MTNW Newsletter11(PDF 437KB)

乗用車向け
快適性テスト
Newton 活躍
二台の STAN の物語
イタリア
Centro Richero Fiat
新ヨーロパ
販売代理店
Mesdan S.p.A
Measurement Technology NeWs
Newsletter published by Measurement Technology NW
Summer/Fall 2012
■発汗サーマルマネキンNewtonの温度制御方式
①定温 ②定ヒートフラックス ③快適性(Madsen)モード ④生理学的制御モード
Newtonには、次の温度制御モードがあります。温度モード、
のヒートアップおよびクールダウン・テストにおける乗用時
ヒートフラックスモード、快適性(Madsen)モード“ワークサイ
の快適性を評価します。次の二つの共通自動車テストシナ
クルを反復させるプログラマブル制御モード”と生理学的制
リオにおいて、人体応答とサーマルマネキンNewton応答と
御(Physiological control)モードです。
の相互関係をゴールに、この実験は環境風洞を用いて
この生理学的制御モードは、最新鋭機能でマネキンPC2ソ
2011年末に実施されました。
フトウェアを、閉回路帰還制御パッケージとして機能させ、
1) 熱水浴車クールダウンテスト(各々@ 43℃, 32℃, 28℃)
人体の代謝システムを模擬し、温熱快適性と寒暑感覚に
2) 冷水浴車ヒートアップテスト(各々@ -5℃ と -18℃)
関する指標をも提供します。代謝活動レベルは各活動レベ
同一の2台の乗用車が使用されました。一つはヒートアップ
ル(睡眠時、休養時、作業時、運動時)に応じて模擬するべ
テストに、一つはクールダウンテストに使われます。
く設定されます。どの活動レベルが入力されても、適切な
一人の訓練された被験者は、運転手となり、彼の表面温度
新陳代謝の熱量(ワット数)がマネキンに賦課されます。
は4ヶ所でモニターされます。運転手の核芯温度もモニター
ユーザ定義の代謝率設定値に応じて、Newtonは、組織、
されます。26部位Newtonサーマルマネキンは、同じ車の乗
血管拡張、血管収縮応答やその他の受動的熱移動を織り
客として並んで着席します。テストデータの分析(その一部
込んだ生理学的モデルによって動的に調整されます。適切
は2つの図表中に、以下、グラフィック表示)は、よい相関性
な熱応答がリアルタイムに入力に反映させることで、
を示しました。大変良い相関データが得られています。(本
Newtonは正確に人体の過渡的動作を再現させます。
研究関連の学術発表は9I3M;東京 2012年8月にて予定)
このシステムどの程度正確かは、最近の一連の自動車環
今計画された将来の自動車向けのテストは、改訂版生理
境制御トライアル試験に実施され、そこでNewtonがチーム
学プログラム(ManikinPC2 Version10.2)に反映具体化され、
の一員となり、実際の人間の横に座らせる実験で、乗用車
それが全面的な相関率とレスポンス反応時間のさらなる改
善へと期待されています。
■二つの STAN の物語(A Tale of two STAN’s)
2001年初頭、Centro Richero Fiat 社が自動車業界で
テムで発汗水が供給されます。
初めて MTNW 社 STAN(Seat Test Manikin system)を購
STANの個々のサーマル部位はまた人体の血流と同じ
入しました(最初のユーザは、Delphi 社で1998年購
ように作動する統合冷却機能を装備しています。この
入)。
内蔵の還流システムは、加熱された座席のように温度
この10年間、STAN は、Fiat 研究所で、乗用車座席のサ
上昇となって顕われる過剰熱分を部位から取り去りま
ーマル快適性計測の正確で重要なテスト設備でした。
す。
使用中の皮膚温度を正確に維持するのに加えて、
STANの最先端冷却システムは、加熱された座席から
のエネルギー移動割合を計測します。
高度な STAN マネキン技術によって、受動の座席、換気
された座席および加熱された座席に関する熱絶縁性と
湿気交換特性が明確に把握されます。乾熱抵抗、蒸発
限界、最大加熱電力や過渡加熱時間のような各種特性
は、正確に解析されます。座席仕様に関するベンチマー
キング機能を与えることで、STAN は、研究者に標準化
への、また更なる比較座席試験結果への道のりを提供
します。イタリアの Fiat テストラボ向けに構築中の新
STAN サーマルマネキンに加え、STAN システムは、さら
にドイツ、日本および米国で稼働しています。
しかしながら、2011年に突然STANの使用停止の事態
が発生し、研究現場で、修理か新規購入の比較検討が
始まりました。 MTNW社技術陣は、修理はあまりにも
広範囲にわたるため、選択の余地なく新規購入の方向
性となり、代わりに、この10年間の技術進歩、品質改善
の比較を提示しました。現在の発汗サーマルマネキン
STANは、腰部関節接合、テスト時加熱された座席に対
する内蔵冷却機能、内蔵されたシート重量/加圧機能、
現行の工業規格や自動車用座席位置決定方式に合致
した身体ライン設計等様々な技術の進化がなされてい
ました。
STAN は今や自動車用試験研究においてなくてはならな
い総合的なツールとなり、受動的な座席、加熱された座
席、冷房/換気された座席等のテストに用いられていま
す。STAN の機能を最大限に発揮するため、6つの多孔
金属発汗部位を含む11の独立した加熱サーマル部位
が STAN の背面部と臀部に組み込まれています。全部
位に、人体代謝熱出力割合を模擬するヒータが装着さ
れ、同時に各部位の高精度センサーがリアルタイムに
6-部位 発汗 STAN
温度をモニター、計測します。 マネキン皮膚表面にフィ
(2010 年 再設計)
ットした発汗部位に、マイクロメータポンプとバルヴシス
■西欧州(以西)地域の販売代理店;Mesdan S.p.A.の紹介
MESDAN S.p.A. 一大繊維工業地である北イタリアの町、
Mesdan社は、MTNW製品の西欧州(スペイン、ポルトガル、
Salò、で 1952年設立、 当初はテキスタイルノッタを生産し、 オーストリア、イタリア、ドイツ、ベルギー、チェコ、ポーラン
その後世界的な紡績糸ノッタメーカーとして拡大、1980年
ド、スロバキア、ハンガリ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴ
代では、“Jointair” および “Aquasplicer” の名称で紡績
ビナ、ユーゴスラビア、アルバニア、ギリシャ)の総代理店
糸スプライサで知られています。
です。
1950年代になり、MESDAN-LAB新研究所を設立し、テキス
タイルQCやテスト機器開発等幅広い先端技術開発を行い、
今後の機能性繊維開発等、発展を続けています。
繊維産業の斜陽化に伴い、繊維製品の高度化、機能化に
加え、MTNW社と共に広くテスト機器の紹介を行うべくこの
度の販売契約に至りました。
Mesdan社は、西および中央欧州地域に広く技術支援体制
をもち、高度な技術者による納入、据付、研修等幅広く
MTNW社システムの支援が可能となりました。同時に、
MTNWシステムの消耗品から修理部品の在庫し、当該地
域に向け迅速な納入と取引を可能に致しました。
MESDAN S.p.A. Headquarters
Via Masserino 6,
25080 Puegnago del Garda (Brescia - Italy)
本年は、Mesdan社の60周年を迎え、さらなる顧客サービ
スの強化と新たな技術開発、新製品の市場投入等積極的
な展開を見込んでいます。
Measurement Technology NW は、織物、衣服の温熱快適性、そして航空機、トラック、自動車のインテリアのサーマル
快適性に関する広範囲な測定・評価の精密機器を開発、製造しています。
サーマルマネキンと発汗ガードホットプレートシステムの全製品は、断熱性と透湿性における現行のあらゆる産業試験
標準をサポートするよう設計されています。
************お問合せは**************
日本総代理店
アイ・ディ・エス株式会社
〒556-0014 大阪市浪速区大国町 3-2-27
TEL/FAX:06-6648-1171
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2012Nov