分野別検討資料 - 新世代ネットワーク推進フォーラム

資料4 別添
平成26~27年度
アセスメントワーキンググループ
Application Driven Programmable Network SWG
(分野別検討資料)
Ver 2016.1ver
新世代ネットワーク推進フォーラム
アセスメントワーキンググループ
1
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
資料の構成
1.医療分野
2.農業分野
3.エンターテインメント分野
4.交通・運輸分野
5.教育分野
6.建築・土木分野
7.情報家電・ホームネットワーク分野
8.製造分野
9.エネルギー・鉱工業分野
10.流通・物流分野
11.金融分野
12.少子高齢化分野
13.安全・防災分野
14.2020東京オリンピック・パラリンピック
その他指摘事項
重点テーマのまとめ
2
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理した。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
学習し、自律的な(autonomic)動作をするネットワーク。データマイニング等の機能をクラウドだ
けでなくネットワーク側でも保有。センサネットワークを介したインターネットの障害・異常検知、
社会的ヘルスチェック(疾病・感染症発症状況の予知・把握、人々の生活における各種異常検知)
オプトアウト的ネットワーク
災害発生時にはセキュリティの制限を外す・緩和する等のオプトアウトの機能の搭載。(分野横断)
冗長トラヒックの削減
同じコンテンツに何度もアクセスする場合等の冗長トラヒックをネットワーク側で削減。(分野横断
)
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
膨大な数のセンサ等の端末が設置され、小さなパケットが、常時、多量に発生する状況におけるネッ
トワーク側でのサポート。もしくはセンサ側が高度化し情報処理・情報蓄積ができる場合のネットワ
ーク側でのサポート。(例:農業、交通・運輸、建築、安全・災害、エネルギー(スマートメータ―
等))
端末が密集した場所でのデー
タ通信
競技場等、超絶に端末が密集した場所(端末を持った人の密集を含む)でのデータ通信時のネットワ
ーク側でのサポート。(例:オリンピック、エンターテインメント 等)
トラフィック量の時間変動へ
の対応
競技場や各種イベント会場、観光地等、トラフィック量が時間によって劇的に変化する際のネットワ
ーク側の追従。(例:オリンピック、エンターテインメント 等)
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワーク。(分野横断)
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計(分野横断)
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。(分野
横断)
災害対策
可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状態のネットワークをアドホック的に構築。(分野横断
)
遅延への対策
高精細・大容量のデータ転送の際に遅延が問題になる領域における、ネットワーク側でのサポート。
(例:ロボット手術、オンラインゲーム、高精度Push型配信、次世代携帯/等)
ブロードバンド
大容量のデータの伝送:時間変動する3Dデータを受信できるアプリが出現、発展した際のネットワー
ク側でのサポート。(例:CTやMRIの3D動画の伝送/等)
大容量のデータ送信時のネットワーク内での前処理を行う際のネットワーク側でのサポート。
3
分野横断的な課題:補足
■分野横断的なネットワークの構築について
<ネットワークの現状>
・従来は独立にネットワークが作られていた
<分野横断ネットワーク構築の効果>
・複数の分野が連携することにより、よりよい製品やサービスを提供できるようになる。
・分野間 (例えば鉄道と道路交通など) で情報交換できる仕組みを作ることによって、双方に利点が
得られる。
<分野横断的な研究開発課題>
- 異なるプロトコル間の (自動) 変換・整合
- 異なるデータ・モデル間の (自動) 変換・整合
・変換したり整合したりするためのスキーマをすべて自動で求めることは将来的にも難しいので、でき
るだけ自動化することが妥当なコストで分野連携を実現するために必要。
・変換・整合はネットワーク上でなくデータセンタなどで行うことも考えられるが、とくにプロトコルの変
換・整合を効率的に行うにはネットワーク上 (ゲートウェイ) で行う方がよい。
4
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
1.医療分野
5
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
1.医療分野:病院ネットワークへの新世代ネットワークの導入(1/2)
•院内ネットワークへの新世代ネットワークの導入により、セキュアな仮想ネットワークを必要な区分(部門、用途等)ごとに容易かつ柔軟
に構築できるようになり、ネットワーク全体が可視化され、運用負荷が大幅に軽減される
•新たな医療機器の導入や患者(+医療機器)の移動等の際の設定が容易に。地域医療連携の際の基盤としても活用可。医療サービス
の質の向上にも寄与。
現状・課題(現在できていないこと)
概要
■院内ネットワーク
•病院ではさまざまな部門システムが使われている。医療技術の急
速な進歩に対し、必要に応じて、現場主導により、部門ごとに構
築・拡張。
•トラヒックの性質の違うシステムを別々に構築。物理的な回線が
別々に作られる。
(放射線システムでは、CTやMRIなどの巨大サイズの画像データを
出力するため大量のトラヒックが発生。電子カルテはテキスト情報
のみのためトラヒック少)。
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
■院内ネットワーク
•電子カルテの情報、医事(医療費等の料金計算)、各種生理検
査・放射線等画像検査情報など、目的・用途・データ入手経路など
をふまえたシステムを構築し、それぞれの要件に応じた仮想ネット
ワークをひとつのネットワーク上に構築し、一元管理する。
•金沢大学の事例では、上記のほかに、麻酔患者の管理や、眼科
診療の情報なども統合。
概要
■院外ネットワーク
•地域データ連携のネットワークが構築されているが、利用率が低く、
投資効果が上がっていない。これは、ITの課題のみではなく、患者
の取り合いといった病院等の経済的な課題がある。
•拠点病院を中心としたネットワークが構築されたとしても、大病院
間での連携ができず広域の連携が難しい。
•医療情報は、データ連携のために標準化が叫ばれているが、実際
には技術的な制約等で字際は難しい。特に画像データはベンダー
毎に設定が異なる。
経済
指標
社会
貢献
地域医療連携システムの市場規模(※)
◆ 金額ベース:2013年度約76億円(推定)
◆ ネットワーク数:2013年度には135(推定)
少子高齢化、少子高齢化、医療の高度化多様化、患者ニーズの
変化、疾病構造の変化(急性→慢性)、地域の医療資源の不足等
により、ひとつの病院ですべてを簡潔させることが困難に。行政で
も病院の機能分化を推進。
経済
指標
社会
貢献
■院外ネットワーク
•地域のクリニック等と診療データを共有できる環境の整備
•特定の病院にクローズせず、医療圏レベルで病院がネットワークで
つながり、各患者の健康データを長期的連続的に把握し、地域住
民の健康増進、健康管理等に寄与。救急搬送→治療→リハビリ、
在宅ケア、といった過程において、病院間の連携、病院と在宅間の
連携などを実現。
地域医療連携システムの市場規模(※)
◆ 金額ベース:2020年度には約180億円市場に成長すると予測。
◆ ネットワーク数:2020年度には223と予測。
院内の各種システムの統合による効率化、コスト削減、患者情報・
診療情報等の一元管理の実現。
各病院が個々の特性を発揮し、地域で病院・診療所・介護施設な
どと連携して同じ患者の診療・治療を行うために、病院間の連携や
情報共有を推進することで、「地域完結型医療」へ転換。
参照:金沢大学附属病院の事例 (http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1210/29/news06.html、 http://jpn.nec.com/case/kanazawa/)
参考:市場規模:シードプランニング予測(https://www.seedplanning.co.jp/press/2014/2014052101.html)
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新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
1.医療分野:病院ネットワークへの新世代ネットワークの導入(2/2)
現状・課題(現在できていないこと)
現行の
問題点
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
•部門ごとに開発したため構造が複雑になり、病院全体の部門シス
テム・ネットワーク数の把握や管理が困難。
•現場主導で動かすことによる、人為的ミスによるトラブルの発生。
•部屋の移動や端末の移設などによって毎回ネットワークの構成変
更や物理的なケーブリング作業が発生しコストが発生
技術
革新
•プログラマブルフローによりネットワーク全体の可視化が可能、運
用負荷を大幅に軽減
•GUI上で設定変更なども行えて効率的に運用可能
•セキュアな仮想ネットワークを部門ごとに容易かつ柔軟に構築可
•フロアごと等段階的に導入可
社会経済的課題
研究開発課題
・ベンダーロックインの排除:
OpenFlowの規格は米グー
グルなどのユーザー主導で
作られた。
特定の企業がネットワーク
の基盤を囲い込む状況を脱
して、ユーザーが自らの手
にそれを取り戻そうとしてい
る
• ネットワークに接続する機能を持った医療機器が増加傾向にあ
る。ユニバーサル接続の実現による医療機器の遠隔管理が必要。
• 患者と一緒に移動するような医療機器が増加し、ネットワーク
への機器追加や移動が頻繁に発生。
• 従来の環境では、移動の度にネットワークの設定変更が必要。
プログラマブルフローの技術を応用し、設定変更を不要に。
• 高精細化が進み大容量化が顕著な画像データには優先的に広
帯域な経路を割り当てるような運用
• 地域医療連携を進める際、医療機関同士がセキュアかつ緊密に
連携し、各種医療情報をやり取りする。(OpenFlowを基盤に)
概要
テストベッドで検証すべき指標
院外ネットワークを通じて共有できる情報の要
件、セキュリティ等の検証等
診療データと患者の個人データ(健常者の生活
情報、患者の退院後の生活情報等)との連携
への展開等
•省電力で自動的にネットワークを構築し、自動
的に通信を行う機能(アドホックネットワーク)。
•医療機器の新規設置、移動の時のネットワー
ク接続の際に、自動的にネットワークの環境を
設定し、セキュアなネットワークに接続ができ
(AutoConfig、Plug&Play)、セキュアに通信する。
■金沢大学付属病院の事例の背景
OpenFlowをベースとするNECのネットワーク製品「UNIVERGE PFシリーズ(プログラマブルフロー)」を導入
ユーザー端末が直接接続されているLANへの適用はこれが初の事例。
OpenFlowを採用:「電子カルテシステム」「医事システム」「生理検査放射線画像システム」、「麻酔患者管理システム」、「眼科診療システム」
プログラマブルフローによりネットワーク全体の可視化が可能、運用負荷を大幅に軽減、GUI上で設定変更なども行え効率的に運用可能、
セキュアな仮想ネットワークを部門ごとに容易かつ柔軟に構築可能
導入規模:OpenFlowコントローラー「UNIVERGE PF6800」が冗長
構成で2台、OpenFlowスイッチ
「UNIVERGE PF5240」が16台(スイッチはフルメッシュ構成)
ネットワークにおける「通信制御機能」と「パケット転送機能」を分離し、ネットワークを統合制御する「プログラマブルフロー・コントローラ」が、
パケット転送に特化した「プログラマブルフロー・スイッチ」を集中管理してネットワークを構成する。
参照:金沢大学附属病院の事例
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1210/29/news06.html
http://jpn.nec.com/case/kanazawa/
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新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
1.医療分野:
遠隔ロボット手術(情報通信ネットワークを介して入力操作を行える手術ロボットシステム)
新世代ネットワークにより、ネットワークの遅延に起因する問題が解消され、遠隔ロボット手術システムの開発が急速に進展する。
薬事承認を受けた遠隔ロボット手術システムが登場し、熟練医のいない地域でも熟練医による手術を受けられるようになる。
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
オペレーション・サイト(執刀医が操作を行う場所)と、物理的距離が離れたサージェリ・サイト(患
者が手術をうける場所)とがネットワークで接続される。オペレーション・サイトの執刀医が操作入
力器により動作入力を行い、サージェリ・サイトのロボットが手術を行う。
現在は研究開発段階にあり、日常の医療では行われていない。国内では、タイ(チュラロンコン大
学)ー日本(九州大学)間でブタの胆嚢摘出手術に成功している。海外では、2001年に米仏間
で内視鏡下手術支援ロボットZEUSを用いた女性患者の胆嚢摘出手術に成功している。
新世代ネットワークにより、ネットワークの遅延に関わる問題が克服され、遠隔地からロボットを
安全に操作する環境が構築可能になる。薬事承認を受けた遠隔ロボット手術システムが登場し、
熟練医のいる病院と熟練医のいない病院とがつながれ、日常の医療で遠隔ロボット手術が行わ
れるようになると期待される。
制御信号を途切れなく送受信
オペレーション・サイト
サージェリ・サイト
制御信号
トラヒックの増加により、パケットロスの可能性
概要
オペレーション・サイト
制御信号
執刀医
操作入力器
医療
スタッフ
ネットワーク
(例えばJGN2plus)
サージェリ・サイト
概要
執刀医
操作入力器
手術ロボット
ネットワーク
(NWGN)
医療
スタッフ
医療
スタッフ
動物
手術ロボット (ブタ)
映像情報
ディスプレイ
医療
スタッフ
患者
カメラ
常にクリアな映像
付加情報
映像情報
映像情報
ディスプレイ
カメラ
症例DB等
SDNやNFV等により、術野映像に腫瘍領域
等の情報を付加(複合現実感)
トラヒックの増加により、映像の乱れ
経済
指標
中小規模病院や一般診療所では電子カルテシステムの導入はこれか
ら。
ICT化の進展に伴い、今後は医師不足を解消する遠隔医療システム
や2025年を目処に高齢者が住み慣れた町で医療サービスや生活支援
などを一体的に受けられる様にする「地域包括ケアシステム」の構築を
目的とした地域医療連携システムの需要が拡大。
最先端医療機器や技術を用いた「インテリジェント手術室」の導入機運
の高が高まっている。
医療現場における機器は3Dや4K、8Kなど最先端映像技術の有望
な需要先となっている。
(富士キメラ総研 メディカルソリューション市場調査より)
経済
指標
2014年の国内メディカルソリューション市場は1兆2,542億円。2020年
には1兆4,358億円(14年比114.5%)まで拡大する。
中小規模病院や一般診療所にクラウド型の電子カルテが普及すれば
イニシャルコストを低減することができる。
「地域包括ケアシステム」の普及や高齢化社会の進展による医療需要
の増加により市場は拡大。高齢化や過疎化が進む地域で需要が高
まっており、地方での普及するとみられる。
中小規模病院や一般診療所などでは地域医療のネットワーク拡充を目
的とした遠隔医療システムの導入が進む。将来的には遠隔地での手
術指示など、高い精度が求められる医療行為での活用も期待される。
国内手術映像記録/配信システムは、学術用途や教育用途に加えて、
近年では医療の透明化を目的とした院内のリアルタイム配信や訴訟対
策としての需要が増加。
医療用ロボットやヘッドマウントディスプレイなどの最新技術の導入によ
り最先端医療機器や技術を用いた「インテリジェント手術室」の導入機
運が高まっている。
(富士キメラ総研 メディカルソリューション市場調査より)
参考:http://www.soumu.go.jp/main_content/000276127.pdf
参照:富士キメラ総研 メディカルソリューション市場調査 ( http://www.elisnet.or.jp/news/news_detail.cfm?select_news_id=25894#123 )
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新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
1.医療分野:
遠隔ロボット手術(情報通信ネットワークを介して入力操作を行える手術ロボットシステム)
新世代ネットワークにより、ネットワークの遅延に起因する問題が解消され、遠隔ロボット手術システムの開発が急速に進展する。
薬事承認を受けた遠隔ロボット手術システムが登場し、熟練医のいない地域でも熟練医による手術を受けられるようになる。
現状・課題(現在できていないこと)
社会
貢献
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
人口密集地域と過疎地域の医療格差
・無医地域が多く存在している。平成21年度で全国に約700か所。
・熟練医は都心に集中しており、過疎地域で重傷患者が出た場合
は救急車やドクターヘリ等による救急搬送が必要。搬送時間が
救命率に影響。
遠隔ロボット手術の手術件数の増加
遠隔ロボット手術の適応症例の増加
遠隔ロボット手術の実施医療機関の増加
社会
貢献
国内の事例では、JGN2plusにより帯域を確保しているが、トラヒッ
クの状況によって遅延が大きくなり、パケットロスにより制御信号等
が失われるリスクが高まる。また、映像に乱れが生じる。
現行の
問題点
過疎地域の救急患者数、救命率の向上
プログラマブルなネットワークにより、ネットワークの遅延を確実に一
定水準以下に抑えられる仮想的なネットワークを必要時に適宜設
ける。オペレーション・サイトとサージェリ・サイトとの間で、映像情報
と制御情報が途切れなく送受信される。
技術
革新
社会経済的課題
・ 遠隔ロボット手術システムの製品開発と薬事承認
・ 遠隔ロボット手術を行う医師の技術の均てん化
(認定制度、トレーニングセンター)
・ 遠隔ロボット手術を実施可能な施設の整備
(オペレーション・サイト、サージェリ・サイト)
・ 遠隔ロボット手術の適用ガイドラインの整備
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・ 手術ロボットの制御に支障をきたさない水準に
遅延を抑える技術
(遠隔ロボット手術システムの安全性(信頼性)
確保の核になる技術)
・手術ロボットの制御に支障をきたさない遅延の範
囲の検証
・ 医師にクリアで乱れのない映像を途切れずに提
示する技術
参考:http://www.soumu.go.jp/main_content/000276127.pdf
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新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
1.医療分野:ICTを活用したメンタルヘルス対策
ICTを活用したメンタルヘルスのモニタリング、分析等により、メンタル面を健全に保てる環境を整備。
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
概要
メンタルヘルス対策の充実・強化等を目的として、従業員数50人
以上の全ての事業場にストレスチェックの実施を義務付ける「労働
安全衛生法の一部を改正する法律」が2015年12月1日に施行予
定。※50人未満の企業は、当面の間努力義務
経済
指標
国内でメンタル不調と診断された人の数は100万以上。総額39兆
円といわれる国民医療費のうち、メンタルに関する障害が約2兆円。
(厚生労働省 平成24年度 国民医療費の概況より)
欠勤者(Absenteeism)と低生産性出勤者(Presenteeism)による
影響まで加えると、社会的コストは8兆円超。
(厚生労働省 精神疾患の社会的コストの推計より)
社会
貢献
若い世代の自殺は深刻な状況にあり、15~39歳の各年代の死因
の第1位は自殺となっている。こうした状況は国際的にみても深刻
であり、15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっている
のは先進7カ国では日本のみで、その死亡率も他の国に比べて高
いものとなっている。(内閣府 平成26年版自殺対策白書より)
2015年3月24日に発生したジャーマンウイングス9525便墜落事故
(死者150名)では、副操縦士の自殺行為によるものとされている。
1982年には日本航空350便でも機長の突発的な異常行動により
墜落事故が発生している。
社会
貢献
専門医に相談することに対して抵抗がある。
時間・地理的制約があり、専門医にかかることができない
技術
革新
現行の
問題点
社会経済的課題
本人にとっては、社会生活上の機会損失、命が断
たれるリスク等。社会にとっては、働き手の損失、
生産性の低下、事故発生リスク、人材の損失等
概要
インターネットを経由してセルフチェックし、クラウドで集積・分析し、
メンタルヘルス不調を早期発見。専門医へかかることなく個人が手
軽に自分のメンタル状態を把握。これまで明るみになっていなかっ
たメンタルヘルス不調を発見できる可能性がある。
経済
指標
事業規模の小さい事業所では専門知識をもったスタッフの確保や
窓口を設けることが難しい。クラウドを活用することでコストを削減。
メンタルヘルスに起因する国民医療費の削減。
2012年度のEAP(従業員支援プログラム)市場規模は208億円。
労働安全衛生法の改正により拡大が予想される。
(矢野経済研究所 EAPサービス市場に関する調査結果2014より)
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現。
研究開発課題
・ プライバシ問題への対策
生産性の向上、事故の予防。
いじめの発見。
いつでもどこでも気軽にセルフチェックや相談できる環境整備。
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・プライバシーを維持しながら、大量のデータをクラ
ウドで集積・分析し結果をフィードバックする仕組
みの構築
参考:http://www.armg.jp/mhlw/ (改正労働安全衛生法 ストレスチェック義務化とは?)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/12/index.html (厚生労働省 平成24年度 国民医療費の概況)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/cyousajigyou/dl/seikabutsu30-2.pdf (「精神疾患の社会的コストの推計」事業実績報告書)
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2014/pdf/gaiyou/index.html (内閣府 平成26年版自殺対策白書)
https://www.yano.co.jp/press/press.php/001235 (EAPサービス市場に関する調査結果2014 )
10
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
1.医療分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸について、医療分野の特徴
を以下に整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
社会的なヘルスチェック(疾病・感染症発症状況の予知・把握)
オプトアウト的ネットワーク
災害発生時にはセキュリティの制限を外す・緩和する等のオプトアウト機能により、緊急連絡できる
通信網を確保。救急医療体制の迅速な整備に資する。
冗長トラヒックの削減
―
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
―
端末が密集した場所でのデー
タ通信
―
トラフィック量の時間変動へ
の対応
―
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワークにより、機密性の高い医療情報・患者情報等を授受。
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計(診療データ、診療報酬データ、その他)
セキュリティ対策
患者の診療情報を含む個人情報を、安全かつ確実にネットワークで送受信できるようにする。
災害対策
地域の救急医療面の支援体制を迅速に構築するため、可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状
態のネットワークをアドホック的に構築。
遅延への対策
ロボット手術実施時に、遅延を起こさずに高精細・大容量のデータを転送する
ブロードバンド
(送受信)CT、MRI、PET等の各種の大容量な画像データの送受信を円滑に行う
(前処理)
11
1.医療分野:参考事例
事業者名
NEC
サービス名
URL
UNIVERGE PFシ
http://jpn.nec.com/case
リーズ(プログラマ
/kanazawa/
ブルフロー)
金沢大学医学部 同上
同上
http://www.krip.jp/healthcare/
無意識生体計測
公益財団法人 関
&検査によるヘ
西文化学術研究
ルスケアシステム http://www.kri都市推進機構
p.jp/healthcare/innovatio
の開発
n/5theme/ict.html
NECネッツエスア
イ
めんたるさっち
http://www.nesic.co.jp/s
olution/cloud/mentalsuc
h.html
株式会社サーフ
ボード
こころの天気図
http://www.kokoronotenk
izu.jp/lp/
http://www.an-
株式会社 日本ブ アン-サポ・メンタ sapo.com/mentalルヘルスケア
レーン
healthcare/
伊藤忠テクノソ
リューションズ
ソクミテ
おまかせ健康管
理
http://www.ctcg.co.jp/news/press/201
50401b.html
http://www.itmedia.co.jp
/enterprise/articles/150
4/01/news152.html
株式会社エスト
コーポレーション
http://sokumite.com/
http://estcorporation.jp/service/s
okumite/
インシデント・アク 株式会社日立産
シデント分析支援 業制御ソリュー
ションズ
システム
サービス内容・その他
院内ネットワークへの新世代ネットワークの導入により、セキュアな仮想ネットワークを必要な区分(部門、用途等)
ごとに容易かつ柔軟に構築できるようになり、ネットワーク全体が可視化され、運用負荷が大幅に軽減。新たな医
療機器の導入や患者(+医療機器)の移動等の際の設定が容易に。地域医療連携の際の基盤としても活用可。医
療サービスの質の向上にも寄与。
上記サービスの導入者
下記3点を研究テーマとして病院外で生体情報をモニタリングするシステムを研究。
・日常生活の中で生体情報を非侵襲で簡便に収集
・人に優しい簡便な検査の実施
・得られた情報から健康状態や疾病予兆の把握、将来予測等で効果的な健康支援を実施
平成20~22年度の事業として、妊婦見守りヘルスケアシステム、泌尿器ヘルスケアシステム、生活習慣病ヘルス
ケアシステムを開発。
インターネットで利用できるストレスチェックツール。従業員のメンタル不調をわかりやすく数値化し、従業員本人と
総務人事担当者に結果を通知。これにより、気づかなかったメンタル不調の予兆を発見することができ、会社が必
要な対策をることで、休職などの深刻な状態から従業員と会社を守る。また、メンタル不調の部下をもつ上司へ専
門スタッフから電話をかけ、部下のチェック結果を報告し対応に関するアドバイスなどサポート。
従業員の「心の不調」の予防・早期発見・再発防止に取り組む企業向けクラウドサービス。従業員はPC・タブレット・
スマートフォンからいつでもどこでも簡単にセルフチェックが可能。睡眠時間、残業時間、血圧、起床時間、体重な
どを「マイログ」として記録することができるので、内科医等へかかるときにも有用な情報として活用できる。企業は
リアルタイムで自社の組織ストレスを把握することができ、対策を講じることができる。
従業員のメンタルヘルスケアをサポートするクラウドサービス。PC・タブレット・スマートフォンからいつでもどこでも簡
単にセルフチェックが可能。セルフチェック未実施者の抽出・チェックもWeb画面で簡単に実施でき、最小限の管理
負荷で法人全体のセルフチェック管理できる。
健診や問診の結果、保健指導、面談記録などの経年の健康情報をクラウドで一元的に管理し、従業員の健康管
理を総合的に支援する。管理するのは、ストレスチェック対策、定期健診管理業務、長時間労働に対する労務管
理の適正化を含めた3業務で、人事・労務部門の担当者に代わって、従業員の心と体の健康管理業務を代行する。
企業向けに健康管理の総合支援サービスを提供するウェルネス・コミュニケーションズと協業し、従業員数700人
以下の企業を対象に展開する。
ビジネスパーソンを対象に、即時に診察可能な内科の検索かつ来院受付ができるアプリケーションを2015年6月
19日より提供。新宿エリアからサービススタートし、対象エリアは順次拡大予定。医療機関までのルートもスマート
フォンで案内。(対象端末:iPhone5、5S、6、6+)
(※同社のプレスリリースによると、東京の勤労者の32%(約229 万人)が病院に行きたくても行くことができてい
ない。その約半数が「今行ける病院を探せない」ことを理由に挙げている。)
医療機関における失敗のうち、「実害には至らなかった失敗」であるインシデント(ヒヤリハット)の報告件数は増加
傾向。事故を未然に防ぐための対策立案と実行のために、失敗の大小に関わらず失敗を引き起こす真の原因を
http://www.hitachi究明することが求められている。一方、慌しい業務と平行しての事故報告書作成は医療従事者の負担になる場合
ics.co.jp/product/newsre が多く、実害に至らなかったヒヤリハット情報をあらためて収集することは困難だといった課題があると。こうした課
l/2015-11_incident.html 題に対応するため、日本国内における医療機関向け情報システムとして初めての「医療版失敗学」の原因分析手
法を採用したシステム。院内ネットワークを活用したウェブアプリケーションで、院内であればどこでも事故報告書の
作成、閲覧が可能。他病院を含む過去の事例や、ヒヤリハットの対策成功事例を参照できる。
12
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
1.医療分野:出典(参考文献・参照サイト)
<具体例>
1.NEC導入事例
http://jpn.nec.com/case/kanazawa/
http://jpn.nec.com/case/kanazawa/images/catalog_kanazawa.pdf
2.金沢大学附属病院が前例のないOpenFlowを選んだ理由
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1210/29/news06.html
3.NECプレスリリース
金沢大学附属病院が、新ネットワークにNECの「プログラマブルフロー」を導入
~ 「OpenFlow/SDN」技術を採用し、柔軟性とセキュリティを両立するネットワーク基盤を構築 ~
http://www.nec.co.jp/press/ja/1206/1101.html
4.[企画講演]金沢大学附属病院はなぜSDNの導入を迷わなかったのか 2013/09/27
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/MAG/20130925/506765/
<官公庁の報告書等>
厚生労働省
・「健康・医療・介護分野におけるICT化の推進について」等の掲載について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042500.html
・医療機能情報提供制度(医療情報ネット)について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html
・医療計画(資料Bの方にレセプトの電子化など)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html
・医療制度改革に関する情報 レセプトオンライン化に関するもの
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02g.html
経済産業省
・医療産業研究会(ただし、報告書等はデッドリンク)
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004627/summary.html
・平成22年度「医療情報化促進事業」 ※NTTデータ経営研究所
http://www.keieiken.co.jp/medit/240423.html
13
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
1.医療分野:SWGからの主な指摘事項
区分
院内ネット
ワーク
概要
・ 医療の参考例は、金沢大学病院。オープンフローを導入し、運用している。
・病院では、画像データなど大容量のデータのやりとりなどがある
・病院同士をつなぐネットワークはなかなか進んでいない。地域医療連携では診療所と大規模病院で診
遠隔医療
療データのやりとりがスムーズに行われるのが望ましい。画像データを焼いたCDやDVDを患者が持参す
病 院 ネ ッ ト ると聞いている。
ワーク
・病院は院外へのアクセスについて慎重なところが多いと聞いている。セキュリティの問題、データ用量
の問題などが影響。
14
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野
15
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野 : IT農業(1/3)
新世代ネットワークを通じた、センシングや自動化等の各種支援技術を導入することで、作物等の成育環境の自動管理、作物の生育状
態の自動検出、出荷管理、農地の自動管理等を行い、農業の生産性向上や生産者の負担軽減につなげる。
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること
■人手を要する
• 農地の耕作、開墾、灌漑などで人手が恒常的に必要。
• 作物の登録は主に手作業で実施している。
• 広範囲の農場やハウス等の温度、湿度、水分、光量等の調節・
管理を行うにあたり、膨大な手間と時間が必要。(※ハウス・工場
内での水の散布、光量調節、温度管理等を遠隔操作し、人手を
省力化する仕組み等はできつつある)
• 農機の管理、操縦はすべて人手が必要。
情報デバイスやストレージの発達により、多数の農業者が様々な条件
(作物の状態、栽培環境等)下で行った行為(農作業)とその結果の関
係を生のデータの形で蓄積することが可能になりつつある。
また、データマイニング技術の進歩により、たとえ原因と結果の因果関
係を論理的に説明できなくても、結果として最適な行動を選択すること
が可能になってきており、情報の接続技術として有効である。
(農林水産省 AI農業の展開について 報告書より)
農業分野のIT活用で今後実用化・普及が期待されるのは以下の例。
■生育環境の管理に苦労している。
• 農作物の育成や管理は、人の目と経験に頼っている。
• 成育は天候に依存する面が大きい。
• 温室の環境制御は、温室、温度、CO2などの変数が相互に影響
し全てを希望通りの値を保つことが困難な場合がある。
概要
■技術の伝承
農業従事者の高齢化が一層進展、後継者不足が深刻化し、近い
将来、優れた農業技術の伝承が難しくなるのではないかと懸念さ
れる状況にある。また、篤農家の多くが高齢者であり、「匠技術」の
伝承が急務となっている。
概要
■人手の削減
• センサネットワークを通じて、エネルギー消費量や水使用量をリアルタ
イムで検出および制御。
• 作物を自動登録・カウントしてリアルタイムで成育状況をモニタリング
し、害虫や病気による作物被害を最小限に抑制。
• GPSアンテナや通信端末を活用して、無人あるいは遠隔地から農機
の稼働状況やコンディション情報をリアルタイムに収集。
• 農機の自動運転により、耕作・開墾の省力化。
■成育環境の管理の自動化
• 複雑な作物の生育環境に対して、全てを総合的に自動制御する機
能を持ち、温度・湿度・光・水・肥料について、全て統合された状態で
管理。
• 天気予報に基づくハウスの調整、光レベルの詳細な調整。
• 農場内のセンサで、植物の葉の光から育成状況の判断、病害虫の発
生の自動検出、土壌の水分等を管理。農作物の育成や管理を、デー
タ分析によって自動化。
• 経験や勘に頼っていた部分をデータベース化し、データマイニング等
による分析結果を使って農場を運営。
■ノウハウの継承
AI=アグリ・インフォマティクス(農業情報科学)。今後急速に失われ
ていく可能性のある、ベテラン農家の「匠の技(ノウハウ)」を、ITを用
いて見える化し、他の農業者や新規参入者等に継承。
参照:http://www.priva-international.com/en/solutions-products/horticulture/crop-and-harvest-registration-and-analysis-solution/
http://www.tomitatechnologies.com/site/shisetuengei/kankyo/pg162.html https://www.yanmar.com/jp/technology/robotics.html
https://www.seedplanning.co.jp/press/2014/2014010901.html
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h25_04_houkoku.pdf
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sosyutu/sosyutu/aisystem/aisystem.html
16
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野 : IT農業(2/3)
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること
農業IT化の市場規模は、2020年に580~600億円と予測。2013年比
約9倍の成長。なかでも農業クラウドサービスが大きく進展。2013年比
約28倍の伸びとなり、 農業IT化市場の75%を占める。
(シードプランニング 農業IT化の市場規模予測より)
2013年の農業IT化の市場規模は、市場規模は66億円と推定。
(シードプランニング 農業IT化の市場規模予測より)
定年退職者の就農促進や企業の参入促進など、農外からの新規参入を
促す政策が進められ、新たに農業にチャレンジしようとする者が増加。新
規参入者に対し、普及指導員やJAの営農指導員の指導等に加えて、篤
農家の持つ様々な経験やノウハウ等を直接利用する方法を提供すること
ができれば、経営参入時において大きな失敗をすることなく、比較的安定
した経営を実現することも可能となるのではないかとの期待がある。
経済
指標
■生産農業所得の低下
平成2年:4兆8,172億円 → 平成21年:2兆5,946億円(▲46%)
(農林水産省「生産農業所得統計」)
稲作及び植物工場でのビッグデータ活用による潜在的経済効果
品質向上によるブランド化、販売単価向上
3,968.2億円
生産効率向上によるコスト削減額
4億円
(野村総合研究所 推計)
経済
指標
• 人手とノウハウに依存した分野。場所、基盤、コンテナあたり、従業員一
人あたりの視点が必要。
• 食糧自給率の低下、農業人口の減少、農業従事者の高齢化等各種問
題を抱える分野。生産効率の向上、生産者の負担軽減等が求められる。
社会
貢献
農業・農村は食料供給の役割に加え、国土の保全や自然環境の保全、良
好な景観形成など様々な役割を持っている。しかし、農業の就業人口は減
少傾向に歯止めがかからず、後継者難が続き高齢化が進展、担い手が不
足している。また、耕作放棄地が増加し、生産農業所得が低下している状
況にあり、農業・農村の持続性確保が懸念されている。
社会
貢献
■機能性野菜の市場規模
腎臓病になると腎臓のろ過機能が低下するため、カリウムが腎臓に堆
積した場合、「高カリウム血症」という死に至る病となる。そのため患者
はカリウム摂取を1日1500mgと制限されている。カリウムは果物や生
野菜に多く含まれているが、煮たり水にさらしたりすると流れる性質が
ある。だから腎臓病患者は加熱した野菜や缶詰の果物は食べられる
が、生の果物、生野菜はほとんど食べられない。
定期的な人工透析が必要な透析患者30万人(2012年)、透析予備軍
(保存期患者)200万人、慢性的な腎臓病患者1300万人(2008年)を
潜在需要と見て、その20~30%が1カ月に2袋食べると考えると、メイ
ンマーケットは330万人。最終小売価格が1袋450円として、300億円
市場が生まれる計算になる。
(日経トレンディ 「300億円市場創出!? 「低カリウムレタス」を開発した
半導体メーカーの狙い」より)
• 農作業の省力化、低環境負荷、農業経営の効率化(高収益化・コスト削
減)、作物の生産性の改善、食糧の安定供給
• 作物の成育状況のデータや天候データ等を踏まえ、出荷時期や出荷量を
分析できるようになる。顧客との取引に役立つ情報が入手できる。
• 品質管理の行きとどいた作物の安定供給は消費者にとってもメリットがあ
る
• 植物工場製野菜に関する消費者調査(2013年度実施)では、「ぜひ購入
してみたい」が12.7%、「場合によっては購入してみたい」が60.7%であっ
た。「購入したいと思わない」と「あまり購入したいと思わない」は全体の
5.9%であった。
参照:http://www.priva-international.com/en/solutions-products/horticulture/crop-and-harvest-registration-and-analysis-solution/
http://www.tomitatechnologies.com/site/shisetuengei/kankyo/pg162.html https://www.yanmar.com/jp/technology/robotics.html
https://www.yanmar.com/jp/technology/smart_assist.html
http://www.murc.jp/publicity/press_release/press_130212.pdf (植物工場製野菜に関する消費者調査 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sosyutu/sosyutu/aisystem/aisystem.html
17
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野 : IT農業(2/3)
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること
一見同じように農作業を行っているにもかかわらず、「匠」が生産する
と上手に生産ができ、結果において他の農業者と明確に差が出る。
→文字情報の形でマニュアル化することには限界がある
現行の
問題点
個々の農業者は、それぞれが置かれた条件下で、マニュアルに照らし
てそのときに最適と考える作業を「匠」に倣って実行するが、「匠」が当
該作業を実行するに至った思考過程が明らかにできないため、「匠」と
他の農業者の置かれた条件の差異や「匠」と他の農業者が行った作業
との間に微妙な差異が生じる可能性がある。そうした場合、それらの
差異が積み重なり、結果の違いが生じるのではないかと推測される。
(農林水産省 AI農業の展開について 報告書より)
広い農地やハウスにセンサネットワークを設置。多数のパケット
が恒常的に発生。これらを集約・分析する環境の構築が必要。
技術
革新
最近の情報技術、人工知能を用いたデータマイニングの進展は、
これまでカバーできていなかった「匠」の領域を「集合知」といった
形で取扱うことで解決に導くものとして期待されている。
社会経済的課題
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・TPP(環太平洋経済協定)への参加により、今
後、日本の農家は、海外との過酷な競争にさ
らされる。
・農業従事者の平均年齢は約66歳。新規就農
者は少なく、高齢化が進む。
・農業をやめて放棄された土地は日本全体で40
万ha(ヘクタール)
・ITの導入があまり進んでいない分野。ITの導入
に積極的なのは、主に若手従事者、企業など。
一部に、後継者へ引き渡しやすくするために
高齢の従事者が導入に踏み切る例がある。
・広い農地やハウスにセンサネットワークを設置
するに当たってのコスト削減が課題である
・安価なネットワークで対応することも可能であ
るが、農場という屋外で比較的変化の大きい
環境においては、その安定性が課題となる
・篤農家には農作物を見る独特の勘があり、ど
こか特別な「譜」を見ていると推測される。それ
が何であるかを把握した上で、収集するデータ
を判断する必要がある
・データの収集に当たっては、データの種類や取
得方法を統一するとともに、プラットフォーム統
一が重要
・「誰がどのような知識を持っているのか」を情報
共有
• 安定的なセンサネットワークを、組織化した複
数農家が共同で構築する、または農業系社会
インフラとしてセンサネットワークを構築した上
で、各農家がテナントとして共用利用すること
で利用・構築コストを抑える形態を考え、以下
を検証する
• マルチテナント仮想網対応
• 複数の個別ネットワークを相互接続して統合
的に制御
• 物理端末であるセンサの収容
参照:http://www.priva-international.com/en/solutions-products/horticulture/crop-and-harvest-registration-and-analysis-solution/
http://www.tomitatechnologies.com/site/shisetuengei/kankyo/pg162.html https://www.yanmar.com/jp/technology/robotics.html
https://www.yanmar.com/jp/technology/smart_assist.html
http://www.murc.jp/publicity/press_release/press_130212.pdf (植物工場製野菜に関する消費者調査 出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sosyutu/sosyutu/aisystem/aisystem.html
18
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸について、各分野の特徴を
以下に整理する。
区分
考えるネットワーク
オプトアウト的ネットワーク
冗長トラヒックの削減
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
概要(例)
農地に設置されたセンサネットワークにより取得される情報の活用(農作物への影響の予知・把握)
ハウスの生育環境(温度・湿度・光・水・肥料など)の自律的な管理。
災害発生時にはセキュリティの制限を外す・緩和する等のオプトアウトの機能のあるネットワークで
、関係者と迅速に連絡・調整、復旧を図る。
種を蒔いてすぐと収穫間近では重要になるデータ(水やり、光量、必要とする肥料etc)が異なる。タ
イミングにより重要度の低いトラフィックの削減。
農地やビニールハウス等に膨大な数のセンサ等の端末が設置され、小さなパケットが、常時、多量に
発生する状況をネットワーク側がサポートする。もしくはセンサ側が高度化し情報処理・情報蓄積が
できる場合のネットワーク側がサポートする。
端末が密集した場所でのデー
タ通信
トラフィック量の時間変動へ
の対応
種を蒔いてすぐと収穫間近では重要になるデータ(水やり、光量、必要とする肥料etc)が異なる。タ
イミングにより重要度の低いトラフィックの削減。
アプリケーションとネットワー
クの連携
遠隔地から農地を管理しやすいアプリケーションの構築。
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計(分野横断)
センサから恒常的に収集されるデータに耐えうるネットワークの運用・設計。
作物や農地の状態に応じて最適な生育方法(水や肥料や収穫時期)を選択し、作物の安定供給。
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。(分野
横断)
農機の盗難・害獣被害などに対してセンサネットワークを利用した対策。
災害対策
台風や集中豪雨などを事前に察知して、収穫時期を早め被害を削減。
遅延への対策
遠隔地から農機を稼働する際、過酷な天候状態であっても、リアルタイム性を損なうことなく、高精
度のデータを転送する
ブロードバンド
19
2.農業分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
http://www.nttdata.com/jp/ja 農地情報を一元的に管理するとともに、地図と組み合わせることで管理情報をより視覚
NTTデータ
農地情報管理シ
/news/services_info/2014/2 的に利用できる利便性の高い農地情報管理システム。JA、市町村、農業委員会等向けに
ステム
014030301.html
提供。
インプット
QRコードで産直
販売管理 産直
繁盛くん
物産品販売所に特化した販売管理システムで、2014年2月よりQRコードを使用した販売
http://www.input.co.jp/pos_re 管理システムの販売を開始。 従来のバーコードより多くの情報を持つことが出来るため、
gister/
レジ通過時の農産物の陳列期限や加工食品の賞味期限のチェック、売上商品の詳細情
報の管理等を行うことが可能。
インプット
地域の健康のと
りで 産直ヘルス
ケア
http://www.input.co.jp/pos_re
「産直繁盛くん」と連動したヘルスケアサービス
gister/
IT工房Z
あぐりナビ
http://itkoboz.jp/wp/agrinavi
施設ハウス内のセンサーシステムから得られる環境データを自動的に収集してクラウド上
のサーバに送り込む部分とクラウド上で環境データを蓄積してDB化し、それを活用してデー
タマイニングを行う事で近未来の収量を予測するシステム
IT工房Z
あぐりログ
http://itkobo-z.jp/wp/agrilog
温室のモニタリングサービス。温室の状態を手軽にスマフォやPCから確認可能。温度が高
くなりすぎるとメールにて通知。ほか、飽差の確認、収穫量の予測など。
ミヨシ電子
農業監視システ
ム
http://www.miyoshi.elec.co.jp
/product/
ビニルハウス内に土壌/温室度/照度のセンサーと静止画カメラを設置。遠隔でハウス内
の状態を確認して、育成管理に利用。
ネポン
アグリネット
http://www.nepon.co.jp/agrin
et/
農業クラウドサービス。温度・湿度・照度・CO2を測定してスマートフォンやPCでモニタリング。
温度異常や停電、暖房機のトラブルを警報として通報。各種情報はグループ管理が可能。
スマートフォン・PCから設備の遠隔制御も可能。
日立ソリューション 植物工場生産支 http://www.hitachi.co.jp/New
植物工場内の生育環境のデータや栽培設備の制御データを収集し、リアルタイムで見える
ズ東日本(日立製 援クラウドサービ /cnews/month/2014/05/05
化するとともに、生育環境や栽培設備を遠隔制御。
29.html
作所)
ス
販売生産連携プ
農業分野において販売と生産の情報をWeb環境で一元管理し、農業(生産)、商業(物
日立ソリューション
http://www.hitachi-solutions流・販売)、工業(製造・加工)の農商工連携において、関係者間のスムーズな情報共有を
ラットフォーム
east.co.jp/products/agri/
ズ東日本
実現するクラウド型プラットフォーム。
AgriSUITE
農業生産者向け
日立ソリューション
https://www.jsol.co.jp/release 農場を更に細分化した圃場単位での各種予測・計画が可能。作物の収穫時期や収穫量
収穫予測クラウド
/2014/140522.html
のコントロールを実現でき、出荷量の過不足による廃棄・補填コストの解消を実現する。
ズ東日本(JSOL)
サービス
20
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
PCやスマートデバイスを活用し、酪農経営で日々の業務の記録や牧場の状態を簡単操作
でいつでも手元で管理。どこでも異動報告、繁殖サイクルの確認、疾病牛の管理、乳検
データの活用、作業日誌から生乳生産管理記録の作成が可能。
オーレンス
牛個体管理シス
http://cowlog.jp/
テム(カウログ)
オーレンス
農業経営支援シ http://aurens.info/products/a 畜産業経営に必要な生物資産管理の事務作業を最小限の入力で育成費用計算や減価
griculture/netoffice償却費、販売原価などの煩わしい計算を自動で行う。照会機能で年齢別の在籍頭数の確
ステム
seibutsu.php
認や前期増減の比較ができ、各種分析に利用可能。
(NetOffice)
小林クリエイト
agis生育管理シ
ステム
小林クリエイト
植物工場
DTS
東日本電信電話
ティアンドデイ
Dr.Cowbell(牛の
発情発見システ
ム)
ASP型産地直売
所システム(1,2,
の産直)
おんどとりワイヤ
レスデータロガー
システム
ティアンドデイ
自動散水機 散
水レコーダ/タイ
マー
ネクス
ネクスファーム
ハンディターミナルで作業(実績収集)の属性毎に処理を分け、処理を指定するだけで必要
http://kな作業が簡単に登録。施設環境データや気候データなどの環境データを日に1-2回パソコ
cr.jp/corporate/agri/agis.html ンにて入力。作業の遅れ進みや現場状況を視覚的に照会でき、履歴やシミュレーションも
可能。
完全閉鎖型工場内で、それぞれの野菜に合わせた最適な温度・湿度・養液・光条件などの
http://k栽培環境を自動制御して栽培。完全人工光と液体肥料による水耕栽培。無塵衣の着用・
cr.jp/corporate/agri/plant.htm 手洗い・消毒・エアシャワーなど、衛生管理を徹底したクリーンな環境での栽培により、病
l
原菌や害虫の侵入がないため、それらを予防・駆除するための農薬散布が不要となり、無
農薬野菜作りを実現。
http://solution.dts.co.jp/soluti 牛の首に装着したセンサーで行動量や行動パターンをモニタリング。独自の分析ロジックで
ons/drcowbell/
発情指数を 計算することによって『発情』や『疾病』の兆候を早期発見し、メール通知。
http://www.ntteast.co.jp/business/solution/
direct_agri/
農作物の産地直売所の一連の業務を支援するとともに、売上情報の多角的な集計管理・
分析や、生産者への売上速報提供を実現するシステム。NTT東日本がASP型サービスとし
て提供するもので、産地と消費者を結び、地産地消・地域活性化を支援。
http://www.tandd.co.jp/produ
ct/application_examples/appli 照度・紫外線・温度・湿度を測定して記録。記録データはUSB接続でPCで管理可能。
cation_02_01.html
土中の水分、土中の温度、気温、そして水やり履歴」を記録し、パソコンで確認することが
できる自動散水機。実際に水やりしている植物などの状態と、確認した各種記録・水やり
履歴をもとに、パソコンからきめ細やかに水やりのタイミングや水量などの調整を行うこと
が可能。
デジタル管理された化学的土壌マネジメントによって育てた安心・安全でおいしい健康野
菜の販売と、栽培技術の生産者向け提供を行う農業ICT事業。通信技術をもとに制御機
http://farm.ncxx.co.jp/about/i
器ならびに制御ソフトウェアを開発、ハウス内各種設備の自動制御化、ならびに温度、湿
ndex.php
度、日照、動画監視など各種要因のセンサリング、モニタリングを実現。これらを用いて
データベースを構築することで自動化による効率化だけでなく収穫改善へ役立てる。
http://www.sansuirecorder.jp/
21
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野:参考事例
事業者名
サービス名
日立造船
ロボットトラク
日立製作所
ター
ヤンマー /等
URL
https://www.yanmar.com/j
p/technology/robotics.html
http://www.hitachi.co.jp/N
ew/cnews/month/2015/0
1/0114.html(総務省委託調
査)
https://www.yanmar.com/j
ヤンマー
スマートアシスト p/technology/smart_assist.
html
http://avse.bpe.agr.hokudai
.ac.jp/
http://www.jaxa.jp/article/
special/michibiki/noguchi_j.
html
サービス内容・その他
2台を1人でコントロールできる無人走行システムを搭載したトラクター。障害物センサーを内蔵で
衝突などを未然に防ぐ。タブレット端末で直感的な操作を可能にするユーザーインターフェースを
開発中。作業状況にあわせてエンジン回転数や速度を自動調整するエンジンコントロールユニット
を搭載。コックピットカメラを搭載。タブレット端末で作業状況を監視できる。GPSや基地局と無線
通信する測位センサーを内蔵。より正確な測位情報を提供。大きく丸みをおびたキャビンは、業界
トップクラスの視界性と快適性を実現。将来的には、より多くの農作業をロボット化できるよう、田
植機やコンバインなどへの技術展開も検討中。
GPSアンテナと通信端末を活用して、農機の稼働状況やコンディション情報をリアルタイムに収集。
農機を見守るとともに、常に最適なコンディションの維持を助け、農機のトラブルを回避。農機管
理の省力化、ライフサイクルコストの低減を実現。農機の稼働状況や作業内容のデータをコン
ピューターで管理・活用することで、作業改善や栽培計画の合理化・効率化をサポート。
衛星利用測位システム(GPS)による位置情報を使い、自動運転で農作業を行う「ロボット農機」
を開発。農地の地図を元に、作業内容を指定すれば、自動で農機が作業を行う。GPSと準天頂衛
星初号機「みちびき」の測位信号を併用することでGPS受信の障害となる環境でも位置情報を取
得。
北海道大学
ロボット農作業
機等実用化普
及推進事業
クボタ
農業機械と連動・融合するICTを利用して、規模拡大する担い手農家に対して、作物および作業
の情報を提供し“儲かる農業”を実現する新たな営農・サービス支援システム。
1.作物・作業情報の蓄積・分析による高収量・おいしいお米づくり
収穫と同時に「収量」、食味に影響を及ぼす「タンパク含有率」と「水分率」を測定できる食味収
量センサ搭載のコンバインと連動することで、ほ場1枚ごとに収穫情報を記録。ほ場のバラつき
や特性を把握。次年度に撒く肥料の計画を作ることができる。適正な肥料の量によるおいしい
コメの生産が可能になる。収穫作業をしながら収穫情報を把握できるので、水分率毎にモミを
仕分けて乾燥し、調製作業(乾燥工程)のコストダウンを図ることができるほか、タンパク含有率
https://ksas.kubota.co.jp/# 毎にコメを仕分けて出荷することでブランド向上に貢献。
クボタスマートア /top/
2.作物・作業情報の蓄積・分析による作業効率の向上・コスト低減
グリシステム
日々の作業を日誌形式で記録。ノウハウの継承が容易になり情報を活用した作業が可能。ほ
http://www.kubota.co.jp/ne 場が数百枚にわたる場合でも、ほ場ごとの作業進捗の把握でき作業効率が向上。作業工程の
(KSAS)
w/2014/2014-20j.html
抜け漏れを防ぐことでコメの品質低下や病害虫の発生リスクを低減。
3.適切な栽培履歴管理による安心・安全な農作物づくり
作業記録情報をもとにした品種別、ほ場ごとの詳細な栽培履歴や食味情報が管理でき、農作
物の付加価値向上や差別化が図れる。
4.農機の稼動状況のレポート「診断カルテ」の活用によるセルフメンテナンスの容易化
KSAS対応農機から自動収集された機械情報のレポート「診断カルテ」を提供することで、点検、
部品交換が効率的に行える。オペレータの機械の取り扱いや操作の状況を把握できるため、作
業効率の改善もサポート。
22
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
水質センサーとウェブカメラを利用し、専用のコントローラPC経由で、水質や養殖物の行動情報を
養殖管理ポータ http://www.necsoft.com/sl クラウドシステムに送信。利用者はパソコンやタブレットなどのウェブブラウザから、状況把握や分
/acmp/
析データをポータルサイト経由で確認できる。また、クラウドサービスによる提供のため、初期投資
ル
を含めたコスト削減が可能。
アクリルパイプ上で流れる稚魚の数をスマートフォンと画像認識技術を活用してカウントするサービ
ス。投入稚魚数が目視から、より正確な投入数がわかることにより、適正給餌量/歩留り率の上
日本電気株式
昇、最終生産量の予測向上などにつながり、正確な生産コストの算出・コスト削減に貢献。
会社
フィッシュカウン http://monoist.atmarkit.co.j 画像認識技術を使用しており、カウントの誤差率は±5%、携帯性の高いスマートフォンを使用す
るため、屋外の養殖現場や船上など、さまざまな状況で利用できるというメリットもある。パイプの
p/mn/articles/1503/18/n
ター
認識範囲や魚が流れる向きの設定変更も可能。事前に魚の数を入力することで、移送作業にか
ews047.html
かる時間を自動予測する機能も実装。水産養殖業の現場では、稚魚を目視でカウントするなど勘
と経験による作業が行われており、正確な飼育量や管理が難しいという問題があるが、正確な飼
育量が把握できなければ、必要な餌の量や出荷量など、生産コストや売上高の予測が行えないと
いう課題につながる。こうした課題の解決に向けて開発したシステム。
新潟市の生産者22者(13法人、9個人)の水田計約460ヘクタールに通信モジュールを搭載した
新潟市/株式
センサーを計300台設置し、湿度・温度・水位・水温などを自動で計測して解析する。データはドコ
会社NTTドコモ
革新的稲作営 https://www.nttdocomo.co.j モのモバイル網を使ってクラウドサーバー群に送られ、必要な情報が生産者に提供。
ベジタリア株式
農管理システム p/info/news_release/2015 新潟市では、所有する水田が点在している生産者が多く、水田を見回るだけでもたいへんな労力
会社/ウォー
が必要。このシステムを使えば、スマートフォンやタブレットで情報を確認できるようになり、日々の
実証プロジェクト /05/14_00.html
ターセル株式会
圃場(ほじょう)管理の効率化や省力化、コスト削減、収穫量増加、品質向上などにつながること
社
が期待されている。
23
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野:出典(参考文献・参照サイト)
<参照例>
1.プリバ社HP
http://www.priva-international.com/en/solutions-products/horticulture/crop-and-harvest-registration-and-analysissolution/
http://www.priva-international.com/media/475804/priva_product_catalogue.pdf
2.Tomita Technologies Ltd.
http://www.tomitatechnologies.com/site/shisetuengei/kankyo/pg162.html
3.先進農業事例集
http://nougyou-shien.jp/sensin/sen_9.html
<官公庁の報告書等>
農林水産省
・農業分野におけるICT利活用に関するアンケート(平成26年)
http://www.maff.go.jp/tokai/tokei/tyo-sei/ish-iko/2013ict_ikou/25ict_enq.html
・農林水産分野におけるICT活用事例
http://www.maff.go.jp/tokai/tokei/tyo-sei/ict_agri/ict_jirei.html
・農業界と経済界との連携(スマート農業の情報あり)
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/saisei/honbu/pdf/nougyoukaitokeizaikaitonorennkei.pdf
・「スマート農業の実現に向けた研究会」検討結果の中間取りまとめについて
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/g_smart_nougyo/
・農業分野における情報科学の活用に係る研究会(情報工学との連携あり)
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/g_ai/index.html
・農林水産・食品分野と異分野との連携に係る研究について
http://www.s.affrc.go.jp/docs/ibunya/index.htm
・ AI(アグリ・インフォマティクス)農業について
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sosyutu/sosyutu/aisystem/aisystem.html
24
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野:出典(参考文献・参照サイト)
<自治体・民間等の具体的な取り組み例>
一般社団法人社会開発研究センター 植物工場・農商工専門委員会
http://www.sdrc.jp/pfc/work.php
スマートアグリコンソーシアム
http://smartagri.uecs.jp/
東北スマートアグリカルチャー研究会
http://t-sal.net/
農林漁業等の活性化に向けた取り組みに関する事例集(経団連)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2013/067.html
・トマト栽培管理技術の検討 【株式会社 I H I 】
・ICTを活用した森林資源管理への新たな展開 【アジア航測株式会社】
・土壌センサー搭載型可変施肥田植機による高精度施肥の実現【井関農機株式会社】
・小型マルチ漁場情報受信装置「シー魚ウォッチャー」の開発・販売 【いであ株式会社】
・“ICT活用により農林水産事業の育てる技術を資源化”センサーネットワーク技術を使い、
生育技術情報のコンテンツ化を実現し、美味しく安全な栽培技術を提供する【A&T株式会社】
・農畜産業を支援するセンサーネットワークへの取り組み 【日本ユニシス株式会社】
・農業市場向けに生産性向上と利益最大化を目的に栽培環境の見える化・自動化を
サポートするクラウドサービス『アグリネット』 【ネポン株式会社】
・農業に関連したさまざまな情報をGIS(地理情報システム)技術と連携させて統合的に
管理・活用する仕組みを提供 【株式会社日立ソリューションズ】
・農業の新高収益モデルを目指した、農業分野向けクラウドサービス
『AgriSUITE(アグリスイート)』」の提供開始 【株式会社日立ソリューションズ東日本】
・森林・林業データベースとGIS/GPSを連携させた林業支援システム【富士通株式会社】
・農業法人の栽培計画作成、圃場管理、採算管理までをワンセットで効率化し
収入拡大に貢献するシステムサービスの提供 【三井物産株式会社】
25
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野:出典(参考文献・参照サイト)
<自治体・民間等の具体的な取り組み例>
農林漁業等の活性化に向けた取り組みに関する事例集(経団連)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2013/067.html
(前ページの続き)
・農業法人の栽培計画作成、圃場管理、採算管理までをワンセットで効率化し
収入拡大に貢献するシステムサービスの提供 【三井物産株式会社】
・農業者特性に適合した「くまもと農業経営塾」での学習機会創出
(インターネットライブ配信) 【NTTコミュニケーションズ株式会社】
・産地直売所の事務作業の効率化、売上向上を「産地直売所システム」で支援し、
地産地消、農業の活性化に貢献 【東日本電信電話株式会社】
・農業関連商品を販売する地域密着型農業小売店の業務効率化を支援「FARM Partner」
【株式会社日立ソリューションズ・ビジネス】 【株式会社ピスク】
・アンドロイドタブレットを利用した森林保全と木材関連産業の育成【日本電気株式会社】
・クラウドサービスによる「栽培管理(生産履歴管理/GAP運用支援)」のご提供【富士通株式会社】
ICTを活用した害獣対策、その他地域でのICT利用(平成26年度補正予算「ICTまち・ひと・しごと創生推進事業」 )
http://www.soumu.go.jp/main_content/000355969.pdf
塩尻市(センサーネットワークによる鳥獣被害対策)
http://www.applic.or.jp/pdf/futuer_18/04/05.pdf
26
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
2.農業分野: SWGからの主な指摘事項
区分
農業分野のIT化
概要
・ 例えばオランダの会社では、ビニールハウスストーブを作っており、コントロール系のビジネスで
あった。その企業はオープンインターフェースでソフトウェアと吸い上げるデータを売るというコンサ
ルティングで成功した。
・ 農業の参考例はPriva(プリバ)という会社。
・ 「○○のIT化」という話は出尽くしているが、クラウドとの連携によって差が出てくるような事例
があると面白い。
食糧
・ エネルギーや食糧の問題は植物工場という考え方もあるだろう。オランダがサンプルになるだろ
う。
農業分野のIT化
・ ネットワークが農業を支援できるかもしれない。クラウド、ビッグデータ、コンサルティングで売ると
いう観点である。
27
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
3.エンターテインメント分野
28
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
3.エンターテインメント分野: クラウドオフロード
モバイルゲーム市場が伸びる一方で、モバイルデバイスの処理能力やバッテリー・メモリー容量には制限やバラつきがある。
これらの環境においても、高度な3D処理/より人間に近い高度な計算・データ蓄積を必要とするAI/物理演算を実現する
手段としてクラウド利用による演算(画面)処理のオフロードが考えられている。
現状・課題(現在できていないこと)
概要
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
エンターテインメント分野ではモバイル端末における画像・動
画の配信や演算処理を使ったサービスの位置づけが大きく
なってきている。しかし、現在のモバイル網はジッタ・遅延が
多く、3G/4G/WiFi等のアクセスメディアを変更する際にコネ
クションの再確立が必要であるなど、クラウド利用による演算
処理のオフロードに必要なリアルタイム通信に適していない。
概要
1) アプリケーションの要求品質と接続先に応じて、適切な品質
のネットワークを割当てる。
2) ロケーション/アクセスメディア(特に3G/4G/Wifi)に寄ら
ず、永続的にノード間通信を実現する。(LI分離)
3) ネットワークエッジに演算処理のオフロード環境を複数
準備し、仮想(ゲーム)世界での要求品質に応じて、
ローカル/ネットワークエッジ/クラウドでの処理を選択
可能にする。
プレイヤー
ネットワーク
エッジ処理
社会
貢献
現行の
問題点
現在の通信環境では、上記のような大容量の情報をリアルタイム
で行えないことでユーザ満足度を下げている。それだけでなく、こう
した情報のやりとりの急増は、通信量のパンクやサーバのダウン等、
モバイル端末ユーザ全体に波及する影響が生じるリスクもある。
特にモバイルデバイスにおいては回線品質(遅延/
パケットロス/接続性)が問題となる。
家庭内ネットワークにおいてもWiMAX等による外部接続が増え
ており、この傾向が増大すると予測される。
ローカルデバ
イス処理
プレイヤーとの距離
例:仮想世界(ゲーム世界)での物理演算
社会
貢献
クラウド処理
他分野への応用
ネットワーク環境下で同一プログラムを分散処理
技術
革新
社会経済的課題
研究開発課題
・多様なデバイス、アクセス
NWに対する、高度クラウ
ド処理の提供
・ ネットワークエッジでの分散処理に必要なフレームワーク
・ モバイル網における安定したリアルタイム通信の実現
・ ネットワーク品質に応じたダイナミックなNW制御
・ Locator/ID分離
・NWプログラマビリティによる、多様なNWプロセッシング機能(独自プ
ロトコル、トランスコード、キャッシュ、etc)の提供
テストベッドで検証すべき指標
・アクセスNW毎の遅延時
間のばらつきの低減
・アクセスNW移動時のアプ
リ視点でのシームレス性
(サービス、ユーザ体感の
継続性)
参照: http://www.inside-games.jp/article/2014/12/17/83512.html 、 http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20140718018/
http://gamebiz.jp/?p=134248
新世代ネットワーク推進フォーラム
29
アセスメントWG
3.エンターテインメント分野: オンラインゲーム
スマートフォンの社会へ浸透と常時接続性、通信費の低下からソーシャルゲームの人気が高い。ソーシャルゲームでは1人でゲームをする
のではなく、複数の人と一緒にゲームをすることによりゲームの面白さが増している。ゲーム制作会社はゲーム内で定期的にイベントを行
うことでゲームの魅力(および、収益性)を増す手法をとっている。
現状・課題(現在できていないこと)
概要
経済
指標
現行の
問題点
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
通信遅延(ラグ)が発生することがある。
1)イベント中はゲームをしている人が集中する傾向にあり、通信量、
システムへの負荷が上がる。これらが起きることでゲームのリアルタ
イム性が失われ、ゲームの魅力が失われる。動的に通信量やシステ
ムの負荷の分散のコントロールが出来ていない。
2)ゲーム制作会社はプログラマであり、ネットワークについて詳しい
知識を持っているわけではない。そのため高負荷時のネットワーク
の制御が出来ていない。利用者の知識に依らないネットワークのト
ラヒックコントロールが大事にであるが、それは出来ていない。
2013年の日本のオンラインゲーム市場規模は8,423億円。PCおよ
びコンソールゲーム機の市場が1,310億円、スマートフォン&タブレッ
トが5,501億円、フィーチャーフォンが1,612億円。
(日本オンラインゲーム協会 オンラインゲーム市場調査レポート2014より)
通信遅延(ラグ)が発生することがある。
ゲームの進行が全体的にスローモーションになったり、
通信切断になったりでゲームの進行が困難になる。
社会経済的課題
・トラフィックの集中に伴う、サービス品質
の低下回避
・高度なNW制御の開発、利用の容易性
向上
概要
1) 遅延を減らす。
2) 動的なネットワークの負荷分散が大事。ユーザーはパケットをコン
トロールするのではなく、自動的、もしくは半自動的にコントロールが
行われることが大事
3) ネットワークだけでなく、サーバー系の動的な負荷分散が行える
ことが大事。サーバの仮想化技術とネットワークの仮想化技術の融
合が大事
経済
指標
2017年の世界のモバイルゲームの市場規模について354億USドル(3兆
7188億円)になる見通し。2013年は175億USドル(1兆8384億円)と推定
しており、2017年は2013年比で倍以上に伸びると見ているという。年平均
成長率は19.1%増となる。スマートフォン、タブレット向けともに市場拡大
が続く見通し。内訳を見ると、スマートフォンが128億USドルから225億US
ドルに、タブレットは48億US、ドルから128億USドルとのこと。年平均成長
率は、スマートフォンが15.2%、タブレットが28.2%で、タブレット向けのモ
バイルゲームが市場拡大をけん引するとの見方。
(AppLift/Newzoo調査 グローバルモバイルゲームランドスケープより)
技術
革新
通信遅延が最低限に抑えられるネットワーク
研究開発課題
・ショートパケット、ビックパケットの動的ト
ラフィック制御
・サーバーの分散化、およびその制御
・キャッシュの制御
・上述の高度NW制御の自動化
参照: http://www.inside-games.jp/article/2014/12/17/83512.html
http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20140718018/
http://gamebiz.jp/?p=134248
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・高負荷集中時のNW特性(遅延)劣化度
・スケーラビリティ
30
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
3.エンターテインメント分野: ゲーム開発
コンピュータやネットワークの多様化により、ネットワーク運用者とプログラマの領域が重なる部分が増えてきているが、運用経験のあるプ
ログラマは少ない。プログラマがネットワークを気にすることのないネットワークのシステム開発が重要になる。
現状・課題(現在できていないこと)
概要
現行の
問題点
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
ネットワーク運用者とプログラマの分業化
1) ネットワークとは直接関係がないように思われるが、ネット
ワーク運用者とプログラマは全く違う業種である。
2) ネットワーク利用の多様化により、ネットワークを利用した
アプリケーション(ゲーム)の増加
3) アプリケーション開発業者にはネットワーク運用経験がな
い場合が多いため、ネットワークトラブルが絶えない
4) ネットワークの存在、コントロールを意識しないプログラミ
ング環境が構築できていない
5) BaaS(Backend as a Service)も存在するが、ネットワー
クのネットワークの利用を前提にしたアプリケーションの開
発でネットワークを考慮しているものではない
6) セキュリティの意識が実際には低い
プログラマ、ネットワーク管理の業務がきちんと分離して
いない
社会経済的課題
・業種の専門性を高めて、開発、運用費
の低減
概要
技術
革新
1) プログラマとネットワーク管理を分離することにより、それ
ぞれの業務の効率を向上させることが出来る
2) 業務的に分離が出来ていれば良い問題ではなく、システ
ム化できる部分はネットワーク、サーバシステム等をシステ
ム化することで、業務の効率を向上させることができる。
3) これによりリアルタイムなゲーム、動画等のエンターテイン
メントが可能になる。
4) ネットワークを意識しないアプリケーション開発
5) 共通プラットフォーム化をすることでだれでも簡単にゲー
ムの開発ができる
6) 新世代ネットワークで自動的にセキュリティを担保すること
で、安全な通信を行うことがでる。
個々のアプリケーション(ゲーム)に応じて、ネットワーク側が自動的
にセキュリティを担保し、リアルタイム性を確保できる
研究開発課題
・ネットワーク管理の自動化
・プログラマに依存しないネットワークのト
ラヒック制御の自動化(スライス化)
・高いセキュリティ環境の開発
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・NW機能開発工数、管理工数の削減量
31
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
3.エンターテインメント分野(1/2)
デジタル放送、4K8K対応機器(テレビ、撮影機材、編集機材)の普及に伴い映像コンテンツも高度化・多様化。
テレビ、放送にとどまらず、デジタルシネマやデジタルサイネージ(電子看板)等への広がりも期待できる上、関連機器やコンテンツ制作等
のノウハウの輸出にも繋がる可能性を秘めている。
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
■ライブビューイング
• 商用にするなら公衆網で送りたい
• 現状、人の集まる大きなイベントにはトラック(移動基地局)で対応しているが、移
動基地局なしでトラフィックの変動に対応させたい
概要
■映像の製作
• 撮影した素材をスタジオに送りたい
• 撮影してすぐに編集したいができていない
• 4K・8Kで撮影すると大きすぎてネット経由では送れない
■ライブビューイング
• 公衆網での送信
• 大きなイベントに移動基地局以外でトラフィック変動に対応
• 群衆行動の把握(混雑状況や異常検知)
• 密集する端末間でのネットワーク構築(メッシュネットワーク)
概要
■映像の配信
• セキュリティの観点から公衆網は使いづらい
• リアルタイムで編集したい
• スタジオで見ながら同時にインタラクティブに編集したい
• 安く安全にデータのやり取りができるとよい
■映像の配信
• リアルタイムでの編集
• スタジオで見ながら同時にインタラクティブな編集
• セキュリティを担保しつつ、安く安全なデータのやり取り
総務省「有料放送の高画質化・高度化等に関する調査研究」(平成25年)
経済
指標
2014 年は、全世界のモバイル データ トラフィックが 69 % 増加。全世界のモバイル
データ トラフィックは、2013 年末の 1 ヵ月あたり 1.5 エクサバイトから増加し、2014
年末には 1 ヵ月あたり 2.5 エクサバイトに到達。モバイル ビデオ トラフィックは、
2012 年末までにモバイル データ トラフィック全体の 50 % を超え、2014 年末には、
55 % に到達。(Cisco Visual Networking Indexより)
日本映像ソフト協会によると、14年のビデオソフト総売上金額は、前年比8.7%減の
2299億2300万円で10年連続で前年を割り込んだ。デジタルコンテンツ協会の独自
調査によると、14年の動画配信(VOD)市場規模は約1255億円(前年比102%)と
推定。市場規模は順調に増加し、19年には2020億円まで成長すると推定。
■映像の製作
• ファイルサイズの大きな編集素材を安く安全に送受信
• 4K・8Kの大きなファイルの送受信
• 4K以上の画質での撮影
韓国、欧米等諸外国の事業者においては取組が進んでいる。
具体的なサービスを早期に実用化し普及させることにより、放送関連産業
の技術力及び国際競争力の確保を図り、技術や製品、ひいては日本文化
等の輸出につなげていくことが期待される。
経済
指標
2019年までに、全世界のモバイル データ トラフィックの約4分の3がビデオになる見込。
モバイル ビデオは2014年から2019年の期間に13倍に増加し、この予測期間末には
モバイル データ トラフィック全体の72%を占めるようになる。
モバイル ビデオが2019年までのモバイル トラフィックの増加の大きな要因となる見込。
2014年から2019年までの期間にモバイルビデオは年平均成長率66%の成長見込。
これは、予測対象のモバイルアプリケーションカテゴリのうち、M2Mトラフィックを除い
て最大の成長率。2019年までにモバイルネットワークのトラフィックは、1ヵ月あたり
24.3 エクサバイトとなり、そのうちの17.4エクサバイトがビデオによるトラフィックとなる
見込。モバイル ビデオは2012年以降、全世界のモバイルデータトラフィックの半分以
上を占めていて現在すでに世界のトラフィックに影響を与えている。
(Cisco Visual Networking Indexより)
参照:総務省 平成25年版情報通信白書 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h25.html
一般社団法人次世代放送推進フォーラム 4K放送素材搬入技術基準書(2014年10月) ※4K放送素材はネットワーク経由での搬入には対応していない
http://www.nextv-f.jp/pdf/hannyukijun_10.1.pdf
日本動画協会 第4回 アニメーションのデジタル制作におけるアンケート(2014年10月) ※オフライン編集素材の受け取り方法(37頁)
http://www.aja.gr.jp/data/doc/2014-digital-ans.pdf
http://www.cisco.com/web/JP/solution/isp/ipngn/literature/white_paper_c11-520862.html
新世代ネットワーク推進フォーラム
32
アセスメントWG
3.エンターテインメント分野(2/2)
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
社会
貢献
海外においてもプロダクション(制作会社)、放送事業者、コンテンツ配信事業者、シ
ステム事業者、端末事業者等の取組が活発になりつつあり、本格的なビジネス化に
向けたエコシステムの構築が始まっている。
ネットフリックスの調査によると、テレビ番組をストリーミング視聴する人の75%が「決
められた時間でなく、自分のタイミングで見たい」と回答。各サービスで、番組のエピ
ソードを複数回分、一気に視聴するユーザーも増えている。ネットフリックスは2014
年に1900万人の新規ユーザーを獲得し、全世界のユーザー数が5740万人に達した。
会員数は伸び続けており、今年の第一四半期には6000万人を突破している。Hulu
とAmazonプライムも14年にユーザー数が倍増している。
また、映画のストリーミングは、映画館の売上にも追いつく勢いをみせている。PwC
は、17年にストリーミングとダウンロードによる売上は120億ドルとなり、全米の映画
館の売上の118億ドルを超えると予測。市場全体が拡大する中で、ストリーミングが
より大きなシェアを獲得すると見ている。(映画.comニュースより)
各映像視聴メディアサービスの利用率(回答者における利用者の割合)で「映画館」
は46.1%。「無料放送」は休日が90.1%、平日が89.0%、「無料動画サービス」は
55.7%、「パッケージソフトのレンタル」は33.6%、「パッケージソフトの購入」が
21.4%で、「有料放送」は19.8%、「有料VOD(TV、PC、携帯端末)」は8.5%、そし
て「エレクトリック・セルスルー(映像コンテンツのデジタルデータ購入)」は7.2%。
主な特徴としては、「パッケージソフトのレンタル」利用率は2年連続で3ポイントを上
回る落ち込みを見せる一方、「パッケージソフトの購入」は「音楽映像ソフト」の購入
割合とともに女性利用者の割合が増加した。
また、有料VOD利用者の34.6%が、TV、PC、携帯端末のうち2種類以上のデバイ
スを併用(マルチデバイスでの利用)し、有料VOD利用者の28.5%が、テレビ番組の
「見逃し視聴サービス」を利用。有料VODを利用していない人のうち、VODのサービ
ス内容を理解している人は29.7%にとどまった。
(映像メディアユーザー実態調査2015 フィールドワークス/映像メディア総合研究所)
現行の
問題点
・高画質な映像の送受信
・人間が予期していないトラッフィク増加への対応
例)テレビ番組に起因するもの:テレビ番組を視聴しながらのSNS実況が盛上がり、
サービスを利用しにくい状態の発生
NTTデータによると、2013年8月2日放送に日本テレビで放送された「天空の城ラ
ピュタ」では、23時21分50秒に106,338ツイートを計測(Twitter社の発表では
143,199ツイート/秒)
※日本は地理的に同じタイムゾーンに収まっているため、5つのタイムゾーンに区
切られてしまう米国よりも同じ時間帯に同じ情報を共有するユーザーが多くなる
例)その他
任天堂がゲームの発売日にオンラインでの即日配信を実施したところ、アクセスが
集中してサービス自体が利用できなくなった
日本代表のサッカー中継でハーフタイムに大量のCMを流したC2Cサイトにアクセ
スが集中し、サイトが利用できなくなった
産業用途への波及。放送用機器のみならず、医療分野での利用。
また、CAD等設計業務における高精細ディスプレイへの応用や、防
災や社会インフラの保守・保全等を目的とした高精細監視カメラへ
の応用、デジタルサイネージ向けシステムへの応用なども。
動画配信サービスと映画館での鑑賞という二者択一ではなく、自
分が好きなコンテンツを鑑賞するタイミングや方法について、より柔
軟に、自由に、利便性を追求して選択することが可能になる。
社会
貢献
技術
革新
・双方向性のあるコンテンツの提供
・マルチアングルで撮影したコンテンツをユーザが自分の
見たいアングルでスイッチング
・人間が予期していないトラフィック量の増大にも自律
的に対応できるネットワークやアプリケーション
社会経済的課題
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・ネットワークを通じて個人でコンテンツを発表・配信しや
すい環境が整ってきたため、それに伴う著作権の管理
・パケットの動的トラフィック制御、サーバ分散化・制御、
キャッシュ制御、高度NW制御の自動化
・遅延時間の低減、アクセスNW移動時のアプリ視点で
のシームレス性、等
参照:映画.com
http://eiga.com/news/20150618/1/ 、http://eiga.com/news/20150320/5/
33
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
3.エンターテインメント分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸について、各分野の特徴を
以下に整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
オプトアウト的ネットワーク
冗長トラヒックの削減
同じコンテンツに何度もアクセスする場合等の冗長トラヒックをネットワーク側で削減。(分野横断
)
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
端末が密集した場所でのデー
タ通信
イベント会場(ゲーム系イベント、コミケ、その他)等、超絶に端末が密集した場所(端末を持った
人の密集を含む)でのデータ通信時のネットワーク側でのサポート。
トラフィック量の時間変動へ
の対応
各種イベント会場、観光地等、トラフィック量が時間によって劇的に変化する際のネットワーク側の
追従。
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワーク。(分野横断)
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計(分野横断)
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。(分野
横断)
イベント会場(ゲーム系イベント、コミケ、その他)等でのテロ対策。
災害対策
イベント会場(ゲーム系イベント、コミケ、その他)等で災害が発生したときの安全確保。
遅延への対策
オンラインゲーム等における高精細・大容量のデータ転送の際に遅延が問題になる領域における、ネ
ットワーク側でのサポート。
ブロードバンド
大容量のデータの伝送:時間変動する3Dデータを受信できるアプリが出現、発展した際のネットワー
ク側でのサポート。(例:高精細な動画の伝送/等)
大容量のデータ送信時のネットワーク内での前処理を行う際のネットワーク側でのサポート。
34
3.エンターテインメント分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
PhotonRealtime
オンラインゲーム開発エンジン Android™やiPhone®、ウェブブラウザといった様々なプラットフォームに対
http://photoneng
応しており、リアルタイム、マルチプレイヤー、マッチメイキングに対応したサーバーシステムをパッケージで
ine.jp/features/
提供。
ユニティ・テクノロ
ジーズ・ジャパン
Unity3D
http://unity3d.co 3D、2Dを問わずマルチプラットフォームでゲームやインタラクティブコンテンツを制作する人のための開発
m/jp/unity
環境を提供するサービス。
シンラ・テクノロ
ジー・インク
クラウドゲーム事 https://www.shin
化するクラウドゲームの開発。非常に高度なネットワーク環境下で同一のプログラムを分散処理させるス
ra.com/jp
業
パコンと同じ設計思想。
GMO
演算と描画処理をサーバで完結させて結果を画像データとしてユーザへ配信することで同期処理を簡略
http://netchPCやスマートフォンをコントロールパネル化し、インターネット経由で実在のクレーンゲームを遠隔操作。獲
jpn.com/main.php 得した景品は全国へ無料配送。設置台数と景品提供数は日本最大級。2015年1月に会員数15万名
?page=loginPage を突破。
インターネットを通して、遠隔操作で本物のクレーンゲームが楽しめるサービス。獲得した景品は実際に
サイバーステップ
http://www.toreb
送られてくる。プレイ動画が残せるので、過去の自分のリプレイや、他の人のプレイ動画を閲覧することが
toreba(トレバ) a.net/play
株式会社
可能。
・2015年よりJ1リーグで採用されたシステム。
・採用された「Tracab(トラキャブ)」は、CHYRONHEGO社のトラッキングシステムの名称。軍事技術として
使われる自動追尾(トラッキング)システムを応用したもので、スタジアムに専用カメラを設置してピッチ
http://www.datas
全体を撮影し、選手・ボール・審判の動きをデータ化する。
tadium.co.jp/servi
<取得できる主なデータ項目>
ce/#anc01
データスタジアム トラッキングシス
選手走行距離、選手加速度、チーム総走行距離、走行スピード、移動エリア、
ボールの動き、審判の動き、選手間の距離、平均ポジション、状況別走行距離、
株式会社
テム(サッカー)
http://www.datas
時間別走行距離、状況別ポジショニング、ピッチ全体の俯瞰映像ほか
tadium.co.jp/new
・取得したデータを可視化するシステムによって、選手の動きをリアルタイムでアニメーションに再現する
s/release/873
など、テレビ中継やWeb サイトコンテンツとして活用可能。
・このトラッキングシステムは、欧州主要リーグの公認システムとして採用されている。
・ほか、野球用に別のトラッキングシステムがあり、MLBは2007年より採用している。
NHK紅白歌合戦において、生放送と連動して出演歌手や楽曲情報を表示するセカンドスクリーン機能を持っ
生放送と連動し
http://classmeth たスマートフォンアプリやWebブラウザ向けに、メッセージ配信プラットフォームを開発し、放送当日のインフラ構
たミッションクリ
クラスメソッド株式
od.jp/cases/nhk 築と運用。毎秒数十万の同時接続クライアントにメッセージ配信を行うため、クラウドを活用してオンデマンド
ティカルなメッ
/nhk-kouhakuに調達した数百台の高性能サーバーを用いた。手作業での構築は一切行わず、すべてスクリプトを用いたイン
会社
セージ配信プラッ 64/
フラ構築。プラットフォームにはアマゾン ウェブ サービス(AWS)を用い、大晦日のみ利用するミッションクリティ
トフォーム
カルな要求のため、リスクと負荷を軽減するために、複数リージョン・複数データセンターで構成した。
株式会社ネッチ
ネッチ
35
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
3.エンターテインメント分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
公共空間や大型施設において、防犯カメラなどで撮影された群衆映像から、個人を特定することなく混雑状
http://jpn.nec.co 況を把握するとともに異変を検知する技術。
m/press/20131 1.群衆の状況をより正確に把握
1/20131107_02
混雑度や各人の挙動などが異なる様々な状態の群衆画像をシミュレーションによって擬似的に生成。その
.html
画像と防犯カメラ等の映像を、独自のアルゴリズムを採用した画像認識技術によって一人ひとり区別せず
群衆行動解析技
に照合・解析。これにより、人と人が重なって見えるほどの混雑時も、群衆の状況を高精度に把握。
NEC
術
http://jpn.nec.co 2.群衆の変化を正確かつ瞬時に解析
異常が発生した際、その周囲の人々の行動変化に着目。例えば公共空間で見知らぬ2人が口論を開始し
m/press/20150
た場合に、周囲の人々が一時停止したり取り囲んだりする行動パターンを緻密に解析し、異常が発生した
3/20150310_01
場所に加え、予め閾値を設定することで、その変化の大きさから異常レベルも推定。
.html
豊島区総合防災システム構築業務委託として採用され、2015年5月に稼動、6月に本格運用を予定。
特別シート内の各エリアに設置された複数のビーコンと、観客へ貸し出しされる、タブレットにインストールされ
た「呼び出しアプリ」と、販売員が携帯する腕時計型スマートウォッチにインストールされた「売り子さんアプリ」を
http://jp.access- 連携させる。観客と販売員の位置情報に連動したリアルタイムのコミュニケーションサービスを実現。
座席de注文
観客が持つタブレットの「呼び出しアプリ」は、席に設置されたビーコン電波を受信し座席エリア情報を更新・保
company.com/ne
(ACCESSTM
持。「呼び出しアプリ」から任意の商品を選択すると、座席エリア情報とタブレット端末に割り振られた呼び出し
ws_event/archive
株式会社ACCESS
番号がクラウドを介し該当する商品の販売員へ送信される。販売員が携帯する端末の「売り子さんアプリ」側
Beacon
s/2015/20150
で座席エリア情報、呼び出し番号を受信し、身につけているSmartWatch 3に通知・表示。販売員はその情報
Framework)
512-2/
を基に利用者の待つ座席へ向かう。観客と販売員が離れていても、容易に、迅速に、ドリンクを注文可能。各
受注データはクラウドを通じて管理され、受注処理の効率化のみでなく、各販売員のリアルタイムの受注デー
タの可視化により、季節・時間・エリア・販売員毎の注文動向といったマーケティング分析にも活用できる。
http://airtalk.off- 近接通信(BluetoothやWi-Fi)とインターネットを使用したメッセージングサービスのスマホアプリ。インターネット
を使用してもしなくても、メッセージが送受信できる。
OFF Line株式会
line.co.jp/
AirTalk
電波がつながらない環境でも近くのユーザ間とは情報の送受信ができるので、災害インフラとしても利用でき
http://off社
る。場所(距離)をきっかけとしたコミュニケーション。
line.co.jp/
コンテンツの音声に「電子透かし」を埋め込む事で、スマートフォン等のマイクで認識し、「日本語字幕」「音声ガ
UDCast
イド」「外国語字幕」「手話」等のデータをアプリケーションによって完全同期可能。「ワンソース」(ひとつの映像・
http://www.udca
音声)で「マルチユース」(多言語の字幕、音声ガイド、手話...etc.)を実現する。
Palabra株式会社 (映像と同期した
st.net/
電子透かしを入れた音声は電波以外の情報伝達手段としても有効で、災害時に耳の不自由な方や外国人向
電子透かし)
けの情報保障にも有効な技術。※平成28年4月1日には「障害者差別解消法」が施行予定
36
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
3.エンターテインメント分野:出典(参考文献・参照サイト)
<具体例>
1.セガ 第三CS研究開発部テクニカルディレクター 節政暁生氏
http://www.4gamer.net/games/105/G010549/20100905002/
2.一般社団法人 日本オンラインゲーム協会
http://www.japanonlinegame.org/member.php
<官公庁の報告書等>
経済産業省
・ものづくり/情報/流通・サービス
→デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会
→デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会
出版物の利活用の在り方に関するワーキングチーム
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/mono_info_service.html
・平成24年度 コンテンツ産業強化対策支援事業
(ネットワーク系ゲーム環境整備研究事業)報告書
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2013fy/E002770.pdf
・情報サービス・ソフトウェア分野における技術に関する施策・事業評価報告書(案)
http://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/c00/C0000000H25/140416_wg11/23_11hyoukawg.pdf
一般社団法人日本オンラインゲーム協会
総務省
・平成25年情報通信白書
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h25.html
・公衆無線LAN利用に関する情報セキュリティ意識調査結果
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000091.html
• NTT未来ねっと研究所“エッジコンピューティング”
http://labolib3.aecl.ntt.co.jp/cec_jp/index.html
• Cisco Systems “Fog Computing”
http://www.cisco.com/web/JP/news/pr/newsroom_us/2014/031714.html
37
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
3.エンターテインメント分野:SWGからの主な指摘事項
区分
概要
・サーバへの負荷が高い。プログラムを書いている人はネットワークを知らない。分業化されてきていることが課題。
・昔はビッグパケットだったが、小さいパケットが多く飛んでいるので、逆に負荷がかかっている。
・ネットワークよりもアプリケーションを作っているプログラマーが多く、ネットワークの運用を考えていない。
・ゲームの途中で切れてしまうので、うまく制御できるツールが必要である。パケット料が増えているのではないか。
スマホゲーム
・需要が多い時間帯は朝7時から9時、18時から20時、24時に集中する。
・最近はWebゲームが増えている。200万本~300万本出ている。DMMである。それ以外でほとんど良いのは聞かない。スマ
ホゲームが主流であり、電車などどこでもできるものが好まれる。PSPの延長である。
・末端(アプリ)とクラウドはできているが真ん中がないと言われる。末端メーカーはコストの認識が不足している。たとえば北
海道の何ヘクタールの土地でセンサーチップを使うような農業を考えてもコストが合わないような状態。
ソーシャルゲーム ・BaaS(バックエンド・アズ・ア・サービス)では、ソーシャルゲームを作ることができる。
・日本のゲームが欧米市場に負けたと感じたのはオンラインゲーム(戦争ゲーム)であった。その瞬間に起きたことは、ネット
ワークのリアルタイム性への要求であった。プレステはクラウドゲーミング。行き着く先は、クラウドコンピューティングである。ク
ラウド側に計算機能。100msecでも50msecでもゲームにならない。
オンラインゲーム
・将来的にはソフトウエアプロバイダが東京にセンターを置くとゲームにならない。ローカルで折り返すようなコピーする機能を
求める。コンソールゲームでは日本は苦しい。日本でコンテンツが出てこない。ネットワークのリアルタイム性が大事。ゲーム
が日本を支えてきた。
スマホゲーム
・電車の車両にサーバを置くといった環境整備による効果は考えてみてもよい。
ゲーム
・ライブでのゲームは情報量が必要である。
インターネットの社会への浸透に伴い、インターネットを利用する人は大きく変化している。かつて、Webの閲覧、Mail程度
だったものが、様々な領域でのデータ通信に用いられており、現代社会では24時間365日ないと困る状態になっています。
シビアな状態での利用が求められている。ネットワーク管理を主体にしている業種以外(例えば、プログラマ)でも、ネットワー
クの利用が盛んになっていますが、プログラマでは基本的にネットワーク管理が得意ではないので、トラブルが生じやすい傾
向にある。今、「ネットワークを使うと便利な機能」をネットワークの存在を気にすることなく使える仕組みの要求は大きい。こ
オンラインゲーム の部分はユーザードリブン的な考え方になるだろう。サービスに対して、利用者が増えた場合、ネットワークのコントロールが
大事になるが、プログラマにはそのコントロールは出来ている状態ではない。プログラマはトラヒックの見積が出来ないので、
ネットワークの設計が出来ない。つまり、プログラマがネットワークの計画無しでネットワークを使える状態を作れることが大事
になります。新世代で解決できると今後のネットワークに大きな影響を与えるだろう。現在、プログラマの通信時のセキュリティ
の意識が思うほど高くない。プログラムの中でセキュリティを意識して使用しないといけないのが問題。サーバーと端末として
のセキュリティの確保は大事であるが、それと同時に通信のセキュリティ確保も大事である。
38
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野
39
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野: 鉄道
鉄道 (参考例:JR東日本・東京駅のOpen Flow導入事例) (1/2)
新世代ネットワークを通じて、鉄道・駅構内および利用者に関する各種情報を集約・一括管理することで、運行状況の日常的な管理を
効率化し、利用者ニーズを踏まえた情報・サービスの提供を行う。災害時の迅速対応や、利用者の安全確保にも資する。
現状・課題(現在できていないこと)
概要
鉄道関連情報(列車運行情報やホームや改札の状況の
映像等)のような多数のシステムから発生した膨大な
データについて、システムごとに別々に、専用のネット
ワークを構築・運用。
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
概要
(※鉄道の利用者数、鉄道会社数、鉄道の走行本数、交通系ICカードの利
用状況等の情報を加筆予定)
平成25年度の鉄道旅客輸送は、旅客数量合計で前年度比2.5%増の
236.1億人、旅客人キロ合計では前年度比2.5%増の4,143.9億人キロ。こ
れを定期、定期外別にみると、旅客数量では定期計で前年度比2.9%増の
136.5億人、定期外計で前年度比1.9%増の99.6億人。また、旅客人キロ
では定期計で前年度比2.3%増の2,049.5億人キロ、定期外計で前年度比
2.6%増の2,094.4億人キロ。
(国土交通省 鉄道輸送統計年報より)
経済
指標
鉄道における交通系ICカードの導入状況について(平成25年3月末現在)
全国の導入事業者 ・・・・・・・・ 78事業者
全国の利用可能な駅 ・・・・・・ 約5,000駅
ICカードの種類 ・・・・・・・・・・・ 25種類
ICカードの発行枚数合計 ・・・ 約8,700万枚
(国土交通省)
•駅へのNWGNの導入により、構内に設置されている構内放送用設備・
電光掲示板・防犯カメラなどの複数のシステムを統合。
•駅の各種情報をサーバで集約し、一括管理。
•駅利用者が専用のアプリをインストールすることで、電車の遅延情報や地
震・火災などの異常時の案内を直接配信できる機能を整備。
•利用者の人の動きや、関係する各種路線の運行状況を把握、災害や事
故発生時などの緊急時には、それらの状況をふまえて臨時運転のコント
ロール等を実施。
•駅利用者を対象とした行動分析、マーケティング
リニア中央新幹線実現による経済効果
交通政策審議会における分析によれば、利用者の所要時間短縮
などの利便性向上等を貨幣換算した「便益」は、東京―大阪間の
開業時点において1年あたり7,100億円と推計。
また、移動時間が短縮され、出張等が効率化し生産コストが低下
することで、世帯の消費や旅行関連財の消費が拡大することなど
により、全国で生産額が8,700億円増加すると推計。
(リニア中央新幹線建設促進期成同盟会 Webサイトより)
経済
指標
駅構内に設置されている券売機や自販機ではICカード決済にする
ことで、1円単位の価格設定が可能になり、付随する情報(年代や
性別といった匿名データ)はビッグデータとしてマーケティング活用で
きる。
全国相互利用サービス対応の交通系ICカードを発行しているJR東日本など
10社局の発表によると2015年5月1か月あたりの電子マネーの利用件数は
1億2073万件。
参照: JR東日本・東京へ来へのOpen Flow導入事例 (http://ggsoku.com/2013/02/jr-east-wi-fi/)
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1402/24/news090.html
http://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/kikaku_kankou/saisei/noritugi/date/noritsugirepo.pdf http://www.mlit.go.jp/k-toukei/10/annual/10a0excel.html
http://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk6_000015.html http://www.linear-chuo-shinkansen-cpf.gr.jp/gaiyo5.html
http://response.jp/article/2015/06/04/252718.html
40
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野: 鉄道
鉄道 (参考例:JR東日本・東京駅のOpen Flow導入事例) (2/2)
現状・課題(現在できていないこと)
社会
貢献
現行の
問題点
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
複数の交通機関を乗り継ぐ場合に、それぞれ提供する情報にばら
つきがある。
交通機関Aから交通機関Bへ乗り継ごうとしたときに、交通機関A
に遅延や運休が生じると、交通機関Bへの乗り換えがスムーズに行
えなくなり、迂回経路やダイヤ情報を再度調べなくてはいけなくなる。
個々のシステムごとに使用するケーブルが膨大になり、新システム
を構築する際のネットワーク構築コストの膨大化などが課題。様々
な鉄道関連情報の管理に手間がかかる。一括管理できない。
現状の運行管理システムでは事故や障害が発生した後の復旧に
時間がかかってしまうのが課題。
※2015年4月に発生した山手線沿線の電化柱倒壊事故では9時
間以上不通となり、715本が運休、およそ41万人に影響が出た。
社会
貢献
SDNによりネットワークを仮想化することで、一つの物
理ネットワーク上に、用途に応じた論理ネットワークを作
ることが可能。駅構内共通ネットワークに集約可能。
技術
革新
これまで鉄道会社から提供されてきた遅延情報はわかりにくい。
(例:○○の影響で○○線の一部列車に遅れが出ています)
Twitterなどではどの駅で実際にどのくらい遅延が発生しているとか、
振替輸送による車両や駅の混雑、運転再開などがリアルタイムでと
びかっていて鉄道会社の提供する情報よりも実用性が高く有益。
社会経済的課題
・鉄道に関連する多様なシステムの統合及び
一括管理
・システム/NW構築コストの削減
・各鉄道システムで取得されたデータの行動
分析、マーケティング、緊急時運行制御等へ
の活用
• コンテンツプロバイダによる情報整備の進捗と乗継案内サービスの普及、
また、交通事業者において複数の事業者が統合された乗継案内は困難。
今後はコンテンツプロバイダによる情報提供を中心に展開されると予想
される。
• 一方、交通事業者からは駅の詳細情報や沿線情報が提供されており、
乗継案内以外のニーズにも応えている。
• 自治体HPでは地域全体が網羅された情報提供が行われているなどの
事例があるほか、市政情報への閲覧の期待もある。
(国土交通省 公共交通のシームレス化に向けた乗継案内情報提供等に
関する調査より)
災害や事故発生時に柔軟に対応できる運行管理システ
ム
利用者が求めている情報を正確に配信
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・ネットワーク仮想化による、用途に応じた複
数の論理ネットワークの構築
・サービス変更・追加時の論理ネットワーク構
成・設定変更の集中管理・制御
・災害発生時の耐障害性
・論理ネットワーク構築、設定変更の所要時
間
・各種センサ、監視カメラからのセンサデータ
の収容可能データ帯域
41
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野 : 車車間通信(1/2)
新世代ネットワークを通じて、走行している全車両の動きを把握、場所・利用者等に応じた適切な情報の提供、事故防止等を行う。
自動車の自動運転により、交通安全、渋滞解消、運転者の負担軽減などを実現。
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
現状では、自動車の速度、急ブレーキやエアバッグの使
用状況、路面温度などのデータを感知することはできて
いないので、各自動車が周辺の車両に情報を送信する
ことはできていない。
概要
経済
指標
社会
貢献
自動車が交差点に進入しようとする時に、自動車の
カーナビに歩行者の存在を表示するといった機能は実
現していない。たとえば歩行者の持つスマートフォンの端
末情報などが交通安全に生かされていない。
日本の国土は急峻な山岳と河川・湖沼で約70%を占め、約1億2
千万人の国民が生活をするための可住地面積は約30%、都市は
稠密となり、道路ネットワークは貧弱なものになっている。渋滞は常
態化し、日本が誇るエコカーの実走行燃費はカタログ燃費のほぼ
半分しか発揮できておらず、移動時間の約4割を総渋滞損失が占
めるほど非効率な移動となっている。日本の総渋滞損失は年間約
50億人・時間(移動時間の約4割)約280万人分の労働力に匹敵す
る。(国土交通省 ETC2.0 より)
2014年の運転免許保有者数は8,168万人
(警察庁 運転免許統計より)
2014年の交通事故発生件数は629,041件
(警察庁交通局 平成25年中の交通事故の発生状況より)
概要
経済
指標
• 自動車の速度、急ブレーキやエアバッグの使用状況、路面温度な
どのデータを感知し、いわば各自動車を「通信ハブ」として周辺の
車両に安全情報を送信する。
• 自動車が交差点に進入しようとする時に、スマートフォンを持った
歩行者が横断歩道を渡ろうとしていれば、自動車のカーナビに歩
行者の存在が表示される。
• 今までドライバーには見えなかったところにまで目が届くようにな
る。
• 最終的には自動車の自動運転を実現し、より安全な交通、渋滞
の解消、運転者の負担軽減などを実現する。
• 緊急車両の速やかな派遣や危険運転車両を遠隔で減速・停止。
• ドライバーに発作など異常が発生したときに近くを走る車へ異常
を知らせることができるようになる。
2030年の世界市場予測
●協調型運転支援技術(車車間通信型) 搭載車両の販売は
5,486万台(→NAFTAでの搭載義務化で拡大)
●スマートモビリティ(一人乗り電動パーソナルモビリティ) 280万台
(→公道利用の法整備に期待)
(富士キメラ総研 次世代カーテクノロジーの本命予測より)
プローブ情報の活用による渋滞回避、それに伴う燃費の向上 によ
る潜在的経済効果は、1兆1,600億円
(野村総合研究所 推計)
社会
貢献
内閣府の第9次交通安全基本計画においては、平成27年までに交
通事故死者数を3,000人以下とする目標を設定
参照: http://jpn.nec.com/ad/onlinetv/rd/car_commu_h.html http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1310/18/news148.html
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/140731_14051.pdf http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h25_04_houkoku.pdf
https://www.npa.go.jp/toukei/menkyo/index.htm http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001117549
http://www.mlit.go.jp/road/ITS/j-html/etc2/index.html
http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h27kou_haku/index_gaiyou_pdf.html
42
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野 : 車車間通信(2/2)
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
各自動車メーカーで収集・保有している情報が異なる
他者へ提供してもいい情報と提供したくない情報があるが、車から
出る情報は車メーカーのものではなく、その車の所有者のものなの
で、情報提供することへの拒否感を軽減させることが必要
車車間通信(異なる自動車メーカーの車同士も含む)による、衝突
防止、自動運転の実現。
自動車の通信機能を用いた情報通信ネットワークの構築 /等
(※参考:トヨタIT開発センターHP等)
現行の
問題点
車線割り込み時などにハザードランプを点灯させて感謝を示すこと
が慣例となっている等、他車への意思表示に対するニーズは以前
から存在しているが、他に適切な手段がないためにハザードランプ
を利用している(他にパッシングやクラクションを使った意思表示
も)
ただし、ハザードランプの点灯では感謝の意の点滅が別の意味(急
停止など)と誤解される可能性もある
社会経済的課題
・車車間通信機能の自動車への普及
・通信方式、プロトコル、データの標準化
技術
革新
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・ 「関連性」のある情報のみを伝える技術。
「高速道路でブレーキを踏んだ」という情
報は、前方の車にとって重要ではないが、
後続500メートルの車にとっては重要で
ある。
・適切な範囲の相手車両に、適切な送信
時間で情報を通信するための、通信制
御方式
参照: http://jpn.nec.com/ad/onlinetv/rd/car_commu_h.html
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1310/18/news148.html
・自-他車両移動速度、自-他車両間距
離・ホップ数と、車車間通信完了時間の
関係
43
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野 :
クラウド活用による協調型ITSのセキュリティ強化と適用範囲拡大(1/2)
現在の協調型ITSはセキュリティや構成モジュールの多さが普及の壁になっている(*1 p.4)。処理をリアルタイム処理を強化した
クラウドにオフロードすることで、これらの問題を解決できる可能性がある。
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
ミッションクリティカル領域の処理をクラウドオフロードするこ
とで、
セキュリティや構成モジュールの問題を解決できる可能性が
ある。
また、2.エンターテイメント:クラウドオフロードで記載した
低遅延を実現するエッジネットワーク処理により、ITS処理
をオフロードした際に課題になるレスポンスタイムを改善で
きる可能性がある。(*1 図4「衝突までの時間」を参照)
現状では、車車(V2V)/路車(V2I)間通信などを利用
した協調型ITSは、情報の通知や警告が主である(*1
図4)。衝突回避や自動運転などのミッションクリティカ
ル領域(*1 図4:STEP3)の普及には、セキュリティの問
題を解決する必要がある。
概要
概要
通知系の非ミッショ
ンクリティカルは
ローカル処理
Network
Local
リアルタイム性を求め
るミッションクリティカル
処理はエッジ処理
・わが国内の2014年自動車保有台数は約7700万台。うち乗用
車が約6000万台、トラックが約1400万台、その他バス、特殊車
両等。(国土交通省データより)
経済
指標
・ETC車載器の新規セットアップ累計台数は平成25年12月時
点で約4,453万台、全国の高速道路での利用率は約89.3%。
(国土交通白書2014より)
・料金収受システム(ETC)として全国の高速道路上には約
1,600箇所のITSスポットを設置完了済み。今後、新しく開通す
る高速道路・有料道路にも設置予定。
経済
指標
リアルタイム性を求め
ないミッションクリティカ
ル処理はクラウド処理
全世界の自動車市場予測では、部分自動運転は2017年、完全自
動運転は2025年に市場への導入開始。条件が整えば、2025年の
自動運転車の販売台数は世界で1,400万台超。
技術開発のトレンドと、自動運転技術の採用の可能性などを分析
した結果、自動運転車の市場への導入時期は、高速道路・渋滞時
の自動運転が2017年、都市部での自動運転が2022年、完全自動
運転が2025年になると予測
(ボストン コンサルティング グループ 報道発表より)
参照:*1 http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07001718/07001718.pdf、http://www.bcg.co.jp/documents/file180099.pdf
http://www.jama.or.jp/industry/four_wheeled/four_wheeled_3t1.html
Cloud
44
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野 :
クラウド活用による協調型ITSのセキュリティ強化と適用範囲拡大(2/2)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
現状・課題(現在できていないこと)
社会
貢献
現行の
問題点
ETCシステムの導入により、高速道路の渋滞原因の約3割を
占めていた料金所渋滞はほぼ解消。CO2排出削減等、環境
負荷の軽減にも寄与できるようになった。
一方で、運転は人に依存しており、周囲の車と通信・協調し
た走行スピードのコントロールなどは行われていない。
自動車の通信におけるセキュリティが十分に確保されておら
ず、自動走行等の実用化のハードルとなっている。
センターを経由した現行の通信方式の場合、通信の遅延が
自動車事故の原因となりかねない。
社会
貢献
技術
革新
いままでのETCの高速道路利用料金収受だけではなく、渋
滞回避や安全運転支援といった、ドライバーに有益な情報を
提供する。さらに今後、街中での駐車場料金支払いや車両
の入庫の管理などにETCの多目的利用が推進されている。
将来的には、まだまだ工夫することで新しいサービス展開の
可能性がある。
シームレスな高速道路の利用(ゲートバーや時速20km以下
の撤廃)やガソリンスタンドでの自動決済などに資する技術、
データベース、サービスの実現。
車車間の通信および情報の地産地消によるリアルタイム性
の向上。
平常時は一定のセキュリティ性を確保しながら、車車間&路
車間の通信を行いながら自動車の走行を制御。
事故発生時は警察等関係機関が対象の車両にアクセスでき
るようセキュリティレベルを変動させる等。
社会経済的課題
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・自動運転等での協調型ITSの活用のた
めの、リアルタイム性、セキュリティ確保
・機器設置コスト
・ ネットワークエッジでの分散処理フレー
ムワーク
・ モバイル網における安定したリアルタイ
ム通信の実現
・ ネットワーク品質に応じたダイナミックな
NW制御
・ Locator/ID分離
・多様な車両/周辺環境でのクラウド処理
のレスポンスタイム及び、最悪値の保証
参照:https://www.go-etc.jp/etc2/index.html (一般財団法人ITSサービス高度化機構 ETC2.0)
45
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野 :
テレマティクス(1/2)
個々の自動車単位の情報を把握・管理し、車両走行時の枠を超えた新たなサービスを展開する。車両の故障状況の診断、走行状態に
応じた自動車保険の提供、災害発生時のサポート情報の提供 等
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
自動車のIT化にともない自動車で収集・発信できる情報は
膨大になってきているが、各自動車会社が情報を独自で有し
ているために利活用が進んでいない。
利用者にとっては個別の自動車上での機能にとどまっている。
概要
経済
指標
概要
日本損害保険協会「自動車保険 都道府県別加入率(2014年3月
末)」の全国平均では以下のようになっている。
対人賠償
73.4%
対物賠償
73.4%
搭乗者傷害保険 41.7%
車両保険
43.0%
※上記は自動者共済などの共済による補償は除く
任意保険未加入者に引かれてしまった場合、保険会社にも国にも
損害賠償請求することはできない
自分の運転状況により即した保険料が設定できれば、保険加入者
数を伸ばすことができる可能性がある
経済
指標
各メーカーで用いられている専用ツールを共通化・統一化し、外部から車
載装置の故障状況を診断
・どこの整備工場でも正確かつ迅速な故障診断
・自動車の安全使用の推進
・整備業界のサービス向上・活性化
運転情報から得られる運転特性(急ブレーキや急発進など)に応じた保険
料金の設定や割引
・事故の削減
・保険料金管理の高度化
・自動車保有コストの低減
運転中の危険を直観的に把握
・危険エリアや安全な走行ラインなどの情報をキャノピーに
AR表示し安全な走行をサポート
自然災害が発生したときに状況に応じた道路交通マップ
・一番近い避難所、通行可能な道路などの確認
国内商用車向けテレマティクス端末の2013年度のメーカー出荷台数の合計は552,000
台。2016年度には1,333,850台まで拡大すると予測。2011年度から2016年度までの
年平均成長率は31.5%で推移すると予測。この背景にはアナログ無線撤廃や緑ナン
バー車両※へのデジタルタコグラフ搭載義務化があり、こうした措置に対する助成金等、
国の支援体制が挙げられる。デジタルタコグラフについては2014年に法改正が実施さ
れ、更なる交通事故削減に向けて、これまでの「車両総重量8t以上に搭載」から、当面
は「同7t以上に搭載」となる。将来的には次世代運行記録計(スマートタコグラフ)の装
備が検討されており、緑ナンバー車両全てに搭載が義務づけられる可能性があるもの
と考える。さらに、白ナンバー車両※においてもこうしたテレマティクス端末の搭載拡大
もあるとみており、車両情報を活用したビッグデータ解析なども今後の市場の成長要
因と考える。 将来的にはテレマティクス端末から集約された走行データや運行動態な
どを活用したビッグデータ解析ビジネスが本格化するとみる。現在、2030年度の商用
車用テレマティクス端末はメーカー出荷台数ベースで約400万台を予測するが、こうし
たビッグデータ解析ビジネスまでを含めると当該市場は大きく拡大する可能性を秘めて
いる。(矢野経済研究所 商用車向けテレマティクス市場に関する調査結果 2014よ
り)
※ナンバープレートの色は事業用途により異なり、緑ナンバーは運送会社のトラックや
宅配便、またバスなど、運賃制で輸送を専門に行う事業者の車両である。白ナンバー
は企業や店舗などが自社で所有する自家用車両であり、人や荷物の輸送に伴い、運
賃を得ることは禁じられている。
参照:国土交通省「自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョン」の公表について ( http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha06_hh_000058.html )
:トヨタ自動車「次世代テレマティクス」 (http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/smart_mobility_society/next_generation_telematics/)
:矢野経済研究所 商用車向けテレマティクス市場に関する調査結果 2014 (http://www.yanoict.com/yzreport/335)
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
:http://www.sonpo.or.jp/archive/statistics/syumoku/pdf/index/kanyu_jidosha_ken.pdf
46
4.交通・運輸分野 :
テレマティクス(2/2)
現状・課題(現在できていないこと)
社会
貢献
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
多くのドライバーはトラブルなく目的地へ移動することが
できればよい。自分の車から排出されるCO2の量にまで
気を配っていない。
社会
貢献
• 従来のテレマティクスは情報の収集にとどまっていた
現行の
問題点
技術
革新
社会経済的課題
・自動運転等での協調型ITSの活用のた
めの、リアルタイム性、セキュリティ確保
・機器設置コスト
「改正省エネルギー法」により義務付けられるCO2の排
出量等の報告
• 双方向性をもたせることで遠隔起動制御などが可能
になる
• 大規模災害時等において、個々の自動車メーカー毎
のテレマティクスサービスによって収集された位置、速
度情報を統合し、被災地付近の道路交通マップを公
開することで救助活動に寄与する等、公共的な側面
等での利活用も期待される
研究開発課題
リアルタイム性、セキュリティ確保
参照:国土交通省「自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョン」の公表について
( http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha06_hh_000058.html )
:トヨタ自動車「次世代テレマティクス」
( http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/smart_mobility_society/next_generation_telematics/ )
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
• 自動車のブレーキ制御、自動運転等の
センサー制御システムの開発により自
動車より様々な情報を得ることが可能
になっている。
• 今後として、自動車のセンサー情報を
収集し、自動車の状態の確認、制御を
行う技術開発が必要になる。その一方
で、個人情報の秘匿の技術開発も必
要となる。
47
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸について、交通・運輸分野の
特徴を以下に整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
学習し、自律的な(autonomic)動作をするネットワーク。データマイニング等の機能をクラウドだ
けでなくネットワーク側でも保有。センサネットワークを介したインターネットの障害・異常検知、
社会的ヘルスチェック。災害や事故など不測の事態が発生した後の復旧にかかる時間の短縮。
オプトアウト的ネットワーク
災害発生時にはセキュリティの制限を外す・緩和する等のオプトアウトの機能の搭載。
エリアの移動や乗換に伴いに必要とする情報は変化する。
冗長トラヒックの削減
同じコンテンツに何度もアクセスする場合等の冗長トラヒックをネットワーク側で削減。
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
膨大な数のセンサ等の端末が設置され、小さなパケットが、常時、多量に発生する状況におけるネッ
トワーク側でのサポート。もしくはセンサ側が高度化し情報処理・情報蓄積ができる場合のネットワ
ーク側でのサポート。
端末が密集した場所でのデー
タ通信
駅、空港、ターミナル、料金所、パーキングエリア・サービスエリア、観光地・イベント会場等、超
絶に端末が密集した場所(端末を持った人の密集を含む)でのデータ通信時のネットワーク側でのサ
ポート。
トラフィック量の時間変動へ
の対応
駅、空港、ターミナル、料金所、パーキングエリア・サービスエリア、観光地・イベント会場等で、
渋滞・混雑等によりトラフィック量が時間によって劇的に変化する際のネットワーク側の追従。
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワーク。
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。
災害対策
可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状態のネットワークをアドホック的に構築。
帰宅難民への対策。安全が確保できるような誘導や災害時に必要な情報の提供。
遅延への対策
自動走行における事故の予知・回避などで、情報の検知・処理・制御等、遅延がクリティカルな問題
になる領域における、ネットワーク側でのサポート。
ブロードバンド
48
4.交通運輸分野:参考事例
事業者名
トヨタIT開発セン
ター
サービス名
URL
http://www.toyotaitc.com/aboutus/message.ht
ml
サービス内容・その他
次世代の自動車の実現に向けた、各種技術開発に取り組む。
http://www.aisinカーナビと車両
アイシン・エィ・ダ
aw.co.jp/products/inf
デバイスを協調
カーナビがさまざまな車両デバイスと協調するシステムを開発。
ブリュ株式会社
ormation/its/index.ht
させるシステム
ml
住友電工システ
http://www.seiss.co.j
テレマティクス
移動体に携帯電話などの移動体通信システムを利用してサービスを提供する
ムソリューション
p/products/gis/index
関連サービス
テレマティクス関連サービスを提供。
株式会社
.html
LINE株式会社(以下:LINE)の提供する「LINEビジネスコネクト」と連携すること
http://221616.com/
により、ユーザーとクルマの間で会話をするように情報の取得やコミュニケー
gulliver/news/press/
ションをできるようにするサービス。(中古車をコネクテッドカー化)
20140930■「DRIVE+」の主な機能(2014年9月30日時点)※順次追加開発予定
ガリバー
DRIVE+
13992.html
・車を停めてからの時間を教えてくれる「停めて何分?」機能
・車を停めた位置を教えてくれる「車ドコ?」機能
http://221616.com/
・電圧異常を自動検知してアラートを送信するバッテリーアラート機能
drive-plus/
・衝突事故を自動検知し、ロードサービスを案内するクラッシュアラート機能 等
NEC
(JR東日本が導
入)
SDNによりネットワークを仮想化することで、一つの物理ネットワーク上に、用途に応じた論理
ネットワークを作ることが可能。例えば、東京駅でこれまで個々に構築していた列車運行などの
情報を伝送するネットワーク、ホームや改札の状況の映像を伝送するネットワークなどを「駅構
駅構内共通ネッ
内共通ネットワーク」に集約。「駅構内共通ネットワーク」の基幹部分は大容量であるとともに、
トワーク
http://jpn.nec.com/press 各システムのデータトラフィックの柔軟な経路制御が可能。これにより、どのようなシステムにも
※UNIVERGE PF /201402/20140224_01. 最適な帯域と安定したネットワークサービスを提供。
「駅構内共通ネットワーク」は、ネットワーク全体を可視化して統合管理できるとともに、新サー
シリーズ(プログラ html
ビスの実施や駅構内の改良工事のたびに行っていたネットワークの構築や複雑な設定変更な
マブルフロー)
どを、物理的なネットワークに手を加えずに集中的に行えるようになる。これにより、ネットワー
ク構築が各段に速くなり、顧客のニーズに応じた新サービスの実現など、事業スピードの強化に
貢献する。
49
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通運輸分野:参考事例
事業者名
NEC
サービス名
クラウド型 事故
削減支援サービ
スくるみえ
URL
http://jpn.nec.com/kurumie/
サービス内容・その他
3G通信モジュールを内蔵したドライブレコーダーを利用することで、定期的に位置
情報や運行情報が3G通信網を介してデータセンターに送信。NECのクラウド基盤
上に送信された車両の加速度情報や位置情報が集計・解析され、車両管理者に
ヒヤリハット発生のアラームをリアルタイムに通知。これにより、運転者への安全運
転指導や注意喚起を迅速に行うことが可能となり、事故の未然防止を支援。
ミニュチュアカー、小型EV、普通車で実験を進めることができる自動運転開発支援
自動運転開発支
http://www.zmp.co.jp/product パッケージを提供。
援パッケージ
s/robocar_top?lang=jp
「RoboCar」
株式会社ZMP
(1)負荷を軽減するアシスト機能、(2)作業員についてくるかるがも機能、(3)指
物流支援ロボット
http://www.zmp.co.jp/product 定したエリアを自動で移動する自律移動機能、を搭載したロボット台車。2015年
「CarriRo(キャリ s/carriro?lang=jp
中に販売予定。
ロ)」
完全自律型マル
自律制御型各種ロボット(ドローン)の開発・販売を行う千葉大学発のベンチャー企
株式会社自律制 チロータ式電動 http://www.acsl.co.jp/product 業。現在開発中の「ミニサーベイヤー」では、空撮、放射線測定、農薬散布等を想
御システム研究所 ヘリコプタ「ミニ s.html
定。
サーベイヤー」
ITS専用周波数(760MHz)による路車間・車車間通信を活用したシステムで。クル
マに搭載したセンサーでは捉えきれない情報を取得することで、自律系の安全運
転支援システムを補完し、さらなる事故低減に貢献する。具体的には、見通しの
悪い交差点周辺において、道路に設置されたセンサーが検知する対向車・歩行者
の情報を路車間通信により取得するほか、クルマ同士の接近情報を車車間通信
協調型運転支援 http://newsroom.toyota.co.jp/ により取得することで、ドライバーに注意を促すなどの運転支援を行う。
トヨタ自動車
en/detail/4228240
システム
車車間通信を採用した「通信利用型レーダークルーズコントロール」を開発。従来
のミリ波レーダーによる先行車両との車間距離、相対速度の検知に加え、車車間
通信により得られた先行車両の加減速情報を活用することで追従性能を高め、燃
費向上や渋滞の解消などに貢献する。
2015年に発売する予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense P」のオプションと
して、日本国内向けの一部新型車に採用。
50
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通運輸分野:参考事例
事業者名
URL
サービス内容・その他
損保ジャパン日本 スマイリングロー
興亜/東芝
ド
http://www.sjnk.co.jp/~/medi
a/SJNK/files/news/2014/2
0150203_1.pdf
http://www.sjnk.co.jp/~/medi
a/SJNK/files/news/2014/2
0140901_2.pdf
あいおいニッセイ
同和損保/トヨタ
自動車
つながる自動車
保険
http://www.aioinissaydowatsunagaru.jp/
JR東日本
JR東日本アプリ
http://www.jreast-app.jp/
企業の社有車向けに貸与した東芝製の通信機能付きドライブレコーダーから走行データを
収集し、ビッグデータ解析により安全運転支援を行う。具体的には「見える」「わかる」「ほめ
る」の3つの機能でドライバーおよび管理者に安全運転診断や危険運転などの情報をス
マートフォンやWEB サイトなどにフィードバックし、ドライバーの安全運転意識向上や管理者
の効率的な指導を支援。2015年3月より全国への提供を予定。
※搭載するドライブレコーダーは東芝が開発
搭載されたカーナビが収集した情報を基に、実際の走行距離を保険料に反映させる「走行
距離連動型」のテレマティクス保険。実際の走行距離を1km単位で保険料に反映させるた
め、より合理的な保険料で自動車保険に加入することが可能。事故対応・サポート窓口へ
ワンタッチで連絡可能。カーナビやスマートフォンから、「つながる自動車保険専用受付デス
ク」にワンタッチで繋がり、365日24時間専任のオペレーターによる対応が受けられる。
2015年4月1日以降始期契約からサービス開始。
利用者ニーズの高い情報へ簡単にアクセスできるアプリケーション。運行情報のほかに異
常時には駅に設置されている異常時案内ディスプレイと同等の情報をアプリで表示でき、
一部路線では列車の位置情報も提供し、走行位置や遅れを表示可能。更に駅に関する
情報として、各駅(約1,700 駅)の構内図、時刻表、駅の施設(みどりの窓口の有無・営業
時間、バリアフリー設備の有無、コインロッカーの有無)の情報、エキナカ・駅ビルに関する
情報などを提供。東京駅については、構内図からコインロッカーのリアルタイムの空き状況
が確認でき、Android 端末では自身の位置を構内図上で把握できる。
山手線トレインネット(後述)とも連動。
山手線トレイン
ネット
https://www.jreast.co.jp/pres
利用者の乗車位置(号車)・区間にあわせた停車駅の情報(乗換路線、ホーム案内図、駅
s/2013/20140301.pdf
構内図)や乗車中(走行中)の山手線の各号車の混雑状況・車内温度が確認できる。
NTTドコモが提供している音波技術を採用しており、人間の耳には聞こえない音波を発す
http://www.itmedia.co.jp/new
る装置と、スマートフォンのマイクを活用。アプリを起動すると自動的にマイクがオンになり、
s/articles/1403/05/news07
音波信号を受け取り対応アプリが読み取ることでその場にチェックインできる仕組み。
1.html
MICHIMO
※超小型モビリ
ティのレンタル
サービス
飛鳥地方を訪れる観光客向けに、タブレット(iPad)を搭載した超小型モビリティを
貸し出しするサービス。
http://michimo.jp/
超小型モビリティのタブレットにはiBeaconに対応した観光アプリ「MICHIMOナビ」を
http://www.softbank.jp/corp/
搭載。iBeaconに対応した観光スポットの各史跡・施設付近に近づくと、自動でそ
group/sbm/news/press/201
のスポットに関する豆知識と画像を表示して観光案内を開始したり、訪問した観
5/20150407_01/
光スポットが自動で記録されたりするなど、より充実した観光ガイドを実現。
iBeaconに対応する観光スポットは、7カ所からスタートし、順次拡大予定。
JR東日本/NTTド
コモ
一般財団法人明
日香村地域振興
公社/ソフトバンク
モバイル株式会社
サービス名
51
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通運輸分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
GPS車載器を車両に搭載しておき、バスの位置情報から各種情報を提供。現在までに300施設
以上で導入され、利用者は40万人を突破している。
利用者には、バスの位置情報から1分毎の高精度の到着情報を利用者に通知。
運行管理者向けには、送迎の予約状況から走行ルートや車両を決める配車業務を全てシステム
バスキャッチ
で制御。送迎時間などもメールで連絡して省力化。バスの位置がリアルタイムで地図上に表示さ
VISH 株式会社/ (バスロケーション http://www.buscatch.co れるので、トラブルやクレームにも的確に対応可能。
バス運転手には、わかりやすい走行ルートやバス停地図の指示書を提供。また、配車指示を携帯
株式会社セネック 運行管理サービ m/
端末からも確認することができ、即時性をサポート。
ス)
施設経営者は、「通いやすい」という決定的な差別化は施設への高い集客効果を実現。運行管
理のシステム化による業務効率化で、経費の削減や人的ミスの軽減。従来の路線型では空車で
の運行による燃料費や人件費などのコストが問題となっていたが、予約型をサポートするバス
キャッチ導入により、さらなる経費削減効果が期待できる。
株式会社JR 東日
本ウォータービジネ
ス
東日本旅客鉄道
株式会社
エキナカ飲料自
販機アキュア
(acure)
※Suica 電子マ
ネー専用自販機
本田技研工業
SAFETY MAP
Service over
DSRC
交通系電子マネー専用価格として、通常機よりきめ細かく「1 円単位」で価格を設定。
(通常の自販機は現金・交通系電子マネーともに10 円単位の価格設定)
年代や性別といった匿名データを分析して販売品目も見直す。
2015年4月30日(木)までの期間限定として展開していた「Suica電子マネー専用自販
機」の展開が好評で2015年5月以降も継続が決定。
※2015年4月30日現在、22駅24箇所で展開
カーナビから収集した急ブレーキ多発地点データ、交通事故情報、地域住民などから投
稿される危険スポットの情報を地図上に掲載し、その地域の住民、学校、企業などの安
全活動に活用してもらうことを目的としたソーシャルマップ。
http://www.honda.co.jp
埼玉県は、ホンダのデータを活用し、平成23年度までに160 箇所の対策実施、急ブ
/safetymap/
レーキは7割、人身事故は2割削減。
出所:埼玉県 カーナビデータを活用した交通安全対策
http://www.pref.saitama.lg.jp/a1004/dousei1006/dousei068.html
https://www.jreast.co.jp
/press/2014/201501
20.pdf
http://www.jrewater.com/20150430a
cureSuica.pdf
http://www.oki.com/jp
/ITS/dsrc/
沖電気工業株式
会社
位置情報ソリュー http://www.oki.com/jp
/ITS/navi/
ション
狭域通信システムにおいて利用される無線通信技術。マルチアプリケーションに対応したITS専用
の小ゾーン・双方向無線通信。RACSで提唱され(実験)、VICSで着目され(片方向で実用化)、
ETCで確立(双方向で実用化)。必要な場所で必要な車、人とアドホックにセンターレス・無料で
通信可能。これらを活かしたサービスを提供。
道路交通情報とGPSを用いた車両位置情報サービス。手軽な動態管理から公共分野などお客様
ニーズにあったカスタマイズの構築までスピーディーで安価なASPサービスを提供。駅やバスターミ
ナルなどに情報案内板を設置し、時刻表や運行情報、周辺の観光案内、イベント情報などの提供。
車両位置管理サービスの蓄積データ(一次収集データ)を利用して、更なるビジネスへ活用、二次
サービスへの提供に向けた環境構築等のサポートを行う。従来の位置情報サービスに加え、PND
(ポータブルナビ端末)による、IMS(テキスト、音声、映像)コミュニケーションと、ワイヤレスセン
サーネットワーク等を統合した新しいテレマティクスサービスインフラを構築。
52
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通運輸分野:出典(参考文献・参照サイト)
<具体例>
1.JR東日本・東京へ来へのOpen Flow導入事例
http://ggsoku.com/2013/02/jr-east-wi-fi/
2.JR東日本、東京駅構内にSDN活用の共通ネットワークを構築http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1402/24/news090.html
3.NEC JR東日本 東京駅でSDNを活用した駅構内共通ネットワークを構築
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/ActiveR/20140224/538667/
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0355912_01.pdf
4.JR東日本、「東京駅構内共通ネットワーク」をSDN/Open Flowで構築
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20140224_636627.html
5.駅全域で無線LAN JR東、構内に共通回線を整備 まず東京駅で導入へ
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1503H_V10C13A2000000/
6.山手線車内に無線LAN JR東が試験提供 スマホで情報閲覧、インターネットも
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0301Z_T00C12A9000000/
7.JR東日本が「iPad mini」を全面導入した理由
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1309/12/news023.html
8.本格的な販売・普及が始まる新・自動車保険 テレマティクス保険のメリット・デメリット
http://www.bang.co.jp/cont/column-20150206/
9.ミリ波帯による高速移動用バックホール技術の研究開発<基本計画書> ※リニアモーターカー(500km/h)でのブロードバンド接続手段
http://www.soumu.go.jp/main_content/000292207.pdf
10.トヨタ自動車、ITS専用周波数を利用した協調型運転支援システムを2015年に導入
http://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/4228240
<官公庁の報告書等>
国土交通省
・観光のICT化の推進(観光庁)
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/ict.html
・ICTを活用した歩行者の移動支援の推進
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/soukou/sogoseisaku_soukou_mn_000002.html
・下水道におけるICT 活用に関する検討会
http://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000262.html
・「自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョン」の公表について
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha06_hh_000058.html
経済産業省
・総合物流施策大綱(2013-2017)
http://www.meti.go.jp/press/2013/06/20130625003/20130625003.html
53
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通運輸分野:出典(参考文献・参照サイト)
<民間・自治体等による具体的な取り組み例>
民間事業者
・VASH株式会社/株式会社セネック バスキャッチ
http://www.buscatch.com/
地方自治体
・前橋市バス位置情報に新機能を追加!(実証実験中) ※バスの位置情報提供
http://www.city.maebashi.gunma.jp/kurashi/188/189/191/p012485.html
・弘前市 バスまちシステム ※バスの遅延情報提供
http://www.ict-hirosaki.jp/portal/bus.html
・沖電気工業株式会社 Service over DSRC(狭域通信システムにおいて利用される無線通信技術)
http://www.oki.com/jp/ITS/dsrc/
・沖電気工業株式会社 位置情報ソリューション
http://www.oki.com/jp/ITS/navi/
・NEC クラウド型 事故削減支援サービス
http://jpn.nec.com/kurumie/
<協調型ITS関連>
• 総務省ITS関連事業成果発表会 “ICTを活用した次世代ITSの確立”
http://mic-its-conference.net/docs/mic.pdf
• 総務省ITS関連事業成果発表会 “広島における世界初の路面電車-自動車間通信型ASVの走行実験”
http://mic-its-conference.net/docs/mazda.pdf
• トヨタ自動車 協調型ITS
https://www.toyota.co.jp/jpn/tech/its/infrastructure/
• NTT未来ねっと研究所“エッジコンピューティング”
http://labolib3.aecl.ntt.co.jp/cec_jp/index.html
• Cisco Systems “Fog Computing”
http://www.cisco.com/web/JP/news/pr/newsroom_us/2014/031714.html
• EUにおける自動車のIT化の取り組み
http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07001718/07001718.pdf
54
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
4.交通・運輸分野:SWGからの主な指摘事項
SWG会合での主なご発言内容
区分
概要
自動車
・ 自動車はサイバー攻撃の的になるという点が課題である。
鉄道
・JR東京駅がOpenFlowを導入したので参考になる。
外洋に出るような大型の客船とか商船は内部でネットワーク化されていて、機械データなどを衛星回線経由で収集して
いるらしい。メンテナンスが必要になるが大型船はワンオフなので、必要になるパーツの確保や、どこに入港するタイミン
グでメンテナンスをするかというのを考えるために使っているようである。
最近は車内のネットワーク化がずいぶん進んでいるが、車は規模が違うのでそこまでいかないだろう。
車のところで、居眠り運転で大きな事故が起こる場合には車の中で人間の挙動をセンシングしてフィードバックをかける
といった観点がある。車自体がセンサ。中だけの情報で外とのやり取りをして車を止めるなど。今はアイサイトなどがある。
周りの状況をみて多少の事故が起きても中の人が安全なように止めるようにはできると面白い。
・ 例えば前の車との間の通信、車車間通信が実現できていない。単純なはずであり、前の車、後ろの車に伝えたいだけ
である。現在では赤ちゃんマークや高齢者マークくらいしか、周囲の車に知らせられるものがない。
・ (Googleの自動運転車)
・ 学生を連れて沖縄に行ったが、BEACONCASTの仕組みで車車間通信ができる。沖縄で実証実験した。固定的な通信
はできない。
・ 大学の講義をBEACONCASTによりプロジェクターなしで行う。iPadやスマホで見る形で講義。
自動車
船舶
自動車
車車間通信
BEACONCAST
55
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野
56
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野
新世代ネットワークを通じて、没入感のある高精細画像を用いた体験型・コミュニケーション型の教育ツール等を実現する。
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
現状・課題(現在できていないこと)
概要
経済
指標
•近年、企業内教育や英語学習、生涯学習などの様々な場面でelearningが用いられているが、十分にICTを活用している状態では
ない。
•教育者は経験やノウハウを個人個人で蓄積しているだけである。
•教育現場に広帯域ネットワークがないため、高精細動画等を活か
した教育はできていない。
•日本版?コンテンツデリバリーネットワークが普及していないので、
e-learningシステムの教材、コンテンツの質が限られる。
日本では少子化が進んでいるが、主要国の教育市場規模は2011年時点
で3兆8750億ドル。2000年から2012年の12年間で1.5倍と急速に拡大。
特に新興国の教育市場は高水準。
(三井物産戦略研究所 世界の教育産業の全体像)
概要
•世の中の出来事をICTによるリンク情報などの様々な形で提供を行い、知
的協調学習支援の枠組みであるCSCL(Computer Supported
Collaborative Learning)なども利用することで、学習が何らかの実践を伴
い、ともに行動するコミュニケーション学習環境を提供する。
•学習する側の様々な個性に応じた多様性のある教材をICTによりカスタマ
イズして提供する。
•ICT技術をフルに活用した高度なe-learningの実現。
•教育現場における各教育者が個別に持つ経験やノウハウをICT技術によ
り集合知や暗黙知として共有する。
経済
指標
◆ 教育用ICT機器(教育用電子黒板、教育用タブレット端末)の国内市場
は、2020年には、2013年(見込)の15.5倍、1,160億円になると見込まれ
る。タブレット端末が市場を牽引する。
◆ デジタル教科書は「一人一台のタブレット端末」の進行に合わせて拡大
し、2020年には、現在の紙の教科書とほぼ同等の400億円の市場規模に
なると見込まれる。
(シードプランニング 教育ICTの2020年までの市場予測より)
政府は2020年までに「一人一台のタブレット端末」を実現することを目標に掲げてお
り、現在は教育現場で実証実験が行われている。最大の課題となっているのは「一
人一台のタブレット端末」で利用するデジタル教科書。現在のデジタル教科書は紙
の教科書をデジタル化したものにすぎず、教科書ではなく教材という位置付け。
紙の教科書に取って代わるためには、法律の改正も含めて様々な関門が控えてい
る。(シードプランニング 教育ICTの2020年までの市場予測より)
社会
貢献
2012年のOECD調査によると、「学校外で他生徒と勉強についてコミュニケーション
するためにメールを使用」と回答した生徒の比率は、OECD加盟国平均より高い。し
かし、「勉強のためのインターネット利用」「学校のウェブサイトの活用」「コンピュータ
を使った宿題作成」など、その他のすべての学習利用について、日本の比率は
OECD平均を大きく下回っている。日本では、学校でも学校外でも、コンピュータが
学習に利用されていない。
「学校外でコンピュータを使って宿題を作成する」と回答した生徒の比率は、デンマー
ク、オーストラリア、メキシコの生徒の90%以上が学校外でコンピュータによって宿題
を作成する一方、日本の生徒の9%だけが、宿題作成にコンピュータを利用している。
この比率は、調査国中で他を大きく引き離して最下位
生徒の習熟度に応じた指導の実現
多用な教材の開発・普及
超高精細、没入型の画像・動画等、紙媒体では実現できなかった
新しい教材の開発・発展・普及
教材の効率的な評価
社会
貢献
参照:http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V2-2009.pdf
https://www.seedplanning.co.jp/press/2013/2013092001.html
http://www.fmmc.or.jp/pdf/report/report_world_20140416.pdf (世界の学校内外での生徒のICT利用状況と日本の課題 一般財団法人マルチメディア振興センター)
http://mitsui.mgssi.com/issues/report/r1311x_sakai.pdf (三井物産戦略研究所 世界の教育産業の全体像)
57
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること・効果等
スマートフォンなどのスマートデバイス端末の普及で姿を変えてきて
いるが、この学びのスタイルに適した教育プラットフォームはまだま
だ少ない。
教育現場へのITの導入状況は現時点では低い。
現行の
問題点
技術
革新
ICTを活用した教育の効果 (文部科学省 実証事業報告書)
【児童生徒の意識】
• 約8割の児童生徒が3年間を通じて、授業について肯定的に評価。
• 「コンピュータを使って発表したい」「自分の考えや意見をわかりや
すく伝えることができた」が、他の項目と比較して低い数値である
が、経年で向上していく傾向が見られる。
• 全国学力・学習状況調査により全国と実証校の状況を比較する
と、「コンピュータや電子黒板を使った授業は分かりやすい」「本や
インターネットを使ってグループで調べる活動をよく行っている」が、
特に全国より高い数値となっている。
【児童生徒のICT活用スキル】
• 児童生徒がICTを操作・活用するための能力(ICT活用スキル)が
確実に向上。
【教員の意識】
• ICTを活用した授業は、児童生徒の「意欲を高めること」「理解を
高めること」「思考を深めたり広げたりすること」「表現や技能を高
めること」に効果的であると、約8割以上の教員が評価。
• 電子黒板については、平成25年では95%以上の教員が使いや
すいと評価しており、特に小学校においては、約8割が「ほぼ毎
日」使用するとしている。
【学力の状況】
• 標準学力検査(CRT)の結果を、平成23年度と24年度の経年で
全国の状況と比較すると、低い評定の出現率が減少している傾
向が見られる。また、中学校においては、高い評定の出現率が多
い集団では、さらに高くなる傾向も見られた。
社会経済的課題
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・学校等教育機関へのインフラ整備。(低遅延で広帯域
なNW環境やWiFi環境の整備。)
・成績等の個人情報に関するセキュリティ対策。
・クライアントの多様化への対応。(Windows,MAC
OS,iOS,Androidやタブレット,PC,スマホ等)
・e-learningでは一方通行な情報提供になりがちなため、
双方向でインタラクティブなコンテンツが必要。
・社会との繋がりを実感するリアルタイムコミュニケーショ
ン技術
・コンテンツの信頼性を担保し、個人の学習プロファイル
の獲得・利用・共有可能なネットワーク技術
・使用する人に応じてネットワークの質を変化させ、情報
流通を制御するネットワーク仮想化技術
・教育者のノウハウ情報をデジタル化し集合知や暗黙知
として獲得し情報共有する技術
・マルチメディアコミュニケーションを実施した場合の遅延
時間。
・クライアントや利用者のスキルや利用コンテンツに応じ
てリアルタイムに追従する帯域/遅延品質の提供。
・集合知や暗黙知として獲得したノウハウ情報の理解し
やすさ。
参照:http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V2-2009.pdf
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/030/toushin/1346504.htm
58
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
オプトアウト的ネットワーク
冗長トラヒックの削減
同じコンテンツに何度もアクセスする場合等の冗長トラヒックをネットワーク側で削減。
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
端末が密集した場所でのデー
タ通信
スムーズな一斉学習や協働学習。
トラフィック量の時間変動へ
の対応
試験が終了するタイミングに増大するトラヒックへの対応。
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワーク。
ビッグデータへの対応
児童ごとの理解度や学習進行度に合わせた個別指導。
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。
災害対策
児童や学校関係者の避難誘導、安否確認。
遅延への対策
高精細・大容量のデータ転送の際に遅延が問題になる領域における、ネットワーク側でのサポート。
ブロードバンド
大容量のデータの伝送:時間変動する3Dデータを受信できるアプリが出現、発展した際のネットワー
ク側でのサポート。(例:CTやMRIの3D動画の伝送/等)
没入感を得られるような学習コンテンツの提供。
学校へ通うことができない児童が自室や病室から授業へ参加。
大容量のデータ送信時のネットワーク内での前処理を行う際のネットワーク側でのサポート。
59
5.教育分野:参考事例
事業者名
NTTグループ
サービス名
教育の情報化ソ
リューション
URL
サービス内容・その他
教育分野への取り組みとして学校、大学、生涯学習などへ教育ソリューションを提供。
■学校ICT環境整備ソリューション(教育システム)
協働教育アプリケーションやタブレットPCなどのICTを活用し、コミュニケーションを活かした
教育の実践。(学校と家庭の情報交換を密にし、連携を強める)
■Web会議システム
学校間の交流学習・保護者面談・緊急職員会議などに、簡単操作でFace to Faceの会議
や合同授業を実現
■Bizひかりクラウド おまかせ校務
データセンターで児童生徒情報や成績情報等の情報資産を一元管理・補完するため、災
https://www.ntt害対策や危機管理上の備えに。
east.co.jp/business/industry/ ■学校情報配信システム
edu/
緊急情報などを保護者などの携帯端末へ一斉配信。子どもと地域の安心・安全と連絡網
としての活用による情報交流をともに実現。
■情報配信システム
大学と学生、学生同士を結ぶコミュニケーションツールとして、様々な有効活用が可能な
学生ポータルサイトやSNSを提供(休講情報や呼出を迅速かつ正確に)
■ICカード
授業の出欠やカフェテリアでの精算もICカード学生証をかざすだけで完了。出欠・勤怠管
理、証明書発行など、業務の効率化。
■eラーニングシステム
教材コンテンツの制作支援から学習者の進捗状況の管理まで、ワンストップで提供。
60
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
物理の先生がGoogle GlassをつかってCERNのLHC実験装置の中にはいっているときの様子をリア
ルタイムに遠隔の学生たちに見せ、インタラクティブにコミュニケーションする。
バーチャル社会科見学のようなことができるようになる。
Explorer Story:
Andrew Vanden
Heuvel [through
Google Glass]
JMOOC(日本版
MOOC/Coursera)
株式会社オリィ研
究所
コミュニケーションロ
ボット「OriHime」
サービス内容・その他
Massive Open Online Coursesの略。大学がインターネットを通じて無償公開する講義。NTTドコモ
http://www.jmooc. とNTTナレッジ・スクウェアが「gacco」を運営。時間や場所、金銭などの制約を受けずに質の高い講
jp/
義を受けられる。大学への進学希望者は、実際に講義を受講してから志望先を決めることもできる。
一方、大学にとっては自校を広くアピールできる点がメリット。
パソコンやスマートフォンから遠隔で操作が可能なコミュニケーションデバイスを開発。OriHimeには
http://orihime.oryl 目と耳と口がついており、相槌をうったり、あたりをみまわることが可能。これまでに、学校へ通うこ
とができない児童が無菌室から直観的に授業へ参加するなどの試験を行っている。
ab.com/
また、移動が容易であるので、屋外へ持ち出すことも可能。
専用サイトによる事前学習と旅行計画作成機能やGPS機能付のタブレット型携帯端末による現地
学習支援と安全管理機能、旅行後はレポート作成機能も備え修学旅行をトータルでサポート。
http://www.rnet.co.jp/
統合型修学旅行ICT
株式会社琉球ネッ
サービス「シーサーく http://www.dream
トワークサービス
ん」
news.jp/press/00
00094548/
<旅行前:事前学習と旅行計画支援>
・専用の学習サイトを用意、自然や歴史などのテーマ別に事前学習
・学習・見学ポイントを設定し、旅行行動計画の作成や、コース設定も行うことが可能
・先生用の管理画面を用意。学習の進捗や旅行行動計画の確認が可能
<現地行動:GPS機能による目的地移動と新しい学習体験>
・GPS機能付タブレットにより、現地での学習を支援
・可搬性に優れたモバイルタブレットによる地図ナビゲーションで現在地・目的地が確認でき、見学ポイントまで
迷わずスムーズに移動
・現地では学習スポットに近づくと、「ミッション」と呼ばれるクイズ形式の問題が表示され、課題をクリアすると
ポイントが得られ、楽しんで学習課題に取り組むことができる
・他の班の学習ミッションの獲得ポイントや全体ランキングが表示され、競って学習に取り組める
・AR(拡張現実)機能などと連動した写真撮影も可能で、撮影した写真はサーバに蓄積され、旅行後に専用サ
イトで閲覧・保存
・現地での様子や写真などを、学校サイトなどを通して家族に見ていただく事も可能
・沖縄県の観光危機管理情報を配信するスマートフォンアプリを搭載。災害発生時には一斉に避難情報が全
端末に発信、避難所MAPの位置情報をアプリ地図上に表示
・先生用には集合管理に便利な、メッセージ発信機能を提供。また班や他の先生の所在地をアプリ地図上で
確認することができます。
<帰着後:事後学習とレポート・発表資料作成支援>
・レポート作成機能により、現地での学習結果や感想、撮影した写真、学習ポイントなどが半自動的に生成さ
れ、ふりかえり学習もスムーズに行うことが可能
・タブレットで撮影した思い出の写真や動画などを、ご要望に応じ別途DVDに纏めてお届けすることも可能
61
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野:参考事例
事業者名
日本教育情報化
振興会
サービス名
URL
(教育の情報化に関
http://www.japet.or.j
する各種プロジェク p/
ト)
ICT CONNECT(み
らいのまなび共創
会議)
http://ictconnect21.
jp/
ベネッセ教育総合 (ICT CONNECT ビ
研究所
ジョン委員会)
(参考記事
http://kirei.woman.e
xcite.co.jp/news/det
ail/201502031027
20_myl009713)
サービス内容・その他
「ICT教育利用研究開発委員会」を設置し以下のプロジェクトを推進
●第1プロジェクト(コンテンツ流通検討プロジェクト)
●第2プロジェクト(教育用ソフトの活用プロジェクト)
●第3プロジェクト(デジタル教科書と電子黒板の活用促進プロジェクト)
●第4プロジェクト(若手の会)【新規】
JAPET&CEC会長 赤堀侃司氏(白鴎大学教授)
2020年までにICT環境の整備により未来の教育を実現を目指すプラットフォーム協議会。
発起人は教育関連9団体(eラーニング アワード フォーラム運営事務局、学習ソフトウェア情報研究センター、
デジタル教科書教材協議会、日本イーラーニングコンソシアム、日本オープンオンライン教育推進協議会、日
本教育情報化振興会、日本視聴覚教育協会、日本デジタル教科書学会、日本電子出版協会)。
ベネッセ教育総合研究所 理事長 新井健一(ICT CONNECT ビジョン委員会 副座長)
・ビジョン委員会では、2020年を当面のゴールとして、中長期のあるべき学習・教育環境を検討し、
『VISION2020』を策定。このビジョンに基づき、アクションプランを策定して実現を目指す。「『VISION2020』で
は、民間の協業体制と官学の連携によって、2020年までに、誰もがいつでもどこでもICTを活用して、世界最
高レベルの学びに取り組めるような環境を実現を目指している。
プリンストン大学、
Duolingo
スタンフォード大学
通学不要・100%オンラインで経営の学士を取得できる日本初の大学。、事前に収録した授業をストリーミング
またはダウンロードし時間や場所を選ばず受講できる。講義の受講だけでなく、ディスカッションや質疑、試験・
http://bbt.ac/
レポートの提出まで全てオンライン上で行う。
東京都千代田区「キャリア教育推進特区」認定。文部科学省認定。
ソフトバンクグループが運営する大学。卒業単位すべてをインターネットで取得できる。通信教育を行う大学で
http://www.cyberは、いくつかの授業は通学して単位を取得しなければならないが、サイバー大学ではその必要はない。
u.ac.jp/outline/data.
学生は、専用の受講システムにログインし、履修登録した科目をオンデマンドによって受講。教員の話す内容
html
は映像と音声で視聴でき、講義中に使われる講義資料やメモ機能もインターネットを介して提供される。
http://www.udacity.c UdacityはスタンフォードとGoogleが作ったサイトで、コンピュータサイエンスと数学が勉強できる。Googleのス
om/
タッフからコンピュータサイエンスを教えてもらえることが魅力。
http://www.udemy.c 対象科目は全科目。大学のコースだけではなく、個人が作ったコースも受けられる。無料と有料のコース両方
om/
がある。他のサイトより幅広い授業の種類を提供し、料理、フィットネスといった授業もある。
http://duolingo.com 科目はフランス語、ドイツ語、スペイン語。無料。ロゼッタストーンに似ている方法で、フランス語、ドイツ語、ス
/
ペイン語を勉強できる。
http://www.coursera プリンストン大学とスタンフォード大学が協力して使ったサイトで、現在生物学、数学、文学などの授業を受ける
ことが出来る。
.org/
Khan Academy
http://www.khanaca
demy.org/
BBT大学
BBT大学
ソフトバンク
サイバー大学
スタンフォード
Udacity
Udemy
Udemy
Duolingo
Duolingo
Khan Academy
iTunes University iTunes University
http://itunes.apple.com/us
/genre/itunesu/id40000000?mt=10
MIT
MIT Open Courseware
http://ocw.mit.edu/i
ndex.htm
ハーバード大学、
MIT
edX
http://www.edxonlin
e.org/
アメリカの高校生と中学生に向いているサイト。Youtubeビデオやクイズなどでとても楽しめる授業を展開。今
まで1500万 のビデオが視聴された。科目は数学、ファイナンス, SAT, GREなど。
科目は全種類。米国の各種大学の授業が視聴できる。
科目は工学、数学。オンライン授業のサイトの中ではもっとも歴史がある。簡単なコースはないが、工学、数学、
物理学などに興味のある人に満足度の高い内容を提供。
科目は全部。
62
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野:参考事例
事業者名
FLENS株式会社
サービス名
URL
サービス内容・その他
http://juku.flens.ne.j
p/
タブレットとネットワークを活用した、リアルタイム対戦型授業。全国の学習塾を中心に導入が進んでおり、
2015年2月時点でのべ約14,000名の小中学生が利用している。
導入している全国のライバルたちと毎日リアルタイムで問題に取り組めるだけでなく、その場ですぐ解答の正
解不正解が出るほか、ライバルたちの回答状況がリアルタイムで表示されるため、学習へのやる気が高まり、
成績アップにつながる仕組みになっている。また、全国のライバルの中から、自分のレベルにぴったりな10人
が自動でマッチングされるため、より競争意識が刺激され、勉強へのモチベーションを高く保つことができる。
2015年4月1日より日本初の通信教育システム。
一般的な通信制高校の教育システムは、自宅で、好きな時間に、自分のペースで勉強できる反面、スクーリン
グ以外での生徒同士の交流の場がなく、人間関係が希薄になりがちであった。サイバー学習国では、生徒一
人一人が自分のアバターを持ち、バーチャルキャンパスへログインすることで高校生活が展開。クラスメイトと
のオープンチャット機能により、他の通信制高校にはないコミュニケーション性を実現。
勉強面では、学習意欲を向上させるため「学習ポイント制」を採用。インターネット配信による動画授業の閲覧
やレポート提出、漢字練習アプリ、計算問題アプリなどに回答するたびに学習ポイントが貯まる。貯まったポイ
ントはアバターアイテムと交換できるため、ゲームのように楽しみながら、常に目標を持って学習できる。
小中学校のタブレット・電子黒板等を用いた授業において既に利用されている学習支援アプリケーションをク
ラウド型で提供する。従来は、学校内にサーバー等のハードウェアを設置するオンプレミス型で導入されること
が一般的であったが、クラウド型にすることで、システム導入における初期費用の低減が可能になる。
また、小中学校のタブレットの活用が効果的とされる、「一斉学習」・「協働学習」・「個別学習」という3つの学
習場面において利用できるアプリケーションを網羅しており、一元的に提供することで、学校のICT環境の利活
用を促進する。
FLENS特訓シリーズ
(リアルタイム対戦型 http://resemom.jp/a
タブレット授業)
rticle/2015/03/03
/23259.html
学校法人花沢学
https://www.meisei明聖サイバー学習国 hs.ac.jp/cyber-hs/
園 明聖高等学校
NTT東日本
学習支援クラウド
サービス
「おまかせ教室」
http://www.ntteast.co.jp/release/d
etail/20150316_01.
html
63
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野:出典(参考文献・参照サイト)
<官公庁の報告書等>
1.Diversity & Inclusion : Networking the future 新世代ネットワークにおけるビジョンと技術要件 2009年2月
独立行政法人 情報通信研究機構 新世代ネットワーク研究開発戦略本部
http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V2-2009.pdf
2.総務省「教育情報化の推進」フューチャースクール推進事業
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/future_school.html
3.総務省「教育情報化の推進」校内LAN整備の促進
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/konai_lan.html
4.総務省「教育情報化の推進」教育分野におけるICTの活用事例
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/jirei.html
5.総務省「教育情報化の推進」ICTメディアリテラシーの育成
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/media_literacy.html
6.総務省「教育情報化の推進」eネットキャラバンの推進
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/e-netcaravan.html
7.ICTリテラシー育成のための実践的な枠組みに関する調査研究 総務省(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000157214.pdf
8.文部科学省 教育の情報化の推進
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/main18_a2.htm
9.文部科学省 大学通信教育等における情報通信技術の活用に関する調査研究協力者会議
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/053/
10.総務省 教育情報化の推進
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/index.html
11 .総務省 ICTドリームスクール懇談会
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_dream/index.html
64
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野:出典(参考文献・参照サイト)
<民間・自治体等の具体的な取り組み事例>
・NTTグループ “教育スクウェア×ICT”(教育の情報化)
http://www.ntt-edu.com/
・大林組 大林組が考える「学校のICT化」
http://www.obayashi.co.jp/service_and_technology/pickup_001
・日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)
http://www.jmooc.jp/
<海外の参考事例>
•David Smith and Robert Chadwick, Advanced Distributed Learning Co-Lab and Lockheed Martin GTL,
Shared Virtual Worlds: Igniting Education Across the GENI Infrastructure
(http://groups.geni.net/geni/wiki/GEC21Agenda/Plenary)
65
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
5.教育分野:SWGからの主な指摘事項
カテゴリー
区分
概要
IT教育
・ ゲームジャムといって、チームでテーマを出し、2日徹夜で集中的にゲームを作る。ネット
ワークを使うと必要なパーツを集められる。
・ ユニティというゲームエンジンがあった。3Dゲームで、パーツを組み合わせるとゲームが
作れるというものである。簡単に30分でプログラムできる。子供たちの創造的な教育につ
ながる。
教育
IT教育
・ 教育に関心。情報教育、ITはうまくいっていない。情報黒板の取り組み。MITのスクラッ
チのような言語があり、小学校高学年だとやりかたを教えているとプログラムの構造を理
解する。論理的な考え方を理解する。
教育
M2M、 農 業 の ・ 教育、スポーツや旅行等はもちろん、これまで利活用が不十分であった領域へのICT浸
IT化
透は始まっており、今後も継続すると考える。
教育
・ スタンフォードなどのオンライン教育は世界中で流行っており、教育を支える技術となっ
ている。教育現場を活性化させる通信とは何か。子供の教育は学校だけではない。塾、遊
びを通じたICTなどまで広げられる。
教育
教育のIT化
教育
プログラミング
・ 日本ではプログラミング教育が欠如している。
教育
66
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
6.建築・土木分野
67
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
6.建築・土木分野
新世代ネットワークを通じて、建築物や住宅内の環境や人の動きをモニタリング。
環境の最適化や省エネルギー化、利用者の利便性向上などを実現する。
新世代ネットワークでできる可能性があること
現状・課題(現在できていないこと)
車から家へ給電:瞬時停電の発生。その結果、家電製
品のタイマーがリセット、作動中の家電の停止等の不都
合。
自然災害時の停電対策。
概要
概要
従来、建設前には模型や画像を使って関係者間で建設物の
イメージを共有していたが、スケールが異なり正確なイメージ
共有には不十分。画像の場合はアングルも限られる。
経済
指標
現行の
問題点
建設生産現場の物理的な生産効率を示す指標の一つである建築
工事の面積原単位の推移を見ると、2006年度までは生産性が向
上しているが、2009年度以降は低下する傾向が見られる。これは
建設業共通の課題である就業者の高齢化によるものである可能
性を示唆しており、建設工事現場での生産性の改善は喫緊の課題。
(一般財団法人 建設経済研究所 建設経済レポートNo.61より)
建物の健全性の確認はすべて人手で行われている。
災害時、建物の揺れを自動で打ち消す信号を送るといったアクショ
ンはできない。
• スマートハウス
• ユビキタスコンピューティング技術、センサーネットワーク等を
活用。
• 各部屋の温度や湿度、照度、人の状況等を自動認識。
• クラウドサーバーのデータと連動し、環境を最適化。
• 住宅内の情報を家庭のコントロール下で地域・社会と共有する。
• 情報を基にエネルギー等の需要・供給情報を活用して、
• 賢くエネルギーが使用・制御される。
事前検証用のMR(Mixed Reality:複合現実感)システムを用
いることで建設前に関係者間で模型や画像よりも正確なイメー
ジ共有できる。様々なアングルから確認することができ、色や質
感をその場で変更しながら検討が可能になる。
経済
指標
技術
革新
環境の最適化、省エネルギー化、利用者の利便性向上
建築時に構造部材にセンサを埋め込んでおけば制震装置と地震情
報をリンクさせ、揺れを打ち消す信号を制震装置に送り、建物の健
全性を守ることが可能になる。
IoTでは大量のショートパケットを通信させるため、これを制御する技
術。
住宅やビル等のIoT化により、様々な情報を収集できるようになる。
一方でセンサーのプアなシステムを、インターネットのリッチなシステ
ム上で使用するには様々な問題が存在しているため、通信プロトコ
ルや安全性等へ対応の検討が必要。
社会経済的課題
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
建設工事現場の生産性の改善
建物の健全性の確認、健全性の維持の高効率化
登録済の別宅の家電稼働状況の確認・操作
ネットを利用して地域内連絡網や近隣への呼び
かけの実現
再配達依頼なく在宅時の荷物受取が可能
数値データ、画像データ等を組み合わせた建物
の健全性データ取得のリアルタイム性
大量のショートパケットの制御の状況
参照:http://www.jipdec.or.jp/archives/ecom/smarthouse/pdf/smarthouse2010.3.pdf、http://toyokeizai.net/articles/-/36910、
https://www.daiwahouse.co.jp/release/20121002195709.html、http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h24/hakusho/h25/html/n2210000.html
http://www.rice.or.jp/regular_report/pdf/construction_economic_report/61gaiyou.pdf
68
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
6.建築・土木分野(スマートメンテナンス)(1/2)
公共インフラのメンテンスをこれまでの時間基準保全(TBM)から状態基準保全(CBM)にすることでより合理的なメンテナンスを実現。
日々の設備管理と、蓄積されたデータからライフサイクルマネジメントを最適化する。
新世代ネットワークでできる可能性があること
現状・課題(現在できていないこと)
概要
経済
指標
画一的な検査周期や整備基準値などを目安とした「事後保全方
式」が中心。検査そのものに手間がかかり、また取得したデータも
研究所など大型コンピュータのある箇所でしか処理できず、最大公
約数的な検査周期や整備基準値によらざるを得なかった。
JR東日本が運営する首都圏の路線は列車運行頻度が高く、設備
の損耗が激しい。深夜に技術者を集中的に投入するなどして点検
しているが、詳細な点検が実施できるのは1カ所当たり年に最大で
4回。
架線の場合は急加速や急カーブなど摩耗が激しい個所とほとんど
摩耗しない個所もあり、現在はベテラン技術者の技能に依存。
また、事故原因の特定も経験豊富な技術者に頼っていて、経験が
乏しい技術者では事故原因特定は非常に困難。
(市場規模・利用者数、CO2削減効果など)
今後の投資総額の伸びが2010年度以降対前年度比±0%で、維
持管理・更新に従来どおりの費用の支出を継続すると仮定すると、
2037年度には維持管理・更新費が投資総額を上回る。2011年度
から2060年度までの50年間に必要な更新費(約190兆円)のうち、
約30兆円(全体必要額の約16%)の更新ができない。
資料)平成23年度国土交通白書
ICTで検査頻度を向上することで大量データの取得が可能に。
例:営業列車で軌道の検測を行うことで毎日のようにデータを取得
高頻度に取得した連続的なデータの傾向を分析
概要
経済
指標
また現場におけるPCレベルでのデータ処理ができるように
なるとこれまでの時間基準保全(TBM)に代わって
状態基準保全(CBM)が可能となり、個々の設備状態及び
将来の予測値による合理的な意思決定が可能。
また大量の設備データ、修繕データを分析することによって、
中長期的なメンテナンス戦略がより具体的に策定できるよう
になり、合理的なライフサイクルマネジメントが可能となる。
技術者の技能やノウハウを定量的に解明して可視化。
→メンテナンスの意思決定が具体的なデータに基づいて
最適化が図られる。
(市場規模・利用者数、CO2削減効果など)
・長期的な修繕計画の策定
・修繕コストを定量的に分析、最適化によるコストダウン
各種社会資本のメンテナンスの効率化、社会資本の有効活用
高度経済成長期に集中的に整備された社会資本の急激な老朽化
建設後50年以上経過する社会資本の割合
社会
貢献
道路橋(橋長2m以上)
トンネル
河川管理施設(国管理の水門等)
下水道管きょ
港湾岸壁(水深-4.5m以深)
資料)国土交通省
平成24年3月
約16%
約18%
約24%
約2%
約7%
34年3月
約40%
約31%
約40%
約7%
約29%
44年3月
約65%
約47%
約62%
約23%
約56%
参照 http://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_39/Tech-39-05-06.pdf
http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/data_room/regular_mtg/pdfs/h25/0731/01.pdf
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h23/hakusho/h24/html/n1216000.html
社会
貢献
69
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
6.建築・土木分野(スマートメンテナンス)(2/2)
現在できていないこと
新世代ネットワークでできる可能性があること
■近年発生したメンテナンス不良による事故の例
2012年、笹子トンネル天井落下事故
2013年、レールの歪みを長期間放置したJR北海道で運航トラブル
2015年、電化柱倒壊により山手線・京浜東北線9時間以上不通
現行の
問題点
技術
革新
社会経済的課題
各種社会資本の健全性の検出は、人手によって
行われており、膨大な時間と手間を要する。
異常を検出しきれず、メンテナンスが間に合わな
かった等の理由で、維持できなくなったり、建て
替え等が必要になったりする。
• 人間が確認できない経年劣化や消耗をセンサで把握することが
できれば、事故が起きる前に対策を講じることができるようになる。
また、事故が起きた場合には原因究明にも役立てることができる。
• 新規に建設を行う場合、センサー類の設置は容易になるが、既存
の建築物への設置は難しい。そのため、ボルトオン程度で設置が
可能なセンサーの検討、開発が必要になる。
• 特に必ずしも電源確保や有線での接続が容易にできるとは限ら
ず、また、設置後簡単に保守点検ができない場合があるため、小
型で、省電力で、無線で動作するシステムの開発が必要になる。
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
車両に搭載したセンサやカメラから異常を自動検
知するが、解析精度は発展途上段階。
架線点検用に撮影した3D画像データの量が膨大
で1回の走行でテラバイト単位になるが、現状では
無線伝送は困難。HDDに保存して回収。
各種社会資本の異常検出からアラート発生までの
処理スピード
参照 http://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_39/Tech-39-05-06.pdf
http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/data_room/regular_mtg/pdfs/h25/0731/01.pdf
70
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
6.建築・土木分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
学習し、自律的な(autonomic)動作をするネットワーク。データマイニング等の機能をクラウドだ
けでなくネットワーク側でも保有。センサネットワークを介したインターネットの障害・異常検知、
社会的ヘルスチェック
オプトアウト的ネットワーク
災害発生時にはセキュリティの制限を外す・緩和する等のオプトアウトの機能の搭載。
冗長トラヒックの削減
同じコンテンツに何度もアクセスする場合等の冗長トラヒックをネットワーク側で削減。
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
膨大な数のセンサ等の端末が設置され、小さなパケットが、常時、多量に発生する状況におけるネッ
トワーク側でのサポート。もしくはセンサ側が高度化し情報処理・情報蓄積ができる場合のネットワ
ーク側でのサポート。
端末が密集した場所でのデー
タ通信
イベント会場、公共施設等、人が密集した場所での通信環境を建物側のネットワーク機能でフォロー
する。
トラフィック量の時間変動へ
の対応
イベント会場、公共施設等、人の密度が時間変動する場所での通信環境を、建物側のネットワーク機
能でフォローする。
アプリケーションとネットワー
クの連携
端末が密集・変動する環境においても、データの発信元が追跡可能なネットワーク。
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計。
重機の稼働状況から計画的なメンテナンス、必要な現場への重機の派遣。
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。
災害対策
可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状態のネットワークをアドホック的に構築。
危険な場所での遠隔操作による救助活動。
遅延への対策
土木・建築の領域で、作業の精度を求められる現場での通信の遅延対策。
ブロードバンド
3Dデータを利用して事前に完成イメージを直感的に確認。
71
6.建築・土木分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
コマツ
スマートコンストラク
ション
http://smartcons
truction.komatsu.c
o.jp/
三菱電機
三菱電機スマート
ホーム
http://www.mitsu
bishielectric.co.jp
/news/2015/02
13.html?cid=rss
スマートシステム
株式会社大京
http://www.daiky
o.co.jp/dev/files
/20150219.pdf
サービス内容・その他
現場で工事を進める建設業者に、自動制御できるドローンやブルドーザーを貸出し、測量データや設
計図面などを一元管理できるクラウド環境も提供する。建築業者は、建設現場における測量から完
工までの工数の削減や、人員の削減を図れる。
スマートコンストラクションでは、ドローンを導入して自動測量を可能にする。取得したデータはクラウ
ド上に集約し、設計図面などと合わせて施工計画を作成する。実際の工事では、施工計画に従って、
ICT建機が整地・掘削などの作業を自動制御で行う。
家族の健康や心の状態に合わせて家電が動くスマートホームの開発コンセプトを提案。センサーが計
測した家族の体調情報と冷蔵庫の残りの食材から献立を提案したり、料理の進行に合わせて料理
台の作業スペースが変わるなど、各機器が日常生活をサポートする。実用化は未定。
【コンセプトの実現例】
<エントランス>
・玄関のドアに近づくと、カメラで家族を認証
・解錠の後、ドアのハンドルから体温や脈拍などの生体情報を取得し、体調センシングを実行
・家族全員の健康状態や予定などを玄関の壁面に表示
<キッチン>
・機器を通じて集められた家族の体調などの生体情報と冷蔵庫の中の食材を基に、推奨する献立
メニューを冷蔵庫の扉に表示
・冷蔵庫が選んだメニューの調理フローがキッチンの調理台に投影され、調理のポイントや進行に
合わせた時間の調整などのアシスト内容を投影
・調理エリアが左右にスライドするIHクッキングヒーターの搭載により、調理分担が容易
・コンセントフリーの非接触給電エリアの搭載により、どこでも家電への給電が可能
建物屋上の一部にソーラーパネルを設置し、発電した電力は全量売電し、売電収入を入居者の電
気代から差し引くことで、電気料金を削減する「太陽光全量売電システム」を採用したマンション。
さらに、「電力一括購入サービス」で割安な高圧電力をマンション全体で一括購入し、低圧に変電の
上、各住戸へ供給。スマートシステムの「太陽光全量売電システム」、「電力一括購入サービス」、「エ
ネルギーの見える化※」による節電効果を合わせると、最大約21%の節電効果が期待できる。
(ライオンズ横浜上大
岡ガーデンシティ ザ・ http://lionsイースト&ザ・ウェス mansion.jp/MD11
※自宅のTVに専用機器を接続してネットに接続することでエネルギーを「見える化」できるスマートコ
ト)
1048/
キヤノンマーケティ
http://cweb.cano
ングジャパン株式
n.jp/newsrelease
会社、
MREAL(エムリアル) /2015-03/prmrealキヤノンITソリュー
obayashi.html
ションズ株式会社
ニュニTVを採用している
建築物の事前検証用のMR(Mixed Reality:複合現実感)システム。周囲の風景と建築物の3D-CG
を利用者の立ち位置や視線の動きに合わせリアルタイムに映像を合成。図面やデータではなく3D映
像を見ることで、設計やデザインを直感的に確認したり、周囲の建築物と比較したりするなど、建設
前に発注者や関係者との間でより正確なイメージ共有が可能。将来的には外観や室内のみならず
空調配管や耐震構造など、表からは見えない箇所の確認への活用を検討。
72
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
6.建築・土木分野:参考事例
事業者名
清水建設株式会
社
サービス名
・建築生産分野にお
けるネットワーク活用
・保有ビルの設備管
理業務等における
ネットワーク活用
・建築の防災
JR東日本
スマートメンテナンス
東日本高速道路
スマートメンテナンス
ハイウェイ
株式会社大林組
ラピュタ2D
URL
サービス内容・その他
■以下の方にアクセス中。インタビュー承諾済、日程調整中。
http://www.shimz 技術研究所 高度空間技術センター 都市環境計画グループ
主任研究員 村田様、広瀬様
.co.jp/tw/tech_sh
■対象領域は、建築におけるICT利用、建築の防災
eet/rn0166/rn0
166.html
http://www.jreast
.co.jp/developme
nt/theme/ict/ict
05.html
http://www.enexco.co.jp/csr/
special01/02smh
.html
線路・電力設備のモニタリング装置をモデル線区へ導入し、実用化を推進。
故障の予兆把握、事前対処、迅速な復旧に向けた車両モニタリング機能をE235系に2015年秋に
導入予定。天井や床下のセンサとカメラで架線や線路設備、軌道材料(固定金具、ボルト等)のデー
タを収集し、パターンマッチングなどのアルゴリズムで解析処理する。
従来の方法によって収集されたデータと新たな手法により収集されたデータを一元的に管理・分析
し、構造物の状態を監視。点検から補修までの高速道路管理における効率化・高度化・確実性の向
上を目指す。インフラ管理センターの導入は2020年度を目標としている。多種多様なデータの処
理・蓄積・解析・応用技術を開発し、地方自治体等が道路の維持管理業務で容易に活用するため
の実用的なユーザインタフェースを開発。球体型スキャングロボットや次世代インフラ用ロボット(無人
http://www.e飛行体など)の実証実験を行い、近接目視が困難な個所の確認技術を開発中。
nexco.co.jp/press 技術研究組合を組織してモニタリングシステムの基準化・標準化を提案し、維持管理レベルに応じ
room/data_room/ たシステムを提案していくべく活動を開始。
regular_mtg/pdfs
/h26/1126/02.
pdf
http://www.obay 積層ゴムによって支えられた建物本体を、センサーとコンピューターによって制御されたアクチュエー
ashi.co.jp/tri/tec ターで地震力と反対方向に動かすことにより、揺れを打ち消す。
hnostation/safety 地震が起こると地盤の揺れをセンサーが感知し、揺れの大きさや方向を瞬時にコンピューターへ伝え
る。コンピューターでは地盤の動いた距離をリアルタイムに割り出す。建物をどれだけ移動させるかの
.html
指令は、1000分の1秒単位でコンピューターから伝えられ、アクチュエータは揺れの発生後0.1秒で
https://www.oba 動作開始。地盤が動いた分だけアクチュエータが反対方向へ動かすので、建物が位置を変えること
yashi.co.jp/rd/ne はない。模型を使った振動実験では、震度5強の揺れを加えても、床に立てた鉛筆は倒れなかった。
woffice/change0
1
73
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
6.建築・土木分野:出典(参考文献・参照サイト)
<参照先>
1.平成21年度近未来バリューチェーン整備グループ スマートハウス整備WG(スマートハウス整備委員会)活動概要
http://www.jipdec.or.jp/archives/ecom/smarthouse/pdf/smarthouse2010.3.pdf
2・東洋経済「過熱するスマートハウス開発の意外な盲点」
http://toyokeizai.net/articles/-/36910
3.大和ハウス工業株式会社「東京大学大学院情報学環 学術研究棟」の寄贈について
https://www.daiwahouse.co.jp/release/20121002195709.html
4. JR東が「車両ビッグデータ」で保線業務改革、走りながら異常の予兆を把握
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/082200037/
<官公庁の報告書等>
国土交通省
・情報化施工
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/constplan/sosei_constplan_tk_000017.html
<自治体・企業等の具体的な取り組み例>
・コマツ 建設ICTとは
http://www.komatsu-kenki.co.jp/management/trend_ict_index.html
・NTTファシリティーズ ICT×エネルギー×建築の優れた技術により
既築ビルまで積極的にスマート化
http://www.bcm.co.jp/site/2013/05/ntt-f/1305-ntt-f-01.pdf
・トヨタホーム スマートハウス
http://www.toyotahome.co.jp/smarthouse/
・ミサワホーム スマートハウス
http://www.misawa.co.jp/smarthouse/
・JR東日本 スマートメンテナンス
http://www.jreast.co.jp/development/theme/ict/ict05.html
・東日本高速道路 スマートメンテナンスハイウェイ
http://www.e-nexco.co.jp/csr/special01/02smh.html
74
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
6.建築・土木分野:SWGからの主な指摘事項
カテゴリ
ー
区分
概要
建築
・ エレベーターのアルゴリズム。次世代ではスマホを最適に連動させるだろう。そうすれば世の
アルゴリズム、
中の行列を解決できるかもしれない。アプリケーションだけでは解決できない。リアルタイムグ
行列の解消
ルーピングが変わってしまうもの、ケースを考えていく。
建築
特定の建物内
・ エレベーターの点検に関する情報を建物内に伝えることができていない。
の通信
建築
・ ダイワユビキタス学術研究館(東大春日門近く)が面白い。プログラマブルビルディングであり、
ダイワユビキタ
エレベーターがAPIである。フロアにいる人数の多いところに止まるなど、世の中プログラマブル
ス学術研究館
になっていくのを感じる。一番の問題は停電である。アクセスコントロールが必要だろう。
75
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野
76
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野:
ウエアラブル(1/2)
新世代ネットワーク技術を通じて、一人ひとりが装着したウエアラブル機器から利用者ごとの情報をモニタリングし、情報を蓄積・分析し
それぞれに応じた情報やサービスを提供。
新世代ネットワークでできる可能性があること
現状・課題(現在できていないこと)
概要
• ウェアラブル端末には、カメラ、腕時計やリストバンド、指輪、
メガネ、衣服などがあり、スポーツ、健康からエンターテイン
メント等様々な分野の利用シーンがある。
• しかしながら現状は、端末が各々の専用アプリケーションと
一体となったソリューションとなっていることが一般的なため、
センシングしたデータ(静止/動画像、音、加速度、温度、
気圧、心拍等)を、複数アプリケーション(サービス)間で、オ
ンデマンドかつリアルタイムに共有し多目的に利用すること
は、プライバシー等のセキュリティ問題も含め、容易ではない。
また、定常的(常時)に記録するためには、データ量及び
バッテリ等の問題も含め、容易ではない。
概要
セキュリティ/データ量/バッテリ等の問題を、クラウド/
ネットワーク/スマート端末等の連携により解決できれば、
現状のように各種センシングデータを個人利用するだけ
でなく、多人数の各種センシングデータを、リアルタイムや
時系列データとして、地理的ロケーションやその場所の
イベント(自動車、電車のトラヒック情報や、気象状況や
災害等を含む)と関連づけることで、現状よりも、人、
環境にとってサポータブルなアプリケーション(サービス)
の可能性が広がる。
参考:3つの領域におけるデータの利活用と活用イメージ
http://ngm2m.jp/m2m/files/kouen_watanabe.pdf (24-32ページ)
我が国における2013年度のウエアラブル端末市場は40万台
(MM総研「日米におけるウェアラブル端末の市場展望」)より
経済
指標
IoEの価値の可能性(2013-2022年)は、14.4兆ドル
http://ngm2m.jp/m2m/files/kouen_watanabe.pdf (22ページ)
経済
指標
日常生活の様々な場面で、多様なユーザ情報が取得できる環境が
整いつつあるが、データが十分に活用されていない。
社会
貢献
参照:http://www.kiis.or.jp/content/info/kiis_pdf/kiis148.pdf
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO68175300S4A310C1X22000/
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120131225500
社会
貢献
我が国におけるウェアラブル端末市場は、2020年度には600万台
を超えるまでに成長し、米国においては1,500万台を超える規模に
なると予測される。(MM総研「日米におけるウェアラブル端末の市
場展望」)より
これまで「見える化」できていなかったデータを簡単に「見える化」す
ることができるようになる。ヘルスケアと連動させ、生活習慣を客観
的に見直すことで病気や異常を予防することができるようになる。
ハンディキャップを持っている人の生活をサポートする。
ウエアラブル端末を中心に、コンテンツのクラウド連携、クラウド解
析のサービスの醸成・発展につながっていく。
77
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野:
ウエアラブル(2/2)
現状・課題(現在できていないこと)
現行の
問題点
新世代ネットワークでできる可能性があること
■セキュリティの確保が不十分。
ウェアラブル端末は、位置情報や生体情報、画像・動画などを取得
することがスマートフォン以上に容易になる。スマートフォンでも問題
になっている情報漏えいやプライバシー侵害などについて、「不安
に感じない」「あまり不安に感じない」「どちらともいえない」「やや不
安に感じる」「不安に感じる」の5 段階で尋ねたところ、事業者から
個人情報が漏れることに関しては、「不安に感じる」「やや不安に感
じる」の合計が、日本では81.2%、米国では69.0%にのぼった。さ
らに、ウェアラブル端末を利用していない場合でも、端末所有者か
ら盗撮や追跡をされることがありうるが、その不安は日本が82.6%、
米国が71.0%で両国とも高く、普及に向けた課題となる。
(MM総研「日米におけるウェアラブル端末の市場展望」)より
■大容量ではないが、小さなデータをたくさん送り続けられる(セッ
ション数が多い状況)、安定した通信環境の実現
同一の端末から、用途に応じて様々な宛先に送ってデータを蓄積・
分析等のフィードバックを受けられる、安定したセキュリティ
技術
革新
■ウェアラブル端末からの位置情報を使うことで、買い物をした荷
物を自分で持ち運ばずにドローンに運ばせる(自分の周囲を自動で
追随、あらかじめ登録したおいた地点への自動飛行)など、これま
で一人では難しかった・できなかったことができるようになる可能性
がある。
ドローンが自動で追随できるようになれば防犯用途にも利用できる
可能性がある(異常を検知して緊急発報や、犯罪抑止効果など)
■これまでと異なる操作方法によって生じる誤作動。ユーザーが意
図していない情報が外部へ送信されてしまうことのリスク。
社会経済的課題
・社会問題(プライバシ問題)
・セキュリティ(紛失・盗難時など)
・
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
• ウェラブルでは小型、軽量化が望まれるため、そ
の一方で長時間駆動が求められ、そのための技
術開発が必要になる。
• 省電力化のために情報のリアルタイム性に応じ
てアドホックにネットワークを簡単にセキュアに構
築する技術か必要なる。
• 情報が端末に保存されている場合、紛失等の際
にでも安全に保存される技術が必要になる。
小さなデータを大量に送り続けた場合の通信環境
の安定性の確保
セキュリティの確保
参照:http://www.kiis.or.jp/content/info/kiis_pdf/kiis148.pdf
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO68175300S4A310C1X22000/
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120131225500
78
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野:
ウエアラブル(ヘルスケア)
人から健康に関するデータを取得するための医療機器やセンサー(ハードウエア)と、データを処理して医療や介護などの活動に役立てる
ためのシステムやサービス(ソフトウエア)を融合させる。
スマートフォンやタブレット端末など通信機能を備える携帯機器と組み合わせることで、既存の医療行為を支援する。
現状・課題(現在できていないこと)
概要
経済
指標
社会
貢献
現行の
問題点
新世代ネットワークでできる可能性があること
• 健康管理には継続的な記録が重要だが、自分で毎日記録をつけ
るのは煩わしく続かない
• 運動が健康のためによいことがわかっていても習慣として続ける
ことが難しい
• 今の自分の健康状態に合ったアドバイスを受けたい
• 目標の達成を友人や仲間と共有したい
平成25年度の医療費は、前年度比約0.8兆円増の39.3兆円。
(厚生労働省 平成25年度 医療費の動向より)
予防医療の普及による医療費の削減
経済
指標
死亡に対する危険因子の第4位は運動不足(WHO報告書)
平均寿命は世界でも高い水準にあるが、平均寿命の伸びに合わせ、
疾病全体に「生活習慣病」の割合が増加。
約6割の方が「生活習慣病」が原因で亡くなっている。
(厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクトより)
標準化ができていないと、せっかく取得したライフログの利用範囲
が限られてしまう。
社会経済的課題
・社会問題(プライバシ問題)
・
・
概要
• 体重計に載るだけ、リストバンドをつけるだけなど自動的にライフ
ログを取得・転送し、グラフ化や状態にあったアドバイスを受ける
ことができるようになる
• パソコンやスマートフォン上にグラフで表示されると目標の設定や
達成が確認しやすくなる
• 友人や仲間と目標の達成を共有できる
社会
貢献
技術
革新
(市場規模・利用者数、CO2削減効果など)
・生活習慣病の予防
・加齢に伴う生活機能低下の抑制
・健康保険料、介護保険料等の高騰抑止
・高齢者や子どもなどが離れた場所にいても体調異常を把握できる
ライフログの利用範囲拡大
非侵襲な(針を刺したりしなくてもよい)計測方法
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・異常の正確な検知
(過敏に反応しすぎると不安を煽ることになる)
・アドホックで、セキュアな、容易なネットワークへの
接続技術
・ネットワークが、アドホック、セキュア、接続が容易
といった要件を備えているかどうか
・データ入手から異常検知、フィードバックまでの時
間、セキュリティ性 等
参照: http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140526/559235/
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpqt.pdf
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/iryou_doukou_b.html
http://www.smartlife.go.jp/about/lifestyle/
79
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野:
通信と放送の融合(4K・8Kテレビ等)
インターネット網のブロードバンド化や放送インフラのデジタル化に伴い、通信と放送を連携させたサービスが進展したり、
通信業界と放送業界の相互参入などが可能となったりする。
新世代ネットワークでできる可能性があること
現状・課題(現在できていないこと)
概要
• 若い世代はテレビを見る時間が少なくなってきており、テレ
ビ業界は広告収入が減ってきている。
• 地上デジタル放送に移行したことによりデータ放送は身近
なものになったが、現状では使い勝手のいいものにはなっ
ておらず、TV局がデータ放送で提供している
• ニュースや気象情報や交通情報はスマートフォンで簡単に
取得でき、スマートフォンの方が使い勝手がよい。
• テレビ放送より自由度・双方向性の高いインターネットを利
用することが増えてきている。
• ディスプレイ技術が進歩して高精細な表示が可能になった
が、それを活かしたコンテンツが現状では少ない。
• テレビ番組は基本的に番組表に縛られて柔軟さを欠く
• 地域によっては受信できるチャンネル数が少ない
既存市場(2011,2012年)
・放送用機器〔5,000億円〕
・内視鏡検査システム〔2 兆 5,000 億円〕
・設計・デザイン(CAD、CG)〔2 兆 円〕
・セキュリティ(監視カメラ等)〔8,300億円〕
経済
指標
社会
貢献
概要
経済
指標
2020年市場
・映画(スクリーン、プロジェクター)〔約2,000 億円〕
・広告等(デジタルサイネージ、スタジアム)〔約4,300 億円〕
・医療用モニター〔約1,500 億円〕
・博物館・美術館〔約80億円〕
社会
貢献
個々の視聴者の多様なニーズ(映像、文字情報、双方向性、過去のコンテ
ンツの視聴、その他)に柔軟に答えられるテレビ放送の実現
字幕や副音声など既存の映像を補足する情報が充実することで障害者に
とっても使いやすくなる
2015年4月の薄型テレビの出荷台数は、前年同月比109.5%の33万
9,000台。このうち、4K対応テレビは前年比517.9%の2万5,000台、薄型
テレビ全体に占める割合は7.4%。ハイブリッドキャスト(Hybridcast)対応の
テレビは前年比182%の9万6,000台で、テレビ全体における割合は28.2%。
(電子情報技術産業協会 民生用電子機器の国内出荷実績より)
現在のテレビでは、視聴者の多様なニーズにこたえきれていない。
高精細画像の画像を送ることができない。
• 有線・無線ネットワーク利用時の、データ送受信量の許容性が
向上し、遅延の問題が解消することで、高精細で大容量の
データ高精細画像の活用が期待される、以下の分野で4K8K
の導入・普及が促進される。
•放送(カメラ、編集、エンコーダ)
•広告(デジタルサイネージ、スタジアム)
•医療(医療用モニター、内視鏡システム)
•防犯・監視(監視カメラ、産業エリアカメラセンサ)
•設計・デザイン(CAD,CAM,CG。機械設計、工業デザイン等)
•教育・学術(博物館、美術館)
•映画(デジタルシネマ。プロジェクター、スクリーン)
• 競技場やイベント会場など人が密集する場所で起こる、端末
の集中に伴う爆発的に大きな通信量、時間変動にも、新世代
ネットワークが許容し安定した通信環境を提供する。
参照:http://www.nippon.com/ja/features/h00091/
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05a.html (総務省 通信利用調査)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20150526_703661.html
80
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野:
通信と放送の融合(4K・8Kテレビ等)
現状・課題(現在できていないこと)
現行の
問題点
新世代ネットワークでできる可能性があること
データ通信量を最大値で想定したネットワークを設置すると、膨
大なコストがかかるうえに、平常時はそのごく一部しか活用でき
ない。
通信量の変動に耐えてかつコストを抑えられる、柔軟性のある
ネットワーク。
データを臨機応変に集められるネットワーク。
インターネットに接続できるテレビはこれまでにもあったが、接続
率は上がらずあまり利用されてきていなかった。
テレビにインターネット接続機能がついただけでは操作性が悪
かったり、動作が重たくなってしまっていた。
放送事業者からすると、ただ画質が向上しただけでは広告収入
はこれまでと変わらず、手間や費用がかさむだけになるので新た
な付加価値が必要。
テレビにOSを搭載し、PCやスマートフォンとの親和性を高める。
スマートフォンで購入したコンテンツをテレビで利用したり、テレビ
で録画したコンテンツをスマートフォンで利用する。
PCやスマートフォン以外のスマート家電との連携向上。
任意のアプリケーションの追加など拡張性。
放送時間に縛られないコンテンツの配信。
技術
革新
社会経済的課題
研究開発課題
・2015年3月でデジアナ変換サービスが終了
・2020年東京オリンピック・パラリンピック開催予定
・テレビのセキュリティ対策技術
今後、テレビがスマートハウスの中核になる可能
性が高いが、インターネットにつながることで、イ
ンターネット側からのテレビへの悪意ある攻撃の
問題が懸念されており、その対応が必要。
・アクセス数の変動に耐える技術
・放送と通信の融合サービスにおけるユーザビリ
ティの確保、
2020年東京オリンピック・パラリンピックで、放送と
通信の融合技術を導入するためには、技術革新・
実用化の推進、制度・規制等の整備、関係者間の
調整、消費者等への周知、等各種取り組みの推進
が必要。
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
参照:http://www.nippon.com/ja/features/h00091/
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05a.html (総務省 通信利用調査)
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/291/291159/
•
•
オリンピック等の大きなイベントにおいて、視聴
者数の大きな変動、コンテンツへのアクセス数
の大きな変動等に耐えられるネットワーク環境
テレビのセキュリティ確保
81
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野: 参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
子供の活動をサポートする通信機能を搭載した腕時計型デバイス。子供活動状況を見守るGセン
https://www.nttdoco
サーで「元気に遊んでいる」「歩いている」など子供の様子がわかる。温度/湿度センサを搭載してい
株式会社NTTド mo.co.jp/product/wa
るので活動状況と組合わせ夏場の熱中症や乾燥した冬の風邪対策をアドバイス。子供にはSMSで
ドコッチ 01
tch/docotch01/index
コモ
通知可能。万が一のときには子供がボタンを長押しすることで家族に通知を送ることが可能。ほか、
.html
迷子抑止機能を搭載している。
WiFi内蔵SDカードを販売。
アイファイジャパン株式 Eyefi
http://jp.eyefi.com/ デジタルカメラで撮影した瞬間に転送、整理、クラウドへの同期を自動で行う。
会社(※本社は米国)
(アイファイ)
UP24 ・ UP
http://kanjitsu.com/j リストバンド型の端末でライフログ(運動量、睡眠時間、食事情報)をとり、専用アプリで健康管理。
完実電気株式会社
awbone/wearable
move
人体と送受信機、周囲に存在する誘電体や導電体より形成される経路(電界)により通信を行う
http://www.signal.co.
ハンズフリー電
人体通信技術を活用して、踏むだけ、座るだけ、触れるだけのハンズフリーでIC カード認証を実現。
jp/products/elefin/in
日本信号株式会社
また、無線通信タグと違い、近傍のタグの誤認識を回避。送受信機の電極と人体が直接触れてい
界通信デバイス dex.html
なくても通信可能。
家庭内のWi-Fi環境を通じてネットに繋がるウェアラブルデバイス。マイクと3次元加速度センサーを
搭載。マイクは「笑い」、「咳」、「会話状態」といった音声波形を記録。言葉をはっきりと捕えるもの
大阪電気通信大学/
ではなく会話の内容は記録しない。単に笑い、咳、会話状態を区別できる程度の信号波形を記録。
WaratTell(ワ
http://www.warattell.
3次元加速度センサーは、衝撃や落下などを検知。その検知の後に動作を検知できなければ、意識
株式会社ネクスト/ユ
com/
ラッテル)
不明など緊急の状態であることを通知。(検証中)
カイ工学
これらのデータをサーバー上で解析し、「笑っている」「咳をしている」「会話をしている」状態を検知し、
遠く離れて暮らす家族のスマートフォンにその状態を通知することで、暮らしの雰囲気を伝える。
直感的に操作できるワイヤレスコントローラー。本体は、直径7cm、厚みが15mmのコンパクトなディ
スク型のインターフェースデバイス。回転角度、赤外線によるハンドジェスチャー、照度、静電容量を
https://www.indiegog
感知できるセンサーを搭載。表面をクリックしたりスワイプしたりといった動きだけでなく、リングを回
o.com/projects/flow
Flow
したり、触れずに手をかざして動かしたりといったアクションを認識。
-the-world-s-most(開発中のワイ
Flowは、Bluetooth LEに対応したワイヤレスコントローラーで、MacやWindows、Linuxといったコン
magical-controller
SENIC
ピューターのみならず、Bluetooth LEに対応した様々なスマートデバイスのコントローラーとして使用
ヤレスコントロー
することができる。既存のスマートデバイスは、手元のスマートフォンをコントローラーとして操作する
ラー)
http://thebridge.jp/2
場合が多いが、これをより直感的な操作のできるFlowに置き換えることができる。Flowはオープン
015/01/flow
プラットフォームで構築されており、デベロッパーは自由にアプリケーションを作ることができる。製品
化された場合、商品の発送は2015年の7月を予定。
咀嚼の“リズム”を計測するカウンターイヤホン。耳に装着するだけで、咀嚼を計測することができる。
RHYTHMIhttp://rhythmiスマートフォンアプリと連携し、咀嚼のタイミング、リズム、累積回数など、様々なデータを可視化。
ロッテ
KAMU
kamu.com/
リズミカムを使うことで、活動を記録。音楽を再生する機能を搭載しており、素早く2回噛むと、音
(リズミカム)
楽を再生、再び素早く2回噛むと、音楽を停止することが可能。咀嚼の研究への活用も検討中。
82
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野: 参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
からだカルテ
体組成計、歩数計、尿糖計のデータをUSBやレシーバー搭載モデルを使って転送すると、自動で
http://www.karadakar 各種グラフを作成するサービス。食事データなど手入力のデータと組み合わせて健康グラフとして
ute.jp/info/karte/servi 管理する。ダイエット等の目標設定や体重の増減に応じたアラート通知が可能。グラフで成果が
わかるので継続的な健康管理につながる。さらに、管理栄養士や健康運動指導士からのサポー
ce.html
トも受けることができる。
オムロン
ウェルネスリンク
「理想のカラダ」にナビゲートする健康サポートサービスを提供。対応機器で得られたデータを転送
しPCやスマートフォンアプリと連動させた健康管理サービス。ダイエットのほか、活動状況から都道
http://www.wellnesslin 府県別ランキングへの参加や、歩行姿勢の確認、睡眠状態に応じて起きやすいタイミングでのア
k.jp/p/
ラート通知、ワークアウト(走行&歩行)の詳細データをFacebook、Twitterに書き込み仲間同士で
達成度をチェックしあうことができる。
ソニー
スマートフォンと連動するバンドを装着して睡眠中もフィットネス時も遊びの時も、あらゆるアクティ
http://www.wearable- ビティをトラッキングする。スマートバンドからスマートフォンで聞いている音楽のコントロール機能も
SONY Smartband device.jp/product/47
搭載予定。2015年4月より出荷予定。
パナソニック
対応の測定機器にスマートフォンをタッチさせてスマートフォンにデータを取得(FeliCaまたはNFC)。
スマホでタッチ。
http://panasonic.jp/h アプリ上でグラフ化され、自分にあったアドバイスやコンテンツを楽しむことができ、ムリなく続けら
新・かんたんカラダ
ealth/smart/
れるカラダ管理をサポートする。SNSとの連動のほか、アプリ上でログを友人に公開することも可能。
管理!
タニタ
ソフトバンク ヘル
スケア
リストバンドや体組成計などの専用デバイスで、日々の活動量や体組成データを記録・蓄積。
手軽にスマートフォンやパソコンでカラダの状態を管理できるヘルスケアサービス。
「無理せず運動不足を解消したい」「スリムになりたい」「すっきりと目覚めたい」「体調を管理した
い」などユーザーが望む「カラダ」へ近づくようにサポートする。
http://www.softbank.j ■体組成計コース
p/mobile/service/heal 3G通信機能を搭載しており、「スマート体組成計 301SI」に乗るだけで9つの測定データ(体重、
体脂肪率、BMI、基礎代謝、内臓脂肪レベル、身体年齢、骨レベル、骨格筋レベル、水分量)がク
thcare/
ラウド上に自動送信され、スマートフォンの「ソフトバンク ヘルスケア」アプリ・ウェブサイトで閲覧・
管理できる。
■リストバンドコース
リストバンドで日々の活動量を記録し、スマートフォンでカラダの状態をチェックできる。
一般社団法人
ハイブリッドキャス
IPTVフォーラム/加
ト
盟放送事業者
対応テレビをネットにつなぎ、テレビ放送とインターネットを両方使ったコンテンツを提供。これまで
よりも双方向性の高いコンテンツを提供可能。
http://www.iptvforum.j
2015年2月現在で放送されている例としては、生活情報の配信のほか、録画をしていない番組
p/hybridcast/
の早戻し再生や関連用語の解説、ICカードと連携して自分が利用する駅周辺で番組が紹介した
お店の情報表示、簡易な視力検査など。
ソフトバンク
83
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野: 参考事例
事業者名
株式会社大京
アップル
Google
サービス名
URL
サービス内容・その他
「スマートコミュニTV」は、自宅のテレビに専用機器を接続し、ネット環境を整備するだけで、テレビ
スマートコミュニTV http://www.daiky をマンションの電子掲示板として利用できるサービス。各住戸の電気量を「寝室」や「エアコン」など
o.co.jp/dev/files
細かく“見える化”することで節電行動を促すほか、建物屋上に設置したソーラーパネルの発電量を
/20150219.pdf
(ライオンズ横浜上
1時間ごとに表示するなど、マンション全体で電力の“見える化”、省エネに取り組むことができる。ま
たスーパーのチラシ情報などの生活情報や、管理会社である大京アステージから発信されるメンテ
大岡ガーデンシ
http://lionsティ ザ・イースト& mansion.jp/MD11 ナンス・設備点検等のお知らせやイベント情報を掲載することで、コミュニティ形成をサポートし、ス
マートな暮らしを実現。さらに暮らしに役立つ情報として、住宅設備の取扱説明書を分かりやすく伝
ザ・ウェスト)
1048/
えるために設備の使い方やお手入れ方法を動画にしたコンテンツも配信する。
アップル社が2015年4月に発売を予定しているウェアラブルデバイス。
https://www.appl アプリを追加しない状態の基本機能は、
e.com/jp/watch/ 1. 非常に細かいカスタマイズが可能な時計
2. テキストメッセージや音声、タップや手書き、心拍まで伝えられるコミュニケーションツール
http://japanese.e 3. 常時認識・記録のフィットネス・ヘルスケアツール
Apple Watch
ngadget.com/20 このほか、初期アプリはPassbook、地図、写真、Siri 、天気、リモートカメラ、リモート、音楽など、新
15/03/09/appl 規アプリは App Store で追加する。
e-watch-4-24- 各コンプリケーションは文字盤上で情報を表示するほか、タップすればアイコンとして対応アプリが
349-4-10/
開く。スクリーンを下からスワイプすれば、天気、カレンダー(スケジュール)、音楽プレーヤー、心拍数
など、よく参照する情報の画面(グランス)をすぐに呼び出すことができる。
スマートフォン等に搭載されているOS“Android”を搭載したテレビや専用端末をつなげたテレビ向け
のサービス。
http://www.andro
リモコンにマイクが搭載されていて作品名や役者、監督の名前を検索すればGoogle Playなどで購
id.com/tv/
入もしくはレンタルできる関連作品を表示。PCやスマホでできるGoogle検索と同じ機能をもっている
ので、天気情報などをテレビに最適化した形で教えてくれたり、ウェブ検索を実行。
http://weekly.asc
Android TV
ii.jp/elem/000/0 Google PlayからAndroid TVにアプリを追加することで、さまざまな動画チャンネルやコンテンツを追
00/291/29196 加でき、当然ゲームも利用可。Bluetooth接続のコントローラーを複数接続すれば対戦ゲームも容易。
Chromeブラウザのタブをテレビに映せる“Google Cast”に対応しており、使い慣れたスマホやタブ
7/
レットでYouTube検索してTVに飛ばして視聴する、または画面を共有することが可能になる。
Android搭載スマホをリモコンにして操作することも可能。
http://sorayoujin. iBeaconデバイスが発信する電波に反応し、アプリを起動していなくても雨が降るかどうかをバイブ
feedtailor.jp/
レーションや音で通知するiPhoneアプリ。iBeaconデバイスの電波に反応して雨が降りそうか降りそ
うで無いかを通知する。 アプリを起動すると現在位置の直近24時間の降水確率を閲覧できる。
そら用心、
日本気象協会
株式会社フィード
そらビーコン
テイラー
http://www.jwa.o
r.jp/news/2014
/12/post000453.html
84
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野: 参考事例
事業者名
フォトシンス
NTTドコモ/
タカラトミー
株式会社ユニゾ
ンシステムズ
サービス名
URL
サービス内容・その他
「サムターン」と呼ばれる指でひねるドアの鍵に取り付けることで、スマホから鍵の開閉ができるデバイス。
建物の中、ドアの内側につけたAkerunは、ドアの外でユーザーがかざすスマホとBluetooth通信による認
http://akerun.c 証を行い、モーターによる制御で物理的に既存ロックを開閉をする。スマホによる明示的な開閉のほか
Akerun(スマート
にも、お出かけのときには扉が閉まったことを検知してオートロックする機能もある。内側からはスマホな
om/
ロックロボット)
しでも、Akerunに指でタッチするだけでサムターンを回して開けることができる。
ネットワーク上での鍵のシェアも可能で、FacebookやLINEを使って友人や家族のスマホに対して鍵をシェ
アすることが可能。登録者の入退室はスマホのアプリ上でリアルタイムで閲覧可能。
クラウドと連携して自由度の高い会話を楽しめるロボット玩具。
用意したシナリオに沿って雑談に応じてくれるほか、「天気は?」「今日は何の日?」などと呼び掛けると、
その質問に沿ってネットを検索し、結果を音声で伝えてくれる。またしりとりを楽しんだり、専用アプリに登
録したユーザーの情報にあわせて「誕生日おめでとう」などとしゃべったり、季節にあわせた会話ができる。
発表時点で用意されたシナリオは数千種類で、今後は1万件を超えるシナリオが追加される見込み。会
http://www.takar 話した内容の一部は、短期間、記録され、ランダムで次の会話に活かすことがあるが、基本的にロボット
atomy.co.jp/prod 内およびサーバー上でユーザーとの会話の内容は保存されない。従って、ユーザーの趣味や好みを学習
ucts/omnibot/oh することはないが、ユーザーのあだ名、誕生日といった個人的な情報は、スマートフォン/タブレットアプリ
anas/
に登録しておくことで、活用する。
OHaNAS
3G/LTEやWi-Fiといった通信モジュールは搭載されておらず、スマートフォンやタブレットとはBluetoothの
http://kHFP(ハンズフリープロファイル)で繋がる。
(オハナス)
tai.impress.co.jp/ コミュニケーションを促進する“自然な対話”は、ドコモの提供するプラットフォームを用ている。この自然対
docs/news/201 話プラットフォームは、同じ読み方で意味が異なる同音異義語であっても、前後の流れから正確な意味を
50604_705307. 判断する「文章正規化機能」、天気などを検索して返事に使える「外部コンテンツ連携機能」、キャラク
html
ターらしいしゃべり方にする「キャラクター風発話変換機能」、アプリに登録されたユーザーの情報を対話
に使う「ユーザー情報自動抽出機能」という4つの要素で構成。これにより、ユーザーが「オハナス」に話し
かけると、サーバー側でその発言を「認識」→「解釈」→「返信用の音声ファイルを生成」→「オハナスが返
事する(スマホで音声ファイルを再生、オハナスをワイヤレススピーカーとして再生する)」、という流れで利
用可能。全ての処理は基本的にサーバー側で行われ、スマホやタブレットは中継役のみ。そのため、ドコ
モ以外のスマートフォンでも利用できる。
インターネットなどのネットワークで、高速にファイル転送をするためのアプリケーション。UDPを用いて、
ネットワーク環境に左右されずに回線の帯域を無駄なく使うことが出来る。4K時代においては「『クラウド
STORM®
内編集』が主流になり、映像配信側はクラウドサーバー上から編集・制作・配信までをワンストップで手が
https://storm(放送局向けの動 file.net/
けるようになる。映画配信、サイネージ動画の配信、ゲーム管理、また医療分野においては手術台の4K
高画質動画の転送などを想定している。
画転送ソフト)
インストール版でのTBSの転送実績では、ロンドンオリンピック時にロンドンー東京間で平均転送スピード
148.02Mbps、プロ野球のキャンプ取材時に石垣島-東京間で平均転送スピード161.34Mbpsを記録。
85
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野: 参考事例
事業者名
ソフトバンク
bOMDIC
(台湾)
サービス名
Pepper
URL
サービス内容・その他
世界初の感情認識パーソナルロボット。表情と声からその人の感情を察する最新のテクノロ
ジー(感情認識機能)を実装。アプリケションをダウンロードすることでできることが増えて行く。
(アプリケーションの開発環境は公開されている)
常時ネットワークに接続されているので、インターネット上の様々な情報に自らアクセスして最
新のニュースや天気などを通知可能。膨大な会話データベースとも連携しており、幅広い話題
に回答。クラウド・ネットワークと連携することで、これまでのロボットができなかったような情報
http://www.soft 活用が可能となる。
bank.jp/robot/ 子供とのふれあいも考慮し、安全を第一に考えた体のつくりになっており、人や障害物をセン
サーで検知し、衝突の危険性を減少するように動きを制御する機能(衝突防止機能)や、誰か
に押されても倒れないように自分でバランスを保とうとする機能(オートバランス機能)など、安
全面でも優れた技術が駆使されている。
個人情報を含まない情報については世界中のPepperから集積した数値やパターンをクラウド
AIが学んでいくため、加速度的に成長していく。
GoMoreスタミナセ http://www.go
more.jp/
ンサー
※2015年夏ごろに一般発売を予定
スマートフォンと連動し、スタミナ「残量」を計測するウェアラブルデバイス。心拍から血中の乳酸値を計測
し、スタミナの残量や回復量をリアルタイム通知。計測中の画面には残りのスタミナ、有酸素性・無酸素
性エネルギーの残量などを表示。スタミナ残量に応じてセンサー本体が振動する。
スマホのGPS機能を使って、トレーニング中の移動を追跡し、記録。マップ上にその軌跡を表示するだけ
でなく、スタミナ残量が60%、30%、0%へ減少したポイントと、65%、35%へ回復したポイントも合わせて
記録し、表示できる。
オーバーペースやスローペースで走ることを防いだり、乳酸が急激に溜まり始める閾値を見極めて有酸
素・無酸素系トレーニングに活かす、といった活用が可能。個人差がある最大心拍数を指標とした心拍ト
レーニングよりも、個々人に合わせた強度でトレーニングがしやすくなる。
86
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理する。
区分
考えるネットワーク
オプトアウト的ネットワー
ク
概要(例)
ユーザにあわせた情報提供や利用メニューの提案。
データが誰のものかに応えるネットワーク。ユーザの了承が得られればデータが提供される。
冗長トラヒックの削減
同じコンテンツ(アーカイブ映像等)に何度もアクセスする場合等の冗長トラヒックをネットワーク側
で削減する。
端末側での一時的なデータ蓄積や多種のセンサデータの統合によるトラヒック発生頻度の削減
莫大な数の端末への対応(
センサネットワーク等)
街の中に監視カメラが多数設置されたり、競技場に通信端末を保有する人が密集した状態でも安定して
通信を行う。
膨大な数の多様なセンサ等の端末が設置され、映像や静止画像等の大きなデータパケットからセンサデ
ータの小さなパケットが、常時、多量に発生する状況におけるネットワーク側でのサポート。
端末が密集した場所でのデ
ータ通信
街の中に監視カメラが多数設置されたり、競技場に通信端末を保有する人が密集した状態でも安定して
通信を行う。
オリンピック競技場やエンターテイメントイベント会場等、超絶に人が密集することによるウェアラブ
ル端末の密集場所でのAPや無線(Wifi)のリソース確保。
トラフィック量の時間変動
への対応
同じ端末を持った人が、競技場にいるときには集団に対するプッシュ型通信で情報を受信し、家にいる
ときには個人の状態にあわせた情報を受信できる。場所と時間で変動できる通信。
昼夜(人間の行動時間)によるトラヒック量の変動や、映像・画像データとセンシングデータとのトラ
ヒック量の違いを扱えるネットワーク機能やリソース制御。
アプリケーションとネットワ
ークの連携
同じ端末を持った人が、競技場にいるときには集団に対するプッシュ型通信で情報を受信し、家にいる
ときには個人の状態にあわせた情報を受信できる。場所と時間で変動できる通信。
データの発信元が追跡できるネットワークによるライフログアプリケーション
ビッグデータへの対応
セキュリティ対策
災害対策
遅延への対策
ブロードバンド
ビッグデータ(各種ユーザ情報)の存在をふまえたネットワークの運用・設計。
データが誰のものかに応えるネットワーク。ユーザの了承が得られればデータが提供される。
4K8Kの高精細な画像を遅延なく送受信。複数端末やセンサからのデータ同期、複数端末への同期配信
大容量の画像情報を安定して通信できる。
大容量のデータ送信時のネットワーク内での前処理を行う際のネットワーク側でのサポート。
87
7.情報家電・ホームネットワーク分野:出典(参考文献・参照サイト)
<参照先>
1.「ウェアラブルコンピューティングとM2M の新時代」http://www.kiis.or.jp/content/info/kiis_pdf/kiis148.pdf
2.日本経済新聞「ウエアラブルの未来図、五感の能力高める」
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO68175300S4A310C1X22000/
3.「総務省:情報通信白書」http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/html/nc112320.html
4.「放送サービスの高度化に関する検討会・これまでの検討結果について とりまとめ」
http://www.soumu.go.jp/main_content/000230953.pdf
5.平成24年版情報通信白書第2章第3節2(1)「スマートテレビの加速」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc123210.html
6.総務省)新世代M2Mコンソーシアム公開シンポジウム-講演会(2013年11月27日講演)資料
http://ngm2m.jp/m2m/files/kouen_watanabe.pdf
7.Ciscoホワイトペーパ(2018年の通信量予測)
http://www.cisco.com/web/JP/solution/isp/ipngn/literature/pdf/white_paper_c11-520862.pdf
<官公庁等の報告書>
総務省
・ICT重点技術の研究開発プロジェクト(H21年度)
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictR-D/
・放送サービスの高度化に関する検討会(4K・8K・スマートテレビ等)
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housouservicekoudoka/index.html
・4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/4k8kroadmap/index.html
88
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野:出典(参考文献・参照サイト)
<自治体・民間企業の具体的な取り組み例>
・アップル Apple Watch
https://www.apple.com/jp/watch/
・エプソン エプソンのウエアラブル
http://www.epson.jp/products/wearable/
・SAMSUNG 「Gear」シリーズ(GALAXYと連動させるウエラブル端末)
http://www.samsung.com/jp/consumer/mobilephone/gear/
・三井不動産レジデンシャル “ツクル空間”
(冷蔵庫の中身、直近のメニュー、アレルギー、スーパーの特売情報と連動してオススメのメニューを提案して
プロジェクションマッピングで調理をサポートするキッチン)
http://www.37sumai.com/article/694/2
・ JAL×NRI、空港旅客業務の先進化に向け、iBeaconおよび スマートウォッチを活用した実証実験を開始
http://press.jal.co.jp/ja/release/201407/003001.html
・ 富士通 「グローブ型」ウェアラブルデバイスが、ものづくり現場でのノートPCやタブレットの活用範囲を拡げる
http://journal.jp.fujitsu.com/2014/03/19/01/
・富士通 指先で文字入力など操作可能な指輪型ウェアラブルデバイスを開発
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2015/01/13.html
・パナソニックが2020年向け新技術を公開、ペンダント型自動翻訳機など披露
(NICTの翻訳技術を採用してウェアラブル)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/021200506/?k3
・組織の“ハピネス度”をウェアラブルセンサーで測定する新技術 日立が開発
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1502/09/news142.html
89
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
7.情報家電・ホームネットワーク分野:SWGからの主な指摘事項
区分
ウエアラブル
8Kテレビ
概要
・ みんな使うようになると、ネットワークが解決できるのかマルチプロトコルな技術が必要だろう。反面、米国、シスコは、モバイルキャリアで、
自律的なネットワークをつくろうとしている。
・ 8Kが必要なのか疑問。多くの人は家のPCでNTTの光通信をしているわけではない。スマホでほぼやっている。
・ 家に回線を引かない人が増えており、若い人たちはほぼ家にいない。
・ メーカーは4K8K製品を売ることができるが、ユーザドリブンではない。
ウエアラブル
・ 徘徊対策としてセンサを付けるという方法はあるが、法的問題、個人情報の問題がある。勝手につけるのは難しいだろう。
(再掲)
ウエアラブル、
・ 今後もI/Oは多様化し、これまでデジタル化できていなかった情報がデジタル化される。また、高品質化/低価格化されることでより利用
4K/8K カ メ ラ
シーンを広げることが可能になる。
orTV、etc.
4 Kカメ ラ の活 ・ 4Kカメラを搭載したスマホが出始めている。自分の撮った動画をアップできるのか。そのためには大容量の通信が必要になり、技術的な
用環境
話(限界)が見える。それができるようにするためには、SDN、NFVは役立つのか。
・ 現在のネットワークでは大変である。
4K、8Kテレビ ・ 4Kテレビはアメリカでは10万円くらいで売っている。大画面では8Kに意味がある。実際みると3Dがいらないくらいであり、グラスがなくて
も三次元を感じられる。あとは感覚の問題である。
・ ウエアラブルに興味がある。
・ たとえばGoogle GlassはWi-Fiを駆使しており、一度つながると常時つながる。まばたきをして写真が撮れて、それがフェイスブックに掲載
ウエアラブル
されるといった機能がある。
・ JINS(ジンズ)が体調管理のメガネを発売している。
・ 4K8Kはビットレートの違い。
4K8K
・ 8Kはプロ仕様。放送局用であることが前提。
・ 4Kはエンドユーザが保有する状況を想定し、今までにないアプリケーションを検討するというアプローチがよい。
ウエアラブル
・ たとえば外国人が日本にウエアラブル機器を持ってきたときにどのようにケアするか。
・ウエアラブルは眼鏡に限定しない。
・Apple Watchなどの携帯ウオッチの情報。
・デジカメの写真はどんどんクラウドにあげられる。
Wi-Fi 機 能 搭 ・体重計につけると測ったデータをどんどんクラウドにあげて健康管理できる。(クラウド体重計。タニタなど)
載のSDカード ・血圧計などでも同様の動き。トータルヘルスケアという概念が出ているらしい。
・レジに設置するとデータを自動的に吸い上げて売り上げ管理できる。バイトのお釣りごまかしが減ると言う副次効果あり。
ウエアラブル
90
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
8.製造分野
91
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
8.製造分野 (1/4)
新世代ネットワークを通じて、事業者内の製造ラインの稼働状況や製造品の品質等をモニタリングし一括管理。生産管理、品質管理。
研究開発や試作では高精細なシミュレーション技術を実現し開発を効率化。製造の生産性や付加価値向上、メンテナンス等の面も支援。
現状・課題(現在できていないこと)
概要
・従来工場では、製造装置や製造ラインなどでそれぞれ個別の
ネットワークが採用されるケースがほとんど。製造装置や製造
ラインそれぞれにおいてログとしてデータ取得を行っているもの
の、活用となると故障時に閲覧する程度。分析や解析など、そ
れ以上のデータ活用は一部を除いてあまり進んでいない。
・IoTやビッグデータ分析などには、基礎となるコンピューティング
パワーの他、高度なセンサー技術やネットワーク技術、データの
処理技術などが必要。これらの設備をそろえるには、従来1企
業が投資するのに大きなリスクを伴うような金額規模が必要と
なり、容易には扱えなかった。
・従来製造現場ではICTは活用されていても個別で使われる
ケースがほとんどで全体を統合するような動きはそれほど進ん
でいなかった。
・製造装置は長時間稼働させ続けるものも多い。製造中に故障
が発生すれば、生産計画の変更なども含め計画外コストが発
生。
• 現状、製造装置の稼働状況や製品の品質の状況などは各拠
点内にて管理しており、拠点間のリアルタイムな情報共有はで
きていない。また製造工場と小売、物流、部品メーカーなど異
業種間の情報共有はそれぞれカスタムメイドなシステムによっ
て実現されており、導入コストや運用コストが大きい。
• 最終製品のライフサイクルのスピードは速まり、現在の生産自
動化システムのエンジニアリングが間に合わなくなってきている。
• オートメーション化(自動化)を図ると、そのセッティングが終
わった頃には次の新しい製品に変わっているという状況では
機械による自動生産は難しい。柔軟に生産ラインや生産品目
を変更できる人手によるセル生産方式の方が向いている。し
かし人件費が高い先進国では、人手を掛ける生産方式はコス
ト面で不利になる。
• 「簡単に短時間で設定可能な自動化」が必要。
新世代ネットワークでできる可能性があること
概要
・製造装置とそれを制御するPLC(プログラマブルロジックコントロー
ラー)、また製造ラインとそれを制御するPLC、工場のオフィス環
境などをネットワーク化し、製造装置の稼働状況や製品の品質の
状況などをリアルタイムで把握。ビッグデータを活用した分析によ
り装置障害における予測を実現し通知。また製造装置から収集
した情報を監視することで品質の向上や安定化など。
・保守・保全業務の効率化。保守・故障データを一元管理し保守員
の最適配置
・ヘッドマウントディスプレイとウェアラブルキーボード、AR技術など
を組み合わせた現場業務の改善システム。AR技術により、あら
かじめ作業現場に配置されたQRコードを読み、必要な作業内容
をウェアラブルデバイスに表示、さらにその結果をウェアラブル
キーボードで入力することで、作業員の負荷を大きく低減させる。
・設計段階から生産するロボットへの工程指示までを全てシミュレー
ションで行い試作数を極力減らすなど。
・技術がより使いやすくなり、コストも大幅に低減、より多くの企業で
簡単に扱えるようになってきた。
・ICTの能力を製造現場に取り込むことで抜本的に製造の生産性
や付加価値の向上。
・製造装置の稼働状況や履歴などのデータを取得し、故障時期を
高い精度で予測することができれば、保守やメンテナンスを計画
通りに行うことが可能。計画外費用やメンテナンスコストをなどを
大幅に低減。
• 各拠点内で発生した部品在庫等の情報をリアルタイム且つ詳細
に拠点間で共有できるようになる。これによりSCM(Supply
Chain Management)やERP(Enterprise Resource Planning)
の精度が飛躍的に向上し、在庫管理や流通の更なる最適化を実
現できる。
それぞれの機器の徹底したシンプル化と自律化で、最終的には生
産ラインや工場が1つの自律的な生産能力として、販売状況などを
考慮して生産調整などを自動で行い、常に最適な生産を維持でき
るようにする。
参照: http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1405/22/news039.html インダストリー4.0関連記事
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1411/12/news108.html インダストリー4.0関連記事
92
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
8.製造分野 (2/4)
現状・課題(現在できていないこと)
新世代ネットワークでできる可能性があること
国内企業のIoT利用率は4.9%、産業分野別では製造/資源セ
クターの利用率が最も高い。IoTの利用用途別に見た場合、自
社で保有する産業機器の稼働状態の見える化や故障検知など
「社内用途」がIoT利用企業の回答の9割を占める。
(IDC JAPAN 「2015年 国内IoT市場 ユーザー利用動向分析よ
り)
経済
指標
潜在的経済効果 (野村総合研究所 推計)
リモート監視によるメンテナンス人件費の効率化効果は、4兆7,380
億円。業務用エアコンのリモート監視による節電効果は519.7億円。
経済
指標
スマート工場に不可欠なFA機器・システム市場の合計は、2014
年で2兆5,494億円。世界的にICTを活用した製造現場の生産
性向上の動きが進み、2020年には4兆9,433億円が予測され
る。
(株式会社富士経済 推計)
IoTデバイスの2014年の稼働台数は5億5700万台。2014年~
2019年の年間平均成長率は11.4%で、2019年の稼働台数は9億
5600万台に達すると予測。IoTデバイスの普及余地は、モバイル/
クライアントコンピューティングデバイスに比べて相当に大きいと分
析(IDC Japan調査)
社会
貢献
少子高齢化による生産性の低下
社会
貢献
日本の製造業が持つ技術は最先端であるが、国際的な標準競
争には出遅れて気味(携帯電話はガラパゴス化と揶揄されてス
マートフォンへ移行した)
現行の
問題点
生産ラインもレゴブロックと同様に“プラグ&プレイ”のような仕
組みで使えれば、自由に組み合わせることで求めるものを求める
ように作ることができるようになる。そうなると、抜本的な効率化
が実現できる。そのためには「標準化」が重要。
労働力が減っても生産性を維持
柔軟な多品種少量生産、オーダーメイドの実現
工場内の工程横断的なデータ共有により、製品のライフサイク
ル(設計~生産~販売)が効率化・柔軟化し、複雑・多様な製
品の迅速な市場投入が実現。また、企業の枠を超えたデータ共
有により、サプライチェーンの最適化が実現し、多品種少量生産
を低価格・短納期で達成することが実現。
(経済産業省 情報経済小委員会 中間取りまとめ より)
技術
革新
直ぐに効果を生みやすい個別作業の自動化は進めるが、ものづ
くり全体の革新を行い、十二分に効果を生んだ状態でICTを導
入するといった中長期的な観点での取り組みが不足。
ものづくり現場には製造実績や品質情報、原価管理のデータが
溢れているが、それぞれ単体の目的のみに使用され、それらが
連携した活用になっていない。
(富士通総研 コラム 少子高齢化時代を乗り切るものづくり革新)
参照: http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20150903Apr.html
93
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
8.製造分野 (3/4)
研究開発に関して
テストベッドで検証すべき指標
社会経済的課題
研究開発課題
・サイバー攻撃対策
ダイムラーの自動車工場がウイルス感染し、
50分間の操業停止に追い込まれて約1,700
万ドルの損害が発生。
すでに国内でも自動車工場や半導体工場
がサイバー攻撃を受けて、生産ラインの処理
能力低下や生産ライン停止になった事例が
ある。
今後IoTが進むことで、今まで以上にセキュ
リティ対策が重要になる。
(IPA 重大な経営課題となる制御システム
のセキュリティリスクより)
・工場内に蓄積されたアナログデータのデジタル化を加
速化
・工場内の機器やシステムをつないで一括制御するた
めのデータ形式の標準化やミドルウェアの活用の推進、
SIer(システムインテグレーター)の確保
・データ収集プラットフォーム及びその活用のための解
析アルゴリズム・解析ツールの構築やデータ分析人材
の確保
・デジタルマニュファクチュアリングに関する国際標準化
の動きへの対応
・変化する需要に応じて柔軟性(動的性)のあるネット
ワークの仮装化、スライス化する技術
•
変化する需要に応じて柔軟性(動的
性)のあるネットワークの仮装化、スラ
イス化
■ドイツが描いている第4次産業革命「Industrie 4.0 Platform」
メルケル首相が推進する、スマート工場の実現を目指す産学官連携の取り組み。Industrie 4.0 Platformが支持するクラスタ「It‘s OWL」では、「システムの
自己最適化」「人と機械の連携」「インテリジェントネットワーク」「エネルギー効率」「システムエンジニアリング」などのテーマを扱う。この下に細分化された
47のプロジェクトがある。これに参加するのは、174の企業・大学・研究機関。
ドイツ政府はこれに5年間で56億円の予算確保を予定。さらに参画企業からの出資84億円があり、合計140億円規模の活動。
参考
情報
■アメリカでは巨大企業が牽引し、政府が支援(インダストリアル・インターネット) http://www.ge.com/jp/company/industrial_internet/
企業グループがコンソーシアムを組んで推進する。米国政府もSmart America Challengeという取組を行っているが、取組を主導しているのは企業。
製造業:IIC(GE), TSN(自動車) 、スマートホーム:Thread(グーグル), AllSeen(クァルコム), OIC(インテル),Homekit(アップル) 、ヘルスケア:IIC, OIC 、
エネルギー:IIC 、運輸:IIC 、行政:IIC など
※IIC:Industrial Internet Consortium(国内企業では、トヨタや日立、東芝、三菱電機、富士通、NEC、富士フイルム、富士電機が参加)
※OIC:IoTデバイスのインターフェイスなどに関する標準化団体「Open Interconnect Consortium」(インテルやサムスンが中心)
参照:http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/201403/2014-3-1.html
総務省「ICT分野の革新が我が国社会経済システムに及ぼすインパクトに係る調査研究」 (平成25年)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h25_04_houkoku.pdf
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/150317_15025.pdf
http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20150826Apr.html
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shojo/johokeizai/pdf/report01_02_00.pdf
https://www.ipa.go.jp/files/000044733.pdf
http://www.hitachi-solutions.co.jp/belinda/sp/special/column15/page03.html
94
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
8.製造分野 (4/4) 米国とドイツの動向
製造業のIoTでは、半ば独走気味のGEに対し、製造復権を目指しながら業界団体が乱立気味の米国。
製造大国の意地と存立を掛けて政財官学一体で取り組もうとするドイツ。この2大勢力が先行。
国名
米国
国策
• 2012年「Big Data R&D nitiative」(NSF, NIH, DOD,
DARPA等、2億ドル以上)
• IoT団体に対して政府は年間100万ドル以上投資
• SMART AMERICA Challengeはホワイトハウス直下のプ
ロジェクトでトライアルやExpo開催
• 2013年には280億円の政府予算、先端クラスターに
Max2億ユーロ助成「考える工場」が2億ユーロ獲得
• 2013年11月「Industrie 4.0 German Standardization
Roadmap案」発表IEC/ISO化の動向を整理・明確化
• 2025年までに米国と中国を抜いて輸出世界一を目指す
• 2014年多くのIoT団体設立
• 製造業:Industry Internet Consortium
• スマートホーム:AllSeen Alliance等々
• 2012年から製造業のファクトリーオートメーション(FA)分野
で開始
• 国策と共にSAP、Siemens, Bosh等巨大企業が参加
• 各々の分野でデファクトを押さえる巨大プレーヤーが中心
となって国際標準化へ向かう
• ホワイトハウスがトライアル
• IECでは既にIndustry4.0を念頭に置いたスマートマニュ
ファクチャリングの議論開始
• 国策で製造業強化
• SAP元社長が主導
• GE, IBM, インテル、Apple, Google, Qualcomm等
• SAP,Siemens, Bosh等巨大企業が参加
産業分野
ポイント
主な
プレイヤー
ドイツ
参照:IoT政策の動向 (自由民主党 IT戦略特命委員会資料)より
http://activeictjapan.com/pdf/20150521/jimin_it-toku_document_20150521.pdf
Global Iot 標準化団体の動向について~IoT標準プラットフォームとは?~ (一般社団法人組み込みシステム技術協会 IoT技術研究会資料)
http://www.jasa.or.jp/TOP/download/technical/IoTM2M-1_YRP.pdf
インダストリアルインターネットコンソーシアムが目指すもの
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1511/24/news067.html
平成26年度世界の製造業のパラダイムシフトへの対応調査研究 -ものづくりパラダイムシフト対応調査専門部会報告書報告書-
http://www.jmf.or.jp/houkokusho/1107/3.html
ドイツと米国が仕掛ける製造業のルール変更、 日本の製造業はインダストリー4.0にどう対処すべきか 株式会社フロンティアワン 鍋野 敬一郎 氏
https://www.youtube.com/watch?v=YqW_V44fJZg
日本の経済成長戦略 - IoTとCyber Physical Systemsと国際標準規格の動向と“Industry4.1J”の誕生
https://www.vec-community.com/ja/salon/2015/16
95
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
8.製造分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
学習し、自律的な(autonomic)動作をするネットワーク。データマイニング等の機能をクラウドだ
けでなくネットワーク側でも保有。センサネットワークを回したインターネットの障害・異常検知。
製造する物に応じた製造ラインの管理。
オプトアウト的ネットワーク
製造する物に応じた製造ラインの管理。
冗長トラヒックの削減
同じコンテンツに何度もアクセスする場合等の冗長トラヒックをネットワーク側で削減。(分野横断
)
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
膨大な数のセンサ等の端末が設置され、小さなパケットが、常時、多量に発生する状況におけるネッ
トワーク側でのサポート。もしくはセンサ側が高度化し情報処理・情報蓄積ができる場合のネットワ
ーク側でのサポート。(例:農業、交通・運輸、建築、安全・災害、エネルギー(スマートメータ―
等))
端末が密集した場所でのデー
タ通信
トラフィック量の時間変動へ
の対応
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワーク。(分野横断)
ビッグデータへの対応
ニーズに合わせて計画的な生産・供給。
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。(分野
横断)
災害対策
可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状態のネットワークをアドホック的に構築。(分野横断
)
遅延への対策
ブロードバンド
高精細・大容量のデータ転送の際に遅延が問題になる領域における、ネットワーク側でのサポート。
(例:ロボット手術、オンラインゲーム、高精度Push型配信、次世代携帯/等)
大容量のデータの伝送:時間変動する3Dデータを受信できるアプリが出現、発展した際のネットワー
ク側でのサポート。(例:CTやMRIの3D動画の伝送/等)
大容量のデータ送信時のネットワーク内での前処理を行う際のネットワーク側でのサポート。 96
8.製造分野:出典(参考文献・参照サイト)
<参照先>
1. http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1405/22/news039.html
2.「モノのインターネット」に関する経済レポート一覧
http://www3.keizaireport.com/feature/1373.html
3.インダストリー4.0が指し示す次世代工場の姿
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/subtop/features/industrie4/
4.Industrie4.0関連市場の実態と将来展望 2015 (概要)
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/150317_15025.pdf
5.産業機器向けIoT団体「IIC」、その狙い
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1501/22/news020.html
6.IoT政策の動向 (自由民主党 IT戦略特命委員会資料)
http://activeictjapan.com/pdf/20150521/jimin_it-toku_document_20150521.pdf
<官公庁等の報告書>
経済産業省
・「新ものづくり研究会」報告書
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/new_mono/report01.html
一般社団法人日本機械学会
・ インターネットを活用した「つながる工場」における生産技術と生産管理のイノベーション研究分科会
http://www.jsme.or.jp/msd/sig/cm/index.html
<民間企業の取り組み事例>
・富士通総研 ICTの徹底活用によるものづくり革新の実現
http://jp.fujitsu.com/group/fri/downloads/service/ict_manufacturing.pdf
・日本オラクル 製造業の競争力を左右するICT
http://itpro.nikkeibp.co.jp/active/pdf/data/2013/0731Oracle_ICT.pdf
・コンテック 製造業のための物流倉庫ソリューション(発電監視、倉庫管理)
http://www.contec.co.jp/solution/logistics/
・三菱電機 インダストリー4.0とは一味違う「IoTファクトリーコントローラ」
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1502/17/news097.html
<海外参考文献>
• S. Dais, et al., “Recommendations for implementing the strategic initiative INDUSTRIE 4.0,” National Academy of Science and
Engineering, 2013.
97
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
8.製造分野:SWGからの主な指摘事項
SWG会合での主な指摘事項
カテゴ
リー
製造
区分
概要
製造分野でのネットワーク活用に注目。センシング、3Dプリンタ、多品種少量生産等の観点から検討できるのでは
ないか。
※東京オリンピックでの活用についても検討。
98
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
9.エネルギー・鉱工業分野
99
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
9.エネルギー・鉱工業分野(1/3)
新世代ネットワークを通じて、全家庭、全事業所のエネルギー消費状況をモニタリングし、エネルギーの需給管理を実現。
再生可能エネルギーの量をモニタリングしながら発電量をコントロールし、電力の安定供給の実現と再生可能エネルギーの導入を促進。
現状・課題(現在できていないこと)
概要
• 需要家と電力会社等との双方向通信が可能な次世代送
配電ネットワークはまだ構築されていない。
• 電力会社等の検針・料金徴収業務に必要な双方向通
信機能や遠隔開閉機能を有した電子式メーター(狭義
のスマートメーター)。
• エネルギー消費量・料金などの「見える化」やホームエネ
ルギーマネジメント機能等も有したもの(広義のスマート
メーター)
• 上記の実現にあたって、
• 多量の小さなパケットを通信・処理できる環境が必要
• 需要家に係る個人情報の漏えいや、電力というライフラ
イン
• 通信システムの拡張性、信頼性、地域性を考慮した最
適な通信方式が選択できること。
参照:http://●●
新世代ネットワークでできる可能性があること
概要
■スマートコミュニティ
• 家庭やビル、交通システムをITネットワークでつなげ、地域
でエネルギーを有効活用。
• 風力や太陽光などの再生可能エネルギーが、住宅、ビル、
工場などに大量導入。発電状況をIT経由で把握。
• 変化する電力の需要と供給をITによってコントロールし、無
駄なく安定した電力の活用が可能に。
• 電気の使用量を家庭ごと、コミュニティ全体でエネルギー消
費状況を把握。エネルギーの見える化による「気づく省エ
ネ」へ。さらに、家計にプラスになるように自動的にコント
ロール。
• コントロールセンターで地域のエネルギー需給の実績や気象
情報を元に今後の需要や発電量を予測し、大規模発電所
が効率よく発電、需要の大きな部分を再生可能エネルギー
などが補う。コミュニティの中では、エリア間でエネルギーを
融通し合って効率的に利用。
■スマートマンション
• マンション全体でエネルギー管理、節電及びピークカットを
行い、エネルギーの効率的な使用や無理のない節電を実現。
• スマートメーターの導入により、提供されるエネルギー使用
情報を常時モニタリング。各家庭でスマートメータによりモニ
タリングされた情報が、コミュニティ単位で分析、活用される。
■エネルギーの管理にとどまらず、スマートメータを通じた生
活支援を行う
・帰宅にあわせて家電を操作
・洗濯ものの乾き具合にあわせたエアコン操作
・肌の状態にあわせた寝室環境コントロール /他
100
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
9.エネルギー・鉱工業分野(2/3)
現在できていないこと
新世代ネットワークでできる可能性があること
東日本大震災以降、電気料金の上昇。東京電力の家庭用
モデル料金で見ると、震災が発生した2011年3月分は6251
円。それが2014年9月分は8477円まで上昇。上昇幅は2226
円、率にすると35.6%増。
経済
指標
社会
貢献
現行の
問題点
天候の変化に応じてエネルギーの需給バランスは変動するた
め、精度の高い気象情報の予測ができれば供給量を事前に
調整することができる。
2015年4月8日の急激な気温の低下で、東京電力の予備率
(需要に対する供給力の余裕)は午前9時の時点で5%まで
低下した。(3%を下回ると停電の危険性がある)
ほか、太陽光や風力など自然エネルギーの発電量予測。
■検針員による定期的な訪問ではトラブル(水もれ等)が生
じていても検針のタイミングまで把握することができない。
LP ガスは遠隔の残量監視による配送合理化がすでに実現。
■スマートメーターのデメリットとして以下が指摘されている。
・雇用が減少
・通信セキュリティ
・正確な測定による電気使用料金の上昇※
注:従来の電力量計は経年劣化により実際の電力使用量よ
り小さな数値が出やすかった
ネットワークを経由した検針の仕組みは構築されておらず、人手
に依存している。
経済
指標
社会
貢献
計画的なエネルギー供給の実現。
電気・ガス・水道のピーク時の動向を把握することにより、
新しい料金設定が可能になる。
ピーク時の使用量が減り平準化すればインフラ整備を
計画に行うことができ、コストを抑えることができる可能
性がある。
運転管理も自動化・無人化できる部分が増える。
医療施設や信号機などを除外した計画停電を実施でき
る。
・ある程度リアルタイムに利用状況を把握することができれば、
異常があればすぐに対応することができるようになる。
自分が使用している電気・ガス・水道の量が「見える化」されると、
何をすれば節電につながるのか見え、節電や節水意識の向上に
つながる。
・離れた家族の利用状況が把握できると「見守り」にもつながる。
・豪雪地帯などでは検針員が訪問するだけでも大変な地区も平
野部と同じコストで検針が可能になる。
・停電時には通電状況が把握できると迅速な復旧につながる。
・ピークシフトへ対応しやすくなる
・電力・ガス・水道会社の検針等に係る人手の削減
・契約や解約の煩わしい手続きの簡略化
技術
革新
参照:原発停止だけじゃない、電気料金上昇の真相 (http://toyokeizai.net/articles/-/48133)
スマートメータの特徴 (http://スマートグリッド.net/smartmeter/about.html)
あわや予備率2%以下、季節外れの寒波で東京の電力需給がピンチに(http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1504/09/news075.html)
水道分野におけるスマートメーターに関する勉強会 資料 (http://www.jwrc-net.or.jp/kenshuu-koushuu/handout/smartmater.html)
101
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
9.エネルギー・鉱工業分野(3/3)
社会経済的課題
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
• エネルギーの消費が増え続け、石油など化
石燃料の価格が上昇し、地球温暖化の問
題も深刻化。太陽光や風力など再生可能エ
ネルギーを最大限活用し、一方で、エネル
ギーの消費を最小限に抑えていく社会が必
要。
• 自然を利用した発電は、天候によって発電
量が変化。かつ、電力の消費量も変化する。
エネルギーマネジメントにより、無理なく賢い
節電を進めることが重要。
• 需要(最大電力)が増加する一方で、環境
制約等から新規電源の確保は難しい。(米
国)
• 省エネ・低炭素社会の実現のためには、需
要家が自らのエネルギー情報を把握、利用
することで、省エネ意識を高め、各々の行動
変化を促すことが重要。
• エネルギー使用情報を活用した新しいサー
ビスの創出による国民の生活の質の向上、
関連産業の創出による経済の活性化(グ
リーンイノベーション)等にも期待。
• ユースケース別の要求データの水準に耐え
る粒度・タイムラグでの情報通信・処理がで
きる環境の構築。
• セキュリティを確保しながら、膨大な数の世
帯における、電気、ガス、水道等に係る情報
を授受し、状況を分析し、各種資源調達等
をコントロールするシステムの安定稼働
概要
• サイバー攻撃に耐えられるセキュリティを備え
た通信網の構築。
※すでに国内でも自動車工場や半導体工場
がサイバー攻撃を受けて、生産ラインの処理
能力低下や生産サイン停止になった事例があ
る
(IPA 重大な経営課題となる制御システムの
セキュリティリスクより)
• 我が国では、2010 年6 月に改定されたエネルギー基本計画において、「費用対効果等を十分考慮しつつ、2020 年代の可能な限り早い
時期に、原則全ての需要家にスマートメーターの導入を目指す」ことが示された。
• 政府の補助事業
• 平成21 ~23 年度:スマートメーター大規模導入実証事業を実施。一般家庭を対象に、期待される省エネルギー・負荷平準化効果に
ついて分析。北九州市等で、スマートメーターを活用したエネルギーマネジメントに関する実証を実施
• 平成23年度~:ガススマートメーターの実証を目的とした都市ガス計量機器高度化導入効果実証事業等を実施
• 「スマートコミュニティ・アライアンス」が2010 年4 月に設立。
• 各電力会社、各ガス会社においても、各種実証実験を実施。
• スマートメータをただのエネルギーコントロールの機器として使うだけでは、導入意義は認識されづらい。ユーザの生活に役立つアプリケー
ションを付帯させたものとして活用する必要がある。
参考資料:http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004668/report_001_01_00.pdf
https://www.ipa.go.jp/files/000044733.pdf
102
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
9.エネルギー・鉱工業分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理する。
区分
考えるネットワーク
オプトアウト的ネットワーク
冗長トラヒックの削減
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
概要(例)
学習し、自律的な(autonomic)動作をするネットワーク。データマイニング等の機能をクラウドだ
けでなくネットワーク側でも保有。センサネットワークを回したインターネットの障害・異常検知、
社会的ヘルスチェック(疾病・感染症発症状況の予知・把握、人々の生活における各種異常検知)
災害発生時にはセキュリティの制限を外す・緩和する等のオプトアウトの機能の搭載。(分野横断)
膨大な数のセンサ等の端末が設置され、小さなパケットが、常時、多量に発生する状況におけるネッ
トワーク側でのサポート。もしくはセンサ側が高度化し情報処理・情報蓄積ができる場合のネットワ
ーク側でのサポート。(例:農業、交通・運輸、建築、安全・災害、エネルギー(スマートメータ―
等))
端末が密集した場所でのデー
タ通信
トラフィック量の時間変動へ
の対応
夏場などのピーク電力の安定供給。
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワーク。(分野横断)
ビッグデータへの対応
機器のデータから稼働状況や機器の健康状態を把握して計画的なメンテナンス。
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。(分野
横断)
災害対策
可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状態のネットワークをアドホック的に構築。(分野横断
)
遅延への対策
ブロードバンド
高精細・大容量のデータ転送の際に遅延が問題になる領域における、ネットワーク側でのサポート。
(例:ロボット手術、オンラインゲーム、高精度Push型配信、次世代携帯/等)
大容量のデータの伝送:時間変動する3Dデータを受信できるアプリが出現、発展した際のネットワー
ク側でのサポート。(例:CTやMRIの3D動画の伝送/等)
大容量のデータ送信時のネットワーク内での前処理を行う際のネットワーク側でのサポート。
103
9.エネルギー・鉱工業分野:出典(参考文献・参照サイト)
<参照先>
(1)スマートエネルギーネットワーク最前線 (https://www.ssk21.co.jp/repo/R_R04P0146.html)
(2)スマートメータシステム(http://www.ssk21.co.jp/repo/R_R06V0017.html)
(3)2020年のスマートグリッド・コミュニティに向けたICTへの期待(三菱電機)
(http://www.soumu.go.jp/main_content/000138669.pdf)
<官公庁等の報告書>
経済産業省
・スマートグリッド・スマートコミュニティ
http://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/smart_community/
・スマートマンションの推進
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/smart_mansion.html
・スマートメータ制度検討会報告書
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004668/report_001.html
<自治体・企業等による具体的な取り組み例>
・東芝 スマートグリッド http://www.toshiba-tds.com/tandd/technologies/smartgrid/jp/index_j.htm
・スマートシティ企画株式会社 スマートシティプロジェクト http://www.smartcity-planning.co.jp/
・日立 スマートシティ http://www.hitachi.co.jp/products/smartcity/
・トヨタホーム スマートハウス http://www.toyotahome.co.jp/smarthouse/
・ミサワホーム スマートハウス http://www.misawa.co.jp/smarthouse/
・大和ハウス スマートハウス http://www.daiwahouse.co.jp/live/smarthouse/
104
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
9.エネルギー・鉱工業分野:参考事例
事業者名
サービス名
JAXA/日本ユニシ GPM(全球降水観
ス
測)計画
コマツ
KOMTRAX Plus
NEC
エネルギー需要予
測ソリューション
野村不動産株式会
社/ジェイアール西
日本不動産開発株
式会社/株式会社
長谷工コーポレー
ション/株式会社ま
いぷれwithYOU/関
西電力株式会社/
三菱電機株式会社
/尼崎市
『「ZUTTO・ECO ま
いポ」導入による持
続可能な省エネ・地
域活性化』の推進
URL
http://www.unisys.co.j
p/news/nr_141128_e
ms.html
http://www.itmedia.co
.jp/smartjapan/article
s/1412/01/news03
1.html
http://www.komatsukenki.co.jp/service/pr
oduct/komtrax_plus/
サービス内容・その他
複数の人工衛星を使って、地球全体の天気予報や洪水予報を可能にするプロジェクト。人工衛星
には雨粒の位置を正確に観測する「二周波降水レーダー(DPR)」と雨の強さを測定する「マイクロ波
放射計」を搭載。これらの観測データをもとに、地球全体の降雨量などをリアルタイムに把握。日本
ユニシスは衛星からのデータと地上センサーからのデータを合わせて、太陽光や風力などによる発
電量の予測システムを開発する。再生可能エネルギーの中で太陽光と風力は天候によって発電量
が変動するため、各地域の送配電ネットワークで供給する電力を不安定にする可能性が問題視さ
れている。GPMによる正確な降水予測データを利用すれば、太陽光や風力の発電量を高い精度で
の予測が期待できる。日本ユニシスは膨大なデータをコンピュータで解析するビッグデータの手法を
適用しながら、研究機関や発電事業者と共同で予測モデルを開発。さらに実証実験を通じて予測
モデルの実用性を検証する。開発・検証した予測モデルはエネルギー管理システム(EMS)に組み
込んで、再生可能エネルギーを含む電力を安定供給できるシステムとして事業者に提供する予定。
太陽光や風力の発電量を正確に予測できるようになると、電力会社の送配電ネットワークに接続
できる発電設備を増やすことも可能になる。
鉱山向け大型機械の管理システム。遠隔地からでも衛星通信経由で、ほぼリアルタイムに車両の
「健康状態」「稼働状態」を把握する。稼働率の向上と修理コストの削減コンポーネントの状態を常
時モニタリング。劣化による故障を未然に防ぐための最適オーバーホール時期の提案、コンポ寿命
延長のための提案を実施。異常の早期発見による休車時間の低減、修理コスト削減につなげる。
社員の勤務状況や気象情報など、電力使用量に影響する多種多様なデータを、NEC独自の「異種混合学習
http://jpn.nec.com/bi 技術」で分析し、将来の電力需要を高精度に予測することで、省エネや環境に配慮した社会の実現に貢献。
gdata/example/value. ・電力使用量に影響を及ぼす多種多様なデータから電力使用量に影響する因子とその重みづけを自動算出
html#value02
・手間のかかる複雑なデータ分割作業を人手で行うことなく分析を実行
・時間・日・週・月単位で将来の電力需要予測が可能
JR塚口駅前で開発事業者らが計画を推進する「ZUTTOCITY」において、住居や商業施設に電気の使用量の
管理機器を設置することにより、電気の使用量を見える化し、街区全体の電気の需給状況を、街区に設置し
たデジタルサイネージでリアルタイムに表示。
また、尼崎市全域において、新たに、地域通貨ポイント「ZUTTO・ECO まいポ(まいぷれポイント)」を導入し、夏
冬の電力需要がピークとなる時間帯に電力需要を下げるため、電力需要者に節電を要請、地元の商店や駅
http://www.mitsubishi
ビル等に外出していただいた場合に通常時の2倍のポイントを付与することで、デマンドレスポンスを進めると
electric.co.jp/news/2
ともに、地域通貨ポイントの有効活用を行い、地域の活性化を図る。
015/0619-b.pdf
地域通貨ポイントを連携させたデマンドレスポンスにより、特定の自治体全域にまたがる省エネ・地域活性化
の取り組みを行うのは、日本初。
地域通貨ポイントの利用可能店舗については、順次拡大予定。
市民に付与する地域通貨ポイント「ZUTTO・ECOまいポ(まいぷれポイント)」の原資は、HEMSを導入する住宅
1戸当たり3万円の補助金から捻出。
105
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
9.エネルギー・鉱工業分野:SWGからの主な指摘事項
SWG会合での主なご発言内容
カテゴリー
エネルギー
区分
概要
スマートメータの活用や売電などで、将来のネットワークの活用方法等が検討できるのではないか。
106
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
10.流通・物流分野
107
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
10.流通・物流分野(1/4)
・新世代ネットワークにより、複数企業・複数ドメインにまたがったシステムを柔軟かつセキュアに連携することが可能となる。
従来不可能であった高度なビッグデータ処理や、高付加価値サービスを実現
現在できていないこと
新世代ネットワークでできる可能性があること
・流通管理、在庫管理
・来店前から店内までの顧客行動の把握。現在では、スマートフォ
ンの位置情報を用いて、顧客がどの店とどの店を比較しているか
をある程度つかめるようになった。店内で棚の前を通過した人数
や商品を手にした人の数も、各種センサーで知ることができる。あ
るいは、ID-POSデータなどを活用して、店内外、リアルとネットと
いう2軸での顧客行動の統合。
・価値観が多様化し、従来型のマーケティングが通用しなくなってき
ている。勘や経験に基づく意思決定から、データに基づく意思決
定が求められている。
・単身世帯の増加などを受けて、夫婦と子供で構成される“標準”
世帯は減少。世帯の構造が変わり、販売チャネルのコアターゲット
も変化。
・商圏の多様化・複雑化も進み、同じ駅であっても西口と東口では、
商圏がまったく異なることがある。全店一律の品揃えでは対応で
きなくなってきている。
・データが大量・多様になり、人間では大まかな傾向さえつかみきれ
なくなってきており、データを活用するためには、仮説づくりを含め
てコンピュータに担わせることが必要に。
概要
・気象情報などの各種データや、SNSなどのビッグデータを活用し
たより高精度の需要予測
・単純にモノを企業から小売・顧客へと運ぶだけではなく、 より付
加価値の高いサービスが求められるようになってきている
概要
ビッグデータを活用し、収益へつなげる。
1.目的の明確化。向上させるべき具体的アウトカムを明示。
2.アウトカムに関連するデータをヒト・モノ・カネそれぞれの分野で
幅広く取得。
3.人間の仮説に頼らず、コンピュータを使ってデータから逆推定。
・ホームセンターでの実証実験では、センサーによって動線だけでな
く、いつ誰と誰が何分間対面したかなどの情報を取集。あらゆる
情報を取得し、6000の軸で顧客行動における影響の連鎖を分析。
その上で、店内の高感度スポットを特定し、その場所にスタッフを
配置した結果、客単価15%アップ。
・リアル店舗とECサイトの顧客情報や在庫情報等の一元化による
オムニチャネルの浸透
・高度な需要予測に基づいた製造・卸売・販売・物流のサプライ
チェーン全体でのリアルタイム在庫管理による全体最適化
・ロボット技術や自動化技術の活用による効率的な物流システムの
構築
・飲食店の調理設備がIoT化されると人間に依存せず、安定した品
質で商品を提供すること(新人スタッフでも熟練スタッフと同じ品
質でコーヒーを淹れられる等)ができるようになるとオムニチャネル
化が進む
参照:http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shojo/johokeizai/pdf/report01_02_00.pdf
108
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
10.流通・物流分野(2/4)
・新世代ネットワークにより、複数企業・複数ドメインにまたがったシステムを柔軟かつセキュアに連携することが可能となる。
従来不可能であった高度なビッグデータ処理や、高付加価値サービスを実現
現在できていないこと
概要
・現在、(大規模)小売店では米Amazonの配送料無料サービス
に対抗するための商品管理・配送の最適化を図っている。具体
的には、在庫のリアルタイム把握、オンライン購入予約、店頭受
け取り、店頭在庫切れ、およびオンライン購入の際の最寄りから
の配送、等である。
・1. 現状は、在庫確認だけであるが、将来的には、在庫のある
別店舗で担当者が商品の状況をその場でカメラで見せながら購
入サポートする、という遠隔購入サポート、といった形態考えられ
る。
・2. 現状は、配送における予想所要時間は標準所要時間から
算出していると考えられるが、将来的には、その時点でのリアル
タイムな交通状況を加味した配送時間算出、またルート等の最
適選択が行われると考えられる。
・3. 現状は、小売店の店頭、あるいは配送センターを起点とし
た配送の最適化が行われているが、特に鮮度が重要な商品、あ
るいは少数生産品についてはメーカーからの直接配送での配送
の最適化が検討されると考えられる。
・4. 現在、小売店(に限らず各領域で)ではコンテンツの提供・消
費のためのプラットフォームの構築を進めている。これらのプラッ
トフォームを通じてリアル店舗との相乗効果による購入・消費の
拡大を進めるためである。また、そのプラットフォームへのわかり
やすい入り口を提供する観点からMVNOネットワークサービスの
提供も進めている。現在は主に静的コンテンツの提供のみであ
るが、将来的には動的コンテンツ(ライブ中継)などに拡大してい
くことが考えられる。(プラットフォームを通じて、小売店店頭や生
産現場のライブ中継を見る、ライブパフォーマンスを見る、な
ど。)
参照:http://●●
新世代ネットワークでできる可能性があること
1. 高品位な映像配信を可能にするネットワークインフラ。
また、動的なネットワーク接続、認証認可などにより接続
を容易に。
2. 多数の状況を自動的に収集可能なセンサネットワーク・イ
ンフラ。
その大量の情報から最適経路・最適挙動を動的算出する
システム。
3. 2.と同様
4. 1.と同様
概要
109
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
10.流通・物流分野(3/4)
現在できていないこと
経済
指標
社会
貢献
現行の
問題点
■2013年度の物流17業種総市場規模は前年度比105.5%の
19兆7,550億円
2013年度の物流17業種総市場規模は、前年度比105.5%の19
兆7,550億円であった。消費増税に伴う駆け込み需要の発生、東
日本大震災の復興需要の本格化、また通信販売市場およびコンビ
ニエンスストア等における低温食品分野の伸びにより、物流需要が
拡大した。
■増加基調が顕著なのは「システム物流」および「普通倉庫」
物流17業種別にみると、増加基調が顕著に見られるのは「システ
ム物流」および「普通倉庫」である。システム物流の2013年度の市
場規模は3兆9,000億円であり2008年度比118.2%、普通倉庫
については同年度2兆円であり2008年度比117.6%と、それぞれ
大きく拡大している。
(矢野経済研究所 物流17業種に関する調査結果 2015)
新世代ネットワークでできる可能性があること
■潜在的経済効果 (野村総合研究所 推計)
販売促進効率化
約9,894億円
・自販機のPOSデータと他のデータの組み合わせ分析
・流通チェーンへのPOSデータ分析によるレジクーポン配信
・食料品スーパーでの顧客購買データ分析によるレジクーポン配信
発注量最適化効果
経済
指標
流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品等の日常の買物が困難な
状況に置かれている人々のこと。徐々にその増加の兆候は高齢者が多く
暮らす過疎地や高度成長期に建てられた大規模団地等で見られ始める。
経済産業省では、その数を700万人程度と推計。
1. 遠隔購入サポート: 高品位な1:1での動画転送はまだ難しい。(特
にフレームレートの点で。)また、ユーザが保持する手元のスマートデ
バイスで動画をやりとりすることを考えると、認証やネットワーク接続
を簡単に行うことが出来ない。
2. リアルタイムな配送最適化: 道路状況、ロジスティクス業者の状
況(たくさん荷物を請け負っているなど)を考慮したリアルタイム配送
最適化を実施するためには、多数地点の状況を把握(センサネット)
でき、それを元に判断できる大規模なシステムが必要であるが、状
況の把握、判断システムとも現状では難しい。
3. メーカー直送を考慮した配送最適化: (2.と同様)
4. ライブコンテンツの提供: ライブコンテンツの大規模な配信のた
めには専用のインフラが必要であり、現状では限られた業者・シス
テムのみ(youtube,ニコニコ動画、ustream等)が対応可能である。
社会
貢献
技術
革新
約1,635億円
・アパレル製造小売での店舗売上・発注データ分析による発注量最適化
・ 100円ショップでのPOSデータ分析による発注量予測
・食品製造小売におけるPOSデータ分析による販売予測
• 2014年 国内ビッグデータテクノロジー市場規模は444億円、前年比成長
率39.7%と拡大を継続
• ユーザー企業のビッグデータテクノロジーへの取り組みの二極化が進む。
先駆的企業から一般企業へユーザー層が拡大する一方で、取り組みを
行わないとする企業も増加
• ユーザー企業の増加と質的転換により市場は2014年~2019年の年間
平均成長率27.0%で拡大し、2019年に1,469億円に達すると予測
(国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場 企業ユーザー分析結果およ
び市場予測 IDC Japan株式会社)
2014年度の通販の売上高は、前年比4.9%増の6 兆1,500 億円となり、
金額ベースでは前年に比べ2,900億円の増加。
(日本通信販売協会)
→時間や場所の制約なく買い物ができるようになる
・端末とクラウドの間でデータ処理をすることで遅延を防ぐ
モノのネットワーク化を前提としたエコシステムの構築
・プログラマブルネットワークを活用した機能配置や処理分散に
より、セキュリティの確保やサービス連携、 低遅延化によるサー
ビス性能向上や省エネルギー化を実現
参照:総務省「ICT分野の革新が我が国社会経済システムに及ぼすインパクトに係る調査研究」 (平成25年)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h25_04_houkoku.pdf
http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20150521Apr.html http://www.yano.co.jp/press/press.php/001377
http://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/kaimonoshien2010.html
新世代ネットワーク推進フォーラム
110
アセスメントWG
10.流通・物流分野(4/4)
社会経済的課題
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで
検証すべき指標
• 実店舗、オンラインストア
など多種多様な販売・流
通チャネルを統合し、どの
チャネルからもシームレス
に商品を購入できる環境
(オムニチャネル)の実現
• オフライン→オンラインの
流れはできつつあるが逆
の流れを呼びこむ仕掛け
が無い
• 収集データに対するセキュ
リティと責任
• 大量のトラヒックの伝送お
よびビッグデータの計算処
理に必要となるエネルギー
・実店舗においてもオンラインとの強固な連携が必要であるが、そのた
めの投資コストが高い。経済的な実店舗のオンライン化が必要
・オンラインの商品参照を契機としてオフラインの物流が動作し、実店舗
につながるヘテロなIT環境の連携
・ビッグデータの活用と収益化
1.目的の明確化:向上させるべき具体的アウトカムを明示。
2.アウトカムに関連するデータをヒト・モノ・:カネそれぞれの分野で幅
広く取得
3.人間の仮説に頼らずコンピュータを使ってデータから逆推定
・セキュアなデータ共有・サービス連携
・来店前から顧客行動を収集(リアル+ネット)
・収集データをセキュアに各種サービスで利用
・プログラマブルネットワークによりサービス連携用の基盤を動的かつ迅
速な構築
・セキュリティ確保やデータ共有のためのデータ加工処理機能をネット
ワーク中に自由に配置
・必要なエネルギーや遅延を考慮した機能分散・処理分散
・ O2O, 店内顧客情報の
把握、物流を含めたオン
ライン・実店舗連携プラッ
トフォームを想定。
・マルチテナントによる利用
とそれらの分離
・ヘテロなネットワークシス
テム間のセキュアな接続
・ネットワーク層でのセキュ
アな暗号化技術とシーム
レスなネットワークの検討
が必要
参考
情報
2013 年の国内データ流通量は8 年前の約8.7 倍となったほか、2012 年には60.9 兆円に及ぶ売上向上効果に寄与するなどデータ活用は様々な価値を
創出。(総務省 平成26年度情報通信白書)
ホームセンターでの実証実験では、センサーによって動線だけでなく、いつ誰と誰が何分間対面したかなどの情報を取集。あらゆる情報を取得し、6000の
軸で顧客行動における影響の連鎖を分析。その上で、店内の高感度スポットを特定し、その場所にスタッフを配置した結果、客単価15%アップ。客単価
の15%向上は、同ホームセンターの営業利益率を5%から10%に倍増させるほどのインパクト。
(日立製作所中央研究所 矢野和男主管研究長)
ダイドードリンコはZの法則に従い、主力シリーズ「ブレンドシリーズ」を左上に配置していた。しかし、自動販売機にアイトラッキングを取り付けて調査したと
ころ、自動販売機に限っては下段に視線が集まることが分かった。
そして、下段に主力製品を配置したところ、売り上げが前年比1.2%増となった。
コンビニ大手ローソンではポンタの導入により「ほろにがショコラブラン」が「1割のヘビーユーザーが6割の売り上げを占めている」といったことがわかるよう
になった。この商品は菓子パンの売り上げ順位では31位(取材時点)で、決して「売れ筋」ではない。
何も知らなければ発注は止まってしまう。しかしデータを分析すると一部の女性から頻繁にリピートされていることがわかる。
このパンはローソンにしかない商品だ。品切れとなれば、大事な顧客を逃すことになる。順位だけでは、本当の支持率はわからない。
参照:http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20150521Apr.html http://www.yano.co.jp/press/press.php/001377
新世代ネットワーク推進フォーラム
http://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/kaimonoshien2010.html
111
アセスメントWG
10.流通・物流分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
ネットワークおよびコンピュータの利用コストを踏まえたビッグデータの収集・分散処理
オプトアウト的ネットワーク
セキュリティ上問題のある企業などにはビッグデータ送信を遮断するなどの情報のオプトアウト機能
(企業間あるいは企業ユーザ間)
冗長トラヒックの削減
センシングデータ等のビッグデータ事前処理や、流通倉庫内ドローン等の撮影する映像の圧縮処理に
よるトラヒック量削減
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
端末が密集した場所でのデー
タ通信
従来の顧客側サーバからネットワーク内に分散配置したサーバへの処理のオフロード
トラフィック量の時間変動へ
の対応
クラウドと連携した負荷分散
アプリケーションとネットワー
クの連携
ユーザ側情報の蓄積先、利用先の把握・追跡
ビッグデータへの対応
クラウド型のビッグデータ処理からネットワーク分散型のビッグデータ処理(関連:フォグコンピュ
ーティング)
品薄状態や過剰在庫を抱えないよう重要と供給のバランス管理。
セキュリティ対策
荷物関係者のみアクセス可能
災害対策
重要な荷物の識別(救援物資等)
「必要なところ」、「必要とするタイミング」で救助や物資の輸送。
遅延への対策
物理構成を考慮した仮想ネットワーク構築・機能配置や、コンピューティング資源量とビッグデータ
処理にかかる計算時間を考慮した分散処理による遅延最小化
ブロードバンド
-
112
10.流通・物流分野:参考事例
事業者名
サービス名
日立製作所中央
研究所
ヒューマンビッ
矢野和男主管研 グデータ
究長
佐川グローバルロ 館内配送、物
ジスティクス
流、倉庫
ヤマト運輸
館内配送、物
流、倉庫
セブン&アイホー 第6次総合情
ルディングス
報システム
カルチュア・コンビ
ニエンス・クラブ
データベース
株式会社
マーケティング
(Tポイント)
CCCマーケティン
グ株式会社
URL
http://www.hitachi.c
o.jp/rd/portal/rese
arch/crl/14/ic_01/
01.html
http://www.hitachi.c
o.jp/New/cnews/m
onth/2015/09/09
25.pdf
サービス内容・その他
職場やコミュニティなどの社会を、人と人とのコミュニケーションで形成されるネットワークとして捉え、ネット
ワークの形態が思考や行動に影響することを科学的に解明。これに基づき社会や企業を変革する新しい
情報システムを構築。
2015年3月~6月にかけて三菱東京UFJ銀行で一部の工員がウェアラブルセンサを装着して業務、収集
したデータから組織の生産性と相関性が高い「組織活性度」を算出する試行実験を実施。これは人工知
能技術を用いて業務の生産性や業績の向上といった組織の大きな目的と関連する事象や条件の組み合
わせを自動的に抽出するもので目的の達成につながる具体的な仮設と改善施策の立案に活かす。
従来、設定・分析できる仮設は分析担当者の知識・経験や、時間、労力に限定されてきたが、本技術によ
り利用できるデータ範囲が広がり、新たな仮設を発見できる可能性が高まる。
※村井ルートでアクセス中(物流(国内外)、館内配送、倉庫等の経験者)
※取材の対象についての確認あり。
ロジスティクス事業であれば佐川グローバルロジスティクスで対応。
個別のデリバリー(配送)に関する内容であれば佐川急便になり管轄が変わる。
http://www.yamato
-hd.co.jp/hnd館内配送、物流、倉庫管理をITを経由して一元管理。羽田クロノゲートに見学コースあり。
chronogate/visitorto
ur.html
セブン-イレブン・ジャパンは、「単品管理」を実現するための独自の情報システムにより、店舗・本部・共同
配送センター・取引先を結ぶ世界最大規模の情報ネットワークを構築し、店舗運営の効率化と収益の最
http://www.7andi.c 大化を図っている。セブン-イレブン・ジャパンの情報システムは災害などの不測の事態においても、店舗
om/company/conve の継続的な運営と店舗経営のバックアップが維持できるよう国内2ケ所にホストコンピューターが設置され
rsation/1701/1.ht ており、どちらか一方でのシステム運用ができない場合でも業務機能を維持することが可能。2015年より
ml
セブンイレブンを全国9地区、イトーヨーカ堂を全国13地区に再編し、店舗のある地域の嗜好を反映した
地域限定商品の比率を高める。全国に商品調達や開発の担当者を配置し、2017年度までに地域限定
商品の比率を現在の1割から5割にまで引き上げる予定。
日本最大級の共通ポイントサービス「Tポイント」を運営。2015年1月末の時点で、「アクティブ」(=直近1
年間にTポイントを利用している)、かつ「ユニーク」(=Tカードを複数枚所持している方を1人として数え
る)な名寄せ後の利用会員数は5,242万人。加盟店舗数は122社348,803店舗。Tポイントのデータベー
http://www.ccc.co.j
スには、消費者の「性別」「年齢」「住所」といった基本属性から、「いつ」「どの店で」「何を」というTポイント
p/business_outline/
提携先での購買履歴、「好み」や「趣味」といったアンケート情報までのビッグデータが格納されている。こ
db-marketing/
のデータは日々増大。購買履歴だけでも月1億件以上が新たに登録されている。「1件」とは、レジで発行
されるレシート1枚分。この中には各商品の明細情報が含まれているため、実際には数倍から数十倍の
http://special.nikkei
データが毎月蓄積されている。この大量のデータを活用し、顧客企業のマーケティング支援サービスを行っ
bp.co.jp/as/20140
ている。顧客から依頼を受けたCCCは、綿密なヒアリングを基に必要なデータの種類や粒度を定義。その
7/sap_ccc/
後、そのままでは意味を成さないデータ群を、有益な情報が得られるように関連付けた「分析モデル」を構
築し、データ分析を実行する。これにより、膨大なデータから顧客のマーケティング活動に役立つ情報を抽
出し、改善策などの提案につなげることが可能になる。
113
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
10.流通・物流分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
http://www.toppan
凸版印刷
Cylseeジオ
.co.jp/news/2013
(シルシージオ) /03/newsrelease
1484.html
WORLD
BUSINESS
かうかもPlus
CENTER Co.,Ltd.
http://www.wbc.co
.jp/
http://iphone.ascii
.jp/2015/02/25
/884549/
https://hands.net/
app/
東急ハンズ
東急ハンズアプ
http://moduleapps
リ
.com/mobilemarketing/20150
106_tokyuhands/
サービス内容・その他
位置連動型コンテンツ配信O2Oソリューション。
■街中、屋内施設、レジ横などの場所と利用者の距離に応じてコンテンツを配信可能
利用者が、専用のスマートフォンアプリをインストールし、そのアプリを起動することで、街中、
屋内施設、レジ横などの距離に応じて、利用者に最適なコンテンツを受け取ることが可能。
GPS計測により、街中で店舗へ誘導するクーポンを配信し、大型商業施設などの屋内で目的
店舗のキャンペーンを告知し、商品購入時にレジ横のNFCシールをタッチすることでインセン
ティブを渡す、統合した販促施策が実施可能。アプリケーションは、利用企業の要望に応じて
カスタマイズ開発して対応。
■Bluetooth機器を利用したジオフェンシング方式による省電力化、通信機器の小型化
Bluetooth機器「BLUETUS」を活用することにより、Wi-Fi機器や音波発生器などを利用した他
の方式と比較し、省電力化と小型化を実現。
AndoridやiPhoneなどスマートフォンの電池消耗を抑えるとともに、小型な「BLUETUS」の採用
により店舗内の機器設置スペースに困りません。「BLUETUS」は面倒なペアリングやパスワー
ド入力などの認証操作を省き、誰でも簡単に情報を受信することができる。また電波ノイズや
騒音にも強く、複数の端末から同時に情報を配信することも可能。(※特許出願中)
■コンテンツ配信クラウドで場所や時間に応じたコンテンツ配信
専用コンテンツ配信クラウドで場所や時間に応じたコンテンツ配信を管理画面で設定可能。
■来店履歴、購買前の行動履歴などの行動ログのデータ分析に対応可能
GPS、Bluetooth、NFCの履歴を組み合わせることで、来店履歴や購買前の行動履歴など、利
用者の行動ログをクラウド上に蓄積し、データ分析に活用することが可能。
あらかじめ登録しておいた商品をアプリが定期的に価格をチェックして、商品の価格が下がった
ときにプッシュ通知するアプリを提供。
ウォッチしたい商品を、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazon、SHOPLIST.comほか、50サイト
以上を一括検索でき、キーワードやジャンル、対象ストアを絞り込んで検索できる。かうかもサー
バが定期的に商品の価格をチェック。バックグラウンドでアプリがチェックしているわけではない
ので、電池は浪費しない。
これまで会員カードで行ってきたサービスをアプリで提供するほかに、店舗で気になった商品をス
マートフォンでスキャンしておき、ほしいものリストが作成できる。リストに登録された商品は店舗
受け取りや自宅配送が可能。また、アプリ上で店舗の在庫確認ができるので店舗へ行って在庫
がないということがなくなる。
さらに、位置情報を使って店舗に近づくとセール情報やクーポンをプッシュ通知で配信。
114
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
10.流通・物流分野:参考事例
事業者名
NEC
サービス名
日配品需要予
測ソリューション
URL
http://jpn.nec.co
m/bigdata/exam
ple/value.html#v
alue01
http://jpn.nec.co
m/press/20150
4/20150410_0
1.html
かもめエンジニア
GUST
リング
http://kfep.jp/sol
ution/kfepgust
クックパッド株式
たべみる
会社
http://info.tabemir
u.com/
サービス内容・その他
ビッグデータ分析技術「異種混合学習技術」を活用し、店舗の過去の販売実績や商品廃棄数、
気象予報、カレンダー情報、イベント・キャンペーン情報など多様なデータの相関関係を解析する
ことで、日配品の商品毎の販売数を高精度に予測。
さらに、販売予測数と、店舗の在庫数・納品予定数を基に、適正な発注数を算出。
これにより、データ分析の専門家の経験や仮説検証ノウハウがなくとも適正な発注を実現し、日
配品の廃棄削減や在庫切れ防止、発注作業の効率化に貢献。
小売業の数十店舗で本ソリューションを活用した実証実験を行った結果、過去13ヶ月分の販売
実績などをもとに3日先までの販売数を高精度に予測し、日配品廃棄の約40%削減を実現。
・過去のデータを学習して消費者需要の予測式を生成
・予測式に、気象情報やカレンダイベント等の将来情報を入力し、未来の需要数を算出
・需要予測数、現在在庫数、納品予定数から適正な発注数を算出
ビッグデータをリアルタイムに処理する、ストリームデータ処理ツール。データが発生したタイミング
でリアルタイムに、高速にこれを処理。独自の分散処理技術により秒間数十万件以上の処理性
能で、遅延なく大量のデータを処理することが可能。
主に従来のビッグデータ関連製品の「前処理」として、データの抽出、集約、正規化などを行う。
リアルタイムにデータのモニタリングを行うことが可能となるため、膨大なデータの中から重要な
データを検知して、リアルタイムに必要なアクションを行うことが可能となる。
レシピサイト「クックパッド」の検索データを活用した食品製造業 / 流通業 / 小売業向けのデー
タサービスで、同サイトの検索キーワードを対象として、食材・地域・季節・食用シーンなどさまざま
な切り口での分析を可能とする。例えば「鍋」というキーワードが、いつ、どんな食材と組み合わさ
れて検索されているかを調べることができる。
2015年6月から新たにコンサルティングサービスを開始。
115
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
10.流通・物流分野:出典(参考文献・参照サイト)
■インタビュー先候補
(1)日立製作所中央研究所 矢野和男主管研究長
<事例>
(1)ここまで来た、ビッグデータ活用 (http://diamond.jp/articles/-/35105?page=3 )
(2)ネットワーク時代の流通業(http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/research/1999/report-51.html )
(3)アマゾン、無料配送はなくなるのか?小売業、アマゾンとの死闘で膨大なムダ排除&利益向上
http://biz-journal.jp/2015/02/post_8949.html
(4)セブン&アイ、地域限定商品を5割に、効率追求型から転換。
https://messe.nikkei.co.jp/rt/news/129904.html
<官公庁等の報告書>
産業構造審議会 流通部会「新たなライフラインとして生活と文化を支え、地域に根付き、海外に伸びる
流通業」 http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g120911aj.pdf
・オープンデータ戦略の推進(総務省の取組)
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/opendata/opendata03.html
<自治体・企業等の具体的な取り組み例>
・日立 日立流通分析ソリューション(高速処理により中間ファイル不要のビッグデータ分析)
http://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/select_menu/retail_bigdata_lab/pdf/retail_ana.pdf
・日立 客層分析型サイネージソリューション(顔認証と連動させたデジタルサイネージ)
http://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/select_menu/retail_bigdata_lab/pdf/retail_sai.pdf
・日立 かんたんH a d o o p ソリューションf o r ログ解析(Webサイトのアクセスログ分析)
http://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/select_menu/retail_bigdata_lab/pdf/Hadoop.pdf
・日立 人物カウントシステム(防犯カメラを活用して来客数や店内の人の流れを分析)
http://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/select_menu/retail_bigdata_lab/pdf/vnm0415.pdf
・NEC 顔認証技術活用マーケティングサービス(顔認証技術を活用した顧客分析)
http://jpn.nec.com/facus/
・NEC 画像認識サービス GAZIRU(携帯端末で撮った写真から付加価値情報や広告を配信)
116
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
10.流通・物流分野:SWGからの主な指摘事項
SWG会合での主な指摘事項
カテゴリ
ー
流通
区分
概要
流通にはコンピューティングがもっとも活用されているはずである。
例えば、自分の商圏がどれくらい本当にあるのか実は把握できていないことがある。大きいショッピングセンターで
の人の流れをビッグデータ解析すると、ここに売れ筋の商品を置くべきということがコンサルタントとは別にビッグ
データ解析から出てくるようだ。(日立のビッグデータで有名な矢野氏の講演)。ネットワークとして考えるとどうなる
かは不明。無線と絡めることができれば何かあるかもしれない。
※東京オリンピックでの活用についても検討。
117
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
11.金融分野
118
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
11.金融分野
金融の超高速取引ではミリ秒単位の時間差(レイテンシ)が莫大な利益を左右する。
フィンテック(FinTech)と呼ばれるIT を活用して革新的な金融サービスによって、産業・金融・ITを融合したイノベーションや新たな産業、資金の流れ
が生み出されようとしている。
現在できていないこと
概要
• アルゴリズムトレード(システムがマーケットの動向に応じて、自
動的に売買注文のタイミングや数量を決めて注文を繰り返す
取引)やHFT(高速高頻度取引:高速処理のコンピューターを
駆使してミリ秒単位で行う膨大な売買)ではミリ秒単位の時間
差(レイテンシ)が莫大な利益を左右する
• 光ファイバーはくねくねしているので遅延が生じ、金融のニーズ
を満たしていない(情報伝達速度が取引に追いついていない)
• 情報伝達を高速化のため、一部の証券会社は証券取引所内
にサーバを設置している(コロケーション)
新世代ネットワークでできる可能性があること
マイクロ波を利用することで、光ファイバーよりも数ミリ秒早く情報を伝送するこ
とができる。
真空中における電磁波、光の伝送速度は秒速30万kmであり、空気中でもその
速度に違いはほとんどない。一方、マイクロ波は2地点間をまっすぐに結ぶ最短
経路で行き来するため、光ファイバーに比べて経路が短い。
概要
国際金融センターに関する直近の調査をみると、東京市場は世界で4~7
位と評価されている。(内閣府資料より)
経済
指標
2016年の国内金融IT市場(銀行、保険、証券/その他金融の国内IT支
出)は2兆407億円、前年比成長率は0.6%とプラス成長を予測。特にメガ
バンクは3.0%で成長・多くの金融機関で収益拡大のための積極的なIT活
用を模索。「FinTech」関連のスタートアップ企業との連携を強化する大手
金融機関が増加・2016年以降、国内金融機関において「FinTech」の活用
が拡大するとみているが、活用拡大に向けて依然として課題が多く残る。
ベンダーによる支援がさらに重要になるとみている。
(IDC Japan株式会社 2015年 国内金融IT市場動向調査: 金融機関に
おける新しいIT戦略の動向より)
経済
指標
経済産業省の産業・金融・IT融合に関する研究会では、今後有望な技術分野
として以下が示されている。
• ブロックチェーンは金融機関のシステムコストを1/10~1/100に下げる技術と
も言われており、従来のFinTech企業ですら打撃を受ける可能性もある。
• ブロックチェーンのインパクトは絶大であり、インターネットの登場、Googleの
登場と同等の重要性を持つ。
• 銀行は制度変更等に際して発生するシステムの更改・保守のコストが高く、ブ
ロックチェーンによりコストダウンが図れることを期待している。
オンライン決済、自動融資、ロボアドバイザー(資金運用支援)、ブロック
チェーンなど世界のFinTech関連投資は、2014年には前年比で3倍の120
億ドル(約1兆4000億円)に膨れあがった。うち米国が95億ドル、欧州が15
億ドル、9億ドルがアジアという内訳になるという。 ここまで巨額の投資を
集めている理由には、FinTechの潜在市場の大きさがある。「1日当たりの
FX売上高は5兆ドル、運用アドバイスを受けていない資金が米国だけで13
兆ドル、有価証券の年間決済処理額は2000兆ドル。決済処理額の1%で
もロボアドバイザーやブロックチェーンが使われれば、20兆ドルの巨大な新
市場が生まれる」 (セレント シニア・アナリストのジョン・ドゥワイヤー氏)
(日経コンピュータ記事 潜在市場は20兆ドル…アナリストが語るFinTech
とブロックチェーン2.0 より一部抜粋)
アジア・パシフィック地域の金融テクノロジー(FinTech)投資は、2015年1
月から9月の9か月間で約35億ドルに達し、2014年の約8.8億ドルから急
伸。日本でのフィンテック投資も同期間において既に約4,400万ドルに達し
ており、2014年度の5,500万ドルに迫る勢いとなっている。
分野別にみると、決済業務(40%)が最も高い比率を占め、次に融資業務
(24%)と続いており、これまで銀行が独占していた領域での投資が大半を
占めている。(アクセンチュア最新調査より)
参照:http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/wg1/0418/shiryou_02.pdf
http://slashdot.jp/story/12/12/13/0735231/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/090100053/112000105/
http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20160107Apr.html
https://www.accenture.com/jp-ja/company-news-releases-20151125
新世代ネットワーク推進フォーラム
119
アセスメントWG
11.金融分野
金融の超高速取引ではミリ秒単位の時間差(レイテンシ)が莫大な利益を左右する。
フィンテック(FinTech)と呼ばれるIT を活用して革新的な金融サービスによって、産業・金融・ITを融合したイノベーションや新たな産業、
資金の流れが生み出されようとしている。
現在できていないこと
社会
貢献
現行の
問題点
新世代ネットワークでできる可能性があること
近年、フィンテック(FinTech)と呼ばれるIT を活用して革新的な
金融サービスを提供するベンチャー企業が現れ、流通など伝統
的な金融業以外の企業が新たな金融サービスを提供する動き
が、世界中で見られる。
この背景として、IoT・ビッグデータ・人工知能といった技術革新
が金融と産業のあり方を大きく変え、これまでは考えられなかっ
たような新たな金融サービスに対するニーズが顕在化しているこ
とがある。
(経済産業省 FinTech 研究会 資料より)
HFTでは情報伝達速度の格差を利用して一般投資家の注文情
報を補足し先行して取引が可能。一般投資家の「買い」注文に
先行して「買い」、一般投資家には高く「売り」注文を出す。これ
を高頻度で行うため、一般投資家には不公平が生じる。
社会
貢献
経済産業省の産業・金融・IT融合に関する研究会では、今後有
望な分野・主要プレーヤとして以下が示されている。
■ブロックチェーン、AIは金融機関の業務効率化に有効
ブロックチェーンによりシステムの保守・管理コストを下げら
れる可能性がある。また、AIはコンプライアンス分野で活用
できる可能性がある。
■地方活性化への貢献の可能性
例えば、従来資金調達が出来なかった事業者がクラウドファ
ンディングでの資金調達で新たな事業を拡大し、地方に新た
な産業が創出される可能性もある。
(http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/fintech/
001_giji.html)
機関投資家と一般投資家との情報伝達速度の格差是正。
技術
革新
社会経済的課題
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
• パーソナルデータの取り扱いについては、消費
者への説明と利便性推進が必要
理論上の数字で計算すると、金融企業が集中する
ニューヨークとシカゴをマイクロ波通信で接続した
場合、情報は7.96ミリ秒で伝送されることになるが、
現在の最先端技術を用いた場合の伝送時間は
8.5ミリ秒とまだ理論値には達していない。
データの共有に関する指針づくりが必要
技術的には実現可能だが、データ共有の明
確な指針がないため実用化は断念せざるを
得ないサービスも多く存在している
参照:http://slashdot.jp/story/12/12/13/0735231/
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/wg1/0418/shiryou_02.pdf
産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会) http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/economy.html#fintech
120
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
11.金融分野:仮想通貨(1/2)
■仮想通貨の概要
・不特定多数によるP2Pネットワーク上で維持される「実体のない情報」のやりとり
・銀行が中央集権的に行っている「残高の管理」(二重使用の防止)を、自由参加の不特定多数の人々が維持管理している
・「どのアドレスからどのアドレスへ、いつ、いくら送金されたか」がすべて記録・公開される
・ネットワーク上で取引情報が記録・承認されることで仮想通貨が信用される(個人での改ざんが難しい)
・ネットワークへの接続さえできれば世界中24時間即時決済が可能(接続が断たれた状態では未承認のままで事実上利用できない)
・取引を仲介する交換所と呼ばれるサービスがある
・個人で利用する場合、直接ネットワークに参加せずとも、交換所に現金を預け入れて交換所が持つ仮想通貨へ交換することができる
現在できていないこと
概要
・交換所に口座を開設して利用することができるが、交換所
の破綻により交換所の信用が低下
・政府や中央銀行が発行する通貨ではないため、各種リスク
は自己責任(誤送金、データ消失、価値急落など)
・法整備が進んでおらず、マネーロンダリング対策や顧客資産
保護が不十分
・二者間の送金自体は一瞬で行えるが、実際にはネットワー
クによる承認がなされないと第三者との取引には利用でき
ない(承認には10分程度を要する)
・国内ではお財布ケータイやSuica等が既に普及しており、手
軽な決裁手段としては普及していない(一方、海外では手
軽な決裁手段が乏しく革新的なものとして受け入れられた)
■採掘(保有・取引にあたり必須ではない)
・ネットワークの維持作業に対して支払われる手数料を「採
掘」と呼称するが、「採掘」には高度な演算処理が必要
・高度な演算処理をするにあたり、電気代がかさむため個人
での採掘は難しくなってきている
新世代ネットワークでできる可能性があること
概要
・実体のない情報に所有権を付与できる技術は「情報の所有権移
動システム」として機能する可能性がある
・特定のデータについて世界でただ一人のみが利用でき、その所有
権を自由に移動できるためコピーガードが不要になったり、著作権
管理のあり方が大きく変わる可能性がある
・2014年6月時点で仮想通貨は400種類を超えるが、広く受け入れ
られたものがスタンダードになる
ビットコインにおいては電子マネーと異なり、取引データを集中的に
管理する機関が存在しない。2009年1月のビットコインの誕生以来、
ネットワーク参加者がそれぞれデータを管理・更新し続けている。取
引記録の改ざんやコインの二重使用の可能性も排除されている。
これを可能としているテクノロジーが、ブロックチェーンである。
特定のデータ管理機関を必要としないため、その機関を運営・監督
するコストが不要となり、またセキュリティ攻撃が集中するリスクも低
下する。また不正が技術的に極めて困難であるだけでなく、不正を
試みるよりもデータの管理・更新に正当に貢献する方が、経済合理
的となるようなインセンティブ・メカニズムがビルトインされている。
(野村資本市場研究所 資本市場クォータリー 2015年秋号 ブ
ロックチェーンと金融取引の革新より一部抜粋)
参照: 一般社団法人デジタルマネー協会(http://www.digitalmoney.or.jp/)
野村資本市場経済研究所 資本市場クォータリー 2015年秋号 ブロックチェーンと金融取引の革新
( http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2015/2015aut03.html )
121
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
11.金融分野:仮想通貨(2/2)
現在できていないこと
新世代ネットワークでできる可能性があること
価値記録は600種類以上存在。
価値記録全体の時価総額は7,500億円(2015年11月9日現在)
91%がビットコイン(6,857億円)
(一般社団法人日本価値記録事業者協会作成 金融審議会資料より)
経済
指標
社会
貢献
現行の
問題点
サンタンデール・イノベンチャーズは、ブロックチェーンのアイデアに基づく分
散型元帳管理を銀行業務に適用した場合、2022年までに銀行業務のコ
ストを年間150億ドルから200億ドル削減できる可能性があるとのレポート
を発表している。
(野村総合研究所 ブロックチェーンの仕組みとその可能性より一部抜粋)
調査会社グリニッジアソシエイツが2015年7月に金融機関のエキス
パート102名に行ったアンケート調査結果によると、回答者の約半
数が「ビットコインやブロックチェーン技術に関するリサーチや事業へ
の検討を行っている」と回答している。
またドイチェバンクは、ブロックチェーン技術は「有価証券の発行お
よび移管」「有価証券の決済および清算」「有価証券の利回りや配
当などの自動化」といったコアの金融業務への適用が可能との意
見を公表した。
(野村総合研究所 ブロックチェーンの仕組みとその可能性より一
部抜粋)
・弱者(ITを使えない人)への対応の不足
社会経済的課題
・ネットワーク上の価値であるため国境がなく、
規制・管理が難しい。規制・管理についても国
境を越えた取り組みが必要。
・犯罪を誘発させない堅牢なしくみの構築。
経済
指標
社会
貢献
技術
革新
既存の金融機関やクレジットカード等を通じた金融取引において、コストの
高さや不正被害の深刻化が問題となっている。またトレーディングがナノ秒
のスピードを競う時代になっているにも関わらず、証券決済には数日を要
する状態は何十年経っても変わらないままである。ブロックチェーンは、こう
した問題を抜本的に解決し、金融取引に革新をもたらす可能性がある。
(野村資本市場研究所 資本市場クォータリー 2015年秋号 ブロック
チェーンと金融取引の革新より一部抜粋)
ブロックチェーンは、ビットコインのみならず、何らかの価値を持
つ物の記録や取引に幅広く応用可能であり、金融分野はもちろ
ん、不動産の登記、各種の契約とその執行、知的財産の保護、
投票等、様々な分野で既存の仕組みを代替し、社会システム全
体の変革をもたらす可能性がある。
(野村資本市場研究所 資本市場クォータリー 2015年秋号
ブロックチェーンと金融取引の革新より一部抜粋)
•
•
ネットワーク層でのセキュリティの確保をするための技術開発
高速で停止することがないネットワークの開発(冗長性)
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
• ネットワーク層でのセキュリティの確保をする
ための技術開発
• 高速で停止することがないネットワークの開
発(冗長性)
•
•
ネットワーク層でのセキュリティの確保をするた
めの技術開発
高速で停止することがないネットワークの開発
(冗長性)
参照:金融庁 金融審議会 決済業務等の高度化に関するWG第4回資料 ( http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/kessai_wg/siryou/20151116.html )
野村資本市場経済研究所 資本市場クォータリー 2015年秋号 ブロックチェーンと金融取引の革新
( http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2015/2015aut03.html )
野村総合研究所 金融ITフォーカス 2015年10月号 ブロックチェーンの仕組みとその可能性より一部抜粋
( http://fis.nri.co.jp/ja-JP/publication/kinyu_itf/backnumber/2015/10/201510_07.html )
122
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
11.金融分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理する。
区分
考えるネットワーク
概要(例)
学習し、自律的な(autonomic)動作をするネットワーク。データマイニング等の機能をクラウドだ
けでなくネットワーク側でも保有。センサネットワークを回したインターネットの障害・異常検知、
社会的ヘルスチェック(疾病・感染症発症状況の予知・把握、人々の生活における各種異常検知)
アルゴリズムトレード。
オプトアウト的ネットワーク
冗長トラヒックの削減
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
取引時間内に大きな出来事があれば一時的に取引量が大きく変動。金融では秒単位で大きな金額が動
くので負荷に耐えられるような対応。
端末が密集した場所でのデー
タ通信
取引時間内に大きな出来事があれば一時的に取引量が大きく変動。金融では秒単位で大きな金額が動
くので負荷に耐えられるような対応。
トラフィック量の時間変動へ
の対応
取引時間内に大きな出来事があれば一時的に取引量が大きく変動。金融では秒単位で大きな金額が動
くので負荷に耐えられるような対応。
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワーク。(分野横断)
仮想通貨を簡単に利用できる決済方法とするアプリケーションの構築。
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計(分野横断)
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。(分野
横断)
マネーロンダリング対策。
災害対策
可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状態のネットワークをアドホック的に構築。(分野横断
)
遅延への対策
取引時間内に大きな出来事があれば一時的に取引量が大きく変動。金融では秒単位で大きな金額が動
くので負荷に耐えられるような対応。
ブロードバンド
大容量のデータ送信時のネットワーク内での前処理を行う際のネットワーク側でのサポート。
123
11.金融分野:出典(参考文献・参照サイト)
<事例>
(1) ビットコイン、相場急落で「採掘」が低迷
(http://jp.wsj.com/articles/SB11258286719794574597104580400573647351764)
<官公庁等の報告書>
・ビットコインをはじめとする「価値記録」への対応に関する【中間報告】(案)
http://fukuroh.air-nifty.com/katsudou/files/kachikiroku20140619.pptx
・産業・金融・IT融合に関する研究会(FinTech研究会)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/economy.html#fintech
・ ITを活用した金融の高度化に関するワークショップ報告書 (日本銀行金融機構局 金融高度化センター)
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel151021a.htm/
<自治体・企業等の具体的な取り組み例>
・Financial Innovation For Japan
富士通の設立した金融サービスのオープンイノベーションを加速させるコンソーシアムコンソーシアム
金融機関 54社、Fintech企業 47社(2015年8月25日現在)
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2015/08/27-2.html
<参考文献>
フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち マイケル・ルイス 渡会圭子・東江一紀訳
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163901411
ウォール街を震撼させた「フラッシュ・ボーイズ」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券 藤戸レポート)
http://www.sc.mufg.jp/report/fj_report/pdf/fj20140428.pdf
124
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野
125
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野(1/2)
新世代ネットワークを通じて、少子高齢化対策として以下を推進する。
高齢者に対しては、見守り、身体介助、自立支援(BMI等)、高齢者の支援者のネットワーク化(本人、家族、地域、サービス、自治体、
病院 等)。子どもについては、見守りや関係者のネットワーク化。
現在できていないこと
概要
加齢による健康問題への対策。
介護問題、住環境、生活環境、孤独感などの問題。
高齢者の就業・社会参加。
女性の就業促進対策(育児・介護と仕事の両立)。
妊娠出産育児期間だけの業務代行のシステム
(代用教員民間版)
孤児や低所得者に対する返還しないで良い奨学金
もしくは、受託ローンのような保証代行
(要返還だと連帯保証人が必要、孤児には不利、)
インターネットによる予備校(無料)による勉学支援
ネットにより紹介された託児所の子供の状況の確認システム
新世代ネットワークでできる可能性があること
概要
出生率向上、子供を持つ女性の就業率、代用要員の増加
経済
指標
社会
貢献
厚生労働省による2016年度予算の概算要求では、高齢化などに
よる社会保障の自然増6700億円を含めて30兆6675億円で、今年
度当初予算より2.5%増えた。前年の要求額と比べると医療費が
3171億円、2.8%増えて11兆4523億円。 15年度から内閣府に
移った保育所の運営費(約1.8兆円)を合わせると、厚労省の予算
としては過去最大。医療費は高齢者の増加で膨らむ。16年度は医
療サービスの公定価格(診療報酬)を見直す年にあたるが概算要
求段階では診療報酬は横ばいと仮定。年金は11兆2397億円と
2.6%増。受け取る人が増えるうえ、1人あたりの年金額が、物価・
賃金の変動と少子高齢化に合わせた改定で0.1%増える見込み。
結婚・子育てが難しくなってきている
介護を仕事を両立しにくい
経済
指標
社会
貢献
高齢者の見守りサービス(携帯電話サービス会社から位置情報の
提供)
高齢者の健康状態をモニタリングするためのヘルスケア
技術、身体機能支援のためのロボット技術。
ICT利活用によるテレワークの推進。
支援者をネットワーク化(本人、家族、地域、サービス、自治体、病
院、学校 等)。情報を蓄積・分析しサービスを提供。
ネットワークによる産休代行要員の制度
インターネット活用した寄付による奨学金制度、保障制度
ネットによる予備校
ネットによる託児所の紹介ネットによる子供の状況の確認
総務省試算(平成25年3月)では、テレワークの導入に伴うオフィス
勤務人員の減少・オフィススペースの工夫による照明の削減、空調
使用時間の削減等により、 オフィス自体の電力消費量は一人当た
り43%削減可能。テレワーク導入による家庭の電力消費量の増
加を考慮しても、オフィス・家庭全体で電力消費量は、一人当たり
14%削減可能。ただし、オフィスだけでなく家庭での節電努力も必
要。
日本テレワーク学会・BCP研究部会緊急提言(平成23年5月)によ
ると、テレワークの大規模な実施により、一人当たり約1kW の電力
削減効果。夏場に100 万人がテレワークを実施すれば、100 万kW
の電力削減と試算している。
(一般財団法人日本テレワーク協会より)
1億総活躍社会の実現(希望出生率1.8、介護離職ゼロ)
参照:http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V1-2008.pdf
http://www.ntt.co.jp/news2014/1412/141204a.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK26H09_W5A820C1000000/
http://www.japan-telework.or.jp/intro/save_effect.html
126
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野(2/2)
現在できていないこと
新世代ネットワークでできる可能性があること
子どもや高齢者にとって操作が難しいと利用されない。
汎用性の高い、様々な端末に広く導入できるものでないと普及
しない。
現行の
問題点
BMI(ブレイン・マシン・インターフェイス:利用者の脳活動に基づ
き推定された意図を用いる)やビッグデータからクラウドで利用
形態や状況に応じて動的に変更できるネットワークプラットフォー
ム
ICTを導入することで子育てや介護の現場で生じる負担を軽減
技術
革新
社会経済的課題
研究開発課題
・高齢者からみた各種装置機器や施設、
サービス等の使用感に関する課題
・高齢者が抱く心配、孤独感や認知症、
犯罪などへの対策が不十分
・出産により、企業がこうむる生産性の低
下をおぎなう仕組みがない。教育機会の
平等概念に合う仕組みが無い
・高齢者の異常をいかなる局面において
も自動検出・通知するような高度な機能。
・高齢化社会対策、少子化対策としても、
テレワークの普及が重要。
・多様な端末技術(携帯端末技術、情報
家電、ゲーム機器)は高齢者の感覚運
動系の劣化を補助するような機能が獲
得されるべきである。
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
•
•
•
End to Endでのシームレスな高速通信ネット
ワークの検討
また、セキュアなネットワーク
個人認証の簡略化技術の検討
参照:http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V1-2008.pdf
http://www.ntt.co.jp/news2014/1412/141204a.html
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000254.000002943.html
127
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野:電子母子手帳(1/2)
母子手帳をオンライン電子化することで、妊娠~出産~子育ての記録を一元的に記録・管理できるしくみを構築し、市民の健康の維持
管理に資する。さらにその先までの健康情報ともつなげることで、各種データ分析を行い、新たな価値創造にもつなげる。
現在できていないこと
概要
経済
指標
医療機関では電子カルテが普及しており、妊婦や新生児の
検診などに役立てられている。しかし、転居などによって受診
機関が変わる際には、診療記録の伝達には紙の母子手帳、
あるいは“紹介状”に頼っている。
2011年の東日本大震災では、妊婦が被災時に母子手帳を
紛失してしまうケースが多発。加えて、受診する病院が津波
による物理的被害を受けてしまった場合など、一切の受診記
録がないという事態もあった。
日本では少子化が進んでいるが、世界的には人口は増加傾向。
新世代ネットワークでできる可能性があること
概要
母子手帳を電子化(標準化)しておくことができれば、災害時
の紛失や、転居先や里帰り先で出産しやすくなる。
電子カルテや予防接種管理システムと連動させることができ
れば、妊産婦と医療機関の手間を省き、より安全性を高める
ための高度な活用にも取り組むことができる。
成人病発症起源説では、妊娠時、新生児期のデータが重要
であるが、これまでは紙ベースの情報しかなかった。デジタル
化することでデータベースとして蓄積でき、疾病の素因が、妊
娠時の何に依存するのかといった研究が一気に進む可能性
がある。
経済
指標
国連の世界人口推計では2050年には97億人まで増加と予測
されている。
• 医療現場の業務負担の軽減(予防接種管理などの省力化)
• 母子手帳を夫婦間(家族間)で共有することができれば、多様
な働き方(女性が働きやすくなったり、父親の育児参加を促す
等)につながる可能性がある
母子手帳は日本独自のシステムであり、母子手帳を採用している
日本では乳幼児の死亡率が世界的にみて低く、世界的に母子手
帳は注目を集めている。
社会
貢献
2015年1月時点で、国・地域全体に普及または国家プログラムと
なっているのが17カ国、普及プロジェクトが推進中(JICA、ユニセフ、
NGOなどの協力)が11カ国、導入を準備・検討が3カ国。
(特定非営利活動法人HANDS Webサイトより)
社会
貢献
識字率の低さや管理の難しさから、紙の母子健康手帳が意味を為
さないケースもあり、電子化をすることで医療機関がデータを管理
し、必要に応じて患者に情報を渡すことで、適切な成長・健康指導
を行うことも期待されている。
参照:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20140124_632346.html
http://japan.zdnet.com/article/35043009/
http://www.hands.or.jp/activity/mch/hb/
http://www.t-ask.co.jp/melthy/
http://www.unfpa.or.jp/publications/index.php?eid=00033
128
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野:電子母子手帳(2/2)
現在できていないこと
現行の
問題点
新世代ネットワークでできる可能性があること
母子健康手帳の電子化に向けては複数の企業や団体によるプ
ロジェクトが進行している。だが、記録する内容やデータの記録
法は統一された方式が採用されておらず、多数の独立方式が
乱立し、相互に連携できない、統合活用ができないという点が
懸念されている。
母子手帳は子ども1人に対し1冊が交付されている。最近では
父子手帳を交付する自治体も増えてきているが内容が異なり、
子育てに役立つ情報にとどまる。
予防接種の記録などは一元管理が望ましく、これを家族間で共
有することができれば父親の育児参加を促す可能性がある。
また、仕事をしている父親は子育てについての情報を得る機会
が限られ、同世代の子供をもつ父親間での情報共有の場は少
ない。
冊子を妊娠中から子育てまでの複数年間保管・管理し、予防接
種や検診のたびにこれを携帯・提示するのは手間であり、紛失リ
スクもある。また、妊娠~出産~子育て期までをカバーしている
が、成人してからの利用機会はなく、予防接種の接種状況等を
本人+親とで共有できない。
標準フォーマットで記録することで、産婦人科で診療したデータ
を小児科医院で見られるといったように、医学の発展に寄与す
るとともに、公衆衛生の観点からも役立つ。
スマホやタブレットで母子手帳を利用できれば、必要なとき(24
時間)に場所を選ばず、情報を確認できる。
技術
革新
行政側から児童手当や医療費助成制度など、妊娠・育児に適
した情報をピックアップして配信したり、市が開催する母親学級
を動画でWeb受講も可能になる。
妊産婦と子どもの健康データをサイト上で一元管理し、様々な
役立つ知識や情報を、スマートフォン、タブレット、PCでいつでも
どこでも簡単に閲覧。
家族が持つスマートフォンなどでも閲覧できれば、父親の育児参
加を促すきっかけや、祖父母とのコミュニケーションにも役立ち、
妊娠・出産・育児に奮闘する親に貢献できる。
社会経済的課題
研究開発課題
個人情報の管理
携帯端末を利用していない親のサポート
既に交付済の母子手帳からの移行
予防接種等の通知~医療機関での接種記録
までを電子的に行うしくみの構築
• 医療機関や保健所等へのオンライン電子端末
の整備
• スマホやタブレット端末の電源がなくなった場
合の利用方法
• 通信圏外での利用方法
• 端末(OS間)の機種変更時の円滑な引き継ぎ
• 医療機関との連携を考慮した標準化
•
•
•
•
参照:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000254.000002943.html
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/020300/p022630_d/fil/densibositetyou.pdf
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
• End to Endでのシームレスな高速通信ネット
ワークの検討
• また、セキュアなネットワークの検討
• 個人認証の簡略化技術の検討
129
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
学習し、自律的な(autonomic)動作をするネットワーク。社会的ヘルスチェック(疾病・感染症発
症状況の予知・把握、人々の生活における各種異常検知)
オプトアウト的ネットワーク
災害発生時にはセキュリティの制限を外す・緩和する等のオプトアウトの機能の搭載。(分野横断)
冗長トラヒックの削減
子供や高齢者の見守りの場合、平時は冗長トラヒックが多くなるので、異常検知時に確実に動作する
ための精度向上。
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
膨大な数のセンサ等の端末が設置され、小さなパケットが、常時、多量に発生する状況におけるネッ
トワーク側でのサポート。もしくはセンサ側が高度化し情報処理・情報蓄積ができる場合のネットワ
ーク側でのサポート。(例:農業、交通・運輸、建築、安全・災害、エネルギー(スマートメータ―
等))
端末が密集した場所でのデー
タ通信
競技場等、超絶に端末が密集した場所(端末を持った人の密集を含む)でのデータ通信時のネットワ
ーク側でのサポート。(例:オリンピック、エンターテインメント 等)
トラフィック量の時間変動へ
の対応
競技場や各種イベント会場、観光地等、トラフィック量が時間によって劇的に変化する際のネットワ
ーク側の追従。(例:オリンピック、エンターテインメント 等)
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワーク。(分野横断)
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計(分野横断)
乳幼児や認知症の高齢者などの場合には本人の操作ではなく行動等から異常を検知。
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。(分野
横断)
災害対策
可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状態のネットワークをアドホック的に構築。(分野横断
)
遅延への対策
ブロードバンド
大容量のデータの伝送:時間変動する3Dデータを受信できるアプリが出現、発展した際のネットワー
ク側でのサポート。(例:CTやMRIの3D動画の伝送/等)
大容量のデータ送信時のネットワーク内での前処理を行う際のネットワーク側でのサポート。
130
12.少子高齢化分野:検討にあたっての備考
【当分野の検討にあたっての備考】
マタハラ
•女性が妊娠出産をためらう理由の大きな理由は妊娠出産育児に関して業務を休む、
もしくは時短勤務により、同じ職場のメンバーに作業負荷がかかり、仕事継続につい
て圧力がかかることである。
⇒その改善策として代用教員のように短期に代用で業務を代行する要員を登録し派
遣するサイトを立ち上げる。
保育
•インターネットサイトで保育者を管理する仕組を管理する。こどもの状況をネットで確
認できることが重要
教育機会の平等
(親が高収入の子弟のみが教育を受けられる不平等が社会の格差を生む。また、子育て
の費用が高額でそだてられない。)
•インターネットでの無料の予備校
•インターネット通信での教育の機会平等
•インターネットでの募金による奨学金制度を構築し、返還不要の奨学金により、両親
のいない子供や低所得者の子供を救済する。また、就職できないために奨学金が返
還できずに自己破産に追い込まれ、将来がふさがれるような状態を救済する
131
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野:出典(参考文献・参照サイト)
<参照先>
1.Diversity & Inclusion : Networking the future 新世代ネットワークビジョン 2008年9月 独立行
政法人情報通信研究機構 新世代ネットワーク研究開発戦略本部
http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V12008.pdf
<官公庁の報告書等>
総務省
・ICT超高齢社会構想会議
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ict_choukoureishakai/index.html
・スマートプラチナ社会推進会議
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/smart_Platinum/index.html
<自治体・企業等の具体的な取り組み例>
・日本ユニシス ICTを活用した社会基盤
http://www.unisys.co.jp/solutions/infrastructure.html
・富士通 在宅医療向け・介護事業者様向けシステム 高齢者ケアクラウド
http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/elderly-care/
・日常生活の支援を可能とするネットワーク型ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)の技術開発に成功
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
http://www.ntt.co.jp/news2014/1412/141204a.html
132
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
http://dfree.biz/ 超音波センサーで膀胱や前立腺、直腸をモニターして、膨らみや振る舞いをもとに排泄を予知する
仕組み。スマホとつながり、アプリが「10分後に出ます」と教えてくれる。アプリは便通の記録帳にも
トリプル・ダブ
http://weekly.asc なっている。
D Free
ii.jp/elem/000/0 排泄に関する問題は、介護・車椅子利用者・過敏性腸症候群・便秘等、多くの人が問題を抱えてい
リュー・ジャパン
00/307/30798 る。D Freeは、排泄までの時間を知らせることで、排泄のタイミングを知り、事前に準備ができるため、
8/
利用者の”排泄”に関する負担を軽減させることができる。
アイルランドの研究機関と、スマートハウスに居住する高齢者や患者様のモニタリングと自立生活支
http://pr.fujitsu.c 援を行う共同研究。
om/jp/news/20 居住空間(スマートハウス)や患者の身に着けた様々なセンサーから、対象者の隠れた運動機能異
13/06/28.html
常を早期発見する技術を開発。
株式会社富士通
居住環境に埋め込んだ約110種類のセンサーと患者につけたウェアラブルセンサーから日常生活に
KIDUKUプロジェクト http://pr.fujitsu.c おける大量のデータを収集してセンシングデータから個人の歩き方に合わせて「歩行」や「ドアの開
研究所
om/jp/news/20 閉」などのイベントを抽出し、同時発生、もしくは連続発生するイベントに着目することで、これまで医
15/03/10療従事者が気づかなかった隠れた異常を発見する技術を開発。
1.html
将来的には高齢者や患者向けに、自宅や施設において個人に合わせたリスク行動の提言など日常
生活を支援するサービスへの適用を目指してる。
省電力・長寿命(充電なく1年以上)継続使用できるBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを発信機
とし、一般に普及しているスマートフォン上で作動するアプリケーションを受信機とする外出検知・所
メディカル・ケア・ BLEビーコンによるす
在検知を一体的に運用できるクラウドシステム。認知症・軽度認知障害高齢者に加え、年少者の単
http://www.mcsg.
サービス/NTTP れ違い検知システム
独外出やはぐれ、所在検知などにも併用できる地域の安心インフラとして活用をすることが可能。
co.jp/2014/12/
検知機となるスマホ上のアプリは、保護義務を有する家族だけでなく、同様のビーコンを保有する他
Cコミュニケーショ 「お互いさまシステ
6461/
の高齢者等の発信信号も受信してクラウドサーバに通知するが、個人情報を一切介することなく運
ンズ/デンソー
ム」
用が可能である為、地域の高齢者見守りネットワークやSOSネットワークの一般住民の協力を受けて
も、個人情報の流出なく、また検知者の負担なく運用することが可能となっている。
ICTとこれを活かすオフィス設備/空間デザインの融合により社員の働き方を変革するソリューション。
2015年2月より育児中の女性を中心に在宅ワークの実証実験を開始。
最新のICT を活用する事で、オフィスやこれまでの働く時間の枠を越えた変則型ワークスタイルを採
Empowered Offi http://www.nesic. 用し、育児に従事する女性社員がライフスタイルにあわせた業務計画を立て遂行可能に。在宅ワー
ク時はプレゼンスツールの在/不在機能と連動させることにより、勤務の合間に育児をするなどの
NECネッツエスア ceを活用した ウーマ co.jp/news/pdf/ 変則的な時間活用を自動で計測するツールを開発、勤怠管理の問題を解決。離れた場所でのワー
20150210_3.pdf
ンズプロジェクト
イ株式会社
ク課題については、オフィスにいる上司やプロジェクトメンバーとはWeb 会議やインスタントメッセージ、
プロジェクト管理ツールを活用してコミュニケーションやコラボレーションワークを行い、チームによる協
働作業を実現。また、在宅勤務を実現する上では重要なセキュリティの課題についてもシンクライア
ントシステムを利用し、安全に社内情報、システムにアクセスできる環境を構築する。
133
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野:参考事例
事業者名
サービス名
URL
サービス内容・その他
柏市では,子育て世代への健康支援サービスとして民間事業者(株式会社 エムティーア
イ)と連携を行い、全市域を対象とした「電子母子手帳」サービスを開始。平成28年度の正
式導入を目指し、まずは1,000名を対象に試験導入。同規模での電子母子手帳サービ
スは全国初。
http://www.city.k (注) 「電子母子手帳」サービスは、従来の「母子手帳」に代わるサービスではない
柏市
エムティーアイ
電子母子手帳
電子母子手帳
公益社団法人日
本産婦人科医会
振り込め詐欺検知
ニフティ
システム
ashiwa.lg.jp/soshi
ki/020300/p02
〔紙の母子手帳との違い〕
2630_d/fil/densi
・紙よりも多くの情報の中から,“いま”知りたい情報が、“すぐ”に見つかる
bositetyou.pdf
・予防接種の適切な接種時期を“教えてくれる”、接種を忘れそうになったら“教えてくれる”
・映像や音声などで思い出を記録
・“無くさない”。必要な時に“いつでも”取り出せる
(ex.留学時に必要な15年以上も前の予防接種記録もすぐに!)
柏市で試験導入された電子母子手帳のサービス事業者。
http://www.mti.c
過去には東京都でもモニター検証を実施。前橋市でも実証事業をおこない、新たな健康管理
o.jp/
ツールとして、マイナンバーカード連携の母子健康情報サービスを提供していた。
電子母子健康手帳標準化委員会を設置。
参加・支援メンバーは、産婦人科医を中心とする医療関係者17人の他、医療関連の4団体、
企業11社(2014年1月10日時点)。企業11社の内訳は、インテル、日本マイクロソフト、シミッ
クホールディングス、ミトラ、トーイツ、NHKエデュケーショナル、タニタ、オムロン ヘルスケア、博
報堂DYメディアパートナーズ、NTTドコモ、KDDI。
委員長は、香川大学 特任教授で日本遠隔医療学会会長の原量宏氏が務める。
http://www.jaog.
or.jp/
http://www.nifty.
co.jp/cs/newsrel
ease/detail/150
915004465/1.ht
m
委員会は、下記項目へ取り組み、母子健康手帳の電子化のため標準化作業を行う。
1)新生児、乳児、学童期の管理に必要な各種パラメータ(体重、身長、体温、その他)の記載
2)新生児、乳児管理においては、感染症予防が重要であり、そのための感染症・ワクチン接種
情報のIT 化(自動識別取込と記録、副反応など安全性情報の記録)
3)罹患記録、新生児聴覚検査、発達等に関する記録
クラウド上で通話内容を解析し、振り込め詐欺で使われやすい文章パターンを検知すると、電
話を受けた本人とあらかじめ登録した家族に警告を通知。通話データをクラウド上に収集する
際には、安全な通信を行うため、第三者による覗き見や不正アクセスの心配がない。また、振り
込め詐欺で使われやすい文章パターン(詐欺に関する単語の有無やその組み合わせ)を判別す
るため、精度の高い検知が期待されている。
※2015年10月から2016年3月までの6カ月間、都内の一般家庭にて実証実験中
134
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
12.少子高齢化分野:SWGからの主な指摘事項
カテゴリー
区分
概要
少子高齢
介護
化
・ 昔と今では発想が違う。日本の産業をどうるすかは大変な問題。老人、介護どうするか。介
護でロボットをうまく使うなら、それを操る人間が必要。プログラムは、モジュールして組み合わ
せる際、クラウドの使い方、データベース。今は狭間期である。
・ 高齢者という視点で困っている人を助けるICT、ロボット
教育
見守り
・子供を一人で歩かせられないことが問題。親は送迎が大変である。通学路のカメラによる見
守り等を、ITで実現してほしい。
・見守りは高齢者も子育ても支援できる。
家電
ウエアラブル ・ 徘徊対策としてセンサを付けるという方法はあるが、法的問題、個人情報の問題がある。勝
(再掲)
手につけるのは難しいだろう。
・ シルバーの先のプラチナ社会に向けて、高齢者とICTという視点。介護の領域では10年後
少 子 高 齢 人口の減少、
100万人の対応が必要だが、それを支援する人が不足している。世界を目指し、日本が出てい
化
高齢化
く。国家戦略として検討する。そのためにICTが何を出来るのか。
135
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
13.安全・防災分野
136
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
13.安全・防災分野(1/3)
新世代ネットワークを通じて、事故・災害の予兆をモニタリングし、情報を蓄積・分析し、アラートを発信。
有事には、即時的にネットワークを再構築し、被災者・支援者に情報を提供。避難、救助、復旧の迅速化、効率化を実現。
現在できていないこと
概要
これまでの災害対策では、予測或いは検出した災害に関する情報の提供
といった、一方向の対策が中心。
耐災害性、信頼性、安全性への対応。
・避難指示はされても、避難場所の所在、実際にどのように避難するかの
具体的考察、それ以前に現状の把握とリスク評価が弱い。
・各組織の危機管理は見本のマニュアル通りであるが、本当のリスク分析
リスク対応がされていないため、実際何をすべきかがマニュアルに書かれ
ていない
・想定外と言われるが、本来は情報があるにも関わらず無視している。要
は収集されている情報の整理分析ができていない。
・情報伝達手段、方法が限定的で情報が伝達されるべき全員に伝達され
る保証がない
・災害発生現場からの情報収集する手段が確立されていない。
・災害対策は避難等の場所、避難可能な経路の確保など物理的な対策と
一体で実施されるべきであるが、現在は結びついていない
• 安否確認システム等災害用システムは災害時に利用されていない、特
別な災害用はメンテの問題がある。常時、利用しているシステムの利用
を災害時に拡大する方がよいが、それはできていない。これは逆に言うと
日常的な地域コミュニケーションの構築である。
• 人が多く集まった場所の警備や安全管理
2014年の御嶽山の噴火では登山届を出していない登山者が多く、安否確
認が難航した。御嶽山は長野、岐阜両県の4市町村にまたがっていたため、
情報の集約は困難を極めた。
2014年10月16日の捜索打切時点で死者57名、行方不明者は7名、捜索
再開は2015年6月以降の予定
新世代ネットワークでできる可能性があること
災害発生前の事前対策
災害発生時における機器やデータの保護による情報、人的安全確保、「緊
急サービス」と「平常時高品質サービス」などの複数の仮想化ネットワークの
構築
通信資産の保全
災害発生後のコミュニケーション不安解消
災害対策コストの削減
リスク評価に必要な情報の収集と提供
• リスク対応に必要な関係者の情報連携
• 実際の状況の把握
• 多様な手段による情報伝達
• 災害時帯域の帯域の拡大等の検討とセキュリティの拡大
• 日常的なコミュニケーションの確立(これはIT外の仕組みが必要であり、
ITが利用できる人ができない人を支援する)
概要
• 群衆行動解析による混雑緩和や異変の早期検知
• メッシュネットワークを利用できれば通信キャリアの基地局が利用できなく
なっても近距離での情報伝達が可能になる(避難所などで端末が密集す
ればするほどネットワークは強固になる)
• インフラに依存しない自立型端末間ネットワーク
登山届を電子申請できる山もあるが、標準化はされていない。
・電子登山届(標準化)
携帯端末と連携し、登山中にも利用できるもの
噴火や遭難した場合には救助を求めたり、近くの山小屋や安全なルート
確認。近くの登山者や自治体・警察とも連携できる双方向性のあるアプ
リケーション
テロ(発砲や爆発)が起きたときには現場はパニック状態となり、自分の安
全確保が最優先。取り乱した状態では正確な情報を通報することができな
くなる。
街の中にネットワークに連動したセンサ(音声や映像)を設置しておき、テロ
行為が発生した現場を機械的に特定し、必要な措置を講じる。
→取り乱した人間の情報では特定に時間がかかる場合に有効
参照:http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V1-2008.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_content/000147213.pdf
http://www.sankei.com/affairs/news/140928/afr1409280052-n1.html
http://jp.wsj.com/articles/SB10666961791936904616304581374464285931054
137
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
13.安全・防災分野 (2/3)
現在できていないこと
経済
指標
平成27 年度末までの5年間の「集中復興期間」に実施すると見込まれる
施策・事業(平成23 年度第1次補正予算等及び第2次補正予算を含む)
の事業規模については、国・地方(公費分)合わせて、少なくとも19 兆円
程度と見込まれる。また、10年間の復旧・復興対策の規模(国・地方の公
費分)については、少なくとも23 兆円程度と見込まれる。
なお、この規模の見込みには、原則として、原子力損害賠償法、原子力損
害賠償支援機構法案に基づき事業者が負担すべき経費は含まれていな
い。 (復興庁 東日本大震災からの復興の基本方針より)
新世代ネットワークでできる可能性があること
経済
指標
■民間の山岳救助にかかる費用負担 (産経新聞記事より)
民間ヘリの出動費用の相場は「1分1万円」。待機所から救助場所までの
往復飛行時間なども費用にカウントされる。また救助に当たった山岳会員
ら1人当たり1日1万~5万円程度が、日当として協議会から請求される。
危険度に応じ危険手当も設定されており、雪崩など二次災害の危険性が
ある冬山での捜索は夏山に比べ、費用が高くなるこのほか、山岳会員が
捜索に使用する消耗品代や宿泊費、食費、遺体で見つかった場合の遺体
搬送費も本人や家族の負担。遭難場所が特定できず、捜索が広範囲、長
期間にわたって行われると、捜索費用は青天井になる場合もある。
→遭難者の位置情報が把握できるようになり、円滑な救助活動が行える
ようになれば、救助費用を軽減できる
社会
貢献
・情報を伝達すべき対象者への伝達率
携帯端末で簡単に利用・提出できる登山届が普及すると、安否確認や救
助活動を効率的に進めることができるようになる。山岳救助活動における
二次災害も減らすことができる。
日本では、電車が遅延したり、地震が起きたときにTwitterを見る。さらに、
お店の前に行列ができているときも、Twitterを検索すれば情報が分かる。
それほどまでにTwitterが普及しているのは日本だけ。また、Twitterを検索
することが多いのも日本の特徴であるとし、「日本のユーザーがTwitterの
使い方を発明している」(Twitter Japan社 パネルディスカッションより)
→電車遅延や地震・台風など日本ならではの利用方法が新たなサービス
の創出につながっている
・情報を伝達すべき対象者への伝達率
・既存システムの災害時活用率
社会
貢献
現行の
問題点
2010~13年のゴールデンウイーク(GW)に、全国の警察が把握した山岳
遭難事故495件のうち、80%の400件で登山届が提出されていなかった。
警察庁によると、GWとなった10年4月29日~5月9日の遭難事故は121
件で、うち102件(84%)で登山届が未提出だった。11年4月29日~5月8
日は129件のうち105件(81%)、12年4月28日~5月6日は104件のうち
85件(82%)、13年4月27日~5月6日は141件のうち108件(77%)で、
それぞれ登山届が提出されていなかった。(日本経済新聞記事より)
・弱者(ITを使えない人)への対応の不足
・ 2000年以降に起きた群衆事故 ※将棋倒しや群衆雪崩によるもの
2001年7月
明石花火大会歩道橋事故(11名死亡、重軽傷247名)
2010年7月
ラブパレード死傷事故 (21名死亡、負傷500名以上)
2014年12月 上海外灘雑踏事故 (36名死亡、47名負傷)
有事の際に求められるのは通信の速さではなく、利用できること。事故や
災害が起きたときに個人レベルでは高速データ通信よりも、状況に応じて
欲しい情報が取得できるかが重要。発災時までに1ヵ月間の通信量が7GB
を超えている、3日間の通信量が1GBを超えているなどで速度規制がか
かっているユーザは速度規制がかかった状態でどこまでの情報にアクセス
し、利用可能か。土地勘のない外出先で災害や事故に遭遇した場合、地
図情報や情報検索が利用できないと非常に不便。
群衆行動(混雑状況や異変検知)を主催者や警察・警備会社が
把握し、早期に対応することができれば群衆事故を未然に防ぐ
ことができる可能性がある
技術
革新
G空間防災システムとLアラートの連携推進
※G空間防災システム
地震・津波等による広域災害や緊急性を要する大規模災害に対して、
準天頂衛星等を活用して構築する先端的な防災システム。
※Lアラート
自治体が発する地域(ローカル)の災害情報を集約し、テレビやネット等
の多様なメディアを通して一括配信する共通基盤。
参照: http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V1-2008.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_content/000147213.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/saigai_jireishu.html
http://www.reconstruction.go.jp/topics/doc/20110729houshin.pdf
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2600R_X20C14A4CC1000/
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130108/dst13010800500001-n1.htm
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150904_719602.html
新世代ネットワーク推進フォーラム
138
アセスメントWG
13.安全・防災分野 (3/3)
社会経済的課題
研究開発課題
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・ 安全・災害分野では、
・災害準備期
・災害発生期
・災害復旧期(復旧前期、復旧後期)
の3期に分かれる。重要になるのは災害発生
期と災害復旧期である。
・ 災害発生期は災害情報を被災者に提供し、
被災者を避難させ、2次災害を減らす必要が
あるが、都市圏で災害が発生した場合のイン
ターネットの信頼性を確保することが問題。例
えば、携帯電話でのアドホックネットワークなど
でネットワークの構築が必要。
・ 災害発生時のトラフィック制御。都市圏で災
害が起きた場合、インターネットにトラフィック
が集中する可能性がある。また、暇つぶしのた
めのインターネット利用も増えると思われるの
で、災害に関係のある情報を優先的に通信さ
せる等の対応が必要。
・ 災害復旧期には復旧のために様々な資材、
情報が被災地に流入するが、コントロールがで
きていない状態である。
・ 被災者の心のケアできていない。インターネッ
トカウンセリングが大事
・ 伝達確実性(P波の検出からユーザーまでの
伝達)
・ 異種リソース連携性(災害時には残存する
ネット
ワークリソースの統合管理・新たなネットワーク
サー
ビスを提供)
・ 検出データの信用保証性
・ 特別機能の動的な起動性
・都市圏で災害が発生した場合のインターネット
の信頼性の確保(例えば、携帯電話でのアド
ホックネットワークなどでネットワークの構築が
必要)
・ 災害に関係のある情報を優先的に通信させる
等の対応が必要。
・ 物流システムの連携
• 災害情報の効率の良い提供を行うための
ネットワーク開発の検討
• 例えば、通信帯域は少なくてもきちんと通信
できるネットワーク環境の開発(携帯電話同
士が通信を行い、ネットワークを構築する等)
• 災害情報等の緊急性の高い情報通信に対
する優先度を設ける等による災害情報を安
定的に提供できる技術の検討
• 個人情報、プライバシーを確保するための技
術開発
• テロ対策
・センサーデータに加えて、コミュニティ情報(ツ
イート等)を活用した災害検出、予測
・移動型センサ(車、人(スマートホンなど))から
のデータ収集方法
・局所的なデータの片寄(災害箇所等)に対応す
る処理負荷分散、トラヒック分散
・災害発生時の過負荷状態(大量のセンサデー
タ処理)への対応
・従来のセンサに加えて映像データの活用によ
る大容量データの処理
・生存者が発する情報と漂流物が発する情報の
区別ができていないと生存者捜索の妨げに
なってしまう
・平常時のプライバシー配慮(監視や盗聴)
参照: http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V1-2008.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_content/000147213.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/saigai_jireishu.html
新世代ネットワーク推進フォーラム
139
アセスメントWG
13.安全・防災分野:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸となる以下の項目について、
各分野の特徴を整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
センサデータだけでなく、ツイート等の情報による事故災害発生の発見、予兆検出。
オプトアウト的ネットワーク
災害発生時にはセキュリティの制限を外す・緩和する等のオプトアウトの機能の搭載。(分野横断)
冗長トラヒックの削減
同じコンテンツに何度もアクセスする場合等の冗長トラヒックをネットワーク側で削減。(分野横断
)
災害時に優先度が低いトラヒック(避難者の暇つぶし)を制御し、優先度が高いトラヒックを確保。
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
端末が密集した場所でのデー
タ通信
固定センサだけでなく、移動型のセンサ(自動車、人(スマートホン等))を活用することを想定し
た場合のネットワーク側のサポート。移動型センサへのアクセス手段、常時通信のサポート。
局所的災害(地震、台風等)によるセンサデータの地域的片寄のサポート。
トラフィック量の時間変動へ
の対応
災害発生時の一時的な大量のセンサデータによるトラヒック増加、処理増加への追従。
アプリケーションとネットワー
クの連携
固定センサだけでなく、移動型のセンサ(自動車、人等)を利用する場合のデータの発信元、発信位
置が追跡できるネットワーク。(分野横断)
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計(分野横断)
セキュリティ対策
公的に置かれたセンサだけでなく、私的なセンサ類(車、スマートホン等)からの情報に対しての個
人情報隠ぺい等の対応。偽装情報などによるサイバーテロ対策。
平時には高く設定してあるセキュリティを災害時には解除し、意識を失っている人や動けなくなって
いる人の位置情報などをセキュリティ設定を解除しなくても発信し、そのエリアに何人が救助を必要
としているのかを把握できるようにする。
災害対策
可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状態のネットワークをアドホック的に構築。被災したネ
ットワークやクラウド機能の代替提供。(分野横断)
遅延への対策
災害時の大量なセンサデータ処理に伴う処理遅延の軽減。
ブロードバンド
センサだけでなく映像データの利用に伴う大容量のデータの伝送
映像データから必要な情報のみを抽出するなどの前処理サポート
140
13.安全・防災分野:参考事例
事業者名
清水建設株式会
社
サービス名
・建築生産分野にお
けるネットワーク活用
・保有ビルの設備管
理業務等における
ネットワーク活用
・建築の防災
URL
■以下の方にアクセス中。インタビュー承諾済、日程調整中。
技術研究所 高度空間技術センター 都市環境計画グループ
http://www.shimz.
主任研究員 村田様、広瀬様
co.jp/tw/tech_she
■対象領域は、建築におけるICT利用、建築の防災
et/rn0166/rn016
6.html
https://www.yanm
ヤンマー
コンセプトバックホー ar.com/jp/technol
ogy/backhoe.html
日本電気株式会
社
NTT
http://jpn.nec.com
/press/201311/
20131107_02.htm
l
群衆行動解析技術
http://jpn.nec.com
/press/201503/
20150310_01.htm
l
まちアプリ
サービス内容・その他
http://www.ntt.co.j
p/news2015/150
3/pdf/150309b.p
df
危険な現場でも安全を確保しながら正確な操作を遠隔から行えるバックホーの実用化に向けた研
究開発を進めている。立体視カメラと無線コントローラーによる操作系統で遠隔操作を実現。狭小
地や屋内での作業も考慮して小回りが利く2.6tクラスのバックホーをベースに、排気ガスを出す事
なく安全に稼働できるよう電動化した駆動系統を搭載。
コックピットやアーム部分に5つの立体視ユニット(10台のカメラ)を設置。360度の3D映像をヘッド
マウントディスプレイに投影することで、あたかも実際にバックホーに乗っているかのような臨場感と、
繊細なバックホー操作に重要な遠近感をリアルに再現。さらに、地中や壁に埋め込まれた配管の
位置などをAR情報としてヘッドマウントディスプレイの映像に重ねて投影。瓦礫などで位置関係が
把握しづらい場面でも、安全で正確でスムーズな作業を可能に。
公共空間や大型施設において、防犯カメラなどで撮影された群衆映像から、個人を特定すること
なく混雑状況を把握するとともに異変を検知する。
事件・事故の発生やその兆しが周りの群衆や集団の行動に影響を与えるという点に着目し、異変
につながる「群衆全体の動きの変化」を正確にとらえ、解析。これにより、例えば、ラッシュ時間帯の
駅やイベント会場のように非常に混雑した環境下でも、混雑度を高精度に推定できるとともに、人
の流れの急激な変化や、人の流れに逆らって滞留している集団、人の転倒時の周りに生じる人垣
などを既設の防犯カメラを用いて検知。さらに、人の固まりに対して解析を行うため、個人を特定す
ることなく状況の把握が可能です。
※豊島区で採用され2015年6月より本格稼働予定
平時から活用でき、災害時の自助・共助を支援するアプリで「普段からアプリに触れることで、円滑
な住民同士の自助・共助を可能とする」をコンセプトに開発されている。
【平時】
平時から防災を意識するために、公共機関が提供する近隣エリアの浸水シミュレーションやハザー
ドマップが閲覧できる。その他、普段「観光アプリ」として、話題になっているスポットや地域の話題・
イベント情報などが閲覧できる。
【災害時】
Twitterでつぶやかれたツイートから、被災状況などに関する情報だけを抽出し、例えば、避難時の
支援を求めるつぶやきや、内水氾濫の発生を知らせるつぶやきなどの投稿を地図上にマッピング。
これにより、住民の共助を支援するほか、自治体やボランティアの被災地支援を円滑化する。
141
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
13.安全・防災分野:参考事例
事業者名
ミサワホーム
/KDDI
日本電気株式会
社
サービス名
被災度判定計
「GAINET」
※2015年4月下旬
より販売予定
URL
サービス内容・その他
https://www.misa
wa.co.jp/corporate
/news_release/20
15/0422_2/relea
se.pdf
住宅の基礎部分に設置する計測部で計測した地震波をもとに、住宅内の表示部で分析したリアル
タイム震度と建物及び地盤の被災度ランクを表示し、音と連動して警告します。オーナーは、建物
及びその地盤の被災度を自宅に留まるか避難するかの判断の参考にすることが可能となる。
「GAINET」で測定された震度や建物の被災度等のデータは、高速データ通信が可能なLTE ネット
ワークを経由して瞬時にクラウドサーバに集約されるため、ミサワホームは全国の建物ごとの被災
度を短期間に把握し、建物の緊急度に応じたオーナーサポートを行うことができるようになる。
複数の指標データを「土砂に含まれる水分量」のみから算出可能にし、水分量を計測するだけで、
リアルタイム・高精度に斜面の危険度の把握を実現。本技術により、従来に比べて約1/3のセンサ
土に含まれる水分量 http://jpn.nec.com 数で斜面の「危険度」を算出できるため、従来と同じコストでより広範囲にセンサの設置が可能にな
る。これにより、土砂災害の危険性がある斜面を高精度に把握することで、住民の避難時間や安
から土砂斜面の危険 /press/201504/
全を従来以上に確保しながら、迅速な避難勧告・指示の発信に貢献が期待される。
度を高精度に算出で 20150413_01.htm 実証試験で斜面の「危険度」を算出した結果、土砂災害の危険性ありと判定した10分~40分後
きるデータ解析技術 l
に実際に斜面崩壊が発生することを確認。
今後、自治体・大学・研究機関等と共同で本技術の実証実験を進め、2015年度中の実用化を目
指している。
142
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
13.安全・防災分野:出典(参考文献・参照サイト)
<参照先>
1.Diversity & Inclusion : Networking the future 新世代ネットワークビジョン 2008年9月 独立行政法人情報通
信研究機構 新世代ネットワーク研究開発戦略本部
http://www.nict.go.jp/nrh/nwgn/4otfsk0000024a35-att/NWGN-Vision-NICT-Report-V1-2008.pdf
2.新世代ネットワークの標準化活動の目標と計画
http://www.soumu.go.jp/main_content/000147213.pdf
3.気象予測の精度向上等の取組に関する行政評価・監視 <調査結果に基づく勧告> 2015年2月27日
総務省から気象庁に対し「利用者の立場に立った情報提供が不十分」との勧告
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/93237.html
<官公庁の報告書等>
総務省
・ICT街づくり推進会議
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ict_machidukuri/index.html
・ICT重点技術の研究開発プロジェクト(H24年度、H23年度)
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictR-D/
・高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/
・災害情報共有システム(Lアラート)の普及促進
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/02ryutsu06_03000032.html
・災害時等の情報伝達の共通基盤の在り方に関する研究会
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/saigaitou/index.html
・オープンデータ戦略の推進(総務省の取組)
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/opendata/opendata03.html
143
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
13.安全・防災分野:出典(参考文献・参照サイト)
<自治体・企業等による具体的な取り組み例>
地方自治体
・弘前市 弘前市気象情報 ※映像、気温、降雨、積雪情報を提供
http://www.ict-hirosaki.jp/portal/weather.html
・弘前市 弘前市除雪情報 ※市内の除雪情報を提供
http://www.ict-hirosaki.jp/portal/snow.html
・弘前市 安心・安全・生活情報メール
http://www.ict-hirosaki.jp/portal/safety.html
・広島市 救急画像伝送システム
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1301405155538/index.html
・東芝ソリューション、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)に
『鉄道輸送計画ICTソリューションSaaS』をクラウドで提供開始
http://www.toshiba-sol.co.jp/news/detail/131016.htm
・日本ユニシス ICTを活用した社会基盤
http://www.unisys.co.jp/solutions/infrastructure.html
144
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
13.安全・災害分野:SWGからの主な指摘事項
カテゴリ
ー
区分
概要
・ ビルの火災時に逃げ遅れることが課題である。ビルで火災があるとそれに気付いた人が逃げるが、階段で人が渋
安全・災 災害時の避 滞してしまい逃げられない、誘導が出来ない問題がある。
害
難
・ 地震や津波でも道によっては助からない道もある。分かりやすいものが必要だろう。
・ 杉並区では(携帯等で)指定場所が表示されず、自分の現在地が分からない。
・ 震災の時に、NTTの本社に、外国人向けに通訳をしたいというボランティアの人が来た。その時は対応できなかっ
安全・災 通訳、ボラン
たが、組織化してバーチャルセンターにして、医者等の情報提供ができればよかった。適切なバーチャルコンセントを
害
ティア
置き、コールセンターに置く。
(日本の強み (・ 新しいネットワーク技術が世界に広まった時、日本が何で稼ぐのかということも念頭に置けると良い。既存産業
の活用)
の枠を超えた新しいものが出てきて、新たな雇用創出にもつながっていくものであると良い。)
145
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
14.2020東京オリンピック・パラリンピック
146
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
14.オリンピック・パラリンピック
新世代ネットワークを通じて、国内外の観光客等が快適かつ安全に通信端末等を用いて情報を入手し、移動し、観戦し、情報を発信し、
日本国内を観光できる環境を実現する。
現在できていないこと
新世代ネットワークでできる可能性があること
多点統合型通信: 複数の IoT などからの情報 (ビデオ・ストリームなど) を同期して選択・合成 (集約)
する通信形態。
多点統合型通信を支援するために現在はアプリケーションでしかできない多点間同期/追跡 (ネット
ワーク内処理によって遅延が発生しても多点間で同期・追跡できるようにし、情報の対応がとれるよ
うにする) の機能をネットワークにもたせることによって正確な動機・追跡を実現する等の技術が必要
になる。
オリンピックでは多数の競技が同時に行われる
(放送される)ので、見たい競技を選んで見るこ
とができたらよい。
オリンピックでは一つの会場で複数の演技が行
われるが、従来のテレビではそのうちの一つしか
見られず、隣の演技で会場がわいていても、そ
れを見ることができない。
概要
新世代ネットワーク/光・無線融合ネットワーク
ミリ波、テラヘルツ波の利活用促進
高度なクラウドコンピューティング
レジリエントな情報通信ネットワークサービス
老朽化する社会インフラのモニタリング
省エネシステムの利用拡大
次世代道路交通システム(ITS)の実用化
ICTによる介護・リハビリ・見守りの高度化
超臨場感コミュニケーション
パーソナルデータを含むビッグデータの活用
インターネット利用による日本語以外の道案内
カード決済範囲の拡大(特に地方)
全ての交通機関で共用できる交通カード
•ザッピングで多数の映像から選択
•多数の映像の合成(知的な合成も含む)
テレビを複数のひとが見ている状況ではザッピングしづらいが、スマホでみているのならスワイプして
(隣の競技を撮影しているカメラを選択して) それを見る。
概要
■観戦チケットの電子化・提供サービスの連携
ID(モバイル認証、生体認証、顔パス認証)等を活用したシームレスサービス。
競技場の入退場の管理の他、交通機関や飲食店の支払、母国語での案内サービスとの連携等
■次世代交通システム
車両の位置や運行に合わせて信号を制御するなど、渋滞を回避し正確な自動運転を行う
■ビッグデータの活用
カメラやセンサで混雑を事前に予測した的確な誘導、テロ対策
■集中豪雨の予測
次世代のレーダー技術を用いて豪雨の前に通知
■体験型の観戦
ホログラムやプロジェクションマッピングを活用することで競技場でなくとも臨場感を体感できる
サービスの提供
■コミュニケーションの向上
SNS等を利用した選手・関係者と観客との対話の実現デジタルサイネージの向上
■自動翻訳
スマートフォンのアプリやウェアラブル端末で、様々な言語を自動翻訳し、日本を訪れる外国人を
おもてなしする(観光、食事、医療、災害 等)
■セキュリティ
サイバー攻撃に耐える堅牢なセキュリティ
有事(災害、テロ等)およびその兆候を検出・アラートを発する仕組
■有事の際も途切れないネットワーク
■データ通信量の劇的な変動、特異的な地点での通信量の集中への対応
参照:総務省 オリンピック・パラリンピックがもたらすICT分野の事例及び経済効果等の調査研究 ※三菱総合研究所 作成
( http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h26_03_houkoku.pdf )
総務省 オリンピック・パラリンピックとICTについて( http://www.soumu.go.jp/main_content/000329528.pdf )
観光立国推進閣僚会議 観光立国実現に向けたアクション・プログラム 2014 ( http://www.mlit.go.jp/common/001046636.pdf )
147
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
14.オリンピック・パラリンピック
新世代ネットワークを通じて、国内外の観光客等が快適かつ安全に通信端末等を用いて情報を入手し、移動し、観戦し、情報を発信し、
日本国内を観光できる環境を実現する。
現在できていないこと
経済
指標
新世代ネットワークでできる可能性があること
東京大会のICT経済効果は約2.13兆円と試算
されている。※三菱総合研究所による試算
(総務省 オリンピック・パラリンピックがもたら
すICT分野の事例及び経済効果等の調査研究
より)
経済
指標
多数のカメラの映像処理するやりかたは多数あるが、それをネットワーク屋だけで考えてもよい
考えは出ない。
サービス・プロバイダ (VNode プロジェクトでいう「開発者」) を募り、それらをつなぐスライスを多
数つくって試してもらえばいろいろなアイデアが出てくる。
単なる実験ではなく、アプリが成功すればビジネスとして成功するような仕組みを作る。
2013年の訪日外国人旅行者数は約1036万人と、前年(2012年)の約836万人から大きく飛躍。
観光立国推進閣僚会議では、2020年に向けて、訪日外国人旅行者数2000万人の高み目指
す。 (観光立国推進閣僚会議 資料より)
社会
貢献
現行の
問題点
多数のカメラからの選択は IoT をどう扱うかという問
題。
動画を圧縮するとザッピングを高速にすることが困難
になる。
ロンドン大会のWebサイト(London2012.com)のユ
ニークユーザーは1.1億人、最大同時アクセスユーザ
数は約50万人、PVの総数は47.3億PVに達するなど、
大規模なトラヒックが発生。
Webサイト利用の半数程度をモバイルが占めるなど、
スマートフォン等のモバイル端末への配信・サービス
提供が重要な大会となった。
(オリンピック・パラリンピックがもたらすICT分野の事
例及び経済効果等の調査研究)
社会経済的課題
英政府では5年間でサイバー対策に累計7億£を支出。
ロンドンオリンピック公式サイトは世界中のハッカーから
攻撃対象とされたが、重大なインシデント数を抑え、オリ
ンピック競技運営を支障なく実現させた。
社会
貢献
パラリンピック(障害を持った競技者)のための技術開発は、将来的に競技者ではな
い障害者や高齢者にも貢献できる可能性が高い。
技術
革新
屋外のスポーツの場合はquadcopter (ドローン) をたくさんとばして撮影する。
マラソンのような競技ではカメラマンにパワード・スーツを着せれば選手一人ひとりを追いかけて
撮影する。
高速なザッピングのために、圧縮しない、場合によってはアナログのまま伝送することを考えれ
ば,より遅延のすくない自由な処理が実現できるのではないか。
マルチアングル映像をユーザが自由にスイッチング(国際映像から自国選手を選択、ボールを
持っていないプレイヤー(ディフェンス側)の動きなど)
フェアプレーのサポート(審判の死角で起きる悪質なファウルの確認などを審判が確認できるよ
うにする)
大容量のデータ伝送/超絶に端末が集中した場所、かつ変動のあるデータ通信を許容できる
ネットワーク環境の構築/光・無線融合ネットワーク/ミリ波、テラヘルツ波の利活用/高度な
クラウドコンピューティング/社会インフラの老朽化等モニタリング/省エネシステム高度化/
次世代道路交通システム(ITS)の実用化/ICTによる介護・リハビリ・見守りの高度化/超臨
場感コミュニケーション/パーソナルデータを含むビッグデータの活用/インターネット利用によ
る日本語以外の道案内/カード決済範囲の拡大(特に地方)/全ての交通機関で共用できる
交通カード/等
研究開発課題
・既出の医療分野、エンターテインメント分野、交
通・運輸分野、教育分野、建築・土木分野、情
報家電・ホームネットワーク分野、安全・防災分
野等の研究開発課題を組み合わせる。
研究開発に関してテストベッドで検証すべき指標
・既出の医療分野、エンターテインメント分野、交
通・運輸分野、教育分野、建築・土木分野、情報
家電・ホームネットワーク分野、安全・防災分野等
での実証内容を組み合わせる。
参照:総務省 オリンピック・パラリンピックとICTについて( http://www.soumu.go.jp/main_content/000329528.pdf )
総務省 オリンピック・パラリンピックがもたらすICT分野の事例及び経済効果等の調査研究 ※三菱総合研究所 作成
( http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h26_03_houkoku.pdf )
新世代ネットワーク推進フォーラム
148
アセスメントWG
14.オリンピック・パラリンピック:分野横断的な課題
分野ごとにネットワークのあり方を検討するとともに、分野横断的な整理軸について、オリンピック・パラ
リンピックの特徴を以下に整理する。
区分
概要(例)
考えるネットワーク
学習し、自律的な(autonomic)動作をするネットワーク。データマイニング等の機能をクラウドだ
けでなくネットワーク側でも保有。センサネットワークを介したインターネットの障害・異常検知、
社会的ヘルスチェック(疾病・感染症発症状況の予知・把握、人々の生活における各種異常検知)
オプトアウト的ネットワーク
災害発生時にはセキュリティの制限を外す・緩和する等のオプトアウトの機能の搭載。
冗長トラヒックの削減
同じコンテンツに何度もアクセスする場合等の冗長トラヒックをネットワーク側で削減。
莫大な数の端末への対応(セ
ンサネットワーク等)
膨大な数のセンサ等の端末が設置され、小さなパケットが、常時、多量に発生する状況におけるネッ
トワーク側でのサポート。もしくはセンサ側が高度化し情報処理・情報蓄積ができる場合のネットワ
ーク側でのサポート。(競技場内など?)
端末が密集した場所でのデー
タ通信
競技場等、超絶に端末が密集した場所(端末を持った人の密集を含む)でのデータ通信時のネットワ
ーク側でのサポート。
トラフィック量の時間変動へ
の対応
競技場や各種イベント会場、観光地等、トラフィック量が時間によって劇的に変化する際のネットワ
ーク側の追従。
アプリケーションとネットワー
クの連携
データの発信元が追跡できるネットワーク。
ビッグデータへの対応
ビッグデータの存在をふまえたネットワークの運用・設計
セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のためのネットワーク側での前処理サポート。サイバーテロへの対応。
災害対策
可能な限り短時間で、最低限の連絡ができる状態のネットワークをアドホック的に構築。
遅延への対策
4K8Kテレビ等で、高精細・大容量のデータ転送の際に遅延が起こらないよう、ネットワーク側でサ
ポートする。
ブロードバンド
大容量のデータの伝送:時間変動する3Dデータを受信できるアプリが出現、発展した際のネットワー
ク側でのサポート
大容量のデータ送信時のネットワーク内での前処理を行う際のネットワーク側でのサポート。
149
14.オリンピック・パラリンピック:出典(参考文献・参照サイト)
<参照先>
1.事務局によるメーカーヒアリング結果
http://www.soumu.go.jp/main_content/000272688.pdf
2.「ICTによる最高のおもてなし」2020東京オリンピック・パラリンピック
http://www.soumu.go.jp/main_content/000295307.pdf
3.立候補ファイル 第1巻 (PDF 18.9MB) http://tokyo2020.jp/jp/plan/candidature/dl/tokyo2020_candidate_entire_1_jp.pdf
<官公庁の報告書等>
総務省
・オリンピック・パラリンピックおもてなしグループ(※須藤先生が座長をされている研究会)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/omotenashi/index.html
・ ICT成長戦略推進会議(第2回会合)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/suishin/02tsushin01_03000257.html
・【資料2-1】「ICTによる最高のおもてなし」2020東京オリンピック・パラリンピック
http://www.soumu.go.jp/main_content/000295307.pdf
・公衆無線LAN利用に関する情報セキュリティ意識調査結果
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000091.html
ホームネットワークシステム委員会
・~2020年東京オリンピックをICTで盛り上げよう~
http://www.ciaj.or.jp/ih1/report/report2013theme.html
【備考】オリンピックのためだけに何かをするのではなく:オリンピックのプレゼンで紹介したような「安全安心な都市、おもてなし」をキー
ワードにして提案されている項目を見直をして構成しなおす。
通常、活用しているインフラをオリンピックをターゲットに見直しをする、また、オリンピック後に活用できる新規インフラを構築する。
150
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
14.オリンピック・パラリンピック:参考事例(KDDIの事例)
東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「コミックマーケット」でのKDDIの通信対策。 (年に2回
行われるこのイベントには、3日間で60万人近くの来場者がいると言われている)
これまでは車載基地局が主流であったが、最近では人間にWi-Fiルーターを装備させて会場内に配
備する等の試みがある。
事業者名
サービス名
KDDI
人間Wi-Fi隊
KDDI
キャリアアグリ
ゲーション
URL
サービス内容・その他
会場内を携帯キャリアの人間が練り歩き、背中に背負ったWi-Fiアクセスポイントによって
Wi-Fiサービスを提供。Wi-Fiに一旦トラフィックを集約し、多くの周波数帯に対応している
Wi-Fiアクセスポイントのバックホール回線で周波数帯の利用状況を見ながら、あまり混ん
でいない帯域にオフロードすることで、ユーザーが快適に利用できる通信環境を提供。
トラフィック量の監視は、携帯基地局でどれだけのパケットが流れているか、どこかの基地
局に偏っていないかなどを監視。さらに、Twitterなどでユーザーの「繋がらない」「回線が重
い」といった声を拾うことで、ユーザーが「どこで多くのトラフィックが流れているか、基地局
http://www.au.kddi.com/pr/c ベースでは数百m四方で、Wi-Fiでは半径25m程度で把握可能。双方の状況を監視しなが
omic/
ら、現場に人間Wi-Fi隊が移動する。(体感している通信環境)
人間Wi-Fi隊では、トラフィックがある場所に集中してしまった場合、そこに人間を移動させ
http://news.livedoor.com/artic るだけで、トラフィックのオフロードができる可能性が生まれる。
le/detail/9624951/
遠隔地でトラフィックを監視する一方、自分が背負っているWi-Fiアクセスポイントにどれほ
どのユーザーが接続しているか調べる、通称「ドラゴンレーダー」と呼ばれるアプリを投入。
ユーザーの同時接続数やどれほどのトラフィックが流れているかなどを手元のスマートフォン
で確認できる。背中に背負ったWi-Fiアクセスポイントに接続しているドラゴンレーダー専用
のアクセスポイントに接続して、公開アクセスポイントのデータを取得する。(取得している
のは接続数と電波強度のみ)
移動Wi-Fiスポットは、実際に利用してみると、速度が安定しないことが多いが、キャリアア
グリゲーション(後述)で安定する。
異なる周波数帯を同時に利用して通信するもので、KDDIは800MHz帯と2.1GHz帯(とも
に10MHz幅)を同時に利用することで、最大150Mbpsの速度を実現する。速いだけでは
http://news.mynavi.jp/articles
なく、安定していることも大きな特徴の一つ。安定して通信できるようにすることが、イベン
/2014/08/17/softbank_kddi
ト会場では求められる。
/
外国の事例として、英国では携帯電話会社O2では同社が提供するモバイルWi-Fiルーターをポケットに忍ばせた“人間Wi-Fiホットスポット”、その名も“GuyFi”
をビーチに解き放ち、ビーチ客に無料でWi-Fiを提供する取り組みを実施。(ただし、こちらはプロモーションとしての要素が強い)
( http://markezine.jp/article/detail/23015 )
151
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
14.オリンピック・パラリンピック:参考事例
事業者名
サービス名
三井情報株式会
Wi-Fiロケーショ
社/シスコ社/アマ
ンサービス
ゾンウェブサービス
株式会社マイクロ 位置情報活用
アドプラス
サービス
日本電信電話株
式会社
himico
URL
サービス内容・その他
シスコ社のWi-Fi 環境を通じて取得できる位置情報と、アマゾンウェブサービス(AWS)上
で管理されるコンテンツを連携させることで、来場者が、展示物や店舗の近くを通過すると
関連コンテンツをスマートフォンに通知したり、来場者行動に合わせたお得な情報なども提
供できるプラットフォームサービス。
http://www.mki.co.jp/biz/solu 訪日外国人観光客にとって無料Wi-Fiは必要。
tion/wifi/location.html
その場所に来場した人限定の”おもてなしサービス”を提供することで、施設・地域の魅力
を高めることができる。
Wi-FiロケーションサービスとFacebook Wi-Fiと組み合わせることで、従来施設管理者のコ
スト負担が大きかった無料Wi-Fiサービスを”使われるWiFiサービス”へと進化させることに
より費用対効果のあるサービスになる。
スマートフォンアプリ向けのバナー広告配信を通して、位置情報の取得を行う。ユーザーが
広告表示のあるアプリを起動した際、その端末がどこにいたのかという位置情報を取得す
る方式で、個人を特定できる情報は取得しない。昨今、スマートフォンのバッテリー節約な
どのためにGPSをオフにしているユーザーも多いが、AdNearの場合は、キャリアやWi-Fiの
シグナル情報も活用し、GPSがオフになっている場合でも位置情報を取得できる。
https://www.microadplus.co.jp
この位置情報を活用し、ジオフェンスキャンペーンを展開できる。例えば、渋谷駅から1km
/
圏内にいる人を対象に広告を配信したい、というようなことが実現できる。正確にいえば、
渋谷駅から1km圏内で近い時間に広告表示のあるアプリを起動した人を対象にする。
http://news.mynavi.jp/articles
GPSをオフにしている人も対象にできる。
/2015/02/03/adnear/
さらに、ここにユーザープロファイルを掛け合わせ、「渋谷駅から1km圏内にいる20代の女
性」というようなターゲティングも可能。ユーザープロファイリングには、位置情報とモバイル
アプリの種別、第三者のマーケティングデータを組み合わせて行う。これらの情報から基本
属性としての年代や性別を推察した上で、アプリの利用履歴や行動履歴のフットプリントと
複数のデータを掛け合わせて分析を実施。
2020年に向けて、ビッグデータ分析を通じ、人・モノ・情報の流れを近未来予測し先行的
に制御を行ない、例えば、イベントの混雑緩和など、人や交通の流れの最適化を目指す研
究開発の取り組み「himico」を開始。
従来の技術では、事象が「いつ・どこで発生するか」といった時間と空間までを特定した近
未来予測は困難であった。今回、開発を目指す「時空間多次元集合データ分析」では、過
http://www.ntt.co.jp/news20 去の一定期間のビッグデータから、数時間程度先に起こる事象の発生時期(時間)と場所
15/1502/150218a.html
(空間)を近未来予測。
加えて、大量の各種センサーなどから得られる情報を、リアルタイムに観測・分析・予測・誘
導を反復することで、人、モノの混雑が緩和されるような最適化を目指す。
また通信事業者として、「himico」の取り組みを通じて、通信ネットワークにも応用し、い
つ、どこでネットワークが混雑するか等を近未来予測し、SDNやNFVなどのネットワーク制御
技術などと組み合わせ、いつでも、どこでも快適な通信の実現を目指す。
152
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
14.2020東京オリンピック・パラリンピック
カテゴリー
区分
概要
オリンピック
東京オリンピック
・ 全体として大量のデータが流れることになるだろう。恐らく小さなパケットが大量に流れるが、それをコントロールす
ることに興味がある。
オリンピック
人口減少、移民
・ 日本の人口は将来減少していくので移民を考える必要がある。東京オリンピックでは言葉が外国人につながらな
い、地方ではつながらないという問題が生じるだろう。これをネットワークで解決できないだろうか。
オリンピック
Wi-Fiネットワーク
・ 2020年の東京オリンピックで、外国人が成田や羽田に入ってきた時からのおもてなしが考えられ、Wi-Fiネットワー
クIDを外国人向けに無料で配ることが提案されている。
オリンピック
・オリンピックだけではなく、パラリンピックとのセットでの検討を行うことが望ましい。
※東京オリンピックでの活用についても検討。
153
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
その他
※各分野に分けられないネットワーク全般についてSWGメンバーで
協議した内容
154
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
ネットワーク全般
カテゴリー
区分
概要
ネットワーク
東京オリンピッ ・ 全体として大量のデータが流れることになるだろう。恐らく小さなパケットが大量に流れるが、それをコント
ク
ロールすることに興味がある。
ネットワーク
エネルギーネッ
・ 無線で電力を運べないか。
トワーク
・ 仮想化の本質に戻るが、ネットワーク。与えられたネットワークで現状に解を見出す。その人にあったネット
ワークのカスタマイズである。ネットワークが管理者にしか見えておらず、個人には見えていないのは問題であ
る。
ネットワーク
ネットワーク
ネットワーク
メディアの陳腐 ・ 電子化してもメディアが陳腐化してしまう。例えば8ミリビデオがつながらない。昔の機器が今のネットワーク
化
でつながらない。そういう基盤が欲しい。
ネットワーク
人 口 減 少 、 移 ・ 日本の人口は将来減少していくので移民を考える必要がある。東京オリンピックでは言葉が外国人につな
民
がらない、地方ではつながらないという問題が生じるだろう。これをネットワークで解決できないだろうか。
ネットワーク
・ ネットワークは様々なビックデータをデバイス(センサーなど)から受けると同時にクラウド(エッジ側にあるこ
ともある)から受けるデータもある。今回、アプリケーションとして挙げている多くのものが、センサーなどデバ
ビッ ク デー タと
イスからのデータを受けてセンサー同士だけで処理が完了するものは少ない。タイミングは様々だが(リアルタ
ネットワーク
イム・ノンリアルタイム)アプリケーションだけではなくビックデータ(分析された結果の情報)を基に動作するも
のが存在する。
ネットワーク
至 近 距 離 で の ・ 同じ場の方に情報を認証なしで送る、例えば近くの人にどうすればURLを教えられるのだろうか。見ている
通信
ページを認証なく送れるようにしたい。
ネットワーク
Wi-Fiネットワー ・ 2020年の東京オリンピックで、外国人が成田や羽田に入ってきた時からのおもてなしが考えられ、Wi-Fi
ク
ネットワークIDを外国人向けに無料で配ることが提案されている。
155
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
その他①
カテ
ゴリー
その他
区分
通訳、ボラン
ティア
概要
・ 震災の時に、NTTの本社に、外国人向けに通訳をしたいというボランティアの人が来た。その時は対応できなかっ
たが、組織化してバーチャルセンターにして、医者等の情報提供ができればよかった。適切なバーチャルコンセントを
置き、コールセンターに置く。
ネットワークが
信頼されてい
・ ネットワークが信頼できないので使われないのがDNA研究である。映画業界が10年前は100億円の価値があるも
その他 ない分野の発
のがコピーされてしまうという批判があったが、それを説き伏せて4Kを導入した。他の例がもう一つあればよい。
掘(DNA研究、
その他)
・ ネットワークにつながることは別の楽しみ方になる。例えばあるゴルフ場ではカートにGPSが付いており、スコアを入
スポーツ
力できる。そこで何組かでコンペを行った時、全てのスコアが出て自分の順位が出る。少しプロの気分を味わえる。
ウエアラブルと
その他
・ ゴルフに関しては、NTTではウエアラブルセンターの開発を行っており、心電図がリアルタイムで分かる。帽子に電
の連携
極を付けることで、精神の安定が分かるが、これは性格と実力を反映している。
医療との連携
・ ウエアラブルセンサーに関しては、医療に応用できる。何回か測定するとまれに不整脈がとれる。
その他 自治体
・ ガバメント2.0を自治体に適用する話があった。
その他 パケット料金
・ 現在パケット料金は送信者、受信者双方に請求される。見る自由だけではなく見ない自由の保証も重要だろう。
・ ビルの火災時に逃げ遅れることが課題である。ビルで火災があるとそれに気付いた人が逃げるが、階段で人が渋
滞してしまい逃げられない、誘導が出来ない問題がある。
その他 災害時の避難
・ 地震や津波でも道によっては助からない道もある。分かりやすいものが必要だろう。
・ 杉並区では(携帯等で)指定場所が表示されず、自分の現在地が分からない。
156
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
その他②
カテゴリ
ー
区分
概要
その他
アプリ
ケーション ・ 個々のアプリケーションに関しては、本当に欲しい人がこういったアプリケーションを作ってきた。アプリケーションに寄
とビジネ りすぎてもいけない。欲しい人と欲しい機能、やりたい所とビジネスがマッチすると新しい市場が生まれる。
ス
その他
・ 新SWGの狙いからくるプログラマブルなネットワークは、現在議論されているものや欧米のメーカーが推進している
M2M、そこから発展するIoTやIoEなどで様々なアプリケーションサービスを提供するものと考えられる。これは、M2M、
P2P、M2P(モバイル業界ではD2Dと言っている)と人が介在することが非常に多く、人に対しての恩恵が存在すること
を示しているようである。
・ このような世界を実現するために、SDNやNFVと一緒に Analytics技術の連携を視野にいれることが必要になるで
全体につ あろう。
いて
・ プログラマブルなデータプレーンネットワークで動作する ものとしては、FogComputingやEdgeComputingと呼ばれ
る ものが代表例ではあるが、様々なデバイスユニットが それに含まれるであろう。
・ また、SDNによるコスト削減(主に、運用や使用する機器など)や、ベンダーロックインなどの理由によるアジリティの限
界等を打破し今以上に発展させていくために、制御プレーンのSDN化だけではなく、データプレーンのSDN化(プログラ
マビリティ)も目指す必要がある。そうすることで、よりNFV化が進み、クラウドに存在するアプリケーションがサービス機
能によりプログラムされたデータプレーンと連携して動くことで将来革新的なIoTの世界を築くことが可能になる。
その他
・ 現在、非常に多くのユーザの接点をAppleやGoogleなどのOTTが握っている。そのような状況において、我々が新た
ユーザと
にどうユーザ体感としての接点を持つか?データをどう収集できるか?オープンデータとの連携を本当にできるのか?
の接点
といった課題がある。
157
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
SWG方向性
カテゴリー
区分
概要
全体
日本の強みにつ ・ 新しいネットワーク技術が世界に広まった時、日本が何で稼ぐのかということも念頭に置けると良い。既
いて
存産業の枠を超えた新しいものが出てきて、新たな雇用創出にもつながっていくものであると良い。
全体
ICTと行動の関係 ・ ICTで幸せになるのか。ICTは人間の行動に影響する。行動心理学、行動理論が関係する。
全体
社会問題
-少子高齢化と
全体を俯瞰すると、ローカルに遍在して発生する問題や要求に対して、有意義な情報やノウハウ、加えて、
見守り、-地球環
人的リソース/エネルギー/食糧が、適切なタイミング/コストで流通できていないことが共通する問題だ
境とエネルギー
と考える。
-食糧の安全化
・ これらを流通させる/流通を支援するアプリケーションが考えられると良いと思う。
-食糧不足と適
正消費
全体
今後の方向性
・ 切り口が面白ければよいだろう。若い人の活性化の方が議論は弾むだろう。エンターテインメント、観光
等であろう。次世代のゲーム、自治体の切り口、雇用だろう。
今後の方向性
・ 少子高齢化、移民等にリンクさせた方がよいだろう。ただしゲームやウエアラブルは国策ではないが、そ
れはこのアセスメントでやっていく。総務省のものとあまり重なる必要はないが、プログラマブルに捉えられ
ることはないか。
・ 今回はアイディアの元となるホワイトペーパーであり、技術者が見てアイディアブックのようになればよい。
全体
【参考情報】
オバマ米政権、「スマートシティー」関連アプリ開発に1.6億ドル投入へ (http://japan.cnet.com/news/business/35070563/)
米Obama政権は米国時間9月14日、新たな「スマートシティー」構想に1億6000万ドル超を投入することを発表した。
地域社会における生活の質(QOL)の向上に役立つアプリの構築を目指す。(CNET Japan 2015/09/15 記事より抜粋)
158
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
追加情報収集
<考えるネットワーク>
IBM Bluemix
Google
Microsoft
Amazon
その他
(http://www.ibm.com/cloud-computing/jp/ja/bluemix/)
(http://www.tensorflow.org/) ※TensorFlow
(http://googledevjp.blogspot.jp/2015/11/tensorflow-google.html)
(http://www.dmtk.io/) ※Distributed Machine Learning Toolkit
(https://osdn.jp/magazine/15/11/14/152700)
(https://aws.amazon.com/jp/machine-learning/) ※Amazon Machine Learning
機械学習ツール最前線( http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/active/15/111200135/)
第4次産業革命に向けて工場の生産性を向上させるルネサスの「自律するM2M」
(http://japan.renesas.com/press/news/2015/news20151126.jsp)
総務省 インテリジェント化が加速するICTの未来像に関する研究会
(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/intelligent/)
<クラウドエッジ>
シスコ
ETSI MEC
(http://www.cisco.com/web/JP/news/pr/2014/012.html) ※Cisco Iox(フォグコンピューティング)
(https://portal.etsi.org/Portals/0/TBpages/MEC/Docs/Mobile-edge_Computing_-_Introductory_Technical_White_Paper_V1%2018-09-14.pdf)
その他
IoTが求めるクラウドの進化とフォグコンピューティング(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/12585)
IoTが求めるフォグコンピューティングの実際(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/12673)
Mobile Edge Computing(MEC)とは (http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20150605/421863/?rt=nocnt)
<産業のネットワーク>
その他
IoT政策の動向 (自由民主党 IT戦略特命委員会資料)
(http://activeictjapan.com/pdf/20150521/jimin_it-toku_document_20150521.pdf)
Global Iot 標準化団体の動向について~IoT標準プラットフォームとは?~ (一般社団法人組み込みシステム技術協会 IoT技術研究会資料)
(http://www.jasa.or.jp/TOP/download/technical/IoTM2M-1_YRP.pdf)
インダストリアルインターネットコンソーシアムが目指すもの
(http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1511/24/news067.html)
平成26年度世界の製造業のパラダイムシフトへの対応調査研究 -ものづくりパラダイムシフト対応調査専門部会報告書報告書-
(http://www.jmf.or.jp/houkokusho/1107/3.html)
ドイツと米国が仕掛ける製造業のルール変更、 日本の製造業はインダストリー4.0にどう対処すべきか 株式会社フロンティアワン 鍋野 敬一郎 氏
(https://www.youtube.com/watch?v=YqW_V44fJZg)
日本の経済成長戦略 - IoTとCyber Physical Systemsと国際標準規格の動向と“Industry4.1J”の誕生
(https://www.vec-community.com/ja/salon/2015/16)
159
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
重点テーマのまとめ
160
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
重点テーマ1:考えるネットワーク
『考えるネットワーク』への主な期待は、以下の実現にある。
センサとマニュピレータを介して現実社会の制御を行う場合、センサからの情報を収集、蓄積、解析し、マ
ニュピレータを介したアクションを導きだし、現実に影響を与えるネットワークシステム、
上記のネットワークシステムにおいて、その情報処理を実行する最適なリソース配分、ないし、何かのイベ
ントに対してシステム内での予防的な措置を判断、実行するネットワーク
たとえば、以下の通り。
交通・運輸の領域では、自動車の所有するデータを道路側に送ること、自動車は動くのでそれぞれ
のデータはGPSデータ(地理上のデータ)と一緒になって、各道路側のポイントにおいて、逐次デー
タが新たに蓄積されていく。「ブレーキがかけられた」、「速度が落ちた」、ワイパーが動いた」などさ
まざまなデータは蓄積される。蓄積されたデータから、評価・学習し、全体から見て「交通渋滞が発
生している」「交通事故が発生している」「災害が発生した」などの交通状況を判断し、自動車の円
滑な走行のために、環境である信号の間隔調整へフィードフォワードしたり、自動車へ現時点の交
通状況をフィードバックして、たとえば、自動車の流れが分散するよう各車に指示を与えるなどの、
渋滞回避制御を行う。その後、渋滞状況が逐次変化するので、そのデータを反映し、さまざまな手
法のどのような制御が最も渋滞緩和に適しているかなどを学習していく。
同時に、情報処理システムとしてのネットワーク内のリソース配分を、全体として機能が適切に分
散処理されるよう、自律的な動作をするネットワークシステムの実現が期待される。たとえば、処理
量の多い地区に多くの計算リソースを割り当てること、交通の集中を事前に予知してネットワークリ
ソースを準備すること、災害時に利用不能になった一部機能を補うよう全体として機能を保つなど、
ネットワークが自分自身の健全性を維持するため、従来のネットワーク内の情報だけでなく、現実
世界からのセンサデータやツイートを学習して障害や混雑が起きる前に対処するネットワークの実
現が期待される。
161
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
重点テーマ2:産業分野のネットワーク
現在、世界的に新たな産業革命が進んでいる。製造業におけるバリューネットワークや生産プ
ロセスに対してIoT・CPSやAIの概念を適用することで、競争力の維持・強化を目的とするもので
ある。
例えば、センサーやタグを組み込んだFAロボットや素材などをAIで制御することで、生産ライン
を流れる個々の製造物毎に要求や状態を認識し、多品種少量生産(カスタムメイド・オーダーメ
イド)など柔軟な製品生産が可能になる。顧客の要望への個別対応を、大量生産のコンセプト
を取り入れながらも低コストで実現する「マス・カスタマイゼーション」も、AIの導入により可能に
なる。これには企業同士をネットワークで接続しバリューネットワークの高度化を図る試みも含
まれる。ドイツではこれらの技術をIndustrie4.0と称して国際標準化を通じ自国製造業の優位性
確保を図っている。これらの技術と標準化は、日本の製造業を脅かす可能性があり、早急な対
策が求められている。
本分野では工場や装置がシームレスにネットワーク接続されていることが必須条件であり、従
来よりも高信頼で低遅延なネットワークが必要とされると推測される。
例えば、データが分散配置された環境で、適切なデータに最短の遅延で到達できることを保証
するため、エッジコンピューティング等を行う必要がある。増大するデバイスを管理する為に人
ではなくネットワークが自律的に自らを管理/監視するネットワーク技術(ML/DL)を適用する必
要もある。また多数のデバイスが接続される為、ネットワーク仮想化技術等を用いて適切にネッ
トワークを分離・管理することが求められる。デバイス(特にセンサー)の物理的・ネットワーク的
セキュリティ確保とデバイスコストの抑制を両立するには、デバイスに依らずネットワーク側でセ
キュリティを担保する方式も求められる。
マス・カスタマイゼーションの一環として、3Dプリンタの普及が想定され、産業分野において、従
来よりも大容量のデータのやりとりが頻発する可能性があることから、ネットワーク側で、大容
量データ送受信に耐える方式も求められる。
162
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
重点テーマ3:クラウドエッジ(IoT)
現在、ネットワーク事業者が提供するネットワークとアプリケーションプロバイダが提
供するサービス・アプリケーションは、それぞれ独立にシステム構築・展開されている
。
今後のIoT/M2Mの進展にともない、サービス・アプリケーションのネットワークへの要
求条件(リアルタイム性、移動性、容量など)は極めて多様化することが想定される。
IoT/M2M時代では、機能や処理能力が制限された機器がネットワーク経由で様々な
サービスに利用されるようになる。このような機器を広域ネットワークに接続する際に
、通信機能やセキュリティ機能をネットワークが代替する必要がある。一方、IoTにお
けるサービスでは、交通システムや工場の制御システムなど実世界と連携して大量
の機器データの収集やリアルタイムな監視・制御が重要となる。このようなサービス
ではネットワークは大量の機器データに伴うサーバやネットワークの負荷を低減する
ためのデータ集約・圧縮・キャッシュなどの処理や、低遅延のレスポンスを提供する
機能を提供する必要がある。このような処理の一部をネットワークのエッジで提供す
ることにより、多様なIoTサービスの実現が期待される。
このように、サービスを提供するアプリケーションの要求条件や、アプリケーション利
用者の利用環境に応じ、クラウド~広域なネットワーク~エッジにおいて、ネットワー
クの機能・転送方式を変えたり、サービス・アプリケーションそのものやアプリケーショ
ンが利用/提供するデータを動的に配備したりして実行・運用することで、アプリケー
ション利用者のQoE向上や、ネットワークリソースの有効利用の実現につなげる。
163
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
クラウドエッジ(IoT)(イメージ)
164
新世代ネットワーク推進フォーラム アセスメントWG
参考:周辺動向
上述の3分野に係る、関連企業・団体等による最近の取り組み状況は以下のとおりで、
社会的な実装に向かった検討が進められている。
区分
直近の動向
考えるネット
ワーク
「考えるネットワーク」に関する要素技術はそろいつつあり、今後は社会的実装に向け
て、ネットワーク上で実際に機能させる方向に向かっているとみられる。
【事例1】IBM社「Bluemix 」:クラウド上のアプリケーション構築基盤。自分で開発
した業務アプリケーションをクラウド上で簡単にかつ便利に稼働させられる。
【事例2】Google社「「TensorFlow」」:機械学習エンジン。2015年11月にオープン
ソース化
【事例3】Amazon社「Amazon Machine Learning」:機械学習エンジン。2015年2月
にオープンソース化。
クラウドエッ
ジ
「クラウドエッジ」の社会実装に向けた、企業によるサービス化や、関係団体の検討が
進められている。
【事例1】Cisco社「フォグコンピューティング」:ネットワークのエッジでデータを
処理する概念を提唱。
【事例2】ETSI(欧州電気通信標準化境界)「MEC(モバイルエッジコンピューティ
ング)部会」:モバイル系のエッジコンピューティングを検討中。
産業のネット
ワーク
産業分野で米欧それぞれに検討を推進中のIoT関連の動き。コンシューマの二極化(モ
ノの所有価値重視/サービスの利用価値重視)を受けてビジネス展開方法にも影響。
【事例1】Industrie4.0(ドイツ):ドイツ国内の課題解決と中小企業のオートメー
ション化を目指す、ドイツ政府が支援する取り組み。標準化技術誘導型。
【事例2】IIC(米国):機械や装置が、故障や障害などの予測可能性を持って、ネッ
トワーク経由で伝えるべき人に伝える仕組み。資本経営誘導型。ビジネスアライアンス
の戦略等に関心。
165