3次元座標取得によるユーザインタフェイスに関する研究

3次元座標取得によるユーザインタフェイスに関する研究
~Kinect によるバーチャルキーボード~
摂南大学
103021 尾上 弘樹
理工学部 電気電子工学科 電子光機器研究室
Studies on user interface by three-dimensional coordinate acquisition
‐Attempt of virtual keyboard implementation by using Kinect –
Hiroki Ogami
Electronic and Optical Systems Lab., Dept. of Electrical and Electronic Engineering, Setsunan Univ.
1.概要
また、図 2 は先ほど記述した 2×2 の 4 つの領域でテスト
現在、顔やバーコードなどをカメラによって認識、処理
を行なったときのデモンストレーション写真である。図 2
することが当たり前となっている。しかし、よく見かける
の補足として指を下ろす時に指先だけ指の付け根に比べて
のはカメラによってキャプチャされた動画や画像といった
少し下がるために Kinect と指が平行でなくなるため、精度
2次元のデータを処理していることが多い。今回は kinect
が落ちる結果として、第一関節あたりに指先の判定が表示
を使用し、深度センサを使って動画、画像に加えて奥行き
されてしまう。
を含めた3次元のデータを扱い処理する。実際に処理を行
なうにあたって、キャプチャされた動画に映る指先の座標
とカメラと指先までの距離データを使用し、バーチャルキ
ーボード向けのプログラムを実装し,その動作を実験検証
する。
2.研究状況
スケッチ
プログラミング環境は processing、カメラは Kinect for
キャプチャデータ
Windows ライブラリは SimpleOpenNi、FingerTracker(4)を使
用している。現在は動画内に 2×2 の 4 つの大きな領域を
実行出力
表示させ、例えば右上の領域内で指を下せば「Right Up」
と表示させるところまで成功している。
3.説明図
図2
Kinect の深度センサが使用可能な範囲は 800mm~4000mm
であるので机から 800mm 以上高い位置に Kinect を設置しな
くてはならない。図 1 は設置場所と手を置く机との距離を
深度センサによって測定する プログラムの動作画面で
ある。
4 つの領域でのデモンストレーション写真
4.今後の課題
現在のところ,最大の課題は指先検出の精度である。
Finger Tracker は深度センサーによって手の凹凸から指先
検出を行なっているので手がカメラに平行でなくなった
りするとうまく認識しなくなる。そしてこの対策としては
深度情報ではなく色相によって指先を検出できるように
プログラムを改善している。
文
(1)工学ナビ
Kinectと机との距離
献
(2013 年 12 月)
http://kougaku-navi.net/index.html
(2)Processing 1.0 _ALPHA_ » Reference
(2013 年 12 月)
http://tetraleaf.com/p5_reference_alpha/index.html
測定点
(3)Processing で学ぶプログラミング入門(2013 年 12 月)
http://mmil.cse.kyoto-su.ac.jp/learningProgramming/
(4)FingerTracker(2013 年 1 月)
図 1 距離測定プログラム
http://makematics.com/code/FingerTracker/