サーボジェット

NIRECO SERVOJET
サーボジェット SJ2
目 次
はじめに………………………………………………………… 1
特長……………………………………………………………… 1
構成……………………………………………………………… 2
マニホールドコントローラ…………………………………… 3
外形寸法図…………………………………………………… 5
MODEL 記号… ……………………………………………… 6
サーボジェットの応用……………………………………… 7
はじめに
サーボジェットは、電気記号(− 200 〜0〜+ 200mADC)
を油圧信号に変換する工業用のサーボバルブであり、主に
鉄鋼プラントの EPC ® に使用されます。信頼性が高く、永
年の実績がある噴射管方式を使用しながら、取扱いしやす
く、特に保守はほとんど必要ありません。
特 長
■検 出部はドライタイプですから、油中の磁粉等の影響が
なく、メンテナンス周期が長くなります。
■油圧制御で実績のある噴射管方式を使用しています。
■各 種補助ピストンとの組合せで、小流量から大流量まで
のサーボ機構を提供できます。
■補助ピストンの油圧範囲は 0.8MPa から 14MPa まで各種
機種を取り揃えてあります。
■簡潔な構造のため、現場で分解、組立、調整が可能です。
■取扱いしやすく、保守が容易です。
■噴射管油量は従来品に比べ約 1/2 になります。
EPC® とはニレコの商標登録で、エッジ・ポジション・コントロー
ル(Edge Position Control)のことです。厚板、薄板の圧延・熱
処理・酸洗・表面処理などの工程において製品(ストリップ)
の耳端位置、いわゆる“耳”を均一に揃える操作を自動的に行
う制御装置です。
EPC の 応 用 と し て、ス ト リ ッ プ の 中 央 位 置 を 制 御 す る…
CPC(Center Position Control)や、線やマークに追従させる…
LFC(Line Follower Control)も広く使用されています。
構 成
管制部
入力信号と出力との関係は
サーボジェットの管制部は、ムービングコイル検出部、両
F= 0.65 √
W= 0.65 √
R・I
端を特殊な軸受で支えられた噴射管々制部と、噴射管をは
ただし、F=出力(MPa)
さんで検出部と対抗するスプリング、バイアス調整ねじか
W=入力電力(W)
らなるゼロ調整部から構成されています。
I=コイル電流(A)
ムービングコイル検出部は、ムービングコイルと永久磁石か
R=ムービングコイル抵抗(Ω)
らなり、磁界中におかれたムービングコイルに入力電流を流
この力は噴射管をはさんでスプリングの力と対抗してい
すと、フレミングの法則により電流に比例した力を生じます。
ます。すなわち、噴射管は入力電流による力とスプリング
この関係を式にすると次のとおりです。
の力とがバランスする位置まで動くわけです。
バイアスばね
(引張ばね)
噴射管用圧油
設定ばね
(圧縮ばね)
ムービングコイル
シールダイアフラム
永久磁石
検出部室
(ドライ)
設定信号
中間片
圧油導入口、
支点
油室
噴射管
噴射管
バイアスばね
検出信号
受流孔部付
スプール
ドレン
補助ピストン用
高容量油圧
ドレン
圧油
補助ピストン
0
50
100
ゲイン調節つまみ
補助ピストン
操作シリンダ
戻油
ゲイン調節ダイアル
(非線形特性設定)
操作シリンダ
第1図 サーボジェット調節機原理図
第2図 油圧制御部の概念図
補助ピストン
第3図は補助ピストンの特性を示したもので、ゲイン0%
圧油導入口から供給される圧油は噴射管に導入され、先
は不感帯を有し普通の案内弁特性を示しています。ゲイ
端部から受流孔部に向かって噴出されています。噴射管
ン 100%は線形特性を示し、その間の任意のゲインでは、
先端の噴口が補助ピストン受流孔部にある2つの小穴の中
非線形特性が得られるようになっています。そして、こ
央に向かっているとき(すなわち平衡状態)は補助ピスト
の非線形特性はEPCの安定性向上に重要な特性です。
ン両側の受圧は等しくなります。
噴射管が左右いずれかに振れると片側の受圧部の油圧は
入力信号
+ 200 〜0〜− 200mADC(ゼロバランス)
ムービングコイル抵抗値
約 20 Ω
供給油圧
1.2MPa
噴射管供給油圧
約 3.5 ℓ /min(at 1.2MPa)
ヒステリシス差
2%
中立点変動
2%以下
0
0 噴射管変位
100%
100%
100%
*印 噴口径φ 1.2 補助ピストン用
2
%
50
GA
る油量は入力信号の変位置に比例しています。
サーボジェット調節機単体仕様
IN
G
N
AI
IN
0%
換え操作シリンダを作動させます。操作シリンダに流れ
GA
流量
圧を生じます。この油圧差によって、メイン油量を切り
10
0%
100%
上昇し、他方は下降して2つの補助ピストン受圧部に差
第3図 補助ピストン(ゲイン調節)流量特性
マニホールドコントローラ M4SJ240, M5SJ240, M6SJ240
マニホールドコントローラは、検出器からのストリップ
耳端位置信号を、増幅器を介して電流信号として受けて
油圧(油量)に変換するサーボジェット調節機、この油
圧信号を増幅するゲイン調節補助ピストン、遠隔操作で
自動、停止を行うための自動停止弁(電磁—油圧弁)、サー
ボジェット調節機への供給油圧を調整するカートリッジ
減圧弁、および油圧計などから構成され、これらの各部
分を特殊な油圧回路をもったマニホールドに取付けて一
体化してあります。
マニホールドコントローラ仕様
マニホールド型式
M4SJ240
M5SJ240
M6SJ240
補助ピストン型式
BO9M
BO9HM
BO10M
最高使用油圧
MPa
流量特性
質量
kg
5
14
10
第7図
第9図
第 11 図
約 23
約 28
約 48
噴射管油圧
1.2MPa
許容戻油背圧
0.1MPa
写真1 M4SJ240
+10
+10
00
0.5
0.5
11
5
22 33 445
20
20
10
10
−10
−10
ー20
ー20
ー30
ー30
ゲイ
ン19Hz(−3db)
ゲイ
ン19Hz(−3db)
ー40
ー40
ー50
ー50
入力 ±25%
(±1V)
±1V)
入力 ±25%
(
正弦波
正弦波
位相
(度)
位相
(度)
ゲイ
ン
(db)
ゲイ
ン
(db)
−20
−20
噴射管油圧 1.2MPa
噴射管油圧 1.2MPa
油温 40〜45°
油温 40〜45°
CC
50 Hz
50
Hz ー0
ー0
ー10
ー10
ー60
ー60
ー70
ー70
位相 12Hz
(ー45
ー45)
)
°
位相 12Hz
(
°
ー80
ー80
ー90
ー90
第4図 サーボジェット調節機の特性表
写真2 M5SJ240
+10
+10
0.5
0.5
11
22
4
33 4 55
10
10
20
20
ー3db
ー3db
50
50
00
−10
−10
ー20
ー20
ゲイ
ン
(db)
ゲイ
ン
(db)
−20
−20
ー45゜
ー45゜
噴射管油圧 1.2MPa
噴射管油圧 1.2MPa
油温 40〜45°
油温 40〜45°
CC
入力 ±50%
(±2V)
±2V)
入力 ±50%
(
正弦波
正弦波
ー40
ー40
ー60
ー60
位相
(度)
位相
(度)
00
ー80
ー80
ー100
ー100
第5図 補助ピストン付サーボジェット調節機の特性表
ー120
ー120
写真3 M6SJ240
3
M4SJ240, M5SJ240, M6SJ240
M4SJ240
サーボジェット調節機
マニホールドM4
×
噴射管油圧計
減圧弁
圧油
50100150 200 (mA)
5
4
補助ピストン P
自動停止弁
T
B
A
T
P
A
B
圧力損失(MPa)
3
戻油
2
補助ピストン:BO9M
ゲイン:100%
1
0.5
2
1
シリンダへ
10
第6図 M4SJ240 油圧回路図
M5SJ240
30 40 50
流量
( /min)
100
第7図 M4SJ240 の流量特性
サーボジェット調節機
マニホールドM5
×
20
戻油
噴射管油圧計
減圧弁
圧油
50
(mA)
100150 200
補助ピストン
自動停止弁
P
T
T
A
圧力損失(MPa)
10
B
P
5
4
3
2
補助ピストン:BO9HM
ゲイン:100%
1
B
A
0.5
2
1
シリンダへ
戻油
第8図 M5SJ240 油圧回路図
M6SJ240
×
20 30 4050
流量
( /min)
100
200
50 100150 200(mA)
10
噴射管油圧計
5
4
3
減圧弁
圧油
10
第9図 M5SJ240 の流量特性
サーボジェット調節機
マニホールドM6
5
補助ピストン:BO10HM
ゲイン:100%
補助ピストン
P
T
自動停止弁
T
A
P
B
圧力損失(MPa)
2
1
0.5
0.4
0.3
0.2
B
A
1
2
シリンダへ
0.1
10
戻油
第 10 図 M6SJ240 油圧回路図
20 30 4050
100
200 300400500
流量
( /min)
第 11 図 M6SJ240 の流量特性
記) 流量特性表はマニホールドコントローラとして一式分を示します。
4
外形寸法図
サーボジェットSJ240
NIRECO
Rc1/2戻油接続口
入力信号コネクタ
ケーブル径φ8MAX
475
噴射管圧力計
G1/2 電線管接続口
自動停止弁
62
90
275
Rc1/2戻油接続口
2
57
28
MAX.67
76
38
65
281
46
2-JIS 210K-15(SSA)
シリンダ接続口①②
205
320
Rc1/2 圧油接続口
60
65
10 70 10
25
145
30
45
52
Rc1/4ドレン口
20
175
4ーM8×15
第 12 図 マニホールドコントローラ M4SJ240
図番 AG3724.1-JA
10
サーボジェットSJ240
入力信号コネクタ
ケーブル径φ8MAX
供給圧力計
(仕様による)
455
Rc1/4ドレンロ
2-JIS 210K-20(SSA)
シリンダ接続口①②
噴射管圧力計
補助ピストン
97
159
295
40
130
35
205
370
MAX67
110
4-M10×15
88
95
第 13 図 マニホールドコントローラ M5SJ240
図番 AG3725.1-JA
Rc3/4戻油接続口
14.5
90
130
69
JIS 210K-20(SSA)
圧油接続口
G1/2電線管接続口
自動停止弁
14.5
62
2
40
35
1
180
12.5
12.5
5
サーボジェットSJ 240
入力信号コネクタ
ケーブル径φ8MAX
噴射管圧力計
供給圧力計
(仕様による)
Rc1/4ドレン口
480
2-JIS 210K-25(SSA)
シリンダ接続口①②
補助ピストン
1
55
65
150
2
114
195
325
40
67
JIS 210K-25(SSA)
圧油接続口
170
255
125
180
515
130
12.5
4-M12×20
G1/2電線管接続口
自動停止弁
45
81
20
170
114
Rc1戻油接続口
第 14 図 マニホールドコントローラ M6SJ240
図番 AG3726.1-JA
15
15
225
12.5
81
MODEL 記号
MODEL
型式
最高使用油圧
[MPa]
流 量 ☆ 1
[ℓ/ min]
組合せ
補助ピストン
N
無し
1
有り
(なし)
―
―
―
1
M4
5
32
BO9M
2
M5
14
80(48)☆ 2
BO9HM
3
M6
10
200
BO10M
4
SJ24
5
鉱物系
1
りん酸エステル系 ☆ 3
2
水-グライコール系 ☆ 3
3
脂肪酸エステル系 ☆ 3
A
100V 50/60Hz, 110V 60Hz
C
200V 50/60Hz, 220V 60Hz
P
110V 50Hz
Q
220V 50Hz
D
DC 12V
E
DC 24V
F
DC 48V
G
DC 100V
6
作動油
の種類
ー
0
6
電磁切換弁
M4
ロック回路
5MPa
~ 5MPa
M5
5 ~ 10MPa
10 ~ 14MPa
M6
N
無し
1
有り
N
無し
1
有り
N
無し
1
有り
N
無し
1
有り
N
無し
1
有り
供給圧力
~ 5MPa
5 ~ 10MPa
圧力計
スロットル
チェック弁
スタンド
オイルパン
端子箱
記)☆ 1 流量は圧損が最高圧力の 1/2 の場合の値です。
☆ 2 48ℓ /min 圧損が 2.5MPa の場合の値です。
☆ 3 作動油のメーカ、銘柄を別途記載してください。
サーボジェットの応用例
1.ペイオフリール方式
(アンワインド)
アンプ
オートワイド検出器
圧油
手動操作スイッチ
アナログ形位置
発信器
サーボジェット
操作シリンダ
戻油
第 15 図
リニアセンサ
2.ステアリングロール方式
(中間ガイドロール)
アナログ形
位置発信器
ディジタル
コントローラ
圧油
操作
シリンダ
サーボジェット
戻油
3.テンションリール方式
(巻取リール)
手動操作スイッチ
第 16 図
アンプ
フォトヘッド
サーボジェッド
圧油
アナログ形
位置発信器
操作シリンダ
戻油
第 17 図
7
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九 州 出 張 所
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FAX(093)551-5701
QI0206.5
May 2014 Printed in Japan