c o m pan y スポティファイは音楽を救うか定額音楽配信の世界最大手、1 億人が利用する「Spotify（スポティファイ）」が上陸した。約 4000 万曲を楽しめる広告露出付きの無料プランが特徴で、米アップルの追随を許さない。米国などではスポティファイが音楽市場の復活に寄与しているが、日本でもなじむか。上陸するとされて約 4 年。9 月ユーザー数 1 億人は定額音楽配末、定額音楽配信の世界最大手、信で最大規模。無料会員の 6000 スウェーデンのスポティファイ万人が再生することによる広告収がついに、日本でのサービスを開入に加え、4000 万人の課金収入数千万始した。一定額を支払うと、の一定額を、再生数に応じて各権 IN DEPTH HEADLINES 曲の楽曲がストリーミング再生で利者に配分している。無料での体聴き放題となる定額音楽配信の草験が有料会員への誘導につながる分け的存在。世界で 1 億人が利用好循環を生み、スポティファイのしており、うち 4000 万人が有料 2015 年の売上高は前年からほぼ倍増の約 19 億 5000 万ユーロ（約会員だ。世界で最も規模が大きく、有料会員は米アップルの定額音楽配信の 2 倍程度とされる。スウェーデン発の音楽配信スポティファイのダニエル・エクCEO その還元が世界では音楽市場低迷日本では月額 980 円を支払うと、国音楽業界は、このプランに反発。4 年の歯止めとなっている。内外の約 4000 万曲をあらゆる端末で前から進出を模索していたスポティフ全米レコード協会（RIAA）によると、自由に聴ける。当初は招待制で開始し、ァイは、権利者との調整に手間取った。今年 1 ∼ 6 月の音楽売上高は 8.1％増の年内にも一般に広く開放する。米国の人気アーティスト、テイラ「AWA」「LINE 国内では昨年から、ー・スウィフトが「音楽は無料ではな MUSIC」「Apple Music」などが相次い」と主張。自身の楽曲全てをスポテ 34 億ドル（約 3470 億円）となり、上期としては 1998 ∼ 99 年以来となる 2 年連続の増加だ。うち、ストリーミングぎ定額音楽配信を開始している。これィファイから引き揚げるなど、欧米で配信による売上高は 57％増。CD 販売らと一線を画する武器が、スポティフも一部からの反発はある。の落ち込みを補い成長へ導いている。ァイの「無料プラン」だ。スマートフォンで個別の楽曲を選 020 2300 億円）と成長は止まらない。米国は2年連続で市場拡大「ストリーミングによって米音楽業界へ還元される収益の半分をスポティべない、広告が入る、有料プランに比しかし、日経ビジネスの取材に応じファイが占めている。大きな貢献をすべ低音質、といった制約があるものの、ダニエル・たスポティファイの創業者、ることができた」とエク CEO。抵抗し楽曲が集まった 20 億種類以上もの「プエク CEO（最高経営責任者）はこう反ていた日本の音楽業界も、そうした世レイリスト」から好みのリストを自由「音楽が無料で提供されている論する。界での実績に対して理解を示し始め、に選び、無料で無制限に楽しめる。だまだ音楽業界にある。無という誤解が、サービス開始にこぎ着けた。が一方で、この無料プランが参入を遅料プランでも広告収入というものが生新手のモデルが日本の音楽市場にどらせた要因でもある。諸外国に比べ、まれているわけで、収益は音楽業界やの程度、貢献するか。来年の年明けに CD 販売の落ち込みが緩やかな日本のアーティストに還元されている」。も答えが見えてくる。 NIKKEI BUSINESS 2016.10.10 SID=71d4ea77a2b7e1faf1acaae47545a4b6d13e66c410e0c375　無断複製・無断転載禁止　日経BP社（井上理）写真=稲垣純也