#-1 2002 HEAT TRANSFER 「伝熱学」 CONTENTS 1 Introduction 1-1 Conduction Heat Transfer 1-2 Thermal Conductivity 1-3 Convection Heat Transfer 1-4 Radiation Heat Transfer 1-5 Dimensions and Units 1-6 Summary 1 序 論 1-1 伝導伝熱 1-2 熱伝導率 1-3 対流伝熱 1-4 放射伝熱 1-5 次元と単位 1-6 まとめ 2 1. Introduction ○伝熱の基本形態 ❶熱伝導(heat conduction);分子や電子によるエネルギー輸送 静止物体内の熱移動 並進 分子=熱運動 振動 回転 原子 ❷熱伝達(heat convection);分子や電子によるエネルギー輸送 流体内の熱移動 ❸熱放射(thermal radiation):電磁波によるエネルギー輸送 (熱輻射) 物質移動を伴う伝熱(蒸発,沸騰,凝縮,溶融,凍結,昇華) 3 1-1 伝導伝熱(conduction heat transfer / heat conduction) ○熱伝導の法則 ・静止物体内の温度勾配に基づく熱移動 ❶原子間の格子を伝わる振動 ❷自由電子の移動に基づく 固体‥‥金 属=電気伝導に関係した自由電子は電気 のみならず熱エネルギーも移動する (自由電子の速度は極めて早い) 非金属=自由電子不在 原子の振動による弾性的伝導 液体‥‥= =原子は比較的弱い結合 原子の衝突によってエネルギー伝導 分子の並進運動支配 気体‥‥= =分子間の引力・斥力微弱で分子相互の 衝突で伝導 ○熱伝導の法則 定常状態 ・各点の温度は時間的に一定不変 ・各点の温度分布は直線的に変化 q S T1 T2 x l T1 time T2 0 x 熱移動量,熱流束,熱流量 q[W]‥‥どの断面でも一定 温度差(T1-T2)に比例 断面積Sに比例 長さlに反比例 4 ○フーリエ(Fourier)の法則 A(T1 − T2 ) l dT = − kA dx q =k フランスの数理哲学者ヨゼフ・フーリエ(JosephFourier) q (T − T ) =k 1 2 A l dT = −k dx W/m 2 qx = 1-2 Baron Jean Baptiste Joseph Fourier 1768 - 1830 W 熱伝導率(thermal conductivity) k:熱伝導率(thermal conductivity) [W/mK] 物質固有の熱の伝え易さの度合いを表す物性値 k=ko(1+bT+・・・・) 気体の場合 液体の場合 固体の場合 (非金属) 固体の場合 (金属) 温度上昇= 温度上昇= 分子速度上昇 →増加 分子速度減少 →微減(水は増加) (k比例;分子数・比熱・速度・平均自由行程) 温度上昇= 振動モードの励起(低温)→増加T3 励起振動の散乱(高温) →減少T-1 温度上昇= 自由電子のエネルギー移動 →増加T1 ※Wiedemann-Franzの式 <電気の良導体=熱の良導体> k = const. σ eT σe:導電率 (1/Ωm) T :温度 (K) 5 1-3 対流伝熱(convection heat transfer / ) 気・液体などの流体にみられる熱の移動現象 =熱伝導 + 流体力学 (重力場) 流体温度 T∞ u T q 表面温度 物体表面では速度0 → Tw 熱伝導支配(フーリエの法則) q = kA ∂T ∂n n =0 W 壁面温度勾配は流れに支配されている. q [W] :温度差(Tw-T・)に比例,表面積Aに比例 ☆Newton(ニュートン)の冷却則 q = hA(Tw − T∞ ) W h:熱伝達率(heat transfer coefficient) [W/m2K] ・・・流体の種類,流動条件(流速),表面形状に依存 物体の種類に無関係 強制対流熱伝達 Nu = hl = f (Re, Pr) k 自然対流熱伝達 Nu = hl = f ' (Gr, Pr) k Nu:Nusselt(ヌッセルト)数 =>無次元熱伝達率 Pr:Prandtl(プラントル)数 [=n/a ] Re:Reynolds(レイノルズ)数 [=ul/n] Gr:Grashof(グラスホフ)数 [=gbDTl2/n2] ※テキストp13 表1-2 対流熱伝達率の概略値 参照 6 1-4 ふく射伝熱(radiation heat transfer ) 物体が電磁波の伝播によりエネルギを放出したり吸収したりする熱移動 物体構成系の内部荷電の運動が,原子や分子の熱運動に付随するために 生じ,絶対温度が零でない物体に一般に発生する. 物体から出る放射線は一般に, ①電子自体の運動に起因するものは波長が短い(可視部及び近赤外) ②分子内の原子の振動によるものはこれに次(近赤外から約20ミクロン) ③結晶の格子振動によるものは極めて長い波長(20〜160ミクロン) 人間の肉眼は0.38〜0.76ミクロン程度の光線に感ずるが 熱放射で問題になるのは普通0.3〜10ミクロンの波長である. ==>大部分が可視範囲より長い波長=赤外線の領域にある熱線 ○Stefan-Boltzmann(ステファン・ボルツマン)の法則 q = σAT 4 W 黒体(Black body):入射した放射エネルギーをすべて吸収する物質 実際上は,灰色物体に対して q = εσAT 4 W -8 W/m2K4 σ:ステファン・ボルツマン定数 = 5.669×10 ε:放射率(emissivity)<1 q = EbA − EbB 4 EbA 4 B = εσA(TA - T ) W TB TA q EbB [放射率] 金属 アルミニウム:研磨面 0.04〜0.08(40〜500度) 酸化面 0.08〜0.18 銅: 研磨面 0.02〜0.04 酸化面 0.50〜0.50 ガラス 0.95 煉瓦(赤,粗面) 0.93 紙 0.93 一般ペンキ 0.92〜0.96 水 0.96 氷 0.92〜0.96 6 1-5 次元と単位(dimensions and 長さ= L 質量= M 力 = F 時間= τ 温度= T m kg N (kgm/s2) s K or C エネルギ= 仕事率= 熱伝導率=k 熱伝達率=h 比熱= c 熱移動量=q J (N・m) W (J/s) W/mK W/m2K J/kgK W/m2 units) s Pa・s [ N・s/m2 ] Pa [ N/m2 J ] [ N/m ] [N] 表面張力 kg・m/s2 [ N•m ] kg/s2 W [ N•m/s ] m
© Copyright 2024 Paperzz