措置状況(PDF:312KB)

平成 17 年度 第1回(平成 17 年 12 月 15 日報告)
財団法人郡山市文化・学び振興公社のうち旧財団法人郡山市文化施設管理公社についての財
政的援助、出資及び施設管理委託に係る出納その他の事務執行について
監査の結果(指摘事項)
1 人件費に関する事項
(1)退職給付債務の処理について
財団法人が税務署長の確認を受け実費精算方式を採用した結果、退職給付債務をこれ
まで計上できなかったとの説明についても、財団法人の退職給付債務を公益法人会計基
準に準拠し計上しなくてもよいという根拠にはなりえない。
今後、退職給付債務を財務諸表に計上するにあたり、原則法か簡便法のいずれを適用
するのか、いつの時点で認識させるのか、いくらの金額で測定するのか、何年で費用処
理するのか、どの科目で分類、表示するのか、注記はどうするのか、退職給付債務に見
合う財源をどのようにして確保するのか等、検討すべき課題は多い。
特に、この財団法人の事業継続を前提とするならば、指定管理者制度の本格導入によ
って一般競争入札による施設運営の受託が開始されると、市と財団法人における従来の
実費弁償方式による受託費用の請求から、競争による価格決定に変更されることになる
ため、今後の対応について市と早急に協議して退職債務の処理方法を検討する必要があ
る。
措置(具体的内容)
財団法人郡山市文化・学び振興公社に対する退職給付債務については、平成 20 年度からは、
財団で加入している中小企業退職金共済からの退職給付金のほか、不足分については市から
の補助で対応することといたしました。
平成 21 年7月 22 日措置通知
教育委員会
- 1 -
監査の結果(指摘事項)
(2)出勤簿又はタイムカードによる勤務時間の管理について
財団法人においては、慣例的に出勤簿又はタイムカードによる時間管理はなされてお
らず、このことは職員のみでなく嘱託職員(常勤・非常勤)及び臨時職員の全てに対し
て同様の取扱いとなっている。
なお、財団法人は、就業規則(昭和 59 年 10 月 1 日財団法人郡山市文化施設管理公社
規則第 1 号)において労働条件について必要な事項を定めており、勤務時間についても、
平成 8 年 4 月 1 日を初日とする 4 週間及びこれに引き続く 4 週間ごとの期間(基準期間)
につき、休憩時間を除き、1 週間当たり 40 時間とするとあるが、その勤務時間を証明す
るものとして出勤簿又はタイムカードでの管理を必要とする旨の定めは特にない。
また、財団法人は給与規程(平成 3 年 12 月 21 日財団法人郡山市文化施設管理公社規
程第 2 号)において、遅刻、早退、欠勤等により所定の勤務時間の全部又は一部を休業
した場合においては、その休業時間に対する基本給は支給しないと定めており、その休
業した時間の計算についても、当該給与期間の末日において合計し、その合計数が 30 分
に満たないとき又は、その合計数に 30 分未満の端数が生じたときは切り捨て、その合計
数又はその端数が 30 分以上 1 時間未満であるときは 1 時間とすると詳細に定めている。
確かに、欠勤、有給の管理及び時間外又は休日出勤等の管理は適切に行われているが、
本来の勤務時間を証明するものがないわけであるから、税務当局、社会保険機関、労働
基準監督署等の関係機関との関係から、所得税法第 234 条の検査に対応できるのか、健
康保険法第 198 条の立入検査等への対応が適切に可能なのか、労働基準法第 108 条の労
働時間の記録保存に抵触しないかなどを十分に協議の上、第三者に対して客観的に勤務
実態を証明するための新たな管理システムの制度化を要するという意味からも、出勤簿
又はタイムカードによる管理方法の検討を早急に行うべきと考えられる。
措置(具体的内容)
勤務時間の管理については、平成 18 年 12 月1日から出勤簿を導入し、適切に管理ができ
るよう改善いたしました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 2 -
監査の結果(指摘事項)
(3)職員手当等に関する届出書などの提出書類の管理方法の見直しについて
現在、支給される職員手当を証明する扶養手当届出、通勤手当届出、住居届出、寒冷
地手当申請書等の提出書類の管理は、年度別、発生別になっている。現行の提出書類の
管理方法は手続上特に問題があるわけではないが、何らかの確認の必要のある場合に、
発生時や変更時まで遡及して資料を調査しなければならず、調査のための時間がかかり
過ぎることとなる。
今回手当の支給等について確認のため調査した結果、職員 2 名分の扶養手当届出が現
時点で不明であった。昭和 59 年度の財団法人設立時に提出されたものであり、書類の保
存期間が満了し、既に合法的に廃棄されたと考えられる。しかし、この書類は現時点で
支給される手当に実際に関係する書類であることから考えても、いつでも確認できるよ
う保存すべきであろうし、今回のような場合においては再提出が必要と考えられる。ま
た、個人情報保護法が適用されている点から勘案しても、現行の管理方法では個人の重
要なデータが外部に漏えい、紛失などの危険性もあることなどを考慮し、効率性のよい
事務執行という見地からも、発生年度別ではなく個人別にファイル化して保管するなど
の改善が望まれる。
措置(具体的内容)
不明であった職員2名分の扶養手当届出については、平成 17 年 12 月 21 日に再提出を受け
ました。
また、提出書類の管理方法については、平成 18 年4月から個人別にファイル化して保管す
るように改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 3 -
監査の結果(指摘事項)
(4)臨時職員の勤務実態について
この財団法人の受託施設の一つであるふれあい科学館における臨時職員数は、平成 14
年 20 人、15 年度 19 人、平成 16 年度 21 人となっており、全職員数に占める割合は 40%
前後と高くなっている。特に、接客業務(スペースクルー)に関しては臨時職員に依存
した業務を行っており、当該業務に係る職員のうち臨時職員の雇用が常態化している。
臨時職員のうち、スペースクルーの臨時職員数の推移は以下の通りである。
(単位:人)
年
度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
臨 時 職 員 数
20
19
21
うちスペースクルー
17
15
15
スペースクルーの業務は以下の通りであるが、基本的に各業務に業務マニュアルが存
在し、研修も行われているものの、同時期に過半数以上の退職者が発生すると業務引継
の関係から運営業務の遂行が困難になる状況である。
・体験型展示物のアシスト
・ロボットショー、スペースツアー、鉄道ジオラマショー実施
・鉄道ジオラマショー対応
・展示解説
・22 階、23 階団体受付
・レジ処理
・観覧券もぎり
・宇宙劇場内の観覧者対応
臨時職員の勤務年数については、臨時職員就業要綱第 6 条 2 項により、理事長が別に
定める場合を除き、最初に雇用した日から起算して 36 月を超える日とすることはできな
いとしている。雇用延長については、財団法人における承認手続がとられているため形
式的には問題はないが、4 名については 4 年超勤務しており労働法上の「雇い止め」の
問題が実質的に発生する。
市教育委員会においても、「平成 16 年 4 月 15 日郡山市ふれあい科学館事業課スペー
スクルーの再雇用期間延長の件」に、再雇用期間延長について、(1)臨時職員の効率的な
雇用サイクルを確立すること、(2)業務の特殊性から、後任者の育成に努めることを条件
として再雇用期間延長を承諾しているに過ぎない。
スペースクルーの業務については、臨時職員に当該業務を任せる運用形式が常態化し
ている。この点に関しては、運営上経済性、合理性は認められるものの、長期的な雇用
の継続は正職員としての業務と区別が不明確になることから、短期的な雇用期間にとど
めるべきである。
措置(具体的内容)
スペースクルーについては、平成 17 年度末時点で、雇用期間が 36 月以上となる臨時職員
の雇用を終了させ、平成 18 年度からは、臨時職員就業要綱第6条2項に基づき雇用するよう
改善いたしました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 4 -
監査の結果(指摘事項)
2 固定資産に関する事項
(1)公有財産の管理責任の明瞭化について
市は、所有する公の施設のうち市民文化センター、文学の森資料館、ふれあい科学館
の施設管理運営についてはこの財団法人に委託しているが、これらの公の施設の土地、
建物の公有財産である固定資産は全て市の所有であり、この財団法人が所有しているも
のは原則としてない。
財団法人は市との委託契約に基づきこれらの市の公有財産の管理運営及び保守管理を
行っており、契約に定めること以外は善良なる管理者における注意義務いわゆる善管注
意義務を負っているに過ぎない。公有財産の管理に関しては次の通りである。
① 市(公有財産の委託者としての立場)
市は、公有財産の管理に関し、郡山市財産規則(昭和 40 年 5 月 1 日 郡山市規則第
50 号)において公有財産の管理原則として第 15 条に、常にその管理に係る公有財産
に係るその現況を把握し、公有財産の維持、保全及び使用の適否、公有財産の増減と
その証拠書類との符合、公有財産と登記簿又は登録簿、市有財産台帳及び関係図面と
の符合などに留意しなければならないと定めている。
② 財団法人(公有財産の受託者としての立場)
財団法人は、会計処理規程において自己所有の固定資産の管理について定めている
が、特に市から委託を受けているものの管理方法についての定めは設けていない。
なお、善管注意義務についての具体的な定めは特にないため、いかなる場合において
公有財産の管理運営及び保守管理に関わる義務を履行したことになるのか、あるいは、
義務違反による責任が発生するのかなどについては不明瞭であり、あいまいになりがち
である。
管理の委託者である市と受託者の財団法人との当事者間において契約に定めがない事
項については検査立会方法、定期的報告方法、保守点検方法などについての具体的な覚
書あるいはガイドラインを作成するなどして責任の明瞭化に努めるべきである。
措置(具体的内容)
施設の管理については、平成 18 年度から指定管理者制度の移行に伴い、基本協定書及び仕
様書において管理運営及び保守管理に関する責任の明確化を図りました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 5 -
監査の結果(指摘事項)
(2)外部公表データの信頼性の確保について
郡山市民文化センターの土地面積を市民へ情報公開しているが、外部に公表されたデ
ータと市有財産台帳とで面積の表記に一部不一致があった。
市民文化センターのパンフレット、ホームページによると、土地の敷地面積は 9,900
㎡であり、市有財産台帳である土地明細台帳の登記面積 9,906.64 ㎡と 6.64 ㎡の不一致
がある。
市は財産規則において、市有財産台帳を作成し、当該管理に関わる公有財産について
その実態を明らかにしておかなければならないとし、面積については登記簿上の数量と
実測上の数量を平米単位で記載させているが、面積を外部に公表するにあたり、特に市
有財産台帳との一致の確認を定めているわけではない。データ情報(概算数値を示す表
示がなされる場合も含む。)を市民などの第三者へ公開するにあたってはその信頼性が
必要であることから、事前に確認するなどの方法によりそのデータの信頼性を確保する
必要がある。
措置(具体的内容)
市民文化センターの土地面積については、平成 18 年度からパンフレットやホームページに
おける面積表記を、市有財産台帳である土地明細台帳の登記面積に改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 6 -
監査の結果(指摘事項)
(3)建物の登記に係る手続について
市財産規則における建物登記手続の定めが不明瞭であり、一部未登記の建物がある。
《郡山市民文化センター》
用途:公会堂ホール
建築年月日:昭和 59 年 9 月 25 日
価額:6,901,190,000 円
延べ面積:19,693.70 ㎡
《郡山文学資料館の内久米正雄記念館》
用途:博物館・美術館
建築年月日:平成 12 年 1 月 13 日
価額:67,252,500 円
延べ面積:237.92 ㎡
市は取得に係る公有財産について法令の規定により登記、登録等をすることができる
ときは、遅滞なくその登記、登録等の手続はとらなければならないと市財産規則第 11 条
に定めているが、上記の建物が登記されていない。
市は、建物の登記について原則として、建築、増改築などの取得の場合は善意の第三
者へ所有権が占有されるおそれがないため未登記としている。例外として、売買、交換
など第三者占有であった登記済物件の移転による取得は、所有権を第三者へ主張するた
めの対抗要件として所有権移転の登記をしている。
確かに、建物を新築した場合、不動産登記法においては旧法第 93 条において建物の表
示登記の申請を義務づけており、平成 17 年 3 月 7 日施行の新法においても第 47 条によ
り建物の表題登記の申請として義務づけている。また、旧法においては不動産登記法附
則第 5 条で不動産の表示に関する登記の申請義務についての経過措置を設け、地方税法
の規定により固定資産税を課することができない土地、建物については当分の間は適用
しないとしている。新法附則第 9 条においても、「登記の申請義務については従前の例
による」と、市所有の建物についての登記申請義務の適用除外を定めている。
市は、不動産登記法を根拠に新築建物への登記を省略しているが、市財産規則第 11 条
においては、「取得に係る公有財産について、法令の規定により登記、登録等をするこ
とができるときは、遅滞なくその登記、登録等の手続をとらなければならない。」と定
めているに過ぎず、新築建物についての登記の省略を容認することまで市民が読みとる
ことは困難であるので、建物登記について検討すべきである。
措置(具体的内容)
建物の登記につきましては、平成 19 年 4 月 1 日施行で、財産規則を改正し、省略できるよ
うにいたしました。
(完了)
平成 20 年3月 24 日措置通知
教育委員会
- 7 -
監査の結果(指摘事項)
(4)物品(備品)の管理責任の明瞭化について
物品(備品)の管理についても(1)の指摘と同様の状況にあるが、数量が多いため特に
厳重な、かつ、効率性の高い事務体制の確立が必要であろう。
物品は、平成 17 年 3 月 31 日現在においては全て市の所有であり、その管理運営に関
しては、市と財団法人との間で締結した管理及び運営委託契約書の定めによるが、この
契約書は、財団法人は施設等を常に善良な管理者の注意をもって管理するものとすると
あるのみで、具体的な管理方法についての定めはない。物品の管理に関しては次の通り
である。
① 市(公有財産の委託者としての立場)
市は、物品の管理及び保管の原則として財産規則第 47 条により、事務を行う職員に
善管注意義務を課している。その定めにおいては、物品に関する事務を行う職員及び
供用された物品を使用する職員は法令の規定に従うほか、善良な管理者の注意をもっ
てその事務を行い、及び物品を使用しなければならないとあり、財産規則に定めると
ころにより行うものとされている。
② 財団法人(物品の受託者としての立場)
財団法人は会計処理規程において、独自に物品管理について定めているが、特に市
から委託を受けたものについての管理方法についての定めは、貸付け備品において貸
与品整理簿を備え整理しなければならないとある以外にない。
備品管理について財団法人が善管注意義務を果たしたことを証する報告制度がなく、
担当者によると管理状況については市へ報告しているとのことであるが口頭である。文
書でもって年次あるいは随時を問わず定期的に報告する制度を定めるべきである。その
報告においては正常品か、不良品か、修繕の要否、廃棄の可否などの記載も必要である。
また、備品は常に良好な状態において、その所有の目的に応じて最も効率的に運用し
なければならないことから、備品管理台帳と現物との照合を確認するための現品検査の
制度は必要であり、財団法人の内部による検査、所管部課の教育委員会文化課、市監査
委員などの外部による検査にも容易に対応できる体制づくりを検討すべきである。
措置(具体的内容)
物品の管理については、平成 18 年度から指定管理者制度の移行に伴い、基本協定書及び仕
様書において管理運営及び保守管理に関する規定を定め、適正な物品の管理を行うよう改め
ました。
また、平成 18 年度より年度末に備品の状況報告を書面により行うよう改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 8 -
監査の結果(指摘事項)
(5)物品の保管体制の強化について
一部の備品について、現品調査時不明となっており、その所在を確認するのに長期間
を要した。備品台帳に記載してある現品がどの場所に保管されているかについて、担当
者以外の者がその所在を確認することが困難であることが分かった。備品台帳とは別に、
現在作成中の備品管理リスト(仮称)を急ぎ、管理を整備すべきではないか。備品管理
リストとしては、どこに、何が、いくらの数量で保管され、誰が管理しているのかにつ
いては最低限必要であり、保管場所別に種類、数量、責任者、備品管理番号などを記載
する必要がある。
措置(具体的内容)
文学の森資料館の物品管理体制の強化については、平成 18 年度から保管場所ごとに容易に
備品の確認ができるよう配置図を作成するとともに、文学資料関係の備品については、個別
に管理カードを作成し保管場所、数量などが確認できるよう改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 9 -
監査の結果(指摘事項)
(6)物品管理における標識の貼付について
物品の現品調査の時点において、標識の風袋、箱などへの添付作業が大幅に遅れてい
るものがあった。大量の寄付がなされたためとの理由ではあるが、市の備品であること
を証明する重要な作業の一つであることから、早急に実施すべきである。
標識いわゆるシールについては、財産規則第 50 条において新たに取得した備品には標
識(第 20 号様式)を付し、市の備品であることを表示しなければならない。ただし、備
品の性質、形状等により標識を付することに適しないものについては、適当な方法で表
示することができると定めている。
この第 50 条のただし書きを適用する物品は、文学の森資料館が管理するものに多数含
まれており、現品を風袋、箱などに収納し管理せざるをえない状況である。この場合、
紛失、盗難防止等のため現品を特定できるよう風袋、箱などに現品の写真を貼付の上、
標識を添付する方法を採用すべきである。
措置(具体的内容)
備品シールについては、平成 18 年1月から、作品等の写真を貼り付けた作品管理カードに
添付し管理するように改めました。
また、標識添付が遅れていた物品については、標識の添付を行いました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 10 -
監査の結果(指摘事項)
(7)収蔵している物品資料の有効活用について
文学の森資料館において収蔵している物品資料については、本来展示して市民に公開
すべきものの多くが倉庫に眠っているのが現状である。また、保管するための倉庫が狭
いため、一部を外部の倉庫を賃借して保管しており、長期間にわたって公開展示されな
いものが散見している。
平成 17 年度においては、経済性を考慮したミニ企画展などを開催しているとのことで
あるが、資産の有効活用の見地から企画展以外にも積極的に美術館、開成館等の市の関
連施設などへの貸出展示も検討すべきである。
措置(具体的内容)
収蔵している物品資料については、平成 17 年から、企画展等各種事業を開催するとともに、
開成館に貸し出し展示するなど公開機会の拡充を図りました。
今後も、資産の有効活用を図って参ります。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 11 -
監査の結果(指摘事項)
(8)物品管理場所の整理整頓について
市民文化センター、ふれあい科学館が管理している物品(備品)について、保管場所
が狭いため、設備の裏など空きスペースに保管されている備品があった。
防災対策上の問題はなかったが、備品の整理整頓をより一層強化し、保管場所の確保
に努めるべきである。
措置(具体的内容)
物品の保管場所については、事故防止や備品の適切な管理を行うため、平成 17 年度の外部
監査報告を受けたのち、それぞれの施設において、速やかに、収納用の箱に物品(備品)を
入れた上で収蔵するなど整理整頓に努め、適切な物品の保管を行いました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 12 -
監査の結果(指摘事項)
(9)平台等の物品の管理方式について
平台等移動して使用することが前提の物品は、他の物品と同様に標識(シール)を貼
付し備品管理台帳により管理されているが、現場作業に伴って場所が移動するため、現
品がどこに保管されているのかを特定することが困難である。
平台等の管理方法については、個別管理ではなく、事務効率性を考えて保管場所別に
識別する等のより分かり易いグループ管理方式などを考えるべきである。
措置(具体的内容)
移動して使用することが前提の物品については、平成 18 年6月から保管場所、規格ごとに
グループ管理の考えを導入し管理するよう改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 13 -
監査の結果(指摘事項)
(10)市有財産台帳の記載不備について
財産規則第 16 条によると、公有財産は、市有財産台帳(第 6 号様式)を作成し、当該
管理に係る公有財産についてその実態を明らかにしておかなければならないとある。な
お、様式については規則の様式と若干異なるが、第 1 号において土地及び建物、第 3 号
において動産について具体的に記載様式を定めている。
① 評価替えに関する記載不備
財産規則第 25 条によると、公有財産について 5 年ごとに、その年の 3 月 31 日の現
況について評価替えするものとし、平成 16 年 3 月 31 日基準日の評価替えが実施され、
各施設管理権者へ既に評価計算書により評価結果が通知されているが、その結果が、
市有財産台帳へ記載されていない。
② 登記済みに関する記載不備
文学の森資料館の建物が、平成 10 年 10 月 21 日所有権移転に伴う登記済みにもかか
わらず、市有財産台帳へ登記、種別、年月日の記載がない。
③ 土地の面積実測の市有財産台帳への記載
市民文化センターの土地の一部、久米正雄記念館の土地の一部の面積実測が市有財
産台帳に記載されておらず、登記簿上の面積しか市有財産台帳に記載されていないが、
実測面積の記載を失念したのか、省略したのかの区分ができず、不明確である。市有
財産台帳へは省略した理由及びその旨の記載をすべきである。
市有財産台帳は、市の所有している公有財産を管理する最も重要な帳簿であり、上記
の 3 点は全て事務管理体制を強化することにより容易に改善できるものであり、早急に
措置すべきである。
措置(具体的内容)
①
評価替えに関する記載不備については、平成 19 年1月5日に評価結果を市有財産台帳へ
記載しました。併せて管財課へ財産台帳データの修正を依頼しました。
(完了)
② 文学資料館の建物登記事項については、平成 18 年1月 19 日に財産台帳に記載しました。
併せて管財課へ財産台帳データの修正を依頼しました。
(完了)
③ 土地の実測面積が確認できた市民文化センターについては、平成 18 年1月 19 日に財産
台帳に記載しました。また、久米正雄記念館については、確定測量を行っていないことか
ら財産台帳にその旨記載するとともに管財課へ報告しました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 14 -
監査の結果(指摘事項)
3
修繕費に関する事項
現行の契約における委託方式による管理運営方法は実務上簡便であり、効率性がよいと
も考えられるが、そもそも市に所有権のある公有財産への修繕に対して受託者である財団
法人へ費用負担させることが理論的に正しいのかについては疑問があるため、指定管理者
制度の導入が平成 18 年 4 月 1 日以降決定したことを機に検討し直す必要があると考えられ
る。
なお、大規模な修繕工事と小規模な修繕工事との金額による区分基準も特にないことか
ら、修繕に関する責任があいまいになりがちであり、明確な区分基準を設定すべきである。
更に施設の整備状況については、市民文化センターに対して平成 8 年度の市監査委員の
行政監査において、「建設後 13 年を経過しているため、早急に長期保全計画を策定すべき
である」との指摘を受け、「建物及び設備の維持管理について新たな長期保全計画を樹立
し、第四次総合計画実施計画に組み入れ、これに基づき維持管理を図ってまいります。」
との回答がなされた。その後、年数も経過しているが施設の維持管理については、財政状
況及び経済性にのみとらわれることなく、過去に起こった市図書館の外壁崩壊のようなこ
とのないよう、安全性の確保や、市民への良質なサービスの提供を維持するためにも、「郡
山市第四次総合計画 後期基本計画」においても施設の長期保全計画を検討し、公の施設の
目的に沿ったきめ細かくより効率のよい維持管理に努めていただきたい。
措置(具体的内容)
市民文化センターの維持管理については、平成 18 年度から指定管理者制度の移行に伴い、
基本協定書及び仕様書において管理施設の改修、修繕等の分担に関する規定を定めました。
また、公の施設として安全性を確保しながら市民へ良質なサービスを提供するため、総合
計画実施計画に施設の長期保全計画を組み入れ、計画的に改修工事等を行うことといたしま
した。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 15 -
監査の結果(指摘事項)
4 契約に関する事項
(1)契約書形式要件の不備について
平成 16 年度の印刷製本費、修繕費及び消耗品費の契約書(又は請書)を閲覧検討した
ところ以下の契約書に、契約を締結した日付や公社の押印が欠落していた。
なお、契約の相手方の押印はすべてあり、印紙についても全て貼付消印がされている。
契約書は施設別に文書書類、管理番号が付与され連番による管理保存されている。
中科目:科学館費
(単位:円)
科目
大
契
小
約
内
容
契約金額
(税込)
不
日付な
し
備
印鑑な
し
消耗品費
郡山市ふれあい科学館
Hf 蛍光灯外管理消耗品(請書)
印刷製本費
文
化
施
設
管
理
費
郡山市ふれあい科学館
パンフレット外増刷請負契約書
郡山市ふれあい科学館
リーフレット増刷請負契約書
郡山市ふれあい科学館
平成 15 年度年報印刷(請書)
修繕費
郡山市ふれあい科学館
各所内装等修繕請負契約書
郡山市ふれあい科学館
宇宙劇場座席修繕(請書)
郡山市ふれあい科学館
デジキャンパスプロジェクタ修繕(請書)
郡山市ふれあい科学館
展示ケース修繕(請書)
液体窒素圧力容器バルブ修繕(請書)
賃借料
ボランティア他館研修に係るバス賃
貸借(請書)
事
業
費
消耗品費
一太郎スマイル 2 科学館講演会消耗
品(請書)
印刷製本費
郡山市ふれあい科学館
学校利用の手引き平成 17 年度版増
刷(請書)
郡山市ふれあい科学館
学校利用の手引き平成 17 年度版増
刷(請書)
- 16 -
247,275
●
1,415,400
●
882,000
●
574,350
●
1,291,500
●
●
311,850
●
403,200
●
38,272
●
21,000
●
97,650
●
115,500
●
129,675
●
179,550
●
郡山市ふれあい科学館
プラネタリウム番組チラシ印刷請負
契約書
郡山市ふれあい科学館
平成 16 年度学習番組リーフレット
印刷(請書)
郡山市ふれあい科学館
平成 16 年度科学館ニュース印刷請
負契約書
976,500
●
346,500
●
924,000
●
委託料
郡山市ふれあい科学館
宇宙劇場コンサート公演業務委託契
約書
630,000
●
契約書は、契約する両当事者の合意を文書に記録するために作成されるものであり、
日付、住所氏名その他必要事項を記載し、これに当事者が押印し、関係書類を添付して
保管しなければならない。
上記の不備は、その都度事務執行すれば防止できたものである。契約書は取引記録の
信憑性を裏付ける最も重要な書類であり、形式的不備とはいえ、事務管理体制をより強
化し、このような不備が発生しないよう改善措置すべきである。
措置(具体的内容)
契約書形式要件の不備については、平成 17 年 12 月に、欠落していた契約締結日及び公社
印を記載・押印いたしました。
今後は、このような不備が生じないように、事務管理を強化し適切な事務の執行に努めま
す。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 17 -
監査の結果(指摘事項)
(2)業務再委託時の契約書への記載事項及び事前承諾について
財団法人は、民間管理会社に平成 16 年度、以下の施設管理業務を委託しているが業務
の再委託について契約内容に禁止条項がないもの、あるいは、事前承諾の有無の不明な
ものがある。
契 約 内 容
契約金額(税込)
1 郡山市ふれあい科学館総合管理業務
43,575,000 円
2 郡山市ふれあい科学館球体及び梁等高所清掃業務
2,572,500 円
1の業務は郡山市ふれあい科学館の清掃、警備及びビルメンテナンスを民間管理会社
に委託するものであるが、これらの清掃、警備及びビルメンテナンスについては民間管
理会社が更に第三者の業者に下請けに発注していることが関係者の説明から予想され
る。財団法人と民間管理会社との委託契約書には、当初より第三者への再委託禁止の条
項がないため契約上の問題はないが、一般的にいえばこの再委託禁止という条項は「丸
投げ」を防止するためのものである。こうした再委託の禁止条項もなく、再委託を行う
場合にあっても財団法人への事前承諾がない取引は公正性、透明性、客観性、合理性、
経済性などの確保の見地からも適当とはいえず、この施設を市が直営方式によらず財団
法人へ委託管理している目的からしてみても、再委託禁止の条項は契約書に例外なく記
載すべきものである。
2の業務は郡山市ふれあい科学館の球体及び梁等高所清掃業務を民間管理会社に委託
するものである。これらの業務は、特殊かつ危険を伴うものであるため、民間管理会社
が第三者の専門業者に下請けに発注しているのか、それとも専門的技術をもつ作業員を
雇用して実施しているのか確認したが、関係者の説明は不明瞭であり、財団法人も状況
を把握していないことが伺える。なお、民間管理会社が雇用する作業員により実施され
るのではなく、第三者へ再委託する場合には財団法人との事前承諾の協議は必要である。
財団法人と民間管理会社との委託契約書 第 20 条によれば再委託の禁止が記載されて
おり、再委託を行う場合は、財団法人へ書面による事前承諾を受けなければならないと
あることから、状況を正確に把握すべきである。それで再委託を行っているのであれば、
適正な事務を執行すべきである。
措置(具体的内容)
平成 18 年度からは、再委託禁止条項を契約書に記載し、再委託をする場合には事前承諾の
協議をして、適正な事務を執行するように改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 18 -
監査の結果(指摘事項)
(3)委託契約の実施状況について
指名競争入札の実施状況
平成 16 年度以前の入札状況をみると同一の業者が数年にわたって連続して落札し
ている場合が多く見受けられるが、平成 17 年度においては入札方法等の一部見直しを
実施した結果、落札者が交替したものや経費削減の成果が著しいものなど、競争原理
が有効に作用したと思われるものが散見している。今後更に、業務仕様書や予定価格
の見直しを強化し、業務の細分化による入札の場合の有利不利の調整(従来は細分化
すると経費率の関係で不利になるとの考え方であったが、平成 17 年度に細分化して入
札を実行したところ従来の一括方式の契約金額よりも減額した)、入札業者の審査基
準の緩和による新規入札者の参入、債務負担行為の期間延長等を検討すべきである。
また、契約件数の多さからみても繁忙期には他部門からの応援を求めるなど契約部
門を充実させるなどして、特に契約業務の検査、点検の強化を図るべきである。
特に、同一の業者と何年も連続して契約する場合においては、連続契約期間の制限
を設ける等の検討をすべきである。
措置(具体的内容)
委託契約については、平成 18 年度から業務仕様書や予定価格の見直しをするとともに、同
一業者が不適切に連続して契約することが生じないように業者選定会議において新規入札者
の参入、債務負担行為の期間延長等の導入を検討した結果、新規業者を参入させ、競争原理
を働かせるなど活性化に努めました。
また、繁忙時には、財団本部の総務課等から応援職員を派遣し対応しました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 19 -
監査の結果(指摘事項)
(3)委託契約の実施状況について
随意契約の実施状況
随意契約の理由に合理性がないと思われるものがあった。
ア 財団法人は職員の給与計算業務を民間会社に随意契約により委託している。随意
契約の理由としては、年末調整等で暦年によるデータ管理が必要となるので、その
性質又は目的が競争入札に適さないとのことである。
本来、給与計算業務は、暦年で作業が終了するものであり、現在の契約期間であ
る、4 月 1 日から翌年 3 月 31 日で業務を委託していたのでは給与計算業務を随意契
約により委託するしかなくなる。契約期間を暦年にするとともに競争入札により契
約を締結すべきである。
しかし、給与計算には給与を支給する会社や職員の住所・氏名及び扶養等の基本
データの入力が欠かせないので、市の給与計算ソフトを使用しており個人情報の保
護の見地から特に委託先の信頼性に問題がなければ随意契約もやむを得ないと思わ
れる。
従って、結果的には随意契約をすることになったとしても、現行の理由では根拠
が若干弱いため、随意契約の理由を補足すべきである。
措置(具体的内容)
給与計算業務については、平成 18 年度から個人情報の保護の見地からの信頼性についても
随意契約の理由といたしました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 20 -
監査の結果(指摘事項)
(3)委託契約の実施状況について
随意契約の実施状況
イ 財団法人は総合管理業務として民間会社へ再委託しているが、郡山市ふれあい科
学館の清掃、警備及びビルメンテナンスを再委託するにあたり競争入札によらず随
意契約により実施しているわけだが、トータルビルメンテナンスを集中管理するた
め競争入札に適せず随意契約によるとする理由は総合管理業務の全てについては必
ずしも妥当とはいえず、業務内容を細分化することによりこの財団法人のほかの施
設管理運営における契約方法と同様の原則競争入札を実施することを検討すべきで
ある。
措置(具体的内容)
科学館が構成員となっているビル管理組合が委託している業者以外への管理委託をした場
合の効果について検討いたしましたが、警備などを含めた管理業務については、ビル全体と
して総合的に企画、調整及び指導を行いながら実施することが、効果的で効率的であると判
断し、ビッグアイビル管理組合の委託先と随意契約で委託契約を行うことといたしました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 21 -
監査の結果(指摘事項)
(3)委託契約の実施状況について
随意契約の実施状況
ウ 平成 16 年度事業費については契約件数 30 件のうち随意契約によるものが 26 件
(86.6%)、契約金額 115 百万円のうち随意契約分が 109 百万円(94.7%)と随意
契約による再委託が圧倒的に多い。
随意契約による長所としては、手続が簡略であり契約事務負担も少なく相手先を
自由に選定できるなどがあげられるが、反面、短所として相手方が固定化すること
により公平性、公正性、透明性、客観性、経済性が阻害されるなどが説明されてい
る。確かに、現在財団法人に市から委託されている事業については、安ければ良い
とする競争原理を前提とする競争入札に親しまないものが大部分であるとはいえ、
随意契約を採用するにあたりその理由に合理性はあるのか、特に事業の場合は品
質・技術・性能などに高度な特殊性はあるのか、独自性はあるのか、排他性はある
のか、代替性はあるのかなどを十分に検討する必要がある。
更に、良いものは高くともやむを得ないとする考えは認められるとしても、良い
ものをできるだけ安くの経済性を配慮した考えから随意契約においても採算性の考
慮は必要であり、アンケートによる市民の要望の事業への反映も今後重要であろう。
措置(具体的内容)
随意契約の採用にあったては、高度な特殊性や合理的な理由はあるか等を品質・技術や価
格とのバランス等に十分留意しながら事業の計画、実施に努めました。また、自主事業の実
施にあたっては、多様化する市民のニーズに応えるため、平成 17 年度から事業実施毎にアン
ケートを実施しました。さらに、大型事業の実施形態を一般企業との共催とし、リスク負担
を軽減するなど実施方法を見直しながら事業を実施いたしました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 22 -
監査の結果(指摘事項)
5 会計表示に関する事項
(1)計算書類の科目表示の見直しについて
計算書類の勘定科目については、寄附行為第 14 条において「この法人の会計処理は公
益法人会計基準を受けて会計処理規程(昭和 59 年 10 月 1 日 管理公社規程第 8 号)、
(平
成 17 年 4 月 1 日 振興公社規程第 4 号)において会計処理に必要な勘定科目は公益法人
会計基準に定めるところによる」とある。更に、財団法人においては、具体的に会計処
理規程施行要綱において別表第 1 において一般会計の部及び特別会計の部を区分し、収
支計算書に関わる勘定科目及び取扱要領において大科目、中科目、小科目を設け具体的
に記載している。
当財団法人の科目においては、事業費(原則として、当該法人の事業の目的のために
直接要した支出で管理費以外のもの)及び管理費(原則として、法人の各種の業務を管
理するために毎年度経常的に要する支出)の大科目を必要に応じて 3 つに区分している
ことは公益法人会計基準において容認しており問題はないが、中科目に施設別に 3 つの
科目を設けた結果、小科目である本来は中科目として計上すべき給料手当等の金額の合
計が大科目別に集計されないという欠陥を有している。
当財団法人の管理運営する施設は、当初市民文化センターのみの単独設置であったが、
その後、文学の森資料館、ふれあい科学館の複数施設が加わったために、本来、小科目
として部門別に科目設定すべきであったにもかかわらず、中科目として施設別に設定し
たものと考えられる。市の財政当局における施設別の予算編成、予算執行などの予算措
置の関係から合理的と考えられたものと思われるが、公益法人会計基準の趣旨からする
と、より財団法人の経営実態を明瞭に表示する科目とは言い難い。
更に市は、郡山市財務規則(昭和 40 年 5 月 1 日市規則第 48 号)において、歳出予算
に係る経費の流用はこれをしてはならないと次の 5 つの制限条項を定めている。
(1) 人件費に属する経費を物件費に属する経費へ流用すること。
(2) 物件費に属する経費を人件費に属する経費へ流用すること。
(3) 交際費を増額するため流用すること。
(4) 需用費のうち食糧費を増額するため流用すること。
(5) 流用した経費を他の経費に流用すること。
当財団法人は、会計処理規程において大科目と中科目については各々の予算流用の禁
止規定を定めているが、給料などの小科目については禁止規定がないため、市の定める
5 つの経費流用の制限条項に理論的に抵触する可能性がないとはいえない。
現行の公益法人会計基準は、平成 18 年 4 月 1 日以降に開始する会計年度から、新公益
法人会計基準に改正されるが、この新会計基準は公益法人を取り巻く社会経済状況の変
化のもと、公益法人の活動状況をより分かり易く国民一般に報告するため、現行の会計
基準の全面的な改正が行われたものである。財務諸表の科目については別表において具
体的に定めている。更に、その別表によれば、計算書類別に科目を大科目と中科目に区
分し、取扱要領によりその内容を記載している。今般の改正においては、計算書類の体
系が大幅に変更されており、旧会計基準でいう計算書類の収支計算書、収支予算書、正
味財産増減計算書、貸借対照表、財産目録の体系から新会計基準においては、貸借対照
表(正味財産の部、大科目を指定正味財産、一般正味財産として改正)、正味財産増減
計算書、キャッシュ・フロー計算書((新設)資産基準 100 億円以上、負債基準 50 億円
以上、経常収益 10 億円以上のいずれかに該当する場合は、大規模公益法人となり、この
キャッシュ・フロー計算書の作成が義務づけられた。なお、当財団法人は統合の結果、
大規模公益法人に該当する予定である)、財産目録として記載している。
今般の改正によって、収支予算書及び収支計算書が従たる財務諸表として位置付けら
- 23 -
れて会計基準外とし、内部管理書類として作成することとなっているが、前述の科目に
関する問題点は正味財産増減計算書の科目としてそのまま引き継がれるために、科目の
見直しの改善を求めるものである。
措置(具体的内容)
計算書類の科目表示の見直しについては、平成 18 年度から公益法人会計基準の趣旨に基づ
き、勘定科目を大科目、中科目、小科目から大科目、中科目に改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 24 -
監査の結果(指摘事項)
(2)会計処理規程施行要綱の一部見直しと勘定科目表(案)の作成について
財団法人の会計処理規程においては、第 7 条に勘定科目について会計処理に必要な勘
定科目は原則として公益法人会計基準の定めるところによるとされている。この第 7 条
に規定する勘定科目は、財団法人の会計処理規程施行要綱第 2 条において別表第 1 とし
て掲載しているが、科目別の取扱要領において一部科目内容の簡単な解説例があるもの
の抽象的であり、勘定科目名のみの掲示が多く、どの勘定科目を使用して会計処理すべ
きかについて実務上の判断に困る場合があるのではないかと考えられる。
現在、財団法人が別表第 1 として掲示している勘定科目は、公益法人会計基準に示す
別表収支予算書及び収支計算書の科目を模範例として作成したものであり、法規的には
問題があるわけではないが、この公益法人会計基準別表において、「ここに示した科目
は、一般的、標準的なものであり、事業の種類、規模等に応じて科目を追加又は省略す
ることができる。なお、必要に応じて小科目を設定することが望ましい。」とある通り、
この財団法人の事業の種類、規模等を踏まえて独自に財団法人の経営実態がより分かり
易く反映できるような勘定科目を設定することが求められてきた。この財団法人の収
入・支出と市予算との関連性が極めて濃厚であることからも、特にどの科目を設定(新
規に追加する場合、削除する場合も含む。)するのか、また、設定された科目の具体的
内容をどのように記載するのかを検討する必要がある。
措置(具体的内容)
財団と市の予算との関連については、平成 18 年度から随意契約の管理運営委託から指定管
理者制度へ移行したことから、指定管理者として管理運営する施設に必要な科目の設定につ
いて、公益法人会計基準の趣旨に基づき実施しました。
また、計算書類の科目表示等については、平成 18 年度から公益法人会計基準の趣旨に基づ
き、取扱要領を記載しました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 25 -
監査の結果(指摘事項)
6 その他の事項
(1)旅費交通費について
平成 16 年度の旅費交通費について任意に選択し、旅費規程等に従って精算が行われて
いるかを確認した。その結果次の支出については適正な旅費の計算が行われていなかっ
た。
支払日
11 月 17 日
2月9日
9 月 29 日
用 務 先
愛媛県県民文化会館
池波正太郎真田太平記館
(長野県上田市)
科学館視察研修
(成田空港)
支払額
105,680 円
正しい金額
105,880 円
理
由
急行料金を通常期で計
算していた。
実際に使用した経路と
46,160 円
41,980 円
は違う経路で計算が行
なわれていた。
115,730 円
115,530 円
急行料金を通常期で計
算していた。
財団法人の旅費は、「郡山市職員等の旅費に関する条例(昭和 40 年 5 月 1 日市条例第
31 号)」及び同取扱規則(以下「規則」という。)に基づいて支給されている。旅費の
支給にあたってはその内訳書等が添付されているが、内訳の計算に誤りがあった。財団
法人の旅費は規則に基づいて支給されているが、規則では定額支給方式が採用されてお
り、領収書等の添付は求められていない。
旅費の計算については誤りが発生しやすいため、事前の確認を徹底し、複数の担当者
にチェックさせるなどにより適正な事務執行がなされるよう改善措置すべきである。
措置(具体的内容)
旅費交通費の支出で、適正な旅費の計算が行われていなかったものについては、清算いた
しました。
また、平成 18 年度からは、旅費計算について適正な事務執行をするため事前の確認を徹底
し、複数の担当者でチェックするよう改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 26 -
監査の結果(指摘事項)
(2)報償費について
平成 16 年度に支出された報償費については、全国音楽祭の出演団体への謝礼、各種講
座の講師謝礼、展示監修謝礼などが計上されている。従来市の予算編成の経理積算統一
単価表、前年度支出実績などをベースに金額をその都度決定しているが、統一した基準
となるものがないため不明確になりがちであり、財団法人内部において講師の謝礼など
に対する基準を定め、支出金額に客観性、公平性をもたせるよう努めるべきである。
措置(具体的内容)
報償費については、平成 18 年度から、講師謝礼に対する基準を定めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 27 -
監査の結果(指摘事項)
(3)食糧費について
食糧費の取扱いについては、簡素かつ公正を旨とした節度ある対応と適正な予算執行
を求める自治大臣談話(平成 7 年 8 月 11 日)や自治省指導通知(平成 7 年 8 月 15 日)
があり、財団法人においてもできるだけこの科目の使用にあたっては拡大適用すること
なく限定的な使用が求められる。
なお、食糧費とは歳出科目の中の一種で消耗的経費に属し、会議用又は式日用茶菓・
弁当、賄料等に要する経費であり、主として内部的な消費に向けられるものであること
から、主として渉外的なものとして外部に対して消費される交際費とはその使途におい
て異なるとされる。
平成 16 年度の財団法人の食糧費支出において「第 10 回 水と緑の全国音楽祭レセプ
ション代」について科目を検討する必要があると認められた。この音楽祭レセプション
は、市制施行 80 周年及び合併 40 年記念行事の一環として実施されたものである。主と
して音楽祭のPRのために外部の報道機関への広告宣伝も兼ねて行われたものであるた
め、一部の内部への支出を除いて本来は広告宣伝費、行事費等の性格が混在したもので
ある。なお、財団法人においてはこうした支出に適当な科目を設定していないため、こ
の食糧費という科目において会計処理したものと考えられる。
水と緑の全国音楽祭については、事業としてここ数年継続して展開してきたものであ
り、文化事業としての役割は重要であり、前夜祭も含めてその支出を行事費、式典費等
の科目を新たに設けて処理することを検討すべきである。
措置(具体的内容)
平成 18 年度の「水と緑の全国音楽祭」
(平成 19 年3月4日に開催予定)に係る食糧費につ
いては、式典費に改め処理することといたしました。
(確実)
平成 19 年2月 20 日措置通知
教育委員会
- 28 -
監査の結果(指摘事項)
(4)勘定科目の修正事項について
財団法人においては、実務慣例として相手先と契約を取り交わす業務については原則、
委託費により処理している。
なお、委託費として支出している次のものは勘定科目を修正すべきである。
① 健康診断料
(単位:千円)
文化施設管理費
文化センター費
健康診断料
185
文学資料館費
健康診断料
69
科学館費
健康診断料
285
法人管理費
事務局費
健康診断料
119
本来、職員の健康診断のための支出は財団法人の勘定科目としては、福利厚生費を使
用すべきものである。
② 財務会計指導業務
(単位:千円)
法人管理費
事務局費
財務会計指導業務
105
財務会計指導業務のための支出は、民間においては一般に報酬委託手数料の勘定科目
により処理される場合が多く、財団法人においては手数料又は報酬委託手数料の科目を
新設し、使用すべきである。
措置(具体的内容)
勘定科目については、平成 18 年度から職員の健康診断のための支出科目を福利厚生費に、
また、財務会計指導業務のための支出科目を手数料に改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 29 -
監査の結果(指摘事項)
(5)支出を伴う書類の記載方法について
時間外、休日勤務命令簿の時間集計がペン書きではなく鉛筆書きでなされているが、
これらの書類は時間外勤務手当、休日給の手当支出を証明する重要な書類であることか
ら、改ざん等防止のためにも合計欄についてはペン書きにすべきである。
措置(具体的内容)
時間外、休日勤務命令簿の時間集計については、平成 17 年度からすべてペン書きに改めま
した。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 30 -
監査の結果(指摘事項)
(6)会計帳簿と証憑書類への連番の付与について
収入支出調書は月別に綴られているが連番が付与されていないため、担当者以外が領
収書、請求書などの証憑書類を調査する際、それらの書類を探し出すまでに時間を要す
る場合がある。
書類の脱漏防止、事務効率の増進のためにも収入支出調書の各葉に連番を付与し、電
算入力にあたっては会計伝票の摘要への連番入力をすべきである。
措置(具体的内容)
会計帳簿と証憑書類への連番の付与については、平成 18 年度から、収入支出調書の各葉に
連番を付与し、会計伝票の入力の際に、摘要への連番入力を実施しました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 31 -
監査の結果(指摘事項)
(7)領収書綴の保管方法について
領収書綴については、使用済みのものは番号を付与し、期間を明示した上で保管しな
ければならない。また、未使用のものについても紛失しないよう、冊数の受払を厳重に
管理する必要がある。
領収書の各葉には連番を付与すべきであり、また現在は書き損じの領収書は正本、控
えの二部を綴り込みで保管しているが、正本の印鑑欄又は番号欄を切り取り、再使用が
できないような状況で保管すべきである。
措置(具体的内容)
領収書綴りについては、平成 18 年度から各葉に連番を付し、総務課で冊数の受払を厳重に
管理するとともに、書き損じの領収書は、再利用ができないように正本の印鑑欄を切り取る
ように改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 32 -
監査の結果(指摘事項)
(8)収納事務と現金実査における照合について
使用料、入場料、観覧料、観覧券等の収納事務に伴う現金の残高については、毎日釣
り銭を含めて複数の担当者による実査がなされている。しかし、日報などの書類と現金
が一致していたことを証明する押印又は署名がなされていない場合があるため、複数の
担当者による押印又は署名が必要である。
措置(具体的内容)
収納事務と現金実査における照合については、平成 18 年度から、複数の担当者により日報
等と現金の一致について確認し、その証明として押印するように改めました。
(完了)
平成 19 年2月2日措置通知 教育委員会
- 33 -