事例6-1

©Nagao Laboratory
神経回路網による金融時系列データの変動予測
z 株価変動はランダムウォークに近く一般に予測は困難で
株価
過去
未来
?
?
?
あるが,長期・短期の過去との因果性が認められるため
に予測はある程度は可能と考えられる.
z ニューラルネットワーク(NN)は日本では“信用できない”
とされることが多いが,性能を理解して正しく使えば便利
なものであり,予測にも使うことができる.
現在
株価変動の予測
z NNを用いてパターン分類を行なう場合,右
の(その1)のように原データを直接階層型
NNに代入すると,汎用性のある分類器は
構築することができないことが多い.
原データ
時間
・・・・・
階層型
NN
NNによるパターン分類(その1)
z 一方,原データから抽出した複数の特徴量
を代入する(その2)では,赤い点線の特徴
抽出部分で原データの変形がある程度吸
収されるため,汎用性のある分類器を構築
することができることがある.
特徴量1
原データ
特徴量2
・・・・・
特徴量N
階層型
NN
(特徴選択器)
NNによるパターン分類(その2)
1
©Nagao Laboratory
適用方法と実験例
z NNによって次の日の株価や株価変
動率を予測する場合も同様であり,
右の(その1)よりも,(その2)の方が
良い予測結果になることが多い.
z ここで重要なのが(その2)で入力する
特徴量であり,できるだけ予測に関係
するものを意図的に選んだ方が良い
予測値を得ることができる.
当日価格 P(t)
1日前価格 P(t-1)
・・・・・
階層型
NN
明日の価格 P(t+1)
あるいは価格の増減
N日前価格 P(t-N)
NNによる価格変動予測(その1)
●日間移動平均値
×日間移動平均値
・・・・・
階層型
NN
明日の価格 P(t+1)
あるいは価格の増減
△△の価格
z 適切な特徴量が選択することで,翌
日の価格変動の方向的中率を60~
70%にすることができる場合がある.
NNによる価格変動予測(その2)
z 詳細は記載できないが,例えば右に
示す初期の研究では,外国債券の価
格変動を同様な方法で予測すること
で右肩上がりの利益を生じている.
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