不動産マーケットレポート

12
D e c e m b e r, 2 0 1 0
不動産マーケットレポート
東京 23 区の賃貸マンション成約賃料動向 ・・ 2
不動産市場トレンド・ウォッチ ・・・・・・・ 6
不動産投資家の期待利回り ・・・・・・・・・ 8
■本レポートに関するお問い合わせ先■
みずほ信託銀行株式会社 不動産企画部
下山田 英介 TEL.03-3274-9079
(代表)
東京23区の賃貸マンション成約賃料動向
不動産投資は、一般に長期保有による運用収益を目的として行われます。今回は、賃貸マンションの
賃料相場の長期データを用い、
収益の一指標である成約賃料の動向等を分析した結果を紹介します。
●市場賃料が低下し、稼働率は持ち直しの傾向
最初に東京23区における市況を概観してみます。
不動産投資信託)が23区内に保有する賃貸マンショ
中古(既存)賃貸マンションの賃料指数(成約事例と
ン
(約3万6千戸)の平均稼働率をみると、2009年12月
推定される賃料単価の指数)の推移をみると、2009
期を底に2010年は上昇傾向で推移しています。
これら
年3月頃から直近の2010年9月まで下落が続いていま
の点から、市場賃料に割安感が出始め、入居需要が
す(図表1)。一方、稼働率については、J-REIT(上場
回復に向かっているものと推測されます。
図表1 東京23区における賃貸マンションの賃料指数・平均稼働率の推移
106.0
(賃料指数:2005年1月=100)
(平均稼働率:%)
97.0
104.0
96.0
102.0
95.0
100.0
94.0
98.0
93.0
↑
稼働率は回復傾向
96.0
94.0
賃貸マンション
賃料指数
〔左目盛〕
92.0
ワンルーム
賃料指数
〔左目盛〕
賃貸マンション
平均稼働率
〔右目盛〕
ワンルーム
平均稼働率
〔右目盛〕
92.0
91.0
90.0
90.0
89.0
9月
12月
3月
6月
2006年
9月
12月
3月
6月
2007年
9月
12月
3月
6月
2008年
9月
12月
3月
6月
2009年
9月
12月
3月
6月
2010年
9月
12月
注1:賃料指数は、
(株)
リクルート
「SUUMOマガジン」への登録物件のうち、成約等の理由により登録が抹消された物件の価格情報
(築1年以内の物件の成約データを除く。
)
に基づく、
各月の賃料単価の統計的手法による品質調整済み指数
(2005年1月=100)
。
注2:平均稼働率は、J-REIT全銘柄が保有する住居専用型賃貸マンション
(市況を反映しない賃料保証型マスターリース物件等を除く。
)
の各期中
(6ヶ月間)
の単純平均値。2010年9月期は同年6月までの実績に基づく見込値。
資料:
(株)
リクルート 住宅総研、
(株)
IPDジャパン「リクルート住宅価格指数マンスリーレポート」
、
都市未来総合研究所
「ReiTREDA
(リート
レーダー)
」
に基づき都市未来総合研究所作成
図表2 東京23区における新築賃貸マンションの区別成約賃料単価の最高・最低及び格差の推移
5,500
(円/㎡)
40㎡未満
最高
5,000
4,500
↑
“最高”
は下落傾向
4,000
3,500
“最低”
は反転上昇
↓
3,000
40㎡未満
最低
40㎡未満
格差
40㎡∼80㎡
最高
2,500
40㎡∼80㎡
最低
2,000
40㎡∼80㎡
格差
1,500
1,000
98年
上期
99年
上期
00年
上期
01年
上期
02年
上期
03年
上期
04年
上期
05年
上期
06年
上期
07年
上期
08年
上期
09年
上期
10年
上期
注:各年の上期
(1∼6月)
、
下期
(7∼12月)
における各区の平均成約賃料単価のうち最高、
最低及び最高と最低の格差を示す。
資料:
(財)
日本不動産研究所、
アットホーム
(株)
(
、株)
ケン・コーポレーション
「住宅マーケットインデックス」に基づき都市未来総合研究所作成
2
2010, December
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
●好転しつつある賃料相場
●賃料単価が低い区では需要が回復傾向
入居需要の状態を示すバロメーターとして、
区ごとの
次に、
各区について、
新築賃貸マンションの直近の成
新築の成約賃料単価の最高と最低の推移をとってみ
約賃料単価の変動率(2010年上期の対前年同期比)
ますと、
最高の値は2008年下期頃から低下が続いてい
を比べてみます(図表3)。最も市場シェアが大きい住戸
ますが、最低の値は2009年下期頃に下落から上昇に
面積40㎡未満の成約賃料単価の高低に従って23区を
転じています(図表2)。
この点から、
賃料単価が低い区
並べてみると、
成約賃料単価が比較的高い区((図表3
では需要が徐々に回復し、高い区では需要の回復が
のグラフの左側)
では前年同期に比べ軒並み下落して
遅れている状況がうかがえます。
また、
最高の値が過去
いますが、
比較的低い区(同グラフの右側)
では下落率
10年間で最も低くなり、最高と最低の格差が過去の実
が小さい区や前年同期より上昇している区もあることが
績に比べ大幅に縮小した点からも、
下落相場の転換局
わかります。
中古賃貸マンションについても、
新築と同様
面が近いことが示唆されます。
の傾向がみられます(図表5)
。
図表3 各区の新築賃貸マンション成約賃料単価・前年同期比の比較(2010年上期:住戸面積別)
6,500
(成約賃料単価:円/㎡)
(前年同期比:% )
6.0
6,000
4.0
5,500
2.0
5,000
0.0
4,500
-2.0
4,000
-4.0
3,500
-6.0
3,000
-8.0
2,500
-10.0
足 立 区
葛 飾 区
江戸川区
荒 川 区
板 橋 区
区
練 馬 区
北
大 田 区
墨 田 区
台 東 区
江 東 区
中 野 区
豊 島 区
杉 並 区
世田谷区
品 川 区
文 京 区
千代田区
中 央 区
新 宿 区
区
目 黒 区
港
区
区
5
渋 谷 区
東京
23
都心
2,000
40㎡未満
成約賃料単価
40㎡∼80㎡
成約賃料単価
40㎡未満
前年同期比
40㎡∼80㎡
前年同期比
-12.0
注1:図は、
「40㎡未満」の成約賃料単価が最も高い区(左側)
から最も低い区(右側)へ降順に並べたもの。
注2:都心5区は、
千代田区、
中央区、
港区、
新宿区、
渋谷区。以下、
同じ。
資料:
(財)
日本不動産研究所、
アットホーム
(株)
(
、株)
ケン・コーポレーション
「住宅マーケットインデックス」に基づき都市未来総合研究所
作成
(以下、
図表4∼8は同じ。)
図表4 各区の新築賃貸マンション成約賃料単価の水準比較(2010年上期:住戸面積別)
5,500
(円/㎡)
5,000
40㎡未満
4,500
4,000
3,500
40㎡∼80㎡
3,000
2,500
2,000
80㎡以上
1,500
足 立 区
葛 飾 区
江戸川区
荒 川 区
板 橋 区
区
練 馬 区
北
大 田 区
墨 田 区
台 東 区
江 東 区
中 野 区
豊 島 区
杉 並 区
世田谷区
品 川 区
文 京 区
千代田区
中 央 区
新 宿 区
区
目 黒 区
港
区
区
5
渋 谷 区
東京
23
都心
1,000
注:図は、
「40㎡未満」の成約賃料単価が最も高い区(左側)
から最も低い区(右側)へ降順に並べたもの。
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
2010, December
3
これらの点からも、
市場賃料が比較的低い区(地域)
すなわち、
①成約賃料単価は、
40㎡未満が最も高い
や賃料総額が比較的低い物件を中心に、需要が着実
区が大多数であること。
②各区の成約賃料単価の格差
に回復していることが読み取れます。
は、40㎡未満が最も小さく、80㎡以上が最も大きいこと。
また、少し視点を変え、住戸の広さ別に成約賃料単
③40㎡未満の成約賃料単価が低い区ほど、
住戸の広
価のデータを比べてみると、各区の賃貸マンション市場
さ別の単価の格差が大きくなる傾向がみられること。
そ
の様々な特徴を把握する上で一つの手がかりが得ら
して、
④高級賃貸マンションが多数立地する港区、
渋谷
れます。例えば、新築及び中古賃貸マンションについて、
区、
目黒区などでは80㎡以上の成約賃料単価が比較
40㎡未満の成約賃料単価の高低順に各区を並べて比
的高いことなどです。
較すると、新築、
中古ともに次の傾向が表れていること
がよくわかります(図表4、
6)
。
図表5 各区の中古賃貸マンション成約賃料単価・前年同期比の比較 (2010年上期:住戸面積別)
6,500
(成約賃料単価:円/㎡)
(前年同期比:% )
6.0
6,000
4.0
5,500
2.0
5,000
0.0
4,500
-2.0
4,000
-4.0
3,500
-6.0
3,000
-8.0
2,500
-10.0
足 立 区
葛 飾 区
江戸川区
板 橋 区
練 馬 区
区
荒 川 区
北
墨 田 区
大 田 区
台 東 区
江 東 区
豊 島 区
中 野 区
杉 並 区
世田谷区
品 川 区
文 京 区
千代田区
中 央 区
新 宿 区
区
目 黒 区
港
区
区
5
渋 谷 区
東京
23
都心
2,000
40㎡未満
成約賃料単価
40㎡∼80㎡
成約賃料単価
40㎡未満
前年同期比
40㎡∼80㎡
前年同期比
-12.0
注1:中古は築10年の物件を想定。
中古の成約賃料単価は、
賃料事例の統計処理による補正値。以下、
同じ。
注2:図は、
「40㎡未満」の成約賃料単価が最も高い区(左側)
から最も低い区(右側)へ降順に並べたもの。
図表6 各区の中古賃貸マンション成約賃料単価の水準比較 (2010年上期:住戸面積別)
5,500
(円/㎡)
5,000
40㎡未満
4,500
4,000
3,500
40㎡∼80㎡
3,000
2,500
2,000
80㎡以上
1,500
足 立 区
葛 飾 区
江戸川区
板 橋 区
練 馬 区
区
荒 川 区
北
墨 田 区
大 田 区
台 東 区
江 東 区
豊 島 区
中 野 区
杉 並 区
世田谷区
品 川 区
文 京 区
千代田区
中 央 区
新 宿 区
区
目 黒 区
港
渋 谷 区
区
5
区
23
都心
東京
1,000
注:図は、
「40㎡未満」の成約賃料単価が最も高い区(左側)から最も低い区(右側)へ降順に並べたもの。
4
2010, December
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
●新築と中古
(築10年)
の単価格差は拡大傾向、40㎡未満は新築=100に対し中古92∼93前後
住戸面積40㎡未満について、2010年上期における
中古の単価指数については、10年前の新築の成約
新築に対する中古(築10年)
の成約賃料単価を、新築
賃料単価を100として現在の中古の指数をとり、
10年間
を100とする指数でみると、
中古の区ごとの平均は93.3
の変化を推定する方法(図表8の②)
もあります。
この方
(23区全体は93.2)
となっています(図表7及び図表8
法で40㎡未満の中古の指数を算出すると、平均は92.1
の①)。前年(93.5)
、前々年(93.7)
と比べ新築との格差
ですが、指数の分布は86から101に広がり、区ごとの格
はやや拡大しています。
また、
区ごとの指数は住戸面積
差がより鮮明になっています。
これらの新築に対する中
40㎡未満が92∼95、40㎡以上80㎡未満が88∼92の範
古の単価指数は、投資物件の将来の賃料単価等を想
囲で、
住戸の広さにより異なっています。
定するときに一つの参考となります。
(以上、都市未来総合研究所 黒須 良次)
図表7 各区の中古賃貸マンションの成約賃料単価指数(2010年上期:新築成約賃料単価=100)
100.0
(新築の成約賃料単価 = 100)
98.0
96.0
94.0
95.1
93.2
93.1
92.8
92.6 92.9
93.2 92.9
93.2
93.0
92.0
94.3 93.9
93.8 93.7
92.0
90.0 90.0
92.0
91.5
89.6
89.6
89.2 89.5
89.6
89.4
89.7
89.4
89.1
91.9
91.6
90.4
90.0
89.5
92.1
91.8
91.7
90.0
88.0
92.7
92.1
92.0
93.7 93.8
93.6
92.1
91.9
40㎡未満
94.7
94.0
93.3
40㎡∼80㎡
88.7
88.0 87.6
86.0
江戸川区
葛 飾 区
足 立 区
練 馬 区
板 橋 区
区
荒 川 区
北
豊 島 区
杉 並 区
中 野 区
渋 谷 区
世田谷区
大 田 区
目 黒 区
品 川 区
墨 田 区
江 東 区
台 東 区
文 京 区
区
新 宿 区
港
中 央 区
区
区
5
千代田区
東京
23
都心
84.0
注:中古は築10年の物件を想定。
中古の成約賃料単価は、
賃料事例の統計処理による補正値。以下、
同じ。
図表8 各区の中古賃貸マンションの成約賃料単価指数の分布状況(住戸面積:40㎡未満)
102.0
︻中古築 年の成約賃料単価指数 ② ︼
10
(②:10年前の新築 = 100)
江東
100.0
98.0
品川
96.0
墨田
渋谷
94.0
92.0
②平均:92.1
文京
新宿
目黒
豊島
足立
中央
練馬
板橋
90.0
荒川
中野
江戸川
台東
世田谷 葛飾
港
88.0
杉並
大田
北
千代田
86.0
84.0
①平均:93.3
82.0
90.0
91.0
92.0
93.0
94.0
95.0
96.0
(①:2010年上期の新築 = 100)
【中古築10年成約賃料単価指数 ① 】
注1:中古築10年の成約賃料単価指数①は、
同時期(2010年上期)
の新築物件の成約賃料単価=100とする値。
注2:中古築10年の成約賃料単価指数②は、
10年前
(2000年上期)
の新築物件の成約賃料単価=100とする値。
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
2010, December
5
不動産市場トレンド・ウォッチ
■東京圏
図1
総人口・総世帯数の推移(前年同月比)
人口前年同月比
(%)
2.5
世帯数前年同月比
(%)
1.9
2.0
1.5
1.2
1.0
1.4
1.2
0.7
0.8
0.5
東京23区
東京都下
2009年総世帯数
〔右目盛〕
0.5
0.6
0.3
0.0
0.5
0.7
0.6
0.4
0.9
0.9
0.8
0.6
2010年総人口
〔左目盛〕
1.0
0.8
0.5
1.5
1.5
1.4 1.1
0.8
2009年総人口
〔左目盛〕
2.0
1.8
1.8
1.5
2.5
0.0
横浜市
川崎市
さいたま市
2010年総世帯数
〔右目盛〕
0.5
千葉市
注:各年8月1日現在の値。総人口は外国人登録者を含む。 図2
資料:各自治体の「推計人口」開示資料
賃貸マンションの成約賃料 (1戸当たり平均成約賃料の前年同月比)
10.0
前年同月比
(%)
東京23区
5.0
0.0
4.7
3.9
東京都下
-1.1
-2.5
神奈川県
5.0
埼玉県
-8.8
10.0
千葉県
15.0
3月
2008年
6月
9月
12月
3月
2009年
6月
9月
12月
3月
2010年
注:成約賃料は、成約物件全体の平均値。 図3
6月
9月
12月
資料:アットホーム(株)「ニュースリリース:首都圏の居住用賃貸物件」 住宅地・商業地の地価(平均変動率:前年同月比)
4.0
前年同月比
(%)
住宅地
2009年
2.0
0.0
3.1
4.0
3.5
2.3
3.6
3.3
2.4
3.2
4.0
5.5
6.0
8.0
7.7
7.6
10.0
12.0
1.2
1.3
2.0
6.8
8.0
7.6
3.3
5.0
6.5
7.3
8.5
10.6
10.6
12.0
14.0
住宅地
2010年
商業地
2009年
商業地
2010年
16.0
18.0
東京23区
東京都下
注:各年7月1日現在の地価の対前年平均変動率。
【デー タ 概 要 】
横浜市
川崎市
さいたま市
千葉市
資料:国土交通省「平成22年都道府県地価調査」
図1 総人口・総世帯数 :各自治体が国勢調査に基づく総人口(直近は2005年10月1日)
をベースとして、各月の住民登録者
数などに基づき実績を推計したもの。総世帯数は参考値として開示されたもの。
図2 1戸当たり平均成約賃料 :不動産総合情報サービス大手アットホーム(株)に募集登録し、成約した賃貸マンション(新築を含
む全成約物件)の1戸当たり成約賃料の平均値。
図3 地価の平均変動率 :都道府県地価調査に基づく各年7月1日現在の地価の対前年平均変動率。
都道府県地価調査は、国土利用計画法施行令に基づき、都道府県知事が毎年7月1日における調査
地点の正常価格を不動産鑑定士の鑑定評価を求めた上で判定するもの。
6
2010, December
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
■ 主要大都市(札幌・仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡)
図4
総人口・総世帯数の推移(前年同月比)
人口前年同月比
(%)
2.5
世帯数前年同月比
(%)
2.5
2009年総人口
〔左目盛〕
2.0
2.0
1.6
1.4
1.5
1.3
1.0
0.3
0.3
0.4
0.2
0.9
0.7
0.6
0.9
0.5
0.4
札幌市
仙台市
1.0
0.2
2009年総世帯数
〔右目盛〕
0.1
0.0
0.1
0.5
0.8
0.5
0.3
0.0
0.0
2010年総人口
〔左目盛〕
1.4
1.1
1.0
0.7
0.5
1.5
1.3
1.2
1.0
1.3
名古屋市
2010年総世帯数
〔右目盛〕
0.2
京都市
大阪市
神戸市
0.5
福岡市
注:各年8月1日現在の値。総人口は外国人登録者を含む。
資料:各自治体の「推計人口」開示資料
図5
賃貸マンションの募集賃料 (1戸当たり平均募集賃料:1R・1K・1DKタイプ)
14.00
(%)
(万円/戸)
12.00
6.5
10.00
1.9
8.00
4.0
4.2
4.00
5.0
4.1
1.4
0.0
6.5
5.6
4.9
5.2
4.6
6.1
5.9
6.0
4.9
4.9
5.0
2010年9月期
〔左目盛〕
5.0
10.0
11.4
2.00
前年同期比
〔右目盛〕
15.0
0.00
20.0
札幌市
仙台市
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
福岡市
注:募集賃料は、各大都市の中心部の値(下記参照)における過去6ヵ月の平均値。 図6
2009年9月期
〔左目盛〕
5.0
7.4
2.6
6.00
15.0
10.0
資料:アットホーム(株)ホームページ公表統計資料 住宅地・商業地の地価(平均変動率:前年同月比)
4.0
前年同月比
(%)
住宅地
2009年
2.0
0.0
1.4
2.0
3.0 2.2
4.0
6.0
4.3
5.2 5.6
6.1 6.4
7.2
8.0
10.0
10.0
12.0
5.9
5.2
4.2
9.7
6.2
商業地
2009年
8.1
11.2
11.9
14.0
4.1
5.1
8.3
住宅地
2010年
3.4 2.3
3.3
3.7
3.9
5.1
16.0
15.9
18.0
札幌市
仙台市
注:各年7月1日現在の地価の対前年平均変動率。
【デー タ 概 要 】
名古屋市
京都市
大阪市
神戸市
商業地
2010年
福岡市
資料:国土交通省「平成22年都道府県地価調査」
図4 総人口・総世帯数 :各自治体が国勢調査に基づく総人口(直近は2005年10月1日)
をベースとして、各月の住民登録者
数などに基づき実績を推計したもの。総世帯数は参考値として開示されたもの。
図5 1戸当たり平均募集賃料 :不動産総合情報サービス大手アットホーム(株)に募集登録された賃貸マンション(1R・1K・1DK
タイプ)の1戸当たり募集賃料の平均値。集計対象地域は以下の大都市の中心部。
(札幌市中央区、仙台市青葉区、名古屋市中区、京都市北区・上京区・左京区、大阪市北区・中央区、
神戸市中央区、福岡市中央区)
図6 地価の平均変動率 :都道府県地価調査に基づく各年7月1日現在の地価の対前年平均変動率。
都道府県地価調査は、国土利用計画法施行令に基づき、都道府県知事が毎年7月1日における調査
地点の正常価格を不動産鑑定士の鑑定評価を求めた上で判定するもの。
みずほ信託銀行 不動産マーケットレポート
2010, December
7
不動産投資家の期待利回り
「不動産投資家調査」
(㈶日本不動産研究所が毎年4月1日と10月1日にアンケート調査を実施)
によると、
機関
(注)
投資家等の期待利回り
は、
世界金融危機の影響により景気が急激に後退した2008年10月頃から全般的に
上昇しましたが、
2009年10月以降は概ね横ばいに転じています。
投資対象別にみると、
都内の「ワンルームマンション」の期待利回りは、
2008年4月から2009年4月の間に急ピッ
チで上昇した後、
6.0%で横ばいでしたが、
今回の調査
(10月1日)
では5.8%とやや低下しています。
今回と前年同
月の期待利回りの変動幅を種類別に比べると、
都内の「ワンルームマンション」が0.2ポイント低下、
「高級賃貸住
宅(低層型)」が0.1ポイント低下となりましたが、
「オフィスビル
(東京:Aクラスビル)
」や「郊外ショッピングセンター」
は変動なしとなっています。
賃貸住宅については、
全国の主要都市でも期待利回りが若干低下した都市が増え
ています。
その背景として、
稼働率の持ち直しや長期金利の低下などに伴い投資意欲が回復していることが考
えられます。同調査によると、
不動産への新規投資意欲は2009年4月を底に回復傾向にあり、
今回は新規投資
を積極的に行うという回答が80%にのぼり、
2008年4月以来の高い水準となっています。
■投資対象別にみた不動産投資の期待利回り(注)の推移
8.5
(%)
オフィスビル
(東京:Aクラスビル)
8.0
7.5
7.0
6.8
6.5
6.0
6.0
5.8
6.0
5.5
5.0
4.9
4.5
4.5
4.0
オフィスビル
(大阪:Aクラスビル)
ワンルームマンション
高級賃貸住宅(低層型)
都心型高級専門店
ビル
郊外型ショッピング
センター
3.5
3.0
︿ 投 資 対 象の概 要 ﹀
03年
4月
10月
04年
4月
10月
オフィスビル
(東京)
オフィスビル
(大阪)
ワンルームマンション
高級賃貸住宅
(低層型)
都心型高級専門店ビル
郊外型ショッピングセンター
05年
4月
10月
06年
4月
10月
07年
4月
10月
08年
4月
10月
09年
4月
10月
2010年
4月 10月
11年
4月
丸の内・大手町に立地。
延床面積5万m2以上、
築5年未満等の条件を備えたグレードの高いAクラスのオフィスビル
御堂筋沿いに立地するAクラスのオフィスビル
渋谷、
恵比寿駅まで15分以内の鉄道沿線。
総戸数50戸程度、
一戸当たり平均専用面積25∼30m2
麻布・赤坂・青山地区に立地する外国人向け。総戸数20戸程度、
1戸当たり平均専用面積は100m2以上
表参道沿いに立地。
テナントは高級ブランド品小売業が中心、
築年数または大規模改修後の経過年数5年未満
キーテナントは有力総合量販店
東京都心まで1時間程度の主要幹線道路沿い。売り場面積2万m2程度、
注:投資家が期待する採算性に基づく利回りで、
投資価値(取得して良いと考える価格)
の判断に使われる還元利回りを指します。
投資価値=初年度の純収益(総収入−総費用)
÷期待利回り。但し、
総費用は減価償却費、
大規模修繕費用を含みません。
資料:財団法人日本不動産研究所「不動産投資家調査」に基づき都市未来総合研究所作成
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〈掲載物件等のお問合せ先〉
宅地建物取引業:届出第2号
所属団体:社団法人不動産協会、社団法人不動産流通経営協会
社団法人首都圏不動産公正取引協議会加盟
みずほ信託銀行株式会社
不動産マーケットレポート 2010.12
発 行 みずほ信託銀行株式会社 不動産企画部
編集協力 株式会社都市未来総合研究所
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