フランス映画

☆登場人物・俳優紹介☆
Edmond Batignole 役(Gerard
Jugnot)
パリのシベル通りにある精肉総菜店を営む普通に冴えない男。エドモン
は同居する口うるさい妻と処世術に長けた娘、積極的対独協力者である
娘の婚約者にも、出来うる限り無関心を装っている。
1951 年 5 月 4 日パリ生まれ。78 年に『レ・ブロンゼ』のタイトルで映画化され、大
ヒットを記録する。この成功で「スプランディド」の名はフランス中に知れ渡る。
そして 84 年に"Pinot,simple flic"で監督に初挑戦し、大ヒットを記録する。以来監督としても活躍し、CF
の演出も手掛ける。その後 94 年『ブルー・ヘルメット』、2000 年『女がいちばん憧れる職業』にて監督・
主演を努め、いずれも好評を博す。このバティニョールおじさんでも監督・主演を務めた。
Simon Bernstein役(Jules Sitruk)
隣人であるユダヤ人外科医のバーンスタイン一家の次男、12 歳。
1990 年 4 月 16 日生まれ。パリ出身。おもにテレビで活躍していた名子役であり、以前
から目をつけていたジュニョ自身が出演をオファーした。
その他の作品は、
「ぼくセザール 10 歳半 1m39cm(2003)」「皇帝ペンギン(2005)」がある。
Pierre Jean Lamour 役(Jean Paul Rouve)・・・ナチス支持者でエドモンドの娘婿。
この映画のストーリー・・・
ナチス・ドイツの占領下にあるフランス。総菜屋を経営するバティニョール(ジェラー
ル・ジュニョ)は気のいい中年男だが、ある日、ひょんなことから隣のユダヤ人、バー
ンスタイン家の摘発に関わってしまう。ナチ信奉者である娘婿の計らいで、バーンスタ
インの豪華なアパートまで手に入れたバティニョールだが、ドイツ大佐を招いたパーテ
ィの真っ最中、バーンスタイン家の息子・シモンがひょっこり帰ってきた。とっさにシ
モンを匿ったバティニョールは、シモンをスイスへ逃がすことに…。
2002 年度作品・フランス映画・上映時間:103 分
第二次世界大戦について、その時のフランスについて少し振り返ってみよう・・・
第二次世界大戦は、1939 年から1945 年にかけて連合国と枢軸国の二つの陣営で行われた人
類史上二度目の世界大戦である。
フランスでは・・・
ナチスドイツの西部攻勢によって両国に休戦協定が結ばれ、フランスは占領地区・併
合地区・自由地区に 3 分され 150 万人の兵士を捕虜としてドイツに残し、ドイツに占領
された諸県のフランス人達は夜間外出禁止や強制労働を強いられた。そんな中、新たに
できたフランス政府もやはり実態はドイツの傀儡政権であり、ドイツに単独で対抗する
だけの気力も実力も当時のフランスにはなく、ドイツ政府は休戦協定によるフランスの
独協力を義務付けた。対独協力の典型として「ユダヤ人狩り」がある。フランス警察は
パリに住む 1 万数千人のユダヤ人を逮捕して強制収用所へ送った。
その他には占領費の支払いや「労働狩り」である。ドイツの労働不足を補うために強
制労働徴用を行い、熟練労働者を含むフランス青年 25 万人をドイツへ送り出した。ま
たナチ親衛隊の手先となって抵抗派の弾圧を行ったり、ユダヤ人著書や反ドイツ的書物
が発禁となった。
ドイツの猛威がヨーロッパ全土に広がる中、米英はじめとする連合軍は打倒ドイツに
向けた計画を着々と進めつつあった。
1944 年 6 月、英米ほか連合軍はフランス北部海岸ノルマンディーにフランスの残存
海軍応戦のもと大部隊を編成して決死の上陸。激戦の中、フランスの植民地である北ア
フリカのフランス軍部隊も合流しドイツとの本格的な戦いに突入。ドイツは自ら攻撃を
仕掛けたソ連に東から、西に連合軍からの猛攻撃により撤退を余儀なくされ、1944 年8
月 25 日、パリは解放される。
また、フランスにおける第二次世界大戦はフランスとドイツの戦争であっただけでな
く、「フランス人同士の戦争」でもあった。
来場した皆様へ・・・
このような時代背景がこの作品にはあります。このことを知り、映画を観て、皆様がたくさんの
ことを感じて何か得られたらと思い、この作品を選びました。そして、他のフランス映画にも興
味を持ってもらえたらと思います。今日は本当にありがとうございました。
2007 年 11 月 5 日