気候変動とCOP21

大和スペシャリストレポート資料
収録:2016年2月2日(火)、10:30-12:00
担当:大和総研 経済環境調査部 主任研究員 大澤秀一
気候変動とCOP21
気候変動に関する国際条約
① 気候変動枠組条約(UNFCCC)
 1992年作成、1994年発効
 大気中の温室効果ガス濃度の安定化
 締約国は195か国・地域
 先進国と途上国それぞれに責任と役割を分担
② 京都議定書
 1997年採択、2005年発効
 一部の先進国に削減義務、締約国は192か国・地域
 削減義務国のシェアは
約25%(2008~12年)、約16%(2013~20年)
世界の温室効果ガスの排出状況
1997年(227億t)のCO2排出シェア 2012年(317億t)のCO2排出シェア
メキシコ
1%
その他途
上国
20%
韓国
2%
インド
4%
中国
14%
米国
24%
EU-28
17%
メキシコ
1%
韓国
2%
その他途
上国
23%
米国
16%
EU-28
11%
ロシア
5%
インド
6%
中国
26%
ロシア
その他先
日本
6%
進国
5%
3%
ウクライナ カナダ
2%
2%
(出所)国際エネルギー機関資料から大和総研作成
日本
4%
カナダ
2%
その他先進国 ウクライナ
1%
3%
2010年
2015年
2000年
1990年
1980年
1970年
1960年
1950年
-2.0
1940年
-1.5
1930年
1920年
0.5
1910年
1.0
1891年
1900年
1891-2010年
平均からの差(℃)
地球温暖化の長期傾向
世界 +0.71℃/百年
0.0
-0.5
-1.0
日本 +1.14℃/百年
(出所)気象庁資料から大和総研作成
COP21で合意した「パリ協定」
③ パリ協定
 2015年採択
 2020年以降の気候変動対策の国際枠組み
 55%&55か国の署名等を経て、20年までに発効見込み
 長期目標「2(1.5)℃目標」と「人為的排出・吸収の均衡」
 すべての国が気候変動対策のための措置を講じる義務あり
 5年毎に自主目標(達成義務なし)をピアレビュー
 世界全体の気候変動対策を評価&フィードバック
 先進国と他の国は途上国に資金を提供する
 先進国は途上国に技術と能力開発を支援する
世界の温室効果ガス排出量の現実と理想
(引用)UNFCCC “約束草案集計効果の統合報告書”(2015/10/30)
日本の温室効果ガス排出量の推移と目標
(百万トンCO2)
1,600
3.8%削減
(2005年度比)
パリ協定における自主目標
26%削減
(2013年度比)
1,400
1,200
1,000
800
600
長期目標
80%削減
(2013年度比)
400
200
0
1990
2000
10 13
20
年度
25
30
50
(出所)環境省資料から大和総研作成
GDP1ドルあたりの排出(kg/米ドル)
1.1
2.6
0.64
0.46
0.31
韓国
(2030年)
(2030年)
中国
(2030年)
0.18
米国
(2025年)
日本
(2030年)
韓国
(2012年)
中国
(2010年)
米国
(2013年)
EU
(2013年)
0.16
日本
(2013年)
0.29
0.27
EU
(2030年)
0.29
(引用)地球環境産業
技術研究機構「革新
的環境技術シンポジ
ウム2015」、経済産
業省大臣官房審議官
講演資料「気候変動
国際交渉の現状」(平
成27年12月18日)
一人あたりの排出(t/人)
20.4
14.8
14.0
11.0
10.3
韓国
(2030年)
中国
(2030年)
米国
(2025年)
EU
(2030年)
日本
(2030年)
6.6
韓国
(2012年)
中国
(2010年)
10.2
8.9
7.8
米国
(2013年)
EU
(2013年)
日本
(2013年)
8.9
(引用)地球環境産業
技術研究機構「革新
的環境技術シンポジ
ウム2015」、経済産
業省大臣官房審議官
講演資料「気候変動
国際交渉の現状」(平
成27年12月18日)
各国の地球温暖化対策
1. 電源構成
再生可能エネルギーの普及、原子力発電の活用
2. 発電効率
石炭・天然ガス火力発電の高効率化
3. 二酸化炭素除去技術
森林保全・大規模植林の普及、二酸化炭素回収・貯留(CCS)の開発
4. 省エネや節電の推進
省エネ機器、高断熱建築物、エコカー、モーダルシフト、ウォームビズの推進
5. エネルギー転換
天然ガスシフト、オール電化、蓄電池、水素社会
◎ 課題はコスト
他の政策目標とバランスを取りながら実施することが重要