中国およびアジアの 衛生事情 国立国際医療センター 国際医療協力局 石川尚子 海外医療援助活動 タイ (難民キャンプ 国境なき医師団) 中国 (JICA予防接種プロジェクト) 新型肺炎騒動 (SA (SARS RS)) エイズ 世界におけるエイズの状況 エイズの影響を受けたこどもたち 背景 難民キャンプでの 医療活動 (タイ) 1948 ~ 軍事政権と少数民族との紛争 (現在も続く) 1984~ 国境なき医師団がタイで活動を開始 活動場所 メーソット ラチャブリ 1 2 3 予防接種プロジェクト (中国) Shanxi, Shaanxi, Gansu, Ningxia, Qinghai Project Area (Pop.: 110 mil., Area: 1.5 mil. km2) 4 5 6 7 新型肺炎騒動 (SARS) 8 新型インフルエンザ エイズ 世界の状況 1000人に 1000 人に1 1人 日本 150人に1人 150 人に1人 タイ 2百50 50万人 万人 17人に1人 アフリカ 2百10 10万人 万人 3人に1人 スワジランド 現在HIVに感染している人 大人 約3千万人 子ども 2百50 50万人 万人 3千300 300万人 万人 2007年に新たに感染した人 2007 年に新たに感染した人 2007年にエイズで死亡した人 2007 年にエイズで死亡した人 9 Unicef, 2004 エイズで親を亡くした子供 (0~14才)の数 (0~14 才)の数 (推定) (人) 400,000 380,000 350,000 300,000 289,000 250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 63,000 0 1995年 (10才男子) 父親は4年前にエイズで死亡。母親も感染 しており、あまり体調がよくない。この少年 は放課後や週末も友人と遊ばず、家計を 助けるために乾燥果物用の果物の皮むき の仕事をしている。 2005年 (Children on the Brink 2002, UNAIDS, UNICEF and USAIDSより) Unicef, 2002 「友だちと遊ぶより、仕事したほうがいい。 だってお金が貯められるから。」 2001年 学校で誰も僕と遊んでくれない時悲しい気 持ちになる。 (11才男子) 両親をエイズでなくし、現在は母方の親類と暮 らしている。 10 エイズに関するいじめを受けた経験 HIV感染者を親に持つ子供 (n=40) 親が感染者でない子供 (n=460) 27.5 気にしない 26% 72.5 12.8 0% 87.2 20% HIV感染者を親に持つ子どもに HIV 感染者を親に持つ子どもに ついてどう思う? 40% 60% 80% 100% できれば近 づきたくな い 48% P = 0.016 あり 絶対に近づ きたくない 26% なし タイ北部の小学校3年生から6年生までを対象と したアンケート調査 (2005年) 目的 エイズの影響を受けている子どもたち (エイズで親を亡くした子どもやHIV (エイズで親を亡くした子どもや HIV感染 感染 者を親に持つ子ども、またはHIV 者を親に持つ子ども、または HIVに感染 に感染 タイ北部の小学校3年生から6年生までを対象としたアンケート調査 (2005年) n=501 方法 対象 タイ北部のA タイ北部の A県に住むエイズの影響を 受けた子どもたち 8名 子どもたちの保護者 8名 教師 12名 している子ども)が抱えている心理・社会 的な問題を明らかにし、その問題解決の 可能性および方向を検討する。 方法(続き 方法(続 き) データ収集方法 データ収集方法 非参与観察 子どもの どもの学校生活 学校生活 (授業中、昼休み (授業中、昼休 み、休憩時間) 絵、および 絵、 および日記 日記 (子 (子どものみ どものみ) ) データ収集方法 聞き取り調査(半構造面談調査) 子ども、保護者、および教師 結果 子どもたちが抱えている問題 親との死別 悲しみや精神的なストレス 亡くなった親についての話はしないなど、子 どもと保護者の間の深刻なコミュニケーショ ンギャップ 親のHIV 親の HIV感染 感染 期間 2005年 2005 年5月∼ 月∼2006 2006年 年3 月 子どもへの どもへの聞 聞き取り調査、非参与観察 調査、非参与観察は は 毎月行われた 毎月行 われた。 。 親の健康に対する心配、将来への不安 自分もHIVに感染しているのではないか 自分もHIV に感染しているのではないか という強い不安 11 結果(続き) 結果(続き) 「沈黙の壁」 差別・いじめ 数年以上にわたって続いている例も 保護者や教師たちは子どもの間での差別や いじめの存在に気づいていないことが多い 将来への不安 孤独 両親との死別後の引き取り先の家庭での孤 立・孤独 沈黙の壁:Wall 沈黙の壁: Wall of Silence 沈黙の壁 Truth of parent’s diseases Bullying & Discrimination いじめ・差別 親の感染の 事実 Loneliness 孤独 Bullying & Discrimination いじめ・差別 Concern about parent’s disease 親の健康に対する 不安 Bereavement 親との死別 Anxiety about the future 将来への不安 Fear of own HIV infection HIV感染への 不安 Open communication with family, peers, and teachers 家族、他の子ども、 教師との コミュニケーション Emotional support from family, peers, and teachers 家族、他の子ども、 教師からのサポート エイズによるインパクト(親の感染の事実を知る ショック、差別等)から子どもを守るため、周囲 の大人によってつくられた壁 しかし実際には、、、 しかし実際には 、、、 ほとんどの子どもが近所の噂などから親の感染に ついて知っている 事実を知る他の子どもによるいじめ、差別あり 子どもが抱えている問題を周囲の目から隠す役割 家族、友人、教師とのコミュニケーションや彼らから のサポートを阻害 壁の中で子どもを孤立させている 結論 子どもたちは様々な心理・社会的な問題 を抱えている 子どもを守るために作られた沈黙の壁が、 逆に彼らの抱える問題を悪化させている 子どもたちをサポートしていくためには、 沈黙の壁をどのように破るかが鍵となる Psychosocial health problems 心理・社会的な問題 Wall of Silence built by adults to protect affected children 今後の課題 HIV感染者及びその家族へのケア・サポート ザンビアHIVプロジェクト アジア、アフリカ地域での研究活動 ありがとうございました 国内、国外でのHIV感染予防活動 ジンバブエ母子感染予防プロジェクト アジア、アフリカ地域での研究活動 国内の小・中・高校生への啓発活動 12
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