2014 - in

アニュアルレポート 2014
変化をチャンスと捉える力
The Ability to See
Opportunity in Change
日本の印刷業界の
フロントランナーとして
文明開化の熱もさめやらぬなか、日本が先進国への道を歩み始めた明治中期。
当時最先端の高付加価値技術
「エルヘート凸版法」
を手に、
日本の印刷文化の未来を切り拓こうと夢見る技術者たちがいました。
1899年に起草された
「銅凸版及石版印刷所設立趣意書」
には彼ら、
トッパンの創業にあたった人々の想いが熱く綴られています。
翌年、都内の一画に産声を上げたトッパンは、今日まで常に
日本の印刷業界のフロントランナーとして、新たな地平を開拓してきました。
トッパンは今や、出版印刷関連分野にとどまらず、
21世紀のあるべき姿を定めた
「TOPPAN VISION 21」
のもと
情報・文化の担い手として多彩なビジネスを展開し、
「情報コミュニケーション」
「生活環境」
「マテリアルソリューション」
の
3事業分野で、最先端の製品・サービスを提供しています。
2014年3月末現在、国内外に展開するグループ会社は
計180社、総従業員数は48,751名に達し、
2014年3月期の連結売上高は1兆5,320億円を記録しています。
マテリアル
ソリューション
事業分野
エルヘート凸版法に用いられた銅版
Contents
2 セグメント別製品・サービス概要
28 セグメント情報
47 トッパンの社会的責任活動
4 連結財務ハイライト
29 情報コミュニケーション事業分野
52 主要連結子会社および関連会社
6 セグメントハイライト
33 生活環境事業分野
56 海外ネットワーク
8 株主・投資家の皆さまへ
34 マテリアルソリューション事業分野
58 事業所一覧
10 社長メッセージ
38 2013年度のトッパンの活動
59 財務セクション
16[ 特集 ]
40 トッパンの企業像
76 会社情報および株式の状況
「印刷テクノロジー」
と
「変化をチャンスと捉える力」
42 コーポレート・ガバナンス
44 取締役および監査役
情報コミュニケーション
事業分野
マーケティング
コンテンツ
関連
関連
セキュア
ビジネスフォーム
関連
関連
いろど
ち
わざ
彩りの知と技
印刷テクノロジー
半導体
パッケージ
関連
関連
生活環境
事業分野
建装材
ディスプレイ
関連
関連
高機能・
エネルギー関連
現在の事業分野
編集方針
2014年版アニュアルレポートは、機関投資家との対話によって得られた知見を基に、創業以来、
トッパンが培ってきた強みである
「印刷テクノロ
ジー」
をベースとして、統合的な視点で当社の活動や成長戦略を報告しています。また、社会とのかかわりという視点のもと、CSR
(企業の社会的
責任)
に対する考え方・活動を、ISO26000に沿って紹介しています。企業活動を通じて社会課題の解決をめざしている当社へのご理解の一助と
なりましたら幸いです。
なお、財務状況に関するより詳しい情報については、有価証券報告書をご覧ください。
*本文中の敬称は省略しています。
*本文中の商号および製品・サービス名称は、各社の商標または登録商標です。
*本文中の書体は、ユニバーサルデザインの観点からUDフォントを使用しています。
Toppan Annual Report 2014
1
セグメント別製品・サービス概要
トッパンは、
「情報コミュニケーション事業分野」
、
「生活環境事業分野」
、
「マテリアルソリューション事業分野」
の
3分野で事業を展開しています。
「印刷テクノロジー」
という事業基盤のもと、それぞれの事業を発展させ、
社会やお客さまの課題解決につながるトータルソリューションの提供を行っていきます。
情報コミュニケーション事業分野
円滑なコミュニケーションを求めるお客さまに対し、
「情報の価値を高める」
「情報を効果的に届ける」
ソリューションを提供する事業分野
セキュア関連
証券類全般、通帳、商品券、ギフト券、各種くじ、
ビジネスフォー
ム、データ・プリント・サービス、ICカード、各種カード、ICカード
店頭即時発行サービス、
カードプリンタ、ギフトカードASPサー
ビス、ネットワークセキュリティシステム、ホログラムなど偽造
防止デバイス、セキュア関連業務の各種アウトソーシング受
託
(BPO)
、
マニュアル制作、報告書制作 など
マーケティング関連
ポスター、
カタログ、パンフレット、チラシ、ダイレクトメール、
カ
レンダー、年史、各種コーポレートコミュニケーションツール、
POP、ギフト、プレミアム、スペースデザイン、
イベント、各種プ
ロモーション企画・運営、
メディアサービス、映像制作、アプリ
ケーション開発、
システム開発・運用、
コミュニケーション業務の
各種アウトソーシング受託
(BPO) など
コンテンツ関連
週刊誌・月刊誌などの雑誌、単行本、美術書、辞書・事典など
の書籍、
コミックス、教科書、CD・DVD・Webなどの電子出版
物、電子書籍関連、出版企画・編集、海外版権斡旋、各種プロ
モーション企画・運営、広告・アライアンスビジネス など
ビジネスフォーム関連
連続フォーム、統一伝票、封筒、カタログ、パンフレット、チラ
シ、カード、電子メディア関連業務、データ・プリント・サービス
(DPS)
、
ドキュメントマネジメント、RFIDソリューション、NFC、
機器類の販売・保守 など
2
Toppan Annual Report 2014
生活環境事業分野
快適で安心できる生活環境づくりをめざし、
さまざまな製品とサービスをグローバルに提供する事業分野
パッケージ関連
各種パッケージの企画・開発・製造
(軟包材、紙器、
カップ、プラスチック成
形品、液体複合容器、
ラベル、段ボール)
、
マーケティング企画、素材・機能
性包材の開発・製造、材料・構造の設計、包装関連システム機械の開発・
製造、コントラクト・受託充填、コミュニケーション企画、UDコンサルティ
ング
など
マテリアルソリューション事業分野
技術開発力をベースに、
ディスプレイ関連製品や、高機能・エネルギー関連の部材類を提供する事業分野
ディスプレイ関連
液晶用カラーフィルタ、反射防止フィルム
(LRフィルム、AGフィルム)
、TFT
液晶、
タッチセンサー基板、有機EL用メタルマスク など
半導体関連
半導体用フォトマスク、
リードフレーム、FC-BGAサブストレート、LSI受託設
計、
オンチップカラーフィルタ など
高機能・エネルギー関連
太陽電池バックシート・封止材フィルム、
リチウムイオン二次電池用関連部
材、電子機器用プラスチック成形品、情報記録材 など
建装材関連
化粧紙、壁紙、床材、
インテリア部材、
エクステリア商材、空間コーディネー
ション など
Toppan Annual Report 2014
3
連結財務ハイライト
凸版印刷株式会社および子会社
3月31日に終了した会計年度
2010年
2011年
2012年
会計年度
売上高
¥ 1,506,751
¥ 1,556,457
¥ 1,510,415
営業利益
38,238
45,009
31,555
税金等調整前当期純利益
31,062
32,097
8,807
当期純利益
11,703
12,153
3,068
総資産当期純利益率
(ROA)
0.7%
0.7%
0.2%
自己資本当期純利益率
(ROE)
1.6%
1.6%
0.4%
営業活動によるキャッシュ・フロー
¥
104,340
投資活動によるキャッシュ・フロー
(72,933)
財務活動によるキャッシュ・フロー
(29,498)
¥
96,894
¥
(46,883)
83,457
(89,031)
2,812
(89,755)
1株当たりデータ
(円)
1株当たり当期純利益
¥
18.18
¥
18.89
¥
4.77
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
18.17
̶
̶
1株当たり配当金
22.00
18.00
18.00
研究開発費
¥
24,416
¥
23,445
¥
21,496
設備投資
68,064
65,020
66,814
減価償却費
87,450
82,940
80,923
総資産
¥ 1,665,695
¥ 1,694,329
¥ 1,586,823
純資産
874,027
864,017
866,219
自己資本比率
44.8%
43.3%
46.1%
有利子負債比率
43.2%
46.1%
35.4%
会計年度末
売上高および
営業利益率
1株当たり配当金
(DPS)
および
よび
1株当たり純利益
(EPS)
)
[十億円]
[%]
2,000
10.0
純資産および
自己資本当期純利益率
(ROE)
[円]
[円]
25
50
[十億円]
22.0
22
0
1,500
1,5
1,506.8
7.5
40
20
500
2.1
1
2.5
21
2.
0
0
10年
11年
12年
13年
14年
□■ 売上高
営業利益率
4
Toppan Annual Report 2014
864..0
864.0
866
86
66.2
.2
2
888.
888.4
88.4
8.4
.4
750
4.5
30
0
32
2.12
.1
12
5.0
10
6.0
874
87
874.0
74..0
15
1,000
[%]
1,000
500
5
10
4.7
4.77
4.7
.77
0
11年
12
2年
250
1..6
1.6
2.7
2.7
7
1..6
1.6
3.0
1.5
0..4
0.4
0
10年
2.5
20
18.
18.18
13年
年
14年
□■ 1株当たり配当金
(DPS)
1株当たり純利益
(EPS)
0
0.0
10年
11年
12年
13年
14年
□■ 純資産
自己資本当期純利益率
(ROE)
単位:百万円(1株当たりデータ除く)
2013年
2014年
増減率
(%)
2014年
¥ 1,502,308
¥ 1,532,043
2.0%
32,092
35,722
11.3%
¥
38,849
40,735
4.9%
18,562
20,621
11.1%
1.2%
1.2%
2.5%
2.7%
¥
103,596
(52,139)
118,026
(108,648)
7,051
¥
28.90
¥
1兆5,320 億円 357 億円
当期の売上高は、前期に比べ2.0%増の1兆5,320億円となりま
した。事業セグメント別では、情報コミュニケーション事業分野、
生活環境事業分野では増収となったものの、
マテリアルソリュー
ション事業分野では減収となりました。
境事業分野、
マテリアルソリューション事業分野のいずれも増益
13.9%
̶
15,013
112.9%
32.12
11.1%
̶
18.00
18.00
0.0%
19,821
-4.2%
76,827
72,177
-6.1%
67,965
62,473
-8.1%
¥ 1,633,066
¥ 1,712,351
4.9%
888,422
913,108
2.8%
46.3%
45.7%
38.9%
42.1%
¥
営業利益
業セグメント別では、情報コミュニケーション事業分野、生活環
31.10
20,689
売上高
営業利益は、前期に比べ11.3%増の357億円となりました。事
̶
¥
経営成績の説明
となりました。
1株当たり配当金
(DPS)
18 円00 銭
当期の期末配当は、1株当たり9円00銭といたしました。
これに
より中間配当
(1株につき9円00銭)
と合わせて、1株当たり年
間配当金は18円00銭となりました。
財政状態に関する説明
総資産
純資産
1兆7,124 億円 9,131 億円
当期の総資産は、前期に比べ793億円増加し、1兆7,124億円
となりました。これは投資有価証券が371億円、現金及び現金
同等物が316億円、
それぞれ増加したことなどによるものです。
負債は、前期に比べ546億円増加し7,992億円となりました。
これは1年以内に返済期限の到来する長期借入債務が426億
円減少したものの、長期借入債務が755億円、支払手形及び買
掛金が67億円、繰延税金負債が48億円増加したことなどに
総資産および
総資産当期純利益率
(ROA)
よるものです。
当期の純資産は、前期に比べ247億円増加し、9,131億円とな
[十億円]
[%]
2,000
4.0
りました。これは、為替換算調整勘定が158億円、利益剰余金
が91億円、
それぞれ増加したことなどによるものです。
1,7
1,712.4
712.4
2
1,500
3.0
1,000
2.0
将来予測表記に関する特記
1.0
いた将来予測表明です。
これらの将来予測表記には、既知、未知のリスクや仮定などが
1.2
.2
2
500
0..7
0.7
当アニュアルレポートの記載内容のうち、将来予測表記は、現在入手可能な情報に基づ
1.2
.2
0..7
0.7
含まれており、
それらの可変要因やその他のリスク要因によって、
実際の成果や業績など
0.2
0.2
2
が、
記載の予測とは大きく異なる可能性があります。
0
0.0
10年
11年
12年
13年
14年
□■ 総資産
総資産当期純利益率
(ROA)
当日本語版アニュアルレポートについて
当日本語版アニュアルレポートは、英語版アニュアルレポートの翻訳であり、掲載する
連結財務諸表もこれに準じております。なお、当日本語版においては、英語版に掲載し
ている連結財務諸表注記ならびに監査報告書については、省略しております。
Toppan Annual Report 2014
5
セグメントハイライト
注:2013年4月に事業本部の統合を行い、
「マテリアルソリューション事業本部」
を新設したことに伴い、当期より報告
セグメントの区分を変更しています。以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後の事業区分
に組み替えた数値で比較しています。
情報コミュニケーション事業分野
生活環境事業分野
マテリアルソリューション事業分野
2014年3月期
2014年3月期
2014年3月期
売上高
売上高
9,200 億円
2.8%増
営業利益
売上高
2,834 億円
4.8%増
営業利益
411億円
1.7%増
3,674 億円
1.6%減
営業利益
112 億円
0.8%増
セグメント別売上高比率
92
79.7%増
億円
セグメント別営業利益比率
マテリアルソリューション事業分野
マテリアルソリューション事業分野
23.0%
14.9%
生活環境事業分野
情報コミュニケーション事業分野
17.8%
59.2%
生活環境事業分野
情報コミュニケーション事業分野
18.3%
66.8%
※外部顧客に対する売上高で計算しています。
※全社費用調整前の数値で計算しています。
セグメント別外部顧客への売上高およびセグメント別営業利益の推移
情報コミュニケーション事業分野
[十億円]
生活環境事業分野
[十億円]
1,000
[十億円]
500
500
400
400
300
300
907.3
883.1
750
359.6
272.6
259.6
500
250
40.4
200
200
100
100
41.1
0
0
13年
14年
■ 外部顧客への売上高
■ 営業利益
6
マテリアルソリューション事業分野
Toppan Annual Report 2014
11.1
13年
11.2
14年
■ 外部顧客への売上高
■ 営業利益
0
352.2
5.1
13年
9.2
14年
■ 外部顧客への売上高
■ 営業利益
セグメント別設備投資額比率
設備投資額の推移
■ 情報コミュニケーション事業分野
■ 生活環境事業分野
■ マテリアルソリューション事業分野
[十億円]
マテリアルソリューション事業分野
50
23.4%
40
34.2
30
26.6
23.2
21.3
20
15.2
13.7
10
生活環境事業分野
情報コミュニケーション事業分野
35.7%
40.9%
0
13年
地域別売上高比率
地域別売上高の推移
日本
その他の地域
アジア
14年
3.7%
[十億円]
1,500
12.6%
1,321.4
1,340.9
10年
11年
1,296.7
1,273.2
1,282.2
12年
13年
14年
1,200
900
600
300
日本
83.7%
地域別売上高の推移
地域別売上高の推移
アジア
その他の地域
[十億円]
[十億円]
200
193.8
167.1
150
0
170.3
100
179.4
75
137.3
56.1
100
50
50
25
0
48.1
48.5
10年
11年
49.7
43.4
0
10年
11年
12年
13年
14年
12年
13年
14年
Toppan Annual Report 2014
7
株主・投資家の皆さまへ
変化する時代における
「印刷テクノロジー」
の
新たな使命を追求し、
トッパンはより強固な
企業体へと成長を加速していきます。
凸版印刷のあゆみは、わが国の印刷文化、そして社会の
進展とともにあります。
この4年間、当社は中長期的成長へ向けて3つの重点
方針を掲げ、事業基盤の強化と拡充に努めてきました。
かつて文明開化の世の中、旧大蔵省紙幣寮
(現国立印刷
2014年3月期については、当社の
「成長エンジン」
を稼働
局)
から独立した技術者らが当社の前身、凸版印刷合資会
させる1年と位置づけ、思い切った投資や新規事業取得を
社を設立したのは、1900
(明治33)
年。社名の由来となっ
進める一方、
すべての事業分野で増益を達成することがで
た当時最先端の印刷技法
「エルヘート凸版法」
は、
その後当
きました。新たな収益の柱がいくつも誕生し、既存事業にお
社が開拓していくさまざまな事業の源流となりました。当社
ける収益構造改革も目に見える成果を上げつつあります。
は日本経済の発展に絶えず寄り添い、あらゆる領域に技術
私たちの社会は今、かつてない変化の時代を迎えていま
の応用範囲を広げつつ、
トータルで幅広い価値創造を続け
す。
トッパンが「印刷テクノロジー」
をビジネスに結びつけ
てきたのです。
るチャンスは、実にこうした変化そのものの中にあるので
文字の存在は人類の歴史とともに古く、
「印刷術」
は人類
す。たとえば、省エネ・環境意識の高まりを受けて、ビンや
最大の発明の一つに数えられます。特にグーテンベルクが
缶に替わる新たな包装素材が求められるようになり、当社
活版印刷術を発明した15世紀以降、印刷産業はいわば最
の
「GLフィルム」
が世界的に脚光を浴びています。また、デ
古・最大の情報インフラとして、人々のくらしと文化を支え
ジタル情報革命の進行により、紙とデジタル双方をカバー
てきました。
する当社の
「メディア・コーディネート力」
が真価を発揮する
情報のかたちが紙からデジタルへ、
そして人々の関心が
場が拡大しています。数えきれないほど多くの製品・サービ
モノからコトへと移行しつつある現代、
「印刷」
のフロンティ
ス、そして国内外の幅広い顧客基盤を有する当社は、
この
アは無限に広がっていきます。私たちは
「印刷」
の意味を問
ような大局的な需要獲得戦略を展開するうえで、
きわめて
い直し、
そこに内在する豊かな可能性を汲み尽くすことで、
有利な立場にあるといえるでしょう。
時代の変化に臆することなく、そこに積極的な成長の契
事業領域を大胆に塗り替えていきます。
「社会から信頼され、尊敬され、そのうえで強い企業グ
機を見いだすこと。終わりなき構造改革を断行し、事業の
ループ」
たるべく、当社は今後とも印刷業界のリーディング
収益性を不断に高めていくこと。当社は2015年3月期、
き
カンパニーとして邁進してまいります。株主・投資家の皆さ
たるべき
「飛躍」
の瞬間へ向けて
「成長エンジン」
を加速し、
まには変わらぬご支援のほどお願い申し上げます。
眼前に伸びるアプローチを全速前進してまいります。
2014年8月
2014年8月
代表取締役会長
8
Toppan Annual Report 2014
代表取締役社長
代表取締役会長 足立 直樹
代表取締役社長 金子 眞吾
Toppan Annual Report 2014
9
社長メッセージ
社会構造の変化を
需要創出のチャンスと受け止め、
「印刷テクノロジー」
による成長を加速します。
代表取締役社長
Q
金子 眞吾
2014年3月期の連結業績を
どのように評価しますか?
この結果、当期の連結業績は、売上高が前期比2.0%増
の1兆5,320億円となり、
また営業利益が同11.3%増の
357億円、当期純利益が同11.1%増の206億円で、2期
A
既存事業での優位性確立とコスト削減、
また成長分野への積極投資によって
増収増益を達成しました。
2014年3月期の日本経済は、金融・財政政策による円
安・株高の流れが継続し、全体としては緩やかな回復傾向
を示しました。その反面、円安に伴う原材料・エネルギー価
格の上昇、中国経済の成長鈍化、あるいは本年4月の増税
連続の増益となりました。
Q
A
各セグメント別の業績について
状況を聞かせてください。
情報コミュニケーション・生活環境が
新たな需要を獲得し、
マテリアルソリューションにも事業構造改革の
成果が表れました。
以後の消費マインド低迷など、依然として景気の下振れ懸
念をはらみ、先行き不透明な状況で推移しています。
10
情報コミュニケーション事業分野においては、
セキュア関連
印刷業界においては、
インターネット広告や電子書籍の
で商品券や帳票類が前年を下回ったのに対し、ICカードは
市場が成長を続けるなど、一部に明るい兆しがみられたも
業績を伸ばしました。マーケティング関連では、既存マス広
のの、
マス広告や出版など既存市場は成熟傾向にあり、全
告媒体に対する企業の広告宣伝費見直しに伴い、チラシ・
体を通しては厳しい経営環境となりました。
パンフレットなどの印刷物が前年を下回ったものの、店頭
こうしたなか、当社では、21世紀の企業像と事業領域を
販促の需要を取り込んだSP関連ツールや、電子チラシサイト
定めた
「TOPPAN VISION 21」
に基づき、既存事業にお
「Shufoo!
(シュフー)
」
が業績を伸ばしました。コンテンツ関
ける競争優位性の確立とコスト削減、成長分野における
連では、縮小傾向が続く出版市場で雑誌・書籍ともに伸び悩
新規事業への経営資源の積極的投入など、グループ一丸
んだものの、電子書籍市場では、
オリジナル書体
「凸版文久
となって新たな収益モデルの早期確立に取り組んできま
体」
や雑誌記事販売サービス
「中吊りアプリ」
の提供など、事
した。
業拡大に注力しました。ビジネスフォーム関連では、
ビジネス
Toppan Annual Report 2014
フォームが企業のシステム変更に伴う帳票改訂、
また増税前
も市場環境悪化の影響で前年を下回りました。半導体関連
の駆け込み需要の取り込みに成功し、データ・プリント・サー
では、
フォトマスクが堅調なモバイル向け半導体市場で業績
ビスも、
プリント業務一括アウトソーシングやBPO
(ビジネス
を伸ばしました。高機能・エネルギー関連では太陽電池関連
プロセスアウトソーシング)
の受託増加によって、業績を伸ば
が海外メーカーとの価格競争等により前年を下回りました
しました。これらの結果、売上高は前期比2.8%増の9,200
が、建装材関連では国内外の堅調な住宅市場で
「101エコ
億円、営業利益は同1.7%増の411億円となりました。
シート」
など環境配慮型製品の販売が好調に推移しました。
生活環境事業分野においては、パッケージ関連で
「注ぎ
これらの結果、売上高は前期比1.6%減の3,674億円となり
上手」
や
「エアホールドパウチ」
、GLフィルムを活用した各種
ました。営業利益については、事業構造改革などの成果に
包材が好調だったほか、紙製飲料缶
「カートカン」
の採用ア
より、同79.7%増の92億円となりました。
イテムが拡大し、プラスチック製品も売上を伸ばしました。
なお、2 0 1 3 年 4 月に組 織 統 合により
「マテリアルソ
これらの結果、売上高は前期比4.8%増の2,834億円、営
リューション事業本部」
を新設したことに伴い、当期より報
業利益は同0.8%増の112億円となりました。
告セグメントの区分を変更しています。以上の前期との業
マテリアルソリューション事業分野においては、ディスプ
レイ関連でカラーフィルタが伸び悩み、反射防止フィルム
績比較は、変更後の事業区分に組み替えた数値をもとに
したものです。
セグメント変更について
情報・ネットワーク系事業
証券・カード関連
セキュア関連
商業印刷関連
マーケティング関連
出版印刷関連
情報コミュニケーション事業分野
ビジネスフォーム関連
パッケージ関連
生活環境系事業
建装材関連
エレクトロニクス系事業
ビジネスフォーム関連
生活環境事業分野
高機能部材関連
ディスプレイ関連
半導体関連
コンテンツ関連
パッケージ関連
ディスプレイ関連
マテリアルソリューション事業分野
半導体関連
高機能・エネルギー関連
建装材関連
Toppan Annual Report 2014
11
Q
2014年3月期に進めてきた
具体的施策について聞かせてください。
用パッケージ基板)
事業の強化を図りました。
第二の重点方針「新事業・新市場の創出」
に関しては、
包装材事業の国内生産拠点として群馬センター工場の建
A
事業構造改革を続行するとともに、
新事業・新市場やグローバル展開に向けた
取り組みを加速しました。
設を進め、
このほど竣工しました。また本年3月、バリアフィ
ルムのグローバルな生産・販売体制強化を目的に、
「 バリ
アフィルム事業推進室」
を新設しています。セキュア関連
やBPO事業をめぐっては、昨年10月、都内にトッパング
当社では2014年3月期を
「成長エンジンを本格稼働さ
ループ・データセンターを竣工し、グループ内の基幹シス
せるための1年」
と位置づけ、経営上の3つの重点方針に
テムを集約するとともに、グループ各部門の強みを活かし
基づく取り組みを徹底しました。
た
「トータルソリューション」提供へ向けた体制を整えまし
第一の重点方針「グループを含めた構造改革の遂行」
12
た。このほかにも、燃料電池部材、
オーダーメイド医療用の
に関しては、前期に引き続き、重複事業の再編、不採算事
遺伝子解析システムなど、次世代型技術の早期事業化に
業の精査を行うとともに、間接部門を含めた生産性向上、
向けた取り組みを加速しています。
ならびに人員最適化を推進しました。特にマテリアルソ
第三の重点方針「グローバルな事業展開の加速」
に関
リューション事業分野では、2010年に買収した株式会社
しては、昨年4月、東南アジア地域でのマーケティング、サ
オルタステクノロジーにおいて、製造拠点の統合や生産
プライチェーン構築の拠点として、シンガポール支社を設
効率化を推進し、黒字化を実現しました。同事業分野が当
立しました。また6月には、中国・アジア地域の紙製飲料容
期、厳しい市況のもとで増益を確保できたのは、こうした
器事業でシェアを確立すべく、中国の機械メーカー、プレ
事業構造改革の成果であると認識しています。また、プリ
シャス社と業務提携しました。当社では今後とも、セキュア
ント配線板事業を京セラ株式会社に譲渡した一方、通信
関連やパッケージ関連など技術優位性を持つ事業を中心
やゲーム機、車載用などの成長が見込まれるLSI(半導体
に、独自の強みを持つパートナーとのアライアンスを含め、
集積回路)
向けのFC-BGAサブストレート
(高密度半導体
旺盛な海外需要を取り込む試みを続けていきます。
群馬センター工場の外観
トッパングループ・データセンターの外観
所 在 地:群馬県邑楽郡明和町大輪667-1
所 在 地:東京都23区内
延床面積:68,526m2
延床面積:9,668m2
竣
竣
工:2014年4月14日
Toppan Annual Report 2014
工:2013年10月2日
社長メッセージ
Q
2015年3月期については、
どのような取り組みを進めていくのですか?
そのカギを握るのが、
「セキュア」
「マーケティング」
「コン
テンツ」
の基幹3事業のイノベーションです。特にセキュア
およびマーケティング関連では、
さらなる市場開拓の余地
A
国内市場の深耕、グローバル市場の開拓など
事業分野ごとの課題に対処し、
成長を加速していきます。
があります。これらの領域で新たな需要を創造するため、
当社では店頭やWebを含む
「メディア」
をワンストップで
組み合わせる
「コーディネート力」
の強化、従来個別領域で
行われてきた専門スタッフ育成のあり方の見直しなど、グ
当社では2015年3月期を、より強固な事業基盤を備え
ループ全体で最適な体制を整備していきます。
た企業体への変革へ向けて
「印刷テクノロジーで成長を
また、昨年10月に竣工、今春より本格稼働したトッパン
加速する1年」
と位置づけています。中長期的には連結営
グループ・データセンターを軸に、抜本的な
「ソリューション
業利益700億円の実現を見据えつつ、2016年3月期にか
力」
の底上げを図ります。同データセンターは最高レベル
けての2年間は、2017年3月期の
「飛躍」
へ向けた助走期
のセキュリティ対策を実現しており、多彩な企画サービス
間として、3つの重点方針を徹底するとともに、事業分野ご
の提案により、利益率の高い受注案件の継続的獲得をめ
との取り組みをいっそう強化していきます。
ざします。加えてグループ内の基幹システムを集約・強化
することで、セキュア関連やBPO事業など、新たなトータル
情報コミュニケーション事業分野
ソリューションの基盤としての機能を果たします。
情報コミュニケーション事業分野における当社の大きな
さらに、成長分野であるチラシ・カタログ・書籍等のデジ
強みは、出版・金融・流通・官公庁その他、国内市場に有す
タルコンテンツを着実に拡大するとともに、これらをベー
る幅広い強固な顧客基盤です。こうした既存顧客に対し
スにした新たなビジネスモデルの構築をめざします。
て、グループの営業力・提案力・製造力を結集し、実効性の
高いソリューションの提案によって新たな需要を掘り起こ
生活環境事業分野
生活環境事業分野においては、世界的な環境対応ニー
すことが、当社の基本戦略となります。
セグメント別設備投資額
[単位:百万円]
2013年3月期
2014年3月期
2015年3月期
(予想)
情報コミュニケーション事業分野
34,243
26,612
25,600
生活環境事業分野
13,689
23,188
28,000
マテリアルソリューション事業分野
21,284
15,201
30,900
7,611
7,176
6,500
76,827
72,177
91,000
調整額
(消去又は全社)
設備投資額
セグメント別主な投資内容
2014年3月期実績
2015年3月期
(予定)
情報コミュニケーション事業分野
商印/印刷設備更新、川口工場への設備導入
各種設備更新
群馬センター工場の建設、その他再構築
生活環境事業分野
群馬センター工場の建設
マテリアルソリューション事業分野
次世代対応のフォトマスク製造設備の導入
FC・BGA新工場建設、海外バリア設備の導入
その他
トッパングループ・データセンター建設
研究設備等の導入
Toppan Annual Report 2014
13
ズを踏まえ、バリアフィルム事業(パッケージ)
のグローバ
ルな拡大を図ることを基本戦略としています。
一方、こうした取り組みと並行して、生産システムや品
質管理システムの再構築、さらには低収益事業の改善等
世界の包装容器市場は、人口増や生活水準向上に伴
により、社内リソースの最適化を図ります。また、従来のよ
い、年率平均約4%で成長しています。欧米では、環境対
うな部材単体の提供ではなく、モジュールとしての製品を
応やユニバーサルデザインの潮流を受けて、ビンや缶か
提供する高付加価値のビジネスモデルを追求し、収益力
ら、軽くて扱いやすいフィルム包材への置き換えが進みつ
の向上をめざしていきます。
つあります。特にグローバル企業においては、環境対応や
さらに高機能・エネルギー関連においては、産業資材と
フードロス削減の取り組みが活発化しており、当社のバリ
してのバリアフィルムの急激な需要拡大を踏まえ、
このほ
アフィルムに対する強い潜在的ニーズが存在します。
ど米国ジョージア州に、海外初のバリアフィルム生産拠点
当社では、世界最高水準のバリア性能を持つGLフィル
となる新工場の建設を決定しました。同工場は2016年3
ムを武器に、
こうした企業への拡販を強化していきます。ま
月に量産開始を予定しており、
これにより当社の欧米市場
た一方で、食品やトイレタリー分野など、当社の得意先企
での供給能力は大幅に強化されることになります。こうし
業の海外展開が加速しており、
こうした動きをサポートす
た施策を通じて、
トッパンは2019年3月期までに、透明バ
るかたちで海外進出を展開していく方針です。
リアフィルム関連事業全体で約1,000億円の売上達成を
現在、バリアフィルム事業の体制強化の一環として、国
目標にしています。
内生産拠点の再構築を進めています。本年4月には、ハイ
バリア包材を中心に最先端パッケージの製造にあたる群
Q
馬センター工場を竣工しました。当社では同工場を、国内・
海外生産のマザー工場として位置づけており、将来的には
研究開発拠点も併設し、開発・生産体制を一体化すること
で、新技術・新製品の市場投入を加速していく方針です。
A
財務戦略と株主還元の基本方針を
聞かせてください。
不稼働資産の見直しで得た原資で
成長分野への積極投資を行います。
株主還元は連結配当性向30%以上をめどとし、
配当水準の向上に努めていきます。
マテリアルソリューション事業分野
マテリアルソリューション事業分野では、カラーフィル
当社の財務戦略は、成長分野への積極的な経営資源投
タ事業において、海外メーカーの大型テレビ向け需要、ス
下、
また既存事業の効率化・活性化を目的とする投資によ
マートフォン向け需要が堅調に推移しています。当社では
高精細対応の推進により、
こうした需要を着実に取り込む
とともに、大型ラインについては収益性の安定したスキー
ムに切り替え、事業全体の安定化を図ります。
1株当たりの配当金
[円]
25
22.00
業界再編の影響のただ中にあるフォトマスク事業にお
20
いては、IBM社との共同開発で培った技術的強みを発揮
15
18.00
18.00
18.00
11年
12年
13年
18.00
し、14nm(ナノメートル)以細の量産体制を整備すること
10
で、新たな得意先のニーズへの対応を進めます。あわせ
て、現在のグローバルな生産拠点を、各地域の市場規模
に見合った配置に変更し、厳しい市場環境のなかでも一
定の収益を確保できる体制を構築していきます。
14
Toppan Annual Report 2014
5
0
10年
14年
□■ 1株当たり配当金
社長メッセージ
り、
「 企業価値・事業価値の向上」
を図ることを基本としま
うトッパンの
「メディア・コーディネート力」
が大きく強みを
す。あわせて当社では、保有株式や遊休地、海外子会社の
発揮できるはずです。
余剰資金など、不稼働資産の見直しを進めています。すで
もう一例を挙げれば、近年、自動車業界などでは、省エ
に2014年3月期までに約560億円を創出し、最終的には
ネルギーのために素材軽量化が求められ、アルミニウムの
600億円程度を見据えています。これらの余剰資金、およ
需要が急増しています。また包装容器に関しては、環境対
び昨年12月に転換社債により調達した800億円のうち、
応、ユニバーサルデザイン、物流コスト削減の観点により、
約1,000億円を原資とし、将来利益の源泉となる事業に
ビンや缶からの代替が進んでいます。現在はそれに替わ
対して積極的な投資を行っていきます。
るものとしてアルミ包材の使用が一般的ですが、そのこと
株主還元については、投資家の皆さまへの機動的な利
がまたアルミニウムの需給逼迫の一因となっています。加
益還元と企業の持続的成長とを両立させるべく、各期の
えてアルミ包材自体も、決して環境に優しいとはいえませ
連結業績、配当性向、手元資金の状況、内部留保、今後の
ん。当社の
「印刷テクノロジー」
の応用展開を象徴する製品
投資計画等を総合的に勘案したうえで、実施することを基
「GLフィルム」への需要は、こうした背景から生まれてき
本方針とします。具体的には、連結配当性向30%以上を
めどとしつつ、配当水準の向上に努めていきます。このよ
た成功事例です。
数えきれないほど多くの製品・サービスを扱い、国内外
うな方針に基づき、2014年3月期の1株当たり配当金は、
で幅広い顧客基盤を有する当社グループは、
こうした変化
中間・期末9円ずつ、合計で年間18円とさせていただきま
を先取りした需要獲得において、最も有利な立場にありま
した。2015年3月期についても、同じく中間9円・期末9
す。変化をチャンスと捉える精神こそが、新たな価値創造
円、1株当たり18円の年間配当を予定しています。
の原動力であり、
トッパングループがより強い事業基盤を
備えた企業体へ自己変革することを可能にするのです。
Q
トッパングループはこれから
どのような企業集団に変わっていくのでしょうか?
今後もトッパンは、
「 変化をチャンスと捉える」精神のも
と、100年を超える歴史のなかで積み重ねてきた
「印刷テ
クノロジー」
を柔軟に活用することで、時代のニーズに応
A
社会の変化から新たな需要を掘り起こし、
「印刷テクノロジー」
の適用範囲を
拡大していきます。
え続けていきます。
私たちの社会は現在、
「 情報革命」
「 包装革命」
「エネル
ギー革命」
という3つの構造転換のただ中にあります。そし
て当社が「印刷テクノロジーで成長を加速する」
チャンス
は、こうした変化を積極的に先取りすることから生まれて
くると考えられます。
たとえば情報革命の進展につれ、
さまざまなコンテンツ
がデジタル化され、瞬時に世界中に流通することが可能に
なりました。その一方で、デジタル化が進めば進むほど、読
みやすく記憶に残りやすい紙のよさが浮き彫りになってき
ます。すなわち、ワンストップで
「紙もデジタルも」
同時に扱
Toppan Annual Report 2014
15
特
集
トッパンの企画力
「印刷テクノロジー」
と
「変化をチャンスと捉える力」
トッパン̶ 114年のあゆみ
証券印刷
1902
(明治35年)
文字の存在は人類の歴史とともに古く、
「 印刷術」
は
人類最大の発明の一つに数えられます。特にグーテ
ンベルクが活版印刷術を発明した15世紀以降、印刷
産業は最古にして最大の情報インフラとして、人々の
くらしや文化を支えてきました。
出版印刷
人類の文化や社会に対し計り知れない変革をもたら
1907
(明治40年)
した、印刷技術。
トッパンは、
この情報インフラが内包
する豊かな可能性に着目し、独自のソリューション体系
板橋工場竣工
1938
(昭和13年)
「印刷テクノロジー」
へと発展させました。
リアルとデジ
タルを融合させた販促企画、高度のセキュリティに裏
創業
打ちされたBPO事業、
また
「GLフィルム」
や液晶カラー
1900
(明治33年)
フィルタ、電子書籍事業から、教育現場に対するコンテ
ンツやシステムの提供、
さらには遺伝子解析などヘル
スケア関連事業まで。社会の変化の根底にニーズを見
1910
1900
190
1920
1930
HB写真製版法の導入
いだし、ビジネスのシーズに結びつけることで、
トッパ
1920
(大正9年)
ンは、常に事業分野の拡大に努めてきました。
情報端末の多様化やデジタル化が加速する今日、印
刷も大きな変化に直面しています。
しかし、たとえば、
電子書籍時代の到来は、決して
「本」
がなくなることを
意味しません。書店に置かれた多種多様な書籍や雑
商業印刷
1901
(明治34年)
誌。スマートデバイスの普及によりいつでもどこでも
手軽に読めるようになった電子書籍。紙とデジタルの
ハイブリッドな制作体制を有するトッパンは、本の概
念の刷新とともに、印刷のあり方も大きく塗り替えて
いきます。
紙器
情報のかたちが紙からデジタルへ、そして人々の関心
1900
(明治33年)
がモノからコトへと移行しつつある現代、私たちのフ
ロンティアは無限に広がっていきます。変化を的確に
捉え、柔軟な発想で新たなソリューションを創出する
能力、すなわち
「変化をチャンスと捉える力」
こそが、
トッパンの企画力の源なのです。
16
Toppan Annual Report 2014
軟包材
1926
(昭和元年)
1940
エレクトロニクス
トッパンフォトマスクス設立
1959
(昭和34年)
2005
(平成17年)
撮像管用
カラーストライプ
フィルタの開発
ICビジネス
2003
(平成15年)
1971
(昭和46年)
ICチップインカード開発
1983
(昭和58年)
ビジネスフォーム
1955
(昭和30年)
総合電子書籍ストア
「BookLive!」
オープン
コンピュータ組版(CTS)実用化
1970
(昭和45年)
2011
(平成23年)
トッパン小石川ビル竣工
海外駐在員事務所開設
2000
(平成12年)
印刷博物館
トッパンホール
1964
(昭和39年)
1950
1960
1970
サービスセンター
(現トッパンアイデアセンター)設立
1980
1990
2000
2010
2020
総合研究所竣工
トッパングループ・データセンター稼働
1986
(昭和61年)
2013
(平成25年)
消費行動研究室全国展開
1985
(昭和60年)
1961
(昭和36年)
ITビジネス
1996
(平成8年)
電子チラシポータルサイト
「Shufoo!
(シュフー)
」
2001
(平成13年)
カートカン
販売開始
1996
(平成8年)
GLフィルム開発
1988
(昭和63年)
深谷工場竣工
群馬センター
工場竣工
(平成26年)
2009
(平成21年)2014
太陽電池
バックシート開発
2008
(平成20年)
建装材
環境配慮型の建装材を開発
1956
(昭和31年)
1995
(平成7年)
Toppan Annual Report 2014
17
「印刷テクノロジー」
が可能にする
トータルソリューション
トッパンの社名の由来となった
「エルヘート凸版法」
はかつて大蔵省紙幣寮
(現・独立行政法人 国立印刷局)
で
紙幣類の印刷に用いられ、その精緻な紋様はきわめて高い偽造防止効果を持っていました。
当社は創業以来、紙幣を含む有価証券類の印刷に強みを発揮し、
高度のセキュリティに支えられた
「情報加工」
技術を蓄積していきます。
また、草創期の経営を支えたパッケージ印刷事業は、後年展開される
「表面加工」
「成型加工」
技術の源流となりました。
戦後、高度経済成長の波に乗って、
トッパンはその事業領域を大きく広げていきます。
製版のエッチング工程からはさまざまな
「微細加工」
技術が分岐し、
すべての顧客接点をカバーするメディア・コーディネートの実績は、
「マーケティング・ソリューション」
を誕生させました。
マーケティング・
ソリューション
ポスター
マーケティング
IT
クリエイティブ
有価証券
印刷術
印刷技術
融合
・
進化
印 刷 テ ク ノロ ジ ー
トッパンの原点
情報加工
教科書
絵葉書
微細加工
製糖用フィルタ
表面加工
煙草包紙
成型加工
紙箱
加工技術
原点
18
Toppan Annual Report 2014
「印刷テクノロジー」
と
「変化をチャンスと捉える力」| 特集
トッパンは、
これら5つのコア技術からなる
「印刷テクノロジー」
を駆使して、
お客さま視点に立ったトータルソリューションをワンストップで提供しています。
その中でも特に
「情報加工」
「マーケティング・ソリューション」
に立脚する情報コミュニケーション事業は、
デジタル化・グローバル化の時代にあって今後のトッパンの成長を牽引する重要な分野です。
本特集では、
この情報コミュニケーション事業に焦点を当て、
その具体的な価値創造戦略についてご紹介していきます。
「印刷テクノロジー」
が実現してきたさまざまなソリューション
商品開発支援
「印刷テクノロジー」
を駆使し
お客さま視点に立った
トータルソリューション
Webマーケティング
店頭広告
消費行動調査
ほか
IT活用ソリューション
BPOソリューション ほか
電子出版
ビジュアルソリューション
磁気カード
安全・安心ソリューション
書籍・雑誌
O2Oプロモーション
BookLive!
ほか
Shufoo!
拡張現実
ほか
教育
スマートシティ
フォトマスク
ホログラム
エッチング応用製品
カラーフィルタ
リードフレーム ほか
FC-BGAサブストレート ほか
空間デザイン
照明
遺伝子解析
有機EL
電子ペーパー
GLフィルム
カートカン
情報記録材
環境配慮型建装材
壁紙
反射防止フィルム
ほか
お 客 さ ま・社 会へ
カタログ
デジタルサイネージ
太陽電池関連部材
太陽電池
燃料電池
ほか
二次電池
バイオマス包材
臨床美術
EP-PAK
樹脂ボトル
プラスチック成形品
段ボール
詰め替え容器
ほか
ほか
現在
環境関連
…
液体容器
将来
Toppan Annual Report 2014
19
Key Person Interview
キーパーソン・インタビュー
トータルソリューションの
無限の可能性を追求し
「時間と空間のデザイン」
に立脚した
新たな価値を創出していきます
取締役
中尾 光宏
情報コミュニケーション事業本部トッパンアイデアセンター長
兼 メディア事業推進本部長
情報コミュニケーション分野においては非常に多岐にわた
で技術が進んでいますが、
「伝える」
というコミュニケーショ
るビジネスを展開していますが、今後どのように可能性が
ンの本質は変わりません。TICには絶えずさまざまなお客さ
広がっていきますか。また、そのなかで、
トッパンアイデア
まからの要望が寄せられます。それらに一つ一つオーダー
センターはどのような役割を果たしているのでしょうか。
メイドのソリューションで応えるなかで半世紀にわたり蓄積
情報コミュニケーションは、旧来の金融・証券、商業印
された経験は、今や、要望を聞く前に提案するスタイルへと
刷、出版の3事業(現在それぞれ、セキュア、マーケティン
進化しており、
それが私たちの底力となっているのです。
グ、コンテンツ)
を統合してできた事業分野です。
「 印刷テ
クノロジー」の概念における
「情報加工」
と
「マーケティン
グ・ソリューション」
を軸に、2次・3次産業のほとんどすべて
TICにおける企画開発のポイントを教えてください。
大きく分けて2つのパターンがあります。一つは営業部
の業種のお客さまを対象に、ビジネスを展開しています。
門を経由するものです。営業が把握したお客さまのニーズ
また特に、
オリンピックが開催される2020年に向け、予想
は速やかにTICに伝えられ、組織内で共有されます。本年
される市場変化を見据えて、さまざまな分野で、次世代の
度より、スピーディに全方位で課題に対応することをめざ
基幹となりうる事業の確立を進めています。
し、TIC内に、各本部の精鋭メンバーを選りすぐった複数
トッパンアイデアセンター
(以下、TIC)
は、本事業分野に
の特別チームを編成しました。課題に対して、マーケティン
おける企画、開発、実行の中核部門であり、今年で設立50
グ、
クリエイティブ、プロモーション、ICT等の担当メンバー
周年を迎えました。デザインやICT領域では近年、日進月歩
が直ちに対応します。したがって、お客さまからの経営課
今後大きく変化が予想される10分野
[ 教育 ]
大学改革・グローバル・ICT化
[ 食料・農業 ]
TPP・6次産業・人口問題・高齢化
20
[ データマネジメント ]
[ 健康・医療 ]
[ 安心・安全 ]
ビッグデータ・共通番号・M2M
高齢化・健康延伸
データヘルス計画
遺伝子解析の進展
国土強靭化計画
南海トラフ対策
M2Mの進化
社会変化に対応した
事業を積極的に推進
[ 輸送・物流 ]
宅配サービス高度化
自動車安全システムの進化
通販の多様化
[ 観光 ]
[ 文化・エンタメ ]
[ エネルギー(スマートコミュニケーション)]
[ ペイメント ]
東京オリンピック・パラリンピック
外国人観光客の増加
観光立国へのアトラクションプログラム
東京オリンピック・パラリンピック
クールジャパン
日本文化・食ブーム
電力自由化
次世代エコカーの普及
スマートコミュニティの普及
モバイルペイメント拡大
少額決済手段多様化
決済グローバル化
Toppan Annual Report 2014
「印刷テクノロジー」
と
「変化をチャンスと捉える力」| 特集
題に対してもスピーディに対応することができます。TIC
日外国人向けの観光情報サービスなどにおおいに役立つ
は、こうした緊密なヨコ連携により機動力を一段とアップ
と思います。教育分野では、グループ会社である東京書籍
させ、売りの現場のスピード感に応えていきます。
株式会社の教育コンテンツと教育ICTの連動によって、次
もう一つは、営業を介さず、お客さまとTICの企画開発
世代の教育事業へ挑戦していきます。
スタッフが直接話を進めていくパターンです。これは個別
また、いずれの分野においても、今後はビッグデータの
の受発注というより協業ビジネス開発であり、
これからの
活用が必須であり、高いセキュリティ技術とマーケティン
社会のあるべき姿を共に見据え、協力してビジネスを創り
グノウハウにより、強みを発揮できると考えています。さら
上げていこうという
「共創成長戦略」
に沿ったものです。各
に、サービスの多様化により単独の企業ですべてをまか
業界のリーディングカンパニーをお客さまに持つ、
トッパン
なうことが難しいなか、企業の橋渡しをする
「コーディネー
ならではの展開といえるでしょう。
ター」
の存在が不可欠です。あらゆる業種にわたり強固な
いずれの場合でも、仕事は単に
「受注する」
ものではな
く、時代に先んじた次の一手によって
「創造する」
ものであ
顧客基盤を築いている当社は、その任を担うのに最もふさ
わしい企業の一つでしょう。
ると考えています。TICには、さまざまな領域のプロフェッ
一方、お客さまの多くが海外でもビジネスを展開して
ショナルが存在します。また、各チーム、各人員が密接に連
いる昨今、
トッパンも海外に積極的に目を向けていく必要
携しつつ、お客さまとの間にも固有のチャネルを形成して
があります。すでに現地に進出している日系企業とのアラ
います。いわばあらゆるチャネル
(接点)
を活用した顧客の
イアンスや、将来の成長市場を意識した当社提供技術の
囲い込みが、ごく自然に実現されているのです。
ローカライズなど、情報系ならではの海外進出を模索して
いく考えです。
紙からデジタルへの代替が進むなか、
どのように持続的な成長をめざしていきますか。
デジタル化の流れについては、
「コミュニケーションの
株主・投資家の皆さまにメッセージをお願いします。
デジタル化社会の急速な発展により、今までの
「印刷」
手段が増えた」
と捉えています。紙による情報伝達はきわ
は大きく変わりつつあります。
トッパンは、印刷とデジタル
めて優れたものですし、
またひと口にデジタルといっても、
の融合により新たな価値を創出していきます。
PC・タブレット・スマートフォン等、
さまざまな形態がありま
印刷は、大容量の情報を伝達するのに適していますが、
す。当社はこうしたメディアの多様化・多極化を見据え、い
パーソナルな情報伝達にはデジタルが最適です。
トッパン
ち早く対応を進めることで、紙とデジタルのハイブリッドな
は、両者を効果的に組み合わせ、
さまざまな場面
(時間)
で
制作体制を構築してきました。
あらゆる場所(空間)
に向けて情報発信を行っていくデジ
最終製品が紙になるか、マルチデバイスになるかは、実
タルコミュニケーションビジネスに注力しています。
「いつ
はそれほど重要ではありません。最終製品に至る
「情報加
でも、
どこでも、だれでも」
が必要とする情報を入手し、
より
工」
の中間プロセスは、突き詰めると、他の多くの分野に転
豊かで創造的なライフスタイルを作り上げていくこと。そこ
用可能なものです。私は、
コミュニケーションの変化に対応
にトッパンの存在価値が生まれてくると考えています。
した生活者の
「時間」
と
「空間」
をより良いものにしていくビ
トッパンのトータルソリューションによって、
リアルなもの
ジネスデザインが、
これからの成長を支えていくものと考
づくりとバーチャルなデジタルコミュニケーションがしっか
えます。
りと融合し、時代の可能性を広げていきます。私たちは、
無限に広がるコミュニケーションビジネスのなかで、新し
具体的にはどのような成長戦略を描いていますか。
左の図でお示しした10分野の中で、健康・医療分野を
例にとると、健康な体づくりや病気予防を支援する情報提
い
「次なる社会」
を創出するべく果敢なチャレンジを続け、
社会ならびに株主の皆さまからの期待に応えていく所存
です。
供サービスが有望です。専門情報を医療関係者や製薬企
業、健康メーカー等の皆さまと協力して発信していきます。
観光分野では、洋書出版で培った多言語翻訳技術が、訪
Toppan Annual Report 2014
21
情報コミュニケーション事業分野における
トータルソリューション
トッパンは、社会のさまざまな企業や団体の
「マーケティング活動」
や
「コーポレートコミュニケーション活動」
において、
常に最適なメディア、
システム、仕組みを提供しています。
営業・企画・プロデュースの各部門が密に連携し、課題に対してワンストップのサービス提供を実現しており、
この背景には、
「マーケティング」
「IT」
「クリエイティブ」
の3つの領域における専門スタッフが大きな強みとして存在しています。
これらのプロの力・部門の強みを集約し、
トッパンは、真にお客さまのニーズに即したトータルソリューションを提案しています。
お客さまの
戦略策定
事業の流れ
ソリューション
商品・サービス開発
生産
●
生活者・トレンド分析
●
ブランド開発
●
プリント・オンデマンド
●
マーケティング戦略支援
●
ネーミング開発
●
パーソナル・マーケティング・
●
コーポレート
コミュニケーション支援
●
キャラクター開発
●
コンテンツ・コーディネート
サービスメニュー
セレクティブ・システム
刻々と変化する社会と生活者ニーズ。そのトレンドや背景にある嗜好を捉え、お客さまの戦
トッパンの
略や商品・サービス開発に有効な施策を策定・提案しています。
コーポレートコミュニケーション支援部門によるトレンド分析や、消費行動研究室などのリ
ソリューション
強み・商材
サーチ専門部門が有する分析提案力も大きな強みです。
●
高精細印刷
●
CRMソリューション
●
カラーマネジメントシステム
●
Webコミュニケーション
●
デジタルコンテンツ
●
O2O
(Online to Offline)
プロモーション
●
凸版フォント
●
CRMツール
「お買い物アプリ」
●
デジタルアーカイブ
●
BPO
(ビジネスプロセス
アウトソーシング)
サービス
●
インフラ
●
さまざまな加工技術
●
住空間CGライブラリー
●
品質管理システムの導入・運用
●
全国拠点ネットワーク
グラフィック・アーツ・センター
●
総合研究所
リアルとデジタルの融合
時代を先取りしたO2O
(Online to Offline)
の販促施策など、
メディアの変化を的
確に捉え、紙とデジタルツールを最も効果的に組み合わせた施策を企画・展開して
います。
22
Toppan Annual Report 2014
P.24 - P.25
「印刷テクノロジー」
と
「変化をチャンスと捉える力」| 特集
チャネル・
業務インフラ構築
●
ショップ・業態開発
●
ECサイト構築
●
システム構築・管理運用
●
デジタルワークフロー構築
顧客開発
●
顧客維持
メディア・サービス
●
(広告媒体、販促媒体)
●
データ分析、One to One
●
テストマーケティング
●
CS調査
●
表現効果測定
●
媒体効率測定
DMソリューション)
(オリジナルPOP、
キャンペーン、
展示会・店舗・ショールーム)
CRMプログラム
(ポイントソリューション、
セールスプロモーション
ギフト・プレミアム、
イベント・
効果測定
●
会員組織運用
(顧客DB運用、
コンタクト業務
アウトソーシング)
世の中に送り出した製品・サービスをより発展させ顧客を維持・拡大させるためのプログラ
策定した企画を現実のものとするためには、
さまざま
なツールやシステム、紙媒体やWebサイトによる仕
ムも充実しています。また、施策導入後の効果測定により、次の戦略への大きなヒントを引
掛けが必要になります。
トッパンは、総合品質保証の
き出します。こうした一連のサイクルをしっかりとまわすことで、お客さまの事業の流れを効
考え方をもとに、全国拠点ネットワークや最先端のセ
率化・活性化させていきます。
キュリティ技術などを駆使し、常に最高レベルの製
品・サービスを提供しています。
●
システム構築
●
ICカード即時発行システム
●
決済ソリューション
●
IDカード
(社員証・学生証・会員証など)
の発行・運用
●
ICタグによる物品管理・セキュリティ
●
デジタルカタログサービス
「iCata」
●
フィールドサービス業務支援システム
●
電子オリコミサービス
「Shufoo!」
●
ブランドプロテクション
(偽造・模倣品対策)
●
電子カタログポータルサイト
「paraly」
●
運用事務局代行
●
情報セキュリティ
●
●
●
マニュアル開発
●
データセンターサービス
偽造防止テクノロジー
デジタルコンテンツソリューションセンター
(DCSC)
●
●
総合電子書籍ストア
「BookLive!」
●
消費行動研究室
BPOセンター
トッパン年史センター
●
トッパングループ・データセンター
●
●
TOPICA
BPO
(ビジネスプロセスアウトソーシング)
事業への展開
ヘルスケア事業へのアプローチ
卓越したセキュリティ技術と新設のデータセンターを
トッパンならではのコーディネート力、技術開発力、
武器に、セキュアとマーケティングの両分野でBPOの
旺盛な需要を着実に獲得しています。
P.26
データ管理や運用ノウハウを活かし、
「 健康・医療」分
P.27
野に積極的に取り組んでいます。
Toppan Annual Report 2014
23
Case 1:リアルとデジタルの融合
スマートフォン時代のO2O(Online to Offline)
情報のデジタル化や人々の価値観の多様化を背景に、SP分野においては、ネット空間の消費者をリアル店舗に誘導する
「O2O」
の販促アプローチがその重要性を増しています。他社に先駆けてアナログ
(紙)
/デジタルの融合を進めてきたトッパン
は、
今、
リアルとデジタル
(オンライン)
の融合を通じて、
O2Oのフロントランナーとして、
大きな存在感を発揮しようとしています。
限 に 広 が るネット空 間 」で は なく、W i - F i スポットや
Shufoo!:国内最大級電子チラシサービスの運営
「Shufoo!
(シュフー)
」
は、日本全国のお得なチラシ情報
Facebook等、
「 その場/関心空間」
にいるユーザーに
を24時間365日提供する、国内最大級のデジタルチラシ
対する、より個別化された働きかけを可能にしました。た
のポータルサイトです。
だし、こうしたアプローチが功を奏するには、企画立案か
便利な検索機能を備え、パソコンだけでなくケータイや
らもろもろの周辺業務までを統括する専用のシステム・
スマートフォン、テレビ・ゲーム機でも閲覧可能。会員登録
事務局機能が不可欠です。これらをワンストップで提供
したユーザーにはさらなる特典機能を用意しており、店舗
するのが、
トッパンのASPサービス
「Cam!Labo(キャン
側にとっては、
ターゲットを絞り込んだ、より効果的な販促
ラボ)」
です。
が期待できます。サービスは順調に拡大しており、2014
2014年1月には、アライドアーキテクツ株式会社と提
年3月には、月間ユーザー数が690万人を記録、登録店舗
携し、食品・飲料メーカーなどへ向けて、Facebookを活
数は10万店を突破しています。
用した新サービス
「モニプラ×Cam!Labo」の提供を開
始しました。購入製品のシリアルナンバーを応募条件と
する
「クローズドキャンペーン」
としては、業界初の試みと
Cam!Labo:ワンストップの集客アプローチ
スマートフォンやソーシャルメディアの 普 及 は 、
「無
なります。
スマートフォン時代のO2O戦略を支援するトッパンのサービス・メニュー
ICタグをタッチして、
リアルなものにFacebook
の
「いいね!」
をつけられる
[ ARソリューション ]
スマートフォンで利用できる汎用ARプラット
フォーム
[ 電子オリコミサービス Shufoo!
(シュフー)]
日本最大級の電子チラシポータルサイト
[ ケータイ国盗り合戦 ]
ビジネスパーソンを集客できる位置情報ゲーム
[ LinkPlace(リンクプレイス・リアルいいね!)]
集客
店内販促
24時間365日、
鮮度の高い情報が
手に入る
口コミやレシピを
見ながら、賢い
買い物を実践できる
[ Cylsee
(シルシー)]
NFCタグにリンクするWebコンテンツをサー
バで一括管理
[ Cylseeジオ
(シルシージオ)]
来店したお客さまのスマートフォンに情報配信
[ ReView
(レビュー)]
デジタルサイネージソリューション
[ コンテンツ配信クラウドサービス ]
スマートフォンを使って、
[ Cam!Labo
(キャンラボ)]
新しく、楽しい
Webキャンペーンに必要な機能を網羅した
ASPサービス
ショッピング体験の提供
コンテンツ更新の一元管理によりタイムリー
な映像訴求
[ SP・TSM ]
NFC対応スマートフォンにクレジットカード機
能を持たせる
[ お買い物アプリ ]
会員証・クーポン・キャンペーン応募機能を
まとめたスマホアプリ
CRM
決済
自分に合った
レコメンドや
クーポンがもらえる
スマホひとつで
楽々決済。
ポイントゲット!
[ 電子ウォレット ]
電子マネーやクレジットカード情報などをス
マートフォンでまとめて管理
[ ギフトカードASP ]
ギフトカードの残高管理を行う、
リアルタイム
プロセッシングサービス
[ Thincacloud
(シンカクラウド)]
サーバ側で暗号処理を行うことで決済専用機
でない端末で決済できる
24
Toppan Annual Report 2014
「印刷テクノロジー」
と
「変化をチャンスと捉える力」| 特集
扮した母子2人が、お勧め商品を手に持ってPR……。
ReView:生活者を
「動かす」
デジタルサイネージ
街頭や電車内、駅構内などで、各種ディスプレイを活用
AR(拡張現実)
テクノロジー、そして
「自分自身」
という
した映像広告を多く目にするようになりました。人々が行
最強のメディアによって、店舗の注目度を飛躍的に向上さ
き交う空間を瞬時に
「お茶の間」
に変える、新たな情報メ
せるユーザー参加型コンテンツです。
ディア
「デジタルサイネージ」。そのインパクトや広告到達
率が評価され、市場規模は年々急成長を続ける反面、
「情
報が一方向的」
「 必ずしも購買行動に結びついていない」
ReView O2O
(音・画像認識)
ソリューション
音・画像認識
技 術 によって 、
などの課題も指摘されていました。
単に
「見せる」だけの 電子看板 から、情報を効果的・
サイネージとス
戦略的に
「伝える」、そして実際に生活者を
「動かす」
デジ
マートフォンを
タルサイネージへ。
トッパンが2013年3月にスタートした
連動。店舗に設
「ReView」
は、店頭でのさまざまなコミュニケーション創
置したキオスク
型端末から流し
出をめざした、行動喚起型のメディアサービスです。
た音 楽を、ユー
ザーがスマートフォンのアプリに認識させると、来店時に
ReView店頭ARシステム
通りすがりの
さまざまな特典が得られるシステムです。GPSやWi-Fiの
店頭スクリーン
位置情報が使えない建物内店舗でも、来店者を正確に捕
に映し出された
捉し、顧客管理の品質向上につなげることが可能になり
自らの 姿に、思
ます。
わず足を止める
子連れの女性。
こうしたラインアップ充実に加え、サービス面では、導入
食い入るように
前相談から機器の設置保守に至るまで、
ワンストップで提供
見 ているうち 、
する体制を確立。あわせて本社・メディア事業推進本部内に
画面上の姿はどんどん分身を繰り返し、周囲は黒山の人
だかりに。集まってきた人々に対し、奇抜なキャラクターに
「サイネージ事業推進チーム」
を発足させ、市場ニーズに対
応した新たなビジネスモデルの創出を加速しています。
購買行動とメディアの変化に対応するトッパン
デジタル技術の進化、
ネットワークインフラの整備に伴い、
さまざまなマーケティングサービスモデルが
「デジタル」
に置き換わり、日々変化を
続けています。そのような時代背景のなか、
トッパンではお客さまの購買行動や市場ニーズに合わせた、印刷会社ならではのメディアサービ
スを提供し続けています。その一つがデジタルサイネージソリューション
「ReView」
です。
〜1990年代
新聞
(チラシ)
カタログ
地 図
雑 誌
ポスター
●
大量の折込チラシ投下
→開封閲覧率不明
●
●
●
●
●
●
●
2000年〜2010年
●
2011年〜2020年
新聞購読率低下
→折込チラシ効果不振
業務用カタログ/通販カタログ
→顧客への配送費用課題
地図情報の更新
ロケーション情報
若年層の活字離れ
小ロット多様化の加速
制作/配送/貼付業務負荷
タイムリーな情報提示
●
●
電子折込
サービス
エコロジー
● ECショ
ッピング
デジタル
カタログ
GPS商用化
● カーナビMAP
●
ロケーション
Yahoo!地図
携帯電話普及
● PDFフォーマッ
ト
●
液晶テレビ普及
●
●
スマートフォン台頭
● 雑誌販売不振
地デジ化
電子出版
事 業
デジタル
サイネージ
Toppan Annual Report 2014
25
Case 2:BPO事業への展開 〜セキュリティを武器に需要獲得〜
企業や公的機関がノンコア業務を外部に委託するBPO
ることにより、ワンストップの
「トータルソリューション」
を実
(ビジネスプロセスアウトソーシング)の市場規模は、現
現しています。
在約3.4兆円と推定され、年率平均2.5%で拡大を続け
このうち②③に関して、2013年10月には都内にトッパン
*
ています 。2015年度にはマイナンバー制度の導入も控
グループ・データセンターを竣工、2014年4月より本格
え、当局による
「紐付け処理」
の業務委託が、いっそうの市
稼働を開始しました。グループの全基幹システムを集約し
場拡大をもたらすと予想されています。企業のビジネスス
た同センターは、最高レベルのセキュリティ実装に加え、
テージがグローバルに拡がるなか、BPOはコスト削減や
関西エリアにバックアップ施設を設けるなど、事業継続性
経営資源の
「選択と集中」
だけでなく、アウトソースされた
(BCP)
の観点からもシステムの抜本強化に大きく貢献し
業務自体の品質改善を通じて、広くお客さまの事業価値
ています。当社では同センターを拠点に
「セキュアBPO」
と
向上に寄与しています。
してのサービス差別化を推進するとともに、強固な顧客基
当 社は成 長 戦 略の柱の一つにこのB P O 事 業を位 置
盤を有する国内市場のさらなる需要深耕をめざします。
づけ、
「 顧客コンタクト」
「 意思決定支援」
「マーケティング」
*
:矢野経済研究所
「BPO市場・クラウドソーシング市場に関する調査結果2013」
より
「IT・ソフトウェア」
「オペレーション支援」
「 バックオフィス」
の6つの領域にわたり、
さまざまなサービスを提供していま
BPO市場の市場規模推移と予測
[億円]
す。
トッパンBPOは、
40,000
①全方位的なビジネスポートフォリオ
30,000
②大量のデータ処理やシステム構築を可能にする先進
20,000
的なIT技術
10,000
③個人情報の取り扱いに求められる高いセキュリティ
④官民のさまざまな制度やイベントを実施運用した豊
0
2011
年度
富な事務局経験
2012
年度
2013
2014
2015
2016
2017
年度見込 年度予測 年度予測 年度予測 年度予測
■ IT系BPO
(運用管理)
市場規模
といった強みを持ち、
これらをお客さま視点で組み合わせ
■ 非IT系BPO
(運用管理)
市場規模
出典:矢野経済研究所
「BPO市場・クラウドソーシング市場に関する調査結果2013」
社会保障・税番号制度
(マイナンバー制度)
導入のロードマップとトッパンのビジネスチャンス
2014年
制度構築
2015年
2016年
法人番号の
通知・公表
政省令等の整備
個人番号の通知
2017年
申告書・法定調書等への法人番号の記載
個人番号カードの交付
順次、個人番号の利用開始
システム構築
情報提供ネットワークシステム、
マイ・ポータルの運用開始
システム業務
1月:国の機関間の連携から開始
7月:地方公共団体等との連携開始
委員会規則の制定
個人情報保護
情報提供ネットワークシステム等の監査
1月 特定個人情報
保護委員会設置
特定個人情報の取扱いに関する監視・監督
特定個人情報保護評価書の受付・承認等
広報
番号制度に関する周知・広報
発行関連需要
トッパンの
ビジネス
チャンス
26
発行後の期待需要・展開イメージ
●
掲示ポスター制作関連
●
●
コールセンター対応業務
●
Toppan Annual Report 2014
個人向け番号通知業務
法人向け番号通知業務
● カード発行業務
データ紐付け関連業務
●
解析サービスの提供
(データマイニング等)
プライバシー保護関連
(セキュリティ業務)
●
医療・ヘルスケア・自治体データ等と連携した
各種サービスの開発・提供
●
民間利用に伴う周辺ビジネスの受託
●
●
「印刷テクノロジー」
と
「変化をチャンスと捉える力」| 特集
Case 3:ヘルスケア事業へのアプローチ 〜社会的課題の解決をめざして〜
高齢化や疾病構造の変化を背景に、社会全体で病気の
横浜市と市民の健康づくり事業を共同実施
発生を抑止する
「予防的アプローチ」
の重要性が、広く認
トッパンは横浜市との間で、
「よこはまウォーキングポイ
識されるようになりました。医療サービスを病医院以外に
ント」事業の共同実施に関して合意しました。これは40歳
も開放し、国民医療費を抑制するとともに、日本経済の新
以上の市民を対象に、日常生活の中で楽しくウォーキング
たな成長戦略として期待されるのが、
「 医療・ヘルスケアの
による健康づくりに取り組んでもらうことを目的とした事
産業化」
です。
業です。歩数に応じてポイントを付与し、景品の提供など
他方、
こうした取り組みの中には、法規制の問題や環境
も行います。当社では、①参加者に送付する歩数計等の供
面の未整備により、事業化が立ち遅れているものも少なく
給、②歩数データ登録システムの開発運用、③データ登録
ありません。
トッパンは、民間の優れた技術を結集し、かつ
用端末の設置管理、④景品等の提供、などを担当します。
公的部門と橋渡しする
「ヘルスケア・コーディネーター」
とし
事業は今秋にもスタートする予定です。
て、わが国の
「医療」
の概念を大きく塗り替えていきます。
「よこはまウォーキングポイント」
事業の概要
個別化医療の実現へ向けたアライアンス
①参加登録
指定歩数計等の送付
②健康行動
歩数計を持って歩く
③ポイントを貯める
店頭にある専用リーダーで歩数データ送信
④ポイント管理
歩数データ等の見える化
⑤ポイント活用
歩数ポイントに応じた物品の交換・寄付等
遺伝子情報を解析し、個々の患者に最適な治療を提供
する
「個別化医療」
の実現へ向け、当社は2007年に独立
行政法人理化学研究所などと共同で株式会社理研ジェネ
シスを設立、
さまざまな研究開発を続けています。
このほど当社は、臨床検査用機器・試薬製造大手のシス
メックス株式会社との間で、理研ジェネシスへの出資を拡
大し
(うち当社持分63.2%)
、
こうした取り組みを加速して
いくことで合意しました。
トッパンは同社を拠点に、
「 日本
発のグローバルな個別化医療」
実現をめざします。
トッパンの医療・ヘルスケア領域における取り組み例
患者さんへの情報伝達
服薬管理手帳
制作
使いやすさに
関する調査
情報誌制作
ユニバーサル
デザイン
パッケージ
サポート事務局
運用
患者さんの
服薬継続のための
サポートプログラム
疾患
見やすさを
考慮した
パッケージ
一般生活者向け
リーフレット制作
ポスター制作
Webサイト
制作・運用
POP制作
映像制作
メディアを
活用した啓発
健康維持・予防支援
ポスター、
リーフレット制作
バイタルサイン
モニタリング
イベント企画
ライフログ管理
広告制作
健康レシピ提案
ターゲット層や
疾患別の調査
通信販売支援
店舗空間デザイン
講演会運営
疾患への
理解を
深める施策
医師への
相談を促す
疾患啓発
健康診断・
検診の
受診促進
健康情報管理
特定層対象の
マーケティング
調査
治 療
健康食品普及の
サポート
健康維持・予防
健康
ス ニップ
医療用医薬品パッケージ
取り違え防止を考慮した
パッケージデザイン
医薬品等の情報提供サポート
パンフレット制作
Webサイト制作・運用
学会取材/記録集制作
iPadコンテンツや映像の制作
イベント企画・運営
企業から医療関係者への情報伝達
遺伝子
(SNP)
解析
(理研ジェネシス)
健康調査結果入力管理
データ入力・運用
文書処理
システム開発
遺伝子解析の受託
遺伝子解析システム・キットの開発
医療関係者向け
個別化医療の支援
Toppan Annual Report 2014
27
セグメント情報
情報コミュニケーション事業分野
売上高
9,200 億円
営業利益
411 億円
情報コミュニケーション事業分野の売上高は前期比2.8%増
コンテンツ関連では、出版市場が依然として縮小傾向で推移
の9,200億円、営業利益は同1.7%増の411億円となりました。
するなか、雑誌・書籍ともに前年を下回りました。一方で電子書
セキュア関連では、商品券や帳票類などは前年を下回りまし
たが、ICカードは前年を上回りました。
マーケティング関連では、既存のマス広告媒体における企
籍市場においては、電子出版コンテンツを読みやすくするオリ
ジナル書体「凸版文久体」
の提供、雑誌コンテンツを記事単位
で購入できるスマートフォン向けサービス
「中吊りアプリ」
の提
業の広告宣伝費見直しに伴い、チラシ・パンフレットなどの印
供、BookLive!の累計会員100万人突破キャンペーン実施な
刷物は前年を下回りましたが、SP関連ツールは前年を上回りま
ど、各種施策を展開し、事業の拡大に注力しています。
した。電子チラシサイト
「Shufoo!」
では、Webのみで展開する
ビジネスフォーム関連では、ビジネスフォームは、経費削減や
「Web限定チラシ」
など紙チラシにはない新たな価値提供に
電子化に伴う需要量の減少はあったものの、企業のシステム変
より、月間ユーザー数690万人、登録店舗数10万店を突破し
更に伴う帳票改訂や消費税増税に伴う需要の取り込みなどに
ました。これらの規模拡大に伴う収益の多層化へ向け、新たな
より、前年を上回りました。データ・プリント・サービスは、プリン
広告商品の開発・販売を行うなど事業基盤の整備を進めてい
ト業務一括アウトソーシング需要の取り込み、BPO受託の増加
ます。
などにより、前年を上回りました。
生活環境事業分野
売上高
2,834 億円
生活環境事業分野の売上高は前期比4.8%増の2,834億
円、営業利益は同0.8%増の112億円となりました。
パッケージ関連では、第37回木下賞を受賞したスタンディン
グパウチ
「注ぎ上手」
や空気の力で自立する
「エアホールドパウ
営業利益
112 億円
が、環境適性や利便性の向上といった市場ニーズを取り込み伸
張しました。また、紙製飲料缶
「カートカン」
が採用アイテムの拡
大により順調に推移するとともにプラスチック製品が増加した
ことで、全体として前年を上回りました。
チ」
、透明ハイバリアフィルム
「GLフィルム」
を活用した各種包材
マテリアルソリューション事業分野
売上高
3,674 億円
マテリアルソリューション事業分野の売上高は前期比1.6%
減の3,674億円、営業利益は事業構造改革を推進した成果
もあって同79.7%増の92億円となりました。
92 億円
トPC向けなどを中心に半導体市場が 堅調に推移するなか、
先端品その他の需要を取り込み、前年を上回りました。
高機能・エネルギー関連では、太陽電池関連は、国内メー
ディスプレイ関連では、カラーフィルタは、スマートフォンな
カー向け需 要を積 極 的に取り込んだものの、海 外 太 陽 電 池
どのモバイル向けや、海外テレビ向けの需要を取り込みまし
メーカーとの厳しい価格競争などの影響を受け、前年を下回
たが、前年を下回りました。反射防止フィルムは、競争の激化
りました。
やテレビ向け需要の減速など市場環境が厳しく、前年を下回
りました。
半導体関連では、フォトマスクは、スマートフォンやタブレッ
28
営業利益
Toppan Annual Report 2014
建装材関連では、国内外ともに住宅市場が堅調に推移する
なか、独自ブランド
「101エコシート」
などの環境配慮型製品
の積極的な販売展開を行い、好調に推移しました。
情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連
最先端の偽造防止・情報管理技術を駆使し、ICカードや各種証券類の企画設計・製造・発行、
また企業の業務効率化を支援する業務受託ビジネスなど、
さまざまな高付加価値ソリューションを提供することで、
お客さまの高い評価と信頼を獲得しています。
2013年度の市場動向と業績
今後の見通しと主な取り組みについて
セキュア領域の市場においては、ICカードの需要が安定
トッパンは、独自の高度なセキュリティ技術に基づく媒
的に推移するほか、RFIDを含むさまざまな形状のカード類
体製造・データ処理・運用管理のノウハウを活用し、革新的
の発行枚数が増加しています。また、国・自治体・企業にお
なセキュア関連サービスを提供していきます。
ける情報セキュリティに対するニーズがさらに高まるなか、
このうち、セキュア媒体製造事業は、確かな製造技術を
情 報 管 理 体 制 の 構 築・運 用を外 部 委 託する「セキュア
ベースに、今後は製品・サービス・デザインの一体的な開発
BPO」
の市場が拡大しています。さらに、決済手段の多様
や、最適なパートナーとのアライアンスを通じて国際競争
化などを背景に、次世代サービス市場においても高い成
力を高め、業容拡大を図ります。
長が見込まれる分野となっています。
トッパンのセキュア媒体製造事業では、新商材開発によ
る高付加価値化やコスト低減を徹底した結果、商品券や
帳票類は伸び悩んだものの、ICカードが前年を上回り、
トータルの業績は堅調に拡大しました。
セキュアBPO事業においては、国内の公共分野や大手
金融機関からの大口案件受注、
また新たな決済スキーム
また、セキュアBPO事業では、国内外の金融機関や自治
体を対象に強固な
「トッパンの『セキュアBPO』」
ブランドの
確立をめざします。
さらに
「グローバルセキュア事業」
として、ASEAN地域
にアジアで最高品質のセキュア媒体製造会社を誕生させ
るべく、グループの経営資源を積極的に投入していく方針
です。
の構築など、成長領域への進出が奏功し、業績は大きく伸
張しました。
次世代サービス事業においては、店頭でのペーパーレ
ス申込受付システム
「SpeedEntry plus」
の応用展開、
ま
た国内大手金融機関や外国政府に対するカード・ID発行
機の提供など、新規案件の獲得により、売上を大幅に伸ば
しました。
Toppan Annual Report 2014
29
情報コミュニケーション事業分野
マーケティング関連
多様化する顧客ニーズに対応し、印刷物や店頭販促ツール、
最新のWeb技術など紙とデジタルを有効に組み合わせ、情報を効果的に収集・加工・伝達することで、
多岐にわたる業種のクライアントの課題解決を支援しています。
2013年度の市場動向と業績
企業の広告・販促活動におけるペーパーレス化の進行
ペーパーレス化の流れは、今後さらに加速するものと予
に伴い、商業印刷の紙媒体の縮小とデジタルカタログの
想されます。
トッパンでは、
リアルとデジタルのハイブリッド
拡大傾向が続くとともに、
ネットの普及をベースとした新た
対応をさらに強力に展開するとともに、2020年度をめどに
なコミュニケーションデザインが求められるようになって
「個別受注型ビジネスからプラットフォーム型ビジネスへ」
います。一方、経営効率化やコスト削減の要請を背景に、
の転換を図っていきます。
BPOへの引き合いが増加しています。さらに、
スマートフォ
具体的には、
「 Shufoo!」
や電子カタログ「iCata」
といっ
ンやビッグデータを活用した高度でスピーディな設計、運
たデジタルコンテンツのメディアとしての価値をさらに高
用、解析へのニーズも高まりをみせています。
めていくため、行動分析や情報提供などのサービス開発を
こうした状況のもと、
トッパンは、
リアルとデジタル双方
強化し、ユーザー数やコンテンツ数のいっそうの拡大を図
のメディアを自在に組み合わせた
「ハイブリッド対応」
を加
ります。また、BPO分野では、
トッパングループ・データセン
速しています。あわせて、販促の効果をさらに高めるソ
ターを有効活用するとともに、設計から実施運用段階まで
リューションの開発、BPOオペレーション高度化へ向けた
一貫したビジネスモデルを確立し、競争優位性のさらなる
人材強化といった課題に地道に取り組みました。その結
向上をめざします。また、
マーケティング関連サービスに関
果、SP関連ツールおよびBPO関連受託の伸長がチラシや
しては、ビッグデータの運用・解析・活用スキルの向上とプ
パンフレットなどの減少を上回り、
トータルの売上は前年を
ラットフォーム強化などに加えて、コミュニケーションデザ
上回りました。
イン力の強化と本格的なコンサルティングビジネスの展開
業容拡大ならびに収益多層化に向けた基盤整備も順調
に進捗しています。当期においては、特に電子チラシサイト
「Shufoo!(シュフー)」
で、
「 Web限定チラシ」
などの施策
が奏功し、月間ユーザー数690万人、登録店舗数は10万
店を突破しました。
30
今後の見通しと主な取り組みについて
Toppan Annual Report 2014
を加速していく方針です。
情報コミュニケーション事業分野
コンテンツ関連
業界最高水準の技術を駆使して、多彩なジャンルの出版印刷物を提供しているほか、
電子出版等のデジタルコンテンツの制作・配信・販売、出版社のコンテンツ資産を活用した共同事業などを通じて
出版文化および出版ビジネスのさらなる発展に貢献しています。
2013年度の市場動向と業績
紙媒体の出版印刷市場は頭打ちの状態で、当期も雑誌
今後の見通しと主な取り組みについて
国内の出版市場は、電子書籍の本格普及を目前に控
の落ち込みが顕著でした。ゲームカード市場についても、
え、供給サイドでもコンテンツを初めからデジタルで提供
少子化および消費者嗜好の変化を反映して、縮小傾向が
する
「デジタルファースト」
方式が注目を集めています。
続いています。一方、電子書籍市場では、成長スピードが
こうした状況を踏まえ、
トッパンでは紙媒体の生産体制
想定よりやや鈍いものの、業界内の基盤整備は着実に進
の最適化に努めるとともに、いつでも・どこでも・誰でもコ
んでおり、今後さらなる市場拡大が見込まれます。また、周
ンテンツを手軽に入手できる
「コンテンツプラットフォー
辺サービス領域においては、企業PRや流通商品等、
さまざ
ム」
を構築し、出版印刷の枠を越えた高付加価値化戦略を
まな局面にわたってコンテンツ利活用のニーズが高まって
展開していきます。また、多方面のコンテンツホルダーとの
います。
連携を強化し、コンテンツの獲得・創出から知財管理、配
こうした状況のもと、
トッパンのコンテンツ関連の業績
は、雑誌、書籍ともに前年を下回りました。一方、新製品・
信・流通に至るまで、バリューチェーンを縦断したビジネス
モデルの確立を図ります。
サービスの面では、電子書籍市場向けに液晶での文字の
加えて、佐賀県における教育支援という先駆的実績を
可読性を高めるオリジナル書体
「凸版文久体」
を提供する
踏まえ、教育現場に対するICTを活用した支援システムの
とともに、スマートフォンで雑誌記事を個別に購入できる
導入など、教育分野への取り組みを強化します。さらには
「中吊りアプリ」
などの新たなサービスを投入しました。さ
多言語・同時制作配信技術やライツノウハウを活用したグ
らに、電子書籍サイト
「BookLive!」
における累計会員100
ローバルなコンテンツ提供など、成長分野への本格進出
万人突破キャンペーンをはじめ、
さまざまな施策を推進し、
による収益力の底上げをめざしていきます。
事業を着実に拡大させました。
Toppan Annual Report 2014
31
情報コミュニケーション事業分野
ビジネスフォーム関連
帳票類などのビジネスフォーム事業と、データの編集・加工から印刷・発送まで一括受託する
データ・プリント・サービス
(DPS)
事業を中心に、
トッパン・フォームズ
(株)
がトータルな情報管理ソリューションを
提供し、お客さまの課題解決に貢献しています。
2013年度の市場動向と業績
れた受託実績、得意先との信頼関係を武器に市場を牽引
ビジネスフォーム事業は、企業の経費削減傾向やデジタ
し続けていきます。新規事業構築の
「起点」
としてこれら既
ル化・IT化の流れ、
また価格競争の激化など、全体的に厳
存事業で一括受注を促進し、BPOにおける圧倒的な差別
しい市場環境下にありますが、
トッパンはユニバーサルデ
化を実現することが、グループとしての基本戦略となりま
ザインや、帳票を中心とする印刷物の調達業務の一括受
す。
託など独自の提案力と、それを裏づける業界屈指の生産
また、2015年度に導入予定のマイナンバー制度につい
体制を強みに、市場のリーダー的存在となっています。
ては、国民向けの通知業務を皮切りにICカードの発行受
2013年度は、企業のシステム変更に伴う帳票類の改訂
付事務や、番号発行後の紐づけ作業など、
さまざまな需要
需要や周辺印刷物、帳票・文書の電子化、
さらには消費税
が想定され、
トッパンにとって大きなビジネスチャンスにな
増税前の駆け込み需要を着実に取り込み、前年を上回りま
ると考えています。こうした状況を踏まえ、
「 BPO事業のフ
した。
ルラインアップ化」
をめざしてセキュリティ体制のいっそう
DPS事業においては、電子化や封書からハガキへの代
の充 実を図るべく、本年4月に高セキュリティ対 応のグ
替等による単価下落等はあったものの証券市場の活況を
ループ・デ ータセンターを本 格 稼 働させました。また、
背景とした通知物の増加や、ダイレクトメールなどの拡販、
2013年4月にはトッパン・フォームズが、
( 株)
ジェイ エス
生損保など金融機関を中心としたプリント業務一括アウト
キューブを買収し、
これまで強みとしてきた 出力面 に加
ソーシング需要の取り込み、さらにはデータプリントの周
えて 入力面 のプラットフォームを獲得することで、
「 国内
辺を取り込んだBPO受託の増加などにより、2013年度に
最大級のデータ入出力体制」
の整備へ向けて大きく前進
おいても、業績は堅調に推移しました。
しています。
さらに、海外においては、香港、シンガポールに加え、国
今後の見通しと主な取り組みについて
今後も厳しい市場環境の継続が予想されますが、
トッパ
ンが有する最高水準のセキュリティ体制とそれに裏打ちさ
32
Toppan Annual Report 2014
民IDカードの受注などで堅調に成長しているタイを中心
に、ASEAN市場の開拓を積極的に推進していきます。
生活環境事業分野
パッケージ関連
グループの有する表面加工・成型加工の独自技術を活用し、各種包装材の企画・開発・製造から受託充填、
包装関連システム機器の開発・製造、
さらには商品企画コンサルティングに至るまで
幅広い領域で総合的な
「パッケージングソリューション」
を展開しています。
2013年度の市場動向と業績
今後の見通しと主な取り組みについて
世界の包装容器市場は現在、年率平均約4%のペース
パッケージ製品をめぐっては、消費者の
「安心・安全」
「省
で成長を続けています。なかでも欧米諸国では、環境保護
エネ・省資源」
意識の高まりや、高齢化の進行といった社会
や物流コスト低減、ユニバーサルデザイン対応などの観点
的状況を背景に、
さまざまな潜在ニーズが存在します。
トッ
から、ビン・缶類やアルミ包材に代わる新たな包装資材の
パンは、こうした要請に応える新製品の開発・拡販を通じ
ニーズが高まっています。
トッパンは透明ハイバリアフィル
て、国内外で持続的な収益拡大を実現していきます。特に
ム
「GLフィルム」
を軸に、
このようなニーズに的確に応える
GLフィルムを活用した各種包材により、食品・日用品市場
べく、国内外で積極的な事業展開を行っています。特に近
におけるビン・缶からの代替需要を最大限に取り込むとと
年は、国内得意先企業の海外進出の加速に加え、グロー
もに、医療・医薬分野や産業資材分野の深耕を図ります。
バル企業におけるGLフィルムの評価が高まっており、
こう
また、中国・アジア市場に対しては、
カートカン成型・充填機
した動きと連動した販売戦略によって、海外市場の業績が
の生産・販売に関して、中国プレシャス社と業務提携を締
好調に推移しています。
結しており、2014年度末から中国市場での販売を開始す
当期においては、GLフィルムの各種応用展開に加えて、
独自の製袋技術により注ぎやすさを向上させたスタンディ
Ⓡ
や、空気の力で自立する
「エアホー
ングパウチ
「注ぎ上手 」
TM
等、高い環境適性と利便性を両立した新製品
ルドパウチ 」
Ⓡ
る予定です。
供給体制の面では、本年4月、ハイバリア包材を中心に
最先端パッケージの製造にあたる群馬センター工場を竣
工しています。同工場をグループ全体のマザー工場と位
が業績に寄与しました。加えて、紙製飲料缶
「カートカン 」
置づけ、生産効率向上や高度な品質管理など、その成果
の採用アイテム増加、プラスチック製品の販売拡大等を受
を国内外の生産拠点に水平展開していくと同時に、新技
けて、当期のパッケージ関連の売上は前年を上回りました。
術・新製品の開発を加速していく方針です。
Toppan Annual Report 2014
33
マテリアルソリューション事業分野
ディスプレイ関連
トッパンならではの製版印刷技術をベースとする高度の微細加工・表面加工技術により、
液晶用カラーフィルタや反射防止フィルムの開発・生産を行っています。
その先進的なテクノロジーと優れた製品品質は、国内外の市場で高い評価を得ています。
2013年度の市場動向と業績
液晶パネル市場では、スマートフォンやタブレットPC向
ディスプレイ市場の全般的傾向としては、テレビ用液晶
けの中小型パネルの需要が拡大する一方、テレビ用など
パネルの低調な推移に対して、スマートフォンやタブレット
大型パネルの需要が伸び悩む
「二極化」が進行していま
用中小型パネルの需要が今後も市場を牽引していくもの
す。特に国内テレビ市場の不振に伴い、大型液晶用カラー
と予想されます。
フィルタ市場は低迷が続いています。
カラーフィルタ事業では、
トッパンの強みである高精細
このようななかでトッパンは、スマートフォン向けを中心
技術を活かして中小型カラーフィルタの需要を最大限に取
とした中小型パネル用のカラーフィルタ需要を積極的に取
り込む一方、市場の動向に見合った最適な生産体制を構
り込みましたが、通期の売上は前年を下回りました。一方、
築して、収益安定化を図ります。
抜本的な構造改革を推進した結果、利益は増益を確保す
ることができました。
反射防止フィルム分野においては、テレビ・PC向け需要
また、反射防止フィルム事業においては、生産体制の合
理化と製品開発力の強化による新たな用途開発を推進し
ていきます。
の減速や価格競争激化により、市場環境は厳しさを増して
さらにタッチパネル事業では、
「 銅タッチパネル」
の技術
います。
トッパンは、体制の強化と生産のさらなる効率化を
開発や生産体制の強化を図り、事業の拡大をめざします。
図った結果、売上は前年を下回りましたが、利益は大きく
改善しました。
タッチパネル事業においては、
「銅タッチパネル」
の企画・
設計からセンサー、モジュールの製造までワンストップで
提供できる体制を構築、量産を開始しました。
34
今後の見通しと主な取り組みについて
Toppan Annual Report 2014
マテリアルソリューション事業分野
半導体関連
超微細加工技術を駆使して、半導体製造用フォトマスク、FC-BGAなどを開発・生産しています。
業界最先端の技術開発力とグローバルな製造ネットワークで
世界のエレクトロニクス産業に貢献しています。
2013年度の市場動向と業績
今後の見通しと主な取り組みについて
世界の半導体市場は、スマートフォンやタブレットPC向
半導体関連市場は今後、世界全体で緩やかに拡大して
け需要に支えられて堅調に推移し、前年の落ち込みから
いく一方、成長エリアは中国・韓国・台湾など
「日本を除く
一転して、4%台半ばのプラス成長になりました。地域的に
アジア」
と
「デザインハウスとしての北米」
にシフトしていく
は日本市場は縮小傾向にあるものの、韓国・台湾などアジ
とみられています。また、スマートフォンやタブレットPCの
ア市場や、欧米市場は堅調な拡大をみせています。
需要は、先進国では伸び悩む一方で、新興国向けのローエ
こうしたなか、フォトマスク事業においては、
トッパンは
ンド機種が半導体需要の牽引役になると考えられます。
海外市場をターゲットに、ファブレス
(設計)
・ファウンドリ
こうした状況を踏まえ、
トッパンは、
さらなる構造改革に
(製造)
・OSAT(後工程)
の各有力メーカーの重点的な攻
取り組むとともにアジア・北米の体制を強化していきます。
略を図りました。その結果、通期での業績は前年を上回り
フォトマスク事業では、米国IBM社との共同研究で培っ
ました。
半導体パッケージ関連製品のFC-BGA事業では、ゲー
ム機や通信用、車載用半導体向けなどの需要を取り込ん
だ結果、売上は大幅に伸長しました。また、プリント配線板
た技術的優位性を活かして、得意先に対する提案力を高
めていくとともに、収益構造の安定化へ向け、いっそうの
改革を断行していきます。
半導体パッケージにおいては、高い成長性が見込まれ
事業を京セラ株式会社に譲渡する一方、FC-BGA事業の
るFC-BGAに注力し、新潟工場内に新ラインを立ち上げ、
強化に向けた施策を展開しました。
旺盛な需要を取り込んでいきます。
Toppan Annual Report 2014
35
マテリアルソリューション事業分野
高機能・エネルギー関連
独自の印刷・コーティング技術や成型加工技術をベースに、バリアフィルムの応用展開から
太陽電池や通信情報機器などの各種部材、
さらにはリチウムイオン二次電池外装材に至るまで、
さまざまな高機能製品およびエネルギーソリューションを提供しています。
2013年度の市場動向と業績
今後の見通しと主な取り組みについて
高機能・エネルギー関連分野では、世界トップシェアを誇
バリアフィルム関連市場では、欧米やアジアを中心とす
る透明バリアフィルム
「GLフィルム」
や、よりバリア性能と
る食品分野での市場拡大と、産業資材用途やエレクトロニ
機能性を高めた
「PRIME BARRIER」
など、
さまざまな用途
クス向け用途の成長が見込まれています。
トッパンは、技
向けに製品開発を進めています。当期においては、国内外
術開発力を強化するとともに、製造拠点を整備・増強する
の食品用途での需要拡大と、産業資材用途への販売強化
ことで、バリアフィルム事業の拡大を図ります。2014年5
により、業績は堅調に推移しました。
月には、北米・欧州への提供能力の向上をめざし、米国に
太陽電池用のバックシートおよび封止材フィルムについ
ては、太陽電池モジュールの市況は前年の落ち込みから
回復しましたが、関連部材の市場では、単価下落により市
透明バリアフィルム生産拠点の新設を決定しました。同工
場は2016年3月に量産を開始する予定です。
太陽電池部材市場は、数量ベースでは拡大するものの、
場規模は伸び悩んでいます。このようななか、国内外メー
金額ベースでは横這いが続くとみられています。このよう
カーへの販路拡大に注力したものの、激しい価格競争の
ななかでトッパンは、徹底した構造改革と競争力のある製
影響で売上は前年を下回りました。
品の開発を行うことで、収益基盤の強化を図ります。
プリンタ用記録メディア事業では、既存製品の用途開発
を図りましたが、売上は前年を下回りました。
また、さらなる成長が見込まれるリチウムイオン二次電
池外装材については、新たに金属缶タイプのハードパッ
クの製造拠点として滋賀工場の稼働を開始、営業体制の
強化を図るなど、フィルムタイプのソフトパックと両面に
わたり、中期的な事業拡大に向け積極的に取り組んでい
きます。
36
Toppan Annual Report 2014
マテリアルソリューション事業分野
建装材関連
(株)
トッパン・コスモを中核に、化粧シートや床材、外装材など多岐にわたる生活空間関連資材を
開発・提供することで、お客さまの多様なニーズに応えるとともに、
環境に配慮した快適な空間づくりに貢献しています。
2013年度の市場動向と業績
含め、通期での影響は不透明です。さらに中長期的には、
リーマンショック以後、緩やかな回復基調にあった国内
人口減少社会の到来が予想されています。こうした厳しい
住宅市場は、2013年度、政府と日銀による経済・金融政
市場環境のもと持続的な成長を実現していくためには、抜
策の効果に加え、第4四半期には消費税増税に伴う駆け
本的な事業構造の改革が不可欠となっています。
込み需要も追い風となり、活況を呈しました。新設住宅着
そこでトッパンは、現在主力である住生活分野の収益力
工戸数は前年の89万戸から99万戸へ増加し、5年ぶりの
向上と並んで、店舗・ホテル・公共施設・オフィスといった非
高い水準を記録しています。こうしたなか建装材関連は、
住宅分野への取り組みを強化し、住宅/非住宅の2本柱
住生活分野の
「トッパンエコシート」
など環境配慮型製品を
によるビジネスモデルの構築に取り組んでいます。
中心に、好調に業績を伸ばしました。
このうち住生活分野では、徹底した業界別戦略を推進
海外においては、低迷の続いていた先進国経済が持ち
し、いっそうのシェア拡大と新たな市場創出を図ります。さ
直し、住宅市場は総じて堅調でした。特に米国では、ペン
らに型押し不燃パネル
「101アリアデコ」
などの高機能商
シルバニア工場の取得をはじめとした生産体制整備のほ
材の拡販を推進します。非住宅分野では、不燃アルミ製品
か、為替の円高も寄与し、売上は大幅に伸長しました。
以上の結果、2013年度の建装材関連の業績は、前年
を大きく上回りました。
「フォルティナ」
や再生木材
「トッパンマテリアルウッド」
を軸
に新規受注の獲得をめざすとともに、さらなるラインアッ
プの拡充、販売体制の確立を加速します。
また、海外事業においては、米国での現地生産による需
今後の見通しと主な取り組みについて
2014年度の国内住宅市場は、増税前の駆け込み需要
要の取り込みに加え、欧州やアジアのネットワークを整備
し、新規需要の獲得をめざします。さらに、製品開発面では、
の反動という大きな懸念材料を抱えています。足元では前
「エコ」
をキーワードとした環境配慮型製品や、マテリアル
年度契約分の分譲マンションの着工が相次ぎ、
また相続
ソリューション系の他事業と連携し、新たなビジネスモデ
税法改正を控えてアパート建設も底堅く推移しているもの
ルの開発を推進します。
の、年後半に下される10%への消費税率引き上げ判断を
Toppan Annual Report 2014
37
2013年度のトッパンの活動
2013年
4〜12 月
■4月1日
■6月7日
■8月6日
エレクトロニクス事業と高機能事業を事
電子チラシポータルサイト
「Shufoo!」
、
京セラ株式会社へトッパンNECサーキッ
業統合し、マテリアルソリューション事業
選挙管理委員会や政党向けの
「電子チ
トソリューションズの株式を譲渡 〜プリ
本部を新設 〜成長市場ニーズを捉え
ラシ」
サービスを新たに提供開始
ント配線板事業を譲渡し、選択と集中を
強化〜
た新たな事業展開に向け組織再編〜
■4月12日
群馬センター工場の緑化計画が「都市
■6月12日
大腸がんの最適抗がん剤選択に向け、
■8月29日
KRAS遺伝子変異解析システムを開発
店頭販促用の低価格なネットワーク対
応 小 型 デ ジ タル サイネ ー ジ「EPOP
開発版SEGES」
の認定を取得
■4月18日
サイネージラインナップを拡充し、店頭
国内初、3Dプリンタによる模型作製・
向け販促支援を強化〜
店頭販促ツールを最適生産するシステ
設計を活用したプラスチック容器・部材
ム
「エプリザ」
を提供開始
開発サービスを開始 〜安価な初期費
■4月19日
NEO S」
を販売開始 〜「ReView」
の
■6月13日
用で仕上がりイメージの早期確認や事
■9月17日
前の品質評価が可能〜
店頭での視認性を高めた口栓付き液体
用 紙 製 容 器「EP-PAKコーナーアテン
NHKプロモーションと共同で、VR映像
ション」
を開発
作品『貴婦人と一角獣へのオマージュ』
を制作
■9月25日
世界初、半導体の個体差を用いたPUF技
■5月14日
術搭載ICタグ
「SMARTICS-V」
による真贋
佐賀県に提供したICT教育支援システ
ムを全国に向け販売開始
■5月24日
企 画・制 作したO2Oプ ロモーション
「KNIT Like COLLECTION」
が世界三
大広告賞の一つ
「One Show」
のイン
判定サービスの提供を開始 〜 NFC対
3Dプリンタで作製したプラスチック容器の
サンプル
■6月19日
群馬県邑楽郡明和町立図書館の電子
図書館サービスを支援
タラクティブ部門でメリット賞を受賞
応スマートフォンで、生活者自身による
製品の真贋判定が可能〜
■10月2日
高セキュリティ対応のグループ・データ
センターを竣工 〜 ICT基盤を統合、
最 高レベル のセキュリティ対 策 でソ
■6月21日
■5月30日
中国・普麗盛社と紙製飲料容器の製造
株式会社出版デジタル機構へ株式会社
システム開発・販売の協業で合意 〜中
ビットウェイの株式を譲渡
国・アジアでの紙製飲料容器事業を確
リューションサービスを強化〜
立し、包装材事業のグローバル展開を
■5月31日
加速〜
注ぎやすさを向上させたスタンディング
パウチ
「注ぎ上手 」
で日本包装技術協
■7月9日
会主催「木下賞」
を受賞
第42回技能五輪国際大会の
「印刷」職
トッパングループ・データセンター
種で敢闘賞を受賞
■10月9日
CCCと、アプリ
「Tポイント×Shufoo!」
上で
「電子DMお届けサービス」
を提供
開始 〜アプリユーザー向けにセグメ
ント可能な
「電子DM」
を新たに配信〜
「注ぎ上手 」
のサンプル
第42回技能五輪国際大会会場
(ドイツ・ライプツィヒ)
38
Toppan Annual Report 2014
■ 情報コミュニケーション事業分野
■生活環境事業分野
2014年
■10月24日
■1月14日
■マテリアルソリューション事業分野
■ 3系に含まれない活動
1〜3 月
■2月20日
「ReView お手軽POPサイネージシス
国立科学博物館と体験型科学教育コン
FC-BGAサブストレートの製造ラインを新
テンツを開発・活用する共同事業を推
設 〜通信、ゲーム機、車載用などのハ
テム」
を開発 〜スマートフォンやタブ
進 〜第一弾として、恐竜の骨格標本
イエンドLSI向けに最先端製品の生産能
レット端 末を活 用して、デジタルサイ
をVR化した
『V×Rダイナソー』
を開発〜
力を拡大〜
ネージ向けのオリジナルコンテンツを手
軽に作成・即時配信〜
■10月28日
■2月27日
グローバル展開を進める日本企業向け
「Shufoo!」
と
「電子棚札」
を連携させた
にクラウド型の正規品判定システムを
リアルタイム店内お買い得情報配信
2013年11月より販売開始
コアレスFC-BGAサブストレート
サービスを開発
■11月11日
高性能な銅タッチパネルモジュールの量
産を開始 〜モバイル端末から電子黒
板まで幅広いアプリケーションのタッチパ
ネルへ展開可能〜
■1月15日
簡単に美味しく調理できる電子レンジ
専用チャック付きパウチ
「スマデリバッ
グ 」
を開発 〜新鮮食材を加えて電子
レンジで加熱するだけで本格的な蒸し・
煮込み料理が可能〜
■1月27日
電子出版コンテンツを読みやすくするオ
リジナル書体「凸版文久体」
で、本文用
タッチセンサー
明朝体の提供を開始
■3月3日
国内初、店舗内の消費者の動きを見え
る化できるBluetoothを用いた高精度
な屋内測位技術を確立 〜店舗内回
遊 履 歴と購 買 情 報を組み合 わせた、
ビッグデータ分析のサービスへ展開〜
■3月3日
透明ハイバリアフィルム
「GLフィルム」
が伊藤園の紙パック飲料『充実野菜』
シ
リーズのバリア材として採用
■3月4日
経済産業省の
「ダイバーシティ経営企
業100選」
に選出 〜 女性の視点を活
かした製品・サービス開発を推進 〜
タッチパネルモジュール
新書体
「凸版文久明朝R」
■12月6日
■1月28日
電子チラシポータルサイト
「Shufoo!」
、
日本初、NFC対応スマートフォン向け非
家計簿アプリ
「ReceReco」
と提携、家
接触ICクレジット発行の商用サービス
計簿アプリ上で、電子チラシの閲覧が
を開始
可能に
■2月3日
■12月6日
「シネマde文化財」新シリーズ『シネマ・
「ダイバーシティ経営企業100選」
ロゴマーク
■3月26日
雑誌コンテンツを記事単位で購入でき
無 料で 学 べる新 学 習サービス
「学 び
るスマートフォン向け専用サービス
『中
ゲット!」
を学研HDと共同開発
吊りアプリ™』
の提供を開始
■2月6日
■3月27日
トラベル −映画館でみる世界遺産の
旅−』
を開発、2014年3月8日より公開
グローバル基準に対応したCSR調達ガ
国内初、秋田大学と
「バーチャル鉱山実
イドラインを発行 〜国連グローバル・
習システム」
を開発 〜最先端のバー
エネルギーマネジメント情報の活用によ
コンパクトやISO26000に準拠、サプラ
チャルリアリティ技術で、鉱山開発の現
りビジネスを活性化させる次世代レコメ
イヤーと協力・連携しCSR調達を推進〜
場を作業者視点で疑似体験が可能に〜
■12月12日
ンドシステムを開発
Toppan Annual Report 2014
39
トッパンの企業像
企業像
トッパンの企業像は、
「企業理念」
「 経営信条」
「 行動指針」
から成り立っており、
企業活動の基盤となる価値観を表しています。
私たちは、常にお客さまとの信頼関係の向上に努め、
優れた品質の
「作品」
を提供することで、
企業理念
社会から必要とされる企業であり続けます。
経営信条
行動指針
企業理念
トッパンのあらゆる企業活動の最上位に位置づけられる
概念であり、最も大切にしていく価値観・考え方を示し
たものです。
▲
私たちは
企業理念は、トッパンに働く「私たち」一人ひとりに共通する
価値観であるという姿勢を示しています。まさに人間尊重の
原点はここにあります。
▲
常にお客さまの信頼にこたえ
お客さまの満足や喜びを第一に考え、お客さまとの強い信頼
関係を築いていくこと。こうして築いた信頼が、私たちの活
動すべての基礎となっています。
▲
彩りの知と技をもとに
私たちは
「印刷」のもつ再現性や創造性、精緻さを
「彩り」と表していま
常にお客さまの信頼にこたえ
力を
「技」とし、この二つの強みを組み合わせることでお客さ
す。それを引き出す企画力やマーケティング力を「知」
、技術
まのさまざまな思いを実現していきます。
こころをこめた作品を創りだし
▲
彩 りの知と技をもとに
こころをこめた作品を創りだし
私たちがお客さまにおくりだすものはすべて優れた品質の
「作品」でなければなりません。
「作品」とは、一人ひとりが、
情報・文化の担い手として
責任と情熱と工夫をもって創りあげる製品やサービスであり、
私たちの培ったノウハウや知力をそそぎ込んだソフトであり
ふれあい豊かなくらしに貢献します
ます。私たちは、これからも
「こころをこめた作品」を創り続
けていきます。
▲
情報・文化の担い手として
私たちは印刷を通して情報・文化の発展に多大なる貢献をし
てきたという自負があります。これからもさまざまな技術を
展開し、誇りと気概をもってこの役割を果たしていきます。
▲
ふれあい豊かなくらしに貢献します
私たちは、人と人、人と企業、企業と企業をつなぎ、コミュ
ニケーションを活性化していきます。それにより、こころ豊
かで満ち足りたくらしの実現に積極的に貢献していきます。
40
Toppan Annual Report 2014
経営信条
行動指針
実際に活動する際の規範を示したもので、私たちはすべ
企業理念、経営信条を踏まえて、遵法精神と企業理念に
てこの経営信条のもとに行動します。
則って行動できるように、基本的な考え方や実際の行動
のあり方を定めたガイドラインです。
第1章
基本原則
私たちは
誠意・熱意・創意にもとづく活動を通じて
お客さまとの信頼を築きます
1 基本的人権を尊重する
私たちは
グローバルな視点に立って
2 高い倫理観を持ち、良識ある
社会人として行動する
独創性に富むマーケティングと技術開発を行い
事業の刷新に努めます
3
法令および社内規程を遵守し、
公正に業務を遂行する
私たちは
社会的責任を認識し
地球環境との調和をめざすとともに
4 反社会的勢力との一切の関係を遮断する
5
品質の向上に努め、
お客さまの満足に
資する作品を提供する
公正で開かれた企業活動を行います
6
適切に管理する
私たちは
ひとりひとりの能力とチームワークを最大限に活かし
働きがいのある企業風土をつくります
私たちは
新たな可能性を拓くことにより
企業の価値を高め
トッパングループの永続的な発展を図ります
事業に関わる情報の重要性を認識し、
7
地球環境の保全に積極的に取り組む
8
変化を捉え、新たな可能性に挑戦する
9
社会貢献活動や適切な情報開示を通じて、
社会からの信頼を醸成する
10 個々の力を結集し、
グループ総合力を
最大限に発揮する
Toppan Annual Report 2014
41
コーポレート・ガバナンス
トッパンは、広く社会から評価される企業として、永続的な発展をめざしています。
最適なガバナンスシステムの構築によって経営の健全性を高めるとともに、
経営効率のいっそうの向上とグループ全体の価値の最大化を図っていきます。
し、会計監査人や内部監査部門との連携を強化しつつ、事
コーポレート・ガバナンス
会社法上の監査役会設置会社の形態をとり、経営監査
業所やグループ会社の監査を計画的に実施しています。こ
室、コンプライアンス部、エコロジーセンターを設置し、ガ
れらを通じて、取締役および各部門の業務の適法性や会
バナンス体制の強化を図っています。また、公正なグルー
社方針・規則に沿った円滑で適正な経営がなされている
プ経営を推進するための
「関係会社管理規程」
に基づき、
か、予防監査の視点で監査し、助言しています。また、
「関
グループ全体の価値最大化をめざしたガバナンスを展開
係会社監査役会」
を定期的に開催し、グループの監査役監
しています。
査の実効性を高めています。
なお、有限責任 あずさ監査法人による会計監査を通じ
取締役・取締役会・各種会議
た会計の適正性の検証により、財務情報の信頼性と透明
取 締 役 会は、2 名 の 社 外 取 締 役を含む取 締 役 2 6 名
性の向上につなげています。
(2014年3月末現在)
で構成されており、月に1回の定例取
監査機能の強化
締役会のほか、案件の重要度を考慮し、必要に応じて臨時
取締役会を開催しています。経営上重要な案件は、代表取
事業部門から独立した経営監査室は、経営活動の管理・
締役社長が指名した取締役を構成員とする経営会議で事
運営の制度と業務の遂行状況を合法性と合理性の観点か
前に審査し、経営効率を意識した経営判断を行っています。
ら公正かつ客観的に監査しています。問題点は、被監査部
監査役・監査役会・会計監査人
結果を代表取締役社長、各担当取締役、監査役に報告し
門にフィードバックし、改善策の提案を行うとともに、監査
3名の社外監査役
(うち2名は独立役員)
を含む5名の監
ています。2013年度は、経営監査、業務監査を26件実施
査役
(2014年3月末現在)
は、監査役会のほか、取締役会
しました。財務報告に係る内部統制については、全事業
や経営会議、危機管理にかかわる重要な会議などに出席
(本)
部、主要な子会社を対象に、整備評価、運用評価を実
コーポレート・ガバナンス体制
株主総会
選任・解任
選任・解任
選任・解任
取締役会
監査
監査
選定・解職
監督
代表取締役
危機管理委員会
経営会議
危機対応
取締役会案件の
事前審議機関
担当取締役
事業部門
監視
指導
経営監査室
事業活動が適法かつ適正であるかを
監視・検証する部門
グループ会社
コンプライアンス部
経営に関する法令遵守と企業倫理確立を
推進し、監視・検証する部門
法令等の主管部門を中心に
自律的に点検、評価、改善
エコロジーセンター
会社の環境活動を統括し、監視・検証する
部門
その他統制組織
情報セキュリティ管理統括責任者
安全衛生委員会
TPM全国会議
全国エコガード委員会
連携
Toppan Annual Report 2014
補助
全国行動指針推進責任者
報告
監査役室
指示
監査
監 査 役︵会︶
会計監査人
監査
指導
42
助言・勧告
特別委員会
(買収防衛)
施しました。
危機管理体制
法務本部コンプライアンス部は、法令遵守と企業倫理
リスクの発生を回避するとともに、発生した際の損失を
の確立を推進する役割を担っており、
「 行動指針」
の周知・
最小限に抑えるための総合的なリスクマネジメントを行っ
徹底、規制法の遵守教育、情報セキュリティにかかわる監
ています。
査機能を担っています。製造統括本部エコロジーセンター
リスクの回避とリスク発生時の損失の抑制にかかわる
は、環境活動を統括し、事業所の監査、改善確認までを
事項については
「危機管理に関する規程」
を制定し、危機
行っています。
管理を要するリスクごとに本社主管部門を定め、当該部門
の担当取締役が個別リスクについての予防、回避、是正措
経営活動の透明性向上
置を講じる責任者となる、主管部門別危機管理体制をとっ
公正・公平な情報開示
ています。
トッパンでは、経営活動の内容を公正かつオープンに開
示することをモットーとしています。IR情報開示にあたっては、
危機管理を要するリスクは、規程に基づき年1回の見直
しと対応策の検討を行っています。また、本社各部門の危
「IRに関する基本方針」
に従い、公平性と透明性および迅速
機管理担当者で構成される
「危機管理連絡会」
を定期的に
性を期するため、当社のWebサイトにIRページを開設して
開催し、常に情報の共有化を図ってリスクに備えています。
います。財務情報については、IRページのほか、四半期ごと
に発行している株主さま向け小冊子
「Toppan Story」
にて
事業継続マネジメント(BCM)への取り組み
開示しています。
また、第2四半期および期末決算後に経営
不測の事態に見舞われ事業活動が停止した場合でも、
で
トップの出席のもと決算説明会を開催しており、資料はIR
きる限り速やかに事業再開ができるよう、
「災害対策基本計
ページで公開しています。
画」
に基づき、事業継続マネジメント
(BCM)
活動を行ってい
ます。首都圏の主要事業拠点からスタートし、現在では全社
展開へと拡大させています。
取締役および監査役の報酬
2013年度の取締役の年間報酬総額は1,127百万円、
2013年度は、データセンターの竣工により全社共通IT
監査役の年間報酬総額は108百万円です。報酬の決定の
基盤の保全を図りました。
また、各拠点での各種訓練の実施
方法などについては、有価証券報告書の
「コーポレート・ガ
により事業継続力を高めるほか、社外講師によるオープン
バナンスの状況等」
をご覧ください。
セミナーや社内研修を実施し、従業員の意識の向上を図り
ました。
危機管理を要するリスクと本社主管部門
危機管理を要するリスク
製品事故・製造物責任
製品事故・クレーム〈製造統括本部〉
基幹系システム関連事故〈ICT本部〉
労災、交通事故など、従業員の人身事故〈人事労政本部〉
債権関連事故〈財務本部〉
事業活動に伴う事故・災害
受注物に関する法的トラブル〈法務本部〉
個人情報・社内機密情報などの漏えい〈法務本部〉
火災・爆発による事故・災害〈製造統括本部〉
溶剤保管・危険薬品保管などの法令違反〈製造統括本部〉
誹謗、中傷、その他犯罪被害
反社会的勢力との関係
自然災害
社内用システムへのサイバーテロ、不正アクセス・使用、個人・社内情報などの漏えい〈ICT本部〉
対企業暴力(脅迫、誘拐、強盗)
〈人事労政本部〉
反社会的勢力からの不当要求、取引先と反社会的勢力との取引〈法務本部〉
地震、風水害、落雷などによるお客さまおよび会社資産の損害、人身事故〈人事労政本部〉
大規模地震等の不測の事態による事業の中断〈法務本部〉
企業経営にかかわるリスク
株主代表訴訟、敵対的買収〈法務本部〉
外部発注における法令違反
下請法違反、取引先との不正取引〈製造統括本部〉
知的財産権侵害
特許、商標、著作権侵害〈法務本部〉
環境問題
環境関連法令基準違反、産業廃棄物処理違反〈製造統括本部〉
海外事業活動におけるリスク
製品事故、環境問題、火災・自然災害、国際紛争・テロなどによる人的・物的資産の損害〈経営企画本部〉
Toppan Annual Report 2014
43
取締役および監査役
取締役
代表取締役会長
代表取締役社長
足立 直樹
金子 眞吾
1962年 当社入社
1973年 当社入社
1990年 経営企画室営業本部長
2000年
1993年 取締役商印事業本部商印事業部長
2003年 取締役商印事業本部商印事業部長
1995年 常務取締役商印事業本部長
2006年 常務取締役経営企画本部長及び経営監査室、業務改革本部担当
1997年 専務取締役商印事業本部長及び金融・証券事業本部担当
2008年 専務取締役経営企画本部長及び経営監査室、広報本部、業務改革本部、
1998年 代表取締役副社長全社営業統轄及び金融・証券事業本部、
商印事業本部担当
法務本部担当
2009年 代表取締役副社長社長補佐、営業統轄及び経営監査室、広報本部、
2000年 代表取締役社長
44
商印事業本部第一営業本部長
経営企画本部、文化事業推進本部、人事労政本部、国際事業部担当
2010年 代表取締役会長現任
2010年 代表取締役社長現任
取締役副社長
社長補佐 兼 バリアフィルム事業推進室長
取締役副社長
マテリアルソリューション事業本部長
降矢 祥博
熊本 優一
1973年 当社入社
1972年 当社入社
2004年
取締役パッケージ事業本部関西事業部長
2004年
取締役エレクトロニクス事業本部副事業本部長
(営業担当)
2007年
常務取締役パッケージ事業本部東京事業部長
2010年
常務取締役エレクトロニクス事業本部半導体関連事業部長
2010年 専務取締役生活環境事業本部長
2011年
常務取締役エレクトロニクス事業本部半導体関連事業部担当
2011年 専務取締役生活環境事業本部長、高機能事業本部長
2012年
専務取締役エレクトロニクス事業本部長
2013年 専務取締役生活環境事業本部長
2013年
専務取締役マテリアルソリューション事業本部長
2014年 取締役副社長社長補佐、バリアフィルム事業推進室長現任
2014年
取締役副社長マテリアルソリューション事業本部長現任
Toppan Annual Report 2014
専務取締役
情報コミュニケーション事業本部長
専務取締役
西日本事業本部長
大湊
長山 芳幸
満
1971年 当社入社
1972年 当社入社
2004年 取締役情報・出版事業本部副事業本部長
(営業担当)
2004年 取締役商印事業本部関西商印事業部長
2007年 常務取締役情報・出版事業本部副事業本部長
2007年
常務取締役情報コミュニケーション事業本部関西商印事業部長及び
2011年
専務取締役西日本事業本部長現任
東中四国事業部、パッケージ事業本部関西事業部担当
2010年 常務取締役情報コミュニケーション事業本部長
2011年
専務取締役情報コミュニケーション事業本部長現任
専務取締役
人事労政本部長及び秘書室、広報本部、法務本部、文化事業推進本部担当
専務取締役
財務本部長
大久保
垣谷 英孝
伸一
1975年 当社入社
1973年 当社入社
2005年 取締役人事労政本部長
2008年 取締役財務本部経理部長
2009年 常務取締役人事労政本部長及び秘書室、法務本部担当
2010年 取締役財務本部長
2010年 常務取締役人事労政本部長及び秘書室、文化事業推進本部、
2012年 常務取締役財務本部長
法務本部担当
2014年 専務取締役財務本部長現任
2014年 専務取締役人事労政本部長及び秘書室、広報本部、法務本部、
文化事業推進本部担当現任
Toppan Annual Report 2014
45
取締役
常務取締役
東日本事業本部長 兼 東日本事業部長
取締役
西日本事業本部関西生活環境事業部長
伊東 厚
山中 紀夫
常務取締役
情報コミュニケーション事業本部副事業本部長
取締役
情報コミュニケーション事業本部トッパンアイデアセンター長 兼
メディア事業推進本部長
新井 誠
中尾 光宏
常務取締役
経営企画本部長及び国際事業部担当
麿
秀晴
取締役
ICT統括本部長
佐藤 友治
常務取締役
生活環境事業本部長及び中部事業部担当
松田 直行
取締役
中部事業部長
坂井 和則
取締役
(社外)
佐久間 国雄
取締役
(社外)
取締役
生活環境事業本部生活環境事業部長
野口 晴彦
野間 省伸
取締役
情報コミュニケーション事業本部担当
佐藤 暢晃
監査役
常任監査役
(常勤)
取締役
マテリアルソリューション事業本部半導体事業統括
杵村 勝博
髙宮城
實明
監査役
(常勤)
青木 研一
取締役
事業開発・研究本部長
伊沢 太郎
野村 修也
取締役
国際事業部長 兼 シンガポール支社長
監査役
(社外)
江崎 純生
髙木
取締役
製造統括本部長
監査役
(社外)
山野 泰彦
取締役
西日本事業本部副事業本部長
小谷 友一郎
取締役
マテリアルソリューション事業本部高機能事業統括
岩瀨
46
監査役
(社外)
浩
Toppan Annual Report 2014
新二郎
重松 博之
トッパンの社会的責任活動
トッパンは、CSR活動への取り組みを企業経営の根幹をなすものと位置づけ、
「TOPPAN VISION 21」
に定める
「企業像」
の実現に向け、推進テーマを設定して活動を推進しています。
具体的な活動にあたっては、ISO26000
(組織の社会的責任の国際規格)
を
CSRマネジメントに取り込み、社会的な課題解決に取り組むことで、
社会から信頼され尊敬される強い企業グループの確立をめざしていきます。
ステークホルダーとの対話
社会的責任活動
トッパンは事業に大きな影響力を持つ、
または、事業に
トッパンの企業像を実現するための重要な活動の一つ
よって影響を受ける可能性があるステークホルダーを
「お
に社会的責任活動があります。社会からの要請を事業に
客さま
(顧客企業、生活者)
「
」取引先」
「社会・地域社会」
「株
統合するこの活動は、社会や地球環境と調和しながら企
主・投資家」
「社員」
と認識しています。
業が成長するために欠かすことのできない活動であるか
らです。
社会的責任活動がひとりよがりにならないためにも、ス
テークホルダーとの対話を重視し、得られた意見を活動に
具体的な活動にあたっては
「国連グローバル・コンパク
取り入れています。
ト」
を指針とし、社会的責任に関する国際規格ISO26000
日々の事業活動における上記ステークホルダーとの
(Guidance on social responsibility)
を参考に取り
対話に加え、2004年度から、各ステークホルダーを代表
組みを行っています。世界の多様なステークホルダーの合
する、あるいは社会的課題に知見のある有識者や団体の
意によって作り上げられたこの規格は、現代の代表的な社
方々との対話を行ってきました。2013年度も、グローバル・
会要請と捉えることができるためです。
コンパクト・ジャパン・ネットワークのISO26000分科会に
ISO26000は、社会的責任とは何か、
どのように取り組
むべきかを示した手引きで、組織の規模・業種を問わず利
参加し、サプライチェーン、消費者課題、人権、
コミュニティ
参画をテーマに、NGOや識者との対話を行いました。
用できます。組織が取り組むべき事項として
「7つの中核
主題」
を掲げるとともに、
ステークホルダーとの対話を重視
※1 トッパンのCSRへの取り組みの詳細に関しては、
しています。
2014年7月発行の
「CSRレポート2014」
および
Webサイトhttp://www.toppan.co.jp/csr/を
トッパンは、
この手引きを意識して社会的責任活動に取
り組むとともに、7つの中核主題に沿って、本CSRレポート
ご参照ください。
※2 組織統治に関する事項については、
「コーポレート・ガバナンス」
(本誌42ページ)
をご
で活動報告をしていきます。
参照ください。
トッパンのステークホルダーと7つの中核主題
ステークホルダー
7つの中核主題
お客さま
(顧客企業、生活者)
労働慣行
社員
TOPPAN
企業像
人権
コミュニティへの
参画および
コミュニティの
発展
環境
組織統治
公正な事業慣行
対話
消費者課題
株主・投資家
取引先
社会・地域社会
Toppan Annual Report 2014
47
ISO26000「7つの中核主題」
とトッパンの活動のポイント
ISO26000
7つの中核主題
課題
活動のポイント
❶会社法上の監査役会設置会社の形態をとり、経営監査
室、コンプライアンス部、エコロジーセンターを設置し、
組織統治
組織統治
ガバナンス体制の強化を図っています。
❷
「関係会社管理規程」
に基づき、グループ全体の価値最
大化をめざしたガバナンスを展開しています。
課題1:デューデリジェンス
課題2:人権に関する危機的状況
課題3:加担の回避
人権
課題4:苦情解決
課題5:差別および社会的弱者
課題6:市民的および政治的権利
課題7:経済的、社会的および文化的権利
❶
「人間尊重」
の考え方に基づき、社内外において基本的
人権の尊重を徹底しています。
❷
「国連グローバル・コンパクト」
など国際的な枠組みにも
参加し、人権に関する対話を行っています。
❸2013年度に、経済産業省が主催する
「ダイバーシティ経
営企業100選」
に選出されました。
課題8:労働における基本的原則および権利
課題1:雇用および雇用関係
課題2:労働条件および社会的保護
労働慣行
課題3:社会対話
課題4:労働における安全衛生
課題5:職場における人材育成および訓練
課題1:汚染の予防
課題2:持続可能な資源の利用
環境
課題3:気候変動の緩和および気候変動への適応
課題4:環境保護、生物多様性、および自然生息地の
回復
課題1:汚職防止
課題2:責任ある政治的関与
公正な事業慣行
課題3:公正な競争
課題4:バリューチェーンにおける社会的責任の推進
課題5:財産権の尊重
❶
「企業は人なり」
の理念のもと、従業員が
「やる気」
「元気」
「本気」
で仕事に取り組めるようバックアップしています。
❷経営協議会や各種の委員会を通じて、労使の対話を行っ
ています。また、ワーク・ライフ・バランスの推進、労働安
全衛生、
メンタルヘルス対策、人財の開発・育成に取り組
んでいます。
❶2020年度の
「中長期環境目標」
を設定し、
「環境マネジ
メント活動」
「エコガード活動」
「エコクリエイティブ活動」
「環境コミュニケーション活動」の4つの領域で環境活
動を展開しています。
❷サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量
(Scope3)
を算定し、排出量が多い領域を可視化しました。
❶下請法、消費税転嫁対策特別措置法などに関する講習
を実施しました。
❷不正な輸出入取引防止のための教育と監査を実施しま
した。
❸紙の原材料となる木材採取の合法性を担保するため、サ
プライチェーンの調査を実施しています。
課題1:公正なマーケティング、事実に即した偏りの
ない情報、および公正な契約慣行
課題2:消費者の安全衛生の保護
課題3:持続可能な消費
消費者課題
課題4:消費者に対するサービス、支援、ならびに
苦情および紛争の解決
課題5:消費者データ保護およびプライバシー
課題6:必要不可欠なサービスへのアクセス
❶ユニバーサルデザインの取り組みでは、2つの賞を受賞
しました。
❷個人情報保護の取り組みでは、ISMSの認証の取得を進
めています。
❸カレンダー製品で日本初のカーボン・オフセット認証を取
得しました。
課題7:教育および意識向上
課題1:コミュニティへの参画
コミュニティへの
参画および
コミュニティの
発展
課題2:教育および文化
献する活動に取り組んでおり、その活動は多岐にわたり
課題4:技術の開発および技術へのアクセス
ます。
課題5:富および所得の創出
課題6:健康
課題7:社会的投資
48
Toppan Annual Report 2014
❶国内外の事業所では地域との対話を起点に、地域へ貢
課題3:雇用創出および技能開発
❷途上国の識字能力の向上を応援するトッパンチャリ
ティーコンサートは7回目を迎えました。
トッパンの社会的責任活動
2013年度の活動ピックアップ
■ 採用人員数
■ 女性管理・監督職推移
2012年度
定期大卒
(院卒含む)
営業・
事務ほか
技術
定期高専・高卒
男性
80名
69名
女性
24名
39名
42名
男性
105名
70名
94名
女性
26名
30名
33名
男性
0名
4名
1名
11名
14名
226名
(27.0%)
定期採用合計
(女性比率)
250
233
197
200
150
181
100
16名
18名
−
女性
8名
11名
−
150
133
124
50
250名
(34.4%)
男性
176
161
11名
237名
(35.0%)
■ 障がい者雇用
0
37
43
47
52
11年
12年
13年
14年
■ 女性監督職
■ 女性管理職
■ 育児休業取得者・育児短縮勤務者数
2012年
2013年
[名]
2014年
200
人員
197名
221名
247名
雇用率※1
1.91%
2.13%
2.09%
※1
2014年度
60名
女性
経験者採用
2013年度
[名]
167
160
雇用率は、「障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則」第8条
120
の規程による「障害者雇用状況報告書」で報告した常用雇用者数
80
149
129
94
94
(6月1日時点)を分母にしています。
75
63
74
72
08年
09年
40
114
114
11年
12年
124
93
48
0
07年
10年
育児休業取得者数
13年
育児短縮勤務者数
■ 2020年度中長期環境目標
1 地球温暖化防止
2 循環型社会形成への対応
●CO2排出量を
2008年度比 11%削減
(751千t→669千t:▲82千t)
3 大気環境保全
●廃棄物最終埋立量を
2008年度比 87%削減
(1,584t→206t:▲1,378t)
●VOC大気排出量を
2008年度比 70%削減
(7,326t→2,198t:▲5,128t)
■ Scope1〜3の温室効果ガス排出量
Scope1 Scope2
232千t 445千t
Scope3
4,396千t
Scope1:自社
[燃料の燃焼や工業
プロセスからの排出]
Scope2:他者から供給される電
2012年度
カテゴリ カテゴリ カテゴリ その他の
カテゴリ※
4
9
12
カテゴリ
1
気の使用や熱の使用
Scope3:バリューチェーン全体の
温 室 効 果ガス排 出 量
2013年度
[ 原 材 料 調 達 〜 物 流、
220千t 413千t
4,186千t
■ CO2排出量※2/売上高原単位の推移
[千t-CO2]
製品の廃棄に至るまで]
※カテゴリ2、3、5、6、7、8
■ 廃棄物総排出量および最終埋立量の推移
[t-CO2/百万円]
1,500
1.00
[千t]
[千t]
350
2.5
313.8
1,200
900
0.71
751
0.75
695
0.76
679
600
0.72
632
0.80
267.6
280
0.60
210
0.40
140
265.1
1.5
1.0
0.6
300
0
08年
11年
12年
■ CO2排出量
※2
0.20
70
0
0
13年
売上高原単位
2.0
255.9
1.6
0.5
0.4
0.5
0
08年
11年
12年
13年
■ 廃棄物排出量
■ 最終埋立量
CO2排出量は、環境省の「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン(平成15年)」に基づき算出しています。ただし、電気使用に
伴うCO2排出量は、一律0.378t-CO2/千kWhで算出しています。
(最終改正平成22年3月31日)に基づいて
2013年度のCO2排出量を「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」
実排出係数で算出した場合、806,900t-CO2となります。
Toppan Annual Report 2014
49
2013年度の実績と今後の施策
7つの中核主題
2013年度の取り組み項目/目標
2013年度の主な施策
ISO26000に基づいたCSRマネジメント
eラーニングによる全社基礎教育のグループ会社への展開範囲拡大
事業継続計画(BCP)策定の水平展開と推進活動の継続
実施
BCP未策定の地方事業拠点、グループ会社などへの水平展開
BCP/BCMにかかわる人財育成・啓発教育の推進
基本的人権尊重の意識啓発
人間尊重を基軸としたビジネスパーソンの確立に向けた各種教育
研修の継続実施
開かれた採用環境、情報の提供
グローバルな人財の採用の強化
積極的な女性の登用
女性の積極的な登用・活用の推進と仕事と育児を両立できる環境
の整備
個々のキャリア形成の機会均等化と支援
キャリア自己申告(チャレンジングジョブ制度)の活用による本人
の能力・意欲に基づく人員配置、異動希望者2割の異動の実現
研修やローテーションによる育成の場の提供
定年退職者のセカンドキャリア支援
新たなシニア社員制度の運用による高年齢層社員の専門性、知識・
経験の有効活用
障がい者雇用の推進
障がい者の新たな職域開発、支援体制の強化による雇用の拡大
人事処遇制度の適切な運用
環境変化に対応できる企業体質の強化に向けた労働条件・人事処
遇制度の再構築、新たな制度導入やキャリア形成推進施策の検討
ワークライフバランスの推進
⇒総労働時間の短縮
⇒出産・育児と仕事が両立しやすい職場づくり
営業企画部門への新処遇制度導入による職務内容や業務スタイル
などを踏まえた新しい働き方の構築
出社しての勤務を希望するも育児の都合で出社が困難な社員を対
象とした在宅勤務制度の導入の検討
労働安全衛生・防火活動の徹底
本質安全化に向けたリスクアセスメントの本格導入
オフセット印刷などの有機溶剤を使用する職場におけるより有害
性の低い洗浄剤への切り替え
メンタルヘルス対策
カウンセリングやメンタルヘルス研修の継続実施
地球温暖化防止
低効率設備から高効率設備への更新と、きめ細かい電力監視体制
循環型社会形成への対応−廃棄物最終埋立量の削減
濃縮装置による廃液削減、処理業者の見直しによる廃棄物リサイクル
転換量拡大と有価物への転換
大気環境保全−VOC大気排出量削減
低VOC品への代替
法令や
「行動指針」への意識向上
行動指針推進リーダーのさらなる浸透による不正行為防止に向け
た取り組み強化
行動指針の海外グループ会社への展開
取引上の規制法遵守
下請取引の適正化および取引先との適正な関係構築
サプライチェーンにおけるCSR推進
国際的にメジャーな監査基準をベースにしたCSR調達基準を含む
新CSR調達ガイドラインの策定および取引先への告知
組織統治
人権
労働慣行
環境
公正な事業慣行
品質事故の防止徹底による消費者安全の確保
消費者課題
コミュニティへの参画および
コミュニティの発展
50
Toppan Annual Report 2014
BPO事業のリスクの見える化、定量化活動支援
食品および医療医薬品用包装製品関連事業の品質保証システム強化
「トッパングループ原材料含有化学物質管理基準Ver3.1」告知継続
環境情報提供の推進
CFP(カーボンフットプリント)のシステム運用(月度進捗会議、マ
ネジメントレビュー、定期審査)
CFP算定員、検証員などCFPにかかわる人財の育成
情報事故ゼロに向けた情報セキュリティ管理体制の構
築
個人情報取り扱いセキュリティエリア(62拠点)に対する改定基準
に照らした指導
個人情報の適正管理に関する全従業員教育と全部門への内部監査
指導
社会的課題の解決に向けた社会貢献活動プログラムの
実施
「第7回トッパンチャリティーコンサート」の開催
社員参加型社会貢献活動プログラムの検討
トッパンの社会的責任活動
2013年度の実績
2014年度の取り組み項目/目標・主な施策
eラーニングによるグループ会社を含めた全社基礎教育を通じたISO26000
の理解浸透
eラーニングによる全社基礎教育のグループ会社への展開範囲拡大
国内主要拠点のBCP策定完了
国内主要拠点でのBCM模擬訓練など各種訓練実施
事業継続推進機構(BCAO)
認定事業継続管理者の資格取得
各種手順など資料の見直し・整備、事前対策の実施、各種訓練の実施
BCP/BCMにかかわる人財育成・啓発教育の推進
基本的人権の尊重について全社員基礎教育、階層別研修、行動指針推進リー
ダー活動を通じて教育を実施
人間尊重を基軸としたビジネスパーソンの確立に向けた各種教育研修の継続実
施
海外留学をしている日本人学生や海外留学生向けの米国ボストンフォーラム
に参加し米国人3名の採用を内定
外国人留学生採用を含むグローバル人財採用の推進
女性の管理・監督職比率5.7%(2014年4月1日付)
ポジティブアクションによる女性の積極的な登用・活用の推進と仕事と育児を
両立できる環境の整備
2014年4月時点で異動希望者の18.9%(244名)
の異動を実現
チャレンジングジョブ制度の積極的活用による異動希望者の2割の異動実現
高齢者雇用安定法の改正に即した新たなシニア社員制度を2013年4月1日よ
りスタート
定年退職後のセカンドキャリア支援や中高年齢層の社員の意欲を活かした活用
の仕組みづくりの推進
障がい者雇用率は2.09%を達成
(2014年6月1日現在)
これまで障がい者の受け入れのない部署への配置と職域開発を実施
各地区のハローワークとの情報連携による採用活動の積極的展開
グループ会社の管理職の人事処遇制度の見直し
キャリアセミナーの開催やキャリア形成に資する仕組みの構築
モチベーション維持、メンタル面のフォロー施策の検討・実施
労使特別委員会により営業企画部門の働き方とそれを踏まえた処遇について
協議を行い、7月から新勤務制度を導入
2月に在宅勤務制度を導入
12月
「はぐくみセミナー」
、2〜3月
「はぐくみアートサロン」を開催
労災発生件数は2割削減
川口工場の
「安全道場」拡充および福岡工場における「安全道場」
の新設
オフセット印刷機の洗浄剤を選定、2014年度より順次切り替え
「アートサロン」
を17地区事業所(前年比+1)で開催
管理職・監督職向け「メンタル対応ハンドブック」を配布
就業管理システムの活用による適正な労働時間管理の推進
職場風土を含めた休暇取得促進に関する労使協議に基づく施策の実施
「はぐくみセミナー」
「はぐくみアートサロン」の継続開催、開催地区拡大
仕事と育児を両立する社員のネットワーク「はぐくみサークル」の開催
安全意識アンケート結果分析に基づく各事業所での安全活動推進
職長教育テキストブックを使用した各階層別、職種別安全教育の充実
オフセット印刷職場における洗浄剤の非有機則該当品への切り替え完了
「アートサロン」の継続開催
定期健康診断に合わせ
「こころの健康診断」を実施
(目標688千トンに対し達成率108.1%)
CO2排出総量:632千トン
廃棄物最終埋立量483トン
(目標455トンに対し、達成率93.8%)
中長期環境目標については49ページ参照
VOC大気排出量4,238トン
(目標4,762トンに対し、達成率111.0%)
行動指針推進リーダー研修実施
(77回、グループ会社含め1,205名参加)
行動指針にかかわる事例を集めたQ&A集行動指針ケースブック中国語版の内
容検討
行動指針推進リーダーを対象とした研修内容の充実など不正行為防止に向けた
取り組み強化
行動指針の海外グループ会社への展開
事業(本)部、グループ会社の生産管理部門を中心とした教育(1,571名受講)
、
ヒアリング(17拠点)を実施
グループ会社を含めた下請法研修および取引実態のヒアリング調査継続
「トッパングループCSR調達ガイドライン」を改定、1月に第2版を発行
購買部門、生産管理部門取引先約1,200社への説明会等実施
「BPO業務リスク分析ガイドライン」
を作成し、全国の事業
(本)
部に配信
食品一次充填5工場を改定監査基準に基づき監査、設備・作業環境の維持管
理レベルを向上
「トッパングループ原材料含有化学物質管理基準」をVer3.2に改定、それに伴
う各事業(本)部グリーン調達基準へ反映
「トッパングループCSR調達ガイドライン」
のグループ会社取引先への展開
製品設計および工程FMEA
(潜在的な故障・不具合の体系的分析手法)実践マニュ
アル作成と指導、リスクアセスメント実施標準の作成と活用支援
食品関連事業品質保証ガイドラインの更新、フードディフェンス対応ガイドラ
イン策定と監査
食品一次充填事業所監査実施標準を制定し、内部監査での活用を支援
社内報、エコカレンダーなど5件をCFP認定
11月に定期審査受審、システム認証範囲を1事業所追加
CFP算定員3名システム登録、検証員3名育成
CFP認定申請年間6件
営業部門に対するCFP教育
セキュリティエリアの改定基準による2013年度分28エリア認定審査完了
サイバーセキュリティをテーマとした全従業員への教育実施
(442回)
全従業員への身近なセキュリティ行動の実態調査(21,237名)
個人情報関連法令規範の変更への対応
個人情報、秘密情報の適正管理に関する全従業員教育と全部門への内部監査
指導
予定通り2日間開催し、193.9万円をユネスコ・アジア文化センターに寄附
取り組むべきテーマアップは完了も具体的プログラムの作成に至らず
「第8回トッパンチャリティーコンサート」
の開催
教育・識字教育支援にかかわる新たな社会貢献活動プログラムの検討
Toppan Annual Report 2014
51
主要連結子会社および関連会社
2014年3月31日現在
主要な事業の内容
名称
国または地域
資本金
情報コミュニケーション
トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 11,750 百万
議決権の所有割合
(%)
60.7
図書印刷
(株)
日本
¥ 13,898 百万
51.8
東京書籍
(株)
日本
¥ 80 百万
58.5
シンガポール
S$ 129 百万
100
(株)
トッパンメディアプリンテック東京
日本
¥ 400 百万
53.3
(株)
トッパンメディアプリンテック関西
日本
¥ 100 百万
55.0
(株)
フレーベル館
日本
¥ 50 百万
100
(株)
トータルメディア開発研究所
日本
¥ 500 百万
100
(株)
トッパン トラベルサービス
日本
¥ 100 百万
100
日本
¥ 100 百万
100
(株)
トッパンテクノ
日本
¥ 400 百万
100
(株)
トッパンシステムソリューションズ
日本
¥ 200 百万
100
(株)
トッパン
日本
¥ 10 百万
100
(株)
トッパン保険サービス
日本
¥ 38 百万
100
(株)
トッパンホール
日本
¥ 30 百万
100
日本
¥ 50 百万
100
(株)
トッパンキャラクタープロダクション
日本
¥ 50 百万
100
(株)
トッパンマインドウェルネス
日本
¥ 10 百万
100
(株)
マピオン
日本
¥ 600 百万
63.3
(株)
BookLive
日本
¥ 4,307 百万
72.9
(株)
トッパンコミュニケーションプロダクツ
日本
¥ 400 百万
100
三生印刷
(株)
日本
¥ 20 百万
90
トッパンエディトリアルコミュニケーションズ
(株)
日本
¥ 50 百万
100
(株)
創日社
日本
¥ 10 百万
100
(株)
トッパングラフィックコミュニケーションズ
日本
¥ 300 百万
100
日本
¥ 100 百万
51
(株)
トッパンメディアプリンティング北海道
日本
¥ 50 百万
65
(株)
芸術造形研究所
日本
¥ 30 百万
100
上海凸版国際貿易有限公司
中華人民共和国
RMB 10 百万
100
上海凸版広告有限公司
中華人民共和国
RMB 9 百万
100
米国
US$ 25 百万
100
中華人民共和国
HK$ 260 百万
事業分野
Toppan Leefung Pte. Ltd.
凸版警備保障
(株)
トッパン・ヒューマン・インフォメーション・サービス
(株)
東京都プリプレス・トッパン
(株)
Toppan Printing Co.(America)
, Inc.
Toppan Printing Co.,(H.K.)Ltd.
Toppan Printing Co.(Australia)Pty. Ltd.
Toppan Printing Co.(UK)Ltd.
52
100
オーストラリア
A$ 30
千
100
イギリス
STG£ 60
千
100
凸版
(上海)
企業管理有限公司
中華人民共和国
RMB 16 百万
100
北京比特威数碼産品有限公司
中華人民共和国
RMB 4 百万
100
トッパン・フォームズ・セントラルプロダクツ
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
トッパン・フォームズ東海
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
(株)
トッパン・フォームズ・オペレーション
日本
¥ 100 百万
100(100)
テクノ・トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
山陽トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
沖縄ビジネスフォーム
(株)
日本
¥ 15 百万
60(60)
北海道トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 30 百万
100(100)
トッパン・フォームズ・サービス
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
Toppan Annual Report 2014
主要な事業の内容
名称
国または地域
資本金
議決権の所有割合
(%)
情報コミュニケーション
トッパン・フォームズ関西
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
トッパン・フォームズ西日本
(株)
日本
¥ 30 百万
100(100)
日本
¥ 100 百万
69.7(69.7)
日本
¥ 460 百万
82.6(82.6)
日本
¥ 1,000 百万
100(100)
学校図書
(株)
日本
¥ 50 百万
51(51)
関西図書印刷
(株)
日本
¥ 30 百万
65(65)
事業分野
(株)
トスコ
TFペイメントサービス
(株)
(株)
ジェイ エスキューブ
凸版物流
(株)
日本
¥ 500 百万
100(9.9)
かがわ県民情報サービス
(株)
日本
¥ 100 百万
70(10)
熊本城観光交流サービス
(株)
日本
¥ 30 百万
61.3(11.3)
(株)
トップレップ
日本
¥ 3 百万
100(100)
(株)
リーブルテック
日本
¥ 50 百万
100(100)
あすとろ出版
(株)
日本
¥ 80 百万
100(100)
(株)
東書エステート
日本
¥ 10 百万
100(100)
(株)
学習調査エデュフロント
日本
¥ 10 百万
100(100)
東京物流企画
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
凸版情報加工
(株)
日本
¥ 400 百万
100(2.4)
光洋産業
(株)
日本
¥ 34 百万
100(29.4)
アイ・エヌ・テイ
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
T.F. Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 197 百万
100(100)
Toppan Forms(H.K.)Ltd.
中華人民共和国
HK$ 94 百万
100(100)
Toppan Forms Computer Systems Ltd.
中華人民共和国
HK$ 2 百万
100(100)
Tipografia Manson, Limitada
中華人民共和国
Toppan Forms Card Technologies Ltd.
千
65(65)
中華人民共和国
HK$ 2 百万
100(100)
シンガポール
S$ 1 百万
100(100)
Toppan Forms Information Systems(Shanghai)Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 5 百万
100(100)
Shenzhen Ruixing Printing Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 11 百万
100(100)
広州凸版資訊信息技術有限公司
中華人民共和国
RMB 6 百万
100(100)
S$ 300
千
100(100)
HK$ 2 百万
100(100)
Toppan Forms(Singapore)Pte. Ltd.
Toppan Management Systems(S)Pte. Ltd.
凸版国際物流
(香港)
有限公司
Toppan Printing Greece S.A.
シンガポール
中華人民共和国
ギリシャ
PTC 100
EUR 60
千
100(1)
Toppan Servicing Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 100
千
100(100)
北京日邦印刷有限公司
中華人民共和国
RMB 119 百万
95(95)
イギリス
HK$ 38 百万
100(100)
シンガポール
S$ 6 百万
100(100)
Leefung Holdings Ltd.
Toppan Security Printing Pte. Ltd.
Toppan Vite Ltd.
Toppan Vite Pte. Ltd.
Toppan Excel(Hong Kong)Co., Ltd.
Toppan Excel(Thailand)Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 100
シンガポール
S$ 100
100(100)
千
100(100)
中華人民共和国
HK$ 7 百万
100(100)
タイ
BAHT 220 百万
100(100)
Toppan Best-Set Premedia Ltd.
中華人民共和国
Toppan Best-Set Premedia(Guangzhou)Ltd.
HK$ 600
千
100(100)
中華人民共和国
RMB 18 百万
100(100)
Toppan Excel Printing(Guangzhou)Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 103 百万
100(100)
Toppan Leefung Printing(Shenzhen)Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 16 百万
100(100)
Toppan Leefung Printing Ltd.
中華人民共和国
HK$ 2
100(100)
Toppan Annual Report 2014
53
主要な事業の内容
名称
国または地域
資本金
議決権の所有割合
(%)
情報コミュニケーション
Toppan Leefung International Printing Pte. Ltd.
シンガポール
S$ 1 百万
100(100)
事業分野
Toppan Leefung Printing(Europe)Ltd.
イギリス
STG£ 1
Geltin Ltd.
中華人民共和国
HK$ 1
Toppan Leefung(Hong Kong)Ltd.
中華人民共和国
Toppan Leefung Services Ltd.
中華人民共和国
HK$ 2
100(100)
Shenzhen Toppan Vite Co. Ltd.
中華人民共和国
US$ 1 百万
100(100)
Shenzhen Leefung Printers Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 1 百万
90(90)
Leefung Panpac(Hong Kong)Ltd.
中華人民共和国
HK$ 4 百万
100(100)
シンガポール
S$ 2 百万
100(100)
Leefung Jacaranda Buku Sdn. Bhd.
マレーシア
MYR 1 百万
100(100)
Leefung Logistic(M)Sdn. Bhd.
マレーシア
MYR 1 百万
100(100)
Leefung Panpac(M)Sdn. Bhd.
マレーシア
Leefung International Publishing Pte. Ltd.
Toppan Leefung Changcheng Printing(Beijing)Co., Ltd.
中華人民共和国
Toppan Best-Set Premedia (Changsha) Ltd.
中華人民共和国
Toppan Excel Printing (Meizhou) Co., Ltd.
千
100(100)
HK$ 349 百万
100(100)
MYR 360
千
100(100)
US$ 18 百万
47(47)
千
100(100)
中華人民共和国
HK$ 93 百万
100(100)
米国
US$ 8 百万
100(100)
(株)
トッパンTDKレーベル
日本
¥ 2,500 百万
66
(株)
理研ジェネシス
日本
¥ 485 百万
97.5
(株)
トッパンパッケージプロダクツ
日本
¥ 400 百万
100
Toppan Vite (New York) Inc.
生活環境
100(100)
RMB 100
事業分野
トッパンプラスチック
(株)
日本
¥ 400 百万
100
トッパンパックス
(株)
日本
¥ 100 百万
100
日本
¥ 100 百万
100
日本
¥ 1,000 百万
100
(株)
トッパンプロスプリント
日本
¥ 1,000 百万
99.9
(株)
トッパンハリマプロダクツ
日本
¥ 490 百万
100
北大阪紙業
(株)
日本
¥ 10 百万
80
関西ボトリング
(株)
日本
¥ 330 百万
48.4
インドネシア
RP 46,065 百万
100
タイ
BAHT 500 百万
51
上海凸版有限公司
中華人民共和国
RMB 464 百万
100
上海凸版印刷有限公司
中華人民共和国
RMB 66 百万
100
(株)
トッパンパッケージングサービス
トッパンコンテナー
(株)
P.T. Indonesia Toppan Printing
Siam Toppan Packaging Co., Ltd.
九州プロダクト
(株)
54
日本
¥ 10 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Paper Products Ltd.
中華人民共和国
HK$ 4 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Paper Products(Shenzhen)Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 10 百万
100(100)
Toppan Leefung Packaging & Printing(Beijing)Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 12 百万
100(100)
Toppan Leefung Packaging & Printing(Dongguan)Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 31 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Packaging(Shenzhen)Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 10 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Paper Products(Dongguan)Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 1 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Packaging(Dongguan)Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 314 百万
100(100)
Bestpeng Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 10
千
100(100)
Toppan Win Label Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 23 百万
100(100)
Toppan Win Label Printing (Dongguan) Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 107 百万
100(100)
東洋インキSCホールディングス
(株)
*
日本
¥ 31,733 百万
24.8(1.8)
丸東産業
(株)
*
日本
¥ 1,807 百万
19.3(0.3)
Toppan Annual Report 2014
主要連結子会社および関連会社
主要な事業の内容
名称
マテリアルソリューション (株)
トッパン・コスモ
事業分野
タマポリ
(株)
(株)
オルタステクノロジー
Toppan Photomasks, Inc.
国または地域
資本金
日本
¥ 3,000 百万
議決権の所有割合
(%)
100
日本
¥ 472 百万
64.2
日本
¥ 2,900 百万
100
米国
US$ 1
100
(株)
トッパンマテリアルプロダクツ
日本
¥ 400 百万
100
(株)
トッパン・テクニカル・デザインセンター
日本
¥ 490 百万
100
(株)
トッパンTOMOEGAWAオプティカルプロダクツ
日本
¥ 400 百万
80
(株)
T&Tエナテクノ
日本
¥ 490 百万
51
台湾
NT$ 2,667 百万
97.5
中華凸版電子股份有限公司
台湾凸版電子股份有限公司
台湾
NT$ 75 百万
100
台湾凸版国際彩光股份有限公司
台湾
NT$ 9,363 百万
51
中華人民共和国
RMB 529 百万
70
日本
¥ 100 百万
100(100)
タマ加工
(株)
日本
¥ 16 百万
90.6(90.6)
和光
(株)
日本
¥ 10 百万
90(90)
凸版中芯彩晶電子
(上海)
有限公司
(株)
トッパン建装プロダクツ
Toppan Photomasks Germany GmbH
ドイツ
EUR 25
千
100(100)
Toppan Photomasks GmbH
ドイツ
EUR 26
千
100(100)
韓国
KRW 115,300 百万
100(100)
フランス
EUR 15 百万
100(100)
Toppan Photomasks Korea Ltd.
Toppan Photomasks France S.A.S.
Toppan Photomasks Co., Ltd. Shanghai
Toppan Semiconductor Singapore Pte. Ltd.
ORTUSTECH(MALAYSIA)Sdn. Bhd.
Toppan Interamerica Inc.
Toppan Cosmo Europe GmbH
中華人民共和国
US$ 8,434
千
71.5(71.5)
シンガポール
US$ 250
千
100(100)
マレーシア
MYR 7,500
千
100(100)
US$ 11 百万
100(100)
米国
ドイツ
EUR 153
千
100(100)
* 関連会社。その他は連結子会社。
**
( )内の数字は間接的な議決権の所有割合を示します。
Toppan Annual Report 2014
55
海外ネットワーク
2014年6月30日現在
現地法人・駐在員事務所
アジア
■ 上海凸版印刷有限公司
中華人民共和国 上海市松江工業区
東部新区申港路2300号 郵編:201612
パッケージ印刷物の製造販売
■ 凸版
(上海)
企業管理有限公司
■ 凸版中芯彩晶電子
(上海)
有限公司
中華人民共和国 上海市静安区江寧路188号亜盛大厦13層
郵編:200041
経営管理、市場調査・情報収集
中華人民共和国 上海市浦東新区郭守敬路965号OS4棟2階
郵編:201203
オンチップカラーフィルタの製造販売
北京分公司
中華人民共和国 北京市東城区東長安街33号
北京飯店D-4301室 郵編:100004
■ 凸版印刷
(香港)
有限公司
香港 新界元朗工業邨福宏街1號凸版印刷中心
出版・商業印刷物の製造販売
広東分公司
中華人民共和国 広東省東莞市常平鎮常東路8号
嘉駿中心商業写字楼1901号房 郵編:523573
■ 凸版印刷株式会社北京事務所
中華人民共和国 北京市東城区東長安街33号
北京飯店D-4303室 郵編:100004
駐在員事務所
■ 上海凸版国際貿易有限公司
中華人民共和国 上海市静安区江寧路188号
亜盛大厦15層 郵編:200041
貿易一般
■ 上海凸版広告有限公司
中華人民共和国 上海市静安区江寧路188号
亜盛大厦15層 郵編:200041
商業印刷物の販売
■ 上海凸版有限公司
中華人民共和国 上海市松江工業区
東部新区申港路2300号 郵編:201612
パッケージ材料の製造販売
56
Toppan Annual Report 2014
■ 中華凸版電子股份有限公司
台湾 33444桃園県八徳市大里和平路1127-3号
フォトマスクの製造販売
新竹事務所
台湾 30080新竹市金山街2号4楼
フォトマスクの販売
■ 台湾凸版電子股份有限公司
台湾 10544台北市民生東路三段109号10楼
エレクトロニクス部品の販売
■ 台湾凸版国際彩光股份有限公司
台湾 70955台南市安南区科技一路36号
(台南科技工業区)
液晶カラーフィルタの製造販売
高雄工場
台湾 82151高雄市路竹区路科三路9号(南科高雄園区)
液晶カラーフィルタの製造
■ P.T. Indonesia Toppan Printing
JL. Raya Teuku Umar Km. 44, Telaga Asih, Cikarang Barat,
Bekasi, Jawa Barat-17520, Indonesia
パッケージ印刷物の製造販売
■ Siam Toppan Packaging Co., Ltd.
543 Moo 4 Sukhumvit Road, Tambon Praksa,
Amphur Muang, Samutprakarn 10280, Thailand
パッケージ印刷物の製造販売
■ Toppan Printing Co., Ltd. Singapore Branch
97 Ubi Avenue 4, Singapore 408754
海外統括拠点
アメリカ
■ Toppan Printing Co. (America), Inc.
747 Third Avenue, 17th Floor, New York, NY 10017, U.S.A.
商業印刷物等の販売
Round Rock Site
2175 Greenhill Drive, Round Rock, TX 78664, U.S.A.
セキュリティ部材製造
■ Toppan Photomasks, Inc.
131 Old Settlers Boulevard, Round Rock,
TX 78664, U.S.A.
フォトマスクの製造販売
■ Toppan Leefung Pte. Ltd.
Santa Clara Site
1 Kim Seng Promenade #18-01
Great World City East Tower, Singapore 237994
出版・パッケージ・商業印刷・証券印刷物などの製造販売
2520 Mission College Boulevard, Suite 202, Snata Clala,
CA 95054, U.S.A.
フォトマスクの販売
■ Toppan Management Systems (S) Pte. Ltd.
97 Ubi Avenue 4, Singapore 408754
ソフトウェアの販売
ヨーロッパ
■ Toppan Printing Co. (UK) Ltd.
■ Toppan Printing Co., Ltd. India Liaison Office
Level 6, JMD Regent Square, Mehrauli Gurgaon Road,
Gurgaon - 122002, Haryana, India
市場調査・情報収集
Old Change House 2nd Floor, 128 Queen Victoria Street,
London, EC4V 4BJ, UK
パッケージ・商業印刷物等の販売
■ Toppan Printing Greece S.A.
63 Ymittou Street & 47 Formionos Street, 161 21 Kessariani,
Attica, Greece
パスポートプリンター、IDカードプリンターの販売およびサービス
本社
現地法人、駐在員事務所営業所など
Toppan Annual Report 2014
57
事業所一覧
2014年6月30日現在
本社
西日本事業本部
東京都千代田区神田和泉町1 〒101-0024
大阪府大阪市北区中之島2-3-18 〒530-0005
総合研究所
●関西情報コミュニケーション事業部
大阪府大阪市北区中之島2-3-18 〒530-0005
営業所:金沢 京都
埼玉県北葛飾郡杉戸町高野台南4-2-3 〒345-8508
国際事業部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
情報コミュニケーション事業本部
東京都文京区水道1-3-3 〒112-8531
営業所:千葉 横浜
●関西生活環境事業部
大阪府大阪市北区中之島2-3-18 〒530-0005
営業所:京都 神戸 和歌山
●九州事業部
福岡県福岡市中央区薬院1-17-28 〒810-0022
営業所:北九州 久留米 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島
那覇
●中四国事業部
広島県広島市安佐南区祇園3-26-30 〒731-0138
営業所:福山 松江 岡山 周南 高松 松山 徳島 高知
●情報系製造事業部
東京都文京区水道1-3-3 〒112-8531
中部事業部
生活環境事業本部
愛知県名古屋市西区野南町19 〒452-0847
営業所:静岡 浜松 長野 松本 松阪
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
●生活環境事業部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
東日本事業本部
宮城県仙台市泉区明通3-30 〒981-3296
●生活環境製造事業部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
マテリアルソリューション事業本部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
営業所:名古屋 京都 福岡
58
Toppan Annual Report 2014
●東日本事業部
宮城県仙台市泉区明通3-30 〒981-3296
営業所:青森 盛岡 秋田 山形 郡山 新潟 水戸 宇都宮 大宮
高崎
●北海道事業部
北海道札幌市西区二十四軒4条1-1-30 〒063-8555
営業所:函館 帯広 千歳
財務セクション
Contents
60 連結11ヵ年財務サマリー
62 経営者による経営成績および財務状態に関する説明および分析
70 連結貸借対照表
72 連結損益計算書
73 連結包括利益計算書・連結株主資本等変動計算書
75 連結キャッシュ・フロー計算書
76 会社情報および株式の状況
連結11ヵ年財務サマリー
凸版印刷株式会社および子会社
3月31日に終了した会計年度
2004年
2005年
2006年
2007年
¥ 1,297,358
¥ 1,413,580
¥ 1,548,208
¥ 1,557,876
1,083,399
1,155,234
1,258,750
1,282,170
83.5%
81.7%
81.3%
82.3%
152,002
171,407
198,373
206,329
会計年度
売上高
売上原価
対売上高比率
販売費及び一般管理費
対売上高比率
11.7%
12.1%
12.8%
13.2%
61,957
86,939
91,085
69,377
4.8%
6.2%
5.9%
4.5%
税金等調整前当期純利益
54,796
76,680
57,238
69,648
当期純利益
31,230
40,574
15,148
26,067
対売上高比率
2.4%
2.9%
1.0%
1.7%
総資産当期純利益率(ROA)
2.2%
2.8%
0.9%
1.5%
自己資本当期純利益率(ROE)
4.3%
5.4%
1.9%
3.2%
営業利益
対売上高比率
1株当たりデータ(円)
1株当たり当期純利益
¥
45.57
¥
60.09
¥
22.13
¥
39.58
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
44.86
59.94
22.02
39.40
1株当たり配当金
17.00
19.00
20.00
20.00
研究開発費
¥
21,302
¥
22,256
¥
27,593
¥
29,133
設備投資
85,109
86,626
119,221
133,723
減価償却費
65,706
69,262
78,920
80,267
会計年度末
流動資産
¥
691,086
¥
678,569
¥
768,973
¥
861,600
流動負債
430,783
403,302
456,742
543,834
運転資本
260,303
275,267
312,231
317,766
現金及び現金同等物
202,150
168,805
206,974
240,596
有形固定資産
540,033
543,734
633,136
672,348
長期有利子負債
183,940
189,162
283,109
285,370
総資産
1,461,306
1,483,478
1,727,637
1,837,719
純資産
740,481
768,246
803,678
918,002
自己資本比率
50.7%
51.8%
46.5%
43.7%
有利子負債比率
32.3%
26.7%
37.9%
44.8%
その他
従業員数(人)
発行済株式数(千株)
連結子会社数(社)
32,178
32,724
35,954
36,757
699,412
699,412
699,412
699,412
122
126
149
150
*2007年3月31日に終了した会計年度より、
「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」
(企業会計基準第5号 平成17年12月9日)
及
び
「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」
(企業会計基準適用指針第8号 平成17年12月9日)
を適用しています。
60
Toppan Annual Report 2014
単位:百万円(1株当たりデータ除く)
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
¥ 1,670,351
¥ 1,617,341
¥ 1,506,751
¥ 1,556,457
¥ 1,510,415
¥ 1,502,308
¥ 1,532,043
1,388,308
1,369,802
1,261,484
1,297,383
1,263,371
1,253,965
1,280,004
83.1%
84.7%
83.7%
83.4%
83.6%
83.5%
83.5%
209,890
218,353
207,029
214,065
215,489
216,251
216,317
¥
¥
¥
12.6%
13.5%
13.7%
13.8%
14.3%
14.4%
14.1%
72,153
29,186
38,238
45,009
31,555
32,092
35,722
4.3%
1.8%
2.5%
2.9%
2.1%
2.1%
2.3%
73,356
11,281
31,062
32,097
8,807
38,849
40,735
38,524
(7,731)
11,703
12,153
3,068
18,562
20,621
2.3%
(0.5%)
0.8%
0.8%
0.2%
1.2%
1.3%
2.1%
(0.5%)
0.7%
0.7%
0.2%
1.2%
1.2%
4.8%
(1.0%)
1.6%
1.6%
0.4%
2.5%
2.7%
58.63
¥
(11.87)
¥
18.18
¥
18.89
¥
4.77
¥
28.90
¥
32.12
58.49
̶
18.17
̶
̶
̶
31.10
22.00
22.00
22.00
18.00
18.00
18.00
18.00
29,733
¥
28,792
¥
24,416
¥
23,445
¥
21,496
¥
20,689
¥
19,821
72,912
92,023
68,064
65,020
66,814
76,827
72,177
92,118
92,722
87,450
82,940
80,923
67,965
62,473
850,392
¥
779,499
¥
788,949
¥
849,243
¥
767,831
¥
800,645
¥
836,681
479,983
424,740
403,564
453,121
407,945
453,121
420,152
370,409
354,759
385,385
396,122
359,886
347,524
416,529
224,316
236,197
238,033
288,462
190,804
256,058
287,690
663,464
652,178
632,794
608,616
574,506
552,511
553,291
276,753
313,318
296,270
281,666
232,264
224,041
299,588
1,787,409
1,681,746
1,665,695
1,694,329
1,586,823
1,633,066
1,712,351
940,304
867,739
874,027
864,017
866,219
888,422
913,108
45.0%
44.0%
44.8%
43.3%
46.1%
46.3%
45.7%
36.1%
46.4%
43.2%
46.1%
35.4%
38.9%
42.1%
38,570
47,522
47,650
48,197
47,872
48,878
48,751
699,412
699,412
699,412
699,412
699,412
699,412
699,412
155
195
177
163
165
167
154
の株式取得に関わるのれん代の償却、32,607百万円を反映しています。
注1:2006年3月31日に終了した会計年度は米国デュポンフォトマスク
(現 Toppan Photomasks, Inc.)
注2:2009年3月31日に終了した会計年度において、従業員数が8,952人増加していますが、これは主にSNP Corporation Limited
(現 Toppan Leefung Pte. Ltd.)
を株
式取得により連結の対象に含めたことによるものであり、主として情報コミュニケーション事業分野の人員が増加しています。
注3:2009年3月31日に終了した会計年度において、連結子会社数が40社増加していますが、これは株式の取得等によりSNP Corporation Pte. Ltd. 他48社の計49社を連
結の範囲に含め、合併等により図書物流株式会社他8社の計9社が減少したことによるものです。
Toppan Annual Report 2014
61
経営者による経営成績および財務状態に関する説明および分析
凸版印刷株式会社および子会社
3月31日に終了した会計年度
売上高に対する利益率
当期純利益
十億円
円
45
45
%
3.0
28.90
30
2.0
2.1
2.1
20.6
18.18 18.89
1.3
18.6
1.2
15
15
11.7
2.3
2.5
32.12
30
2.9
1.0
12.2
0.8
0.8
10年
11年
4.77
3.1
0
0
10年
11年
12年
13年
14年
当期純利益
1株当たり当期純利益
0
0.2
14年
出」
「グローバルな事業展開の加速」
を
経営活動の姿勢
重要な経営課題として位置づけ、グ
された連結財務諸表に基づいていま
当期における日本経済は、金融政
ループが一体となって収益体制の強
す。また同財務諸表は、日本において
策や財政政策の効果などを受けて、
化に取り組んできました。その一環と
一般に公正妥当と認められた会計基
円安・株高の傾向が継続し、全体とし
して、既存事業においては競争優位性
準に準じています。
トッパングループ
ては緩やかな回復傾向にありました。
の確立とコスト削減を推進し、新規事
は、凸版印刷株式会社(当社)
を中心
その一方、円安に伴う原材料・エネル
業においては成長分野に対し積極的
に、子会社154社と持分法適用関連
ギー価格の上昇や、消費税増税後の
に経営資源を投入することで、新たな
会社26社で構成されており、情報コ
消費マインドの低迷、中国経済の成
収益モデルの早期確立を図りました。
ミュニケーション事業分野、生活環境
長鈍化など、引き続き景気の下振れ
こうした取り組みの結果、当期の連
事業分野、およびマテリアルソリュー
懸念があり、依然として先行きは不透
結決算は、売上高が1兆5,320億円
ション事業分野の3事業分野にわたり、
明な状況です。
事業活動を展開しています。当社では、
印刷業界では、
インターネット広告
(前期比2.0%増)、また営業利益が
357億円
(前期比11.3%増)
、当期純
連結決算にグループ企業すべての業
や電子書籍などの市場が成長を続け、 利益が206億円(前期比11.1%増)
績を反映させるため、子会社はすべて
一部には明るい兆しがみえるものの、
連結対象とし、関連会社についてもす
新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等のマス広
べてに持分法を適用しています。なお、 告、
また出版などの既存市場は成熟
当期
(2014年3月期)
における連結範
傾向にあり、全体を通しては厳しい経
囲の移動状況は以下の通りです。
営環境となりました。
このような環境のなかトッパング
連結子会社
新規:4社
ループでは、21世紀の企業像と事業
除外:17社
持分法適用関連会社
新規:なし 除外:4社
62
13年
売上高営業利益率
売上高当期純利益率
当セクションに記載されている財務
情報は、本アニュアルレポートに掲載
12年
Toppan Annual Report 2014
の増収増益となりました。
売上高
当 期 の 連 結 売 上 高 は 、前 期 比
2.0%増の1兆5,320億円となりまし
た。事業セグメント別の売上動向は以
下の通りです。
領域を定めた
「TOPPAN VISION
なお平成25年4月に事業本部の統
21」
に基づき、
「 グループを含めた構
合を行い、
「マテリアルソリューション
造改革の遂行」
「 新事業・新市場の創
事業本部」
を新設したことに伴い、当
ROE & ROA
営業活動によるキャッシュ・フロー
%
十億円
3.0
150
2.7
2.5
118.0
2.0
104.3
100
1.6
103.6
96.9
83.5
1.6
1.2
1.2
1.0
50
0.7
0.7
0.4
10年
11年
12年
0
0
0.2
13年
14年
10年
ROE
ROA
期より報告セグメントの区分を変更し
ています。以下の前年比較については、
11年
12年
13年
14年
営業活動によるキャッシュ・フロー
事業基盤の整備を進めています。
生活環境事業分野の売上高は前
コンテンツ関連では、出版市場が
期比4.8%増の2,834億円、営業利益
前年同期の数字を変更後の事業区分
依然として縮小傾向で推移するなか、
は0.8%増の112億円となりました。
に組み替えた数値で比較しています。
雑誌・書籍ともに前年を下回りました。
うちパッケージ関連では、第37回
情報コミュニケーション事業分野の
一方で電子書籍市場においては、電
木下賞を受賞したスタンディングパウ
売上高は前期比2.8%増の9,200億
子出版コンテンツを読みやすくするオ
チ
「注ぎ上手」、空気の力で自立する
円、営業利益は1.7%増の411億円と
、
また透明ハイ
リジナル書体「凸版文久体」
の提供、 「エアホールドパウチ」
なりました。
雑誌コンテンツを記事単位で購入で
バリアフィルム
「GLフィルム」
を活用し
うちセキュア関連では、商品券や帳
きるスマートフォン向けサービス
「中吊
た各種包材が、環境適性および利便
票類が前年を下回ったものの、ICカー
りアプリ」
の投入、
またBookLive!の
性の向上といった市場ニーズを取り
ドは前年を上回りました。
累計会員100万人突破キャンペーン
込み、伸長しました。さらに、紙製飲料
など、各種施策を実施し、事業の拡大
缶
「カートカン」
が、採用アイテム拡大
に注力しました。
により順調に推移するとともに、プラ
マーケティング関連では、既存のマ
ス広告媒体における企業の広告宣伝
費見直しに伴い、
チラシやパンフレット
ビジネスフォーム関連では、経費削
スチック製品も伸長したことで、全体
など印刷物が前年を下回りましたが、
減や電子化を背景とする需要量減少
SP関連ツールは前年を上回りました。
にかかわらず、ビジネスフォームが、
また電子チラシサイト
「Shufoo!
(シュ
企業のシステム変更に伴う帳票改訂
の売上高は前期比1.6%減の3,674
フー)」
では、
「 Web限定チラシ」
など
や消費税増税に伴う需要などを取り
億円、営業利益は79.7%増の92億円
紙のチラシにはない新たな価値を提
込み、前年を上回りました。またデー
となりました。
供することで、月間ユーザー数690万
タ・プリント・サービスも、プリント業務
うちディスプレイ関連では、カラー
人、登録店舗数10万店を突破しまし
一括アウトソーシング需要の取り込
フィルタが、
スマートフォンなどモバイ
た。こうした規模拡大に合わせて収益
み、BPO
(ビジネスプロセスアウトソー
ル向けや海外テレビ向けの需要を取
を多層化させていくべく、当社では新
シング)
受託の増加などにより、前年
り込んだものの前年を下回り、
また反
たな広告商品を開発・販売するなど、
を上回りました。
射防止フィルムについても、テレビ向
として前年を上回りました。
マテリアルソリューション事業分野
Toppan Annual Report 2014
63
3月31日に終了した会計年度
設備投資
減価償却費
十億円
十億円
100
100
87.5
76.8
75
68.1
65.0
72.2
80.9
68.0
66.8
62.5
50
50
25
25
0
0
10年
11年
12年
13年
14年
10年
設備投資
11年
12年
13年
14年
減価償却費
け需要の減速や競争激化など厳しい
増の2,520億円となりました。当社で
向上、
また次世代高付加価値製品の
市場環境のもと、同じく前年を下回り
は売上原価率を早期に80%程度まで
開発に向けた研究開発を続けており、
ました。
低減するべく、組織のスリム化や生産
今後も計画的な開発投資を進めてい
半導体関連では、スマートフォンや
効率化、原材料調達の見直しなど、総
く考えです。
タブレットPC向けなど半導体市場が
合的なコスト削減策に取り組んでい
堅調に推移するなか、
フォトマスクが、
ます。
先端品を中心に需要を取り込み、前
年を上回りました。
高機能・エネルギー関連では、太陽
営業利益
当期の営業利益は前期比11.3%
販売費及び一般管理費
当期の販売費及び一般管理費は、
増の357億円となり、
また売上高営業
利益率は2.3%で、前期の2.1%から
電池関連が、国内メーカー向けの需
前期とほぼ同じ
(0.0%増)
2,163億円
上昇しました。当社では、本業の収益
要を積極的に取り込んだものの、海外
となりました。また、対売上高比率は
力を測る指標として営業利益を重視
メーカーとの厳しい価格競争などの
14.1%で、前期の14.4%から低下し
しており、その拡大に向けた施策を積
影響を受けて、前年を下回りました。
ています。当社では現在、収益力強化
極的に講じていく考えです。
建装材関連では、国内外ともに住
のための事業構造改革を進めており、
宅市場が堅調に推移するなか、独自
人員の最適配置による外部委託費低
ブランド
「101エコシート」
など環境配
減、総労務費の圧縮を引き続き推進
慮型製品の積極的な販売展開によっ
していく方針です。
その他損益
当 期 の そ の 他 損 益 は 、前 期 比
25.8%減の50億円となりました。
これ
は当期、経営効率化の観点から資産
て、好調に推移しました。
研究開発費
価値の見直しを進め、遊休資産等に
当期の研究開発費は前期比4.2%
ついては減損損失を計上したこと、
ま
当期の売上原価は前期比2.1%増
減の198億円となり、対売上高比率
た連結子会社の清算に伴い関係会社
の1兆2,800億円、売上原価率は0.1
は1.3%で、前期から0.1ポイント低下
整理損が発生したこと、
さらには前期
ポイント上昇して83.5%となりました。 しました。当社では、市場における技
に退職給付信託設定益を計上してい
売上原価
この結果、売上総利益は前期比1.5%
64
82.9
75
Toppan Annual Report 2014
術優位性の確保や既存製品の性能
たこと、
などによるものです。この結果、
純資産
有利子負債比率
%
50
十億円
%
1,000
100
46.1
874.0 864.0 866.2 888.4
42.1
40
38.9
43.2
35.4
30
800
80
600
60
44.8
20
400
10
200
0
913.1
43.3
46.1
46.3
45.7
40
20
0
10年
11年
12年
13年
14年
0
10年
有利子負債比率
11年
12年
13年
14年
純資産
自己資本比率
税金等調整前当期純利益は、前期比
向けた投資活動を適宜行えるよう、
4.9%増の407億円となりました。
健全な財務状態の維持およびキャッ
び現金同等物は、前期末比12.4%増
シュ・フローの創出に努めています。
の2,877億円となりました。
法人税等
以上の結果、当期末時点の現金及
当期の営業活動から得られたキャッ
当期の法人税等は、前期の172億
シュ・フローは、前期比13.9%増の
円から161億円に減少し、税効果会計
1,180億円となりました。これは、売
適用後の法人税等の負担率は、前期
上債権の増減額が101億円減少した
4.5%増の8,367億円となりました。
の44.4%から39.6%に低下しました。
一方、仕入債務の増減額が311億円
これは、現金及び現金同等物が316
増加したことなどによるものです。
財務状態
当 期 末の流 動 資 産は、前 期 末 比
億円増加したことなどによるものです。
投資活動に使用したキャッシュ・フ
また流動負債は、前期末比7.3%減の
以上の結果、当期純利益は前期比
ローは、前期比108.4%増の1,086
4,202億円となりました。これは、1年
11.1%増の206億円となり、1株当た
億円となりました。これは、投資有価
以内に返済期限の到来する長期借入
り当期純利益は、前期の28円90銭か
証券の取得による支出が252億円、
債務が426億円減少したことなどに
ら32円12銭へと増加しました。
有価証券の取得による支出が92億
よるものです。
当期純利益
利益率については、総資産当期純
円、それぞれ増加したことなどによる
有形固定資産は、前期末比0.1%
利益率
(ROA)
は前期並の1.2%となり、 ものです。
増の5,533億円となりました。また投
また自己資本当期純利益率
(ROE)
は
資その他の資産は、前期末比15.2%
前期の2.5%から2.7%へ上昇しました。
財 務 活 動 により得られたキャッ
シュ・フローは150億円となり、前期比
増の3,224億円となりました。
112.9%増加しました。これは、社債
固定負債は、前期末比30.0%増の
の償還による支出が404億円、長期
3,791億円となりました。これは、新
借入金の返済による支出が170億円、 株予約権付社債が797億円増加した
キャッシュ・フロー
配当金の支払額が116億円あった一
こと、
また当期において退職給付に係
トッパングループでは、円滑な事業
方で、社債の発行による収入が801
る負債466億円を計上したことなど
運営とともに、将来の戦略的成長に
億円あったことなどによるものです。
によるものです。
Toppan Annual Report 2014
65
3月31日に終了した会計年度
1株当たり配当金
総資産
十億円
円
2,000
25
1,665.7 1,694.3
1,586.8
1,633.1
22.00
1,712.4
20
1,500
18.00 18.00 18.00 18.00
15
1,000
10
500
5
0
0
10年
11年
12年
13年
14年
10年
12年
13年
14年
1株当たり配当金
総資産
純 資 産は前 期 末 比 2 . 8%増 の
投資や研究開発に充てるほか、既存
特に注力していきます。資本効率を上
9,131億円となりました。これは為替
事業の効率化・活性化等、長期的視
げることにより、企業価値向上へ向け
換算調整勘定が158億円、
また利益
点から投資効率を高める施策に充当
た経営努力にいっそう励み、株主の皆
剰余金が91億円、それぞれ改善した
する方針です。
さまの期待に応えていきたいと考えて
ことなどによるものです。
このような利益配分を行うことが、
自己資本比率は、前期末の46.3%
企業体質強化につながり、将来の利
から45.7%となり、1株当たりの純資
益向上に寄与するとともに、株主の皆
産は、前期末比3.7%増の1,220円と
さまへの利益還元を可能にするもの
なりました。また、当期における総資
と考えています。
産は、前期末比4.9%増の1兆7,124
億円となりました。
配当方針および配当
当社は、株主の皆さまへの機動的
な利益還元、
また社としての持続的成
長を実現するため、各期の連結業績、
います。
来期の見通し
この基本方針のもと、当期の期末
来期の経営環境は、消費税増税に
配当金については、1株当たり9円00
よる消費マインドの低迷、世界的な景
銭とさせていただきました。これによ
気減速の影響など、一部に先行き懸
り、年間配当金は1株当たり18円とな
念が残るものの、政府の財政政策や
りました。
金融政策などにより、緩やかな回復
次期の年間配当金については、当
期と同じく18円を計画しています。
が続くことが予想されます。印刷業界
においては、企業の広告宣伝費は引
配当性向および内部留保を総合的に
き続き回復傾向で推移すると見込ま
勘案したうえで、配当を行っています。
れますが、出版市場をはじめとする既
具体的には、連結配当性向30%以上
をめどに、配当水準の向上に努めて
います。
66
11年
存の印刷市場は依然として成熟傾向
目標とする経営指標
にあります。また、増税後の駆け込み
当社は株主価値を重視し、自己資
需要の反動減、原材料・エネルギー価
内部留保資金については、企業価
本当期純利益率
(ROE)
の向上をめざ
格の上昇など、収益面での下振れリ
値の向上を達成するべく、成長が見込
しています。諸利益のなかでも、本業
スクも懸念され、引き続き厳しい経営
まれる事業分野の拡大に向けた設備
の収益力を表す営業利益の拡大に、
環境が予想されます。
Toppan Annual Report 2014
この ような 状 況 のもと、当 社 は
の強化が求められています。新たな事
発が重要であると認識しています。
「TOPPAN VISION 21」
に基づき、
業領域において売上を拡大すること
そのためには、高度な技術力・企画
「グループを含めた構造改革の遂行」
ができず、価格競争力向上のための
提案力を有した優れた人材が不可欠
「新事業・新市場の創出」
「グローバル
原価削減施策が不十分であった場合
です。
トッパングループは計画的な人
な事業展開の加速」
を重要な経営課
には、
トッパングループの業績に影響
材の採用と育成に向けた教育に注力
題と位置づけ、グループ一体となって
を及ぼす可能性があります。
していますが、優秀な人材を確保また
2 マテリアルソリューション事業分野
ングループが将来にわたって成長し
業績の拡大に努めていきます。
次期の業績見通しについては、連
は育成できなかった場合には、
トッパ
結売上高は1兆5,600億円(当期比
の特性
続けていくことができない可能性が
1.8%増)
、連結営業利益は385億円
トッパングループにおけるマテリア
あります。
(当期比7.8%増)
、連結当期純利益は
ルソリューション事業分野は、主に液
200億円
(当期比3.0%減)
を見込ん
晶カラーフィルタ、反射防止フィルム
でいます。
等のディスプレイ関連事業、フォトマ
トッパングループは、継続的に新製
スク等の半導体関連事業、太陽電池
品や新サービスを開発・販売するとと
部材等の高機能・エネルギー関連事
もに、既存製品のコストダウンに努め
業および建装材関連事業からなって
ています。しかし、競合関係にある企
います。
業との製品開発競争や価格競争が近
将来予測表記に関する特記
4 厳しい市場競争および価格競争
当アニュアルレポートの記載内容の
この事業は最先端の技術開発と市
年激しくなっており、
トッパングループ
うち、将来予測に関する表記は、現在
場への的確な対応により、収益が期
の製品およびサービスが市場におけ
想定できる経済情勢、市場動向など
待できる事業でありますが、製品ライ
る優位性を維持できない場合や、激し
を前提にしており、既知、未知のリス
フサイクルの短期化や技術動向の進
い競争によって価格の下落を招いた
クや仮定などが 含まれています。今
展が想定以上に進んだ場合、
トッパン
場合には、
トッパングループの業績に
後、さまざまな要因により、実際の成
グループの業績に影響を及ぼす可能
影響を及ぼす可能性があります。
果や業績は記載の予測とは大きく異
性があります。
なる可能性があります。
また、事業全体の特性として、特定
得意先への依存度が高くなる傾向が
5 設備投資に伴う影響
トッパングループは営業キャッシュ・
ありますが、
このような安定得意先と
フロー、社債の発行および銀行融資
当アニュアルレポートに記載した事
の取引関係が強みでもあると考えて
等により必要資金を賄い、設備投資
業の状況、経理の状況などに関する
います。
しかしながら、
こうした一部の
を行っています。このような設備投資
事項のうち、投資家の判断に重要な
得意先との間で発生する、製品の価
には、市場環境の変化により投資決
影 響を及ぼす可 能 性のある事 項に
格水準、製品の量と種類、支払遅延も
定時に比べ投資回収期間が長期化す
は、以下のようなものがあります。な
しくは不払い、ないしは支払条件の不
る、過大な償却費負担が業績を圧迫
お、文中の将来に関する事項は、当連
利な変更などの要因により、
トッパン
する、大規模な設備投資が総資産利
結会計年度末現在においてトッパン
グループの業績および財務状況に影
益率を引き下げる、資金調達に伴う
グループ(トッパンおよび 連結子会
響を及ぼす可能性があります。
金利支払が利益率を引き下げる等、
リスク・ファクター
トッパングループの業績に影響を及
社)
が判断したものです。
3 事業の発展を支える人材の確保
1 印刷事業の特性
ぼす可能性があります。
トッパングループが将来にわたり
印刷業は、情報技術とネットワーク
事業を発展していくためには、既存製
化の進展による市場環境変化のなか
品における高品質化と、高度な新技
で、新事業領域の創出と価格競争力
術導入による新製品・新サービスの開
6 円滑な資金調達
トッパングループは事業の拡大や、
急速な技術革新に対応するために設
Toppan Annual Report 2014
67
備投資を必要としています。設備投資
す可能性があります。
に向ける資金調達については、事業
計画に基づき外部から調達する場合
もありますが、金利情勢の大幅な変
化等により適正な条件で必要十分な
トッパングループの従業員に対す
9 生産活動に伴うリスク
る退職給付債務および費用は、
トッパ
生産活動においては、品質管理上、 ングループが適用している退職慰労
十分な注意を払いすべての製品につ
金および企業年金制度に基づき算出
追加資金を調達することができない
いて製品事故やクレームを発生させ
されています。
トッパングループは年
可能性があります。
ないための対応を図っていますが、将
金財政の安定化のため、代行部分の
来にわたっては製品事故が発生する
返上に伴う企業年金制度の見直しお
ことで業績に影響を及ぼす可能性が
よび特別掛金の一括拠出などを行い
トッパングループは、米国をはじめ
あります。また、新工場の立ち上げや
ましたが、今後経済環境等の変動によ
中国、東南アジア地域、欧州において
移設に伴う製造ラインの変更・改善
り計算の前提となる割引率、年金資
も事業活動を行っています。将来的に
に際し適切に対応できなかった場合
産の期待運用収益率などの条件に変
も、開発途上国を含む海外の国で新
には、得意先に対する製品納入の遅
更が生じた場合には、
トッパングルー
たに事業を展開する可能性があり、海
れや工場の生産性の低下により、販
プの業績および財政状態に影響を及
外事業を推進するにあたっては、下記
売の落ち込みにつながる可能性があ
ぼす可能性があります。
のような固有のリスクが存在すると
ります。
7 海外事業に伴うリスク
13 市場性のある有価証券における
認識しています。
10 外部生産委託
●
技術的インフラが十分な水準に達し
ていないために生産その他事業活動
に影響を及ぼし、製品やサービスが得
意先に受け入れられない可能性
時価の変動
トッパングループは、主として印刷
トッパングループは、市場性のある
関連事業において生産数量、生産時
有価証券を保有しています。
したがっ
期、納期などの要因により、必要に応
て、株式市場および金利相場等の変
じて外部製造業者に生産を委託して
動によっては、有価証券の時価に影響
います。外部委託先に自然災害や不
を与え、
トッパングループの業績およ
慮の事故が発生した場合には、製品
び財政状態に影響を及ぼす可能性が
納入の遅れや製品の欠陥といった製
あります。
●
政治および経済面における不安定さ
●
予期しない法律や規制の変更
(税制を
含む)
●
為替相場の変動
造上の問題が発生する可能性があり
●
貿易の制限や関税率の変更
ます。
●
疫病および大規模な災害の発生の可
能性
14 外国為替相場の変動
国内印刷市場の成熟化が進んでい
11 主原材料の確保
るなか、海外市場での事業が拡大し
トッパングループは、事業に使用す
ていますが、海外現地法人において
る用紙、インキ、ガラスといった特定
現地通貨で取引されている収支の各
トッパングループは他社との戦略
の原材料の大半を外部メーカーから
項目は、連結財務諸表を作成する際
的提携、合弁事業、投資を通して、多
調達しています。事業活動を維持する
に円に換算されるため、結果として換
くの事業を推進しており、将来におい
ためには、十分な量の原材料を適正
算する時点での為替相場の変動に影
ても、他の企業を買収する可能性が
な価格で安定的に確保することが重
響される可能性があります。
8 戦略的提携、投資および企業買収
68
12 退職給付債務
あります。このような活動は、新技術
要ですが、外部メーカーからの供給量
また、為替相場の変動は、
トッパン
の獲得、新製品の発売、新規市場参
の大幅な不足や納期の遅延、原材料
グループが現地で販売する製品の価
入のためには重要です。しかし、さま
価格の高騰などが起こる可能性があ
格や、現地生産品の製造・調達コスト
ざまな要因により、提携関係を継続で
り、そのような場合には、
トッパング
や、国内における販売価格にも影響
きない場合や、当初期待した効果を得
ループの業績に影響を及ぼす可能性
を与えることが想定されます。そのよ
られない場合には、業績に影響を及ぼ
があります。
うな場合にはトッパングループの業績
Toppan Annual Report 2014
に影響を及ぼす可能性があります。
動に影響を及ぼす可能性があります。
15 知的財産の保護
17 情報セキュリティ
市場における競争力強化のために
トッパングループは、厳重な情報セ
は革新的な製品やサービスを開発す
キュリティ管理体制において自社内の
る必要があり、特許を含む知的財産
機密情報を管理するとともに、事業の
は競争力の重要な要素です。
トッパン
一環として得意先から預託された機
グループは、特許、商標、その他の知
密情報や個人情報の収集・保管・運用
的財産権の組み合わせにより、自社
を行っています。これらの情報管理に
開発技術の保護に努めていますが、
は万全な方策を講じていますが、万一
次のリスクが存在すると認識してい
トッパングループの社員や業務の委
ます。
託会社等が情報を漏えいもしくは誤
用した場合には、企業としての信頼を
●
トッパングループの申請中の特許が
認められない可能性
●
トッパングループの知的財産の不正
使用ないし侵害を防ぐための対応が
成功しない可能性
● トッパングループの技術等が、
他社の
失い、業績に影響を及ぼす可能性が
あります。
18 自然災害、事故災害および疫病
に関するリスク
トッパングループでは、事業所にお
知的財産権を侵害しているとされる可
能性
ける耐震対策や定期点検、防災訓練
トッパングループの知的財産が干
震、台風等の自然災害や火災等の事
等の取り組みを実施していますが、地
渉を受けた場合、事業活動や業績に
故災害および疫病が発生した場合、
影響を及ぼす可能性があります。
事業所の設備や従業員等が 大きな
被害を受け、その一部または全部の
16 環境法規制の影響
操業が中断し、生産および出荷が遅
国内外において、国や地方自治体
延する可能性があります。また、損害
の法律および規制により、有害物質
を被った設備等の修復のために多額
の不適切な使用・廃棄やそれに起因
の費用が発生し、結果として、
トッパ
する土壌汚染、大気汚染等の環境汚
ングループの事業活動、業績および
染に関して、重大な責任が発生する
財務状況に影響を及ぼす可能性があ
可能性があります。
トッパングループ
ります。
の製造工程および研究開発において
は、特定の有害物質を使用し、廃棄物
を管理する必要があり、適用される規
制を守るために厳重な注意を払って
います。しかし、このような物質に起
因する偶発的な汚染や放出、および、
その結果としての傷害を完全に予測
することは困難であり、万一発生した
場合には、
トッパングループの事業活
Toppan Annual Report 2014
69
連結貸借対照表
凸版印刷株式会社および子会社
2013年および2014年3月31日現在
単位:百万円
資産の部
2013年
2014年
流動資産
現金及び現金同等物
¥
256,058
¥
287,690
3ヵ月超の定期預金
3,884
11,072
有価証券
7,106
17,745
営業取引
409,571
397,610
関連会社
670
495
受取手形及び売掛金
貸倒引当金
(5,040)
(4,184)
製品・商品
35,932
36,159
半製品・原材料
55,731
51,757
14,669
11,593
たな卸資産
繰延税金資産
その他
22,064
26,744
800,645
836,681
土地
139,784
138,255
建物及び構築物
607,272
617,648
機械装置
936,393
889,866
25,996
23,528
流動資産計
有形固定資産
建設仮勘定
減価償却累計額
有形固定資産計
1,709,445
1,669,297
(1,156,934)
(1,116,006)
552,511
553,291
投資その他の資産
43,647
47,171
投資有価証券
146,744
183,804
繰延税金資産
10,986
13,888
関連会社に対する投資有価証券及び貸付金
長期貸付金
前払年金費用
退職給付に係る資産
無形固定資産
その他
投資その他の資産計
資産合計
70
Toppan Annual Report 2014
9,847
9,891
34,318
―
―
29,612
20,170
22,855
14,198
15,158
279,910
322,379
¥ 1,633,066
¥ 1,712,351
2013年および2014年3月31日現在
単位:百万円
負債の部
2013年
2014年
流動負債
短期借入金
¥
1 年以内に返済期限の到来する長期借入債務
12,960
¥
15,537
56,870
14,297
256,624
267,972
41,403
37,039
9,943
9,653
55,530
54,444
7,498
7,361
支払手形及び買掛金
営業取引
設備
関連会社
未払費用
未払法人税等
その他
流動負債計
12,293
13,849
453,121
420,152
224,041
299,588
固定負債
長期借入債務
退職給付引当金
退職給付に係る負債
役員退職慰労引当金
繰延税金負債
その他
41,232
―
―
46,596
1,373
1,443
14,556
19,353
10,321
12,111
291,523
379,091
104,986
104,986
資本剰余金
117,739
117,739
利益剰余金
582,096
591,158
(55,920)
(56,005)
748,901
757,878
24,322
33,070
158
51
固定負債計
偶発債務
純資産の部
株主資本
資本金
発行可能株式数 2013年および2014年 ̶2,700,000,000株
2013年および2014年3月31日現在̶ 699,412,481株
発行済株式数
自己株式
2013年3月31日現在̶57,315,900株
株主資本計
2014年3月31日現在̶57,428,970株
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
為替換算調整勘定
退職給付に係る調整累計額
その他の包括利益累計額計
新株予約権
少数株主持分
純資産合計
負債、純資産合計
(17,849)
―
6,631
(2,073)
(5,856)
25,192
13
―
132,877
130,038
888,422
913,108
¥ 1,633,066
¥ 1,712,351
Toppan Annual Report 2014
71
連結損益計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2012年、2013年および2014年3月31日に終了した1年間
売上高
単位:百万円
2012年
2013年
2014年
¥ 1,510,415
¥ 1,502,308
¥ 1,532,043
1,263,371
1,253,965
1,280,004
247,044
248,343
252,039
215,489
216,251
216,317
31,555
32,092
35,722
3,408
3,722
4,148
売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
その他の収益
(費用)
受取利息及び受取配当金
支払利息
(3,526)
(3,283)
(3,331)
投資有価証券評価損
(4,610)
(2,181)
(80)
1,716
2,220
1,918
105
2,747
1,867
持分法による投資利益
固定資産売却益
固定資産除売却損
(2,252)
(2,779)
(3,470)
為替差益
(1,207)
3,288
2,894
2,400
516
投資有価証券売却損益
312
減損損失
複合金融商品評価損
関係会社株式売却損益
(14,777)
(73)
(1,893)
(1,689)
(490)
(82)
149
関係会社整理損
―
(467)
7,421
(293)
(1,442)
退職給付信託設定益
―
5,917
―
工場閉鎖損失
―
(1,986)
―
生産拠点集約費用
その他
合計
―
(1,011)
90
(1,441)
(22,748)
税金等調整前当期純利益
―
(3,453)
6,757
5,013
8,807
38,849
40,735
16,138
13,837
12,724
3,394
3,397
564
17,231
16,121
8,243
21,618
24,614
法人税等
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
(15,574)
合計
少数株主損益調整前当期純利益
少数株主利益
当期純利益
(損失)
(5,175)
¥
3,068
(3,056)
¥
18,562
(3,993)
¥
20,621
単位:円
1株当たり情報
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
1株当たり配当金
72
Toppan Annual Report 2014
2012年
¥
4.77
2013年
¥
28.90
2014年
¥
32.12
―
―
31.10
18.00
18.00
18.00
連結包括利益計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2012年、2013年および2014年3月31日に終了した1年間
単位:百万円
少数株主損益調整前当期純利益
2012年
2013年
2014年
¥ 8,243
¥ 21,618
¥ 24,614
8,582
9,746
7,445
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金
繰越ヘッジ損益
(121)
為替換算調整勘定
(124)
(5,077)
持分法適用会社に対する持分相当額
11,124
(264)
(107)
18,913
534
1,543
3,120
21,280
27,794
11,363
42,898
52,408
親会社株主に係る包括利益
7,686
36,285
45,039
少数株主に係る包括利益
3,677
6,613
7,369
その他の包括利益合計
包括利益
(内訳)
連結株主資本等変動計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2012年、2013年および2014年3月31日に終了した1年間
単位:百万円
株主資本
2011年3月31日残高
資本金
資本剰余金
利益剰余金
自己株式
株主資本合計
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 582,329
¥ (55,326)
¥ 749,728
剰余金の配当
(10,290)
当期純利益
(10,290)
3,068
自己株式の取得
3,068
(271)
自己株式の処分
(2)
6
(271)
4
株主資本以外の項目の当期変動額
(純額)
当期の変動額合計
2012年3月31日残高
―
―
¥ 104,986
¥ 117,739
剰余金の配当
(7,224)
¥ 575,105
(265)
¥ (55,591)
(11,566)
当期純利益
(11,566)
18,562
自己株式の取得
18,562
(338)
自己株式の処分
(5)
(7,489)
¥ 742,239
9
(338)
4
株主資本以外の項目の当期変動額
(純額)
当期の変動額合計
2013年3月31日残高
―
―
6,991
(329)
6,662
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 582,096
¥ (55,920)
¥ 748,901
剰余金の配当
当期純利益
(11,559)
(11,559)
20,621
20,621
自己株式の取得
(86)
自己株式の処分
1
(86)
1
株主資本以外の項目の当期変動額
(純額)
当期の変動額合計
2014年3月31日残高
―
―
9,062
(85)
8,977
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 591,158
¥ (56,005)
¥ 757,878
Toppan Annual Report 2014
73
単位:百万円
その他の包括的利益累計額
その他有価証
券評価差額金
2011年3月31日残高
¥
6,577
繰延ヘッジ
損益
¥
403
為替換算
調整勘定
¥ (22,689)
退職給付に係 その他の包括
る調整累計額 利益累計額
―
¥ (15,709)
新株予約権
¥ 47
少数株主
持分
純資産合計
¥ 129,951
¥ 864,017
剰余金の配当
(10,290)
当期純利益
3,068
自己株式の取得
(271)
自己株式の処分
4
株主資本以外の項目
の当期変動額
(純額)
8,205
当期の変動額合計
2012年3月31日残高
(121)
8,205
¥ 14,782
(121)
¥
282
(3,467)
4,617
(3,467)
―
¥ (26,156)
―
4,617
¥ (11,092)
(13)
(13)
¥ 34
5,087
9,691
5,087
2,202
¥ 135,038
¥ 866,219
剰余金の配当
(11,566)
当期純利益
18,562
自己株式の取得
(338)
自己株式の処分
4
株主資本以外の項目
の当期変動額
(純額)
9,540
当期の変動額合計
2013年3月31日残高
(124)
9,540
¥ 24,322
(124)
¥
158
8,307
8,307
¥ (17,849)
17,723
―
―
17,723
¥
6,631
(21)
(21)
¥ 13
(2,161)
(2,161)
¥ 132,877
剰余金の配当
15,541
22,203
¥ 888,422
(11,559)
当期純利益
20,621
自己株式の取得
(86)
自己株式の処分
1
株主資本以外の項目
の当期変動額
(純額)
8,748
当期の変動額合計
2014年3月31日残高
74
(107)
8,748
¥ 33,070
Toppan Annual Report 2014
(107)
¥
51
15,776
15,776
¥ (2,073)
(5,856)
18,561
(13)
(5,856)
18,561
(13)
¥ (5,856)
¥ 25,192
―
(2,839)
(2,839)
¥ 130,038
15,709
24,686
¥ 913,108
連結キャッシュ・フロー計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2012年、2013年および2014年3月31日に終了した1年間
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益
営業活動により増加した現金
(純額)
の税金等調整前当期純利益の調整
減価償却費
減損損失
退職給付引当金の増減額
退職給付に係る負債の増減額
前払年金費用の増加額
退職給付に係る資産の増減額
貸倒引当金の増減額
受取利息及び受取配当金
支払利息
持分法による投資損益
投資有価証券売却損益
投資有価証券評価損益
固定資産売却損益
売上債権の増減額
たな卸資産の増減額
仕入債務の増減額
その他
合計
利息及び配当金の受取額
利息の支払額
法人税等の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
単位:百万円
¥
2012年
2013年
2014年
8,807
¥ 38,849
¥ 40,735
80,923
14,777
1,029
̶
1,885
̶
1,563
(3,408)
3,526
(1,716)
(312)
4,610
2,146
(145)
(6,741)
(2,231)
(3,349)
101,364
3,412
(3,989)
(17,330)
83,457
67,965
73
(5,223)
̶
3,279
̶
(1,547)
(3,722)
3,283
(2,220)
(2,400)
2,181
32
23,670
10,221
(18,214)
2,096
118,323
3,709
(3,415)
(15,021)
103,596
62,473
1,893
(38,699)
34,265
34,116
(25,781)
(3,609)
(4,148)
3,331
(1,918)
(516)
80
1,603
13,570
2,313
12,869
(367)
132,210
4,109
(3,683)
(14,610)
118,026
投資活動によるキャッシュ・フロー
有価証券の取得による支出
有価証券の売却による収入
有形固定資産の取得による支出
有形固定資産の売却による収入
無形固定資産の取得による支出
投資有価証券の取得による支出
投資有価証券の売却による収入
連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出
連結の範囲の変更に伴う子会社株式の売却による収入
連結の範囲の変更に伴う子会社株式の売却による支出
関係会社株式の取得による支出
定期預金の増減額
連結の範囲の変更を伴う関係会社株式の取得による収入
長期貸付けによる支出
事業分離による収入
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー
(27,455)
18,110
(69,067)
2,268
(4,528)
(3,369)
1,156
̶
̶
̶
(2,223)
(4,130)
240
(426)
̶
393
(89,031)
(6,099)
11,150
(56,857)
7,354
(6,028)
(6,793)
8,482
̶
̶
̶
(1,869)
462
̶
(9,391)
9,115
(1,665)
(52,139)
(15,318)
5,899
(65,648)
5,809
(7,152)
(32,025)
5,948
(1,476)
7,594
(523)
(623)
(9,878)
̶
(151)
̶
(1,104)
(108,648)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額
長期借入による収入
長期借入金の返済による支出
社債の発行による収入
転換社債の発行による収入
社債の償還による支出
転換社債の償還による支出
自己株式の取得による支出
少数株主への株式の発行による収入
配当金の支払額
少数株主への配当金の支払額
少数株主への払戻による支払
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー
(3,133)
64,927
(77,373)
̶
̶
(30,200)
(34,850)
(30)
3,448
(10,318)
(1,346)
̶
(880)
(89,755)
(291)
5,004
(15,156)
39,841
̶
̶
̶
(58)
90
(11,606)
(1,385)
(8,761)
(627)
7,051
1,518
7,079
(17,046)
̶
80,096
(40,000)
(440)
(84)
160
(11,604)
(4,147)
̶
(519)
15,013
現金及び現金同等物に係る換算差額
現金及び現金同等物の増減額
現金及び現金同等物の期首残高
現金及び現金同等物の期末残高
(2,329)
(97,658)
288,462
¥ 190,804
6,746
65,254
190,804
¥ 256,058
7,241
31,632
256,058
¥ 287,690
Toppan Annual Report 2014
75
会社情報および株式の状況
2014年3月31日現在
本社事務所
株主名簿管理人・特別口座管理機関
〒101-0024
三菱UFJ信託銀行株式会社
東京都千代田区神田和泉町1
電話
:03-3835-5630
同連絡先
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
創業
〒137-8081
1900
(明治33)年1月17日
東京都江東区東砂七丁目10番11号
電話:0120-232-711
(フリーダイヤル)
資本金
自動音声応答サービス:0120-244-479
104,986,430,314円
※住所変更、配当金振込指定、変更に必要な各用紙および株式の
相続手続依頼書のご請求を24時間承っております。
従業員数
48,751名
(連結)
株式の状況
● 会社が発行する株式の総数
決算期
2,700,000,000株
3月31日
● 発行済み株式総数
699,412,481株
定時株主総会
毎年6月に開催
上場金融商品取引所
東京証券取引所
株主確定基準日
定時株主総会・利益配当金:3月31日
米国預託証券(ADR)*
中間配当を行う場合
比率
:1ADR= 1株
取引所
:米国OTC(店頭取引)
シンボル
:TOPPY
:9月30日
※その他必要ある場合は、あらかじめ公告いたします。
公告掲載
米国証券コード:890747306
電子公告により、当社ホームページ
預託銀行
:The Bank of New York Mellon
101 Barclay Street, 22W
に掲載いたします。
(http://www.toppan.co.jp/)
New York, NY 10286, U.S.A.
※なお、やむをえない事由により電子公告によることができない
場合には、官報に掲載いたします。
* 2012年7月17日
(米国東部時間)より売買開始
独立監査人
証券コード
有限責任 あずさ監査法人
7911
大株主の状況
株主名
持株比率(%)
34,648
5.38
日本生命保険相互会社
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
第一生命保険株式会社
従業員持株会
株式会社三菱東京UFJ銀行
株式会社三井住友銀行
株式会社講談社
東洋インキSCホールディングス株式会社
凸版印刷取引先持株会
32,648
24,050
22,886
16,461
15,628
15,628
13,327
10,701
8,661
5.06
3.73
3.55
2.55
2.42
2.42
2.07
1.66
1.34
※自己株式54,815千株(7.84%)
については、上記の表中から除外しております。
76
持株数(千株)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
Toppan Annual Report 2014
株価の推移(東京証券取引所)
当社株価
(円)
日経平均株価
(円)
1,600
16,000
1,200
12,000
800
8,000
400
4,000
0
06
07
08
09
10
11
12
06
07
08
09
10
11
12
/0
14
03
05
05
03
04
04
02
03
03
02
02
02
13
20
20
凸版印刷
(株)
の株価
1
1
12
12
1
11
11
/0
10
10
09
08
07
06
4
/0
20
12
05
0
日経平均株価
出来高の推移
千株
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
1
20
20
14
/0
/0
13
09
08
07
06
05
20
12
/0
4
0
株式の所有状況
所有者別
所有株数別
外国法人など
142,149,713株
20.32%
証券会社
18,851,401株
2.70%
1千株以上
65,204,034株
9.32%
1千株未満
1,821,964株
0.26%
1万株以上
29,004,371株
4.15%
合計
699,412,481株
金融機関
245,777,385株
35.14%
合計
699,412,481株
5万株以上
14,371,515株
2.05%
その他の法人
116,498,065株
16.66%
10万株以上
100,381,803株
14.35%
個人・その他
176,135,917株
25.18%
100万株以上
488,628,794株
69.87%
※自己株式54,815千株は、「所有者別」は「個人・その他」に、「所有株数別」は「100万株以上」に含まれております。
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