障害のある人が、 地域で、普通に、その人らしく、 自立して暮らすために

滋賀県地域福祉施策検討委員会提言2007
障害のある人が、
地域で、普通に、その人らしく、
自立して暮らすために
平成 19 年(2007 年)10 月
滋賀県地域福祉施策検討委員会
社会福祉法人 滋賀県社会福祉協議会
滋賀県地域福祉施策検討委員会提言 2007
障害のある人が、地域で、普通に、その人らしく、
自立して暮らすために
滋賀県地域福祉施策検討委員会提言部会では、障害者自立支援法の理念を実現するた
めにそれぞれの地域(くらしの場)でできることはどのようなことか、行政や民間の福
祉関係者に期待されている役割、求められている役割はどのようなことかを明らかにし、
さまざまな社会資源が協力・協働して、くらしの場で必要とされる取り組みをすすめて
いこうという考えから、今回の提言づくりに取り組みました。
本提言は、障害のある人が、地域で、普通に、その人らしく、自立して暮らすために
必要な取り組みを、5つの柱からなる提言としてまとめたものです。
〈提言の考え方〉
本提言では、障害者の地域での生活を、「住まい」、「働く場・日中活動の場」、「余暇
活動」、そして「地域におけるつながり」の4つの面からみていくことにしました。そ
して、これらのことをどのように確保もしくは豊かにしていけるのかについて検討を行
いました。
さらに、障害者自立支援法のなかで規定された地域自立支援協議会をプラットフォー
ムとする支援のしくみが、一人ひとりの障害者の生活ニーズに沿って日常の暮らしを継
続的に支えるものとなることが重要であると考え、当事者主体の相談支援体制について
も検討を行いました。
障害のある人のくらしの場に目線をおき検討したこの提言が、そこにかかわる多くの
人たち、関係機関や団体の協力や協働によって具体的な取り組みとなるよう、私たち地
域福祉関係者は力を合わせていきたいと考えています。
提言の考え方と構成
提言2
提言3・提言4
働く場
日中活動の場
余暇活動の場
本人
地域でのつながり
住まい
提言1・提言5
地域自立支援協議会をプラットホームとする支援のしくみ
1
提言1
身近な地域での見守り・支え合いと相談支援機関の連携等による、生活
全体へのすき間のない支援
提言2
生活の拠点となる住まいの確保
提言3
いつもの余暇を豊かにする環境づくり
提言4
働く場づくり
提言5
共生の地域づくりをすすめる戦略的パートナーシップとしての「地域自
立支援協議会」の充実
提言1
身近な地域での見守り・支え合いと相談支援機関の連携等による、
生活全体へのすき間のない支援
判断能力が十分でない障害者が、人としての尊厳を保ち、地域で安心して暮らし
ていくためには、生活全体によりそうすき間のない相談支援体制の構築と、当事者
理解をすすめる地域づくり、さらには潜在的な権利擁護課題をとらえる支援者の質
の向上が必要です。
相談事業を活性化し、地域生活の基盤整備を促進するためには、相談支援に係る
関係機関のネットワーク(連携と協同、協働)が重要な柱になります。また、地域
住民と関係機関のネットワークを重層的に組み上げて、地域の見守り・支援機能(地
域の力)を高めることも重要です。
ついては、①福祉圏域(もしくは、人口10万人規模程度)での権利擁護センタ
ーの設置、②相談支援ネットワークの強化、③住民主体の地域支援体制づくりによ
り、地域の支援力の高まりをつくりだすことを提言します。
①福祉圏域単位での権利擁護センターの設置
¾
(図1参照)
地域で生活するうえでは、権利擁護活動や地域福祉権利擁護事業は欠かせない
要素です。特に、福祉サービスや他の社会サービスが契約によって提供される
なかでは、生活支援と並行して、適切な契約理解、利用料の支払い等を行う必
要があります。また、そもそも障害者本人の人権を守り、自己実現のためのサ
ービス利用と提供が適切になされているかを監督できるバックアップ体制も
必要です。
¾
ついては、権利擁護にかかる相談の集約と支援の調整、個別支援の必要な人に
対する地域福祉権利擁護事業による生活支援を一元的に提供できる「権利擁護
センター」を福祉圏域単位で設置し、高い安心感の確保と不安の解消を図るこ
ととします。
2
(提言のポイント)
○福祉圏域(振興局単位)もしくは、人口10万人規模程度を単位としてセン
ターを設置する。
○市町社協が設置運営主体となる(圏域内市町社協による共同設置あり)
。
○権利擁護センターの活動
・潜在的なニーズも見据えた相談対応の充実
・地域福祉権利擁護事業の充実
・成年後見制度利用支援
・関係機関間の連絡調整
・支援関係者の資質向上のための事業
等
○運営費(人件費、事務費)は、公費をはじめ、共同募金の特定目的募金等の
活用を検討する。
○県権利擁護センターの機能強化(圏域でのしくみづくりや権利擁護活動の支
援)を図る。
図1
権利擁護センターの設置
行政機関
関係機関
ネットワーク
サービ ス調 整会議
家庭裁判 所
○福祉事 務所
○保健所 等
○警察等
障害者
生活支援 センタ ー
連絡調整
家族
連絡調整
分野ごとの専門機関
連絡調整
近隣住民
支援
権利擁護センター
小地域 あんし ん
ネットワーク
●福祉圏域もしくは、人口10
万人規模程度を 単位に設置
地域ケア会議
市町社協
地域福祉 部門
連携
連絡調整
本人
○高齢者
・ 地域包括支援セン ター
○障害者
・障害者生活支援セン ター
・働き・暮らし応援セン ター
・地域療育等支援事業
○児童
・子育て支援セン ター
●市町社協が設置、運営
支援
支援の対 象となる 人
①障害や 加齢、 疾病等 により判 断能力
が十分でない住民
②その 他、権利 擁護を必 要と する住 民
県権利擁 護センタ ー
(県社協内)
3
・権利擁護活動
・地域福祉権利擁護事業
・成年後見制度利用支援
・権利擁護にかかる 関係機関間の
連絡調整
・支援関係者の資質向上 等
②相談支援ネットワークの強化
¾
(図2参照)
当事者を中心にすえ、ニーズに対応した適切な支援をしていくために、暮らし
のさまざまな場面に係わる支援機関や地域住民も含めた支援者の情報を集約
し、支援計画をたて、具体的な支援を展開していくことが必要です。
¾
ついては、身近な相談機関の設置(明確化)と重層的なネットワーク会議の開
催を確実にすすめ、生活支援の総合化を図ることとします。
(提言のポイント)
○地域に開かれた「身近な相談所」を増やす取り組み
・作業所、施設、社協等が、第一次の相談窓口として地域住民に開かれた
存在であることを PR する統一マークや看板、一覧表等の設置
○第一次の相談窓口と、障害者生活支援センター等、相談支援機関や行政との
協力・連携の強化
・地域自立支援協議会における連絡調整機能の強化
図2
生活全体へのすき間のない支援
商店や事 業者
小地域あんしんネットワーク
身近な相談所
近隣住民
作業所
施設
医療機関
教育機関 など
福祉委員
交番
本人・家族
民生委員
児童委員
地区社協
地区助け合い センタ ー
ボランティア
地域で活 動 する
各種団体
ボランティアセンター
(社協)
社会福祉協議会
行政機関
地域自立支援協議会
障害者生活支援センター
権利擁護センター
働き・暮らし応援センター
4
③住民主体の地域支援体制づくり
¾
(図2参照)
地域生活には制度による支援以外の多様な側面が含まれており、それらは生活
支援機関による支援のみでは解決することはできません。それらの生活課題は
保健福祉医療に関連する課題のみではなく、友人や近隣との関係、暮らしの安
心や安全を維持するという近隣住民間の課題、さらには余暇の課題等も含まれ
てきます。
¾
つまり、地域で生活していくうえでは、地域社会の有形無形の支え合いが暮ら
しの土台として欠かせないのです。
¾
地域における自治活動や住民同士のつながりの脆弱化が進行していることは
事実ですが、一方で、ボランティア活動や NPO 活動は活発化しています。
¾
そこで、社会福祉協議会が中心となり、地域のなかに点在する多くの住民主体
の地域福祉活動を結び、また必要に応じて開発するなど、住民主体の支援活動
の推進を図ることとします。
(提言のポイント)
○小地域あんしんネットワーク
・普通の暮らしの場だからこそできる活動(日常の情報提供や声かけなど)
推進
・コンタクトパーソン(接点のある人)づくり
・交番、商店、会社等の地域の事業者の障害者理解促進
・地域ケア会議の開催
・小地域でのボランティア活動推進のための、地区助け合いセンター等の
設置
○社協ボランティアセンターの機能強化
○サロン活動、地域共同ケア事業
○生活支援機関等との連携
5
提言2
生活の拠点となる住まいの確保
生活のベースとなる住まいを確保することが、地域生活のスタートですが、障害
者が自立して地域で暮らす姿がまだまだ日常的でない地域は多く、賃貸契約が結べ
ない、地域住民の反対がある等、住まいの確保は容易ではありません。同時に、障
害者本人や家族、支援者も地域での新生活に対する不安から移行を躊躇することが
多いという現状があります。
この問題を解決し、地域での自立生活を具体的なものにしていくためには、本人
だけでなく、家族や支援者、地域住民が、ともに、「障害者が地域で普通に暮らす
こと」の経験を積み重ねるなかで不安を一つずつ解消し、理解を深めていくことが
有効であると考えます。
そこで、以下の、①地域生活体験事業、②居住サポート事業を、各地域自立支援
協議会の事業として位置づけ、地域生活への移行、居住支援が推進されるよう提言
します。
①地域生活体験事業
¾
施設入所または病院において長期に集団生活を送ってきた障害者や、家族によ
る養護のもとで生活してきた障害者およびその家族にとって、地域での自立生
活に移行することへの不安は大きいものです。同時に、当該地域住民も、わか
らない、知らない中で不安感を有することが往々にしてあります。
¾
そこで、地域での生活を望む障害者について、ピアカウンセリング等の相談支
援をとおして不安の解消と支援課題等の把握を行い、地域での自立生活に向け
た具体的な準備として、一定期間、必要なサポート(フォーマル、インフォー
マル)を利用しながら地域生活を体験する事業の実施を提言します。
¾
地域生活という希望を有しながらも実現に結びつきにくかった人たちの一歩
を支援する本事業を県内各地で実施していくことにより、障害者本人が経験や
自信を獲得するとともに、地域社会による支援体制づくりが推進されるものと
考えます。
(提言のポイント)
○地域自立支援協議会のプロジェクト事業として運営
○体験期間の家賃および世話人の人件費への公費補助
○公営住宅の活用
○体験までつなげるためのピアカウンセリング等の相談支援活動の充実
○地域社会とのつながり、地域支援体制づくりとの同時進行。福祉ボランティ
ア育成
6
②居住サポート事業
¾
(図3参照)
賃貸契約による一般住宅への入居を希望しているが、保証人がいない等の理由
により入居が困難な障害者に対し、入居に必要な調整等に係わる支援を行うと
ともに、家主等への相談・助言を通じて障害者の地域生活を支援します。
(提言のポイント)
○地域自立支援協議会の事業として運営(福祉圏域もしくは人口10万人規模
の単位で居住サポートチームを設置することとし、圏域内市町の共同事業と
する)。
○不動産業者、宅建業界との連携
○あんしん賃貸支援事業(県の主管は住宅課)との連携
○公営住宅の活用
○障害者生活支援センター、権利擁護センター、社会福祉協議会との連携によ
る支援の充実
図3
生活の拠点となる住まいの確保〈地域生活体験事業・居住サポート事業〉
一般住宅への入
居が困難な状況
にある 知的障害者・
精神障害者等
施設・病院
利用者
保証
公営
住宅
家主
地域の
支援体制
あっせん
権利擁護
センタ ー
必要な調 整
障害者生 活
支援センタ ー
地域自立支援協議会
居住サポートチーム
福祉サ ービ ス事業 者
必要 な調 整
入居契約 の
手続 き支 援
入居契約
生活支援
緊急時対応
福祉圏域 もし くは、人 口10万人
規模単位 で設置
市町社協
県
町
市
不動産業者
あんしん賃貸
支援事業
7
医療機関 等
親族等
あっせん
物件のあっせん依頼
就労先企 業
提言3
いつもの余暇を豊かにする環境づくり
地域での普通の暮らしでの豊かさを考えたとき、余暇の過ごし方は重要です。
外出支援やコミュニケーション支援といったサービスが障害福祉計画にも計画事
業として挙げられていますが、これらのサービスは、外出目的や他者と接する活動が
あることが前提となるものです。通院や日常の買い物などの基本生活レベルしか外出
することがなく、生活の楽しみ的な活動が全くない暮らしは味気ないものです。
そこで、障害者の余暇を豊かなものにしていくために、①いっぷくしたい場所づく
りや、②作業所の土曜日メニュー充実支援、③余暇開発と余暇体験づくり、余暇活動
のユニバーサルデザイン化、④余暇支援ボランティア活動の充実といった取り組みの
推進を提言します。そして、こうした障害者の余暇活動を豊かにするための社会資源
づくりを意識的にすすめながら、特別な取り組みの必要がない地域をつくっていくこ
とをめざします。
①いっぷくしたい場所づくり
¾
昼休みやアフターファイブ、休日に、ゆっくりできる場所を、地域に一つでも
多くつくっていけるよう、住民や関係者等、公民協働による取り組みをすすめ
ていくことが必要です。
(提言のポイント)
○地域自立支援協議会での企画立案
○作業所や地域のサロンなど、地域資源の活用
②作業所の土曜日メニュー(余暇活動)充実支援
¾
作業所利用者だけでなく、だれでも参加できる地域の余暇活動の場として、作
業所等が自主的に取り組む余暇支援活動の充実を図ることとします。
(提言のポイント)
○地域自立支援協議会での企画立案
○ボランティアセンターの働きかけによる運営ボランティアの参加促進
③余暇開発と余暇体験づくり、余暇活動のユニバーサルデザイン化促進
¾
主体的な余暇活動への参加をすすめていくために、余暇の楽しさを経験できる
機会づくりが必要です。
¾
生涯学習やスポーツの場のユニバーサルデザイン化をすすめるためには、まず
関係者の意識変革を促すことが必要です。
8
(提言のポイント)
○地域自立支援協議会での企画立案
○生涯学習やスポーツ関係者(公民館や体育協会など)への啓発や研修機会の
提供
④余暇支援ボランティア活動の充実
¾
ニーズ把握⇒プログラムの開発や発掘⇒ボランティアの募集や育成⇒マッチ
ングという、ボランティアコーディネイト活動の強化をはかることとします。
(提言のポイント)
○ボランティア育成のための講座開催や福祉ボランティア人材バンクづくり
にとりくむボランティアセンターへの支援
9
提言4
働く場づくり
本県では、共同作業所づくり運動を通して障害者が地域で働く実態づくりが推進さ
れてきました。一般就労のチャンスはまだまだ少なく、作業所についても仕事確保や
工賃アップなど課題は多く、ともに働く社会づくりは途上ではありますが、社会的事
業所や事業所型作業所など滋賀モデルといわれる社会的な取り組みが実績を積み重
ねつつあります。
ここでは、一般就労につながる機会づくりと滋賀モデルの推進・強化を図るための
取り組みとして、①一般就労への移行支援の強化、②企業退職者等のスキルや社会参
加意欲を、障害者の働く場づくりに生かすための取り組み強化を提言します。
特に、民間企業や事業所との連携・協同による推進力の拡大と、企業退職者等の地
域人材力の投入による推進力の拡大は、大いに期待されるところであり、そのための
しくみづくりや、啓発活動等の施策充実が重要であると考えます。
①一般就労への移行支援の強化
¾
一般就労に向けたトライアル雇用、グループ就労等の取り組みの充実強化が今
後も必要です。
¾
特に、滋賀経済団体連合会、中小企業家同友会、商工会議所等との連携・協同
の強化により体験の場が広がることが期待されます。
¾
そのために、各地域の就労支援活動の中核となる働き・暮らし応援センターの
体制の充実強化をはかることとします。
¾
同時に、障害者就労支援事業の中核であるハローワークと、働き・暮らし応援
センターの連携強化も重要です。
¾
また、多様な障害者の雇用モデルである社会的事業所が、生きた教材として地
域で障害者問題や人権・福祉問題の啓発を行ったり、その実績や効果を広く発
信していくことによる効果も大きいと考えます。
(提言のポイント)
○地域自立支援協議会と、滋賀経済団体連合会、中小企業家同友会、商工会議
所等との連携・協同
○トライ WORK 推進事業の充実強化
○就労サポーターおよび職場開拓員(現在、各圏域に 1 名配置)の働き・暮ら
し応援センターや作業所への配置拡充
○ハローワークの障害者就労支援事業と、働き・暮らし応援センターとの連携
による取り組み体制の強化
○社会的事業所や事業所型作業所等の県内の取り組みの PR といっそうの育成
10
○福祉分野、教育分野等の公共サービス分野における地域雇用の創出(受託業
務等)
○障害者雇用事業所への総合評価入札制度の導入等による優先発注など、雇用
拡大のインセンティブとなる取り組みの推進
②企業退職者等のスキルや社会参加意欲を、障害者の働く場づくりに生かすための取り
組みの強化(有給スタッフとして、またボランティアとして)
¾
上記①をすすめていくためには、受け入れ事業所側の状況を周知し、体験者と
の調整役となれるスタッフ(就労サポーター)の役割が重要です。
「餅は餅屋」
といわれるように、企業退職者が一定の障害者理解のための研修を経て、この
役割をになうしくみづくりが必要です。
¾
また、就労先の開拓活動を行う職場開拓員についても、民間における営業のス
キルが有効です。
¾
団塊の世代の定年退職後の社会参加の場として現役時代の知識や経験を生か
してもらえるしくみづくりを県域全体ですすめ、各圏域の働き・暮らし応援セ
ンターやハローワークの体制強化につなげていくことを提案します。
(提言のポイント)
○就労サポーターや職場開拓員として活動する人材の発掘と育成
○県域での人材バンク創設(商工労働サイド)
11
提言5
共生の地域づくりをすすめる戦略的パートナーシップとしての「地域
自立支援協議会」の充実
地域自立支援協議会は、障害者の地域生活にかかわるニーズの集約からニーズに対
応した地域ぐるみの取り組みの推進、さらには新たな社会資源やサービスの開発等、
地域内の幅広い関係者(機関や団体等)の連携協力体制をつくる場であり、協働活動
を生み出す場です。
本県が先駆的に進めてきたサービス調整会議のしくみをさらに発展強化させ、共生
の地域づくりのための戦略をつくり、実行していく組織(推進母体)として「地域自
立支援協議会」の充実強化を図ることがたいへん重要であると考えています。
ついては、①当事者ニーズ・地域ニーズに対応した協議会活動の充実強化、②県下
の各地域自立支援協議会活動のバックアップ機関としての県自立支援協議会の充実
を提言します。
①当事者ニーズ・地域ニーズに対応した協議会活動の充実強化
¾
包括的な相談支援のネットワーク強化(提言1)や、地域生活体験事業および
居住サポート事業(提言2)等、当事者ニーズ・地域のニーズに対応した取り
組み(プロジェクト)の推進母体(基盤的組織)として協議会が機能していく
ことが重要です。
¾
協議会は、地域における障害者自立生活支援活動のプラットフォームです。当
事者や住民参加の協議会づくりがすすむよう、その活動を見えやすくする工夫
も必要です。
¾
また、そのためには事務局体制の強化および、協議会に参加する機関・団体の
連携協力体制の強化が不可欠です。
(提言のポイント)
○当事者主体の協議が多様な角度から進められるテーブルづくり(地域生活支
援をすすめる上で核となる機関・団体の幅広い参画)と参画機関・団体の役
割の明確化
○地域支援体制づくりを担う社協のかかわりの強化
○事務局体制の強化と、情報発信の取り組み強化
○圏域の特性(ニーズ)にそった取り組み(プロジェクト)の企画実施
②県下の各地域自立支援協議会活動のバックアップ機関としての県自立支援協議会の
充実
¾
立ち上げ過程にある地域自立支援協議会へのスーパーバイズ活動をさらに強
12
化するために、県自立支援協議会の体制強化を図る必要があります。
(提言のポイント)
○各圏域における地域支援体制づくりのための、県社協との連携強化
○事務局スタッフの充実等による体制の強化
各圏域で実施されている地域自立支援協議会(サービス調整会議)
圏域名
ケース会議
運営・定例会議
統括的会議
専門部会、課題検討会等
大 津
個別調整会議
定例会議
全体会議
(隔月)
日中活動部会、就労部会、居住部会、居宅部会
相談支援事業委員会
湖 南
個別調整会議
運営会議
草津、栗東 、守山、野洲市
各自立支援協議会
定例会議
(年 4回)
進路部会、就労課題検討会
甲 賀
個別調整会議
定例会議
運営会議
全体会議
(年 2回)
精神障害者部会、特別支援教育部会
相談職種ネッ トワーク会議、進路調整部会
福祉を 考える 集い 進路を 拓く懇談会
余暇支援事業運営委員会
地域生活移行推進、就労移行推進検討会
東 近江
ケース検討会議
定例会議
運営会議
全体会議
(概ね年 2回)
進路部会、施設連絡協議会
就労部会、相談職種 ネットワーク会議
発達障害部会、よ かよ か事業運営委員会
地域生活あり方検討部会
湖 東
個別調整会議
定例会議
運営会議
全体会議
(年 2回)
通園部会
湖 北
個別ケース会議
運営委員会
全体会議
(年 2回)
企画部会、事業者部会
当事者支援部会相談ワーカー部会
湖 西
個別ケア会議
定例会議
事務局会
運営委員会
就労支援部会、発達障害部会
(滋賀県障害者自立支援協議会作成資料 2007.9)
13
【資料1】
平成 18−19 年度 滋賀県地域福祉施策検討委員会提言部会
部会員名簿 (任期:平成 19 年 3 月 19 日〜平成 20 年 3 月 31 日)
氏名
所属団体等
役職名
部会長
富士原要一
滋賀県社会福祉士会
会長
副部会長
田中健二
滋賀県児童成人福祉施設協議会
理事
副部会長
長谷平官
滋賀県手をつなぐ育成会
村井龍治
龍谷大学社会学部臨床福祉学科
河副健一
白杉滋朗
社会福祉法人悠紀会
社会就労センターにっこり作業所
おおつ障害者就業・生活支援
センター
副会長
教授
所長
センター長
中島秀夫
滋賀県障害者自立支援協議会
飯田忍宣
栗東市社会福祉協議会
身体障害者デイサー
ビスセンター指導員
重田由紀子
野洲市社会福祉協議会
福祉企画課主任
真弓洋一
東近江市社会福祉協議会
南
米原市社会福祉協議会
文雄
事務局長
能登川支所長
ほおずき作業所
施設長
(順不同・敬称略・平成 19 年 4 月 1 日現在)
14
【資料2】
平成 18−19 年度
滋賀県地域福祉施策検討委員会委員名簿
(任期:平成 18 年 4 月 1 日〜平成 20 年 3 月 31 日)
氏名
施設団体名
大芝洋一
滋賀県民生委員児童委員協議会連合会
副会長
前田光泰
滋賀県老人福祉施設協議会
副会長
田中宏尚
天満孝實
〃
滋賀県児童成人福祉施設協議会
田中健二
副委員長
静永進瑞
〃
滋賀県保育協議会
福永利明
委員長
副委員長
役職名
柳田
勉
〃
副会長
理事
理事
会長
常務理事
滋賀県市町社会福祉協議会会長会
会長
橋本武浩
滋賀県老人クラブ連合会
会長
内池章子
滋賀県母子福祉のぞみ会
会長
長谷川綱雄
滋賀県身体障害者福祉協会
副会長
長谷平官
滋賀県手をつなぐ育成会
副会長
山本しげ子
滋賀県ホームヘルパー協議会
元藤
滋賀県里親会
孝
会長
副会長
福島孝一
滋賀県精神保健福祉協会
理事
富士原要一
滋賀県社会福祉士会
会長
村田美穂子
滋賀県介護福祉士会
会長
今井
滋賀県介護支援専門員連絡協議会
会長
悟
(順不同・敬称略・平成 19 年 9 月 1 日現在)
15
【資料3】
障害者自立支援法の影響に関する実態調査結果の概要
1 調査の目的
障害者自立支援法の施行に伴う障害児者
福祉サービスの利用中止、ならびに利用
抑制の実態を明らかにするとともに、
制度改定が利用者およびその家庭の生活
にどのような影響を及ぼしているかを明ら
かにし、
今後の制度改善につながる提案、要望の
ための基礎資料とする。
併せて、社協における障害者の地域生活
を支援する活動を検討する基礎資料とす
る。
障害者自立支援法の影響に関する
実態調査の結果からみえるもの
滋賀県社会福祉協議会
県内市町社会福祉協議会
(協力:障害者の滋賀の共同行動実行委員会)
※本資料は、第25回滋賀県社会福祉学会( 2007年2月22日)に
おける自由研究発表の資料として作成したものです。
1
2
一次調査で回答があった施設・事業所の内訳
2 一次調査の対象と方法
更生施設(入所)
6.4% 更生施設(通所)
療護施設(入所)
1.4%
0.9%
一次調査(2006年10月末実施)
障害者福祉サービスを提供する県内の施設、
事業所に対し、今年4月〜9月の間にサービスを
中止もしくは抑制した人数を居住市町別に調査
した。
ホームヘルプサービスについては、社協事業
所以外を対象とした(別途把握したため)。
ホームヘルプサービス
17.0%
療護施設(通所)
0.9%
その他
3.2%
授産施設(入所)
0.9%
短期入所
6.0%
デイサービス
12.4%
授産施設(通所)
22.9%
通勤寮
0.0%
グループホーム
28.0%
・391施設、事業所中、218か所が回答
・回答率55.75%
3
更生施設(入所)
更生施設(通所)
療護施設(入所)
療護施設(通所)
授産施設(入所)
授産施設(通所)
通勤寮
グループホーム
デイサービス
短期入所
ホームヘルプサービス
その他
4
3 一次調査の結果
利用中止者は、51人(在籍者の0.81%)
利用抑制者は、85人(在籍者の1.35%)
〈ホームヘルプを除くと〉
利用中止者は、21人(在籍者の0.50%)
→厚生労働省データ(10月実施)では0.73%
利用抑制者は、42人(在籍者の1.0%)
通所施設の利用抑制者は、40人(在籍者の
1.72%)
→厚生労働省データ(10月実施)では4.75%
5
6
16
4−9月期 サービス別 利用中止・抑制状況
4−9月期 市町別 利用中止・抑制状況
50
2500
中止
45
30
抑制
40
市町別計 抑制
2000
在籍者数
市町別計 中止
25
35
30
1500
20
25
20
15
1000
15
10
10
500
5
5
0
余 呉町
西浅 井 町
高 月町
木 之本 町
湖 北町
多賀町
虎 姫町
豊郷町
甲 良町
竜 王町
日 野町
愛 荘町
東近 江 市
米原 市
安 土町
野洲 市
高 島市
湖 南市
甲 賀市
栗 東市
守 山市
長浜市
草津市
彦 根市
7
近 江八 幡市
0
大 津市
そ の他
ホ ー ム ヘル プ サ ー ビ ス
短期入所
デ イ サー ビ ス
グ ルー プ ホ ー ム
通勤寮
授 産 施 設 ︵通 所 ︶
授 産 施 設 ︵入 所 ︶
療 護 施 設 ︵通 所 ︶
療 護 施 設 ︵入 所 ︶
更 生 施 設 ︵入 所 ︶
更 生 施 設 ︵通 所 ︶
0
8
4 二次調査の対象と方法
4−9月期 市町別 利用中止・抑制状況(ホームヘルプ除く)
12
二次調査(2006年12月実施)
市町別計 抑制
市町別計 中止
10
一次調査で把握した利用中止者・利用抑制
者のうち、インタビュー調査への協力が得ら
れた人に対し、調査員(居住市町社協職員と
県社協職員および施設・事業所職員)が自宅
等を訪問し、インタビューを行った。なお、今
回のインタビュー調査では、ホームヘルプサー
ビスの中止・抑制者を除いた。
8
6
4
2
余 呉 町
・インタビュー調査が可能になったのは17人
(15施設・事業所、10市町)
西 浅 井 町
高 月 町
9
木 之 本 町
湖 北 町
多 賀 町
虎 姫 町
豊 郷 町
甲 良 町
竜 王 町
愛 荘 町
米 原 市
日 野 町
安 土 町
高 島 市
湖 南 市
東 近 江 市
甲 賀 市
栗 東 市
野 洲 市
近 江 八 幡 市
守 山 市
草 津 市
彦 根 市
大 津 市
長 浜 市
0
10
二次(インタビュー)調査の対象者
〈サービス別〉
・知的障害者通所授産施設
・身体障害者デイサービス
・身体障害者通所授産施設
・知的障害者共同生活援助
・精神障害者通所授産施設
・知的障害者更生施設(入所)
・身体障害者療護施設(通所)
11
二次(インタビュー)調査の対象者
〈市町別〉
・大津市
・長浜市
・草津市
・甲賀市
・高島市
・東近江市
・米原市
5人
4人
3人
2人
1人
1人
1人
12
17
1人
1人
1人
2人
2人
5人
2人
・日野町
・竜王町
・豊郷町
1人
1人
1人
5 二次調査(インタビュー)の
結果から
13
インタビュー調査からみえてきたこと
①家計への圧迫
②働く意欲、働く場が失われてきている
③生活の質(豊かさ)の低下
④地域とのつながりの弱さ
⑤サービスの質の問い直し
⑥情報や相談支援の不足
⑦将来への不安(加齢、親亡き後)
⑧医療の問題
⑨制度の狭間にある人への支援の弱さ
14
①家計への圧迫
②「働く意欲」「働く場」が失われてきている
移動支援にもお金がかかるので病院へ行く回数
も減らそうと考えている。
限られた年金のなかでこれ以上お金を払いたく
ない。いつまでここにいられるのかという思いで
月に何日か利用する日を減らしている。
障害基礎年金は生活のために最低限必要なお
金なのに、そこから利用料を払うのはおかしい。
グループホームと授産施設、二つの利用料負担
は重い。
一割ぐらいとも思うが、毎月のことだから重い。
昼食の用意は自分でできるので始末している。
サービスを利用しているというのではなく、働いているという
意識だったが、利用料が工賃を上回るのであれば働きに行く
意味がない。
1日利用するたびに工賃より高い利用料を支払わないといけ
ない。それなら「寝ているほうがマシ」
すでに働いている姉らと同様に、「がんばって働いて自立して
いくぞ」と意気込んでいたところに、4月の給料明細をみたとき
は本人も、母もすごくショックを受けた。こんなにがんばって働
いても給食代も自分で払えず、親の世話になるということに。
(工賃月4,000円程度、利用料一日1,470円)
制度改定のことを知った後、もっと給料をもらえるように就職
しようと考え、派遣会社に登録した。何度か面接には行くが、
いずれも不採用。
作業所をやめ、家にいることが多い。自分としては早く働きた
く、ハローワークに行ったが、何もいわないのに障害者雇用
の窓口に回されてムカッとした。
16
15
③生活の質(豊かさ)の低下
③生活の質(豊かさ)の低下(続)
作業所で友人と会い、一緒に食事をすることが楽しみ。
障害をもったもの同士、近所づきあいでは得られない気兼ね
のない交流ができる。
生活に張りがでる。一人暮らしのため家にずっといると不精
になる。
ここにくるのは楽しみだった。顔を合わせて話せる、悩みを言
い合い理解してもらえる。健常者相手だと気を遣ってしまう。
作業所の利用を中止し、家にずっといる生活でストレスがた
まったためか、体調を崩し、軽いうつ状態になった。
作業所では職員に言いたいことを聞いてもらえ、すっきりす
る。来ている方が楽しい。
17
利用していないときは家で寝ているかテレビ。家族以外
の他人と会うことはない。
利用していない日は家の中で過ごすことが多い。家族に
は気を遣う。
医療費の負担もあり、施設利用者の会の会費(レクレー
ションや食事会)を負担することは無理になってきている。
本人が得る収入で払える範囲ならよいが。
グループホームでは仲間との外出(映画、買い物、スポー
ツ)や地域行事への参加などができたが、今は後見人の
手伝いのみで自由な時間が少なく、ストレスがたまってい
るようだ。
デイサービスの内容については期待するものではないが、
仲間づきあいがあり、気分転換になる。利用負担のこと
で中止したが、何とか再開できるとよい。
18
18
④地域とのつながりの弱さ
⑤サービスの質の問い直し
身体面だけでなく、精神面でのサポートが
必要
デイサービスは職員が少なく、(家族が)行っ
ても職員の姿が見えないときもあったので
心配だった。
サービスの内容が変わらないのに、料金
が高くなることは納得できない。デイサービ
スを利用しないと入浴や食事ができないわ
けではなく、1,000円払えば美味しいものも
食べられる。
地域との交流はない。民生委員もほとんど
きたことがない。
民生委員の訪問はあまりない(年1回)。障
害になったときはだれも来てくれなかった。
19
20
⑥情報、相談支援の不足(続)
⑥情報、相談支援の不足
4月からの制度改定について養護学校側も事前に制度の内容
がわからず、就職についても情報が得られなかった。
制度の説明は市から書類が届いたが、難しくて自分には理解で
きなかった。
制度が変わることについて、しっかりと説明がなかったので行政
の担当者に尋ねに行った。ころころ変わってよくわからない。
施設から新法に関するアンケートをもらったがよく分からなかっ
たので適当に印を付けて出したら、デイサービスをやめることに
なっていた。
代わりのサービスについての情報はない。今の制度についての
情報もない。
高齢の後見人には法律や制度の理解はむずかしく、施設側が
本人にとってのサービスの大切さを説明しても、いろいろな情報
が飛び交うなかで最終的に中止を選ぶことになった。グループ
ホームに戻りたいと本人は希望しているが、後見人には話せて
いない。
年金の手続き等、自分ではわからない。市役所
にも相談していない。
地域生活支援事業については知らない。
送迎費のこと等、制度の変更についての説明が
ないまま突然変更になっていた。
毎年制度がかわることは障害者としてはえらい。
政府に疑問をもつ。
担当者がよいと信頼関係も生まれてくるが、担当
者が変わるととたんに不安になったり、利用が続
かなくなる。単なるサービスの充実ではなく、継
続的に相談にのったり、支援してくれる人がいて
くれるととても助かる。
21
22
⑦将来への不安
⑧医療の問題
障害に加え持病があると医療費が多くか
かってしまう。サービスの利用料負担が重
くのしかかる。
医療面での自立支援になっていないと思う。
診療報酬の改定でリハビリ受療日数が制
限された。その後、筋肉の拘縮で転倒し入
院。結果的に新たに病名がついてリハビリ
も再開できたが、今後また受療できなくな
る。これは命に関わることである。
今は家族と同居しているのでさほど負担で
はないが、父母は高齢であり今後のことを
考えると不安である。
母親が亡くなったあとの生活が不安。グルー
プホームへの入居を考えているが、月6万
の利用料がかかるので、もっと給料を上げ
ないといけない。
いつまでも自分で車を運転できるわけでは
ない。町内には移送バスがあるが、今後の
生活が不安だ。
23
24
19
⑨制度の狭間にある人への支援の弱さ
施設職員との打ち合わせからみえてきたこと
年齢的に若くもなく、高齢でもないものからすると、
福祉サービス等利用しにくいところがある。
地域での集まりがあっても、50代という年齢では
参加するところはない。
情報の不足
家族、親戚の判断で利用を中止せざるを得なかっ
た人たちの問題
退所されたのち、地域でだれも関われていない人
の問題など、相談支援にかかる地域内でのネット
ワークの弱さ
利用料負担にあえぎながらも利用を減らすことが
できない状況にある人の問題(滞納問題もある)
施設の行事(旅行やキャンプなど)を縮小せざるを
得ない状況
送迎にかかる利用者負担分の施設持ち出し 等
養護学校卒業後の年齢では年金が出ないため、
利用料負担等すべて親の負担となる。働きに行
けば行くほど家族に負担がかかり、「働いて自立
するぞ」と意気込んでいた本人のショックも大き
い。
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26
6 調査からみえてきた課題の整理
7 課題に対応した取組みをどう進めるか
①権利擁護(情報のデリバリー、制度等の理解援
助、サービス利用援助、成年後見等)の充実
②相談機能の充実
③ニーズに対応した適切な(包括的な)ケアプラン
作成とケアマネジメントの実施
④制度の狭間にある人への支援
⑤生活の質(豊かさ)の保障
⑥経済的自立の保障
⑦就労とサービス利用についての整理が必要
※現段階では、今回の調査からみえてきた課題
に対する、具体的な方策の検討には至ってい
ません。ここでは、取組みの重点となること
を整理しました。
具体的な方策については、滋賀県地域福祉施
策検討委員会提言部会において検討を行って
いきます。
27
28
そのためには、当事者が意思を表示できる
ための「場」の確保と「支援」が必要である
障害のある住民を主体においたニーズの把握
①自立を支えるための権利擁護サービス
・適切な情報を適切に届ける
・理解を助ける
・手続き支援 など
②身近な場所での相談機能の確保と、相談
機関間のネットワークによるワンストップ対
応(来談者が動かなくても、支援者が動い
て、必要な対応を本人に届ける)
③アウトリーチによる相談支援活動
さまざまな生活課題が出てきているなかで、
どのように問題解決をはかっていくか。
地域をあげて解決していくシステムをつくる
にあたって一番重要なのは、支援者側が、
障害のある住民の生活者としてのニーズ
を、住民主体の視点で総合的、包括的にと
らえること。
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30
20
そして、包括的・継続的なケアが提供できる
支援制度の確立が必要である
なによりも、障害のある住民の存在、認知症をも
つ住民の存在など、さまざまな困難な状況にある
人がこの地域で暮らしていることを、行政、社協、
福祉関係者、そして住民自身がリアリティをもって
受け止めていくことが大切。
①ニーズにもとづく包括的なケアプランの作
成
②ケアプランにもとづくケアのマネジメント
③専門職、機関が互いを補完し合えるネット
ワークの構築
④地域の人びととのつながりの確保
⑤生活の豊かさの保障
⑥制度の狭間にある人をつくらない柔軟な制
度の運用
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・その暮らしがどんなものであるかを想像し、
・その人らしく暮らしていくために必要なことを考え、
・その人らしく暮らしていけるように必要なことを創り出し、
・その人のもとにちゃんと届ける。
・そして、その人の暮らしに寄り添い、
・いつもその人とつながっていること
32
社会福祉協議会の役割としては、
障害のある住民も含め、さまざまな困難な状況にある人
が地域の一員であることを喚起し、
その人も含めた地域に暮らす人びとの生活の実態を、現
場で確実にとらえ、
困難を抱えた人の生活課題をつかみ、地域に課題の存
在を提起し、
その課題を他人ごととすることなく、みんなのこととして考
え、行動していける地域づくりをすすめ、
課題の解決のために、地域の社会資源、地域の力を結
集できるよう働きかけ、結集する場づくりをし、結集した力
とともに解決を目指し、そして力が発揮できるよう支えて
いくこと。
これが、社協としての存在価値であり、そこに社協の存
在意義がある。
33
21