ロックウール綿の固形化(ブリック)による再利用

「平成26年度3R先進事例発表会」
題名:ロックウール綿の固形化(ブリック)による再利用
平成26年10月17日
ニチアスセラテック株式会社
株式会社堺ニチアス
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ロックウール製品について
ロックウールは耐熱性に優れた天然岩石や製鉄の副産物である高炉スラグを原料とし、
約1,500℃の高温で溶融し、遠心力で吹き飛ばして繊維化した人造の鉱物繊維です。
当社はロックウール製品をMG製品と名付け、耐火、断熱、防音を目的とし、ビル、工場、
一般住宅にいたるまで幅広い分野に提供しています。近年は、特に住宅分野における
省エネルギー商品として注目され、CO2削減にも大きく寄与しております。
MG製品は用途や使用目的に合わせて、板状、フェルト状、ブランケット状、帯状、筒状
などさまざまな形態の製品を取り揃えております。
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製造事業場
●
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ニチアスセラテック㈱
㈱堺ニチアス
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ロックウール製品の製造工程
スピナー
溶解工程
ブリック
スラグ
天然岩石
キュ-ポラ
集綿工程
コークス
溶湯
集綿室
スピナー
フェノール
樹脂
集綿
ベルト
ペンデュラム
製綿工程
硬化成型工程
硬化炉
一次フリース
二次フリース
仕上工程
空冷コンベヤ
切断設備
ロックウール成型品
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廃棄物の発生箇所
スピナー
溶解工程
ブリック
スラグ
天然岩石
キュ-ポラ
集綿工程
コークス
溶湯
集綿室
スピナー
塊状くず
フェノール
樹脂
集綿
ベルト
仕上工程
空冷コンベヤ
ペンデュラム
砂状、繊維状くず
製綿工程
硬化成型工程
硬化炉
一次フリース
切断設備
二次フリース
ロックウール成型品
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再利用にあたっての問題点
キューポラ炉へ投入する原料サイズ
溶解工程
ロックウール生産用の溶融炉は、キューポラといわれる
円筒状の炉に拳大の原料と燃料であるコークスを一定
の比率で投入し、周辺から熱風を吹き込むことにより
コークスを燃焼させ溶融熱とします。
キュ-ポラ
溶湯
したがって、リサイクルする原料は空気の透過を妨げ
ないで効率よく熱交換可能な形状(拳大)を保っている必
要があります。
発生する廃棄物のサイズ
発生する廃棄物は、粉末状や繊維状、綿状、
塊状とさまざまな形状をもっています。
塊状くず
(砂つぶ大∼拳大)
砂状、繊維くず
(ロックウール、未繊
維「ショット」)分)
そのままの形状では再利用不可
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廃棄物のブリック化による再利用
キューポラ炉へ投入する原料サイズ
キューポラに投入している原料(スラグ、天然岩石、コークス)は「こぶし大」程度の大きさである
ことから、同程度の大きさに廃棄物を固める必要がある
景観材であるインターロッキングブロックが同じような大きさ
のものがある
インターロッキングブロック製造設備を使用した廃棄物のブリック化検討 (平成8年頃∼)
その結果、セメント系硬化材の使用量を最小限として、
溶融原料として最適な形状、強度への成形化を成功
ニチアスセラテック
平成12年ブリック化設備導入
堺ニチアスに横展開
平成18年ブリック化設備導入
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ブリック設備
・ブリックの製造工程
セメント
原料
(ロックウールくず
・ショットくず)
混合
成形
養生
ブリック
10cm×10cm×10cm
ほぼ、原料サイズと同じ
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ニチアスセラテックの産業廃棄物排出量の推移
ロックウールくず、ショットくず
ガラス陶磁器くず(t)
発生量(t)
20000
H12ブリック設備導入
15000
10000
H23粉砕設備導入に伴い
ロックウールくず、ショットくず減少
5000
0
H11年
H16年
H17年
H18年
H19年
H20年
H21年
H22年
H23年
H24年
H25年
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ニチアスセラテックにおける粉砕設備導入
・ロックウール綿の粉砕設備
ニチアスセラテックにおいて、H23・25年にラインごとに粉砕機を設置した。
ニチアスセラテックでは、隣接する自社廃棄物処分場でショベルローダーで押しつぶして、
微細化していた。
廃棄物処分場の使用停止に伴い、ロックウールくず等を砂状にする粉砕設備導入し、
完全ブリック化に成功した。
・ロックウール綿粉砕設備
上部から見た写真
→繊維をすりつぶして砂状にしている。
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堺ニチアスの産業廃棄物排出量の推移
H18ブリック設備導入
発生量(t)
ロックウールくず、ショットくず
ガラス陶磁器くず(t)
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
H17年
H18年
H19年
H20年
H21年
H22年
H23年
H24年
H25年
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ブリック化による効果のまとめ
ニチアスセラテック
堺ニチアス
対策実施前
(H11年)
現在
(H25年)
対策実施前
(H17年)
現在
(H25年)
発生量(t)
15,006
17,716
16,093
15,463
排出量(t)
15,006
1,802
16,093
911
最終処分量(t)
14,444
148
16.093
911
最終処分率(%)
96
0.8
100
5.9
※ 最終処分率(%)=最終処分量/発生量×100
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さらなる廃棄物削減にむけた将来展望
ニチアスセラテック㈱
・発生ラインごとに再生品を造り分け、利用比率の向上。
・事業所内の他工程廃棄物のブリック原料化。
㈱堺ニチアス
・ブリック原料に利用出来ていない廃棄物を粉砕設備導入で
再利用化を検討中。
・集綿室のリサイクルダクトの改善により、耳くず等のリサイク
ル量の増加を実施。
共通
・不良低減活動を通した、発生量(廃材)の削減。
・客先での製品使用後の廃棄物を広域リサイクルに資するこ
とで、ライフサイクルの終端時にも寄与する。
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