説教要旨「出会いの行方」 4月6日(日) マタイ福音書4:18~22 イエスはガリラヤ湖畔で漁師たちに声をかけられた。彼らはイエスとの出会いによって、 その後の人生が大きく変えられた。 KLJCFの牧師就任にあたって、私にとって大切な出会いについて話したい。196 6年4月4日、キング牧師暗殺のニュースが流れた。大学3年の私は彼に関心を抱くよう になり、彼の著作を通して自分も牧師になろうと決心した。 アメリカに留学して2年後の夏、南部アトランタの病院で研修する機会を得た。日曜日 にはキング牧師父子が牧会していた教会に通った。キング牧師の父親から芝生を刈る仕事 を頼まれて、お宅を訪問したこともあった。私は神学校を卒業したらアトランタに戻ろう と、病院チャプレンの内定をもらった。 ところが1年後、アトランタに戻ることはなかった。出身大学の教会から緊急の招聘を 受けたからである。その後は、タイのキリスト教主義大学の牧師をし、日本基督教団に転 籍後は京都、芦屋、熊本の教会で牧会した。アトランタは遠のいていくかに思えた。 しかし不思議なことに、私の長男はキング牧師がバスボイコットを指導したアラバマ州 モンゴメリの黒人高校を卒業し、キング牧師の母校モアハウス大学に入学することとなっ た。2001年の冬、キング牧師父子が牧会していた教会の礼拝に出席するため、私はア トランタの黒人街を長男と一緒に歩いていた。28年前の夏には、たった一人でその路を 歩いていた。私は不思議な思いに包まれた。聖霊の導きがあったのだろうか。それとも偶 然が積み重なっただけなのか。いずれにせよ、若い日にキング牧師に出会った結果であっ たことは間違いない。 私たちの出会いの行方には、何が待っているだろうか。KLでのさまざまな出会いは、 私たちをどこに導くだろうか。人生においてイエス・キリストと出会ったことを思い返し ながら、新しい出会いを大切にしていきたいと思う。
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