ST 北見彰男のお口の豆知識コーナー第二回目

ST 北見彰男のお口の豆知識コーナー
【プロフィール】
上智社会福祉専門学校介護福祉士科卒業。
両親の介護をきっかけに、特別養護老人ホームに
て介護福祉士として13年間勤務。その経験から高
齢者の住まいには言語聴覚士が必要と思い、東京医
薬福祉専門学校・言語聴覚士科(夜間部)入学。卒
業後、病院リハビリ科に勤務し現在に至る。
「嚥下機能低下の防ぎ方」
~しゃべる事は「ウォーキング・歌うことは「ランニング」~
人の体は、歩くことで心肺機能、骨格筋肉、内臓などの諸機能を健全にするために維持されているように、口から
食べる事が食べる能力の維持につながります。
実は、50歳前後から飲み込む力が少しずつ弱くなると言われています。飲み込みの力(嚥下機能)の低下を防ぐた
めに、口の日常トレーニングがとても大切です。今回、ご自宅でできる日常トレーニングをご紹介致します。
食べる時には様々な筋肉が動きますが、主に使われるのは顔と舌と喉の筋肉です。
食べる事以外にその筋肉を使う場面としては「しゃべる」「歌う」といった動作があります。しゃべることや歌う
事で口と舌を動かし音を作り、口の中を活動させる事で唾液の分泌につながり、また音程をコントロールする時には
喉の筋肉を使い、歌の合間の息継ぎも呼吸の運動にもなり咳払いの強さにつながります。
カラオケやテレビ番組に併せて声を出して歌うのはリハビリにもなります。好きな曲を歌えば、ストレス解消にも
なります。そして、カラオケで大声を出して歌うことは、ドーパミンが放出され気分転換になるだけでなく、口周り
の筋肉を鍛え嚥下障がいの予防治療効果が期待出来ます。カラオケは、楽しみながら嚥下予防につながる手軽なリハ
ビリです。また、誰かとおしゃべりする事など『声を出す』ことは、日常できる嚥下トレーニングになります。
次回は…「人が食べる仕組みとは?」をお届け致します。
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