議事録 - 文部科学省

科学技術・学術審議会
生命倫理・安全部会
特定胚及びヒト ES 細胞等研究専門委員会
動物性集合胚の取扱いに関する作業部会(第 7 回)
議事録
1. 日時
平成 27 年 1 月 27 日(火曜日)15 時 00 分~17 時 10 分
2. 場所
文部科学省 5 階 5F1 会議室
3. 出席者
(委 員)須田主査、阿久津委員、大西委員、窪田委員、高坂委員
(事務局)御厩安全対策官、丸山室長補佐、吉田専門職
4. 議事
(1) 動物性集合胚の取扱いに係る科学的観点からの検討
(2) その他
5. 配付資料
動物性集合胚の取扱いに係る科学的観点からの調査・検討事項の一覧(案)
6. 議事
それでは、定刻となりましたので、ただいまから第 7 回動物性集合胚の
【須田主査】
取扱いに関する作業部会を開催いたしたいと思います。
本日は、お忙しい中、お集まり頂きまして、ありがとうございます。
最初に、事務局から、委員の出席状況について、報告をお願いいたします。
【丸山室長補佐】
【須田主査】
本日、小倉委員から欠席の御連絡を頂いております。
それでは、議事に先立ちまして、事務局から配付資料の確認をお願いし
ます。
【丸山室長補佐】
それでは、配付資料の確認をさせていただきます。お手元、座席表、
その次に議事次第がございます。配付資料といたしましては、1 種類、動物性集合胚の取扱
いに係る科学的観点からの調査・検討事項の一覧(案)です。このほか、机上には参考資
料ファイルを置いております。このファイルは、会議後回収させていただきます。資料の
不備、不足等がございましたら、事務局にお願いいたします。
なお、審議の円滑な進行のため、頭撮りはここまでとさせていただきます。
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【須田主査】
それでは、本日の議事に入りたいと思います。本日の議題は、前回に引
き続きまして、動物性集合胚の取扱いに係る科学的観点からの検討です。
まず、事務局から、本日の議事の進め方について、説明をお願いいたします。
【御厩安全対策官】
失礼します。本日、正規の資料は 1 点、表の形式になっているも
のです。前回、項目について御確認を頂きました。動物性集合胚を使う際の目的と考えら
れる三つの項目に従いまして、一通り文章を埋めてみております。本日は、この書き込ま
れた文章の内容が、正確なものになっているのか、また、これをベースにこれから、いろ
んな方の御意見を、倫理的な観点を含めて聞いていきたいと思っていますので、分かりや
すいものになっているのかどうか。また、余り長文なものだと一般の方には読んでいただ
けませんので、なるべく簡潔にまとめたいと思っております。このような観点から、空欄
になっている箇所も含めて御議論いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いい
たします。
【須田主査】
ありがとうございました。
それでは、資料の表に沿って、内容を確認していきたいと思います。まず、1 の動物性集
合胚の作成目的として考えられるものについて、事務局から説明をお願いいたします。
【吉田専門職】
事務局です。資料に沿いまして、御説明します。
まず、1 ポツ、動物性集合胚の作成目的として考えられるものとして、この項目では、こ
れまでに挙げられた三つの作成目的とその概要について書いています。
まず一つ目、多能性幹細胞の分化能の検証です。ヒト多能性幹細胞の分化能を検証する
ため、当該細胞を動物の胚に導入し、動物性集合胚を作成する。二つ目、疾患モデル動物
の作成ということで、疾患メカニズムの解明や新たな治療法の開発等のため、患者由来の i
PS 細胞等を動物の胚に導入した動物性集合胚を作成し発生させることで、ヒト疾患を再現
させたモデル動物を作成する。三つ目のヒト臓器の作成については、ヒトに移植すること
が可能な、ヒトの細胞からなる臓器を動物体内に作成するため、遺伝子改変技術等を用い
て当該臓器を欠損させた動物胚を作り、その胚にヒトの多能性幹細胞等を導入し、動物の
胎内に移植し個体を産生する。
以上です。
【須田主査】
ありがとうございました。
それでは、この項目 1 について、補足すべき点、御意見などありましたら、お願いしま
す。
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【高坂委員】
最初の多能性幹細胞の分化能の検証のところで、分化能を見たいという
ことはそれでいいと思うのですけど、言葉として動態という言葉を使ったらどうかと思っ
たのですね。分化能と、その後の動きですね。各臓器への、あるいは各臓器内での動き。
そういったものを表す適当な言葉というのが細胞の動態という言葉でいいか、よく分から
ないですけど。
【須田主査】
そうですね。場合によっては、分化能及び動態を……。先生、細胞がど
こに移動するかとか、そういうことですね。
【高坂委員】
そういう意味ですね。動態が適切な言葉か、よく分かりませんが。
【須田主査】
いや、動態はいいと思いますけど。
2 番目の「ヒトの疾患を再現させた」というのですが、ヒト疾患そのものを再現させるこ
とはできないから、もう少しやわらかくしますか。「ヒトの疾患に近い病態を再現させた」
とか。
ほかに、よろしいですか。
それでは、また後で指摘していただいても結構ですから、続いて 2 の動物性集合胚によ
り得ることが期待される科学的知見等についてです。
事務局から、説明をお願いいたします。
【御厩安全対策官】
済みません、一つお伺いしようと思っていたことを忘れておりま
した。ヒト臓器の作成のところの概要欄ですが、これは胚盤胞補完法を書いているのです
けれども、これに限定してよいのか、もう少し幅を持たせて書いた方がよいのかというこ
とを、お尋ねいたします。
【須田主査】
いかがでしょうか。ここに書いてあるのは補完法だけですけど、ほかの
方法が可能になってくる可能性はありますが。
【大西委員】
実際、免疫不全マウスを使って肝臓がほぼヒトに置き換わった動物がで
きています。そのため、科学的知見での現状であれば、それは入れておいた方が良いと思
います。補完法のみの記述ですので。
【須田主査】
そうですね。
【大西委員】
ただ、ヒトに移植することが可能な臓器を作るって言い切っているので
すね、ここは。
【御厩安全対策官】
現状の指針上は、ヒトに移植することが可能な臓器と関連する研
究に限定しておりますので、それを前提に書いているのですけれども。
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【高坂委員】
この前文が入ると現実的には不可能ですね、これは。
【大西委員】
そうですね。
【高坂委員】
補完法しかないでしょうね、前文が入ると。
【阿久津委員】
この文章からだけだと、初期胚なのか、その後の胚なのか、よく分か
らないのですけれども、「当該臓器を欠損させた動物胚」というと、初期胚のイメージで
はなくて、先に進んだ胚に入れるというイメージが付いてくると思います。
【大西委員】
そうですね。
【高坂委員】
確かにね。
【大西委員】
着床前の初期胚とかに限定したほうが良いかもしれません。
【須田主査】
はい。
【大西委員】
集合胚の作成を目的とした場合、やはり着床前の初期胚だと思います。
【須田主査】
動物胚のところをそういうふうに置き換える。
【大西委員】
はい。
【須田主査】
他の方法もあり得ますけど、それはまた後での議論に出てきますから。
【大西委員】
ここは集合胚の目的そのものだから。
【須田主査】
はい。じゃあ、動物胚のところを着床前初期胚というふうに変えます。
それじゃあ、2 番に移っていきましょうか。
【吉田専門職】
2 番目の動物性集合胚により得ることが期待される科学的知見等という
ことで、胎外培養、胎内移植、個体産生、それぞれの時期に分けて議論をしていただけれ
ばと思います。これまで頂いた意見について、この表のようにまとめたので、簡単に申し
上げます。
まず、胎外培養において、原始線条出現前までについてです。目的ごとにどのような知
見が得られる可能性があるか、それぞれ説明いたします。まず、多能性幹細胞の分化能の
検証です。ここについては、発生の初期段階におけるキメラ形成の状況やキメラ形成能の
評価方法等について、新たな知見が得られる可能性があるのではないか。疾患モデル動物
の作成につきましては、最終的な目的はキメラ個体として疾患モデルを作成することにあ
るが、その前提として、発生初期段階において導入した細胞のキメラ形成の状況やキメラ
形成能の評価方法等について、新しい知見が得られる可能性があるのではないか。三つ目
のヒト臓器作成につきましては、最終的な目的はキメラ個体内にヒト臓器を作成すること
にあるが、発生の初期段階におけるキメラ形成の状況やキメラ形成能の評価方法等につい
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て、新しい知見が得られるのではないか。このようにまとめております。
続きまして、その下の段、in vitro で培養した場合、原始線条出現以降でどのような知見
を得ることができるのかについてまとめております。ここにつきましては、これまでの議
論を踏まえ、三つの作成目的に共通して、以下のようにまとめております。現在の技術で
は、マウス以外の動物について、胎外で原始線条が現れるまで胚を培養することは困難で
ある。また、前回紹介いたしましたマウスの実験については、原始線条出現以降も発生が
進させることができるという報告はあるものの、その発生は正常なものではなく、発生率
も高くないことから、胎外で培養するのは困難ではないか。
続きまして、胎内移植についてです。
まず、原始線条出現前(受精後 14 日)までということで、状況としては、仮に動物性集
合胚の胎内移植を認めた場合、取扱期間は今のままの原始線条が現れるまでとした場合、
どのような知見が得られるかということでまとめております。分化能の検証につきまして
は、発生の初期段階におけるキメラ形成の状況やキメラ形成能の評価方法等について、生
体内における細胞同士の相互作用等も踏まえた観点から新しい知見が得られる可能性があ
る、と書いております。疾患モデル動物の作成についても、最終的な目標は疾患モデルの
作成ですが、前段階として、分化能の検証と同じく、生体内における細胞同士の相互作用
等も踏まえた知見が得られるのではないか。このように書いています。ヒト臓器作成につ
いても、今ご説明した疾患モデルの作成と同様です。生体内に移植することで細胞同士の
相互作用を踏まえた知見が得られる可能性がある、ということです。
その下の段に行きまして、胎内移植してから原始線条出現以降ということで、ここでは、
移植を認めるとともに取扱期間を延長した場合、どのような知見が得られるかという観点
でまとめています。分化能の検証につきましては、各臓器・組織等への分化の進行状況に
応じ、キメラ形成の状況やキメラ形成能の評価方法等について、新しい知見が得られる可
能性がある。疾患モデル動物の作成については、ヒトの臓器・組織等を持つ動物胎仔を用
いることで、胎仔期における疾患の発症メカニズム等について、新しい知見が得られる可
能性がある。もう一つは、ヒトの臓器・組織等を持つ動物胎仔を用いることで、生体内に
おける薬物動態等について、よりヒトに近いデータが得られるなど、新しい知見が得られ
る可能性があるのではないか。ヒト臓器作成については、目的臓器の生体内における発生
メカニズムやその機能等について、新たな知見が得られる可能性があると書いております。
最後に、個体産生を認めた場合、どのような知見が得られるのか、期待されるかという
-5-
ことについてですが、分化能については、個体産生後における臓器・組織等の成熟状況に
応じ、キメラ形成の状況やキメラ形成能の評価方法等について、新しい知見が得られる可
能性がある。疾患モデル動物の作成については、個体産生後における疾患の発症メカニズ
ム等に関して、新しい知見が得られる可能性がある。また、ヒト臓器・組織等を持つ動物
を用いることで、生体内における薬物動態などについて、よりヒトに近いデータが得られ
るなど、新しい知見が得られる可能性がある。ヒト臓器の作成については、目的臓器の生
体内における成熟のメカニズムやその機能等について、新しい知見が得られる可能性があ
る。また、ヒトに移植可能な臓器が作成され、不足する移植臓器などを補うことができる
のではないか。また、臓器ではなくて、特定の組織・細胞の作成を目的する場合、胎外で
培養に時間を要する組織・細胞を大量に取得できる可能性があるのではないか。このよう
に書いております。
以上です。
【須田主査】
ありがとうございました。
それでは、今から三つの目的ごとに、胎外培養、胎内移植、個体産生の段階ごとに得る
ことのできる科学的知見について、御意見を伺いたいと思います。
まず、分化能の検証についてですね。一番左側を縦に見ていただきたいのですが、いか
がでしょうか。
言葉遣いですけど、例えば下から 2 段目の「各臓器・組織等への分化の進行状況」、組
織への分化って、ちょっと何か変なので。変でもないですか。胎内移植の原始線条出現以
降のところの言葉ですけれども、組織への分化。組織形成の進行状況。
【高坂委員】
確かに。
【須田主査】
その下の段の個体産生も、「臓器・組織等の成熟状況」より、「形成状
況」の方がいいと思うのですね。
【高坂委員】
確かに。
【須田主査】
ほかにいかがでしょうか、多能性幹細胞の分化能の検証のところですけ
ど。
【阿久津委員】
多能性幹細胞の分化能の検証のところで、一番上の胎外培養原始線条
出現前のところの文章ですけれども、これも日本語かもしれないのですが、「キメラ形成
の状況やキメラ形成能の評価方法等について、新たな知見が得られる」って、ここは見よ
うとする細胞の分化能なので、評価方法について知見が得られるというのはちょっとおか
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しいかなと。
【須田主査】
そうですね。どういうイメージですかね。評価方法……。
【高坂委員】
私も同じ意見だったのですけど、上の 1 ポツの概要のところでわざわざ、
ES だとか iPS 細胞の分化能と、さっき動態という言葉を使って、それを検証するためにこ
ういうことをやっているのですよということですね。なので、細胞の分化、それから動態
というのは、ここにも入れた方がいいと思うのですね。それが使われないでキメラ形成と
いう言葉に置き換わっちゃっているので、必ず、細胞の分化と動態、これは入れた方がい
いと思います。ただ、そういったことを見て、キメラ形成能は書いてもいいのですが、評
価方法も確立できるかもしれないですよね。だから、評価法だけ書くのではなくて、今言
った分化と動態と、併せて評価法の確立が期待されるかもしれないという、それであれば
いいと思うのです。
【須田主査】
「発生の初期段階における多能性幹細胞の分化能及びその動態の変化に
伴う」というような感じで、ここを補っておくわけですね。キメラだけをぱっと書かない
で。
【高坂委員】
そうですね。
【須田主査】
キメラ形成能の評価方法って、具体的にどういうことをイメージしてい
るのですかね。これはなくてもいいのかな、評価方法は。
【阿久津委員】
【須田主査】
そうですね。
多能性幹細胞の分化能の検証ですから、要するに細胞が vivo でどういう
ふうに分化して、どう動いていくかを見る。だから、高坂先生が言われるように、その文
章を入れておいた方がいいと思いますね。キメラ形成だけを見るわけではないので。
【高坂委員】
いずれにしても、原始線条出現前というのは、vivo であれ、vitro であれ、
限られた……。
【須田主査】
ことしかできませんね。
【高坂委員】
見れるのは。こうしか書けないですね、逆に。
【須田主査】
うん。
じゃあ、関係もありますので、次の疾患モデル動物の作成というところではいかがでし
ょうか。
【阿久津委員】
済みません、今の胎外培養のところでもう 1 点。受精後 15 日以降のと
ころの「現在の技術では」という、これも少し違和感がある。これって技術だけの問題な
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のかなという気もするのですが、いかがでしょうか。
【須田主査】
技術だけじゃない。規制もあるから、「現行では」ぐらいにしておきま
しょうか。
【高坂委員】
倫理的な問題。
【須田主査】
倫理的問題もあるから、誰も試みてないのです。
【大西委員】
実際、技術的には難しいと思います。
【阿久津委員】
【大西委員】
でしょうね。
非常に難しいと思います。トロフォブラスト(栄養膜細胞)のエロンゲ
ーション(伸展)を胎外で再生することに成功した例はありあません。
【須田主査】
じゃあ、技術でいいですか。技術の制約で。
【大西委員】
技術でいいと思います、ここは。
【須田主査】
疾患モデル動物の作成のところでは、いかがですか。
【大西委員】
実は私、ここは少し違和感を覚えます。私の疾患モデルとしてのイメー
ジはむしろ胎内移植の方です。なぜかといいますと、上の疾患モデルの概要では、患者由
来の iPS 細胞を使ってキメラにして疾患を再現することが書かれています。しかし、実際
には、(着床前の正常な初期胚を用いて)キメラにした場合、疾患がレスキューされてし
まうことが考えられます。初期胚を用いたキメラの技術は、異常がレスキューに使う場合
もあり、患者由来の細胞と正常な細胞をキメラにした場合、むしろ疾患モデルにならない
恐れが生じます。一方、原始線条出現以降(胚発生が進んだ段階)では、例えば、薬剤等
により障害を生じさせた部位にヒト組織を移植することにより、疾患モデルを作ることが
考えられます。私のイメージとしてはこっちなります。
【高坂委員】
ヒトの疾患 iPS を入れた場合に、本当にこの実験が可能だったとして、
キメラ状況になったときに、レスキューされますかね。
【大西委員】
異種間だから何とも言えませんが、同種の場合はレスキューされること
が多いと思います。
【高坂委員】
例えば神経変性疾患、必ず死ぬような遺伝子変異を持った方から入れて、
脳細胞が広領域で、ある意味ではキメラ状況になってくる。そのときに当然死ぬべき細胞
が死ななくなってしまうという意味ですか、レスキューという意味は。
【大西委員】
例えば、昔の研究になりますが、単為発生胚と正常胚とをキメラにた場
合、単為発生胚由来の細胞の発生が通常よりも進むことがあります。そのため、初期胚を
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用いたキメラの技術は、致死となる細胞のレスキューに使われることも多いと思います。
【須田主査】
動物性集合胚ですので、例えば肝臓を欠失する動物の初期胚に、例えば
チロシネミアとか、そういう肝疾患のある患者さんからの iPS を入れれば、肝硬変みたい
のは再現できるのかなと思っていたのですが。
【大西委員】
その可能性もあります。何とも言えないと感じだと思います。
【高坂委員】
先生がおっしゃることも読み取れるよなに、二つに分けられたらどうで
すか、項目を。
【大西委員】
そうですね。
【高坂委員】
レスキューされるかどうかって、私もまだ定かじゃないと思うのですね。
それは実際に研究がなされて判明していくことだと思うので、先生おっしゃっているもう
一つの、違う切り口のやつを入れたらいいと思います。
【須田主査】
そうですね。そうすると、それってどこに主に入れるのですかね。やっ
ぱり胎内移植のあたりですよね。14 日までのところでは、余りそういう話はありませんね。
【高坂委員】
難しいです。
【須田主査】
15 日以降で、例えば胎内移植で、ここには疾患 iPS からの臓器形成をイ
メージする言葉しか入っていませんけれども、薬物動態というところは、薬物動態だけで
はなくて、外的な修飾によって疾患を作っていくと、そういう意味ですね。
【大西委員】
はい。
【高坂委員】
だから、最初の丸の方を胎内移植のところに一つつけ加えて、また、上
の動物胎仔を用いることによって、薬物等を用いた疾患モデルを作り出すということが可
能となるかもしれないと、そういう意味ですよね。
【須田主査】
そうですね。
【高坂委員】
それをどこに入れるか。その後でいいと思うのですね、丸の方の。
【須田主査】
薬物動態って、ちょっとここは感じが違うので、ここを削って、先生が
おっしゃるように、動物胎仔を用いて、更に薬物を含む外的刺激を加え、ヒトに近い疾患
モデルを作成していく。外的刺激というのは、薬物でもいいし、感染症みたいなのもある
かもしれませんし。薬物動態というのは、僕もちょっと奇異な感じがしたのですね、突如。
どうもありがとうございました。非常に大事なポイントだと思います。
【阿久津委員】
【須田主査】
済みません、もう 1 点、今のでよろしいでしょうか。
はい。
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【阿久津委員】
最初に戻ってしまうかもしれないですけど、
「患者由来の iPS 細胞等」、
「等」なので、ほかもいろいろですよという意味を含むかもしれないのですが、恐らく今
後盛んになってくるのが、正常なものからゲノム編集で変異を作って疾患を再現するか、
あるいはヒト臓器・器官の本当にできるかどうかというところの新しい遺伝子の機能なん
かを見るという方法だとそっちもかなり進んでいくと思うのですけれども、そういう場合、
この系というのはとても重要になると思うのですが、「患者由来の iPS」というのだけに限
定するとちょっと。
【須田主査】
しない方がいいですね。そうすると、これは概要のところに戻りますか
ね。「治療法の開発のため、患者由来の iPS 細胞等を」と書いてあるのが、先生が言われ
る様々なゲノム編集を加えた iPS ということですよね。改変した。そっちは本当に可能性
が高いような気もしますね。
【阿久津委員】
【須田主査】
そうですね。
何て書きましょうか、「患者由来の」だけじゃなく。ここでは「iPS 細胞
等」というのが入っているから、そういうのも含まれるとは思うのですが、患者由来の iP
S 細胞等……。
【阿久津委員】
ここは簡略にするという目的でそんなにつけ加えられないのかもしれ
ないのですけれども、ちょっと補足説明的に加えてもいいかなと。
【高坂委員】
「患者由来、あるいは遺伝子編集した」とかですね。
【大西委員】
変異を誘導したとかではないでしょうか。
【須田主査】
そうですね。
【高坂委員】
「誘導した iPS 細胞等を用いて」とか。
【須田主査】
患者由来あるいは変異を持つ……。
【高坂委員】
変異を誘導した。
【須田主査】
誘導したですね。
【高坂委員】
「誘導した iPS 細胞等を用いて」。
【須田主査】
これが概要のところの書き直しになります。
では、3 番目のヒト臓器の作成について、お願いします。一番右の欄。
【高坂委員】
ちょっとよろしいですか。
【須田主査】
はい。
【高坂委員】
今のところの胎内移植のところで、さっきのヒトに近いデータが得られ
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る可能性があるといったところも、僕はあるのだろうと思いますよ。これは三つ目の丸と
して残された方がよろしいと思います。
【須田主査】
はい。じゃあ、この薬物動態というのも……。
【高坂委員】
薬物動態に限らないのですね。例えば、毒性だとかですね。要するに、
非臨床的な知見ですね。
【須田主査】
そうすると、「ヒト臓器・組織等を持つ動物胎仔を用いることにより、
薬物動態あるいは毒性試験などの非臨床試験のデータが得られる可能性がある」とか、そ
ういう文章を 3 番目に入れるということですね。
【高坂委員】
言葉はよく練ってほしいのですけど、そういう意味のものを一つ加えた
らいいですね。
【須田主査】
なるほど。要するに、一番ここで言うのは、発症のメカニズムを検討す
る。これは先ほど来の患者由来の iPS で発症のメカニズムを検討する。それは変異を持つ
ものでもいいのですが。それと、変異は持たないけど、外から刺激を加えて、薬物・感染
などによって刺激を加えて、モデルを作る。3 番目には、疾患モデルの一つとして、そうい
う胎仔を使って薬物動態などを検討していく。そういう意味ですね。
【高坂委員】
薬物動態というのはちょっと……。
【須田主査】
薬物動態って疾患モデルなのかなという気が、ちょっとするのですね。
どうでしょう。
【高坂委員】
簡単に言えば、「毒性など」ですね。
【須田主査】
「毒性など」の方にしておきましょうか。
次、右側のヒト臓器の作成について。さっきから言っていますように、「成熟」を「形
成」に変えてもらった方がいいと思います。
一番最後はどうですか、個体産生の中で。ここは、ヒト臓器を作ると言っておきながら、
臓器ではなく細胞が大量に得られるって、これはどうかな。
【御厩安全対策官】
前回、四つ目の目的として大西先生がおっしゃられていたことを
ここに書き込みました。仮に臓器までは作れなくても、目的とする組織・細胞は大量に得
られるのではないか、ということです。
【須田主査】
それはヒト臓器の作成に入りますから、入れておきましょうか。「当該
組織・細胞を大量に取得できる可能性がある」。それはそうですね。
胎外培養の原始線条出現以降のところの 3 項目に共通する文章ですけど、可能性を今ま
- 11 -
で述べてきたのに、ここだけ「困難」というのはどうなのでしょう。これ、「困難である
が、技術開発が進む可能性がある」とか、そういうことにはならないのですか。「現行で
は困難であるけれども、将来的には 15 日以降の胎外培養も可能になる可能性がある」とか。
何か、ここのところだけ、記載がほかとトーンと違うのですけど。
【大西委員】
後期の胎児になると、確かに難しい時期になりますが。
【須田主査】
ええ。でも、そこは昔から発生学では難しいところではありますけれど
も、技術開発は引き続き続けられるのではないかなと思うのですね。だから、「胚を培養
することは困難であるが、今後の技術開発が期待される」とか、「可能性がある」とか、
そういうふうに書かないと、ここだけ事実を述べてしまっているように思いますが。
【大西委員】
確かにそうですね。
【須田主査】
それじゃあ、また戻るということで、ありがとうございました。
続いて、3 番目の動物性集合胚以外の手法について。これ、余計難しくなっていくのです
けれども、事務局から説明をお願いいたします。
【吉田専門職】
動物性集合胚以外の手法について、これまでの作業部会等で紹介され
たものを中心に整理しています。
まず、他の手法の欄では、これまでの作業部会で紹介された例を中心にまとめています。
多能性幹細胞の分化能の検証では、一つ目として、生体外(in vitro)での多能性幹細胞を
培養する方法です。例えば、多能性幹細胞を生体外の特殊な環境で培養し、胚葉体を形成
したり、様々な組織・細胞等に分化したりすることで分化能を検証する方法。二つ目とし
て、動物の体内でテラトーマ(奇形腫)を形成することで分化能を検証する方法を挙げて
いす。マウス等の動物皮下又は腎皮膜下に多能性幹細胞を移植し、腫瘍を形成させ、腫瘍
の中の様々な細胞等に分化することを確認する方法です。
二つ目の疾患モデル動物の方に移ります。疾患モデルを作成する方法によって分類しま
した。物理的処置より疾患モデル動物を作成する方法として、脊髄損傷や心筋梗塞等のモ
デル動物が作成されている。化学的処置により疾患モデル動物を作成する方法。例として
は、薬剤の投与などにより化学的な処置により、パーキンソン病のモデル動物や、肝臓障
害モデル動物の作成が行われています。三つ目としては、遺伝子改変によって疾患モデル
動物を作成する方法を挙げています。特定の疾患に関連する遺伝子を改変することで、そ
の遺伝子に起因する疾患を発症するモデル動物を作成する方法です。このような動物につ
いては、データベース等で多くのモデル動物が報告されています。今まで述べた3つの方
- 12 -
法につきましては、基本的には動物の臓器で疾患モデルを作成するものです。次に、四つ
目の免疫不全マウスを用いて疾患モデル動物(ヒト化マウス)を作成する方法として、作
業部会でも、ヒト化マウスの開発に携わっている研究者から、お話を伺ったところです。
概要といたしましては、ヒトの細胞等を拒絶しない免疫不全マウスにヒトの細胞等を移植
し、臓器・組織等がヒト細胞に置き換わったマウスをヒト化マウスとして使用する方法で
す。最後の例として、疾患特異的 iPS 細胞を活用する方法。難病等の患者さんから体細胞
を頂いて、iPS 細胞を樹立し、疾患特異的 iPS 細胞として分化誘導し、病態解明や創薬等に
活用するといった、細胞レベルでの解析を例として挙げています。
右に移ります。ヒト臓器の作成についてこれまでの作業部会で紹介された技術等を参考
にして、事務局で整理したものです。一つ目、動物胎仔にヒトの細胞を導入する方法の例
として、ブタの胎仔段階から新生仔にかけて複数回にわたってヒトの肝臓の細胞を導入す
るという研究が行われています。また、ヒト iPS 細胞から作成した造血幹細胞を免疫不全
ブタの胎仔へ移植し、動物体内でヒトの血液を作る研究も実施されています。また、お手
元の方にお配りしました資料ですが、最近の記事によると、腎臓に関して、患者さんの脂
肪組織から間葉系幹細胞を取り出して、それをブタの胎仔に移植することで、その患者さ
んの細胞が腎臓に育つスイッチを入れる。スイッチが入った患者由来の細胞から動物体内
で腎臓の種を作成する。その種を取り出してヒトに移植することで腎臓の疾患を回復させ
ようという技術開発を目指した動物実験が進められています。
また、二つ目のヒト臓器(細胞)を利用する方法として、御遺体から膵臓細胞等を取り
出して、糖尿病の患者へ投与する臨床研究が行われている。また、iPS 細胞等を分化誘導し
て作成した膵臓の細胞をカプセルに入れ、それを移植することで疾患を治そうという試み
が検討されています。
三つ目、ヒト臓器原基を作成する方法として、ヒト iPS 細胞と間葉系幹細胞等を混合し
て培養することで、肝臓原基を作成し、これを動物へ移植することでその原基が機能する
ということを確認した研究が行われています。
四つ目、動物の臓器原基を利用する方法として、動物実験が実施されています。例えば、
ラットやサルへブタの膵臓原基を移植する研究や、マウスの腎臓原基とヒト iPS 細胞から
作成した中胚葉様の細胞を混合して培養することにより、効率よく腎細胞を作成すること
に成功などの報告がなされています。
五つ目、動物の臓器から作成した臓器の足場(スキャホールド)を利用する方法。例え
- 13 -
ば動物臓器から作成したスキャホールドにヒトの細胞を充塡することによって新しく臓器
を作り出す研究です。中でも、心臓、腎臓、肝臓、肺について、動物実験等が実施されて
います。
六つ目、異種動物の細胞等を移植する方法(異種移植)です。ブタ等の心臓弁をヒトへ
移植する。この方法は実用化されています。また、ブタの膵島、腎臓、肺などの移植を想
定した、免疫拒絶反応の制御に関する研究が行われています。
最後に、立体造形技術を用いる方法として、バイオ 3D プリンターや細胞シート積層技術
等の立体造形技術を用いて、iPS 細胞等から骨、血管、心臓などの立体組織・臓器を製造す
る研究がはじまっているところです。また、患者の骨格筋芽細胞や皮膚細胞になどは、シ
ート状に培養して患部に貼り付ける医療が実用化されています。
次のページに移りまして、今、例としてお示ししたそれぞれの方法に対して、動物性集
合胚を用いる優位性とは何かという観点で整理した表が、こちらです。
【須田主査】
【吉田専門職】
【須田主査】
2 ページ目までで一回、議論します。
分かりました。では、ここまででお願いいたします。
2 ページにおいて、集合胚によらないものでの、まず多能性幹細胞の分化
能の検証というところですが。
【高坂委員】
さっき阿久津さんがおっしゃった正常の方のヒト iPS を遺伝子改変して
というのも、疾患モデル動物の作成のところに入りますかね。
【須田主査】
そうですね。
【高坂委員】
先ほどの、正常患者の遺伝子改変をしたという、患者由来だけではない
ということですね。
【須田主査】
はい。
【高坂委員】
あと、ヒト臓器の作成のところで、それこそ笹井さんたちの研究はどう
なっているのですか。網膜組織を作成したとか……。
【吉田専門職】
【高坂委員】
【吉田専門職】
眼杯を in vitro でカルチャーしたという。
うん。それはどこかにありましたっけ?
その内容につきましては、六つ目の項目の分化誘導技術の部分で整理
しております。仮に臓器作成の方に記載すべきというのであれば、そちらの方に移すこと
も可能です。また、実際、in vitro での立体臓器の作成は現状どれくらい進んでいるかにつ
いて、御知見等があればお願いいたします。
- 14 -
【高坂委員】
ここに入っても不思議ではないかなと思ったのですね。
【須田主査】
笹井さんらの大脳皮質とか眼杯(アイキャップ)を作ったというのは、
臓器の作成の方に入れるか……。
【高坂委員】
それから、下垂体です。
【須田主査】
ええ。分化能の検証の方か、どっちに入るのでしょうね。大きさ的には
全く小さいし、試験管の中でやっているわけですね。だから、僕は、臓器形成というより
は、むしろ分化の検討みたいに思ったのですけど。例えば、どういうふうに網膜ができて
くるか、その層構造ができるかとか。
【高坂委員】
ただ、その先には患者さんへの移植という最終目標があったわけですね。
【須田主査】
でも、試験管の中ですから大きさ的にも小さいし、むしろ彼が見ていた
のは、眼杯だったら、どういうふうにしてへこんで特殊な形になって目の玉になっていく
のかというのを見ているので、ヒト臓器の作成の方に入れてもいいのですけど、どっちに
入れた方がいいのですかね、ああいう研究は。
【高坂委員】
論文のイントロとかにはちゃんと、ヒトへの応用って書いてありますよ
ね。
【須田主査】
ええ、それは書いてありますけど。
【高坂委員】
特に下垂体なんていうのは小さくても有効ですからね。
【須田主査】
ええ。ちょっとそれは検討してみます。どこに入れるか、事務局とも相
談してみます。
ほかに何か、抜けているものってありますか。
【阿久津委員】
抜けているというか、そもそも 3 の項目で動物性集合胚以外の手法と
いうところで全体的に言えるのは、今後もどんどんイノベーションされて、新しいことが
どんどん付いてくるでしょうね。
【須田主査】
増えてきますね。
【阿久津委員】
逆に言うと、これを見ていくと動物性集合胚をやらなきゃいけない理
由というのが意外とクリアに、ここまで進んでいても、見れないところというか、改善で
きないところ……。
【須田主査】
それが次のページの優れた方法というところの差別化なのですね。だか
ら、ここは可能性のあるものを挙げていくというふうに考えたいと思うのですけど。
【窪田委員】
以前、この会議でどこかの先生が話されたのですけど、患者の細胞をシ
- 15 -
ート状にしておいて間葉系の細胞を入れるとくるくるっとボールになるような技術という
のは、この辺のどこかに入るのですか。
【須田主査】
【吉田専門職】
どこかに入っていたと思うのですけど。
3 ポツのヒト臓器原基を作成する方法として、肝臓原基を作成する横浜
市立大の谷口先生の研究はこの欄に整理しております。
【須田主査】
【吉田専門職】
【須田主査】
マイクロオーガンですね。
はい、そのとおりです。
ヒト肝臓原基を作成する研究。作成した肝臓原基を動物へ移植した、ミ
ニオーガンみたいな話がありました。
【大西委員】
動物胎仔のみに言及していますが、新生仔への移植の可能性もあります。
ここは胎仔のみで良いのでしょうか。
【須田主査】
そうですね。だって、次には免疫不全ブタ……。これも「胎仔へ移植し」
か。
【大西委員】
(免疫不全ブタの場合、)実際には新生仔に移植する可能性が高いと思
います。
【吉田専門職】
ここで整理は、作業部会の方で示された参考文献等を基に整理してお
り、確かに先生のおっしゃるとおり、新生仔にも移植しています。ここで例として挙げた
のは胎仔から新生仔にかけて複数回ヒトの細胞を投与するという内容の研究です。最初の
投与を胎仔に対して行うことから、「動物胎仔に導入」という整理をしています。
【大西委員】
臓器の形成に限定するとそうかもしれませんが、必ずしもそうでない場
合があるときに、胎仔に限る必要はあるのでしょうか。
【吉田専門職】
【大西委員】
【吉田専門職】
なるほど。
実際は、免疫不全動物の場合、新生仔に移植しますから。
「動物に」とか言う方がまだ適切でしょうか。
【大西委員】
そうですね。「動物に」のほうが良いのかもしれません。思い切って。
【須田主査】
さっき読まれた、日経に出た慈恵医大と明治大学の共同研究というのは、
御存じですか。僕は余りよく知らない。
【大西委員】
実は、横尾先生は昔、同じ内容の研究をラットで行っています。ヒトの
腎臓の原基を作らせることを。今回は長嶋先生とブタで行ったわけですが、これはリスト
から抜けているのですね。
- 16 -
【吉田専門職】
【須田主査】
はい。
これは、間葉系の幹細胞を取り出して、ブタ胎仔にこれを入れて、腎臓
に……。Sall4 か何か、それだけで行くのですか。
【大西委員】
言いにくいですね、これはちょっと。
【須田主査】
どれぐらいのものができているか、僕は見てないので、新聞記事だけで
資料にしていくのは心配なのですけど。
【大西委員】
ラットでは、後期の胎仔の培養技術がラットはすごく進んでいて、ラッ
ト胎児を用いてヒトの腎臓の基みたいなものを作らせることを、横尾先生は論文で報告し
ています。意外にも、ラットでは後期胎仔の体外培養技術が非常に進んでいて、その技術
をうまく利用した研究だったと思います。
【須田主査】
最後に参考文献がありますけど、これはなるべく最終的には査読のある
論文を引用するようにしたいと思うのですね。こういう再生医療技術のとき、不確かなの
をこういう公の資料にするのはちょっと不安なので。場合によれば、お聞きしてもいいの
ですけど。
【高坂委員】
2 ポツは「ヒト臓器(細胞)を利用する」と書いていますけど、細胞まで
入れちゃうと相当広がるのではないですか。ここに出てきてないものは山ほどあると思い
ますよ、僕は。
【須田主査】
「細胞」は消しましょうか。(笑)
【高坂委員】
消すかどうかは知らないのだけども、どの研究分野でも多分やっている
と思うのですね、ヒトの細胞をマウス・ラットに移植するとかっていうのは。
【須田主査】
そうですね。
【大西委員】
物すごい量でしょうね、これは。
【高坂委員】
せめて組織ぐらいにしておかないと、余りにも広過ぎでしょうね。
【須田主査】
そうですね、細胞だとちょっと。ヒト臓器・組織ぐらいにしておきまし
ょうか。これは本当に日進月歩なので、いろいろな……。
きょうは大体の議論をしまして、事務局から先生方にこのエクセルを送っていただいて、
気が付いたところは赤字で加えていくというようなことをして、もう一回それをチェック
するというふうにしたいと思いますので、きょうはフレームについて議論をしていきたい
と思います。
それじゃあ、3 番の動物性集合胚以外の手法についての続きなのですけれども、動物性集
- 17 -
合胚の優位性、前ページで述べた方法との違いをまとめていただきました。お願いします。
【吉田専門職】
先ほどの 2 ページ目の続きで、動物性集合胚の優位性についてまとめ
ています。
分化能の検証については、一つ目の in vitro で培養する方法に対する優位性についてで
す。生体内における発生プロセスに沿って分化の状況を観察・検証することができる点で
優位ではないか。複雑な構造を持つ臓器などは、生体外で培養が困難であるため、動物性
集合胚を用いることが優位ではないか、という点を挙げています。二つ目のテラトーマを
作成する方法に対する優位性としては、正常な器官・組織等が形成されるところまで分化
能を検証することが期待できるという点で、動物性集合胚が優位ではないかと、記載して
おります。
次の疾患モデル動物の作成についてですが、ここの考え方の前提といたしましては、ヒ
ト細胞から成る臓器を持つ動物を作成できた場合に、それぞれの手法について動物性集合
胚を用いる優位性についてのコメントを頂ければと思います。なお、この項目については、
多くのコメントは頂いてなかったと考えておりますので、御意見頂ければと思います。
ヒト臓器作成については、上段の方では方法別でまとめています。これは、前のページ
の 1 から 7 の事項に対応する形で、動物性集合胚を用いた場合の優位性についてコメント
を頂ければと思います。また、方法別の分析に関しましては、下のほうの※で書いている
ように、①生体内における発生プロセスの中で細胞間の相互作用等により機能・構造が正
常な臓器を作成できる可能性があるということ、②として、生体外で人工的に培養を行う
方法に比べて、より低コストで臓器を作成できる可能性があることなどのメリットがある
のではないか。一方で、倫理的な問題を有するほか、作成する臓器の血管系をヒト型に置
き換えるということは補完法では困難ではないか、といった問題があるのではないかと、
動物性集合胚の優位性や問題点について記載しています。
下段では、臓器・組織別の分析について、例えば、臓器移植を想定した場合や再生医療・
細胞治療を想定した場合に、動物性集合胚を用いる優位性について、コメントを頂ければ
と思います。
以上です。
【須田主査】
どうもありがとうございました。
ここの項目は、動物性集合胚の優位性とありますけど、例えばヒト臓器の作成のところ
では問題点も書いていますよね。だから、優位性と課題とか、プラスだけ考えるのではな
- 18 -
くて、課題も入れてもいいと思うのですね。そうしますと、例えば分化能の検証のところ
では、こういうプラスもあるけど、マイナスとしては、生体内での分化を見ますので、分
子的基盤とかメカニズムに関しては解析が難しくて、やっぱり試験管の中で研究する方が
優れていると思うのですね。だから、分子的解析はやや困難とか、そういうふうに課題も
入れてもいいのではないのでしょうかね。あくまでも in vitro の培養に比べてという。例
えば、さっきの笹井さんがやられました大脳皮質とか下垂体を作る仕事というのは試験管
の中でオートメーションに進んでいきますから、今後は分子解析も非常に進むだろうとい
うふうに思います。それはこういう集合胚では逆にしにくい。
疾患モデル動物の作成のところはこういうふうに項目に分けて書く、これってどうなの
でしょう。
【高坂委員】
今、先生がおっしゃったことを一生懸命考えているのですけれども、そ
もそも動物性集合胚を作るのはなぜかというと、分子の研究がしにくいとかっていうのも
確かにあるかもしれないけれども、要するに他細胞とのクロストークというか、そういう
環境でどう細胞が分化して組織を形成していくかというところなので、これはちょっと、
さっきの議論に戻るのですけれども、vitro では非常に限られていると思うのですね。でも、
そういう系から集合胚がもしできれば、そこから、例えばヒトの細胞から発現しているあ
る分子がどういうふうな発現量を持っているかとか、そういったものは多分検討できると
思うのですね。それから、vitro では全く発現しないけれども集合胚では出たとか、そうい
う研究は非常に大事なので、先生がやりづらいとおっしゃったのは、純粋系として研究が
できづらいということなのですか。
【須田主査】
いや、先生がおっしゃるとおりで、例えば、今すぐに腎臓を作ることっ
て、試験管の中では難しいですよね。そういう意味では集合胚で腎臓が作られていく過程
を見るということは有意義だと思うのですが、そのときにどういうふうな分子がどう誘導
をかけているかというのは見られないので、また試験管の方に戻ってくるしかないと。だ
から、2 番目の丸に書いてあるように、先生がおっしゃるように、「複雑な構造を持つ臓器
等については、生体外での培養が困難であるため、動物性集合胚が優位」と、これは僕も
そのとおりだと思うのですね。その一方でこれは、できるか、できないかというような研
究になっていくので、意外と解析的な研究は更に試験管の中で進めなきゃいけないと、そ
ういう意味ですけど。
【阿久津委員】
分化能の検証で生体外、この点については先ほど来言っている分化動
- 19 -
態というのが見れる。要は、ここでは一つ目の丸で「分化状況」と書いてありますけど、
分化動態で、それも空間的に観察できるということですね。
【須田主査】
【阿久津委員】
それは大きいですね。
大きいと思います。なので、ここでは生体外(in vitro)としています
けれども、実は in vivo と連動しているというか、in vivo の状態でもそれは言えるので、
そこが利点かなと。
【須田主査】
【阿久津委員】
利点ですね。
疾患モデル動物の作成で、この項目で言うとちょっと難しいのですけ
れども、1 から 4 というのはモデル動物の作成というところで、先ほどの 6 個目も含めて、
5、6 というのはツール的な問題ですよね。ですので、ここで言うと、番号で話していくの
はなかなか難しいかなという気はします。
【大西委員】
強いて言うとすると、疾患モデルのところは、あくまでも集合胚という
単に技術だけで考えるのであれば、非常に簡単な技術ということがありますね。胚盤胞の
中に細胞を入れるだけですので、これは非常に簡単です。
【須田主査】
なるほど。
【大西委員】
逆に、例えば免疫不全で、胎仔に入れるとか、新生仔に入れるとか、そ
ういう技術を考えると、胚盤胞なり、桑実胚でもいいのかな?
そこに単にキメラを作る
だけの技術で考えた場合は、非常に簡単ですね。誰でもできます。
【須田主査】
そういうブラストシストに入れるという技術は簡単ですけど、逆に、種
が超えられるかというのは、かえって……。
【大西委員】
その技術を使って種を超えて物が見れるか、見れないかというところに
結局行くので、この集合胚というのはそこをやってみようという話だと思うので、ですか
ら、あくまでも技術面だけで考えるのであれば、非常に簡単な技術だということが言える
と思います。技術だけで考えるとね。
【須田主査】
種を超えられるかどうかに関しては、未知ですね。
【大西委員】
分かりません。そうです、未知です。
【阿久津委員】
疾患モデル動物の作成で言うと、1 から 4 は、方法と言うから、話がも
ともとの趣旨から外れちゃうのかなと。なので、モデル動物を使っても、この 1 から 4、あ
るいはプラスアルファで作っても、動物性集合胚を作った方がいいというところをここで
は本来は示すべきだと思うのですね。
- 20 -
【須田主査】
そうですね。
【大西委員】
なかなか難しいですよね、それは。利点を考えると、すごく難しいです
よね。
【高坂委員】
動物性集合胚というのは、あくまでもヒトを見たいのですよね。
【須田主査】
ヒトを見たいのです。
【高坂委員】
1 番の物理的な方法とかっていうのは、マーモセットとか、ラット、マウ
スの脊髄損傷しか見れないですよね。次もしかりでしょう。ブタ、ラット、その動物の肝
臓を障害させるわけでしょう。
【大西委員】
そうですね。
【高坂委員】
だから、優位性も何も、ちょっと議論が違っているのではないかという
気がしますね。
【窪田委員】
一番のメリットは、ヒトを使わなくて済むということ。
【高坂委員】
そういうことですね。
【窪田委員】
ヒトを使わなくて済むのが一番のメリットで、ヒトから離れれば離れる
ほどいいのですけど、離れ過ぎると分からない。その場所を、アンノウンなファクターを
変えているので、どこでメリットがあるか、どこで倫理的な問題はなくなるか、ぎりぎり
のところでやらないとだめという。そこのところは、よく分からないファクターがいっぱ
いあるという。
【高坂委員】
1、2、3 というのは、あくまでも動物レベルの話であって、ヒトの話じゃ
ないのですね。ですから、ヒトを使わなくてもいいというメリットと同時に、それこそさ
っきの薬物に対する反応性が違ったり、そういうヒトと動物との違いというのが非常に大
きく響いてくる可能性はありますね。
ここは 2 ページと対比させるのは難しいですね。だから、ここは何も書
【須田主査】
いてないのだろうと思うのですね。ここはどういう対比にしましょうか。2 ページでは、疾
患モデルの動物をどう作ったらいいかということが書いてあるのですね。それに対して動
物性集合胚はどう優位であるかというのを言うのは、例えば 1 番、2 番に対応しては書けま
せんよね。むしろ、さっきおっしゃったように、技術的には比較的容易じゃないかとか、
課題としては種が超えられるかとか、疾患特異的 iPS を活用するとか、変異誘導、ゲノム
編集した細胞を用いることができるというようなことで、この 1、2、3、4 を対応させるの
は難しいですね。
- 21 -
【高坂委員】
確かに、4、5、6 は何とか対応させられるかもしれないのだけど、1、2、
3 はちょっと難しいですね。
【須田主査】
1、2、3 はちょっと無理ですね。無理に対応させると、変な話になるから。
【大西委員】
結局、ヒトの組織とか臓器を動物が保持することによって、ヒトの疾患
をダイレクトにそこで見れるということですよね。
【須田主査】
はい。
【大西委員】
1、2、3 に関しては、ダイレクトではなく、間接的に見るということです
よね。
【高坂委員】
動物の結果をヒトに外挿するという。
【須田主査】
うん。
【大西委員】
だから、動物を使ってヒトの疾患を直接見れるということになるのでし
ょうね、集合胚の場合の一番大きなメリットというのは。
【須田主査】
そうですね。
【高坂委員】
5 番目の疾患特異的 iPS 細胞というのは、あくまでも vitro の話ですか。
それをまた免疫不全動物なんかに戻すという話ではないのですね。
【吉田専門職】
【高坂委員】
【吉田専門職】
【大西委員】
いえ、あくまでもここでは vitro に関する例示です。
ですよね。
はい。
4 番と集合胚というところなのですけれども、今、初期胚を使ったキメラ
で、ヒトでできないという。実は、免疫不全の動物ができちゃうと、その免疫不全から取
った初期胚を使って集合法でどうなるかということに発展できるのですね。免疫不全の状
態のブラストを取ってきて、そこにヒトの細胞を入れてどうなるかというのが見れるので
す、実は。集合胚を使った研究では、今ちょうどこの議論をしていて、それを認める、認
めないということをやっていますので、実はこの 4 番も、集合胚の技術が認められたとき
は、ここがさらにブレークスルーできる可能性になるのですね。
【高坂委員】
というか、4 ポツは今でも認められているわけでしょう。
【大西委員】
4 ポツはもう認められているのです。結局、動物の着床前の初期胚にヒト
の細胞を入れて云々かんぬんというところが、今、一番議論になっているわけで。
【須田主査】
じゃあ、疾患モデル動物の作成というところは、項目立てをもう一度検
討して、ここに優位性あるいは課題みたいのを書くと。
- 22 -
ヒト臓器の作成についての優位性というのも、同様ですよね。この項目 1、2、3、4 なん
かに沿って比較するのは難しいですね。
【大西委員】
難しいですね。
【須田主査】
ここは、もっと分かりやすく、なぜ動物性集合胚が優位なのかというの
を書いていく方がいいですね、余り項目にとらわれないで。そうすると、例えばヒト臓器
作成の中で動物性集合胚が優位だというのは、今まで議論があったように、比較的技術が
簡単で、しかも高度な組織形成というときに、互いの細胞の組織の関係を明らかにしなが
ら、そういう環境を見ながら、臓器を作成することができると。そういう書き方でいいの
ではないかなと思いますけど。
もっと言うと、下に臓器・組織別の分析ってありますよね。僕、これは結構大事だと思
うのですが、例えば肝臓ですと、先ほど議論ありましたように、ミニ肝臓みたいのを作っ
て、それを移植していくという、別に集合胚を使わなくてもできるのではないかという技
術があって、集合胚の方が必ずしも優位だと言えないとか、膵臓だとカプセルで作ってい
けるのではないかとか、そうなってくると、集合胚はどこで一番優位なのかというのを書
く必要がありますね。
御意見としてはいかがでしょうか。組織別に見たとき、集合胚はどういうところが一番
強いでしょうか。補完法で臓器を作った場合。
【大西委員】
分からないわけですよね。だから、研究でやっていくということですよ
ね。例えば、膵臓を欠損した状態で補完して、ヒトの細胞が補完されるかどうかというの
を見るというわけだから。
【高坂委員】
現実的かもしれないのは、肝臓、膵臓、筋肉、皮膚、骨ですかね。
【須田主査】
えっ、先生が今言われたところは?
【高坂委員】
そこら辺は可能性があるということでしょう。
【須田主査】
補完法で?
【高坂委員】
ええ、補完法で。
【須田主査】
でも、例えば、皮膚は分からないですけど、骨なんて、組織幹細胞の研
究の方がかなり……。
【高坂委員】
集合胚を使う必要ないですね。
【須田主査】
集合胚を使う必要ないと思うのですね。だから、そういう意味で、集合
胚を使う必要があるのはどの臓器かなと思っているのです。
- 23 -
【大西委員】
一番大きく言えるのは、私はやっぱり技術的な容易さだと思いますね。
そもそも例えば腎臓欠損の状態のブタなりを作るということは大変なことなのですけれど
も、もしそういうものができちゃった場合においては、あとは本当に技術的には簡単です
よね、これは。だから、ひとつやってみようということになっているのだと、私は強く思
うのですけれども。
【窪田委員】
ヒト臓器と書いてあるからには、動物で大きくなるまで発生させておい
て、それを外科的に切り取れる形のものを持ってくるというイメージじゃないですか。そ
れでいくと、固まっているやつじゃないとという話で、体全体に散らばっているようなも
のは無理という感じですよね。それが、そんなに大きくなくてもいいよと、発生途中で止
めちゃって移植してもいいよとなると、また別の話になるのかなという気がしますけど。
【阿久津委員】
動物性集合胚の利点は、できるということを前提に話しますと、臓器
一つできると。例えば、小さい肝臓だったり、小さい膵臓だったりというと、ある特定の
組織で細胞種が小さくなる。肝臓そのもの全体が小さくなっているというわけでは多分な
いと思いますし、例えば肝臓の臓器全体としてできるというのは、ほかではできないかな
という気はします。小さい肝臓を作ったとしても、例えばそれを再生医療に使うとした場
合、通常、肝臓に、いわゆるほかの、ある程度の組織が残っているところに入れていくこ
とを想定されるのですけれども、あるいは膵臓は例えばインスリン産生細胞をどこかに移
植する。ただ、臓器全体というのはなかなかないかな。
【須田主査】
臓器全体を再構築できる可能性があるというのは、大きいですね。それ
は書いていいことですね。
【阿久津委員】
動物性集合胚の場合、最終的な臓器全体という段階と、その過程もす
ごく重要だと思うので、一番右のヒト臓器の作成は最終的なものかもしれませんし、真ん
中と左の項目については、その過程もとても重要という気はします。
臓器別で、神経というのは、いろいろ難しい問題もあるかなという気はします。
【須田主査】
【阿久津委員】
【須田主査】
それは倫理的という?
そうですね。
特に脳神経は。
じゃあ、まとめますと、技術は比較的簡単ということと、臓器全体を再構築できる可能
性があると。これは全部、できるとしての話です。
【高坂委員】
補完法のときに、膵臓でも肝臓でもいいのですが、血管系というのはど
- 24 -
ちらか入ってくるのですか。
【須田主査】
これは課題なのですよ。
【大西委員】
それが課題ですね。
【高坂委員】
分からないですね。
【須田主査】
そうなのです。
【高坂委員】
ずっと前、ラットの脳の中にマウスの脳を入れるというのをちょっとや
っていたのですね。そうすると、移植片の中では血管は完全にキメラ状況になっているの
ですね、マウスとラットの内細胞が入り組んじゃって。そういう状況になるのですか、あ
れも。
【大西委員】
と思いますね。
【須田主査】
それはすごく大きな問題ですね。特に腎臓なんて、形ができても、ブタ
の血管が中に入っていたら、非常に難しいですね。
【高坂委員】
ですよね。
【大西委員】
中内先生が膵臓に変えたのは、そういうところだったのだと思いますね。
最初は腎臓をされていましたからね。
【須田主査】
はい。
【大西委員】
血管系の問題が常に言われて、それで腎臓の方は少しトーンダウンして
いますからね。
【高坂委員】
でも、膵臓だって同じことじゃないですか。(笑)
【大西委員】
最終的に、この間も言っていましたけど、アイレットの大量分取みたい
な感じにも考えられるから、何らかの使い道はあると思うのですね。
【須田主査】
それでは、各論に行くと大変なのですけど、1 回、それぞれの委員の先生
方に書き込めるところは書き込んでいただいて、そのコメントをまた整理するということ
で。
それでは、項目 4 に行きたいと思います。対象とすることが想定される動物・臓器等に
ついて、御説明をお願いいたします。
【吉田専門職】
対象とすることが想定される動物・臓器等についてまとめています。
用いる動物胚の種類(特に霊長類を用いる必要性)ということで、げっ歯類、ブタ、霊
長類を例として記載しています。これらの動物は作業部会の方で取り上げられたものが中
心です。そのほか、ここに挙げられてない動物を使うような場合についても合わせて、コ
- 25 -
メントを頂ければと思います。
まず、多能性幹細胞の分化能の検証についてです。げっ歯類は、実験動物としての取扱
いやすさ等の面から適切ではないか。ブタは、実験動物としての取扱いやすさ等の面から
用いる必要性は高くないのではないか。霊長類は、ヒトに近い発生過程において分化能を
評価することができるのではないか、というコメントが出されております。
疾患モデル動物の作成では、げっ歯類は、実験動物としての取扱いやすさ等の面から適
切ではないか。ブタは、実験動物としての取扱いやすさ等の面から、用いる必要性は高く
ないのではないか。霊長類は、疾患によってはよりヒトに近い症状を示すことも考えられ
るのではないか、というコメントがございました。
ヒト臓器の作成については、げっ歯類は、ヒトへの移植を想定するのであれば、臓器の
大きさ等の面から不適ではないか。ブタは、ヒトと臓器のサイズが似ているということな
どから、適切ではないか。霊長類は、実験動物として取り扱われている種(アカゲザル、
カニクイザル、マーモセット等)では、ヒトへの移植を考えると、臓器の大きさなどの問
題から不適ではないか、というコメントを頂いております。
下段に移りまして、目的とする臓器・細胞・疾患等(特に脳神経細胞、生殖細胞を対象
とする必要性)について、まとめております。
分化能の検証については、多能性を検証するためには、脳神経細胞や生殖細胞を含め、
ヒトのあらゆる細胞に分化するか否か、機能するか否かを評価する必要がある。つまり、
脳神経細胞、生殖細胞について、当該評価は動物性集合胚によらなければ有効に行い得な
いのかどうかの観点からも、コメントを頂ければと思います。
【須田主査】
ありがとうございました。
対象とすることが想定される動物として、げっ歯類、ブタ、霊長類を挙げて、その理由
がまとめられています。内容について、ここは、目的ごとというより、一括して議論をし
たいと思います。
【大西委員】
集合法を前提として考えた場合の、それぞれの動物ということを挙げて
いるのですかね。
【吉田専門職】
はい。
【御厩安全対策官】
【大西委員】
ホストとして想定している胚という意味です。
例えばブタのところで、一番左側のところですけれども、単に卵子だけ
を集めるのであれば、今は、屠場から取ってきた卵巣から体外成熟卵子、みんなそれを使
- 26 -
うのですけれども、これは比較的容易というか、多数の卵子を集めるということは非常に
簡単なのですね。卵子そのものはですよ。だから、何がよくて、何が悪いって、スポット
を当てるところで全然変わってきちゃうのですよ。
例えば疾患モデルの作成のところも、私、ここは一番よく分からないのですが、実験動
物としての取扱いやすさという面だけで見ればこうですけれども、ここも集合法で言って、
疾患モデルってなかなか難しいのですけれども、例えば、げっ歯類では再現できないヒト
の病気がブタで再現できている例というのはあるのですよ。例えば高脂血症なんていうの
はまさにそうなのですけれども、あれはげっ歯類は全くできませんから。だから、ここも
取扱いやすさという形でフォーカスが一番当たっているような気がするのですけれども、
それだけでいくのかなあと。
【須田主査】
では、ここは項目を増やして、げっ歯類で再現できない疾患モデルがブ
タではできると、そういうことを書き加えますかね。
【大西委員】
はい。
【高坂委員】
今、高脂血症とおっしゃっいましたが、リピド組成とか、そういうのも
割と近いのですよ、ブタというのは。だから、昔からミニブタを使ったり、神経系でもや
っているのですね。必要性は高くない、でかいから扱いづらいのかと思うけど、そのぐら
いじゃないですかね。あとは、なかなか純粋なものが、遺伝のバックグラウンドがそろっ
たものが余りないとか、そういうのはあるかもしれない。
【須田主査】
あと、ヒト臓器の作成でブタは、ヒトと組織コインが比較的近い、免疫
原性が低いので、移植できる可能性が高いということはあると思います。
【大西委員】
左側の多能性幹細胞の分化能の検証というのは、キメラを作ってみて、
それでどう見るかということにほぼ限られると考えていいのでしょうかね。
【吉田専門職】
【大西委員】
はい。
そういった場合は、結構大事なことは、ソースとなる卵子がどれだけ入
手しやすいかとかですね。で、実際に胎外で培養を見るというところがどうなるかとか、
あと、vivo で移植して、例えば子供を取るところが技術的なり何なりどうかといったとき
には、正直言うと、私、ブタをやっているからなのですけれども、ある意味、ブタはすご
くいいところがあるので、卵子を多数扱うこともできますし、胚移植の技術もできていま
すからね。
【須田主査】
ただ、先生、ここは一応、集合胚を前提としているのではないですか。
- 27 -
【大西委員】
そうですね。集合胚でも……。
【須田主査】
ブタで分化を見ようというわけではなくて、ブタをホストにしてヒトの
細胞の分化能の検証という意味です。
【大西委員】
そういう意味ですか。なるほど。
【窪田委員】
一番左の項目の多能性幹細胞の分化能の検証というのは、動物種による
スピードの差というのは余り関係ないのですか。
【大西委員】
ある。
【高坂委員】
関係あるでしょう。
【大西委員】
絶対ある。
【窪田委員】
マウスはかなり早いと思いますけど、タイミングが合わないということ
はありますよね。
【大西委員】
絶対ある。
【須田主査】
ありますね。そのことは課題として入れてもらってもいいのかもしれま
せんね。げっ歯類を使った場合には、在胎日数の違いから、そこにディスクレパンスが起
きる可能性があるとか、そういうことを。
ここは、特に霊長類を用いる必要性というのを何かコメントしていった方がいいのです
か。
【御厩安全対策官】
はい。後で倫理の議論になるときに、霊長類をホストに使う必要
が科学的にあるのか、脳神経細胞、生殖細胞を作る必要性が科学的にあるのかとといった
ことが問題になろうかと思います。霊長類を使わないと得られないような科学的な知見が
あるならば、それを示した上で、倫理的にどうかを議論し、結論を出していきたいと考え
ております。
【須田主査】
そうですね。霊長類をホストにする必要性というのはどれぐらいあるか、
コメントをお願いできますでしょうか。
【高坂委員】
今、窪田先生がおっしゃったような点は大事ですね。マーモセットでも 5
か月ぐらいでしょう、妊娠期間は。割と近いですよ。
【須田主査】
うん。
【大西委員】
例えば、着床して胎盤形成ということを考えると、ヒトと同じ動物は霊
長類だけなのですね。マウスとブタも全然違いますから、マウスとブタも着床して胎盤が
できる過程は全く違いますし、ヒトがまた違いますので、そういった意味の胚の発生を考
- 28 -
えていくときに、そこまで考えるとすると、やっぱり霊長類の必要性は出てくるのではな
いでしょうかね。げっ歯類はげっ歯類で、特殊ですからね、着床、胎盤形成が。
【須田主査】
例えばブタとサルでは、どれぐらい違ってくるのですか。
【大西委員】
胎盤は全く違いますね。皆さんが思い浮かべる偏在性のこういった胎盤
というのは、ある意味、げっ歯類と霊長類しかありませんから。あとは、イヌなんかは帯
状になりますし、ブタなんかは散在性で全体に付きますので、全然違うのですよ。そうい
うことを考えていくと、やっぱり霊長類がヒトに近いというところは非常に大きなポイン
トにはなると思いますね。
【須田主査】
脳神経細胞や生殖細胞の疾患モデルとか、そういうのはいかがでしょう
か。
【大西委員】
【阿久津委員】
難しいね。
米国では、だめとは言ってないのですけれども、慎重にするというこ
とになっているのですが、生殖細胞で言うと、多分、非常に重要な系にはなると思うので
すね。通常、in vitro でできる、できない、また、できたとしても、現状、受精していいか
どうかというところの議論もありますけれども、生殖細胞系の研究系って十分に整ってな
いところですので、これを少し応用できるとなるととても有益なことは、想定できます。
だからといって、いいかというと、ちょっと難しいところなので。
【大西委員】
生殖細胞の分化というのは、ほかの体細胞の分化過程と全く違いますか
らね。
【高坂委員】
脳神経系については、僕は、モデル動物の作成まではちゃんと優位性が
あると思うのですね。マーモセットとか霊長類で、動物性集合胚である程度の分化を見て
いくというところまではね。
【須田主査】
一方では、アメリカなんかでも、ヒトと霊長類のキメラの方をむしろ危
険視する話もありますね。
【高坂委員】
だから、どの時点までですね。要するに、個体産生まで行かせると確か
に問題があるのかもしれないですけれど、少なくとも小児発達期の非常に初期の段階のと
ころでの細胞死とか、変性とか、そういったところでは動態を見れる可能性があると思う
のですけれども。
【大西委員】
生殖細胞といっても、生殖能力を有する細胞を生殖細胞と捉えるのか、
それとも始原生殖細胞みたいなところはどう扱うのかということで、全然変わってくるの
- 29 -
ですね、実は。一くくりにすると、すごく難しくなっちゃうので。
【須田主査】
もし分けたらいかがですかね。始原生殖細胞と精子・卵子というふうに
分けて考えると……。
【阿久津委員】
線引きが難しいと思うのですね。精子・卵子そのものができてない状
態で、なかなか難しいと思うのですね。始原生殖細胞とこの過程が、研究をやっている方々
にとっては。
【須田主査】
【阿久津委員】
一番難しいところですね。
難しいところだし、それを検証したい、あるいは突き詰めていきたい
というところが、多分重要なところだと思うので。
【大西委員】
突拍子もない話ですけれども、例えばブタの精巣上体尾部中にヒトの精
子が出たというと、大騒ぎになりますよね。これはほとんど受精能を持った精子がほぼ間
違いなく射出されるであろうという。だから、そこはすごく難しいと思うのですね。
【須田主査】
脳神経、生殖になると、非常に難しいですね。
【大西委員】
かといって、始原生殖細胞のことを見ようなんて思うと、この手法が一
番いいような気がしますね。まさかヒトの胎児を使って調べるわけにいきませんのでね。
ですから、その起源がどこからどうなっているみたいのを見たりするのには、この手法が
いいのかもしれませんね。
結局のところ、胎仔を段階別に調べていって、ヒトの細胞がどういうぐあいに寄与して
いるのかというのをちゃんと調べるということが絶対必要不可欠になるのは、間違いない
と思いますけれども。
【須田主査】
例えば脳神経系とか生殖細胞系のキメラも可であるとすると、非常にこ
の補完法というのは楽になってきますね。もし脳でキメラができていても、それも許容範
囲ですよといったら、かなり広がるというか、腎臓でもやってみようとか、なってきます
よね。今までは、観念的にはそういうことはちょっとぐあいが悪いのではないかと言って
いましたね。ブタとヒトの細胞が混じった脳とか、生殖細胞は。それを論理的にどうぐあ
いが悪いかということを言わなきゃいけない。
【大西委員】
あくまでも、倫理的なものは脇に置いて、科学的な知見というのであれ
ば、例えば生殖細胞の起源の問題を集合法を使って調べるというのはありかなとは思うの
ですね。
【須田主査】
うん。確かに、始原生殖細胞がどういうふうに出現してくるか、あと、
- 30 -
その始原生殖細胞が睾丸やら卵巣に移動して、そこで生殖細胞の幹細胞となるか、その辺
の解析が進めば、それは科学的には非常に大きいですよね。そういう研究は危険極まりな
いというものは何ですか。それはやめたほうがいいという。今までも脳神経系とか生殖細
胞への貢献があるものはぐあいが悪いと言ってきたわけです。それは何ですか。
【大西委員】
ブタがヒトの精子を射出するとか、ヒトの卵子を排卵するとかいう現象
が仮にあったとしたときに、そこをどう捉えるかということだと思いますけどね、生殖細
胞の場合は。
【阿久津委員】
個体になるというのも危惧して、その後の、例えば新たな生物ができ
るとかというところの危惧だと思うのです。なので、胎仔の段階とか初期の発生を見ると
いうところではその危惧は当たらないと思うのですけれども、その先だと思うのです。
【高坂委員】
iPS でも同じ議論があったんですね。自分自身の細胞から卵子と精子でこ
うやったら、どうするのだとかね。別の倫理的な問題は確かに、あることはあるでしょう
ね。脳神経系の場合も、例えばイヌと人間のキメラ状の脳ができちゃったと。そのときに
イヌはどう考えるのかとかですね。想像としては容易に想像できるのだけれども、我々、
それを検証するすべがないのですね。特に、生まれたばかりの未熟な脳のときに、赤ちゃ
んがどこまで認識しているかとかですね。ましてや、例えば生まれたばかりのサルがどう
いう認知をしているかとか、十分分かってないですね。だから、ある程度物心ついてくる
まで個体にしていくというのはちょっと問題があるかなと思うのだけれども、せめて胎仔
のときの状況では動態を見てもいいのではないかなとは思いますけれどね、脳神経系の場
合も。
【阿久津委員】
脳神経系と生殖系、これまで出てきた実験系では、どれもこれは見れ
ないのですね。
【須田主査】
そうなのですね。逆に言えば、これが強いのですね。
【高坂委員】
そうなのですよ。
【大西委員】
実は、ヒトの始原生殖細胞を取り扱おうといっても、扱うすべがないの
ですね。
【高坂委員】
だから、そういう意味では、これは非常に貴重な系なのです。
【須田主査】
結構ここは大切なところで、今すぐにどうこうという結論は出せないの
で、もしできれば、コメントなどを寄せていただけますでしょうか。非常に大事な部分で
すね。出生前であればいいといっても、ミニキメラぐらいならいいのですけど、かなり大
- 31 -
きい領域にわたってヒトの細胞が分布していたら、それはかなり大きい問題になると思う
のですね。
【高坂委員】
これは、相手が素人、一般国民だから、本当に慎重にやる必要があると
思うのですね。
【須田主査】
これは多分、我々研究者が議論をしているのと一般とでは随分格差があ
りますね。
【大西委員】
全然違うと思いますね。恐らく、臓器を限定するとか、そういう形にし
ないと、実際は……。
【高坂委員】
専門家の立場であれば幾らでも言えるのですけれども、これを議事録に
されちゃうと、後でどのぐらい蹴飛ばされるというのを心配しますからね、私は。
【須田主査】
心配ですね。分かりました。そこは保留にして、もしできましたら、次
回までにコメントをお願いします。
それじゃあ、時間の関係もありますので、5 番、6 番、事務局の方から御説明をお願いで
きますか。
【吉田専門職】
では、5 番について説明いたします。こちらは、集合胚研究の蓄積状況
について、簡単にまとめたものです。
まず、多能性幹細胞の分化能の検証として、動物性集合胚を作成し動物胎内へ移植した
例というのが、海外でございます。イスラエルで 1 件、アメリカで 1 件、それぞれ実施し
ています。下段に行きまして、多能性幹細胞の分化能という観点で、動物同士のキメラを
作成した例をまとめています。アメリカでサル同士のキメラ個体の作成に成功しており、
異種間においては、日本では胸腺を欠損しているマウス内にラットの ES 細胞を導入してキ
メラ個体を作成したという研究があります。
また、集合胚を用いた疾患モデル動物の作成については、事務局では当該目的に当ては
まる該当する報告は見つけられませんでした。
ヒト臓器作成の目的としては、動物性集合胚は、東京大学において実験が行われており
ます。下の方に行きまして、同種の動物同士の実験系の場合、日本では、膵臓欠損ブタや
腎臓欠損マウスを用いて、同種の細胞で欠損した臓器を補うことに成功した例があります。
また、異種動物間では、マウスの膵臓をラットの ES で補ったという報告があります。
以上です。
【須田主査】
どうもありがとうございました。
- 32 -
こういう文献が散見されるわけですけれども、今後、どういう方をお呼びしてお話を聞
けばいいか。多分、中内先生も含まれると思うのですが、先ほどの脳神経、生殖細胞、こ
れも、今まで議論をしてきましたけれども、さらに追加して御意見を伺うべき研究者があ
りましたら、御連絡をお願いいたします。
それでは、6 番の目的とする臓器等以外への分化制御について、お願いします。
【吉田専門職】
こちらの方も、簡単に説明いたします。
目的とする臓器等以外への分化制御(特に、外見、脳神経細胞、生殖細胞への分化制御)
に関して体外、体内についての状況を、簡単にまとめています。
分化制御技術につきましては、例えば二つ目の丸、様々な臓器の形成に寄与するほど高
い分化能を持つ細胞は、脳神経細胞や生殖細胞を含め、目的外の細胞等に分化しないよう
に制御することは困難となるのではないか、また、導入時期が初期であればあるほど、全
身に分布する可能性が高くなるのではないか、というコメントもありました。
検証技術についてです。目的とする細胞等が作成されたか否かは、その細胞で特徴的に
発現する遺伝子などの状態を調べることで確認することは可能。また、肝臓や膵臓につい
ては機能面を確認することも可能ではないか、というコメントも頂いています。
体内についてですが、一つ目の丸では、生体内の方が分化制御は困難となるのではない
か、という意見もありました。また、これまで体外で神経幹細胞まで分化させたものを疾
患モデル動物へ移植した例もあるが、このような動物においても目的部位以外への分布状
況は調べられていないのではないか。また、例えば脳神経細胞や生殖細胞など目的外の細
胞に分化した場合に消滅するような仕掛けをすることは可能なのか、というコメントも頂
いています。
検証技術に関しましては、例えば三つ目の丸ですと、導入した細胞の分布状況などは、
細胞に蛍光タンパク質などの目印を付けることで、生体内においても把握することが可能
になるのではないか。また、外見等につきましては、胎仔期においても観察することが可
能ではないか。生殖細胞などは成熟までに時間が掛かかり、実際に子孫を産むという意味
で機能するか否かについては、体内で検証することは不可能ではないか、という意見もあ
りました。また、例えばヒトの神経幹細胞を動物の脳に移植し、その細胞が脳神経に分化
したとしても、移植されたヒト細胞がヒトの思考を生み出すかどうかを検証することは不
可能であろうと、このような意見もありました。
以上です。
- 33 -
【須田主査】
【吉田専門職】
7 番も。
分かりました。
7 番は、安全面など関係する動物・ヒトに与える影響ということで、まとめています。
移植先の動物ということで、動物性集合胚の移植先の動物(母体)に対する影響につい
ては、他の胚を移植した場合と変わらないものと考えられる。このため、現行の動物実験
に関連する法令・基準等に適切に従うことが必要ではないか。また、動物性集合胚を用い
て産生された個体については、動物間のキメラ個体とほぼ変わらないものと考えられる。
動物性集合胚を取り扱う実験者等については、異種動物に由来する感染症の発生可能性が
あるなど、実験者及び周辺環境の安全等に影響を及ぼすことが考えら、このため、家畜伝
染病予防法などの関連する法令・基準等に基づき、適切に安全管理を行うことが必要であ
る、ということです。
以上です。
【須田主査】
どうもありがとうございました。
では、6 番、7 番で、補足すること、あるいはコメント、ございますでしょうか。
【大西委員】
体内の分化制御技術の四つ目の丸ですけれども、これは、異種動物の間
でこれを行っても目的以外のところに入ったと、後ろの文献を見るとそうなっているので
すけれども、これはラット-マウスですよね。同種の場合は目的外のところにもキメラ状
態で入り込むのですけれども、これは異種においてそうであったということなのですよ、
実は。
【吉田専門職】
【大西委員】
32)と 38)は、異種動物間でのキメラです。
四つ目の丸は結構大事なことで、異種のキメラにおいても目的外のとこ
ろにディストリビュートしたという、その情報がきちっと発信されることが大事だとは思
いますね。
【須田主査】
そこまで分化制御が……。
【大西委員】
難しいということです。
【須田主査】
難しいし、遺伝子の役割からいっても多目的に使われていますので、他
の組織への分布も見られたということは、すごく重要視するべきだと思うのですね。そう
なってくると、特に脳神経系や生殖細胞に分布したというのをどう取り扱うべきかで、脳
神経系や生殖細胞の分化も見ていっていいのではないかと言ったら、さっき申しましたよ
うに、かなり緩やかになるのではないかなと思うのですけれど、このあたり……。
- 34 -
【高坂委員】
私は、この設問は非常に後ろ向きだと思うのですね。はっきり言って、
脳神経細胞であるとか生殖細胞というのは一番、集合胚で分化・動態というのを見れる系
だと思うのですね、自然に近い形で。その中でむしろ分化をさせないような系を作り出す
というのは、非常に後ろ向きなのですね。
【須田主査】
今までの議論はそうでしたね。
【高坂委員】
だから、これから倫理問題に入っていくのかもしれないのだけれども、
そこで言おうと思っていたのですね。であるならば、ネガティブリストでいいと思うので
すよ。これはやっちゃいかんというものを作っておいて、例えば、ヒトの臓器を作っては
いかんとか、集合胚を個体化させて 2 か月、3 か月以降飼育してはならんとか、そういうこ
とをきちんと決めておけば、分化・動態を見る、あるいはモデル動物を作るというところ
まではやらせていいと思うのですね、指針として。
【大西委員】
なるほどね。
【高坂委員】
非常に後ろを向いていますよ、これは。
【大西委員】
恐らく、この委員の中でも、そこのコンセンサスが固まってないのです
よね。
【須田主査】
多分。
【高坂委員】
そうなのね。
【須田主査】
今の高坂委員の意見は極めて重要で、それだけで一回議論をしてもいい
ぐらいですね。これを後ろ向きと見るかどうかですね。
【高坂委員】
うん。僕は、ケース・バイ・ケースだと思うのですよ、こういう研究と
いうのは。本当は、中内さんのようなものが出てきたときに、倫理問題も含めて、これは
どういう問題点があるからここは気を付けなさいということで、申請をきちっとコントロ
ールしていくみたいな姿の方がいいのではないかなと思っているのですね。
【大西委員】
具体的にですね。
【須田主査】
禁止事項だけを明らかにして。
【高坂委員】
ええ、禁止事項を明らかにしておくと。
【須田主査】
それを例えば生殖細胞・脳神経に行ってはいけないというふうにくくっ
てしまうと、実験がなかなかできないということですね。
【高坂委員】
くくってしまうと、まずいですね。
【須田主査】
分かりました。これは、4 ページの目的とする臓器・細胞・疾患等、さっ
- 35 -
き保留にした項目と関連しますので、もしできましたら、次回、このことについて集中的
に議論をしたいと思います。
【高坂委員】
パンドラの箱は開けたくないので、特に神経系と生殖系の場合には、今、
局長通知みたいな形で、これを受精させてはならんとかってありましたよね。そういう形
で、ここだけは当座禁止ですよというような措置でやっていってもいいと思うのですよ。
【須田主査】
受精させてはいけない?
【高坂委員】
神経系を作っちゃいかんとか、そういう一般的なことではなくて。
【窪田委員】
若干飛躍した話にはなりますけれど、例えば 7 の産生された個体につい
ては、これは動物として扱ったときの注意点ですよね。神経系とか生殖系という話は動物
として扱っているところから少し出ている議論をしていると思うので、例えば、産生され
た個体に社会的な権利が認められるのか、意識があるのかどうかという議論をしていると
いうことは、意識があるのではないか、ヒトとして何%かは認めるべきではないかという
議論があるのか。なければ、そういう権限はないですよ、ヒトではないですよというとこ
ろからスタートすると、動物の実験ですよというふうになっていくのではないかな。
【高坂委員】
ヒトだと言う人もいるのですよ、中には。
【窪田委員】
そうすると、この生まれた動物には相続権があるのかとか、選挙権があ
るのかというような話に飛躍すると、あるのかなとは思いますけれど。
【大西委員】
確かに、本来は個別具体的に研究の中身を規制させてやる方がサイエン
スの場としてはやりやすくて、包括的なものを作ろうとするとかなりいろんなことが出て
くるということなのですね、今、最後に出てきた話は。
【須田主査】
申し訳ありませんけど、時間が過ぎましたので、本日御議論頂いた内容
を含めまして、もう一度、事務局にきょうの御議論をここに書き込んでいただいて、次回、
議論をしたいと思います。
事務局から何かありますか。
【御厩安全対策官】
今回が 2 年間の任期の最後の会議になりますけれども、このよう
に大きな問題であり、引き続きの課題となりますので、来期も先生方には御協力をお願い
できればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【須田主査】
どうも、きょうはありがとうございました。
―― 了 ――
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