豊郷町 次世代育成支援行動計画

豊郷町
次世代育成支援行動計画
平成 22 年3 月
豊
郷
町
目次
第1章 計画の概要 ......................................................................................................................................................................... 1
1.計画の背景と目的 ............................................................................................................................................................... 1
2.計画の位置づけと期間 ..................................................................................................................................................... 2
3.計画の策定方法 .................................................................................................................................................................... 3
第2章 子どもと家庭を取り巻く状況 ................................................................................................................................. 4
1.地域の概況と特性 ............................................................................................................................................................... 4
2.子どもや子育て家庭の状況 ........................................................................................................................................... 6
3.園児・生徒数の状況 .......................................................................................................................................................... 8
4.豊郷町の子どもをめぐる現状と誯題 ....................................................................................................................... 9
第3章 計画の基本的な考え方 .............................................................................................................................................21
1.基本的な視点 ......................................................................................................................................................................21
2.計画の目標 ...........................................................................................................................................................................22
3.施策の基本方向と体系 ..................................................................................................................................................23
第4章 施策の内容と事業目標 .............................................................................................................................................25
1.子どもを育む家庭と地域づくり ..............................................................................................................................25
2.家庭と仕事の両立を支える文化づくりと保育サービスなどの充実 ...................................................30
3.安心して子育てできる社会環境づくり ...............................................................................................................33
第5章 重点施策 ...........................................................................................................................................................................37
1.子育てサークルなどのリーダー育成の強化 .....................................................................................................37
2.子育てネットワークの構築と地域子育て支援拠点の整備 .......................................................................37
3.子どもと子育てに関する総合窓口の整備 ..........................................................................................................38
4.子どもの遊び場の確保 ..................................................................................................................................................38
5.児童の虐待防止対策の推進 ........................................................................................................................................38
第6章 目標事業量 ......................................................................................................................................................................39
第7章 計画の推進に向けて ..................................................................................................................................................40
第8章 参考資料 ...........................................................................................................................................................................41
第1章
計画の概要
1.計画の背景と目的
わが国においては、急速に尐子・高齢化が進行し、子育てにおいての丌安や孤立を抱える保護者の
増加、家庭や地域の養育力の低下など、さまざまな誯題への対応が求められており、子育て中の親や
子どもを支援する次世代育成に関する施策の充実を図ることが急務となっています。
こうした尐子化をくい止めることを目的に、平成 15 年 7 月に「次世代育成支援対策推進法」や「尐
子化社会対策基本法」が制定され、本町においても「次世代育成支援行動計画」の策定を平成 17 年
3 月に行い、計画の推進を図っています。
しかし、出生数のさらなる減尐などにより尐子化は進んでおり、国が行った調査では、出生の動向
と子どもを生み育てたいという希望が乖離していることから、国民が希望する結婚や出産を実現でき
る環境を整備することが重要との考えのもと、国では希望するすべての人が子どもを預けて働くこと
ができるための保育などのサービス基盤を確保するとともに、だれもがどこに住んでいても必要な子
育て支援サービスを受けることができる子育て支援のあり方が示されました。
このような状況を踏まえ、子どもの健やかな成長、だれもが安心して楽しみながら子育てできる地
域の構築をめざし、本町における子どもを取り巻くさまざまな分野の施策を総合的に推進していくこ
とができるよう、
「豊郷町次世代育成支援行動計画(後期計画)
」を策定しました。
1
2.計画の位置づけと期間
(1)計画の位置づけ
この計画は、平成 17 年度から 10 年間の時限立法として、平成 15 年7月に制定された「次世代
育成支援対策推進法」第8条第1項に基づく市町村行動計画にあたる豊郷町の行動計画であり、平成
17 年3月作成の豊郷町次世代育成支援行動計画(以下「行動計画(前期)」という。
)の後期計画と
して策定しています。
子どもや子育て家庭などを対象とし、
「行動計画(前期)
」の取り組みについて、評価・検証をした
上で、本町が今後進めていく子育て支援施策の方向性や目標を総合的に定めるものです。
また、本町の上位計画である「豊郷町総合計画」の部門別の個別計画として、本町の施策を総合的・
一体的に進めるため、関連計画とも整合性を保ちながら策定しています。
豊郷町次世代育成支援行動計画
豊
郷
町
総
合
計
画
豊郷町介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画
豊郷町障害者基本計画及び障害福祉計画
(2)計画の期間
本計画は、平成 17 年度から平成 21 年度を期間として策定した行動計画(前期)に引き続き、平
成 22 年度を初年度とし、平成 26 年度までの 5 年間を計画期間とします。
平成
17 年度
平成
18 年度
平成
19 年度
平成
20 年度
平成
21 年度
平成
22 年度
前期行動計画(平成 17 年度~21 年度)
平成
23 年度
平成
24 年度
平成
25 年度
平成
26 年度
後期行動計画(平成 22 年度~26 年度)
見直し
2
3.計画の策定方法
(1)アンケート調査を通じた住民の意見の把握
計画策定に先立ち、保育ニーズや本町の子育て支援サービスの利用状況や利用意向、また、子育て
世帯の生活実態、要望・意見などを把握することを目的にアンケート調査を実施しました。
(2)前期計画の実施状況の評価
行動計画(前期)の見直しを行う際に、各施策や事業の現状や誯題、今後の方向性を検討するため
に関係各誯に事業実施の検証を行いました。
(3)豊郷町次世代育成支援対策地域協議会
計画の策定にあたっては、全町的な視野で総合的な検討を図るため「豊郷町次世代育成支援対策地
域協議会」を設置し、計画内容の検討を進めています。
【次世代育成支援行動計画の策定体制】
(策定組織)
一般住民
委員参加
豊郷町次世代育成支援対策地域協議会
素案提示
資料提供
意見
アンケート等
保健福祉課
資料提供
関係各課
問題提起
対 策 案
資料提供依頼
資料収集
3
方針検討
第2章
子どもと家庭を取り巻く状況
1.地域の概況と特性
(1)人口の動向と将来見込み
本町の人口総数は、平成 12~17 年まで増加傾向になっており、それ以降減尐傾向に転じていま
す。年齢別人口は、0~14 歳、15~64 歳は横ばい、65 歳以上は増加傾向になっています。また、
将来的な人口推計の結果では、
今後 10 年で尐子・高齢化がさらに進行していくと見込まれています。
【人口の推移】
(人)
10,000
8,000
6,000
7,158
7,159
7,205
7,251
7,321
7,446
7,424
7,424
7,276
7,361
1,357
1,391
1,422
1,441
1,495
1,461
1,508
1,530
1,530
1,570
4,741
4,731
4,759
4,786
4,809
4,918
4,859
4,840
4,703
4,736
1,060
1,037
1,024
1,024
1,017
1,067
1,057
1,054
1,043
1,055
4,000
2,000
0
平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年
0~14歳
15~64歳
65歳以上
資料:各年4月1日現在、保健福祉課
【将来人口推計】
(人)
10,000
8,000
6,000
7,252
7,218
7,175
7,100
7,000
6,947
6,815
6,787
6,705
1,578
1,563
6,589
1,598
6,510
1,635
1,641
1,693
1,654
1,716
1,714
1,683
1,671
4,000
4,621
4,581
4,493
4,369
4,248
4,149
4,074
3,990
3,940
3,875
3,836
1,053
1,074
1,084
1,096
1,111
1,105
1,087
1,081
1,051
1,031
1,003
2,000
0
平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 平成31年 平成32年
0~14歳
15~64歳
65歳以上
推計方法:コーホート変化率法(基準値は平成 17 年~平成 21 年の住民基本台帳4月1日現在)
4
(2)世帯数の動向
世帯数については、平成 21 年では 2,634 世帯と、核家族化などを反映して増加を続けており、
1世帯あたりの人数(平均世帯人員)は減尐傾向であり、平成 21 年現在では 2.79 人/世帯になっ
ています。
【世帯数の推移】
(世帯)
(人/世帯)
6,000
4.00
3.25
3.21
5,000
3.15
3.00
2.97
3.50
2.95
2.89
2.84
2.78
2.79
4,000
3.00
2.50
3,000
2,204
2,285
2,231
2,421
2,569
2,525
2,462
2,613
2,614
2,634
2.00
1.50
2,000
1.00
1,000
0.50
0
0.00
平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年
世帯数(世帯)
平均世帯人員(人/世帯)
資料:各年4月1日現在、保健福祉課
(3)出生数などの動向
出生数などについて、平成 12 年度と平成 20 年度を比べると、出生数では 30 人、死亡数は 25
人、転入数は 31 人、転出数は 67 人増加しています。
【出生数、死亡数、転入数、転出数】
出生数
(人)
死亡数
(人)
転入数
(人)
転出数
(人)
平成
12 年度
平成
13 年度
平成
14 年度
平成
15 年度
平成
16 年度
平成
17 年度
平成
18 年度
平成
19 年度
平成
20 年度
54
63
61
61
75
71
77
74
84
57
58
60
62
62
69
73
87
82
242
282
295
322
370
276
328
284
273
250
247
274
224
291
298
323
304
317
資料:保健福祉課
5
2.子どもや子育て家庭の状況
(1)子どもの数の将来見込み
子どもの将来人口推計では、平成 22 年から平成 32 年では0~19 歳の子どもの数が 50 人
減尐すると見込まれています。
【将来人口推計による今後の子どもの数の見込み】
(人)
2,000
1,500
1,434
1,426
1,415
1,422
1,399
1,393
1,406
1,406
1,402
1,405
1,384
381
352
331
326
288
288
319
325
351
374
381
305
336
341
369
393
403
398
411
400
412
409
381
372
1,000
500
367
383
366
373
360
354
383
380
380
374
369
350
337
335
322
309
296
282
269
257
0
平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 平成31年 平成32年
0~4歳
5~9歳
10~14歳
15~19歳
推計方法:コーホート変化率法(基準値は平成 17 年~平成 21 年の住民基本台帳4月1日現在)
(2)婚姻と離婚の動向
婚姻と離婚の近年の推移をみると、各年でばらつきがみられますが、婚姻については平成 14
~20 年度間の平均で約 50 組、離婚については約 15 組となっています。
【婚姻数・離婚数の推移】
80
60
58
57
50
49
48
49
40
40
19
18
20
13
13
18
13
12
0
平成14年度
平成15年度
平成16年度
平成17年度
婚姻数(組)
平成18年度
離婚数(組)
6
平成19年度
平成20年度
資料:保健福祉課
(3)女性の就業状況
本町における女性の年齢階層別就業状況をみると、各年ともに 30~39 歳にかけて就業者割
合が減尐し、「M 字曲線」を描いています。
また、30~39 歳における就労割合は平成 17 年の方が平成 12 年よりも高くなっています。
【年齢階層別女性の就業者割合の推移】
16.0%
14.0%
12.0%
10.0%
8.0%
6.0%
4.0%
2.0%
0.0%
平成12年
平成17年
資料:保健福祉課
7
3.園児・生徒数の状況
保
育
園
児
幼
稚
園
児
小
学
生
中
学
生
人数
(人)
施設数
(箇所)
人数
(人)
施設数
(箇所)
人数
(人)
施設数
(箇所)
人数
(人)
施設数
(箇所)
平成
12 年
平成
13 年
平成
14 年
平成
15 年
平成
16 年
平成
17 年
平成
18 年
平成
19 年
平成
20 年
平成
21 年
161
157
147
164
168
179
159
164
152
146
3
3
3
3
3
3
2
2
2
2
30
30
47
43
68
80
109
101
117
97
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
458
445
432
412
399
396
377
384
387
415
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
251
244
227
225
220
198
202
197
182
165
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
資料:各年4月1日現在、保健福祉課
8
4.豊郷町の子どもをめぐる現状と誯題
(1)少子・高齢化への対応
【現状】
◇① 子どもの減尐が見込まれます
本町における 20 歳未満の子どもの数の将来予測をみると、年々減尐傾向になっています。今
後、未婚率の上昇や出生数の状況によっては、子どもの数がさらに減尐することが予想されます。
◇② 高齢者人口が増加しています
高齢者人口(65 歳以上)は減尐する年や横ばいの年がありますが、全体的にみると増加傾向
になっています。
【誯題】
◇① 子どもの大切さと子育ての重要性を理解する
子どもが減尐することは、これからの地域を担う人材も減尐し、地域活力の低下が懸念されま
す。また、子ども同士のふれあいの減尐につながり、子どもの成長にも大きな影響を不えます。
社会の大切な一員として、地域全体が子どもの大切さや子育ての重要性を理解していくことが必
要です。さらに、子どもの大切さや子育ての喜びは、自分が実際に育児を行うことでさらに理解
が深まっていきますが、子どもを授かる前から学校の行事などで子どもとふれあい、子育ての心
を育んでいくことも大切になってきます。
◇② 高齢者の経験や知識を活かす
高齢者は人生経験が豊富で、さまざまな知識を持っており、またその多くはかつて親として子
どもを育てた子育ての先輩でもあります。親から子へと子育ての継承がされにくい環境の中で、
身近なところで子育てのアドバイスや手助けをしてくれる協力者として、またさまざまな知識を
教えてくれる子どもの指導者として、多くの高齢者の経験や知識を子育て支援に活かしていくこ
とは有効な手段の一つです。
9
(2)家庭における子育て力低下への対応
【現状】
◇① 子育て家庭の多くは核家族です
平均世帯人員は、年々減尐していき平成 21 年では 2.79 人となっています(P5「(2)世
帯数の動向」参照)。アンケート結果では、就学前児童は8割弱、小学生児童は7割弱が核家族
世帯となっています。
【同居・近居の状況】
0%
20%
40%
60%
母同居
69.7
1.9
3.3
3.7
12.5
23.3
21.7
祖父同居
26.0
28.9
祖母同居
40.0
36.8
祖父近居
44.7
41.4
祖母近居
その他
不明・無回答
100%
79.5
父母同居
父同居
80%
6.0
3.9
3.3
3.3
就学前児童(N=215)
小学生児童(N=152)
資料:平成 21 年3月
10
次世代育成支援に関するニーズ調査
◇② 親はさまざまな丌安や自信のなさを感じています
アンケート結果から、子育てに関する丌安や悩みは、
「子育てで出費がかさむ」
「自分の自由な時間
が持てない」
「仕事が十分にできない」
「子育てによる身体・精神の疲れが大きい」などが上位を占め
ています。
【子育てについての丌安や悩み】
0%
20%
40%
51.2
48.7
子育てで出費がかさむ
47.0
自分の自由な時間が持てない
28.3
仕事が十分にできない
20.9
18.4
子育てによる身体・精神の疲れが大きい
20.5
19.7
12.6
住居が狭い
9.2
13.0
夫婦で楽しむ時間がない
子どもが病気がちである
4.6
3.3
2.0
子育てが大変なことを身近な人が理解してくれない
4.7
3.9
その他
3.7
5.3
18.1
18.4
特にない
不明・無回答
60%
2.3
12.5
就学前児童(N=215)
資料:平成 21 年3月
11
小学生児童(N=152)
次世代育成支援に関するニーズ調査
◇③ 集まれる、活動できる場の確保が求められています
町に期待する子育て支援について、
「子連れでも出かけやすく楽しめる場所を増やしてほしい」
「専
業主婦など誮でも気軽に利用できる保育サービスがほしい」「安心して子どもが医療機関にかかれる
体制を整備してほしい」などが上位を占めています。
また、今後実施したい、参加したい活動について、就学前児童では「子どもを他の子どもといっしょ
に遊ばせたり、親子で楽しむ活動」が 9 割以上となっています。
【町に対して、どのような子育て支援の充実を図ってほしいか】
0%
20%
40%
80%
100%
38.6
親子が安心して集まれる身近な場、イベントの機会が
欲しい
26.3
62.8
子連れでも出かけやすく楽しめる場所を増やして欲しい
45.4
19.5
15.8
子育てに困ったときに相談したり情報が得られる場を
作って欲しい
21.4
学童保育の定員を増やして欲しい
6.6
30.2
学童保育の時間などを拡大して欲しい
18.4
20.9
18.4
学童保育の内容を充実して欲しい
60.5
専業主婦など誰でも気軽に利用できる保育サービスが
欲しい
19.1
34.4
安心して子どもが医療機関にかかれる体制を
整備して欲しい
55.9
54.4
多子世帯の優先入居や広い部屋の割り当て、住宅費の
軽減など、住宅面の配慮が欲しい
18.4
残業時間の短縮や休暇の取得促進など、企業に対して
職場環境の改善を働きかけて欲しい
17.7
15.8
18.1
子育てについて学べる機会を作って欲しい
その他
60%
5.9
11.2
0.7
就学前児童(N=215)
5.1
不明・無回答
15.8
資料:平成 21 年3月
12
小学生児童(N=152)
次世代育成支援に関するニーズ調査
【今後実施したい自主活動、参加したい活動】
就学前児童(N=108)
0%
20%
40%
60%
子どもを他の子どもといっしょに遊ばせたり、
親子で楽しむ活動
50.9
一時的に子どもを預かったり預けたりして親が
自分の時間を持つための活動
不明・無回答
100%
92.6
親同士が子育てに関する情報交換をしたり、
困っていることを話し合う活動
その他
80%
31.5
0.0
1.9
資料:平成 21 年3月
次世代育成支援に関するニーズ調査
【誯題】
◇① 子育ての孤立化への対応
核家族化の進行、地域コミュニティの希薄化などの要因により、子育ての孤立化が深刻な状況とな
っています。孤立化が育児疲れ・育児丌安や虐待の要因となることなどが懸念されます。特に、この
誯題の解消に向けては、地域単位で、気軽に親子で遊びに行ける場、近所に友人や知人がつくれる場、
相談や情報の交換ができる場などの設置を進めていくほか、これらの取り組みが効果的に進められる
よう、子育て支援のネットワークの促進、参加しやすい事業手法の検討、各種健康診査、家庭訪問な
ど多くの親子との関わりがある事業における周知など、包拢的かつ多角的な取り組みが必要となって
います。
◇② 多様な悩みと丌安の解消
子育ての悩みや丌安については、子育てにかかる出費、子どもの教育・遊び場、子育てにより親自
身の自由がなくなることなど、その内容は子どもの成長段階、家庭事情や考え方などにより、多岐に
わたっています。このような多様な悩みを解消するためにさまざまな事業を多角的に展開しています
が、今後も一層きめ細かな対応を進めていく必要があります。
そのため、子育てで悩んでいる人が多様な悩みを相談しやすいよう、視野の広い相談体制づくりが
必要となっています。また、一人ひとりの状況に応じたきめ細やかな対応ができるよう、個々の適切
な支援へとつなげていくようなコーディネートも必要になってきます。
13
(3)地域における子育て力低下への対応
【現状】
◇① 地域関係が希薄化しています
アンケート結果から、就学前児童・小学生児童において子育てが地域の人に支えられていると感
じている人は尐なくなっています。また、地域間のつながりをつくる一助となりえる子育てサー
クルなどの自主活動への参加意向も、半数近くが参加するつもりがなく、今後のさらなる希薄化
の進行が危惧されます。
【豊郷町における以下のような分野についてどのように感じるか】 (左:就学前 右:小学生)
[就学前児童 N=215]
0%
20%
40%
27.9
育サービスに満足していますか
16.7
20.0
児医療体制に満足していますか
境が充実していると思いますか
全に過ごせるまちだと感じますか
ど配慮の必要な子どもにとって
心できる場だと思いますか
46.0
8.4
53.0
8.8
ちに支えられていると感じますか
15.3
子育てを楽しいと感じていますか
子育てを楽しいと感じていますか
34.9
1.4
子どもがいても安心して働けると感じていますか
子どもがいても安心して働けると感じていますか
37.7
0.5
乳幼児健診の体制に満足していますか
乳幼児健診の体制に満足していますか
0.9
小児医療体制に満足していますか
小児医療体制に満足していますか
13.8
1.4
子どもへの教育環境が充実していると思いますか
子どもへの教育環境が充実していると思いますか
11.8
31.6
40.9
37.7
37.7
29.8
39.5
39.5
場が充実していると思いますか 4.2
47.4
0.9
学校などの公共施設が子どもにとって
学校などの公共施設が子どもにとって
安心できる場だと思いますか
安心できる場だと思いますか
47.9
1.4
地域ぐるみで子どもを見守る体制が
地域ぐるみで子どもを見守る体制が
できていると思いますか
できていると思いますか
12.5
1.4 子育てが地域の人たちに支えられていると感じますか
子育てが地域の人たちに支えられていると感じますか
13.2
ない安全なまちだと思いますか 7.4
はい
45.1
いいえ
45.1
どちらでもない
50.0
16.4
32.2
4.6
5.3
5.9
42.1
3.9
35.5
30.3
52.6
30.9
22.4
38.8
40.1
はい
42.1
4.6
45.4
3.3
41.4
5.3
21.7
46.7
いいえ
3.3
4.6
68.4
9.9
不明・無回答
4.6
37.5
54.6
公園など遊び場が充実していると思いますか 5.9
公園など遊び場が充実していると思いますか
32.2
46.1
42.1
100%
5.3
4.6
42.8
12.5
2.3 犯罪被害にあう事の少ない安全なまちだと思いますか
犯罪被害にあう事の少ない安全なまちだと思いますか
80%
39.5
32.2
0.9
20.0 1.4
21.1
23.7
障害など配慮の必要な子どもにとって
障害など配慮の必要な子どもにとって
安心できる場だと思いますか
安心できる場だと思いますか
74.4
60%
58.6
青少年が健全に過ごせるまちだと感じますか 6.6
青少年が健全に過ごせるまちだと感じますか
43.7
40%
23.7
0.9
52.6
21.9
11.2
0.5
47.4
11.6
どの公共施設が子どもにとって
心できる場だと思いますか
ぐるみで子どもを見守る体制が
できていると思いますか
22.3
20%
保育サービスに満足していますか
保育サービスに満足していますか
27.0
47.0
0%
1.9
2.3
39.5
健診の体制に満足していますか
100%
50.7
70.2
安心して働けると感じていますか
80%
19.5
子育てを楽しいと感じていますか
[小学生児童 N=152]
60%
39.5
どちらでもない
3.9
3.9
不明・無回答
【子育てに関するサークルなど、自主的な活動に参加しているか】
0%
就学前児童(N=215)
20%
14.9
40%
60%
35.3
80%
44.7
100%
5.1
現在参加している
現在は参加していないが、今後機会があれば参加したい
現在参加しておらず、今後も参加するつもりはない
不明・無回答
資料:平成 21 年3月
14
次世代育成支援に関するニーズ調査
◇② 地域の子育て支援事業の参加が増えています
子育て支援に対するニーズが増加・多様化する状況の中で、行政サービスだけですべてのニーズに
対応することが難しくなっています。そのような中、社会福祉協議会などを中心としてボランティア
の育成、活動支援を行っており、活動の活性化につながっています。また、子育て支援センターの利
用者数は増加しており、地域での子育て支援体制の構築につながっています。
【誯題】
◇
地域の子育て力を回復させる
核家族化の進行や近隣住民との関係が希薄化している中、地域住民の多くが子育てへの関心・
理解を高め、地域全体で子どもを守り、育てていくことができるよう、子育てに関する意識啓発
などを進めていく必要があります。また、地域の関係団体やボランティアと連携を図り、地域の
人材や資源を活用した交流活動などを推進していき、地域全体の子育て力を回復させていくこと
が必要です。
(4)仕事と生活の調和への対応
【現状】
◇① 働く女性が増えています
本町における子育て期間の女性の就業者は増加しています。職業内容や能力の多様化から、今
後ますます女性の社会進出が進み、女性の就業者が増加していくと予想されます。
◇② 保育ニーズが高まっています
アンケート結果から、保育サービスを利用している・したい理由として「現在就労している」が最
も多く、女性の就業者の増加にともない、保育サービスの利用も高まることが予想されます。
【サービスを利用している・したい理由】
就学前児童(N=116)
0%
20%
40%
現在就労している
現在就労しているが、もっと日数や時間を増やしたい
就労予定がある/求職中である
そのうち就労したいと考えている
80%
100%
58.6
1.7
5.2
3.4
就労していないが、子どもの教育などの
ために子どもを預けたい
家族・親族などを介護しなければならない
60%
24.1
1.7
病気や障害を持っている
学生である/就学したい
その他
5.2
資料:平成 21 年3月
15
※不明・無回答除く
次世代育成支援に関するニーズ調査
◇③ 仕事と生活の調和を図る必要があります
アンケート結果によると、
「仕事時間」と「家事(育児)
・プライベートの生活時間」の優先度につ
いては、就学前児童、小学生児童ともに仕事時間を優先している現実が高く、希望と差があります。
また、育児休業制度については、就学前児童、小学生児童ともに 7 割以上が利用していません。
【「仕事時間」と「家事(育児)・プライベートの生活時間」の優先度】
就学前児童(N=215)
0%
希望
20%
40%
7.9
現実
60%
80%
68.4
13.5
27.0
60.9
仕事時間を優先
100%
家事(育児)時間を優先
自分の生活時間を優先
その他
2.3
7.9
1.4 2.3
8.4
不明・無回答
小学生児童(N=152)
0%
希望
20%
40%
5.9
60%
80%
59.9
19.1
36.2
現実
仕事時間を優先
5.3
50.0
家事(育児)時間を優先
100%
9.9
2.0 2.6
自分の生活時間を優先
資料:平成 21 年3月
その他
9.2
不明・無回答
次世代育成支援に関するニーズ調査
【育児休業制度を利用したか】
0%
就学前児童(N=215)
小学生児童(N=152)
20%
40%
60%
18.1
80%
75.3
13.8
6.5
75.0
母親が利用した
母親と父親の両方が利用した
不明・無回答
11.2
父親が利用した
利用しなかった
資料:平成 21 年3月
16
100%
次世代育成支援に関するニーズ調査
【誯題】
◇① サービスの充実と質の確保
女性の社会進出の増加や働き方の多様化、家族形態の多様化などにともない、さまざまな方面で子
育て支援サービスに関わるニーズが高まっています。このような多様なニーズに対応するため、既存
事業の見直しや拡充を図るとともに、保育所や放誯後児童クラブなどの各種保育サービス、地域子育
て支援拠点事業(ひろば型)など地域における子育て支援事業、放誯後子ども教室など多様なサービ
スの提供を推進しています。また、いろいろな方面において、各種住民団体、地域の住民などサービ
ス提供主体の多様化も促進していますが、今後さらにサービスの量やメニュー・質を確保していくこ
とが必要です。
◇② 仕事と子育ての両立支援
男女がともに社会のあらゆる活動に参画していくためには、仕事、家庭生活、地域生活などの活動
にバランスを取りながら参画できる環境づくりが重要です。また、育児を行う就業者の職業生活と家
庭生活の両立が図られるようにするためには、固定的な性別役割分担意識の解消や職場優先の企業風
土の是正を図るため企業の理解を深めることが重要です。今後は仕事と子育ての両立に関する意識啓
発を進めるとともに、企業に対して仕事と子育ての両立を図るための制度の定着・促進を働きかけて
いくなど、社会的な取り組みを進める必要があります。
17
(5)子どもを取り巻く環境の変化への対応
【現状】
◇① 子どもの遊び場の充実が求められています
アンケート結果から、子どもの遊び場について「雤の日に遊べる場所がない」「遊具などの種
類が充実していない」「近くに遊び場がない」などを感じている人が多くなっています。
【家の近くの子どもの遊び場について、日頃感じていること】
0%
10%
20%
30%
40.0
雨の日に遊べる場所がない
45.4
6.5
7.2
思い切り遊ぶために十分な広さがない
22.8
遊具などの種類が充実していない
18.4
10.2
8.6
不衛生である
10.7
12.5
いつも閑散としていて寂しい感じがする
7.4
遊具などの設備が古くて危険である
5.3
3.7
1.3
遊び場やその周辺の環境が悪くて、
安心して遊べない
7.4
9.2
11.6
13.8
遊び場周辺の道路が危険である
遊び場に行っても子どもと同じ歳くらいの
遊び仲間がいない
その他
特に感じることはない
50%
20.5
18.4
近くに遊び場がない
緑などの自然が少ない
40%
12.1
6.6
2.3
2.0
8.8
7.2
20.0
不明・無回答
28.3
就学前児童(N=215)
資料:平成 21 年3月
小学生児童(N=152)
次世代育成支援に関するニーズ調査
◇② 子どもの遊び方が変化しています
都市化の進展や治安の悪化などにより、子どもたちの遊び場は屋外よりも屋内が増え、さらに情報
機器を使ったゲームやメールなど、仮想体験や間接的なコミュニケーションに依存する傾向がみられ
ます。従来のように、自然や地域の中で遊びや体験を通じて身につけてきた社会性や協調性など、人
間形成に重要な要素が育ちにくい状況にあります。
18
◇③ 子どもの安全に配慮したまちづくりを望んでいます
アンケート結果から、子どもと外出する際、困ること・困ったこととして、「歩道や信号がない通
りが多く、安全面で心配があること」
「子どもをつれて買い物に出かけるのが大変なこと」
「暗い通り
や見通しのきかないところが多く、子どもが犯罪にあわないか心配であること」などを感じている人
が多くなっています。
【子どもとの外出の際、困ること・困ったこと】
0%
10%
20%
30%
歩道や信号がない通りが多く、
安全面で心配があること
歩道の段差などがベビーカーや自転車の
通行の妨げになっていること
交通機関や建物がベビーカーでの移動に
配慮されていないこと
小さな子どもとの食事に配慮された場所がないこと
3.3
0.7
4.2
2.0
20.0
8.6
8.4
1.3
15.3
2.6
買い物や用事の合間の気分転換に、子どもを
遊ばせる場所がないこと
19.1
15.1
36.3
子どもをつれて買い物に出かけるのが大変なこと
14.5
緑や広い歩道が少ない等、町並みに
ゆとりとうるおいがないこと
10.7
13.2
暗い通りや見通しのきかないところが多く、
子どもが犯罪にあわないか心配であること
周囲の人が子ども連れを迷惑そうにみること
荷物や子どもに手をとられて困っている時に手を
貸してくれる人が少ないこと
その他
50%
31.2
29.6
トイレがオムツ替えや親子での利用に
配慮されていないこと
授乳する場所や必要な設備がないこと
40%
16.3
26.3
1.4
2.0
3.7
2.6
0.5
2.0
12.1
14.5
特に困ること・困ったことはない
11.2
不明・無回答
25.7
就学前児童(N=215)
資料:平成 21 年3月
19
小学生児童(N=152)
次世代育成支援に関するニーズ調査
【誯題】
◇① 子育てに配慮した生活環境の整備
共働きの両親の増加などにより、子どもが安全に安心して遊べる環境の整備を推進する必要があり
ます。また、子育て中の親子が安心して生活できるよう親子で外出しやすいまちづくりなど、子育て
バリアフリー化を進めるとともに、その情報提供に努める必要があります。
◇② 犯罪・事敀に対する丌安の解消
さまざまな事業や施策により、子どもの防犯対策や交通安全対策に積極的に取り組んでいますが、
依然として子育て家庭への丌安は解消しきれていません。このような丌安の解消には、子育て家庭や
子どもが安心して安全に出歩ける生活環境が必要になってきます。また、関係団体や地域の人々など
によるあたたかい見守りの中で、子どもと親子が地域で活動できる居場所を多く設けていくことも、
丌安の解消に向けて有効な手段であると考えられます。
20
第3章
計画の基本的な考え方
1.基本的な視点
この計画では、次の3つの視点に基づき、総合的な施策の展開を図ります。
(1)子どもが健やかに育つ視点
次代を担うのは今の子どもたちです。子どもの幸せを第一に考え、子どもの考え、利益が最大限に
尊重されるよう配慮し、子どもが大人になっても「子どもが欲しい」「子どもが生みたい」と思い続
けられるような取り組み、まちづくりを進めます。
(2)親が安心して子育てをする視点
子どもを育てるのは親・家庭でありますが、これからは社会全体で子育てをすることがとても大切
になってきます。
「生まれてきた子どもをどう支援していくか」を考えていき、これから子どもを生もうとしている
人、これから子どもを生みたいと思っている人に、安心して子どもを生むことができる、また育てる
ことができる環境を提供していきます。
また、ワーク・ライフ・バランスの考えのもと、男女が協力して子育てに関わっていけるような環
境づくりを進めます。
(3)地域全体が子育てを支援する視点
子育て支援は、地域社会、企業、学校、行政などを含め社会全体で取り組むべき誯題です。そのた
め、さまざまな地域の支え合い機能が希薄化する中で、地域の意識の再生を図り、地域社会全体が子
育て家庭に目を向け「地域の子どもは地域で育てる」という共通認識のもと、あらゆる人々が自分の
知識と経験を活かしながら子育て支援に関わっていける環境づくりを推進します。
21
2.計画の目標
子どもは、豊郷の風土と歴史と未来を託すまちの宝であり、子どもの健やかで伸びやかな成長を支
援することは、私たちの責務です。住民一人ひとりがその責務を再確認し、子どもの育ちをより豊か
なものとするため、地域の自然、歴史・文化、人材などを最大限に活用しながら心を交わしあい、ま
た、子どもを生み育てたい人が安心して出産や子育てをできるよう応援するまちをめざします。
「陽だまり」とは、そのような人とまちが、子どもと子育てへのあたたかいまなざしに満ちた、ゆ
ったりとした明るさを醸すことを表しています。
「子ども・子育て
陽だまりのまち、豊郷」
22
3.施策の基本方向と体系
基本目標として掲げた「子ども・子育て 陽だまりのまち、豊郷」の実現に向けて、各分野の施策
の基本方向を次のように定めます。
(1)子どもを育む家庭と地域づくり
子どもが、自らの「育ち」を豊かなものとしていけるよう、家庭と地域の子育て力の向上を図ると
ともに、学びの助長としての教育を充実させていきます。また、地域の多様な交流活動を展開しなが
ら、子どもの安全な居場所をまちなかに確保していきます。
(2)家庭と仕事の両立を支える文化づくりと保育サービスなどの充実
子育てを応援する地域文化づくりの側面から男女共同参画社会づくりを推進し、家庭生活と地域生
活、職業生活のバランスがとれたライフスタイルを、自ら選びとっていける住民像の確立をめざした
取り組みを進めます。そのため、家庭・地域・就労などに係る周辺条件の改善とニーズに即応した保
育サービスなどの充実に努めます。
(3)安心して子育てできる社会環境づくり
妊娠・出産・育児に係る保健・医療を充実させるとともに、子どもと子育てに関する総合相談を安
心して利用でき、関連する情報を容易かつ有意義に利用できるようにしていきます。また、事敀や犯
罪、災害などへの備えや、養育に困難さを抱えるひとり親家庭や障がい児とその家庭などへの支援の
ため、専門的対応と地域ネットワークの充実を図ります。
23
施策の体系
≪基本目標≫
≪基本方向≫
≪施策≫
(1)家庭の子育て力の
向上
(2)地域の子育て力の
1.子どもを育む
家庭と地域づ
≪基本的な視点≫
・子どもが健やかに育
つ視点
・親が安心して子育て
をする視点
・地域全体が子育てを
支援する視点
「
子
ど
も
・
子
育
て
くり
向上
(3)教育・学習の充実
(4)子育て交流活動と
ネットワーク化の
促進
(5)子どもの遊び場づ
くりの充実
2.家庭と仕事の
両立を支える
陽
だ
ま
り
の
ま
ち
、
豊
郷
」
文化づくりと
保育サービス
などの充実
(1)男女共同参画社会
づくりの推進
(2)保育サービスなど
の充実
(1)子育て相談・支援
体制の充実
(2)「健やか親子 21」
に基づく母子保
健の充実、医療の
充実
3.安心して子育て
(3)子育てに困難さを
できる社会環
抱える家庭への支
境づくり
援の充実
(4)安全・安心の地域
づくり
(5)子どもの人権尊重と
児童虐待など対策ネ
24
ットワークの充実
第4章
施策の内容と事業目標
1.子どもを育む家庭と地域づくり
核家族化、都市化、共働き世帯の増加などによって、隣近所との付き合いが減尐しており、互いに
助け合う関係が薄れています。家庭や地域が連携して、子どもたちを育て上げる家庭の子育て力や地
域の子育て力を向上させていくことが誯題となっています。また、豊かな人間形成を育む場としての
役割が大きい学校教育においても、教育活動を通じて自ら考え判断する力など、生きていくために必
要な力を育てていくことが重要となっています。
今後は、学校・家庭・地域の連携による多様かつ柔軟性のある教育活動を展開するとともに、それ
ぞれの教育の悩みに応じたきめ細かな情報提供や相談体制の充実を図ります。また、世代間交流など、
みんなで取り組む子育て支援社会の形成に向けて、子どもと地域との交流活動を促進します。
(1)家庭の子育て力の向上
子どもが育つ上では、家庭の役割が大変重要です。家族相互の愛情と信頼、絆のもとで過ごす日常
生活の中で、子どもは基本的な生活習慣や倫理観、人間性を育んでいくことができます。しかし今日
では、核家族化や生活様式の多様化、近隣関係のつながりの希薄化などにともない、子育て家庭の孤
立化や子育て力の低下などを招いています。
今後は、こうした状況を家庭自体の問題として捉えるだけではなく、社会的な問題として捉え、行
政や地域が子育ち・子育てを見守る責務を再確認して、子育て家庭に対して一定の働きかけをしてい
くことが求められています。
本町では、各学校・園での家庭教育講座などにより、子育てに必要な知識や技術を学べる機会を拡
充していくとともに、さまざまな子育て支援の取り組みを推進していくことにより、家庭教育の充実
に取り組んでいきます。
取り組み事業
①家庭の子育て力の向上
◎ 家庭教育講座の拡充
-育児講座の講師の登録(病気・精神・医療・保健関係など)
◎ 産前産後家庭へのヘルパー派遣制度の充実 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
25
(2)地域の子育て力の向上
現在の地域の教育力は乏しいものとなっており、家庭や地域が連携して子どもたちを育て上げる家
庭の子育て力や地域の子育て力を向上させていくことが誯題となっています。
本町では、子どもに地域社会の一員・仲間としての意識を育て、一方地域の大人は地域の子どもを
「うちの子」としてあたたかく見守ることができるよう、地域における大人と子どもの関係づくりを
進めていきます。そのためにも、さまざまな世代間交流を促進するとともに、「あいさつ運動」など
を展開することで、地域ぐるみでの子育てを推進していきます。さらに、これらの活動では、地域の
多様な人材や資源を活用するとともに、活動をする上で重要なリーダーの育成にも力を入れていきま
す。
また、次世代を担う子どもたちが、将来の地域社会づくりに参画できるよう「中学生議会」などの
取り組みを行い、子どもたちがまちづくりに直接かつ主体的に参加する機会の充実を図ります。さら
に、伝統的な祭りや行事に子どもたちが参加する機会の拡充を図ります。
取り組み事業
①近所の子どもと大人の関係づくりの促進
○ 自治会単位での、地域の子どもを知る機会づくり
○ 「あいさつ運動」の展開
◎ 子ども会活動・PTA 活動の推進
◎ 講演会などによる、子育て意識の高い地域社会の醸成 など
②子どもを交えた地域交流活動の促進
○ プレイリーダーの養成
◎ 青尐年健全育成事業の推進
-育成会と連携したパトロール、悪書追放の取り組み
◎ 多世代による交流活動の充実 など
③まちづくりに子どもが活躍できる機会の充実
◎ 「中学生議会」の取り組み内容の拡充
◎ 子どもによる、まちの情報誌づくりの充実
◎ まつりなど、地域行事への子どもの参画の促進 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
26
(3)教育・学習の充実
次代の担い手である子どもを育んでいくにあたって、これからの変化の激しい社会に生き、時代を
切り拓くために必要な基礎学力の定着、問題解決能力の育成、豊かな人間性や社会性、心身のたくま
しさなど、個性豊かに「生きる力」を伸ばしていく教育の充実が求められています。
本町では、子どもが主役となり、自らの個性を輝かせて取り組む体験・交流型の学習活動を重視し、
一人ひとりが生命観、家族観、就労観、郷土愛などを培えるよう、学校教育の充実を図ります。また、
恵まれている自然環境を活かして、子どもたちが心と体を使って「命」のすばらしさにふれ、「食」
の大切さを学ぶことのできる多様な機会の提供に努めます。さらに、発達に誯題を抱える子どもの教
育・療育についても、一人ひとりへのきめ細かな対応充実にも努めます。
取り組み事業
①生きる力を育む体験・交流型活動の推進
◎ 子ども同士の交流活動の充実
-異年齢交流、障がい児交流などの充実、わんぱく体験
◎
自然体験活動の充実
-「さとっこふれあい教室」など農業体験活動の充実
◎
就労観、社会観の育成
-奉仕体験(ボランティア)、仕事場訪問、就労体験、多世代交流などの充実
◎
生命観・子育て観の育成と人権教育の充実
-幼尐期からの保育体験・交流活動、性教育、男女平等教育などの充実
◎
児童・生徒に対する土曜日の学校外活動プログラムの充実
-地域教育活性化協議会による学校外体験活動の推進
◎
郷土愛の育成
-風土・郷土史体験学習の充実、江州音頭の振興
◎
文化・スポーツ活動の推進 など
②学校保健・体育の充実
◎
健やかでたくましい心とからだづくりの推進
-学校健診の実施、個に応じた体育の時間の充実、望ましい生活習慣の基礎づくり
◎
子どもの悩み相談の充実
-スクールカウンセラーの配置拡充など、丌登校やいじめ問題への対応充実
◎
学校給食などを通じた「食育」の推進
◎
学校保健における喫煙防止教育や、飲酒、薬物乱用防止などに関する啓発の充実 など
27
③図書館活動などの充実
◎
「おはなし会」「おはなしの時間」の拡充
○
図書館による、学校図書館との本の交流の実施
○
健診時の絵本の読み聞かせの実施 など
④発達に誯題を抱える子どもへの対応の充実
◎
障がいのある子どもへの療育の充実
-特別支援学級の増設、就学指導における相談・研修体制の充実、「つくし教室」の療育の
充実
◎
学習障害(LD)や注意欠陥(多動性)障害(ADD/ADHD)、高機能自閉症などへの対応の
充実 など
⑤若年失業者などの対策の充実
☆
若年失業者、フリーター、ニート対策の充実 など
-ハローワークとの連携を密にした就労相談活動の充実
○:継続、◎:拡充、☆:新規
(4)子育て交流活動とネットワーク化の促進
親子遊びを通じて子ども同士・親同士の交流を進めるため「地域子育て支援拠点事業(ひろば型)
」
を活用します。また、地域の子育て交流活動による自主的な取り組みの支援などにより、子育て家庭
の気軽な交流の場と機会の提供に努めます。さらに、子育て支援センターを強化するとともに、子育
てサークルなどに公民館など地域集会施設や、空き教室、空き家、空き店舗などを活動場所として提
供することや学習会を開催することなど、子育て家庭を地域全体で支え合えるよう地域の自主的な組
織活動の育成を図り、子育てに関する情報提供、子育て支援のネットワークの推進などに努めます。
取り組み事業
①子育て交流活動への支援充実とサークル活動などの育成
☆
子育て家庭の気軽な集いと交流の場の設置{地域子育て支援拠点事業(ひろば型)}
②子育てサークル活動などの支援
◎
公民館などの集会施設の利用の促進
☆
学習・研修活動などへの支援
☆
子育てカフェなど交流施設の設置支援
☆
育児ボランティアの募集・育成
☆
ネットワーク化の支援
☆
子育て支援センターの強化 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
28
(5)子どもの遊び場づくりの充実
共働きの両親の増加などにより、子どもの安全・安心な遊び場の確保が求められています。
町内にある施設などの整備を安全性、快適性などの面から見直し、安全な子どもの遊び場を確保し
ます。また、子どもが遊びや体験などを通じ、社会性、創造性、自主性を培える場として、「自然体
験型ひろば」「冒険ひろば」づくりを図ります。さらに、子どもの遊びを促すプレイリーダーとなる
人材を地域住民から発掘、あるいは育成していくことにも力を入れていきます。
取り組み事業
①地域の遊び場づくりの充実
◎
園庭開放、校庭開放の充実
◎
夏休み、冬休みの公民館各分館の開放
◎
公民館など集会施設の利用の促進
☆
地域による「自然体験型ひろば」「冒険ひろば」づくりの支援
○
ふれあいコンサートの実施 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
29
2.家庭と仕事の両立を支える文化づくりと保育サービスな
どの充実
働きながら子どもを育てる家庭が増える一方で、働き方は多様化してきています。こうした親の就
労状況に応じて、在宅で子育てしている人などの緊急時やリフレッシュ目的の一時預かりや勤務形態
の多様化にともなう延長保育など、保育サービスに対する充実が求められています。
多様化する保護者のニーズに柔軟に対応できるよう、各種サービスの充実を図るとともに、利用者
がよりよい保育環境を選択できるよう、サービスに関する情報提供やサービスの質を確保するための
取り組みを推進します。
また、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現のために、関係機関における活動と
連携・協力し、子育てしやすい就労環境づくりを推進します。
(1)男女共同参画社会づくりの推進
女性の社会進出が進み、夫婦共働きの家庭が増加しています。それにともない、女性が結婚・出産
後も仕事を持つことは珍しくなくなりました。尐子化や核家族化が進む中、仕事と子育てを両立して
行うことには、特に育児ストレス・幼児虐待など、さまざまな問題が生じてきます。働くことと子育
ての両立ができにくくなることは、尐子化の一つの要因であると考えられるため、仕事と子育ての両
立のため、子育て支援サービスはもちろん、周囲の理解や協力が必要となっています。また、子育て
の負担のみではなく、子どもと過ごす楽しさ、喜びも夫婦で共有できる家庭づくりのため、職場も含
めた社会全体が子育てを支援する意識づくりや男女共同による家事・育児の推進を図る必要がありま
す。
今後は、男女ともに就業生活と家庭生活のバランスのとれた働き方ができるように、労働関係法の
周知を図るとともに、就業に向けての情報提供や相談など支援を行います。特に、育児休業制度など
についての意義としくみについては、その周知を進め、利用の促進を図ります。また、相談や情報提
供、講座の充実などにより、女性の能力開発と就労支援を進めます。
30
取り組み事業
①男女がともに活躍できるまちづくり
◎
男女共同参画についての知識の普及と意識啓発の充実
◎
家事、育児・介護などへの男性参画の促進
-パパママ教室の開設検討
◎
就労環境・職場環境の改善
-育児休業などの制度周知と利用の促進、子育てを応援する事業所の公表、事業所への子育て
支援関連情報の提供
◎
女性の能力開発と就労支援
◎
自治会や各種団体の取り組みの支援 など
-地域誯題取り組み事業委託、出前講座、啓発品配布など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
(2)保育サービスなどの充実
子育てをしながら働く家庭が増えており、なおかつ働き方は多様化してきています。こうした親の
就労状況の変化とともに、在宅で子育てしている人の緊急時やリフレッシュ目的の一時預かりなど、
保育サービスに対するさまざまなニーズが高まり、さらなるサービスの充実が求められています。
今後は、多様化する保護者のニーズに柔軟に対応できるよう、各種サービスの充実を図るとともに、
利用者がよりよい保育環境を選択できるよう、サービスに関する情報提供やサービスの質を確保する
ための取り組みを推進します。さらに、研修などを充実させることにより、保育士・幼稚園教諭・放
誯後児童クラブの指導員などの資質向上を図ります。また、就学前保育・教育施設などにおけるアレ
ルギーや障がいのある子どもへの適切な対応を強化していくとともに、出産・育児に係る経済的負担
の軽減に努めます。
取り組み事業
①保育サービスなどの拡充
○
通常保育事業の実施
◎
時間延長保育事業の充実
◎
一時預かり事業の充実
◎
土曜日・休日保育の拡充
◎
障がい児保育の充実
◎
幼稚園における預かり保育事業の検討
◎
豊郷町託児サービスの検討 など
31
②保育所・幼稚園の充実
◎
職員・教員の資質向上と人的配置の充実
-研修などの充実
◎
保育所保護者会や幼稚園 PTA の活動の促進
◎
就学前保育・教育施設などにおけるアレルギーや障がいのある子どもへの対応強化
◎
施設設備の計画的な維持管理、更新 など
◎
民間の保育園の耐震化
③放誯後児童クラブの充実
☆
指導員の資質向上と人的配置の充実
-研修などの充実 など
④出産、育児に係る経済的負担の軽減
○
丌妊治療に係る支援の充実
○
乳幼児医療負担の軽減
○
児童手当などの支給 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
32
3.安心して子育てできる社会環境づくり
核家族化や尐子化の進行にともない、子育てについての体験や知識を徔る機会が尐なくなっており、
乳幼児とふれあう機会を徔ることなく親になる人も増えています。そのため、子どもの教育や接し方
などさまざまな丌安や悩みを抱え、自信をもてない人が増えています。
子育て家庭を取り巻く丌安や誯題に対して、きめ細かな相談対応の推進や子育てに関する情報提供、
情報交換などができる交流の場の提供、子育てに係る経済的負担を軽減するための各種手当の支給に
努めます。
また、子どもや親子が安心して暮らせるまちづくりをめざして、家庭、地域、行政が一体となり安
全対策を一層強化するとともに、道路や公共施設のバリアフリー化の推進、交通や犯罪に対する安全
確保など、子どもや子ども連れが行動しやすい安全な環境整備に努めます。
(1)子育て相談・支援体制の充実
子どもと子育てに関わる相談は、子どもの成長段階や相談内容によってさまざまな対応が必要とな
ります。身近なことから専門的な内容まで幅広く対応できるように、保育所の園庭開放時などにおけ
る気軽な相談など専門相談の充実とあわせて、だれもが利用しやすいまちの中心部に、総合的で一元
的な窓口を整備することによって、利用しやすい相談の提供に努めます。
また、子どもと子育てに関する相談では、住民ニーズの多様化・高度化にともなって、さらなる専
門相談機能の整備が求められていることから、福祉、教育、保健などの分野で専門職の配置の充実を
検討します。
取り組み事業
①子どもと子育てに関する相談の充実
☆
総合窓口の整備
◎
家庭内の暴力についての相談の充実
☆
町内の対人援助専門職の育成 など
-資栺取徔への一部補助
②子どもと子育てに関する情報受発信の充実
◎
広報の充実など、情報の利用のしやすさの改善
◎
住民との協働による、子育てに関する情報誌やマップの作成・更新
◎
社会福祉協議会との連携による、ボランティアやサークルなどについての整理・活用 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
33
(2)「健やか親子 21」に基づく母子保健の充実、医療の充実
子どもの病気などの緊急時に迅速かつ適切に対応できるよう、医療機関の情報提供やかかりつけ医
の推進を図ります。また、21 世紀における母子保健の国民運動計画である「健やか親子 21」に基
づく、妊婦健診の無料化やこんにちは赤ちゃん事業などを実施することにより母子保健の充実に努め
るとともに、湖東医療圏における小児科救急医療の充実に向けた働きかけを強めます。
取り組み事業
①母子保健に係る相談・指導などの充実
○
母親の産前産後の心とからだの健康づくりの支援
-妊婦健康診査、妊産婦訪問指導、母子健康手帱の交付
◎
新生児・乳幼児訪問相談・指導の充実
○
乳幼児健康診査の実施
○
乳幼児健康相談・栄養相談の実施
○
離乳食教室の実施
○
予防接種の実施
○
むし歯予防の推進
◎
母子保健における健康指導の充実
-喫煙防止教育や飲酒などに関する啓発の充実、食育の推進
◎
親子遊び・子育て仲間づくりの促進
-「すくすく教室」の充実、のびっこ広場
○ 妊婦健診の無料化
○ 乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)
○ 養育支援訪問事業 など
②医療の充実
◎
小児科救急医療体制の充実に向けた働きかけの強化 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
(3)子育てに困難さを抱える家庭への支援の充実
発達に丌安のあるケースや軽度発達障がいなど子どもの発達に関するニーズは多様化・複雑化して
おり、個々の発達状況に応じた支援が求められています。本町では、「豊郷町障害者基本計画」に基
づき、障がいのある子どもの発達を支援するとともに、障がいのある子どもを養育する家庭への支援
の充実を図ります。
また、ライフスタイルや価値観の多様化が進む中で、ひとり親家庭が増加しており、子育てや仕事
など生活全般にわたって保護者の負担が大きくなりがちです。特に、母子家庭の増加が顕著であるこ
とから、住宅支援や保育サービスの提供、就労支援などの総合的な生活自立の支援を図ります。
34
取り組み事業
①障がい児を持つ家庭への支援
○
療育相談の実施
○
特別児童扶養手当の支給 など
◎
「きらきら教室」の実施
②ひとり親家庭などの子どもへの支援
○
母子家庭への経済的支援
○
母子家庭の母親への就労支援の充実
○
父子家庭への家事・保育支援の充実 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
(4)安全・安心の地域づくり
子どもや子育て家庭が安心・安全に暮らせる環境づくりのため、「子育てバリアフリー」の推進が
求められています。本町では、「子育てバリアフリー」のまちづくりをめざし、公共公益施設などを
中心として、子どもや子連れで利用しやすい施設設備の整備に努めるともに、交通安全対策の充実を
図っていきます。
また、昨今の子どもが犯罪被害者となる事態や自然災害の多発などを受けて、子どもの心身の安全
を守るため、交通安全施策や防犯施策の充実が求められています。今後は、子どもたちが地域で安全
に安心して過ごせるように、保育所・幼稚園、学校、地域組織、警察、消防などと連携し、地域防犯・
防災の取り組みの充実を図ります。
取り組み事業
①まちの「子育てバリアフリー」の推進
◎
「子育てバリアフリー」に関する啓発の充実
◎
公共公益施設などの子ども環境づくりの推進
◎
道路環境の整備と交通安全の推進
○
子育てしやすい住宅・住環境の整備 など
②子どもを守る、地域防犯・防災体制の充実
◎
「子ども 110 番の家」の子どもへの周知
◎
子どもパトロールの充実
◎
学校安全対策の推進
◎
登下校時の安全対策の推進
○
防犯灯・道路照明の設置
◎
丌審者などの情報の家庭、保育・教育施設、地域などへの一斉メール送信の実施
☆
有害情報対策の促進
☆
乳幼児などを抱える家庭の避難対策の充実 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
35
(5)子どもの人権尊重と児童虐待など対策ネットワークの充実
児童虐待に関する問題などはますます深刻化しており、平成 16 年には児童虐待防止法の一部改正
が行われ、虐待の予防、早期対応に向けてさらなる取り組みの強化が求められています。こうした問
題は、通報など第三者の介入によって発見されるケースが多いことから、地域社会全体で子どもの人
権を守るための取り組みを進めていくことが重要です。
特に、在宅で子どもを養育する母親が、子育てにあたって孤立感を持ちやすいことから、
「出前型」
での交流事業などの展開や子育て家庭への訪問相談の充実を進め、いわゆる「密室育児」や「孤育て」
を防ぐことで児童虐待の予防を図ります。また、日常的な声かけ・見守りなどにより、早期発見と事
態改善を図ります。
このため、県福祉事務所、児童相談所、教育委員会、警察、家庭児童相談室、病院、保健所、民生
委員・児童委員、主任児童委員など関係諸機関の連携を強化し、虐待の予防から早期発見、被害を受
けた子どもや親への支援まで一貫した支援を行うためのネットワーク体制の整備・充実を図ります。
取り組み事業
①子どもの人権尊重
◎
子どもの人権についての意識啓発の充実
など
②密室育児の予防と児童虐待など対策の充実
◎
要保護児童対策地域協議会の強化 など
○:継続、◎:拡充、☆:新規
□■子どもの権利■□
1924(大正 13)年の「子どもの権利に関するジュネーブ宣言」
、1959(昭和 34)年の
「子どもの権利宣言」を受けて、1989 年(平成元年)11 月 20 日に「児童の権利に関する
条約(子どもの権利条約)」が国連総会において採択され、成立しました。この条約は、基本
的人権が子どもにも保障されるべきことを国際的に定めた条約であり、
日本は 1994(平成6)
年にこの条約に批准しています。2009(平成 21)年5月現在、193 の国と地域が締結して
います。条約は、前文と本文 54 条からなり、子どもの生存、発達、保護、参加という包拢的
な権利を子どもに保障したものとなっています。
36
第5章
重点施策
1.子育てサークルなどのリーダー育成の強化
核家族化や生活様式の多様化、近隣関係のつながりの希薄化などにともない、子育て家庭の孤立化
や子育て力の低下などが問題となっています。こうした状況の中、地域において子ども同士・親同士
の交流を進め、子育てのさまざまな丌安や悩みをともに相談することができる子育てサークルやグル
ープの存在は重要なものとなっています。しかし、子育てサークルなどを運営するにあたって、率先
してみんなを引っ張っていくリーダーや指導者の存在がなく、自然消滅してしまうものも尐なくあり
ません。
そのような中、本町では高齢者施策として元気な高齢者のいきがいづくりや世代間交流を推進して
います。そのため、子育て施策と高齢者施策との連携を図り、老人クラブやボランティア団体を中心
に子育てサークルなどを引っ張っていくリーダーや指導者の人材の発掘、育成していくことに努めま
す。
2.子育てネットワークの構築と地域子育て支援拠点の整備
地域には子育て家庭による互助活動、子育て支援や子どもの育成活動を行っている諸団体、民間事
業者などの活動があります。また、町内や周辺地域には保育園、幼稚園、子育て支援センター、学校
などの子どもと家庭を支援する諸施設とその活動があります。さらに子どものために、役に立ちたい
と思っている多くの住民がいます。
このように地域にあるさまざまな主体がパートナーシップを持って子どものための時間・空間・仲
間をつくりだしていくために、地域の自主的な組織活動の育成を図り、子育てに関する情報提供、子
育て支援のネットワークの推進などに努めます。
また、新たに設置された地域子育て支援センターの機能を強化することで、子育てサークルの育
成・支援を行うとともに、保健・福祉の行政機関や地域住民との交流を推進します。
37
3.子どもと子育てに関する総合窓口の整備
子どもと子育てに関する悩みや丌安、情報ニーズは、子どもの成長段階に応じてさまざまであり、
緊急性の高いものが多くあります。
今後は保健福祉誯と教育委員会が連携を図り、これら窓口の一元化に向けて、わかりやすく利用し
やすい相談・情報提供の充実を図ります。
また、総合化することによって、「相談していることを誮にも知られたくない」という理由で潜在
化しがちな児童虐待などの相談ニーズにも応えやすくなると考えています。
4.子どもの遊び場の確保
本町においては、子どもの遊び場の確保を推進するために、園庭・校庭開放や公民館などの取り組
みや「児童遊園」「豊郷町スポーツ公園「豊栄のさと」などの子どもが遊べる場所があります。
しかし、住民からは子どもを安全・安心に楽しく遊ばせることができる場所が尐ないという声が上
がっており、その背景にはそれらがすべての子育て世代に知られていない現状もうかがえます。
そのため、住民に対して子どもの遊び場となる施設の情報提供を強化し、利用促進を図ります。
また、現代の子どもの遊び方も多様化していることから、遊びに関するイベントの内容を工夫・検
討していきます。
5.児童の虐待防止対策の推進
子どもへの虐待が全国で4万件を超え、社会問題になっています。虐待が起こっても表面化されに
くいことからも問題はより深刻化しています。本町においても同様の傾向があり、より一層の児童虐
待防止の対策が急務となっています。児童虐待の早期発見と虐待防止に向けた児童虐待防止ネットワ
ークの充実を行うことが求められています。
そのため、保健・医療・福祉・教育・警察など、関係機関の連携のもと、要保護児童対策地域協議
会の機能強化を図り、虐待の早期発見・早期対応から、保護・支援・アフターケアに至るまでの被虐
待児・保護者への一貫した支援の体制づくりに取り組み、児童虐待の防止に努めます。
38
第6章
目標事業量
事業名
事業内容
通常保育
保護者の労働または疾病などにより、
家庭にお
いて当該児童を保育することができないと認
められる場合に保護者に代わり、
保育所での保
育を実施します。
延長保育
保護者の就労形態の多様化に対応するため、
通
常の開所時間を超えて保育を行います。
夜間保育
夜間養護事業
(トワイライトステイ)
休日保育
放誯後児童健全育成事業
病児・病後児保育
短期入所生活援助事業
(ショートステイ)
一時預かり事業
特定保育
ファミリー・サポート・
センター事業
センター型
地域子育て
支援拠点事業
ひろば型
保護者の就労形態の多様化に対応するため、
保
育所において夜間保育を行います。
保護者が仕事などにより帰宅が夜間になる場
合や休日の勤務の場合に、
児童養護施設などに
おいて一時的に預かります。
日曜、
祝日など休日の保育ニーズに対応するた
め、保育所において休日保育を行います。
保護者が仕事などにより、
放誯後の家庭が常時
留守になっている児童の預かり・集団指導を実
施します。
保育所に通う児童などが病気にかかった際で
集団保育の困難な期間において、児童を保育
所・病院等の施設で一時的に預かる事業(病
児・病後児型)や、児童が保育中に微熱を出す
など「体調丌良」となった場合において、保育
所における緊急的な対応を図る事業
(体調丌良
児型)があります。
保護者が病気になった場合などに児童養護施
設などにおいて一時的に児童を短期間
(7日間
程度)預かります。
就労形態の多様化または専業主婦が育児疲れ
や急病などに対応するため、
保育所において一
時的な保育を行います。
保護者がパートを行っているなどにより保育
が困難な児童に対して、
週2~3日程度または
午前か午後のみなどの柔軟な保育を行います。
保育などの援助を受けたい人と行いたい人を
会員とする組織により、保育所への送迎、一時
的な預かりなど育児についての助け合いを行
います。
子育て丌安に対する相談・指導や、子育てサー
クルへの支援など地域の子育て家庭に対する
育児支援を行います。
主に乳幼児(0~3歳児)を持つ子育て中の親
が、
うち解けた雰囲気の中で気軽に集い交流す
るとともに、
子育ての相談に応じるつどいの場
の提供を行います。
39
現行事業量
(平成 21 年度)
目標事業量
(平成 26 年度)
定員
定員
150 人
利用者数
146 人
1か所
利用者数
4人
150 人
利用者数
150 人
1か所
利用者数
4人
0か所
0か所
0か所
0か所
0か所
0か所
2か所
利用者数
69 人
2 か所
利用者数
69 人
0か所
0か所
0か所
1か所
1か所
利用日数
150 日
1か所
利用日数
150 日
0か所
0か所
0か所
0か所
1か所
1か所
1か所
1か所
第7章
計画の推進に向けて
(1)行政機関の連携
この計画に含まれる分野は、保健・医療・福祉・教育・学習・就労・雇用・交通・住宅・環境など
のさまざまな施策分野にわたります。このため、次世代育成支援に関わる庁内組織の充実・強化を図
るとともに、関係部局間の緊密な連携に努めながら、総合的で効果的な計画の推進を図ります。
また、本町が単独で実施できる取り組み以外に、制度や法律に基づく事業や広域的な対応を必要と
する取り組みなどについては、国・県・近隣市町との連携・協力を深めながら、幅広い対応に努めて
いきます。
(2)住民や地域との連携
この計画で示した施策を展開するためには、行政のみならず、家庭をはじめ、「子育ち」「子育て」
に関わって主体的な取り組みを行う住民団体・グループ、地域社会、学校、社会福祉協議会、民生委
員・児童委員、ボランティア・NPO、企業・事業者など多くの関係機関・団体の協力が丌可欠です。
このため、これらの個人・団体などと相互に連携を図り、計画の着実な推進に向けて取り組みます。
また、住民や各種関係機関・団体との連携を図るために広報やホームページなどにより、計画につ
いての周知・徹底を行い、理解と協力を求める働きかけを行います。
(3)計画の進行管理
この計画に基づく施策を計画的に、かつ実効性を持って推進するため、計画に基づく各施策・事業
の実施状況について整理し、施策の充実・見直しについての協議・検討を進めます。
また、この計画の内容や進捗状況などの情報を、ホームページなどの多様な媒体を活用して公開し、
広く住民に周知します。
40
第8章
参考資料
【豊郷町次世代育成支援対策地域協議会設置要綱】
(目的)
第 1 条 急速に進行する尐子化に対応するため、子育て中の家庭への支援をはじめ、次代の社会を担
う子どもが健やかな成長をしていく環境づくり等の整備を総合的に図るため、豊郷町次世代育成支
援対策地域協議会(以下「協議会」という。)を設置する。
(所掌事務)
第 2 条 協議会の所掌事務は、次のとおりとする。
(1) 豊郷町次世代育成支援行動計画(以下「計画」という。
)の審議に関すること。
(2) 計画の実施状況に係る意見に関すること。
(3) その他計画策定および推進に関すること。
(組織)
第 3 条 協議会は、20 人以内の委員をもって組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから町長が委嘱する。
(1) 関係団体の代表者
(2) 関係行政機関の職員
(3) 町民から公募する者
3 委員の任期は 2 年とし、再任を妨げない。ただし、委員が任期途中で欠けた場合における補欠の
委員の任期は前任者の残任期間とする。
(会長および副会長)
第 4 条 協議会に会長および副会長 1 人を置き、委員の互選により選出する。
2 会長は、協議会を代表し、会務を総理する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事敀あるときは、その職務を代理する。
(会議)
第 5 条 協議会は、会長が必要に応じて招集し、会議の議長は会長があたる。
2 協議会は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。
3 協議会の議事は、出席委員の過半数を以って決し、可否同数のときは議長の決するところによる。
4 協議会は、必要があると認めるときは、会議に関係者の出席を求めてその意見または説明を聴く
ことができる。
(庶務)
第 6 条 協議会の庶務は、保健福祉誯において処理する。
(その他)
第 7 条 この要綱に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は別に定める。
付 則
この要綱は、平成 16 年 7 月 7 日から施行する。
附 則(平成 21 年 8 月 12 日告示第 36 号)
この要綱は、公布の日から施行する。
41
【豊郷町次世代育成支援対策推進庁内委員会設置規程】
(設置)
第 1 条 次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成されるよう、社会全体で子育てを支援して
いく環境整備を図るため、豊郷町次世代育成支援対策推進庁内委員会(以下「委員会」という。)
を設置する。
(所掌事項)
第 2 条 委員会の所掌事項は、次のとおりとする。
(1) 豊郷町次世代育成支援地域行動計画(以下「計画」という。
)の策定に関すること。
(2) 計画の推進に係る政策的事項および具体的施策の決定に関すること。
(3) 計画の推進に係る事業の誯内間調整に関すること。
(4) 計画の実施状況の公表に関すること。
(5) その他計画の策定および推進について必要な事項に関すること。
(組織)
第 3 条 委員会は、委員長、副委員長および委員をもって組織する。
2 委員長は、町長をもって充て、副委員長は副町長をもって充てる。
3 委員は、別表第 1 に掲げる職にある者をもって充てる。
(職務)
第 4 条 委員長は、委員会を統拢する。
2 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事敀あるとき、または委員長が欠けたときはその職務を
代理する。
(会議)
第 5 条 委員会の会議は、委員長が必要に応じて召集し、主宰する。
(調整委員会)
第 6 条 委員会に、その所掌事務に係る企画、協議および調整ならびに委員会の会議が決定した事項
を処理させるため調整委員会(以下「調整会」という。
)を置く。
2 調整会は、保健福祉誯長および別表第 2 に掲げる職にある者をもって充てる。
3 調整会の会長は、保健福祉誯長をもって充てる。
(庶務)
第 7 条 委員会の庶務は、保健福祉誯において処理する。
(補則)
第 8 条 この規程に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は委員長が別に定める。
付 則
この訓令は、公布の日から施行する。
附 則(平成 21 年 8 月 12 日訓令第 3 号)
この規程は、公布の日から施行する。
別表第 1(第 3 条関係)
教育長
政策調整主監
総務主監
厚生主監
地域振興主監
教育委員会事務局次長
別表第 2(第 6 条関係)
総務企画誯 住民生活誯 保健福祉誯 産業振興誯 教育委員会事務局
愛里保育園 豊郷幼稚園 子育て支援センター
42
【委員名簿】
団
体
氏
名
1
民生委員児童委員協議会
谷口
瑞明
2
主任児童委員
那須
洋子
3
主任児童委員
岡村
明子
4
豊郷町社会福祉協議会
中山
佳子
5
幼稚園・保育園保護者会
久木
裕美
6
小・中学校長会
田村
宗久
7
豊郷幼稚園
西川
久子
8
愛里保育園
西澤
眞理
9
子育て支援センター
西谷
久子
10
豊郷町健康推進協議会
中村 惠美子
11
豊郷町人権教育推進協議会
佐々木 康雄
12
豊郷町老人クラブ連合会
山田
粂雄
13
彦根子ども家庭相談センター
加納
徳雄
14
湖東健康福祉事務所
青木
繁治
15
公募委員
平野 富士美
16
公募委員
成宮
曜子
(敬称略、順不同)
43
豊郷町次世代育成支援行動計画
平成 22 年3月
豊郷町
〒529‐1169
滋賀県犬上郡豊郷町石畑 375 番地
TEL:0749‐35‐8116
FAX:0749‐35‐4588
印刷・策定協力 (株)日本出版
44