熊谷市公共事業コスト構造改善プログラム 平成25年4月 目 次 第1章 基本的考え方 1.背景と目的 2.プログラムの対象 3.プログラムの期間 4.プログラムの実践目標 ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ 1 1 1 1 5.フォローアップ ・・・・・・・・・・・・・・ 1 第2章 プログラムの施策の設定及び実施 1.施策の設定にあたっての考え方 ⑴ 行動計画の継承 ⑵ 環境に配慮した公共事業の実施 ⑶ 広範な主体での取り組み 2.施策の実施にあたっての留意事項 ⑴ ⑵ ⑶ 性能・品質の確保 適正な手続きによるコスト縮減 公正な競争の促進 ・・・・・・・・・・・・・・ 3 ・・・・・・・・・・・・・・ 3 ・・・・・・・・・・・・・・ 3 ・・・・・・・・・・・・・・ 4 ・・・・・・・・・・・・・・ 4 ・・・・・・・・・・・・・・ 4 第3章 具体的施策 Ⅰ.事業のスピードアップ 【1】合意形成・協議手続きの改善 【2】事業の重点化・集中化 【3】用地・補償の円滑化 Ⅱ.計画・設計・施工の最適化 【1】計画・設計の見直し 【2】施工の見直し 【3】民間技術の積極的な活用 【4】社会的コストの低減 Ⅲ.維持管理の最適化 【1】民間技術の積極的な活用 【2】戦略的な維持管理 Ⅳ.調達の最適化 ・・・・・・・・・・・・・・ 5 ・・・・・・・・・・・・・・ 5 ・・・・・・・・・・・・・・ 6 ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ 7 8 9 9 ・・・・・・・・・・・・・・10 ・・・・・・・・・・・・・・10 【1】電子調達の推進 【2】入札・契約の見直し 【3】積算の見直し ・・・・・・・・・・・・・・11 ・・・・・・・・・・・・・・12 ・・・・・・・・・・・・・・13 参考資料 用語の解説 具体的施策の一覧表(体系・コード番号) ・・・・・・・・・・・15・16 p1~p5 「熊谷市公共事業コスト構造改善プログラム」フォローアップ実施要領 ①項目別施策報告書 ②代表事例報告書 第1章 基本的考え方 1.背景と目的 本市における公共工事のコスト縮減については、厳しい財政状況の中、適 正な品質を確保し、最小の経費で最大の効果を上げるため、より一層の効率 的かつ効果的な公共工事の執行が求められていたことを背景に取り組んでき たものである。 平成13年11月に「公共工事コスト縮減に関する熊谷市行動計画」を策 定し、その後、平成19年4月に「新行動計画」とする見直しを行い、5% のコスト縮減の目標を掲げ、平成22年度においては5.8%の縮減を達成し、 一定の成果を実現した。 この「新行動計画」の期間は平成24年度で終了となったが、これまでの 成果を踏まえると、今後もこれまでの取組は継続していくことが必要である と考えられる。 また、現在は、老朽化する公共施設の急増による将来の維持管理費の増大 への対応や、環境問題、特に地球温暖化防止対策や節電対策への対応が求め られており、これまでの工事の段階のコスト縮減に限らず、計画・設計・維 持管理までを含めた公共事業の全ての段階において、職員一人ひとりが新し い発想に基づき、創意工夫を凝らし、良質で効率的に事業を執行していくこ とが必要となっている。 こうしたことから、新たに、「熊谷市公共事業コスト構造改善プログラム」 (以下、「プログラム」という)を策定することとした。 2.プログラムの対象 プログラムの対象は、計画、設計、工事、維持管理までの公共事業の全て の段階を対象とする。 3.プログラムの期間 平成25年度から平成29年度までの5か年とする。 4. プログラムの実践目標 ① 項目別施策数 一工事当たり15施策以上 ② 代表事例改善率 年度において8%以上 5.フォローアップ 各年度において、具体的施策の着実な推進を図る観点で、安全性・耐久性 1 環境保全・美観など、品質を確保したうえでの取組で、貨幣換算しづらい施 策を含めて各施策項目を、量的・分野ごとに検証することと、発注部署でコ スト改善への取組を、代表事例として取り上げ、新たな事例や代表的な事例 を、コスト改善率として検証するものとする。 なお、フォローアップの方法については、「フォローアップ実施要領」に おいて定めることとする。 また、プログラム策定後においても社会経済情勢の変動に的確に対処する ため、施策の検討を随時進め、必要に応じて施策の追加・変更を行うことと する。 2 第2章 プログラムの施策の設定及び実施 1.施策の設定にあたっての考え方 ⑴ 行動計画の継承 本市の、公共工事コスト縮減対策は継続的な取組が図られ、一定の成果 が持続している。 本プログラムの策定にあたっては、引続き取り組むことが必要と考えら れる施策は継承することとし、社会情勢等の変化により新たに生じた課題 に対する施策を追加することとした。 ⑵ 新たな考え方 ア 広範な主体での取り組み 公共事業の実施には、事業計画の立案、用地の買収、施設の設計、工 事の入札・契約、施設の建設・維持管理等の多くの段階があり、多くの 関係者が存在するという側面がある。 そのため、公共事業の適正化、効率化及び透明性の向上並びにコスト の縮減を推進するためには、工事を直接実施する部署だけでなく、管理 などで関係する部署までを含めた、市全体としての取組が必要となる。 そこで、施策の設定にあたり、関係する全ての部署が公共事業の総合 的なコスト構造改善に向けた取組を行えるよう配慮した。 イ 環境や地球温暖化対策に配慮した公共事業の実施 本市では、環境と共生し、自然との調和のとれた豊かな環境を確保す るとともに、環境への負荷の尐ない持続的な発展が可能な循環型社会を つくっていくための取組を実施している。 また、その中でも特に、地球温暖化対策を最重要課題の一つに位置付 け、市民・事業者・市が一体となっての取組を実施している。 このため、事業を実施するに当たり、環境や暑さ対策に資する施策を 取入れた。 ウ 評価方法の変更 「新行動計画」における評価は、金銭への換算が容易に可能な施策に ついて行われ、それが困難な施策については、実施の検討がされても評 価されていなかった。このため、本プログラムにおいては、項目別施策 を量的に検証する方法と、代表事例からコスト改善率を算定する二通り から評価することとした。 3 2.施策の実施にあたっての留意事項 ⑴ 性能・品質の確保 社会資本が本来備えるべき供用性、利便性、公平性、安全性、耐久性、 環境保全機能、省資源性、美観、文化性等の所要の基本性能・品質の確保 を図ることとする。 ⑵ 適正な手続きによる工事価格削減 工事価格を施策等による裏付けがなく下げることは、下請け企業や資機 材供給者の労働者に不当なしわ寄せが生じる危険性がある。このため、プ ログラムに定められた施策を裏付けとして、工事価格削減に取り組むこと とする。 ⑶ 公正な競争の促進 公共事業には、入札における公正な競争の確保及び適正な施工の確保が 不可欠である。このため、入札談合等の不正行為を防止するとともに施工 体制の適正化を図ることとする。 4 第3章 具体的施策 プログラムの具体的施策を以下に示す。施策は、体系としてⅠ.事業のスピ ードアップ、Ⅱ.計画・設計・施工の最適化、Ⅲ.維持管理の最適化、Ⅳ.調 達の最適化の4分野28施策から構成している。 Ⅰ.事業のスピードアップ 【1】 合意形成・協議手続きの改善 施策1.構想段階からの合意形成手続きの積極的導入・推進 ① 事業ごとに事業プロセスの構想・計画段階からの合意形成手続きを導入、 推進する。 (具体事例) 1-A 市民の参加による公共施設整備の計画の策定を推進する。 1-B 段階的な事業説明を行い、市民との合意形成の改善を図る。 1-C 広報誌、ホームページ、パンフレット、イベント等による事業PRを行い、 事業に対する理解促進を図る。 1-D 水辺環境整備において、市民と連携しながら憩いの場となる水辺空間作りを 進める。 1-E 市民との連携を図るため、施設見学会やイベントなどを通じて、情報を広く わかりやすく発信する。 施策2.関係機関との調整による協議手続きの迅速化・簡素化 ① 関係部署で協議手続きの内容の必要性、妥当性等も含めて点検・検討し、 迅速化・簡素化を推進する。 (具体事例) 2-A 文化財調査における調査担当課との連絡調整を緊密にすることにより工事 着手の早期化を図る。 2-B 警察、消防、ガス・電気事業者などを含む、連絡調整会議等を開催するこ とにより、協議の迅速化を図る。 【2】 事業の重点化・集中化 施策3.事業評価の厳格な実施による透明性の向上 ① 事前評価と再評価を厳格に実施し、真に必要な公共投資を選別するとの観 5 点から事業箇所を厳選する。 ② 事業完了後の事業の効果や環境への影響等の確認を行う事後評価を厳格に 実施し、同種事業の計画・調査のあり方等に反映する。 ③ 道路事業評価システム等により、整備要望に対して公平かつ効果的な事業 実施を行う。 (具体事例) 3-A 事前評価及び再評価を実施する。 3-B 事業の再評価による見直しを実施し、事業箇所を厳選する。 3-C 整備要望に対して評価を実施し、効率性と透明性を高める。 3-D 事後評価を実施し、事業完了後の効果や環境への影響等の確認を行う。 3-E 国や県等の動向を踏まえ、環境への影響を評価することを検討する。 施策4.重点的な投資や事業の進捗管理の徹底による事業効果の早期発現 ① 事業箇所の厳選による集中投資や施工方法の工夫等により事業効果の早 期発現を図る。 ② 早期完成の必要性や効果が高い事業について完成時期をあらかじめ明示宣 言する等事業の進捗管理を徹底する。 (具体事例) 4-A 発注前年度に調査、設計等を行い、計画的かつ迅速に工事を発注することで、 平準化及び事業効果の早期発現を図る。 4-B 工事期間の短縮のため事業箇所の集中化を行い、事業効果の早期発現を図る。 4-C 事業採択時に事業期間を明示し、事業効果の早期発現を図る。 【3】 用地・補償の円滑化 施策5.あらかじめ明示された完成時期を目標とした計画的な用地取得を実現 ① 事業の計画段階から将来の供用までを見据えた周到な準備を行い、必要と なる施策を適時適切に講じる。 (具体事例) 5-A 計画段階から用地情報を集め、問題点等を事前に把握し円滑な事業実施を 図る。 5-B 補償金仲裁制度等を活用して、計画的な用地取得を図る。 5-C 施工計画との調整を図り、計画的な用地取得を図る。 5-D 補助金・交付金・地方債等を活用し、用地の早期取得を図る。 施策6.用地取得業務の効率化のための民間活力の活用 6 ① 用地取得業務で補償コンサルタント等の外部の専門家を幅広く活用する。 (具体事例) 6-A 土地評価、補償算定及び交渉上の相談に不動産鑑定士、補償コンサルタント を活用し、専門的問題の相談は弁護士等を活用する。 Ⅱ.計画・設計・施工の最適化 【1】 計画・設計の見直し 施策7.技術基準類の見直し ① ライフサイクルコストによる将来の維持管理費の縮減に向けた、長寿命化 や省エネルギー機器の使用を推進する。 ② 各事業に関する技術基準の統一と可能性を検討・推進し、各事業の整備に おける合理的(工法の比較・許容応力度計算)な設計を推進する。 ③ 構造物のプレキャスト化を促進する。 (具体事例) 7-A 省エネルギー機器の採用によるライフサイクルコストの削減を図る。 7-B 統一した構造基準等を作成し共有化を図る。 7-C 国や県等の動向を踏まえ、基準、指針等を検討し、運用を図る。 7-D 民間における優れた施工計画を参考とし合理的な設計に努める。 7-E 品質の均一化及び工期の短縮のため、建物主要部材のプレキャスト化を促進 する。 施策8.技術基準の弾力的運用 ① 地域の実情にあったより合理的な計画・設計を推進するための、技術基準 の弾力的運用を行う。 (具体事例) 8-A 設計段階において現場を含め諸条件の精査を行い、現場状況に適した極力 簡易な構造を採用する。 8-B 汎用品の使用を推進し、施工の省力化及びコスト縮減を図る。 8-C 道路の排水能力の向上や歩行空間の確保などの道路環境の改善につながる 整備を図る。 施策9.設計VE による計画・設計の見直し ① 設計段階から維持管理段階までの幅広い分野の技術者による設計VE を、設 計の早期段階から推進する。 7 (具体事例) 9-A 設計段階から維持管理段階までの幅広い分野の技術者による設計VE の導入 を検討する。 【2】 施工の見直し 施策10.工事における事業間連携等の推進 ① 施設の多目的化、複合化により効率的な整備を行う。 ② 他事業と連携した工事の実施を行う。 ③ 関連工事の工程調整により仮設物を共用する。 (具体事例) 10-A 単一機能または分散している施設について、統合や共有化を図る計画を実施 する。 10-B 公共施設の複合化による規模、構造の簡素化、一時的な需要に対応した仮設 の活用等を進める。 10-C 他事業との連携を図ることにより、機能の早期発現を図る。 10-D 複数工事で仮設物を共用することにより、効率化とコスト縮減を図る。 10-E 関連工事において、合併工事の推進を図る。 施策11.建設副産物対策等の推進 ① 建設副産物等に関する関係機関との情報交換体制の充実を図る。 ② 建設副産物等の3R「リデュース(発生抑制)・リユース(再利用)・リ サイクル(再生使用)」の促進を徹底する。 (具体事例) 11-A 建設発生土情報交換システムの活用を図り、公共工事間での発生土の更なる 利用を図る。 11-B 県やUCR などの建設発生土再利用ストックヤード等の活用を図る。 11-C 建設副産物の発生抑制に努め、発生土等の工事間流用を図る。 11-D 再生資材の積極的な活用を推進する。 11-E 設計段階において、より強度な材質のものを使用して、構造断面を小さく し建設副産物の発生を抑制する。 11-F 溶融スラグを利用した資材の活用に努める。 11-G 分離解体を促進し、廃材のリサイクルに努める。 11-H 布設替工事等で一時的に使用する仮排水設備・仮配管資材について、レンタ ル資材の使用を推進する。 11-I 土質特性による、土壌改良等を検討して発生土の抑制を図る。 8 【3】 民間技術の積極的な活用 施策12.公共工事等における新技術活用システム(NETIS)を通じた民間技術 の積極的活用 ① 新技術に関する内容、従来技術との比較、歩掛情報等の提供を行う。 (具体事例) 12-A 新技術情報提供システム(NETIS)を活用し、有用な新技術について民間技 術の活用を促進する。 12-B 建設工事に新技術を長期的かつ継続的に活用するため、情報収集を行う。 12-C 設計業務のプロポーザル方式の積極的な活用を図る。 【4】 社会的コストの低減 施策13.工事に伴うCO2 排出の抑制による地球温暖化対策の一層の推進 ① 低燃費型建設機械等の普及促進を図る。 ② 公共施設に導入するエネルギー供給施設について、新技術を積極的に活用 する。 (具体事例) 13-A CO2 の排出抑制に向けて、低燃費型建設機械の利用を促進する。 13-B 街路灯や公共施設の照明にLED 照明の利用を促進する。 13-C 太陽光発電などの自然エネルギーの利用を促進する。 13-D エコロジー製品を積極的に採用し、環境負荷の低減及び将来の処分費等の低 減を図る。 13-E 工事における、熱さ対策の実施検討を図る。 施策14.社会的影響の低減(騒音・振動等の抑制、大気環境に与える負荷の 低減、工事による渋滞損失の低減、事故の防止) ① 排出ガス対策型建設機械等の利用を図る。 ② 低騒音・低振動型建設機械等の利用を図る。 ③ 工事期間中の交通渋滞による社会的影響の低減を図る。 ④ 工事の事故防止を推進する (具体事例) 14-A 排出ガス対策型建設機械等の利用を促進する。 14-B 低騒音・低振動型建設機械等の利用を促進する。 14-C 占用者と道路管理者等の工事時期の調整を行い、工事中の交通規制による社 9 会的影響に配慮した施工計画を検討する。 14-D 安全に関する研修や安全パトロール等の実施により、安全に対する意識向上 を図り、事故防止を推進する。 14-E 公共工事車両の安全な運行を確保するため、過積載防止対策を実施する。 14-F 投資効果などに見合う適切な(発電等)能力の採用を検討する。 Ⅲ.維持管理の最適化 【1】 民間技術の積極的な活用 施策15.施設の長寿命化を図るための技術基準類の策定 ① 施設の長寿命化を図るための技術基準類を策定する。 (具体事例) 15-A 施設の長寿命化を図るため、維持管理に関する基準等を適宜見直す。 15-B 既設施設の維持管理工事において、予算投資の効率化を図り、施設の使用年 限の延長を図る計画を実施する。 15-C 塗装の長寿命防食塗装(耐候性塗装等)を採用し、維持管理コストの縮減を図 る。 15-D 維持管理コストの縮減を図るため、耐候性鋼材等の使用を検討する。 【2】 戦略的な維持管理 施策16.公共施設の点検結果等にかかるデータベースの整備 ① 公共施設の点検結果等にかかるデータベースの整備を推進する。 (具体事例) 16-A 市有建築物の計画的な保全及び耐震化のため、基本情報の一元的管理を行い、 保全計画及び耐震計画を推進する。 16-B 公共施設の点検結果等をデーターベース化し、早期対応を図る。 16-C 公共施設の情報データベース化を踏まえた維持保全計画を推進する。 施策17.公共施設の長寿命化に関する計画策定の推進 ① 長寿命化を考慮した戦略的な維持管理システムを構築、運用するための計 画策定を推進する。 (具体事例) 17-A 国や県等の動向を踏まえ、長寿命化計画等に基づく予防保全を推進する。 17-B 公共施設のアセットマネジメントのため、長寿命化計画等を策定し、維 10 持管理コストの縮減を図る。 17-C 効果的かつ効率的な整備を進めるため、整備計画を見直す。 17-D 施設の用途に応じた適切な使用による維持管理費の抑制や低減を図る。 施策18.地域の実情や施設特性に応じた維持管理の推進 ① 地域住民やボランティアの参加による維持管理を推進する。 ② 公共施設等の管理水準について地域特性等に応じた合理化や見直しを行う。 ③ 効率的・計画的な維持管理・更新による維持管理費の低減を図る。 (具体事例) 18-A 地域住民やボランティアの参加による道路、水路、公園等の清掃等を推進 する。 18-B 市民との協働による芝生や植栽の管理を行う。 18-C 地域特性に応じた除草回数の見直しを図る。 18-D 施設の立地条件を配慮した維持管理に向けて、適切な使用材料等の選定に努 める。 18-E 個々の部材の寿命、計画的な補修費用等を含めた総合的な計画を行い、コス ト縮減を図る。 18-F 緑化による消費電力削減等の省エネルギー対策、照明施設等の電力源への 自然エネルギーの活用等を推進する。 18-G 公共施設の維持管理を見直し、計画的な維持管理を実施する。 Ⅳ.調達の最適化 【1】 電子調達の推進 施策19.CALS/EC の活用による入札・契約の推進 ① 全ての入札について、入札参加者が入札説明書等の設計図書をネットワー ク経由で入手可能とするなど、電子入札の一層の実施・普及を図る。 (具体事例) 19-A 入札情報公開システム及び電子入札システムを利用して、入札説明書等の設 計図書をネットワーク経由により配布を行う。 施策20.電子情報の共有化による建設工事の生産性の向上 ① 工事関係書類等について受発注者が電子媒体を通じて相互にやりとりし、 その蓄積により必要な成果物の電子納品が可能となるよう、情報共有や電 子納品を推進する。 11 ② 建設工事の生産性の向上のため、設計段階と施工段階及び施工段階と維持 管理段階間の電子情報の共有化を推進する。 (具体事例) 20-A 情報共有や電子納品を推進する。 20-B 設計・施工・維持管理の各段階において、関係書類の統一化、電子化を図る。 20-C 建設事業における全てのプロセスにおいて、電子情報の交換、共有、連携に より事業効率の向上を図るため、CALS/EC を推進する。 【2】 入札・契約の見直し 施策21.総合評価方式の充実 ① 本市発注工事において、技術的な工夫が十分可能な工事について総合評価 方式による調達を行う。 ② 総合評価方式における評価点の算定方法の工夫による技術競争の更なる充 実を図る。 ③ 技術提案履行状況の確認強化と受注者が誠実に技術提案を履行する仕組み を構築し一層の定着を図る。 (具体事例) 21-A 総合評価落札入札方式の積極的な実施を図る。 施策22.多様な発注方式の活用 ① 設計施工一括発注(デザインビルド)方式、設計者を選ぶプロポーザル方 式、詳細設計付き施工発注方式、本体・設備一括発注方式の活用を推進す る。 (具体事例) 22-A 国や県等の動向を踏まえ、設計施工一括発注(デザインビルド)方式、設 計者を選ぶプロポーザル方式、詳細設計付き発注方式、本体・設備一括発 注方式の導入を検討する。 施策23.民間の技術力・ノウハウを活用した調達方式の推進 ① PFI 等の一層の活用を推進し、民間の資金・能力を活用する。 (具体事例) 23-A PFI に対する取り組みを推進するため、行政と民間事業者が活用しやすい仕 組みづくりを検討する。 23-B 公益施設の整備には、PFI の活用を検討する。 12 施策24.工事の円滑な執行のための手続き改善 ① 債務負担行為を計画的に活用する。 (具体事例) 24-A 工事の発注時期を年間を通し平準化するため、債務負担行為を計画的に活用 する。 24-B 平準化のために、工事発注予定表に基づき計画的な発注を行う。 24-C 工事の円滑な執行、品質確保のため適切な工期の確保を図る。 施策25.受発注者のパートナーシップの構築による建設システムの生産性向 上 ① 受発注者間の協議の迅速化により、施工の効率化を図る。 ② 設計思想の効率的な伝達のため施工管理委託の検討をする。 (具体事例) 25-A 施工の効率化を進めるため、ワンデーレスポンスを実施する。 25-B 工事によって、デザインビルド方式等施工管理委託を検討する。 施策26.公共工事等の品質確保の推進 ① 公共工事の品質確保を図るための施工プロセスを通じた監督・検査を推進 する。 ② 品質を確実に確保するための調査・設計業務における低入札対策を検討す る。 ③ 優良な技術者の確保・育成を図る。 (具体事例) 26-A 施工体制の点検を実施することにより、公共工事の品質の確保を図る。 26-B 工事の施工プロセス全体を通じて工事実施状況等の確認を行う。 26-C JIS 規格品等の品質が確保されている製品は、効率的な検査を実施し、監督 業務の効率化を図る。 26-D 国や県等の動向を踏まえ、各種低入札対策を検討する。 26-E 技術職員に対して、技術及び基準等についての理解を深めるため、講演・研 修を活用する。 【3】 積算の見直し 施策27.施工パッケージ型積算方式(仮称)や積算システムの適用拡大 ① 積算業務の負担軽減や価格の透明性の向上が図れる「施工パッケージ型積 算方式」の活用を検討する。 13 ② 積算システムの利用工種を拡大する。 (具体事例) 27-A 国や県等の動向を踏まえ、施工パッケージ型積算方式の活用を検討する。 27-B 積算システムによる工種をさらに拡充する。 27-C 標準施工単価等を定め、設計・積算の共有化を図る。 施策28.市場を的確に反映した積算方式の整備 ① 予定価格の作成において見積を活用する方式を拡大する。 ② 技術革新による積算基準の見直しを行う。 (具体事例) 28-A 市場を的確に反映した資材価格調査を推進する。 28-B 適正な単価設定をするため、積算価格に影響を及ぼす高額資材について、 資材価格特別調査を行う。 28-C 設計単価の基となる物価資料の適正な取り扱いを行う。 14 用語の解説 1 VE(Value Engineering) 目的物の機能を低下させずコストを縮減する、又は、同等のコストで機能を 向上させるための技術。(例 設計VE・入札時VE) 2 CALS/EC(Continuous Acquisition and Life-cycle Support / Electronic Commerce) 公共事業支援統合情報システムの略称であり、従来は紙で交換されていた情 報を電子化するとともに、ネットワークを活用して各業務のプロセスをまたぐ 情報の共有・有効活用を図ることにより公共事業の生産性の向上やコスト縮減 を実現するための取り組みである 3 総合評価方式 総合評価方式とは、価格のみによる落札方式とは異なり、施工計画、配置予 定技術者、技術提案の内容等の「価格以外の要素」と「価格」とを総合的に評 価して落札者を決定する落札方式。 4 PFI(Private Finance Initiative) PFIとは、公共施設の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及 び技術的能力を活用して行う手法。 5 施工パッケージ型積算方式 施工パッケージ型積算方式とは、従来の積み上げ積算方式の、直接工事費を 機械経費・労務費・材料費に分けた積算に対して、これを1つの「施工パッケ ージ」として積算する方式。(間接工事費は、従来同様、率式等により積算する。) 6 建設発生土情報交換システム インターネットを活用し、事業の各段階におけるリアルタイム情報交換が可 能であり、地図上での検索により最適な情報が得られる。 7 新技術活用システム(NETIS) 民間事業者等により開発された有用な新技術を公共工事等において、積極的 に活用していくためのシステム 8 デザインビルド方式 15 主に、建設工事の設計から施工までを、一つの企業に発注すること。代表的 な発注方式として「設計・施工一括発注方式」がある。 9 プロポーザル方式 技術力や経験・プロジェクトにのぞむ体制などを含めた提案書の提出を求め、 公正に評価して設計者を選ぶ方式。 10 ワンデ―レスポンス 工事において、発注者が施工業者からの問い合わせに対して、一日以内ある いは期限を決めて回答を行うという取り組み。 16
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