説明パネル - 鹿園研究室

低温度差熱機関のための基礎要素研究
生産技術研究所 エネルギー工学連携研究センター 鹿園研究室
http://www.feslab.iis.u-tokyo.ac.jp/
省エネルギーを実現する上で,熱の有効利用は最も重要な課題の一つである.そのためには,熱交換時の温度差
を低減すること,および温度差の小さい熱源間でも熱機関を動かすことが必要である.本研究では,次世代蒸気エ
ンジンやヒートポンプ等に不可欠な要素技術の研究開発を行っている.
次世代蒸気サイクルの研究
◆ 振動型蒸気サイクル:単管内の振動する二相流を利
用した簡素な構成の蒸気サイクル.
◆ トリラテラルサイクル:排熱のエクセルギーを最大限
回収するための二相膨張サイクル.
600
500
加熱部
T (℃)
400
冷却部
300
200
100
0
0.0
1.0
2.0
0.11
Steady flow (Han et al., 2009)
Correlation
Accelerated flow (Han et al., 2010)
Correlation (Bo = 2.7)
0.10
0.09
0.08
3.0
4.0 5.0 6.0
s (kJ/kgK)
7.0
8.0
9.0
トリラテラルサイクルT-s線図
Deceleration
Acceleration
100
+15%
38 mm
44 mm
膨張機内二相断熱膨張の様子
55 mm
0.07
95
0 / D
0.06
0.05
-15%
90
ad (%)
0.04
0.03
Water, D = 1 mm
Deceleration
Acceleration
(Bo = 0.58)
(Bo = 2.7)
Ca0 = 0.0088
Ca0 = 0.0029
Ca0 = 0.0071
Ca0 = 0.0233
Ca0 = 0.0110
Ca0 = 0.0169
Ca0 = 0.0218
0.02
0.01
0.00
0.00
0.01
0.02
0.03
0.04
0.05
80
0.06
75
Ca (U/)
細径単管蒸気サイクルのPV線図
85
加減速する液膜の厚さ
70
0
50
斜交波状面による新たな伝熱促進技術の開発
100
150
vp,max (mm/s)
200
250
トリラテラルサイクル実証装置
二相断熱膨張効率
◆ 新規な伝熱促進機構の提案&実証:従来のスリットフィン,ルーバーフィン等の前縁効果に代わる新たな単相流伝熱促
進機構を評価中.高い伝熱性能と良好な防塵,ドレン排水特性を両立.
ガスタービン翼冷却
冷却水伝熱促進
Cooled EGR
給湯ヒーポン
産業用
空調用
ラジエータ
フィン
乱流
平滑面
カーエアコン
100
Nu
熱伝達率
1000
10
層流平滑面
1
10
100
1000
10000
100000
Re
前縁効果 vs. 乱流化
斜交波状面による伝熱・物質伝達の促進
斜交波状面を適用した
コルゲートフィン
ステンレス熱交換器の開発
建設機械ラジエータに量産適用済
◆ 耐熱衝撃特性,耐食性に優れた新規熱交換器の提案:細径扁平管を積層したフィンレス柔構造を採用することで,ステンレ
スを用いた場合でも伝熱性能の低下を抑制し,高い耐熱応力特性・耐食性を実現.排熱回収用途で評価中.
Heat Exchange rate Q (W)
Air Conditioner
Fin & Tube
Heat Exchanger
10
Heat Transfer Area Ratio
(Air side / Refrigerant side)
20
250
Corrugated fin & flat tube
Heat exchanger
150
100
0.7
Prediction
Prediction
0
0
0.5
Experiment
Experiment
50
Finless Heat Exchanger
0.3
Tin = 38 ℃
200
1
2
3
(mm)
Tube管径
Diameter
(mm)
5
7
10
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
SUS製排熱回収熱交換器
Frontal air velocity u f (m/s)
フィンレス熱交換器の位置づけ
高さ97mm×幅36mm×奥行き10mm品の実験結果
冷凍サイクル用超コンパクト気液分離器の開発
◆ 表面張力を利用した新規気液分離機構の実証:微小スケールで支配的となる表面張力を利用した気液分離を原理確認か
ら行い,実際の冷凍サイクルで実証した.ガスバイパスサイクルで蒸発器の圧損を半減できる.従来品に対して体積約
1/7.2008年10月より量産を開始した.
2.0
g L /G L [%]
1.5
Contraction section:
Introduce all liquid into the
grooves
12.5kW
8 kW
4kW
1 6kW
Cooling
Gas Bypass Ratio = 60%
1.0
4kW
8kW
16kW
Rated flow rate
0.5
Expansion section:
Gas expands and liquid is confined in the
grooves
表面張力を利用した気液分離の原理
0.0
φ25.4
10
20
30
40
50
60 70
80
Flow Rate G [g/s]
90
100
φ35
φ38.1
110
R410Aサイクルでの気液分離特性
東京大学生産技術研究所
量産気液分離器
容量展開
φ45