第1章 合成紙について 合成紙とは 合成紙はその開発の歴史的経緯から、多くは石油から作られる合成樹脂を主原料として製 造されていますので、当然プラスチックフィルムに似た特性を持っていますが、外観は木 材パルプから作られる一般の 紙 に非常に良く似ており、更には物性も 紙 に似た特性 を兼ね備えたものが多くあります。 合成紙の定義は明確になっておりませんが、従来は一般的な理解として「合成樹脂を主原 料として製造され、その特徴を残しつつ木材パルプを主原料とした 紙 の持つ種々の性質 ̶̶特に白さや不透明性などの外観と広範な印刷・加工性能̶̶を付与した製品」と言わ れていました。 しかし近年に登場した「合成紙」では上記の定義を超える商品があり、例えば一般の紙と プラスチックフィルムとを組み合わせた商品も印刷業界では「合成紙」と言われており、合 成紙の定義は極めて曖昧になっています。従って、現在では合成紙と呼ぶよりも個々の商 品名で理解するほうが一般的となっています。 合成紙の歴史 日本では高度成長下での用紙需要の急増、パルプ資源の将来に対する不安感と石油化学の 将来の明るさの点から、昭和43年(1968年)5月に科学技術庁(当時)資源調査会の「合成 紙産業育成に関する勧告」が出され、関連業界に大きな合成紙ブームをひき起こしました。 数十社が研究開発に取り組み、各種の製造方法が考案され、フィルム法合成紙として6社が 商業生産を開始しました。 しかしながら初期の合成紙は印刷性能、紙加工性能に弱点があり多様な紙用途への参入を 試みながら十分な市場が形成される前に、昭和48年(1973年)、54年(1979年)の2度 の石油危機によって状況は一変し、石油・石油化学製品の大幅な価格上昇と経済の停滞に よる用紙需要の低迷により合成紙は大きな打撃を受け、多くが撤退を余儀なくされました。 このような変遷を経て、日本をはじめ世界で数社のメーカーによって合成紙の性能向上と 合成紙の特性を生かした「ニッチ用途」への展開を中心に合成紙市場の拡大が進められて きました。紙と樹脂フィルム両素材の特徴を併せもつ合成紙は新しい機能を持つものとし て多方面に利用される素材に成長し、高級紙の一端を担う素材として広く認知されていま す。近年は印刷されることを目的としない特殊な用途にも使用され、合成紙の定義があて はまらない「特殊な樹脂フィルム」に拡大し、新たに参入するメーカーもでてきており、合 成紙の更なる発展が期待されています。 1 合成紙の種類と製造法 ② スパンボンド紙 この製法は合成樹脂を溶解し、ノズルから噴射して合成繊維と同じように紡糸したエ ンドレスの繊維をランダムに並べ、部分的に熱接着させて繊維間結合を持たせたもの 樹脂系合成紙を製造法から見るとフィルム法合成紙とファイバー法合成紙に大別されます が、現在ではフィルム法合成紙が主流となっており、外観の紙らしさを付与する各種の方法 が考案されています。 フィルム法合成紙 です。紙的な白さや不透明性は繊維自体の光散乱と、繊維間のからみ合いにより生じ る空隙のための乱反射によって得られます。特徴としては強度が非常に強いが平滑性 が低く、筆記性や印刷性がやや劣ります。 世間一般の分類としては 不織布 の範疇に入りますが、製品によっては 合成紙 とし ても市場で受け止められ、他の合成紙などと競合しているものとして、日本でも輸入販 売されているDUPONT社「TYVEK」 (PE)があります。 ① 内部紙化方式 合 成 樹 脂に充 填 材 および添 加 剤を加えて 混 合し、押し出し機 で 溶 融 混 練 後 、ダイ・ スリットから押し出して成膜する方法です。この方式にはダイ・スリットから押し出さ れた比較的薄い溶融樹脂を、そのまま冷却固化して製品化する無延伸フィルム方式と溶 融樹脂を一旦冷却後、再び軟化温度まで加熱して縦および横方向に延伸して成膜化す る二軸延伸フィルム方式に分けられます。二軸延伸フィルム方式では延伸時にフィルム 内部に微細空孔(ミクロボイド) を生成させるものと空孔のないものとがあります。 無延伸フィルム方式の代表例は上総化成(株)の「P Pホワイト」など、ミクロボイドを生 フィルムラミネート法合成紙 従来の紙をベースにして表面にフィルムをラミネートする事で、紙の持つ耐水性、機械的 強度の弱さを補強する方式です。フィルムに微細な空孔を設けることで印刷性能を紙に近 似させます。中心層が紙であるため、フィルム法合成紙に比べて耐水性や強度は劣ります。 この方式の代表例は日本製紙パピリア(株)の「オーパー」があります。 成させる二軸延伸フィルム方式の代表例はユポ・コーポレーションのユポ®があり、PPG 社(米国)の「TESLIN」、NANYA社(台湾)の「PEPA」や東洋紡(株)の「クリスパー」 (PET樹脂を使用)などもこれに該当します。 ② 表面塗工方式 プラスチックフィルム(上記の内部紙化方式合成紙も含めて)の表面に通常のコート紙と 同様にピグメント塗工層を設けることにより、白さ、不透明性、筆記性、印刷適性を付与 する方式です。基材に一般的透明フィルムを使用した代表例は日清紡ペーパープロダ クツ (株)の「ピーチコート」であり、内部紙化方式合成紙を基材とした例はArjobex社の 「POLYART」が有ります。 ③ 表面処理方式 合成樹脂フィルムの表面を化学的もしくは物理的に処理して筆記性、印刷性、不透明性 などを付与する方式です。 ファイバー法合成紙 ① 合成パルプ紙 合成樹脂を原料にして作られた樹脂ファイバーをパルプ代わりの原料とし、バインダー などを加えて通常の抄紙機で製紙される合成紙です。東海パルプ(株)の「イレブン」が これに該当します。 2 第1章│合成紙について 3 ユポ®について 第2章 ユポ®の構造 ユポ®の基層は縦及び横方向に延伸配向され、主に強度や剛性などの機械的特性の面を受 け持っているのに対し、ユポ ®の表裏を構成する表面層は横方向にのみ延伸配向された紙 状層となります。すなわち、この延伸工程において生成された多数のミクロボイドによっ ® ユポ の製造法 て光が乱反射し、高い白色度と不透明度が得られ、さらには印刷や筆記性なども向上して 紙的な特性が付与されます。 ユポ はフィルム法合成紙であり、主原料はポリプロピレン樹脂で、これに無機充填剤と少 また、多数のミクロボイドによって比重が下がり、これがユポ®の軽量化に寄与しております。 量の添加剤を加えたものを原料として、原理的には先に述べた二軸延伸フィルム成形によ なお、基層は縦・横二方向に配向していますが、表裏の紙状層は横方向にのみ配向してお りミクロボイドを発生させながら成膜されたものです。最も特徴的なのは製品厚さの厚い りますので、ユポ®には方向性があります。 ® 物から薄い物まで、ベースとなる基層とその両表面に積層された紙状層とで構成され、多 層構造になっているということです。この製造工程は、 《図-1》のフローシートに示す通り 《図-2》にユポ ®の構造図を、また《図-3》にはユポ ®及びコート紙、上質紙の表面 ・ 断面の 電子顕微鏡写真と表面の三次元形状図を掲げます。 ® です。この特異的なユポ の製造方法は当社独自の技術によるもので、構造と共に、日本を はじめ欧米各国で多数の特許が成立しております。 《図-2:ユポ®の構造図》 《図-1:ユポ®の製造プロセス》 CD (幅方向) MD ) 向 れ方 (流 表面亀裂(ミクロボイド) 表層 表層 基層 ミクロボイド 《図-3:電子顕微鏡写真と三次元形状図》 ※ 1 縦延伸…進行方向(流れ方向)への延伸 4 第2章│ユポ®について ※2 横延伸…進行方向の直角方向(幅方向)への延伸 5 《表 -2:ユポ ® 加工品及びアルファユポ ® の各種グレードと特長》 品 ® ユポ のグレード ユポジェット 名 グレード名 ® (インクジェット用) ユポ®は市場の種々なニーズに応えて、以下の数多くのグレードを取り揃えております。 OYコート 《表-1:ユポ®の各種グレードと特長》 VJFP 120、170、190 XAB 1020 VJFE 145 WNJP 180 VAFW 105、120、 (一般オフセットインキ対応/特殊コート品) 品 名 グレード名 スーパーユポ ® FRB 110、130 (一般オフセットインキ対応/片面印刷用) FRR 70 ウルトラユポ ® FEB ® (ユポ 用インキ・速乾タイプ) 95、110 130、150 (油性・UVオフセット用※) 200、250 ニューユポ FEBA 300 FGS 60、80、95、 (紙粉改良品/油性・UVオフセット用) 110 130、150、 200 250、300 ユポ ® イッパン ® ノンコートのユポ で、−般インキが使用可能になりま した。溶剤成分による基材のアタック(ボコツキ)も なくなり、乾燥時間も大幅に短縮でき、光沢性もアッ プ。色の再現性も優れ、ポスター等に最適です。一般 ® インキからユポ 用インキヘのインキ替えが不要で、作 業もスムーズに。 ® ユポ 用インキ使用で両面印刷可能な乾燥時間を短縮 する新世代の標準合成紙。表裏が同じ紙状層でイン キ乾燥が速く、色再現性に優れた光沢感ある印刷上 がりを得られます。 ※UVオフセットの場合はエッジピックにご注意ください。 紙とプラスチックの特性を兼ね備えたFGSは合成紙の代 名詞として幅広く使用されています。表裏とも同じ紙状層 からなり、耐水性に優れ、紙に近い風合いや筆記性が付与 されています。 ® F P Gの紙粉レベルを改善し、ユポ の持つ品質特性を 最大限に活かしたグレードです。油性オフセット印刷 はもちろん、UVオフセット印刷にも優れた印刷適性を 有しています。 60〜300(同上) 印刷性はUVオフセットには適性を欠きますが、油性オフ セット適性は優れています。 TPRA 60、90 半透明の細やかな均一性を持つ合成紙で、撮影用スク リーンや光反射シートなどに利用されています。印刷には 注意を要します。 (半透明グレード/油性・UVオフセット用) ユポ ® 電飾用紙 BCR 160 (半透明グレード/油性・UVオフセット用) BLR 150 ユポ ® カード用紙 KAS 200 135 長 FPG (汎用品) ユポトレース ® 特 電飾看板用の専用紙として必要な不透明性と剛性の付与 を品質ポイントにして開発したグレードです。 紙状層の表面強度が強く、適度な厚さと腰の強さでカード 用途に使用されます。 印字用ユポコート 片 VIF 70、90、120、140 VIS 90、120 VIFW 115 上用紙 VCA 65 中用紙 VCB 65 下用紙 VCC 65、350 VES 85、115 VEK 205 両 ユポ ®カーボンレス 面 面 熱転写用ユポコート ® (一般オフセットインキ対応) WKFS ユポ ・ サクション (インクジェット用/水性顔料インキ用) WKJ タック ® (吸着シート) (インクジェット用/低溶剤インキ用) XAD クロスユポ (シール用原紙) (シール用原紙/熱転写印字可能品) ユポ ® ハイグロス 静電気で吸着するグレードです。 シングル WNF 135 ダブル WNFW 200 F P Gと合成繊維(クロス)の貼合品です。優れた強 靱性を持ち、ミシン縫や針金通しなどの加工適性があ り、垂れ幕や看板などの大型印刷物の用途に最適で ® す。WNFWはクロス両面にユポ を貼合しています。 印刷性はFPGと同等です。(※) WMF 120 FPGの片面を金属光沢調に加工したグレードです。(※) WSF 110、160 FPGと和紙的風合いを持った不織布との貼合品です。 引裂強度が優れ、のれんや垂れ幕などの縫製用途に活 かせます。印刷性はFPGと同様です。(※) WCFA 125、195 印刷物の裏抜け防止を重点に品質設計されたグレードです。 遮光性を要求される両面印刷に適しています。 WFP 400、500 FPGの貼合品で、厚さや腰の強さが要求される用途に 適します。印刷性はFPGと同等です。(※) QJJ 350、400、500 ユポ の特性を活かした軽くて丈夫な厚手合成紙で す。厚さのバラエティが豊富で、350〜500μmまで 対応。商品の軽量化ができます。Q F Fは油性速乾品、 QTYRは片面グロス品、RMMは半透明品です。 ® (不織布貼合品) コンシールユポ ® ® ユポ の裏面に吸水性をもたせた、グルーラベル・感熱 用グレードです。 厚手ユポ SGS 60、80、110 印刷性を持つ表面と、強度の強い裏面層で構成され、主に タック原紙として使用されています。 アルファユポ ® 一 (厚手品) 速乾タイプ QFF 350、400 片面グロス QTYR 350 半透明 RMM 400 エコロジーアルファユポ QJJE 350 回収原料を使用した環境対応グレードです。 OKクリーンペーパー YAA* 64g/㎡、72g/㎡ クリーンルーム用の無塵紙として、またインクジェッ ト、インパクト、熱転写などのプリンター、コピー、及 び印刷に使用可能です。なお、 *は色を表します。 (B:ラ イトブルー、W:ホワイト、G :ライトグリーン、Y: ライトイエ ロー、P:ライトピンク、V:バイオレット) SGP 80、110 熱転写印字も可能なタック原紙です。 GFG 110 片面を高光沢に仕上げたもので、美しい艶のある表面が 要求される印刷物には最適です。反対面はFPGと同じ表 面を有しています。印刷性はFPGと同等です。(※) KPK 80 紙状層の表面強度を高めたグレードで、家具類等の表面 化粧紙や壁紙、更には強度が要求されるラベル等に適し ています。オフセット印刷には不向きです。 ※ FPG面の印刷性はUVオフセットには適性を欠きますが、油性オフセット適性は優れています。 詳しくは「P.17、表-13、グレード別オフセット印刷適性」を参照ください。 第2章│ユポ®について 貼ってはがせる吸着シート。 ® WKFSの印刷面はスーパーユポ タイプです。 135 般 (含浸紙ベース・再生処理対応・クリーンペーパー/PPC用紙) ※OKクリーンは王子ホールディングス (株)の登録商標です。 6 溶融熱転写のプリンターに対応しています。VESは粘 着加工用です。(受注生産になります。) 75、95 (片面グロス) ユポ ® 建材用紙 複写紙用の用途に対応しています。 LAR (グルーラベル・感熱ラベル対応品〈吸水機能付〉) ユポタック ® 原紙 V I FはF P Gに、V I SはS G Sに特殊なコートを施して います。ドットや溶融熱転写(W A Xリボン)プリン ター、水性ペンの用途に対応しています。また、VIFは フォーム印刷用途に適します。(VISは受注生産になり ます。) 1053 (不透明度100%/油性・UVオフセット用) アクアユポ ® FPGの両面に特殊なコート層を施しています。アート紙や コート紙のように一般の紙用インキを使用してオフセット 印刷ができます。 WES メタリックユポ(アルミ蒸着品) ハイティアーユポ ラージフォーマットインクジェットに対応しています。 VJFPは水性顔料インキに適しています。VJFEは低溶 剤インキ対応です。X A B1020は水性染料顔料共用 タイプです。WNJPは垂れ幕や看板用途対応で合成繊 維(クロス)との貼合品です。 1058 ® ® 250 長 XAD (HP Indigo用) ユポ静電吸着 340 特 ® *:FPG面の印刷性はUVオフセットには適性を欠きますが、油性オフセット適性は優れています。 詳しくは「P.17、表-13、グレード別オフセット印刷適性」を参照ください。 7 《表-3-(1) :ユポ®のグレード別一般物性(測定値代表例)》 FRB 厚さ 坪量 密度 μm g/m2 g/cm3 白色度 不透明度 % % 《表-3-(2) :ユポ®のグレード別一般物性(測定値代表例)》 光沢度 引張強さ 伸び 引裂強さ % 表/裏 kN/m MD CD % mN クラーク剛度 表面固有抵抗 MD CD MD CD S値 MD CD 11 110 110 88.0 0.80 98 96 53/22 4 14 91 26 360 200 48 80 9×10 > 130 130 102.7 0.79 98 97 53/22 5 16 93 24 450 230 64 111 9×10 > 70 56.7 0.82 98 90 51/21 3 9 110 31 222 124 21 34 表 : 9×10 > 裏 : 9×1011> FEB 95 95 73.2 0.77 98 96 49 5 13 115 29 300 180 39 65 9×10 > 110 110 84.7 0.77 98 96 49 6 14 121 27 380 230 50 85 9×10 > 11 11 130 130 100.1 0.77 98 97 48 7 17 121 27 500 290 65 118 9×10 > 150 150 115.5 0.77 98 98 47 7 20 125 27 610 350 81 150 9×10 > 0.79 98 99 46 9 26 125 26 990 450 129 247 9×10 > 250 250 200.0 0.80 98 99 45 12 33 134 26 1,430 670 196 403 9×10 > 300 300 234.0 0.78 98 99 44 12 40 102 28 3,320 830 301 571 9×10 > 60 65 51.4 0.79 96 88 18 3 6 99 25 160 110 14 19 9×10 > 80 80 61.6 0.77 96 90 19 4 10 106 32 210 140 20 29 9×10 > 95 95 73.2 0.77 96 93 19 5 12 112 28 270 180 27 42 9×10 > 110 110 84.7 0.77 96 94 19 6 14 115 28 340 220 35 59 9×10 > 130 130 100.1 0.77 96 95 19 7 17 118 30 450 260 57 93 9×10 > 150 150 115.5 0.77 96 96 19 8 20 119 27 570 300 74 132 9×10 > 200 200 158.0 0.79 96 98 20 10 29 128 30 930 450 126 236 9×10 > 250 250 200.0 0.80 96 99 20 10 32 147 30 1,380 590 215 368 9×10 > 300 300 234.0 0.78 96 99 20 11 34 125 27 1,720 720 291 513 9×10 > 60 60 47.4 0.79 96 87 16 3 9 96 23 170 90 11 23 9×10 > 80 80 61.6 0.77 96 90 17 4 12 110 24 240 140 21 43 9×10 > 95 95 73.2 0.77 96 92 17 5 14 114 25 290 170 31 59 9×10 > 110 110 84.7 0.77 96 94 17 6 16 115 26 370 200 39 77 9×10 > 130 130 100.1 0.77 96 95 17 7 18 121 26 470 250 57 110 9×10 > 150 150 115.5 0.77 96 96 17 8 21 123 25 590 310 76 142 9×10 > 200 200 158.0 0.79 96 98 16 11 29 127 25 940 450 128 261 9×10 > 250 250 200.0 0.80 96 99 15 11 33 148 28 1,410 590 214 389 9×10 > 300 300 234.0 0.78 96 99 15 12 36 130 26 1,760 740 283 565 9×10 > 60 60 60.6 1.02 91 30 12 4 9 173 43 230 140 13 17 9×10 > 90 90 91.8 1.02 91 39 14 6 14 166 38 380 230 30 42 9×10 > BCR 160 160 153.0 0.96 94 63 32 11 29 170 20 1,080 460 95 183 9×10 > BLR 150 150 153.0 1.02 92 63 14 11 27 181 33 880 480 82 132 9×10 > KAS 200 200 194.0 0.97 93 94 13 10 30 179 36 1,390 560 172 265 9×10 > LAR 75 75 60.8 0.81 98 95 40/25 3 10 126 23 201 100 17 33 表 : 9×1012> 裏 : 9×1013> 95 95 76.5 0.81 97 95 40/26 5 12 124 26 310 170 30 50 表 : 9×1012> 裏 : 9×1013> 60 60 48.6 0.81 96 85 21/52 3 10 98 21 190 110 12 27 9×10 > 80 80 66.4 0.83 96 89 22/50 4 14 111 21 280 160 19 45 9×10 > 110 110 91.3 0.83 96 92 22/49 6 20 123 21 460 220 34 86 9×10 > 測 定 方 法★ JIS JIS JIS JIS JIS JIS P 8118 P 8124 P 8118 L 1015 P 8149 P 8142 準拠* ★:記載試験方法に準ずる。 JIS P 8113 JIS P 8116 但し * は JIS K 6732 % % 光沢度 引張強さ 伸び 引裂強さ % 表/裏 kN/m MD CD % mN MD CD MD CD クラーク剛度 表面固有抵抗 S値 MD CD Ω 11 96 89 5/6 4 14 111 21 280 160 19 45 9×10 > 110 110 91.3 0.83 96 92 6/7 6 20 123 21 460 220 34 86 9×10 > GFG 110 110 86.9 0.79 96 94 90/17 6 18 112 21 400 220 40 90 9×10 > KPK 80 80 81.6 1.02 93 71 13 4 12 176 36 370 180 24 36 9×10 > 11 測 定 方 法★ JIS JIS JIS JIS JIS JIS P 8118 P 8124 P 8118 L 1015 P 8149 P 8142 準拠* JIS P 8116 但し * は JIS K 6732 JIS P 8113 11 11 JIS JIS P 8143 K 6911 ★:記載試験方法に準ずる。 *:光学系は JIS Z 8722 に規定するもの使用。 注) この値は当社測定値の代表例であり、保証値ではありません。また、品質改良のため予告なしに変更することがあります。 11 《表-4:ユポ®加工品及びアルファユポ®のグレード別一般物性(測定値代表例)》 11 11 厚さ 坪量 密度 μm g/m2 g/cm3 白色度 不透明度 % % 11 光沢度 引張強さ 伸び 引裂強さ % 表/裏 kN/m MD CD % mN クラーク剛度 表面固有抵抗 MD CD MD CD S値 MD CD Ω 11 105 105 94.6 0.95 97 95 31 4 11 115 18 330 160 39 49 9×10 > 11 120 115 106.2 0.94 97 95 29 5 14 105 22 390 190 48 63 9×10 > 11 135 132 117.7 0.94 97 96 29 6 16 115 22 510 230 64 82 9×10 > 90 90 71.6 0.81 96 93 2/17 5 12 115 20 280 160 18 38 9×10 > 11 VAFW 11 11 11 11 VIF 11 VIFW 115 115 93.2 0.88 96 93 2/2 5 14 110 21 270 170 37 65 9×10 > 11 WKFS 340 320 210.0 0.63 93 97 − − − − − − − − − − 11 WKJ 250 220 156.0 0.71 − − − − − − − − − − − − 11 XAD 1053 210 166.0 0.74 − − − − − − − − − − − − 1058 220 164.0 0.75 − − − − − − − − − − − − 11 11 11 WES 135 134 116.0 0.86 − − − − − − − − − − − − 11 WNF 135 134 101.2 0.75 96 60 17/5 9 16 51 23 6,460 5,290 44 59 9×10 > 11 WNFW 200 201 155.0 0.78 96 96 17/17 12 25 56 26 4,730 4,100 13 205 9×10 > 11 WMF 120 123 106.3 0.86 -/95 8 18 105 23 680 490 68 107 9×10 > 11 WSF 110 107 70.0 0.65 96 88 10/16 4 8 80 18 830 892 13 23 9×10 > 160 159 110.0 0.65 95 94 10/17 7 16 125 21 1,650 1,670 33 72 9×10 > 125 123 104.0 0.83 88 100 16 7 19 135 33 490 270 46 89 9×10 > 195 190 150.0 0.82 91 100 18 10 25 150 26 960 500 109 210 9×10 > 11 11 WCFA 11 100 100 < /16 11 11 11 11 11 11 11 11 11 WFP 500 500 409.6 0.82 95 100 15 21 52 185 17 4,080 1,820 300< 300< 9×10 > 11 QJJ 350 350 340.0 0.97 95 97 20 − − − − *36N *41N 300< 300< 9×10 > 11 400 400 390.0 0.98 95 97 20 − − − − *44N *50N 300< 300< 9×10 > 11 500 500 492.9 0.99 95 98 19 − − − − *60N *66N 300< 300< 9×10 > 350 350 353.0 1.01 96 96 51 − − − − *35N *45N 300< 300< 9×10 > 400 400 414.0 1.04 96 98 51 − − − − *42N *53N 300< 300< 9×10 > 300< 300< 9×10 > QFF 11 QTYR 350 350 353.0 1.01 93 96 87/20 − − − − *35N *40N 11 RMM 400 400 396.0 0.99 90 78 14 − − − − 2,607 2,450 − − 11 11 11 11 11 11 11 9×10 > 11 JIS JIS P 8143 K 6911 *:光学系は JIS Z 8722 に規定するもの使用。 注) この値は当社測定値の代表例であり、保証値ではありません。また、品質改良のため予告なしに変更することがあります。 第2章│ユポ®について 白色度 不透明度 0.83 11 158.0 SGS g/cm3 66.4 11 200 TPRA 密度 g/m2 80 11 200 FPG 坪量 μm 12 70 FGS 厚さ 80 SGP 11 FRR FEBA 8 Ω 測 定 方 法★ JIS JIS JIS JIS JIS JIS P 8118 P 8124 P 8118 L 1015 P 8149 P 8142 準拠* JIS P 8113 JIS P 8116 但し * は JIS K 6732 JIS JIS P 8143 K 6911 ★:記載試験方法に準ずる。 *:光学系は JIS Z 8722 に規定するもの使用。 注) この値は当社測定値の代表例であり、保証値ではありません。また、品質改良のため予告なしに変更することがあります。 9 ® ユポ の基本物性 ⑥ 帯電防止性能 プラスチックフィルム固 有 の 短 所ともいえる帯 電 性 の 問 題 は当 社 独 自 の 技 術 でカ バーしていますので、一般的な使用状況での静電気によるトラブルはほとんど発生して ① 印刷適性 いません。 ユポ®表面は紙状層が形成され、白色度、不透明や平滑性などの紙素材としての特性が 付与されていますので、一般のプラスチック系フィルムにはない鮮明な印刷効果が得 られます。 ・ 室内湿度が低い(40%以下)場合に静電気トラブルが発生することがあります。 (例えば給紙不良、紙の不揃え、塵や紙粉の付着など) ・ ユポ ® 表面がインキで覆われた場合はインキが帯電しやすいので静電気トラブルが 標準品のF G S、F P Gは光沢がやや低く、印刷仕上がりはマット調となりますが、別にグ 発生することがあります。 ® ® ロス (セミグロス)系の、 スーパーユポ(FRB/FRR) 、 ウルトラユポ(FEB/FEBA) 、ユポ®ハ 《図-4:相対湿度と静電気特性》 イグロス(G F G)、金属的な光沢を有するメタリックユポ(W M F)などを品揃えし、幅広 1014 い用途の対応に努めております。 例:FGSの場合 ユポ ®はほとんどの印刷方式に適応できますが、グレードにより限定される場合があり 一般の紙より長くかかりますので、注意が必要です。また、インキはユポ®用インキの使 用をおすすめしております。 ® (詳細は「ユポ 印刷マニュアル」をご覧ください) ® なお、スーパーユポ(FRB) とOYコートは通常の紙用インキで印刷ができ、一般のコー 表面固有抵抗 ます。例えば、オフセット印刷の場合、ユポ®はインキの吸収がほとんどなく、乾燥時間が 1013 1012 1011 (Ω) 中間域 1010 ト紙に近い印刷適性を有しています。 (OYコートは表面に特殊なコートを施してありま ® す。また、スーパーユポ(FRB) のオフセット印刷については「スーパーユポ®カタログ」 危険域 109 安全域 をご覧ください) 30 ② 接着剤適性 一般のプラスチックフィルムに比べると、広範囲の種類の接着剤が使用できます。 被接着基材が紙や合板などのように吸湿性のある場合には、酢ビ系、E V A系エマル ジョンなどが使用できます。一方、ユポ®とユポ®あるいはユポ®と金属板などのような非吸 収材との接着の場合は、ホットメルト系や溶剤系の糊、またはE V A系エマルジョンが使 用可能です。なおエマルジョン系の糊の場合は乾燥時間が長くかかりますので、あらか じめ考慮して頂く必要があります。 (詳細は「ユポ®接着剤マニュアル」をご覧ください) ③ 強度・耐久性 引っ張り、折り曲げ、衝撃などに対する破れにくさは一般の紙のレベルをはるかに超え ており、耐久性も優れています。従って、紙の強度が要求される垂れ幕などの大型掲示 物や建材用途あるいは反復折り返しがなされる地図などの用途に非常に適します。 ただし、引裂強度についていえば、引裂開始抵抗(端抵抗)は非常に大きく、引き裂き 伝幡抵抗(内部引裂抵抗)は小さいという特性があります。これは二軸延伸フィルム方 式の特徴のひとつです。すなわち、突起物などによって傷が入ったり、端部のノッチに よってユポ®は容易に破断することがあるので、ご注意ください。 ④ 平滑性 厚みムラが少なく物性的にも安定しており、また、表面が均一で滑らかであるため、ラ ミネート、コーティングなどの加工仕上がりは良好です。 ⑤ 低密度・軽量 標準グレードのFEB、FEBA、FGS、FPGの密度は0.8(g/㎤)前後で、同一厚さのコート 紙と比較して、約2/3の軽さです。 40 50 60 70 80 90 相対湿度 (%) ⑦ 耐油性・耐薬品性 一部の薬品を除いて、酸、アルカリ、有機溶剤、油などの薬品類に浸されても、品質の 劣化はほとんどなく、用途の多様性に備えています《表-5参照》 《表-5:耐薬品性(25℃/100時間浸漬)》 項 目 寸 法 耐アルカリ性 (10%NaOH) A (10% NH4OH) A 耐酸性 (5% 酢酸) A (10% 塩酸) A (38% 硫酸) A 耐溶剤性(エチルアルコール) A (アセトン) A (メチルエチルケトン) A (酢酸エチル) A (トルエン) B (エチレングリコール) A 耐油性 (サラダオイル) A (ラード) A (ガソリン) A (軽油) B (エンジンオイル) A (鉱油) B その他 (水) A (飽和食塩水) A (中性洗剤) A 重 量 A A B B A A A A A A A B B A C B C A A A 引張強度 A A A A A A A A A A A A A A B A B A A B 外 観 A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A: 殆ど変化なし。B: 僅かに変化。C: やや変化。 10 第2章│ユポ®について 11 ⑧ 耐水性 プラスチックが原料ですので、耐水性に優れています。水に濡れても強度の低下や形 状及び寸法の変化はほとんどありません。 ⑨ 耐候性 日光、風雨にさらされても変色の程度は極めて少なく、ウェザーオーメーターによる約 ⑬ 気体透過性 一例として酸素ガスの透過性を《表-8》に示しますが、ユポ®の気体透過性はプラスチック としては一般的なレベルです。 高度なガス遮断性が要求される場合には、遮断性フィルムとの貼合が必要です。 例えば、透明蒸着フィルムとユポ®を貼り合わせる方法があります。 1,000時間の紫外線照射では、外観や強度の変化はほとんど認められないという結果 《表- 8:ユポ®の酸素透過性(測定例)》 が得られています。 ® ただし、ユポ 加工紙の一部で耐候性が劣るグレードがありますので、使用にあたって は事前にご相談ください。 ⑩ 低発塵性 IC、LSIなどを製造するクリーンルームで使用する無塵紙として優れた適性を有します。 《表-6参照》 グレード FGS FGS FGS FGS SGS KPK 測定法 単位 60 80 130 200 80 80 JIS K 7126B mol/m ・s・Pa ml/m2/24Hrs./atm. -14 620×10 1,210 -14 800 410×10 -14 520 265×10 -14 460 235×10 -14 940 480×10 -14 540 275×10 2 《表-6:ユポ®の発塵性比較(測定例)》 発塵量(0.3μm 以上個 /0.02CF) 揉み 擦り 5 21 2 3 780 4,700 試 料 FGS 80 YAAB 64 PPC 複写用紙 測定方法:クリーンベンチ内で以下の試験を行い、試験時の空気0.02c fを吸収し、パー ティクルカウンターで塵を測定する。 揉 み:A4サンプル1枚の両短辺を持ち、1回5秒の割合で2分間揉み合わせる。 擦 り:14c m X14c mのサンプルを擦り試験機の回転板および固定板に表と裏が重 なるように取り付け、2分間擦りあわせる。 (回転板のスピード500rpmトルク1kg・cm) ⑭ 高温特性(熱収縮) ユポ®は主原料がポリプロピレン(融点165℃近辺)の延伸フィルムのため、高温にさら されると収縮さらには溶融することがあります。例えば熱定着型のP P C複写機では定 着に高温処理が施されますが、ユポ ®を使用するとユポ ®が溶融し、 トラブル発生の原因 になります。PPC複写紙としてのご使用は避けてください。 なお、熱収縮率は温度と時間の関数ですので、高温下であっても極めて短時間であるな らば収縮は少なくて済みますが、比較的低い温度でも長時間放置すれば、寸法変化が大 きくなることがあります。 使用面…… ユポ ®をフリー状態のまま高温雰囲気中に置きますと《表-9》のように熱収 縮を生じます。一般に、M D(縦)はC D(横)に比べて収縮は大きい傾向に ⑪ 筆記適性 ユポ ®は各種筆記具(油性ボールペン・油性サインペン、マジック、鉛筆など)で書くこと ありますが、120℃以下であれば、大きく変化することはまずありません。 また、糊付けのように固定しているケースでは、寸法変化は極めて小さく、 ができます。ただし、水性ペンではユポ ®コート品以外は、乾燥が遅いのでおすすめで 例えば1時間くらいのボイル滅菌を行うハムラベルなどの用途では、その熱 きません。なお、鉛筆筆記性はグレードにより異なりますので、事前にテストしてくだ 収縮は実用上の問題にならないレベルであり、実績があります。しかし、極 さい。 めて高い寸法精度が要求される場合には、予め注意して頂く必要がありま すので、用途毎にご検討ください。ユポ ®は40℃位までは膨張し、それ以上 ⑫ 防湿性 ユポ®は優れた防湿性を示し、また、ピンホールの発生もほとんどなく、防湿資材や包装 では収縮します。 資材として使用することができます。 《表-7参照》 《表-9:ユポ®の加熱収縮率(測定例) (120分)》 《表-7:ユポ®の水蒸気透過性(測定例)》 グレード FGS FGS FGS SGS KPK 測定法 単位 60 80 130 80 80 JIS K 7129(40℃ /90%RH) g/m2/24Hrs. 4.7 3.5 2.1 3.5 2.3 グレード 温度 60℃ 80℃ 100℃ MD CD MD CD MD CD FGS 80 0.2 − 0.1 0.6 0.0 1.0 − 0.1 200 0.1 − 0.1 0.2 − 0.1 0.8 0.0 SGS 80 0.2 0.0 0.4 − 0.1 1.1 0.3 KPK 80 0.1 − 0.1 0.4 0.0 0.6 0.0 (※ 測定法:JIS K 7133 準ずる / 単位:%) 12 第2章│ユポ®について 13 ⑮ 温度による寸法伸縮(熱膨張) ユポ ® の-20℃位から40℃位までの常温付近での寸法変化は熱膨張によって起こり MEMO ................................................................................... ます。 《表-10:ユポ®の熱膨張係数(測定例)》 6.7×10 - 5/ ℃ 2.1×10 - 5/ ℃ MD CD ⑯ 低温特性 二軸延伸によりポリプロピレン分子が配向されていますので、 −40℃位までは著しい 強度変化はありません。 《表-11参照》 《表-11:ユポ®の低温に於ける引張強度(測定例)》 グレード 温度 23℃ 0℃ -40℃ MD CD MD CD MD CD 80 3 7 3 8 4 8 FPG 130 07 18 08 20 08 20 200 10 29 10 29 10 29 SGS 80 04 13 05 14 05 15 (測定法:JIS P 8113 準ずる / 単位:kN/m) ⑰ 方向性 基層は縦、横二方向に分子配向していますが、表裏の紙状層は横方向にのみ配向してま を持つのはそのためです。 す。ユポ®が横方向に方向性(目) (詳細は二次加工の頁を参照) 注 意 なおユポ ®には前にも述べたようにユポ ®の他にユポ ®を基材として表面 ピグメント塗工、他素材との貼合などの加工を施して得るユポ ® 加工品 があります。これらのユポ ®加工品はユポ ®の特性に新たに特性を付与し たものであるため、品種によってはユポ ®と異なる物性を示すことがあり ます。詳細については当社にお問い合わせください。 ⑱ 易焼却性 無機充填剤が配合され、かつミクロボイド生成による低密度化で体積あたりの発熱量は 低減されており、ポリプロピレンフィルムの約2/3の発熱量です。 《表-12参照》また、 適切な焼却炉により完全燃焼させた場合、ユポ ®は炭酸ガスと水になりますので、塩素 系のガスはもちろん異臭や煤などの有害物質は発生しません。 (第5章を参照ください) 《表-12:ユポ®の発熱量(測定例)》 測定法 単位 グレード ユポ ®FGS ポリプロピレン ポリエチレン ポリ塩化ビニル 上質紙 14 第2章│ユポ®について JIS K 2279 kJ/kg 30,200 44,100 46,200 21,400 14,700 kcal/kg 7,200 10,500 11,000 5,100 3,500 15 第3章 ユポ®の印刷・二次加工について ⑥ ユポ®用インキの使用《表-14参照》 ユポ®は浸透乾燥をほとんどしませんので、酸化重合型のユポ®用インキで印刷してくだ さい。 ①印刷・二次加工については詳細資料を用意しておりますので、ユポ ® のご利用に際してはご一読 ユポ®用インキは紙用インキに比べ、 ・ 乾燥が速く、印刷物の乾燥促進に有効。反面、機上の"しまり"に注意が必要。 ください。 a)ユポ®印刷マニュアル b)ユポ®後加工マニュアル c)ユポ®用接着剤マニュアル ②アルファユポ®、ユポ®加工品グレードは印刷・後加工の適性がユポ®とは異なることがありますので、 ご利用に際してはそれぞれのパンフレットをご一読いただくか、当社にご相談ください。 ・ 溶剤分が少なく、溶剤アタックによるユポ ® の膨潤が殆どない。そのため、印刷物の 凹凸の程度は極めて少なく裏移りしにくい。 ・ インキマイグレーション(裏ゴースト)が少ない。 ・ 乳化しやすく、湿し水の絞りについての注意がより必要。 などの特徴があります。 その他のフィルム用インキ(合成紙用インキ)にはユポ®用に設計されていない場合 ® ユポ の印刷について ユポ ®は多くの印刷方法に適応できる合成紙です。いくつかの印刷方法では条件の選択 などが必要になりますので、必ず「ユポ ® 印刷マニュアル」をご一読のうえ事前に下記の ® /FRR) 注意事項をご理解して、取り進めてください。スーパーユポ(FRB 、ウルトラユポ® (FEB/FEBA)の印刷性能は従来品のユポ®製品と大幅に異なりますので、当社ホームページ より、 「スーパーユポ®カタログ」 「ウルトラユポ®カタログ」をご覧ください。 1 油性オフセット印刷 基本的にはオフセット印刷が可能ですが、良い印刷仕上がりを得るにはいくつかの条件を 厳守していただくことが必要です。また、ユポ ® の一部のグレードはオフセット印刷に適さ があります。 ⑦ 湿し水のコントロール ●ギリギリまで水を絞ってください。 湿し水が多いとインキの過乳化現象で、裏移りや乾燥不良の原因となります。また、 多色機の場合、前胴で余った水は後胴に移り、結果として後胴で水負け現象(インキ 転移不良等)を起こしトラブルとなります。特に1、2胴目の水の管理は重要です。 ●湿し水条件 水を絞ってインキの過乳化を防ぎ、安定した品質の印刷物を得るためには、アルコー ル(IPA)やエッチ液などを「定量添加」することが重要です。 また、IPAやエッチ液などの添加量はメーカー指定の濃度を基準にして適量添加とし、 過剰添加にならないように注意願います。 ⑧ ブランケット仕立て ないのでご注意ください。 《表-13参照》 エアーブランケット/紙又はフィルムの一般的仕立てで、規定どおりの印圧を設定して ① ユポ®の搬入 ください。規定どおりの印圧でインキの転移が不十分な場合は印圧を若干上げてくだ 印刷する24時間前までには印刷室と同条件の雰囲気下に、ユポ ®を開封しないで搬入 してください。冬期は、48時間前をおすすめします。 ② 包装開封 上下2枚は除去してください。 (カールしています。この2枚は表示枚数より多く入っています) さい。 (紙厚に対して10%程度) ⑨ フィーダー条件 ユポ®の番手(厚さ)によりますが、概ね6,000〜8,000枚/Hrで印刷されています。 なお薄手品では順目で印刷をしてください。 (見当合わせが厳しい場合は逆目品で速度 を落としてください) ③ 紙折り 《表-13:グレード別オフセット印刷適性》 厳禁。裏移りの原因になります。 ④ 紙積み 印刷の直前に積んでください。積み高さはFGS130で5,000枚位までが目安です。 風入れは十分に行ってください。 ⑤ 印刷室温湿度 20〜25℃、50〜70%が理想的です。特に冬場の低湿度下(40%以下)では静電気発 生によるトラブルの可能性が大きくなります。 16 第3章│ユポ®の印刷・二次加工について 油性オフ U Vオフ 油性オフ U Vオフ FRB※1 ○/× ×/× SGP※2 ○ ○ FRR※1 FEB/FEBA FGS ○/× ○ ○ ×/× △ ○ GFG※1 VAFW WMF※1 ○/○ ○ ○/○ ×/× △ ×/× 注)印刷前に 「表面/裏面」及び 「印刷面」の確認をしてください。 FPG TPRA BCR BLR LAR※1 SGS※2 ※3 ○ ○ ○ ○ ○/× ○ × △ ○ ○ △/× ○ WSF※1 WCFA WKFS※1 QJJ QFF QJJE △/○ ○ ○/× ○ ○ ○ ×/× ○ ×/× ○ × ○ ○ : 適性がある。 ※1 :「表面/裏面」の適性を示します。 △ : 印刷条件、用途など限定すれば使用可能。 ※2 : 粘着加工紙、印刷面の適性を示します。 × : 適性がない。 ※3 : LAR75は輪転印刷専用となります。 17 ④ 地よごれを起すことがあるので、ガムによる版面保護を励行してください。 《表-14:ユポ®用インキ(酸化重合型インキ)》 ⑤ UVインキの密着強度は印刷直後充分でなくとも経時により徐々に向上します。 DIC T&K TOKA 東 洋 インキ ⑥ U Vランプによる発熱で雰囲気湿度が低下し、静電気トラブルが起こりやすくなります POP-K ベスト-SP TSP-400 ので、印刷機廻りの加湿を行なってください。 ⑦ インキ密着性は印刷物が使用される環境(特に屋外使用)に影響されるので、要求性 ※五十音順(以下同) ⑨ スプレーパウダー 印刷絵柄にもよりますが一般的にはコート紙の50%増しを目安にパウダー量の設定を してください。 能に応じた事前テストで確認ください。 3 通常のパウダーが使用できますが、粗目のものが裏移り防止に効果的です。また、水溶 枚葉活版印刷 ① 通常の活版インキ(浸透型)は使用できません。ユポ ®用オフセットインキ(表-14)をご 性パウダーは追い刷りや両面印刷時に白ヌケトラブルを起こしますので、使用しない 使用ください。 でください。 ② 裏移り防止のためスプレーパウダーを使用するか又は合紙の挿入を行ってください。 ⑩ デリバリー条件 デリバリーでは紙が自然に落ちるように調整してください。 4 ・ 抑えエアーは必要最小限に。 スクリーン印刷(溶剤インキ・UVインキ) 適するグレードはFEB、FEBA、FGS、SGS、KPK、QJJなどです。 ・ サイドジョガーの振り幅をできるだけ小さくする。 ・ 板取りはサイズ、絵柄によって異なりますかが5〜10㎝が一般的です。スノコ取り 風雨にさらされる屋外用途や耐水性の要求される用途には、印刷物をP P貼りなどでラミ ネート加工してください。また、事前テストで確認してください。溶剤乾燥型のインキを使 (セイロ割り)は、絶対に避けてください。 用の場合はインキ密着性の良いニ液タイプのものをご使用ください。 《表 -15:ユポ ® 印刷の乾燥時間例》 ※乾燥時間は絵柄・印刷条件・気候などによって異なります。測定例であり、保証値ではありません。 ・ インキは限定されますので事前に各インキメーカーに相談してください。 色重ね 単 色 2 色 4 色 6 〜 8 時間 7 〜10 時間 10 〜16 時間 ・ ボコツキを避けるためにはできるだけ厚いグレードの使用をおすすめします。 《表-16:溶剤乾燥型スクリーンインキ(参考例)》 ※FGSの場合 詳細は「ユポ®印刷マニュアル」をご覧ください。 オフセット印刷上のトラブルについても「ユポ®印刷マニュアル」をご覧ください。 2 ① 溶剤乾燥型スクリーンインキ…《表-16参照》 UVオフセット印刷 メーカー 十條ケミカル セイコーアドバンス 帝国インキ 東洋インキ ミノグループ 銘 柄 SP、PAS、DRM、アクアセット5100シリーズ ACT、ABS、PPインキ、SG-740 NAN、EG+101、EGR+96、POS、アクアQL、アクアPAW SS-16、SS-66、SSPPNK U-PET、ハイセットG ② UVスクリーンインキ…《表-17参照》 ® UVオフセット印刷に適性のあるユポ としては、17ページ《表-13》を参照ください。 ・ インキは限定されますので事前に各インキメーカーに相談してください。 印刷上の一般的注意点は油性オフセット印刷と同じですが、 UVオフセット印刷での追加注 ・ UVの照射条件によってはインキ密着が甘くなったり、用紙がカールやボコツキを起こす 意点は次の通りです。 ① UVオフセットインキの選択は用途による要求性能をご検討のうえ、各インキメ−カーに ご相談ください。 ② UVインキは油性インキに比べて乳化しやすい傾向にありますので、湿し水の絞りは油 性オフセット印刷時よりもさらに厳しく、湿し水を最小限に絞ってください。 ③ ユポ ®は熱による伸縮が大きくU V照射による発熱のため、印刷後のユポ ® のカールや ボコツキ又は見当不良を起こしやすい。 ・ 発熱の少ないランプや冷却装置をご利用ください。 場合がありますので、事前にテストしてください。 (発熱の少ないランプや冷却装置を ご利用ください) 《表-17:UVスクリーンインキ(参考例)》 メーカー 十條ケミカル セイコーアドバンス 帝国インキ 東洋インキ ナガセスクリーン 銘 OP、UM HUG、PZU、UVA UV-PAC(S)、UV-IPO FDSS-46 SPS 柄 ・ できるだけ多色機による一回通しで仕上げてください。 ・ 止むを得ず追い刷りする時は、初刷後シートを速やかに冷却し初刷前のシート温度に 戻してください。 18 第3章│ユポ®の印刷・二次加工について 19 5 UVシール印刷(UVレタープレス印刷) 7 ① UVインキは《表-18》を参照してください。 フレキソ印刷 ① 基本的にはOPPフィルム印刷と同様な条件設定で行ってください。 ② インキ(水性インキ、U Vインキ)については用途と要求性能に応じてインキメーカー 《表-18:UVシール用インキの参考例》 にご相談ください。 久保井インキ DIC T&K TOKA 東洋インキ UV-HS DC-MVシール用Z UV-161 FD-MP ② 印刷機は平圧式、輪転式、半輪転式のいずれも使用できます。 間欠輪転方式は、張力変動による流れ方向の見当合わせを確認のうえ判断してください。 ® ③ ユポ はコート紙に比べるとインキ受理力がやや劣るので、ベタ絵柄では半輪転式、輪 転式をおすすめします。 ③ UVフレキソ印刷では、テンションによる伸びとUV照射熱による伸縮について事前に検 討してください。また、紙面温度が50℃を越えないようにしてください。 8 ビジネスフォーム印刷 ・ 裏移りを防ぐためUVインキを使用してください。 ・ 見当不良を防ぐためUVランプは低温型(空冷式または赤外線カット方式)を使用してく ださい。 ・ インキは、インキメーカーに相談してください。 ④ インキの調子はコート紙よりもやや柔らかい方が転移がよくなります。 《表-19:UVインキ(参考例)》 ⑤ UVインキではUV照射量が弱い場合に、印刷直後のインキ密着性が不十分になる場合 があります。事前に確認してください。 ⑥ 紙面が冷えているとインキ受理力が低くなることがありますので、あらかじめ暖めて ください。 6 グラビア印刷 DIC T&K TOKA 東洋インキ オフセットフォーム DC-セプタSL UV-161 FD-MP 活版フォーム DC-MVシール用Z UV-161 FDS-TK ・ オフセット印刷の場合は、湿し水をギリギリに絞ってください。 ・ 見 当 不 良 を 防ぐため 、テンションはできるだ け 低く設 定してください( 2 0 K g / m ① 基本的にはBOPPフィルムの印刷と同様な条件設定で行ってください。 幅以下)。 ② インキの適性は広く、種々のインキが使用できますが、強い密着力が要求される場合に テンションが高いと特にスプロケットホールのピッチが合わずコレーターでトラブルを起 はニ液タイプのインキを使用してください。 ③ テンションはできるだけ低く設定してください。高テンションはピッチ不良の原因にな ります。 ④ 紙面温度が80℃を越えない様に設定してください。熱風方式のドライヤを使用する場 合、乾燥効率を高めるためには温度設定を上げるよりも風速及び風量を上げる方が有 こします。 ・ 裏カーボンを印刷する場合、ユポ®の伸縮を起こさないように、乾燥温度に注意してくだ さい。 (裏カーボンインキはインキメーカーにご相談ください) ・ ミシン目入れでは刃の間隔に注意してください。 《表 -20:ミシン目間隔(参考例) 》 効です。 ⑤ ベタ絵柄では白ヌケトラブルを生ずることがありますので、事前にテストをし確認して ください。 縦ミシン 横ミシン uncut………… cut …………… uncut………… cut …………… 0.5 mm 以下 2 〜 4 mm 0.8 〜 1.0 mm 2 〜 3 mm ・ ミシン目cut部がエッジにかかると、裂けやすくなります。 ・ 排紙の折り方はスパイラル方式が適しています。また薄手のユポ ®の場合、タイミング 調整を事前に行ってください。 20 第3章│ユポ®の印刷・二次加工について 21 3 ® ユポ の二次加工について スジ押し/打ち抜き ① スジ押し 1 1)- ユポ®の厚手グレードを折る場合、あらかじめスジ押しをした後で手折りするのが有 断裁 効です。 2)- スジ押しの機械は熱を掛けられるタイプで、通常よりも高い圧でスジ押しすると ① ギロチン 効果的です。 1)- 鋭角で傷の無い刃を使用してください。 2)- 断裁前に十分に紙間空気を抜いてください。 ② 打抜き ® 1)- 打ち抜きマシンとしてはPMCかBuschタイプがユポ®に最適ですが、それ以外の 3)- 一回の断裁は高さ15㎝以下にしてください。 (アルファユポ は10cm以下にしてください) ② スリッター タイプ(平圧式、円圧式及びロータリー式)も使えます。 ® 1)- ユポ 巻き取りのエッジを傷つけないでください。 2)- 刃は、片刃も両刃も使えますが、必ずシャープで傷のないものを使ってください。 2)- 回転刃を使用してください。 刃がシャープでないと、ケバが出やすく むしり の際に層間剥離を生じる原因に 3)- 上下の刃合せを完全にしてください。 もなります。 4)- 刃先は鋭角で傷のないものを使用してください。 3)- 直角あるいは鋭角のコーナーは裂けやすいので、必ず角丸になるようにデザイン 5)- スリット時の耳ロスの引取りを完全にしてください。 2 して打ち抜いてください。 《図-5:打ち抜き例》 折り ① 静電気トラブルを防ぐため機械周りの湿度を50%以上にし、除電器を併用してくだ さい。 ② ユポ®の中では、FGS95が最も折りやすいグレードです。 ③ 最後に折る方向とユポ®の目を平行にしてください。 ④ 折り機及びその調整は次の点に注意してください。 4)- P M C、B u s c hタイプ以外のマシンの場合は、バックプレートへの刃の当たりが ・できるだけ精度の高い機械を使用してください。 ・ローラーは、ゴム/スチールのコンビネーションタイプを使用してください。 キスタッチになるように設定して、刃に傷が付かないようにしてください。また ・摩耗していないロールを使用して頂くことが重要です。 十分にムラ取りをしてください。刃がつぶれたり傷が付くと、ユポ ®にケバが出た ・ロール圧は左右均等に、できるだけ強く設定してください。 り層間剥離などが発生します。 5)- 抜き型の つなぎ をユポ®の目に沿った位置に設定し、 むしり の作業性向上のた ・紙送りは必ず正確にロールと直角にセットしてください。 めにできる限り狭くしてください。 ⑤ デリバリー部では、立て揃え排紙機を使用してください。ベルト方式は、作業が困難 です。 ⑥ ページ折りでは8ページ折りをおすすめします。16ページ折りの場合は事前にテスト ® 4 してください。 (ユポ は130μm以下が適当です) ドリリング ① 刃は必ずシャープであること。 刃径は 6 ㎜以上を使用してください。 ⑦ 空気が抜けない袋状の折り (例えば32ページ折り)は、ユポ®では不可能です。 ② 1 回に抜く紙の高さは 20 ㎜以下が好ましく、 また十分に空気抜きを行なってくだ ⑧ デリバリーで排出された後、反発して折りが戻る傾向がありますが、ゴムバンドやひも、あ さい。 るいは重しなどで圧を掛けておくと数時間で折りくせがつきます。 ③ 回転数は紙と同じ条件で設定してください。 ⑨ アルファユポ®は割れやすいので、ユポ®の目と直角方向には折らないでください。ユポ® ④ 切口のブロッキングが生じた時は直ちに中止し、刃を冷却してください。 の目の方向に沿って、あらかじめ熱によるスジ押しをした後に折ってください。 5 エンボス ① ユポ ® は延伸フィルムであるために、深いエンボスには適しません。 ② エンボス機は、ペーパーロールエンボス機が最適です。 ③ 圧は 100 〜 200kg/ ㎝、ロール温度は 60 〜 90℃に設定してください。 22 第3章│ユポ®の印刷・二次加工について 23 6 9 ミシン目入れ ラミネート ① ユポ®/ユポ®、非吸湿材/ユポ® P21、⑧) ビジネスフォーム印刷の《表-20》を参照してください。 1)ロール/ロールのラミネート 7 箔押し ・ドライラミネート方式が適します。二液硬化型の接着剤をおすすめします。カール防止 のため、テンションバランスに留意し、シートで使用する場合は完全に硬化する前に断 ① プラテン機、シリンダー機ともに使用可能です。 裁してください。 ② ユポ ®の熱収縮によるボコツキを小さくする為に、できるだけ低温タイプのホイルをお ・LDPEなどのサンドイッチラミネート方式も可能ですが、熱収縮を起こすことがあるの すすめします。(プレート温度が100〜105℃で、できるだけ100℃に近い温度で使 で冷却ロールの管理に注意してください。高いラミネート強度が必要な時は、あらかじ 用してください) めユポ®にプライマーコート (AC剤コート) を行ってください。 ③ 薄物ユポ®(110μm以下)では熱による変形が大きくなりますので、タック加工品以外 2)ロール/シートのラミネート(プリントラミ) はできるだけ厚番手のユポ®を使用してください。 ④ 小さな絵柄の多面付けの場合では、ボコツキによって打抜きの際見当が合わなくなる 注 意 こともありますので、事前にテストを行なってください。 屋外使用の商品の場合はプレコートフィルム (ラミータックなど)でなく、二液 8 タイプ接着剤をご使用ください。 製本 ① ユポ®に適した方式は無線とじと針金中とじです。 束が5㎜以上の場合は無線とじ、5㎜以下の場合には針金中とじをおすすめします。 ② ルーズリーフスタイル、スパイラル針金とじも使用できます。また、ページ数の少な い場合には超音波シールも可能です。 ※シート印刷されたユポ®にフィルム(PP,PET, 軟質塩ビ)をラミネートする場合 二液硬化型の接着剤をおすすめします。P Pラミネートの場合はホットメルト接着剤が あらかじめ付与されているフィルム(ラミータックなど)をおすすめします。 カール防止のため ③ 目方向が天地になる様に面付けを考慮してください。 ・ロール状フィルムのテンションをできるだけ低くしてください。 ④ 無線とじ ・ラミネート後 、フィルム側を上 面にして巻き取り、カールを矯正してから切 断して ・あじろとじが最適です。 ください。 ・ガリ入れは紙よりもやや深く、かつ広範囲に入れてください。 3) シート/シートのラミネート(熱プレス貼合) ・接着剤はEVA系ホットメルトが適します。 ※シート印刷されたユポ®に、硬質塩ビのシートをラミネートする場合 ※(例)HS-650(新田ゼラチン)、W6090(旭化学合成) ・ユポ®の熱変型を避けるため、ホットメルトの温度は180℃程度に設定してください。 ⑤ 針金中とじ ・水まわりに使用する本ではステンレス針金を使用してください。 ⑥ 糸かがり ・糸を強く張るとユポ ®の引裂きの原因になりますので、糸かがり単独はおすすめでき ません。糸かがりを行った上で、何らかの補強を行なってください。 ⑦ エマルジョン系接着剤による製本 ・接着剤の乾燥に長時間を要しますので、 この方式はおすすめできません。 二液硬化型の接着剤をおすすめします。接着剤は塩ビシートに塗布してください。 プレス温度は100〜120℃が一般的です。温度が必要以上に高いとユポ®の収縮による サイズ不良を起こすことがあります。加熱プレス後はカール及び寸法変化防止のため、 ユポ®が常温に下がるまで加圧(冷却プレス) を続けてください。 FRB、VAFWは熱プレスにはおすすめできません。 ② ユポ®/吸湿材 1)合板とのラミネート 接着剤として、酢ビ系エマルジョンやEVA系などのエマルジョンが使用可能ですが、強い 接着力を要求される場合は二液硬化型接着剤をおすすめします。 2)剛性の低い吸湿材(紙) とのラミネート ® ユポ と天然紙の併用はご注意ください。 ラミネート後のカール発生の可能性が大きいのでおすすめできません。 通常の紙用インキで印刷した一般紙と組み合わせて、ユポ をインサート又 ただし、カール防止が可能であるケースならば接着剤として変性酢ビ系やE V A系など は製本などの用途に使用すると、ユポ®に波打ち・カール・しわなどが発生す のエマルジョン接着剤が使用可能です。なおドライラミネートも可能です。 ® る可能性がありますので、 ご使用の際は事前にご相談ください。 接着剤についての詳細は「ユポ®用接着剤マニュアル」をご覧ください。 24 第3章│ユポ®の印刷・二次加工について 25 10 2 接着剤の選択 ユポ ®は広範囲の接着剤が使用できます。エマルジョン系接着剤の場合、乾燥に時間を要 しますが、乾燥後は十分な接着力がでます。最適な接着剤は用途及び接着方法によって 異なります。 風呂場・水廻りでの使用 ・お風呂ポスターなどを水をつけて壁面などに貼る使い方では 1)- 片面印刷のポスターの場合 被着体の材質や使用環境(高温多湿の環境)によっては、稀にカビの発生や被着体 一般的な用法 ① ユポ®/吸湿材…… 酢ビ系エマルジョン又はEVA系エマルジョン ② ユポ®/ユポ®………ポリエステル系(二液型)、EVA系ホットメルト、EVA系エマルジョン、 両面粘着テープ ③ ユポ®/非吸湿材… 両面粘着テープ、ポリエステル系 (二液型) 詳細は「ユポ®用接着剤マニュアル」をご覧ください。 への影響(壁材の変色、ポスターの貼り付き)を与える可能性がありますので、長 期に貼り付けてご使用頂く場合は定期的に貼り替えることをおすすめします。 2)- 両面印刷のポスターの場合 インキが被着体に転写し汚すことがありますのでフィルムラミ加工でインキ面を保護 することをおすすめします。 ただし、プレコートフィルムは避けて二液タイプ接着剤(溶剤・水系どちらでも可能) をご使用ください。 ・耐石鹸性の観点から、紅インキは必ず耐性インキを使用してください。 ・この用途にはOYコートを使用しないでください。 ポスター・バナー・看板でのトラブル 1 屋外での使用 ① ポスターの固定 ポスターを貼る際は両面テープまたは、タック加工されたユポ ® の使用をおすすめし ます。 画鋲を単独で使用するとユポ®が裂ける場合がありますので両面テープと併せてお使い ください。 ② 過酷な条件下でのポスター 風雨などでバタつくような条件下で使われるポスター・バナー・看板のようなケースで は、インキの脱落などを防ぐため、フィルムのラミネート加工をしてください。 但し、プレコートフィルム(ラミータックなど)は避けて、二液タイプ接着剤(油性、水 系どちらも可能)をご使用ください。 ③ 鏡面(金属板・ガラス板・塗装面など)に貼るポスター 金属板やガラス板・塗装面にポスター貼りする場合、ユポ®と被着体との間に雨や水分が 溜まるとユポ®が被着体に影響(被着体の変色、ポスターの貼り付きなど) を与える可能性 があります。長期に貼り付けてご使用頂く場合は、ユポ ®と被着体の間に雨や水分が入り 込まないような施工をしてください。 例えば両面テープで貼る場合は少なくとも上辺と左右辺を隙間無く貼って頂くことをお すすめします。またコーナーや辺を部分的に貼る施工で、長期にご使用頂く場合は定期的 に貼り替えることをおすすめします。 26 第3章│ユポ®の印刷・二次加工について 27 第4章 ユポ®の食品衛生性について ユポ®の゛ 苦味″ について ① ユポ®およびアルファユポ®をなめた場合に人によっては苦味を感じることがあります。こ れはユポ®の表面処理に使用した薬剤の持っている苦味ですが、前述のような有害物質 食品衛生性 は使用していません。 ② 食品包装などで苦味の影響を防ぐためには、フィルムラミネートを行ってください。 ① ユポ®およびアルファユポ®QJJグレードは厚生省告示第370号(昭和34年) 「pH5以下 の酸性食品」を除く各種食品(アルコール類、油脂類、その他一般食品等)への「器具・容 器包装」に適合しています。 注 意 注 意 ユポ ® は食品ではありませんので絶対に食べたりなめたりしないでくだ さい。 ・ 2次使用などで「pH5以下の食品」への使用の可能性がある場合は使用を お避けください。 ・ ユポ®加工品およびエコロジーアルファユポは食品用途の安全性が確認さ れておりませんので直接食品に触れる使い方をお避けください。 ② ただし、弊社製造工程自体はHACCPや食品衛生法に規定された衛生基準に合致してお りませんので、食品器具容器包装にユポ®をご使用される場合は印刷・加工段階で衛生対 策を講じてください。 ③ また、その製造工程において、重金属、ヒ素化合物、ホルムアルデヒド、フェノール、PBB、 PBDE、PCB、PCT、環境ホルモンなどの有害物質は一切使用しておりません。 ユポ®の゛ 臭い″ について ① ユポ®はほとんど無臭の合成紙です。 ただし、アルファユポ®及び加工品の一部製品については独特な臭いがあります。 ②「ユポ®用インキ」で油性オフセット印刷したユポ®の印刷物は刺激臭がありますが、 これは「ユポ®用インキ」に起因する臭いです。 ③ 臭いが問題となる用途では、印刷面にPPまたはPETラミを行ってください。 28 第4章│ユポ®の食品衛生性について 29 第5章 ® ユポ の環境対応と廃棄処分について ④「ユポ®」を廃棄物として焼却できるのは、何故? プラスチックは発熱カロリーが高く、そのため焼却炉の損傷を早めると言われてい ます。 ユポ®は充填材に無機鉱物質を配合し、ミクロボイドにより発熱量は約7,200kcal/kg と一般のプラスチックの約2/3です。 しかも、ユポ®の主原料は、炭素と水素からできているポリオレフィンです。公共の焼却炉 環境への対応 にて適正に焼却する時には塩素系ガス、異臭やススなど有害物質は発生しません。 ① ユポ ® およびアルファユポ ® はそ の 製 造 工 程で重 金 属 、アスベスト、フロン、ハロン、 P C B、P C T、P B B、フェノール、ホルムアルデヒド、臭素系難燃剤、可塑剤(フタル酸 エステル類)などの有害物質・環境負荷物質を使用しておりません。 また、国内法により製造・輸入を禁止されている下記物質を使用しておりません。 化審法(第1種特定化学物質)、安衛法(製造禁止物質)、毒劇法(特定毒物) ② エコロジーアルファユポは原料の一部に市場から回収されたリサイクルユポ®を使用し ておりますので、環境安全性については弊社にお問い合わせください。 ③ ユポ ®加工品グレードは一部の製品を除き上記の有害物質・環境負荷物質を使用して おりません。 ユポ®の廃棄処分 ① 処分する「ユポ®」が大量に出たら 使用済みのパンフレットなど、廃棄するユポ ®がある程度まとまれば、資源として再利用 することができます。現在は再生固形燃料(RDF及びRPF)にして熱エネルギーとして の再利用が主体ですが、プラスチックとしてのリサイクルについても可能です。 ② 回収された「ユポ®」の再利用方法は 鹿島工場で断裁された端材などの汚れていないユポ®は、溶かして再びユポ®の原料とし て使われています。印刷ヤレ紙などの廃棄物については、植木鉢、育苗箱、杭のような 再生加工品の原料として利用できます。 ③ 焼却時に発生する熱エネルギーは ® 焼却炉で処理されたユポ は、熱エネルギーとして有効利用できます。 主な利用例としては、工場ボイラーの熱源や電力発電、地域冷暖房、発生する熱を利用 する温水プールなどに、省エネルギー対策として有効活用が考えられています。 このカタログに記載の内容とデータは信頼できるテスト結果に基づい ておりますが、お客様のご用途・加工方法に対して保証するものでは ありません。実際のご利用にあたっては事前の確認テストを行った上 でご採用くださるようお願いいたします。 さらに詳細に用途及び特性面でお知りになりたい場合は、 弊社までお問い合わせください。 技術に関する問い合わせ 30 第5章│ユポ®の環境対応と廃棄処分について フリーダイヤル 0120-103285 31 MEMO ................................................................................... MEMO ................................................................................... 33
© Copyright 2024 Paperzz