DIC鹿島工場に環境対応とコスト削減を大きく推進する超高効率排水処理

Press Release
報道関係者各位
2012 年 2 月 13 日
DIC 株式会社
〒103-8233 東京都中央区日本橋 3-7-20
DIC 鹿島工場に環境対応とコスト削減を大きく推進する超高効率排水処理装置を導入
CO2 の発生を年間 720 トン低減、初期設備投資と運転コスト 45%以上低減へ
DIC 株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:杉江和男)は、このたび鹿島工場におけ
けんきせい
る排水処理設備の増強を目的に、同工場内に嫌気性 排水処理装置(住友重機械エンバイロメント
株式会社製の「バイオインパクト(BIOIMPACT ® )」)を一基導入しました。化学系排水の処理用途
では嫌気性排水処理装置の導入事例はまだ少ないものの、嫌気性による特性を活かして、同工場
の排水処理能力向上や省エネルギー化を進めています。
化学系排水の処理については、酸素を必要とする活性汚泥(注1)を用いて、排水中の有機物を
こうきせい
炭酸ガスと水に分解する好気性 処理法(活性汚泥法)が一般的ですが、このたび導入した「バイ
オインパクト」では、新たに実用化された嫌気性処理法(グラニュール法)が採用されています。
嫌気性処理法(グラニュール法)は、グラニュールと呼ばれる嫌気性(酸素を必要としない)の
菌を高濃度に充填したタンク内で、排水中の有機物を短時間でメタンガスと二酸化炭素に高速分
解する処理方法です。同装置は以下の特長を備えており、発生するメタンガスの工場稼働への再
利用も含めて高効率、省スペース、省エネルギーなどを実現する画期的な排水処理設備として注
目されています。
【超高効率嫌気性排水処理装置の特長(好気性排水処理装置との比較)】
① 好気性排水処理における消費エネルギーの大部分を占める曝気 (注2) エネルギーが不要
⇒電力消費および CO2 発生を削減
② 余剰汚泥 (注3) 発生量が 10 分の 1 程度
⇒汚泥処理費および産業廃棄物を低減
③ 発生したメタンガスは、ボイラーの燃料として利用可能
⇒ボイラーの燃料費および CO2 発生の低減
④ 単位容積当たりの排水処理能力が高い
⇒装置のコンパクト化が可能で大幅な省スペース化を実現
同工場では嫌気性排水処理装置の導入により、余剰汚泥設備の設置が不要であること、装置・
設備のサイズがコンパクトになることから、初期設備投資金額を 45%削減しました。また、運転
コストについても、発生する余剰汚泥の低減と発生するメタンガスの燃料化(注 4)および排熱回
収 (注 5) により、48%の削減が可能になりました。(いずれも同程度の好気性排水処理装置を導
入した場合との比較)また、メタンガスの燃料化により発生したスチームのうち、年間 2,500 ト
ン (注 6) を工場稼働のために有効活用していく計画で、CO2 の発生を年間 720 トン削減する見込
みです。当社では今後、コストパフォーマンスや省エネルギーに優れた同排水処理設備の有効活
用を鋭意進めていく所存です。
本件に関する報道機関からのお問い合わせ コーポレートコミュニケーション部
TEL 03-5203-7838
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【注】
(注 1) 人工的に培養・育成された好気性微生物群を主成分とする汚泥の総称
(注 2)好気性排水処理法においては、空気と排水を接触させて排水中に酸素を供給すること(曝気)
が必要。排水中にブロアーで空気を送ったり排水の表面を撹拌したりして曝気を行うが、ブ
ロアーの運転でエネルギーが消費される。
(注 3)好気性排水処理において発生する排水処理に不要な微生物や泥などの塊。産業廃棄物 のうち
多くの割合を占める。余剰汚泥の多くは脱水、焼却、埋め立て等によって処分されるが、余
剰汚泥処理費用は高騰する傾向にある。
(注 4) 同工場ではメタンガスを燃料化することにより、スチームを 約 11 トン/日製造している。
(注 5)嫌気性排水処理においては、排水処理温度を約 32~35℃に維持する必要があるが、その熱源
として 1 日当たり約 9 トンのスチームを消費する 。同工場では、そのうち、スチーム換算で
約 6 トン/日を回収している。
(注 6)メタンガス燃料化によるスチームの生産
熱回収(スチーム換算)
11 トン/日
6 トン/日
嫌気性排水処理によるスチーム消費
-9 トン/日
残り 8 トン/日
8 トン×315 日(工場稼働日数の概算値)≒2,500 トン/年
当社鹿島工場の超高効率嫌気性排水処理装置「バイオインパクト」
以上
本件に関する報道機関からのお問い合わせ コーポレートコミュニケーション部
TEL 03-5203-7838