NEWS CLIPPING in October

本事業は日本財団の助成を得て実施されています
造船関連海外情報の提供
NO. 217/16 November 2011
BY JETRO SINGAPORE – SHIPBUILDING DIVISION & SHIP MACHINERY DIVISION
NEWS CLIPPING in October
シンガポール
ケッペルとセムマリン、ペトロブラス入札に再挑戦
ケッペル・コーポレーションとセムコープ・マリンはペトロブラスのリグ建造業者入
札に再度挑む。ノルウェー金融大手DnBノールが4日発行した証券リサーチ・リポート
によると、ケッペルとセムマリンは各6隻の建造で入札に参加した。価格は推定各8億
USドル前後。ケッペルが入札したのは半潜水型(セミサブ)リグで、セムマリンはドリ
ルシップ型リグ。両社は2010年第4四半期にペトロブラスが28隻のリグ建造入札を実
施した際、他社より高価格を提示したとされ、落札は困難と悲観視されていた。しか
しペトロブラスはその際、7隻をセテ・ブラジルに発注するに留め、残りの発注は延
期した。3日、ペトロブラスは残り21隻のリグ建造にオーシャンリグ・ド・ブラジル
とセテ・ブラジル・パルティシパコスが入札したと発表した。DnBノールのリポート
によれば、ケッペルの子会社、ケッペルFELSがセテ・ブラジルと組み、6隻のリグ建
造に参加。セムマリンは子会社ジュロン・シップヤードがやはりセテ・ブラジルと組
み、6隻建造に名乗りを上げたという。これとは別にジュロン・シップヤードは4日、
VLCCタンカーを浮体式石油生産貯蔵積み出し装置(FPSO)に改造する注文を1億3000万
USドルで受けたと発表した。証券アナリストはケッペルとセムマリンがそれぞれペト
ロブラスから数隻ずつ受注できるチャンスはあると予想。ただ受注による利益につい
ては、価格や条件の情報がないため予想不可能としている。
《October 5, 2011, The Business Times Singapore》
ケッペルFELS、エンスコから2億4500万USドルのリグ受注
ケッペル・コーポレーションのオフショア子会社、ケッペルFELSはエンスコから荒天
候でも操業できる「スーパークラスA」のジャッキ式リグの建造を2億4500万USドルで
1
受注した。エンスコからは2月に同種のリグ2隻を受注済みで、これで3隻目となる。
当時さらに2隻の仮発注を受けたが、今回は1隻だけを本発注し、もう1隻分の仮発注
は失効した。スーパークラスAはKFELSクラスAの強化版で、深さ400フィートの海上で
操業できる。引き渡しは2014年第3四半期。2月発注の2隻は13年中に引き渡す。証券
アナリストは今回の受注価格がほかの2隻の2億2000万USドルより11%高いことに注目
している。DnBノールのアナリスト、ケイ・リム氏は「世界景気と株価がともに下向
く中、価格が上向くのはプラスだ」と述べた。ケッペル・コーポレーションの株価は
過去2か月で急落、5分の1の価値を失った。しかし11年は同社にとっては豊作年だっ
た。年初来の受注額は85億USドルで、受注残は合計102億USドル。さらに新規受注は
続く見込みだ。DMB&パートナーズのアナリスト、ジェイソン・ソウ氏は仮発注の4隻
が本発注されるとみる。特にマースク・ドリリングがジャッキ式リグ「CJ70」1隻の
仮発注は大型だ。マースク・ドリリングは新発見された北海油田へ、自社指定の「カ
テゴリーJ」の高性能リグでの参入を狙う有力候補の1社。ノルウェー国営のスタトイ
ルも北海油田に5億~12億バレルといった掘削能力の大きい新型リグを投入すること
を決めた。DnBノールのリム氏は「マースクは12年に推定価格5億USドルでケッペルに
本発注する」と予想している。ただマースクは北海油田ではCJ70より掘削能力が大き
く深海部で操業できるCJ80に関心を強めており、ケッペルへの発注製品が変更する可
能性もあると指摘した。《October 8,2011, The Business Times》
賞金100万USドルの港湾設計コンテスト
シンガポール政府は最新の次世代コンテナ港の設計を世界から募集するコンテスト
「次世代コンテナ港チャレンジ」を2012年4月に実施する。ルイ・タックユー運輸相
が12日、海事フォーラムで発表した。シンガポール海洋学院(SIM)とシンガポール海
洋港湾管理局(MPA)が主催し、賞金は100万USドル。コンテナ港の基本的な設計用地に
コンテナが積み上げられ、船に積み下ろしするためのクレーンが囲むという様式で、
長い間大きな変化がない。新たな港湾技術は生まれたが、港湾の様式に根本的な進化
は見られない。一方、港を利用する船は大型化で大きく変化し、安全、セキュリティ
ー、環境の面で港のインフラに対する新たなニーズが生まれ、国土の小さいシンガポ
ールにとって大きな課題となっている。コンテストでは革新的で効率化、生産性の向
上につながり、持続可能な設計案を求める。ルイ運輸相は「斬新なアイディアを出し
てほしい」と述べた。詳細はコンテスト実施に近づいてから発表する。
《October 12, 2011, Channel News Asia》
ジュロン・ポート、環境・生産性の研究開発
ジュロン・ポートとシンガポール海洋港湾管理局(MPA)は共同で、港湾の環境技術と
生産性を向上するための研究開発計画を立ち上げた。この計画は「グリーンポート・
プロダクティビティー・ソリューション」。12 日、ジュロン・ポートのマシュー・
チャン最高経営責任者(CEO)とMPAのラム・イーヨンCEOが覚書に調印した。MPAの海洋
革新技術基金(MINT)とジュロン・ポートがそれぞれ600万シンガポールドルずつを拠
出。合計1200万シンガポールドルで、今後5年間に二酸化炭素(CO2)排出量削減など環
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境技術や、既存・新規の港湾運営における生産性向上を目指した研究開発と実証試験
を実施する。MPAは海洋部門の研究開発奨励の一環で共同出資する。ジュロン・ポー
トは港湾運営における課題として労賃の上昇、土地不足、エネルギー消費の増加、環
境問題の4点を挙げている。MPAとジュロン・ポートは同日、シンガポール海洋環境宣
言の調印式に参加した。この宣言は4月に打ち出したシンガポール海洋環境イニシア
チブの一環で、調印式では12機関が責任ある国際海洋共同体の一員として環境に配慮
した海運を支援振興すると宣言した。イニシアチブは合計1億シンガポールドルで環
境配慮型船舶プログラム、環境配慮型港湾プログラム、環境技術プログラムを推進す
る。《October 12, 2011, Singapore Government News》
政府、海洋産業の人材開発に600万シンガポールドル
シンガポール労働力開発庁(WDA)と全国労働組合会議(NTUC)は共同で、シンガポール
人の海運産業への就職を推進するための600万シンガポールドルの人材開発プログラ
ムを進めている。シンガポール海洋港湾管理局(MPA)やシンガポール船員組合も協力。
業界が抱える国内人材の枯渇問題の解決に取り組む。WDAのウォン・ホンフアン最高
経営責任者は「シンガポールは世界で最も重要な海洋ハブの一つであり、海洋産業は
シンガポール経済の柱だ。海洋産業の雇用機会の見通しは良好であり、業界のニーズ
にこたえられるよう、国内で人材プールを育てなければならない」と述べた。WDAと
NTUCの共同声明によれば、世界の高級船員人口45万人のうち、シンガポール人はたっ
た800人。船員人口を増やすために打ち出した海洋労働力推進プログラムでは、350万
シンガポールドルでシンガポール人を港内船操舵者、専門船員、外航船船員など海運
産業への就職に向けて訓練している。残りの250万シンガポールドルは今後2年で、既
存のプログラムの見直しや新規プログラムに使う。
《October 15, 2011, The Business Times Singapore》
シンガポール、アンダマン・ニコバルにコンテナ港提案
世界2位のコンテナ港であるシンガポール港は混雑緩和を目指し、インドのアンダマ
ン・ニコバル諸島にコンテナ港を開発する計画について、インド海運省と話し合って
いる。海運筋は「海運省は官民パートナーシップ(PPP)でアンダマン・ニコバル諸島
南部にコンテナ港を開発する計画を検討しており、シンガポールの港湾局とこの点で
話し合った」と語った。シンガポール港湾局の幹部がインドを訪問した際、海運省幹
部と会って討議した。シンガポール港湾局は立地の選定のために、アンダマン・ニコ
バル諸島に調査団を派遣した。立地はブレア港ではなく、南部とみられる。業界筋は
「目的はシンガポール港の混雑緩和で、新港はコロンボ、シンガポール、バングラデ
シュ、インドネシアの需要に対応する」とし、「海運省の役割は受け入れ態勢を整え
るだけだ。提案されているのは大型港ではないので、州だけで建設できる」と述べた。
政府はブレア港を大型港とすると2010年6月に発表したものの、同港の職員の反対で
取りやめた。大型港の職員は定年時に退職一時金を受け取るため、国が月ごとに支払
う生涯年金の対象から外される。これが反対の原因となった。ブレア港は海上貿易拡
大を目指し、港湾運営局と海運省下のアンダマン・ハーバー・ワークの合併で設立さ
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れた。港湾信託として登記されているが、10年に大型港となれば会社化するはずだっ
た。インドには現在、コルカタ(ハルディアを含む)、パラディープ、ビサカパトナム、
チェンナイ、ツチコリン、コーチン、ニューマンガロール、モルムガオ、ジャワハル
ラル・ネルー、ムンバイ、カンドラ、エノーレの計12港の大型港と200の小型港があ
り、うち20~30港は民間が運営している。《October 21, 2011, Asia Pulse》
マレーシア
クラン港、第3ターミナルの建設用地を決定へ
クラン港は今後20年の開発計画をまとめた報告書で、第3ターミナルの建設候補地と
してチェマジン島、クラン・バー・チャンネル、旧クラン・バー・チャンネル、キャ
リー島、カンポン・バトゥ・ラウの5カ所を指定した。業界筋は「既存のノース・ポ
ート、ウエスト・ポートから距離があるものの、キャリー島とカンポン・バトゥ・ラ
ウが最適候補だ」との見方を示し、「他の候補地は防波堤建設の余地が限られており、
コストが高くなる」と述べた。2週間前の報道によれば、クラン港湾局(PKA)のテー・
キムプー会長は第3ターミナルを建設してコンテナ取扱高の増加に対応する必要があ
ると述べた。ノース・ポート、ウエスト・ポートの2010年のコンテナ取扱高は890万
TEUで、16年にはフル稼働に達すると予想される。候補地の位置関係は以下の通り。
チェマジン島は既存のクラン港の北西岸で、ウエスト・ポートの対岸。クラン・バー・
チャンネルはウエスト・ポートの延長で既存の砂州の東側。旧クラン・バー・チャン
ネルは同じくウエスト・ポートの延長だが、さらに北側でクラン川から一直線の位置。
キャリー島はクラン川河口の海側で、キャリー島の南。カンポン・バトゥ・ラウはポ
ートクランの40キロメートル南西で、新港湾用地の建設が必要となる。
《October 24, 2011, Business Times Malaysia》
インドネシア
インドネシア籍船、オフショア部門も供給可能
インドネシアの海運会社はオフショアの石油ガス生産に必要な船の供給態勢を、カボ
タージュ規則施行の2012年までに整えることができそうだ。インドネシア船主協会
(INSA)のカルメリタ・ヘルトト会長1は12年までに石油ガス生産支援に必要な船をそ
ろえられると楽観視している。2011年48号運輸相規則のカボタージュ規則ロードマッ
プに従い、すでに5000馬力超のDSP、AHTS、PSVなどの準備を進めている」と自信を示
した。INSAと海運総局長、石油ガス生産規制当局のBPミガスは頻繁に会合し、準備態
勢を話し合っている。カルメリタ会長は「8月時点でインドネシア国内保有の船は596
隻で、そのうち石油ガス生産に関わるものは掘削船が4隻、オフショア建設船が1隻だ
った」と述べた。石油ガス分野は2011~15年に調査船、掘削船、建設船、支援船が80
1訳者注:原文にはカルメリタ氏、としか書いていないが、INSA
ヘルトト女史を指すと思われる。
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の会長のカルメリタ・
隻必要になる見通し。フレディー・ヌンベリ運輸相は11年には1037件の石油ガス生産
案件で、これら4種の船が最低17隻必要となると述べていた。08年制定の海運法で定
めたカボタージュ規則では、インドネシア水域で運航するすべての種類の船は国内保
有船でなければならない。一般船は11年1月1日に施行した。しかし運輸省は後日、カ
ボタージュ規則が石油ガスの生産活動を妨げるとしてこの規則を改定。運輸相規則を
発行し、石油ガス掘削・生産に使用する数種の船に関しては14年まで外国船でも継続
使用可能とした。先進技術の生産船は国内の海運会社がすぐには提供できないため。
一方、カルメリタ会長は石油ガス分野でカボタージュを施行することは国内海運産業
と経済全体に利益となると述べた。「国内海運会社は現在、外資海運会社の代理店の
ような役割だが、独立するチャンスを得る。国内の雇用にも大きなプラスだ」とし、
「これまで用船料の支払いで流出していた外貨を国内にとどめ、税収も増えて経済全
体に好影響がある。オフショア石油ガス田はインドネシア水域の各地に散在している
ため、地方経済の活性化にもつながる」と語った。INSAは以前、05年大統領令による
カボタージュ規則の施行により、内航向けのインドネシア籍船が増え、国内貨物を国
内船が輸送するようになるなど、同国の海運産業に数多くの恩恵をもたらすとの考え
を示していた。INSAの統計によれば、国内船の貨物輸送高は05年に1億1450万トンと、
内航貨物全体4億9300万トンの23.23%だったが、10年には全体5億5110万トンのうち
41.72%の2億2990万トンと倍増した。内航貨物船の数は05年の6041隻から10年には
63.62%増えて9884隻となった。《October 1, 2011, The Jakarta Post》
インドネシア、外航貨物にもカボタージュ検討
インドネシア政府はカボタージュ規則の適用をインドネシア発着の外航貨物にも拡
大することを検討している。インドネシアの海運会社の国際貨物海運市場におけるシ
ェアを、現在の10%から高めるのが狙い。レオン・ムハマド海運総局長が語った。た
だ時期については詳細を明らかにしなかった。カボタージュ規則は内航船と政府によ
る輸入貨物に2005年から発効している。現在は石油ガス分野のオフショア船だけが例
外だ。レオン総局長によれば、政府は民間企業保有の外航貨物についてもカボタージ
ュを適用する考えについて、民間企業と話し合いを進めている。インドネシア籍船は
民間企業の輸入貨物の20%を輸送しており、輸入部門では改善の兆しがみられている
ただインドネシアがカボタージュの完全導入に踏み切るには、国内船隊の大幅な拡大
が必要だ。インドネシア籍船はすでに05年の5000隻から現在は1万300隻に増えたもの
の、まだ不足とみられている。《October 17, 2011, Asia Pulse》
国際水準の4港、来年開発へ
インドネシア政府は国際水準の港湾を4港建設する。インドネシア経済開発加速拡大
基本計画(MP3EI)に従い、国内外の接続性を高める目的。運輸省のケマル・ヘリヤン
ドリ港湾浚渫局長が26日、「来年、3~4港の新設を入札する準備ができている」と述
べた。これらの港湾建設計画は、国家開発計画局(バペナス)の2012年官民パートナー
シップ(PPP)プログラムに含まれる。またMP3EI(2011~25年)によれば、スマトラと同
国東部に国際水準の橋梁を尐なくとも2本建設する。これらの用地は経済発展の果実
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を公平に配分するために選んだ。入札が実現に近いとみられるのは、南カリマンタン
州のプライハリ港、バリ島カランガセム県のタナアンポン港、リアウ州のマロイ港と
クアラ・エノック港。港湾産業は年間15~20%の速度で成長し、現在の3000億USドル
から15年までに750億USドル2に伸びると予想される。
《October 27, 2011, Asia Pulse》
タイ
中国船、メコン川で襲撃受け船員11人が死亡
中国外務省の劉為民報道官は10日の定例記者会見で、メコン川で貨物船2隻が襲撃さ
れた事件で、11人の中国人船員が死亡し、2人が行方不明となっていると発表した。2
隻の貨物船を襲った武装集団はタイ当局が船に到着する前に逃走した。共産党中央委
員会と中国国務院は事態を注視している。劉報道官は「中国外務省は駐タイ中国大使
館とチェンマイ総領事に、タイ側に対して事件の調査の即時開始、不明者の捜索、適
切な事後処理を要求するよう指示した。また関係各国に、メコン川における中国船の
安全保護に効率的な対策を打つよう求めた」と述べた。同氏によれば、中国の在チェ
ンマイ総領事は調査のために現場入り。在タイ中国大使館はタイ当局と連携して調査
を始めた。雲南省の当局は事後処理の支援に作業部会を現場に派遣した。また中国、
ラオス、ミャンマー、タイで組織するメコン川4か国共同委員会とも協力、行方不明
者の捜索を進めている。雲南省はメコン川での中国の旅客・貨物船の運航を全面中止
した。公安、運輸省も事態を注視している。劉報道官は「タイ警察は中国の要請によ
り両船に残っていた証拠を調査している。タイ側の協力により11人の死体は返還され
た。外務省と関係当局、地方政府は調査を注視し、メコン川の航行の安全のために、
関係国に調査の即時開始と真相究明を急ぎ、なるべく早く犯罪者を裁くよう要求し
た」と語った。《July 8, 2011, Thai News Service》
フィリピン
開発費2億6000万ペソ超の港が利用されず
フィリピン政府が2億6000万ペソ超を投じた複数の港湾が過去1年、利用されないま
ま、あるいは利用度が低いまま放置されていた。監査委員会(COA)のフィリピン港湾
局(PPA)に関する調査報告書で明らかになった。利用度の低さが指摘されたのはイロ
イロ州のシブナグ港、ギンバル港、コンセプシオン港、並びにプエルト・プリンセサ
州のタイタイ港、バタラサ港、リサル港。これらの港は政府の建設・運営投資を回収
するのに十分な収入を得ていなかった。6港の開発費は合計2億6470万ペソ。COAは「PPA
はこれらの港を調査し、利用拡大の対策を打つべきだ。現地政府と協力し、利用を推
奨すべきだ」と述べた。COAはまた「PPAは開発した港が遊休資産となり公的資金を無
2
Seaport industry has the chance to grow by 15-20 per cent per annum from US$300
billion to US$75 billion in 2015 となっている。
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駄にしないよう、今後プロジェクトを開始する前に詳細調査を実施すべきだ」とも断
言。さらに「早い段階で実用性が低いとみられるプロジェクトより、採算が合い、経
済的利益が見込めるプロジェクトを優先すべきだ」と主張した。またCOAはPPAに対し、
「収入が確保でき、港湾施設建設とサービス提供のコストを補えるようにする責任が
ある」と述べた。イロイロでは、事前に港の利用見通しと収入見通しに基づく事業化
調査をしたものの、景気や需要パターンの変化で予想は実現しなかった。PPAは「経
済現象の一部であり、全体のリスクの一環だ」と述べ、「利用低迷は現地政府に責任
がある」と説明した。港湾の基礎完成後、港の区画について地方政府と中央政府から
承認が下りなかったため、投資家が同港に集まらなかったという。しかしシブナグ港
の担当者によれば、現地の貨物取扱業者はマーケティングを実施し、フェリー客をモ
ーターボートでプルパンダンに送迎していたという。一方プエルト・プリンセサにつ
いては、COAのまとめによればリサル港の収入が18万8678ペソと、運営・保守費の19
万1339ペソを賄えず、タイタイ港とバタラサ港は無収入だった。ターミナル、オフィ
スなどの設備が不足し、電気が通らず、港湾接続道路が完備されていないことが原因。
悪天候時には強い潮の流れや大波で安全な接岸もできない状況だった。さらにモロ・
イスラム解放戦線の影響で、集金する人員もいなかった。PPAは「バタラサの安全と
秩序など、問題のいくつかはPPAの能力が及ばない」とし、「港が完成したころにち
ょうど状況が悪化した」と述べた。とはいえ、スルやサンボアンガからの小型船舶に
同地の港を利用するよう利用奨励努力はしたという。また貨物取扱サービスを開始す
る系買うもあると話した。PPAは「タイタイの地方政府が、PPAとの契約に違反し、接
続道路の建設や港への電気・水の供給を実施しなかった」と主張した。フィリピン政
府はこれまで、島嶼間の交通を容易にするため「海上ハイウエー」と称したRORO港の
ネットワークを国内に開発してきた。
《October 22, 2011, Philippine Daily Inquirer》
SBMA、スービック自由港内の造船所に安全強化を呼びかけ
スービック・ベイ都市管理局(SBMA)はスービック・ベイ自由港内に拠点を置く造船企
業に対し、造船所の安全習慣を強化するための説明会を開いた。SBMAのノルベルト・
ソサ・ダイレクターが標準的な安全手続きについて説明し、企業の代表に「造船業界
の安全記録の改善に向けて最善を尽くしてもらいたい」と呼びかけた。また「造船業
界は災害で有名だが、この状況を続けたくない。各企業の経営陣が明確に安全に取り
組むべきだ」と語った。ソサ氏は「スービックのケッペル・シップヤードの事故など、
最近の事故から教訓を学ばなければならない」と指摘。「常に事故防止に励むべきだ
が、防止しきれない場合に備え、非常事態の危機管理態勢を整えなければならない。
スービック・ベイ自由港の企業は安全を事業目的と同等に重視すべきだ」と呼びかけ
た。SBMAは自由港内の造船所の安全監査をする委員会を組成した。一方、ウィフルレ
ド・ピネダ・ダイレクターは「SBMAも安全強化の努力をしている」とし、企業にも協
力を求めた。スービック・ベイ自由港には韓進重工業の世界4位でフィリピン最大の
造船所など、複数の造船・修繕施設がある。SBMAの広報担当のクネッテ・フェルナン
ド氏は死者6人、けが人6人を出したケッペル・シップヤードの事故は、スービック・
ベイ自由港に隣接する別の経済特区で起こったと強調。自由港内で起こったとする報
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道を否定した。「ケッペル・シップヤードがあるのはスービック・タウンであり、自
由港ではない」と述べ、「事故調査団も事実誤認してSBMAに事情聴取したいといった
が、SBMAは関係ない」と主張した。関係者によればケッペル・シップヤードはフィリ
ピン経済特区(PEZA)の管轄下にある。《October 27, 2011, Manila Bulletin》
ベトナム
ビナラインズ、日本勢と合弁でラックフェン港開発
ベトナム海運総公社(ビナラインズ)は12日、伊藤忠、商船三井、日本郵船と、北部ハ
イフォン市にラックフェン国際港を開発するプロジェクトで合弁事業合意書に調印
した。このプロジェクトは2部に分かれる。第1セクションは入港路、防波堤、接続道
路の建設で、日本の政府開発援助(ODA)9億USドルにより官民パートナーシップ(PPP)
で実施。第2セクションはビナラインズと日本企業勢による共同投資で、長さ750メー
トル、深さ14メートルのバース2本と22ヘクタールの倉庫を、投資額3億2100万USドル
で建設する。ビナラインズのグエン・チャン・ベト社長は「北部の海運貨物は2015年
に6000万トン、20年に1億トンに増える見通しで、既存の港では急成長する需要に対
応しきれない。ラックフェン港は完成すれば、既存港の混雑を緩和し、アジアや世界
への貨物の流れを円滑にできる」と述べた。2016年までに2バースが完成、年間貨物
取扱高は600万トンとなり、2020年までに8バースが完成、年間取扱高は3000万トンに
増える。11~20年のベトナムの港湾システム開発基本計画で、ラックフェン港は重要
港の一つとされている。《October 13, 2011, The Saigon Times Daily》
ビナラインズのバンフォン港開発中止、オランダ社と再開へ
ベトナム海運総公社(ビナラインズ)はカインホア省のバンフォン国際港の建設再開
でオランダ・ロッテルダムの港湾運営会社、ロッテルダム社とで合意した。今月、ロ
ッテルダムの担当者がベトナムを訪れ、港湾建設の合弁会社を設立する手続きをす
る。バンフォン経済特区経営委員会のホアン・ディン・フィー副会長が明らかにした。
バンフォン港の規模調整は、投資額を合計15~20%拡大し、1万2000~1万5000TEUの
船が入港できるよう、2本の埠頭を各850メートルに延長する考え。建設工事は2012年
に再開、14年の開業を見込む。バンフォン港は年間取扱能力1330万~1450万TEUのベ
トナム初の国際積み替え港として、2008年に投資額35億5000万USドルで開発を開始し
た。しかしビナラインズと、建設を請け負った韓国のSK建設との意見の相違で建設は
10年8月に中断。現場は閑散とし、鉄骨やコンクリートの杭が風にさらされている。
再開した場合、投資額が大幅に膨らむとの見方もある。コンサルタントのポートコー
ストが当初、6000~9000TEUの船に対応する港を設計していたが、ビナラインズのチ
ャン・フー・チュウ副最高経営責任者は船舶の大型化が進んでいるため、設計を変更
する考えを明らかにした。それでもポートコーストへのコンサルティング料の200億
ドンは返金されない。すでに建設に使った2000億ドンも払い戻しは不可能で、すでに
建設した部分は再利用できず無駄になる可能性が高い。ビナラインズのCEOは建設会
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社の言いなりで、高額の原料に3250億ドンを使った上、建設会社への支払い保証とし
て韓国の保険会社に支払った1500億ドンも払い戻しはないとみられる。最大の損失は
年間71万TEUの取扱いが実現せず、1億6000万USドル収入が失われることだ。ベトナム
では港湾開発が加速しており、国内港湾は10年末までに100港に達したものの、小型
港は多くが稼働率20~30%程度と余剰感が強い。
《October 14, 2011 Vietnam News Brief Service、October 20, 2011, Vietnam News
Summary》
公安省、ビナシンの捜査を要求
公安省は国営造船大手ビナシン・ビジネス・グループの違法・汚職事件7件について、
6省とハイフォン市の警察に照会し、捜査を要求した。6省は北部のハイズオン省、ナ
ムディン省、イエンバイ省、クアンニン省と中部のハティン省、クアンガイ省。公安
省の安全保障調査局によれば、捜査は政府監査団による調査結果に基づいて行われ
る。最高人民裁判所も6省1市の検察局に対し、地元警察による起訴を認めるよう求め
た。ビナシンの主な事件は1兆ドンの損失の原因となったハティン省ベン・トライ造
船のプロジェクト2件や、590億ドンの損失を出したクアンガイ省のドンクアット造船
工場のプロジェクト、ハイフォン市のクーロン・ビナシン投資による3000億ドンの損
失など。政府監査団によれば、ビナシンの違法・汚職事件は過去数年で86兆ドンの損
失を引き起こした。09年の損失は5兆ドン近くに上った。公安省はこれまでビナシン
の幹部9人を立件。「国際的に国の経済運営規制に反する行為により、深刻な結果を
招いた」とした。ビナシンの元幹部の行為は合計9070億ドン近くの損失を招いた。
《October 31, 2011, Vietnam News Brief Service》
インド
シン首相、海上安全強化を強調
シン首相は1日、インドが海上の安全保障のために海上活動を適切に管理することの
重要性を強調した。インド海運公社(SCI)の50周年記念式典で、「海洋産業はインド
経済のかなめであり、強化にあらゆる努力を払う」と述べた。最近のインド船襲撃事
件について「いかなる産業も安全な環境なしでは繁栄しない。海賊問題は我々すべて
にとり、また海運産業にとっては特に、懸念すべき問題だ。海賊の攻撃範囲が多発地
域のアデン湾から、アラビア海やインド洋まで拡大、インドの船員、船舶、海上貿易
に深刻な脅威となっている。海軍、沿岸警備隊、海運会社は国際組織と協力して問題
に取り組んでいる」と語った。シン首相は各種交通の境目のない統合が必要だと主張。
海運、陸上物流、港湾の調和のとれた発展を求め、「道路、鉄道の港湾への接続に、
より力をいれなければならない。特に民間が開発している新小型港への接続に留意す
る必要がある」と語った。政府はラケシュ・モハン会長のもと、この問題に有用なア
ドバイスをする国家交通開発政策委員会を立ち上げた。シン首相は沿岸海運と河川輸
送の開発の必要性も強調。「経済開発を加速し、より多くの人が成長の恩恵を受ける
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ために交通インフラの強化は不可欠であり、沿岸と河川で環境に優しく燃費のよい運
航を開発し、物流コストを最適化して後背地への接続を実現する必要がある。官民パ
ートナーシップ(PPP)による港湾開発を加速すべきだ」と語った。またインドの貿易
とエネルギー需要の拡大の面では、国内船隊の開発が急務だとし、「国内の海運会社
は世界の経済環境に合わせた成長計画を打ち出さなければならない」と求めた。GKバ
サン海運相は「過去2年でインド政府は22件、1417億8000万ルピア相当のPPPプロジェ
クトを立ち上げた。コーチのバラルパダム国際コンテナ・ターミナルなどが一例だ。
インドの船隊は12年に総トン数1000万GTを超え、現在は1075万GTに達している」と語
った。SCIは1961年創業で、82隻とインド全体3分の1の船隊を抱え、船員4000人、陸
上勤務社員1000人を雇用している。《October 2, 2011, The Hindu》
SCI、船舶購入計画見直しへ
用船料の下落を受け、インド海運公社(SCI)は船舶購入のための投資計画を見直す。
海運省のK・モハンダス次官は「第1四半期で赤字を出したからといって、省がSCIに
どの部分を削減しろと指導することはないが、SCIの取締役会自身が支出削減を意識
しており、購入計画を見直すことになるだろう」と述べた。ただ「海運省はSCIが財
務危機に陥るとの懸念はしていない。ファンダメンタルズは強く、短期的な世界の海
運市況の危機を乗り越えられる」とした。さらに「船舶購入計画は、市場の変化と財
務状況に応じた適切な変更を加えた上で進める」と述べた。SCIは船隊拡大計画のも
と、2007~11年に28隻の船を発注。社内資金と借り入れで手当てした。8月には船舶
購入のために国際市場で9100万USドルを調達した。同社の株主資本に対する有利子負
債の比率(D/Eレシオ)は0.6とモハンダス次官によれば「非常に健全」。同氏は「過去
20年間、SCIは黒字を出してきた。第1四半期の赤字は世界的な金融危機の流れで理解
すべき。SCIはこれまで市況サイクルを乗り越えてきたが、今回の下向きサイクルは3
年続き、業績に影響が出た」と説明し、エア・インディアのように国の支援を受ける
可能性は否定した。来週、モハンダス次官はムンバイを訪れ、状況把握に努める。第
2四半期の決算は11月15日までに発表予定。過去4日間でSCIの株価は16%下落した。
《October 8, 2011, The Hindu》
ケララ州に船舶修繕ハブを建設へ
ケララ州政府は2件の船舶修繕施設開発プロジェクトを承認した。これでケララ州が
船舶修繕ハブとなる目標は実現に一歩近づいた。承認されたのは、①コーチン造船の
修繕施設開発計画と、②コーチ港湾局の造船・修繕施設開発計画の2件。州政府はこ
れらの事業化調査を開始することを決め、海運産業はこの決定を歓迎している。世界
の船舶修理市場におけるインドのシェアは1%未満で、「世界の需要が拡大する中、イ
ンドがシェアを伸ばせる分野は多い」とコーチン造船の幹部はみている。コーチ港湾
局はウィリングドン島に港湾局が所有する45エーカーの土地に、造船・修繕用のドラ
イドックと作業場を建設するプロジェクトについて、関心表明(EOI)の募集を開始し
た。州政府はすべての選択肢を検討し、2カ月内に調査報告書を完成させる。修繕施
設の開発は中央政府の海運省も支援する。政府は現在、修繕施設をケララ州のプーバ
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ル、ビジンジャム、アジカルのうち1カ所に設立する計画を進めているが、ジャワハ
ルラル・ネルー港湾局のホセ・パウル元会長は「ケララ州が2つの造船・修理施設を
抱える余裕はある」との見方を示した。同氏は「第12次計画の目標はインドの造船市
場におけるシェアを1%から5%に増やすことだ。韓国、中国が先行しているが、インド
が追いつくときだ」と語った。コーチ港湾局の造船・修繕施設開発は、コンテナ取り
扱いがバラルパダム島の国際コンテナ積み替えターミナルに移管される中、収入源を
多角化する計画の一環。新施設のプロジェクトは30年のBOT(開発、運営、譲渡)契約
で実施。乾ドック、船台、作業場などの既存施設も活用する。既存施設はコーチ港が
大型港と認められた1963年からあり、311人が働いている。港湾局は一時、修繕施設
を30年間リースする案を検討したが、労働組合の反対を受けて廃案となった。港湾局
はインドの修繕施設が不足しており、成長のチャンスがあるとみている。第9次計画
作業部会によれば、インド国内で乾ドックの供給能力は需要の25%に過ぎない。提案
書は「事業の潜在性に対応するため、コーチ港湾局は既存の施設をもとに近代的な施
設を建設する」としている。《October 16, 2011, The Hindu》
オリッサ州首相、港湾法制定に反対
中央政府によるインド港湾法制定の提案に、沿海州から反対が強まっている。新港湾
法は大型港の会社化を定めるもの。中央政府は1908年制定のインド港湾法、1963年制
定の大型港湾局法の代替として、新法設立を提案した。反対派の代表は480キロメー
トルの海岸線を持つオリッサ州のナビーン・パトナイク州首相。新港湾法案は小型港
に対する州の監督権を弱めるとして、西ベンガル州、アンドラ・プラデシュ州、タミ
ールナドゥ州、カマタカ州、ケララ州、ゴア州、グジャラート州、マハラシュトラ州、
プドゥチェリー州の沿海9州の州首相に支持を求めた。オリッサ州と組み、抗議をす
るよう呼びかけ、この問題は独立機関か裁判で解決すべきだと主張した。労働組合や
民間も、新法が国会を通過すれば港湾運営にマイナス影響があるとして反対してい
る。漁業への悪影響も懸念される。インド水上交通労働者連合は新法設立に懸念を表
明した。労組は港湾局の会社化に完全に反対している。新港湾法案は13の大型港、187
の非大型港の標準的規則を定めるもの。パトナイク氏は沿海州への文書とは別に、ア
ンダマン・ニコバル諸島に「新法案が通れば、州政府は州内の港の限度や運営範囲を
決定できなくなる。これまでは中央政府が大型港、地方政府が小型港を監督するとい
う態勢だったが、新法案は中央の権利を強化しており、受け入れられない」と訴えた。
インドは7600キロメートルの海岸線を持ち、13の大型港のうち12港を大型港湾局法に
基づき中央政府の信託が運営している。例外は1956年制定会社法に基づき運営されて
いる2001年開業のタミールナドゥ州のエノーレ港。大型13港全体でインドの海運輸出
の67%を占め、貨物取扱高合計は2011年3月で5億6990万トンだった。オリッサ州では
パラディープに大型港を建設中で、また小型港14港も開発を進めている。
《October 19, 2011, The Economic Times》
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バングラデシュ
チッタゴン・コンテナ港に最新の港湾管理システム
チッタゴン港湾局は10日、チッタゴン・コンテナ港に最新のコンテナ港管理システム
を試験的に導入した。港湾局筋によれば、インフラ開発、物流、関連部署への通達、
税金支払い手続きの変更など、必要な準備はすでに完了した。しかし同港の最大の利
用者グループであるバングラデシュ衣料品製造輸出業者協会(BGMEA)は、接続道路、
電力、税関、労働力などの状況が悪く、最新のシステムを受け入れる準備ができてい
ないと主張した。一方チッタゴン港湾局のサイド・ファルハド・ウディン事務局長は
「コンテナ港管理システムの導入で、同港のコンテナ取扱能力は50%増える。BGMEAが
1カ月半の間に導入できることを望む」と語った。ファルハド事務局長は「システム
の導入で、チッタゴン港での積荷、揚荷、コンテナの移動・積み上げ・位置確認、配
達、ゲート管理などすべての手続きがオンラインでできるようになる」と述べた。チ
ッタゴン港湾局は利用者への通達で「コンテナ港管理システムの導入後は、輸出入業
者は輸出用の船が接岸する48時間前までに事前通知を受ける。24時間前までには割り
当てられたヤードにコンテナが到着していなければならない」と伝えた。料金や税の
支払い、情報伝達もすべてオンラインで済ませるようになる。システムの導入は12月
から本格的に実施する。チッタゴン港を国際水準に引き上げるにはコンテナ港管理シ
ステムの導入以外に方法はないと関係者はみている。BGMEAのナシルディン・チョウ
ドリー第一副会長は「最新システムの導入は歓迎するが、活用できるほど設備が整っ
ていない。政府は電力、ガス、税関、人材、道路などの脆弱な部分を改善すべきだ」
と述べた。チッタゴン港湾局は当初、チッタゴン・コンテナ港とニュームアリング・
コンテナ港に8月14日に、一般貨物港に8月17日にシステムを導入する計画だった。
《October 11, 2011, The New Nation (Bangladesh)》
中国企業との港開発、政府2機関が支持
バングラデシュ財務省の経済関係局(ERD)と法務省は、同国南東のソナディア島に中
国国営の中国招商局国際と組んで大水深港を建設する合意の実施を認めた。海運省は
すでに、基礎工事を開始することで招商局と覚書を結ぶ考えを示していた。中国政府
は大水深港の開発資金を拠出する方針。招商局は中国最大の港湾会社で、中国政府か
ら支持を受けている。ERDは先月「海運省と招商局の覚書草案に異論はない」と述べ
た。法務省もわずかな変更を条件に、文書を承認した。海運省の上級幹部は「両機関
から前向きな意見を受けた。次は資金提供を求める番だ」と述べた。ソナディア港は
段階的に建造する計画で、第1期の工事費は20億USドル。近年、スリランカ、パキス
タン、ミャンマーなど多くの港を開発している中国政府に対し、バングラデシュ政府
は文書で港への信用供与を求めた。中国政府はこれに対して前向きに答えたが、政府
が30億USドルのパドマ橋やダッカ初の地下鉄など、他のプロジェクトを優先したた
め、実際の資金拠出は遅れている。9月に在バングラデシュの張憲一中国大使は「中
国政府はバングラデシュのソナディア港開発計画を支援する準備ができている」と述
べた。しかしバングラデシュ政府は資金提供については明らかにしていない。一方で
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海運省が提案した、官民パートナーシップ(PPP)の港湾建設案は、9月に内閣委員会で
再討議されることとなった。内閣委員会は「この問題は詳しく調査が必要だ」として
いる。招商局は5月30日にダッカで海運省と会談したのに続き、6月に覚書を海運省に
送付した。覚書の草案で招商局は、1年間をかけて地勢的・運営的・外交的側面から
事前調査することを要求。その間に採算のとれる財務・事業モデルを検証し、結果が
よければバングラデシュ政府と資金拠出について話し合うと提案した。バングラデシ
ュでは既存のチッタゴン港は浅いカマプリ川に大型船が入港できないため、複数の政
権が貿易拡大につながる大水深港の建設を目指してきた。2006年には日本のパシフィ
ック・コンサルタント・インターナショナル(PCI)が最初に事業化調査を実施し、ソ
ナディアを「理想的な立地」との結論を出した。PCIは第1期に、総工費6000億タカで
国際水準の埠頭を5本建設し、年間コンテナ貨物取扱能力7億401万トンの港を建設す
る計画を打ち出していた。招商局は1872年創設で、中国大陸で大型港5港を運営し、
ナイジェリア、香港、スリランカにも進出ずみ。バングラデシュ政府はソナディアを
インド北東部やミャンマー、ネパール、ブータン、中国南部雲南省などの需要に対応
する大型地域貿易ハブに育てる方針だ。
《October 17, 2011, The Financial Express (Bangladesh)》
アラブ首長国連邦
ドライドックス・ワールド、債権者から訴追
ドバイの政府系ドバイ・ワールドの船舶修理会社、ドライドックス・ワールドは米ヘ
ッジファンド、モラーク・オルタナティブ・キャピタルから4550万USドルの支払い未
納でロンドンの高等裁判所に訴えられた。両社は22億USドルの融資に関し、1年近く
交渉していたが決裂した。融資の内訳は3年期限の17億USドルと5年期限の5億USドル。
交渉は当初、4月末までに合意するはずだったが、ドライドックス・ワールドは8月時
点でも「交渉は継続中」としていた。ドライドックス・ワールドのカミス・ジュマ・
ブアミム会長は「年内に債務リストラで合意できるとはいいきれない」と述べた。ド
バイ政府系企業の訴訟はこれだけではない。3月にはドライドックス・ワールドのシ
ンガポール子会社、ドライドックス・ワールド・シンガポールとラブロイ・エンジニ
アリングが供給業者から、5~12月の請求分600万シンガポールドルの未納でシンガポ
ール高等裁判所に訴えられた。訴訟を起こしたのはベンフイ・マリン・エレクトリカ
ル、ホーセンファット、Zパワー・オートメーション。度重なる要求に関わらずドラ
イドックス・ワールドは支払いに応じなかったという。親会社のドバイ・ワールドは
250億USドルの債務リストラをしたが、ドライドックス・ワールドの債務は含まれて
おらず、同社は自らの債務を支払う財務余力があるとしていた。ドバイは経済危機の
打撃で不動産価値が50%超下落、国営企業数社が債務の支払い不能に陥った。ドライ
ドックス・ワールドは1月に2億USドルの信用枠を獲得していた。
《October 18, 2011, Arabian Business.com》
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DPワールド、第3四半期コンテナ取扱高10%増
ドバイ・ワールドの港湾子会社、DPワールドは25日、第3四半期のコンテナ取扱高が
1440万TEUと前年同期を10%上回ったと発表した。通年では予想通り黒字を達成でき
るとの見方も示した。モハマド・シャラフ最高経営責任者(CEO)は「世界経済は不確
定要素の影響を受けているものの、我々の事業は好調を続ける。通年のEBITDA(利払
い・税・償却前利益)は予想の範囲内となる」と述べた。EFGエルメスのレドワン・ア
フマド株式リサーチ部門副社長は「第3四半期は予想の範囲内で好決算だった。関心
は第4四半期に注がれている。第4四半期は貿易にとって最重要な時期だが、世界経済
の減速が懸念されている。もし10月が好調ならば安心だ」と分析。「第3四半期はア
ラブ首長国連邦(UAE)の取扱高が特に好調だった。それ以外の減速は予想通りだ」と
し、第4四半期については「10月は大丈夫だろう。減速はしないのでは」と予想した。
DPワールドの1~9月の取扱高合計は前年比11%増の4060万TEU、連結対象3の港湾に
限った取扱高は2050万TEUだった。同社によればアジア太平洋、UAE、アフリカ、米国
が業績成長を支えたほか、スリナメの港の買収、ペルー・カヤオと中国・青島の能力
拡張が押し上げた。同社は8月、上半期の純利益が2億8100万USドルで、前年同期比で
予想を上回る36%の増益率だったと発表した。取扱高の拡大が貢献した。上半期に計
上した昨年の豪部門売却による一時利益を含めると、純利益は前年同期1億7660万US
ドルから4倍の7億530万USドルに増加したことになる。シャラフCEOは当時、経済状況
が不透明な中、下期の業績予想は困難だと話していた。1~9月のUAEの取扱高は950万
TEUと、前年同期を11%上回った。スルタン・アフメド・ビン・スライエム会長は「新
興市場重視戦略を反映し、業界を大幅に上回る業績を再度達成できた」とし、「第3
四半期にUAEが大きく伸びたのは、ドバイが世界の貿易ハブとしての立場を強めたた
めだ」と語った。《October 26, 2011, Gulf News》
ラシド港、中東最大のクルーズセンターに
DPワールドは26日、ドバイ中心地にあるラシド港のドバイ・クルーズ・ターミナルを
拡張すると発表した。現在は同時に外航のクルーズ船が2隻入港し、合計7000人が利
用できる。中東最大のクルーズセンターであり続けるために、2012年末までに同時に
5隻が同時に入港できる規模に拡大する。将来的には7隻入港可能する考え。スルタ
ン・アフメド・ビン・スライエム会長は「ラシド港の拡大は、ドバイが伝統的に強い
観光業のさらなる成長・開発を促進するという、国の長期的戦略を支えるものだ。新
施設により、ドバイは急成長するクルーズ分野においてさらに成長し、世界最高級の
クルーズ船がこれからもドバイを主要な目的地とみなす」と述べた。同国のクルーズ
観光業は急成している。ドバイ・クルーズ・ターミナルの利用者数は2009年から10年に
かけて30%伸びた。09年に入港したクルーズ船は100隻、利用者は26万人だったが、
10年には120隻・39万人に増え、11年も135隻・47万5000人と伸び続けている。DPワー
ルドのモハメド・アル・ムアレムUAE地域上級副社長兼マネジング・ダイレクターは
「DPワールドは品質重視により成功してきた。ラシド港が拡大により域内最高のクル
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訳者注:オーストラリアの港を含まない
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ーズ港となれば国内経済の強化にもつながる。ドバイの中心地に昔からあるドバイ港
の利用も増える」と述べた。ラシド港同様、DPワールドはアルゼンチン・ブエノスア
イレスのリオデラプラタ・ターミナルにあるキンケラ・マルティン・クルーズ・ター
ミナルを開発・運営している。この港は南米最大で最新鋭のクルーズ・ターミナルだ。
ドバイ観光商業促進局のカリド・ビン・スライエム局長は「ドバイのクルーズ観光業
は2015年までに58%成長する」と予想、「新施設はクルーズ会社、利用客、観光業界
にとって魅力的だ」と述べた。《October 26,2011, Khaleej Times》
本ニュースは、日本財団からの支援を得て、
(財)日本船舶技術研究協会が実施している造船・舶用機
器関連海外情報の提供の一環として、(社)日本中小型造船工業会及び(社)日本舶用工業会が(独)
日本貿易振興機構と共同で運営しているJETRO シンガポールセンター船舶部及び舶用機械部において
収集した海事情報をまとめたものです。
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