)無理な使用条件は機械,工具,工作物の破損につながり危険である.
(c)なるべく帽子を着用し,また切りくずの飛散が予測される切削加工ではメガネを着用すること.
(d)工場内の黄線の内側には作業者以外は立ち入らないこと.
12.
欠席届の提出
実験は,やむを得ない事情により欠席する場合(あるいは欠席した場合),必ず『届け出る』こと.届け出の方法はその
科目担当者の指示に従うこと.
-レポートの作成方法 6/6 -