2016/4/5 北米の日系サプ ラ イ ヤー:生産拠点集約と米国外への生産移管が増加 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 北米の日系サプライヤー:生産拠点集約と米国外への生産移管が増加 メキシコでは、米国からの生産移管を含めて、拠点強化の動き 2010.3.11 No.859 相次いでいる、生産拠点集約と米国外への生産移管 トヨタ紡織/豊田通商と山陽化工が新工場を稼働、東洋ゴム工業が生産能力を拡充 曙ブレーキと積水化学が事業買収、古河電工と三菱製鋼が合弁事業の経営権を取得 カナダとメキシコでの動き:トヨタ紡織/日本化薬/ミツバが、米国生産をメキシコに移管 要 約 北米の自動車産業は、2009年4月に Chrysler が、2009年 6月に GM が、日本の民事再生法に相当する米国連 邦破産法第 11条の適用を申請するなど大きな変化に直面した (サプライヤーも、2009年5月に Metaldyne Corporation が、2009年7月に Lear Corporation が適用申請した)。 日本の自動車メーカーの2009年の米国生産も、トヨタが08年比 22.2%減の 87.1万台、ホンダが 26.7%減の 72.3 万台、日産が 31.6%減の 37.3万台にとどまった。 以下は、メキシコを含む北米での、日系サプライヤー最近動向であるが (収録対象は、2010年 3月上旬までの約 1年間)、市場縮小という経営環境変化に対応するため、生産拠点集約や米国外への生産移管など、事業体制を効 率化する動きが数多い。 相次いでいる、生産拠点集約と米国外への生産移管 米生産拠点を集約する動きでは、NTN が Pennsylvania州で、ニッパツが Ohio州で、日清紡ブレーキが Michigan州で、武蔵精密工業が South Carolina州で、ヨロズが Michigan州で工場を閉鎖または生産休止して、他 の米国拠点に生産を集約した。 米国生産を日本やアジアに移管する動きも数多く、ショーワが焼結部品生産を日本に集約し、東海ゴムがゴムホー ス生産の一部を中国に移管、ニチリンがカーエアコン用ゴム管生産を日本と中国から供給、山下ゴムがフューエルホ ース生産をタイに移管する。 日系自動車部品メーカーの米国での動き:生産の集約/移管などによる事業体制の効率化 (2010年 3月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順) ■アイシン精機:NUMMI の生産終了に伴い、ドアフレーム拠点を閉鎖 アイシン精機は、California州のドアフレーム生産拠点 AISIN MFG. CALIFORNIA, LLC の工場閉鎖を検討中 (2009年 9月報道)。製品の全量を供給してきた、トヨタ自動車と GM の合弁会社 NUMMI (New United Motor Manufacturing, Inc.、California州) が、2010年 3月末で生産を終了するため。 ■NTN:軸受け生産を Illinois 工場に集約 NTN は、米国の 100%子会社 NTN-BCA, Corp (Pennsylvania州) を清算し、ラジアル玉軸受, クラッチ軸受, ニードル軸受, エンジンのロッカーアーム用軸受などを生産してきた Lititz工場を2010年 3月末に閉鎖する予定。 生産は 100%子会社 NTN・BOWER, Crop. (Illinois州) の Macomb工場に移管する。(会社整理費用 12億 3,400 万円を2009年10-12月期に引当済み)。 ■エフテック:米国 3社を統合して経営資源を集約、カナダ 2社も統合 エフテックは、北米事業体制を2010年 4月に再編して経営資源を集約し、生産変動にフレキシブルに対応できる 体制を構築する。米国では、製造子会社 F & P America Manufacturing, Inc. (Ohio州) を存続会社として、製造 子会社 F & P Georgia Manufacturing, Inc. (Georgia州) と統括会社 F.tech North America, Inc. (Ohio州) を 吸収合併する。 http://www.marklines.com/ja/report/rep859_201004 1/6 2016/4/5 北米の日系サプ ラ イ ヤー:生産拠点集約と米国外への生産移管が増加 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル カナダでは、製造子会社 FPC F&P Mfg., Inc. (Ontario州) を存続会社とし、製造子会社 DYNA-MIG MFG. OF STRADFORD Inc. (Ontario州) を吸収合併する。 ■ショーワ:米国 3工場と日本の 2工場での焼結部品生産を、九州ショーワに集約 ショーワは、ショックアブソーバーとパワーステアリングの焼結部品生産体制を再編する。米国子会社 AMERICAN SHOWA, Inc. (Ohio州) の 3工場と、日本の埼玉工場と九州ショーワ (熊本県) での生産を、九州シ ョーワに集約する。生産技術の資源を集中して効率化を図り、固定費を圧縮する (2009年 5月報道)。 ■東海ゴム工業:自動車用ホースを生産する 3拠点を再編、一部は中国に移管 東海ゴム工業は、自動車用のゴムホースと樹脂ホースを生産してきた北米 3拠点、DTR Industries, Inc (DTROH:Ohio州)、DTR Tennessee, Inc. (DTR-TN:Tennessee州)、DTR de Mexico (Chihuahua州) を、2010年 8 月までに再編する。 ゴムホース生産は、DTR-TN と DTR de Mexico に集約し、一部を中国の東海軟管(大連)有限公司 (Tokai Dalian Hose Co. Ltd.) と東海橡塑(広州)有限公司 (Tokai Rubber (Guangzhou) Co. Ltd) に移管する。樹脂ホ ース生産は DTR de Mexico に一本化する。(DTR-OH は自動車用防振ゴム生産を継続する) ■ニチリン:カーエアコン用ゴム管工場を閉鎖、日本と中国から供給 ニチリンは、カーエアコン用ゴムホースのゴム管を製造する NICHIRIN-FLEX U.S.A.,INC. (NFL:California 州) の工場 を2009年11月に閉鎖した。ゴムホースの北米組み立て拠点 NICHIRIN COUPLER TEC U.S.A.,INC.(NCT:Texas州) にゴム管を供給してきたが、12月以降は日本の姫路工場と中国の上海工場から供 給する。また、12月に NCT が NFL を吸収合併し (ともに 100%子会社)、NFL に社名変更した。 ■日清紡ブレーキ:Detroit 近郊の開発/生産/営業拠点を清算、Georgia 工場に事業集約 日清紡ブレーキは、北米ブレーキ事業を 1拠点に集約する。自動車用摩擦材の開発と営業機能を有する Detroit 近郊の Nissinbo Automotive Corporation (NAC: Michigan州) を2010年 3月までに清算し (生産は09 年 4月から休止)、量産拠点の Nisshinbo Automotive Manufacturing, Inc (NAMI:Georgia州) に事業を集約す る (ともに 100%子会社)。 ■ニッパツ:サスペンション部品生産を、Kentucky州工場に集約 ニッパツは、自動車用サスペンション部品を生産している New Mather Metals, Inc. (Ohio州) の Toledo 工場 を2010年 3月に操業停止して、Franklin 工場 (Kentucky州) に生産を集約する。需要の大幅減少で、収益体質 の転換が望めないと判断し、生産拠点を再編する。 ■日立電線:北米生産拠点を再編、HEV/EV用大容量電源ハーネス等も生産 日立電線は、自動車用ブレーキホースとワイヤーハーネスの北米生産拠点の、5拠点から 3拠点への集約を、 2010年度上期中に前倒しする (当初計画は2011年度に集約予定。3拠点は Indiana州, Florida州, メキシコ)。2 品目の生産を中止する Indiana州の他の 2拠点では、HEV や電気自動車 (EV) 向け大容量電源ハーネスなど、 高機能製品を生産する計画。 ■武蔵精密工業:北米生産を 2拠点に集約、ATV 部品事業は日本とタイに移管 武蔵精密工業は、ATギヤとベベルギヤ等を製造販売してきた 100%子会社の Musashi South Carolina Incorporated (MSC:South Carolina州) の営業を2009年12月末で停止し、清算する計画 (収益確保を目指す、 北米事業再編計画の一環)。MSC の四輪部品事業は Musashi Auto Parts Michigan Inc. (Michigan州) と Musashi Auto Parts Canada Inc. (Ontario州) に、バギー (ATV) 部品事業は日本とタイに移管する。 ■山下ゴム:米国工場で人員を半減、フューエルホースとチューブをタイとに日本に生産移管 山下ゴムは、米国の 100%子会社 YUSA CORPORATION (Ohio州) の人員を 500人に半減して、フューエルホ ース生産をタイに移管する。フューエルチューブ生産も日本に移管し、将来的には人件費の安いタイに移管する 計画 (2009年 7月報道)。 ■ヨロズ:米国でのサスペンション部品生産を、1拠点に集約 ヨロズは、GM, ホンダ, スバル, 三菱自動車にサスペンション部品を供給してきた米国 100%子会社 Yorozu Automotive North America, Inc. (YANA:Michigan州) の操業を2009年10月に休止し、すべての生産を Yorozu Automotive Tennessee, Inc. (YAT:Tennessee州) に集約した。 ヨロズは、2008年12月には、日産と GM に主として小型トラックのサスペンション部品を供給していた 100%子会 社 Yorozu Automotive Mississippi, Inc. (YAM:Mississippi 州) の生産を休止して YAT に生産移管しており、 http://www.marklines.com/ja/report/rep859_201004 2/6 2016/4/5 北米の日系サプ ラ イ ヤー:生産拠点集約と米国外への生産移管が増加 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル YANA の操業休止により、YAT が米国唯一のヨロズの生産拠点となった (YAT はヨロズが 85.01%、住友商事が 14.99%出資。ヨロズは、YAM を清算することも09年 1月に発表した) トヨタ紡織/豊田通商と山陽化工が新工場を稼働、東洋ゴム工業が生産能力を拡充 新たな生産拠点では、トヨタ紡織が Indiana州の新工場でトヨタの Highlander用シート生産を2009年10月に開 始、豊田通商と山陽化工が Indiana州の新工場で樹脂コンパウンド生産を2010年 4月に開始する計画。 この他、東洋ゴム工業が凍結していたタイヤ工場の生産能力拡充を段階的に再開、八千代工業が Alabama工場 での樹脂製燃料タンク生産を開始、三菱重工業が2009年 7月に生産を休止した Indiana州のカーエアコン工場の 再開を検討中。 また、河西工業とユーシンが、2011年に稼働する VW の米国工場への供給計画を発表した。 日系自動車部品メーカーの米国での動き:新会社設立や事業再開など (2010年 3月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順) ■東洋ゴム工業:工場拡充を段階的に再開、年産能力を 550万本に 5倍増 東洋ゴム工業は、2009年 2月に凍結した TOYO TIRE NORTH AMERICA MANUFACTURING INC.(TNA: Georgia 州) の拡充を、2010年度から段階的に再開する。当初計画では、乗用車と pickup truck 用タイヤの年 産能力を2011年度に 550万本とする計画だった (07年度比 5倍)。 ■豊田通商と山陽化工:樹脂コンパウンド会社を設立、新工場で2010年 4月から生産予定 豊田通商と山陽化工は、樹脂コンパウンドを生産する Premium Composite Technology North America Inc. (Indiana州) を、2009年 2月に設立した。資本金は 750万ドルで、豊田通商が 50%、豊田通商アメリカが 30%、山 陽化工が 20% 出資。8000t の年産能力を持つ工場を建設し (09年 6月着工、初期投資額 12.5億円)、2010年 4 月に生産を開始する予定。 ■トヨタ紡織:トヨタ Highlander 用シート生産を新工場で開始 トヨタ紡織は、新工場 Toyota Boshoku Indiana, LLC (TBIN:Indiana州) で、シートフレームとシートウレタン生 産を2009年10月に開始した (工場投資額は 5,700万ドル)。トヨタが Indiana工場で米国生産を開始した Highlander 用で、トヨタ紡織の 100%子会社 Automotive Technology systems, LLC (ATS:Illinois 州) が、シー トに組み立ててトヨタに納入する。 (注) ATSは、トヨタ紡織が、北米での柔軟かつ効率的な事業体制を組む狙いで、2008年 9月に設立した自動車用シ 1. ートとドアトリムの生産/販売会社 (資本金は 1,440万ドル)。 2.TBIN は、Sienna 用シートを生産する計画で、07年11月に設立された (トヨタ紡織の北米統括会社が全額出 資)。車種変更は、トヨタの計画変更のため。Highlander の米国販売は、2007年 127,878台、08年 104,661 台、09年 83,118台。 ■三菱重工業:米国 3社向けカーエアコン工場の生産を再開する方針 三菱重工業は、2009年 7月に生産を休止した Mitsubishi Heavy Industries Climate Control Inc. (Indiana 州) のカーエアコン生産を再開する方針で、再開時期を検討中 (2010年 1月発表)。米国 3社を中心にカーエアコ ンを供給していた工場で、カーエアコン基幹部品の 3次元スクロールコンプレッサー生産への投資も08年度に行 っている。 ■八千代工業:Alabama 工場で、樹脂製燃料タンク生産を開始 八千代工業は、Yachiyo Manufacturing of Alabama, LLC. (YMA:Alabama州) 工場を増設し、樹脂製燃料タ ンク生産を開始した (2010年 2月報道)。米国での樹脂製燃料タンク生産は、US Yachiyo Inc. (USY:Ohio州) に 次いで 2拠点目。 (注) 八千代工業は樹脂製燃料タンクを、海外では、米国 2拠点、中国 2拠点, タイ 1拠点で生産しており、ブラジル 1. でも2011年に生産を開始する計画。欧州での生産も検討中。 2.YMA での樹脂製燃料タンクの生産規模は不明だが、八千代工業は、ホンダの Indiana工場稼動 (08年10月) に対応するため、YMA にルーフパネルなど車体用プレス部品の一貫生産体制を08年初に整え、09年 1月稼働 予定で年産能力 20万台分の樹脂製燃料タンク工場建設も予定していた。 ■VW の米国工場への供給:河西工業がドアトリムなど、ユーシンがキーセットを供給 VW は、Tennessee州 Chattanooga に新工場を建設中で、2011年に稼動する計画。当初の年産能力は 15万 http://www.marklines.com/ja/report/rep859_201004 3/6 2016/4/5 北米の日系サプ ラ イ ヤー:生産拠点集約と米国外への生産移管が増加 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル 台で、先ず、米国専用モデルの Mid-sized sedan を生産する。 この新工場への供給を、河西工業とユーシンが発表した。河西工業は、ドアトリム, ルーフ, FR ピラー等を供給 (M-TEC, Inc. の Tennessee工場で生産)、5年間で 150億円の売り上げを見込んでいる。ユーシンは、キーセット を供給する (Missouri州の YUHSHIN U.S.A. Ltd. で生産)。 曙ブレーキと積水化学が事業買収、古河電工と三菱製鋼が合弁事業の経営権を取得 米国サプライヤーの経営悪化も影響して、日本のサプライヤーによる事業買収と合弁事業の経営権取得が行われ た。 曙ブレーキが Robert Bosch から北米ブレーキ事業の一部、積水化学が Celanese から合わせガラス用中間膜原 料事業を買収した。古河電工はLear Corporationとの合弁会社の経営権を取得、三菱製鋼が ArvinMeritor との 合弁会社を完全子会社化した。 また、ケーヒンが米州本部を新設して調達機能を統括会社に集約し、ヨロズが現地完結型の北米開発体制を整え る計画。 日系自動車部品メーカーの米国での動き:買収や開発拠点整備など (2010年 3月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順) ■曙ブレーキ工業:Robert Bosch GmbH から北米ブレーキ事業を買収 曙ブレーキ工業は2009年12月、大株主でもある Robert Bosch GmbH から北米ブレーキ事業の一部を買収し た。買収したのはファンデーションブレーキやブレーキドラム等を製造販売する事業。買収した事業の2009年売上 高見込みは 5.8億ドルで、取得金額は約 1,000万米ドル。Bosch は収益性が悪化した北米ブレーキ事業の再構 築、曙ブレーキ工業は売上高増加による収益改善を狙いとしており、両社の思惑が一致した。 ■旭テック:Metaldyne が米国連邦破産法を申請 旭テックの 100%子会社 Metaldyne Corporation (Michigan州) と、その子会社 30社は、2009年 5月、日本の 民事再生法に相当する米国連邦破産法第11条の適用を申請した (2008年末時点の負債総額は 9.3億ドル)。この 申請時点で、Metaldyne グループ各社は旭テックの連結対象から外れた。 旭テックは、発表を延期していた2009年 3月期の単体決算で Metaldyne への出資金 320億円を特別損失とし て全額償却し、連結決算ではMetaldyne の純資産を 1円とみなした減損損失 315億円を計上した (キャッシュフロ ーへの影響はないとしている)。併せて、今後、旭テックが Metaldyne に対して財務的支出を行うことはないと発表 した。 ■ケーヒン:米州本部を新設、調達機能を統括会社に集約 ケーヒンは、2009年 4月、事業効率向上のために米州本部とアジア本部を新設した。併せて、Keihin Indiana Precision Technology, Inc. (Indiana州) を、北米統括会社としての位置づけを明確にするためとして Keihin North America, Inc. に社名変更し、5拠点別に分散していた米国での調達機能を Keihin North America に集 約した。 ■積水化学工業:合わせガラス用中間膜原料事業を買収、自動車分野の世界シェア目標は 44% 積水化学工業は、米国の化学メーカー Celanese のポリビニルアルコール樹脂 (PVA) 事業を 1.73億ドルで買 収した (2009年 4月発表)。PVA は、合わせガラス用中間膜の原料で、買収した生産拠点は米国 2工場 (Kentucky州と Texas州) とスペインの 1工場。合計年産能力は 12万t で、2008年売上高は 2.96億ドル。 積水化学工業は、合わせガラス用中間膜事業を戦略事業と位置付けており、2008年の自動車用中間膜の世界 シェアは 42% (同社発表)。買収によって、中間膜原料の生産拠点は日本とオランダの 2拠点を合わせて 5拠点に なり、2010年度には自動車用でシェア 44% を目指すとしている。 (注) 積水化学工業は、2009年 6月、米国での PVA 事業会社として、100%出資で Sekisui Specialty Chemicals America, LLC (Texas州) を設立した。資本金は 1.07億ドル。 ■タチエス:Lear Corporation との提携事業を継続 タチエスは、Lear Corporation (Michigan州) と提携、米国, 中国, 英国で合弁生産している。Lear は2009年 7 月、米国連邦破産法第11条の適用申請したが、タチエスは Lear との合弁事業を継続する (09年 7月発表)。米国 での合弁会社は自動車シートを生産する TACLE Seating U.S.A. LLC (Tennessee州) で、タチエスの出資比率 は 51%、主な納入先は日産の米国製造拠点。 http://www.marklines.com/ja/report/rep859_201004 4/6 2016/4/5 北米の日系サプ ラ イ ヤー:生産拠点集約と米国外への生産移管が増加 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル ■古河電工:Lear Corporation との合弁会社の経営権を取得 古河電工と古河オートモーティブシステムズは、2009年 4月、Lear Corporation との合弁会社 Lear Furukawa Corporation (Texas州) の経営権を取得した。日系自動車メーカー向けにワイヤーハーネスを生産しており、2008 年売上高は約 1億米ドル。Lear が保有していた 80% 株式のうちの 60% を取得して、持分を 80% に引き上げ、 Furukawa Lear Corporation に社名変更した。 ■三菱製鋼:ArvinMeritor との合弁会社を、完全子会社化 三菱製鋼は2009年10月、ArvinMeritor, Inc. (ARM:Michigan州) との合弁 2社を完全子会社として、社名変更 した。三菱製鋼が 43%、ARM が 57%出資していた、自動車バネを生産する Meritor Suspension Systems Company (Michigan州) と Meritor Suspension Systems Company U.S. (Kentucky州) で、新たな名称は、それ ぞれ MSSC と MSSC U.S. (MSSC U.S. は、本社も Detroit に移転)。 ARM が経営資源を商用車に集中させるために乗用車部門の MSSC の譲渡を提案し、三菱製鋼も北米市場で の需要が見込まれるとして買収を合意した。2社の株式譲渡額は 1,300万ドル。買収後の持分は三菱製鋼 89%、 三菱商事 11%。 ■ヨロズ:北米開発体制を、現地完結型へ ヨロズは、北米統括会社 Yorozu America Corporation (Michigan州) の開発部門を、解析スタッフ増員やシミュ レーション機器導入によって、2010年年度内に現地完結型の体制を整える。完成車メーカーが現地開発を強化し ているのに対応する狙い。 カナダとメキシコでの動き:トヨタ紡織/日本化薬/ミツバが、米国生産をメキシコに移管 カナダでは、タチエスがシート工場を閉鎖、日本板硝子が自動車用フロントガラスの生産能力を削減した。 メキシコでは、トヨタ紡織と日本化薬が米国から生産移管し、ミツバも生産移管を検討中。また、鬼怒川ゴム工業が 新工場を2010年に稼働予定で、クラリオンが中南米向けカーナビゲーション生産を開始する予定。 日系自動車部品メーカーのカナダでの動き (2010年 3月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順) ■タチエス:カナダの生産拠点を閉鎖して、生産規模を適正化 タチエスは、ホンダ向けにシート生産してきた、Johnson Controls Inc (JCI) と合弁の SETEX Canada GP (Ontario州) の工場を閉鎖した。生産は近隣にある JCI の遊休施設に移管し、会社組織は存続させる。主取引先 である日産とホンダの減産に伴い、生産規模を適正化するため (2009年 6月報道)。 ■日本板硝子:カナダのフロントガラス生産能力を削減 日本板硝子は、世界規模で生産能力と生産量の削減を進める計画を発表した (09年 4月発表のリストラ対策費 は 250億円)。自動車ガラス事業は欧米拠点中心に生産能力を削減しており、北米ではカナダ Collingwood工場 (Ontario州) のフロントガラス生産能力を削減した。 日系自動車部品メーカーのメキシコでの動き:生産拠点の設置や集約など (2010年 3月上旬までの約 1年を中心とする動向で、配列は企業名 50音順) ■鬼怒川ゴム工業:メキシコ新工場で、2010年内にシール生産を開始 鬼怒川ゴム工業は、メキシコ新工場で、これまではタイ拠点が供給していたドア部分などの水密や遮音シールの 生産を、2010年内に開始する (2009年11月発表)。当初は、米国工場の Tepro, Inc. (Tennessee州) が半完成品 を供給し、数万台分の年産規模でスタートし、需要に応じて段階的に拡充する計画。主要取引先である日産の北 米生産拡大に対応するためだが、シール部品を北米で新規受注したトヨタへの対応も視野。 ■クラリオン:メキシコで、中南米向けカーナビゲーションを生産 クラリオンは、中南米向けカーナビゲーションの生産を、メキシコ子会社 Electronica Clarion S.A. de C.V. (Querataro州) で2010年 8月に開始する (2010年 2月発表)。月産計画は 3,000台。メキシコ生産することで、ブ ラジル向けの輸入関税が無くなり、メキシコで従来から生産してきたオーディオ機器との一体型とすることで、従来 品比 30% のコスト減も見込めるとしている。 ■タチエス:Johnson Controls と合弁のメキシコ 3工場を、2工場に集約 タチエスと Johnson Controls Inc の合弁で (タチエスの出資は 49%)、シート表皮などを生産している http://www.marklines.com/ja/report/rep859_201004 5/6 2016/4/5 北米の日系サプ ラ イ ヤー:生産拠点集約と米国外への生産移管が増加 マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル TECHNOTRIM INC (Michigan州) は、メキシコの 3工場を 2工場に集約し、トリムカバーの生産を縮小する。主取 引先である日産とホンダの減産に伴い、生産規模を適正化するため (2009年 6月報道)。 (注) タチエスのメキシコ子会社で 100%出資の Industria de Asiento Superior, S.A. de C.V. は、2009年に自動 車シート生産設備を拡充した (投資額 2.57億円)。 ■トヨタ紡織:Lexus RX 用シートカバー生産を、メキシコに移管 トヨタ紡織は、稼働率低下に対応するための北米生産体制再編の一環として、米国 Kentucky州の Leitchfield 工場を2009年 6月末で閉鎖、トヨタの Lexus RX 用シートカバー生産等を、メキシコ TB DE MEXICO, S.A. DE C.V. (Coahuila州) の Chavez 工場に移管した。 ■日本化薬:米国で LifeSparc を解散、マイクロガスジェネレーター事業をメキシコに移管 日本化薬は、米国での需要減により、米国の 100%子会社 LifeSparc, Inc. (California州) を2011年 3月末日で 解散する (2010年1月発表)。LifeSparc のマイクロガスジェネレーター事業はメキシコの 100%子会社 Kayaku Safety Systems de Mexico, S.A. de C.V. に、スクイブ事業はチェコの 100%子会社 Indet Safety Systems, a.s. に移管する。LifeSparc 解散に伴う特別損失は 30億円の見込み。 (注) LifeSparc は、日米欧 3極体制によって自動車の安全部品ビジネスを拡大するために、旧 Quantic の事業を 2000年に買収して設立した会社。 ■パイオラックス:米国法人傘下のメキシコ工場を、本体の子会社化 パイオラックスは、米国 PIOLAX CORPORATION の子会社で、樹脂製品と、エア・ダンパ等の開閉機構部品を 生産しているメキシコ PIOLAX.S.A.de.C.V (Nuevo Leon州、2000年に設立) を、2010年中を目処にパイオラック ス本体の子会社に体制変更する方針。取引先の日系自動車メーカーがメキシコ生産体制を拡充していることに加 え、現地通貨の為替が安定してきたこと等のため (メキシコを切り離して、米国法人が業績回復に集中できる体制 にすることも狙い)。 ■ミツバ:北米生産体制を再編、スタータモーター等の最終組立のメキシコ移管を検討 ミツバは、北米生産体制を2010年度に再編することを検討中。米国 3工場で生産しているスタータモーターやル ーフモーターなどの最終組立工程を、メキシコ Corporacion Mitsuba de Mexico, S. A. DE C. V. (Nuevo Leon 州) に移管する等の生産効率化を検討中とされる。 出典:マークラインズ Copyright(C)MarkLines Co., Ltd. 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